JP4448680B2 - アシルオキシベンゼンスルホン酸またはその塩の製造方法 - Google Patents

アシルオキシベンゼンスルホン酸またはその塩の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造方法に関し、詳しくは、漂白活性化剤などとして有用なアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を高い回収率で効率よく製造することができる方法に関する。
アシルオキシベンゼンスルホン酸塩の製造法として、フェノールスルホン酸塩とカルボン酸ハライドとを、中性有機溶剤あるいは炭素数2〜18のカルボン酸を溶媒として反応させる方法が知られている。また、アシル化剤としてカルボン酸無水物を使用する方法も知られており、例えば、フェノールスルホン酸塩との反応として、N,N −ジメチルホルムアミドやN,N −ジメチルアセトアミド等の極性の中性溶媒中で、炭素数7〜12の脂肪酸石鹸を触媒とする方法が知られている。
上記の方法で合成した反応物には種々の不純物が含まれており、この不純物を除去するため以下のような方法が提案されている。例えば特許文献1には、脂肪酸反応媒体が可溶でありかつ炭素数6〜18のアシルオキシベンゼンスルホン酸塩が不溶である溶媒に再分散され、目的物であるアシルオキシベンゼンスルホン酸塩を不溶解分として濾過/分離することにより精製する方法が記載されている。
また、ジメチルホルムアミド等の極性溶媒中でフェノールスルホン酸塩とカルボン酸無水物を反応させた後、反応生成物にアセトンを加えることによりアシルオキシベンゼンスルホン酸塩を析出させる方法(特許文献2)、フェノールスルホン酸塩、無水酢酸及びカルボン酸を反応させてアシルオキシベンゼンスルホン酸塩を合成し、反応物を炭素数1〜3のアルコール等の親水性溶剤で洗浄することにより、過剰のカルボン酸及び残存したアセトキシベンゼンスルホン酸塩を除去する方法(特許文献3)等がある。
しかし、上記各々の方法においては、得られるアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩はその粒径が比較的小さく、例えば、晶析後に行う濾過、洗浄工程においてその損失が大きいという問題があった。また、その精製工程において目的物質であるアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩が分解し、アシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を効率的に回収することが困難であった。一方、特許文献4には、反応混合物を、水及び溶解度パラメータが8〜16である有機溶媒2種以上で処理してアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を製造する方法が提案されているが、更に高い効率でアシルオキシベンゼンスルホン酸塩を回収する方法が要望されていた。
特公平4−1739号公報 特公昭63−27341号公報 特開平2−73053号公報 特開平9−110824号公報
本発明は、このような状況下でなされたものであり、酸触媒の存在下でアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を製造するに際し、得られた反応混合物から粒径の大きなアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を得ることができ、更にこれを高い回収率で効率よく得ることができるアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、酸触媒の存在下に製造された反応混合物からアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を晶析する際に、上記反応混合物に水を添加することにより、粒径の大きなアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を高い回収率で効率よく製造することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
酸触媒の存在下、一般式(1)
Figure 0004448680
(式中、R1は炭素数1〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基、nは0~2の整数を示し、nが2の場合、2つのR1は同じでも異なっていてもよい。M1及びM2は、それぞれ独立に水素原子又は陽イオン基、aおよびbは、それぞれM1及びM2の価数を示す。)で表されるヒドロキシベンゼンスルホン酸あるいはその塩とカルボン酸誘導体とを反応させて得られた一般式(2)
Figure 0004448680
(式中、R2は炭素数1~17の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基を示し、R1、M1、a及びnは前記と同じである。)で表されるアシルオキシベンゼンスルホン酸またはその塩を含む反応混合物に水を添加した後、晶析及び固液分離を行うアシルオキシベンゼンスルホン酸またはその塩の製造方法を提供するものであり、特に、上記方法において、更に、反応混合物を中和処理した後、晶析及び固液分離を行う上記製造方法、又は上記方法において、カルボン酸誘導体が、一般式(3)
Figure 0004448680
(式中、R2は炭素数1~17の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基を示す。)で表されるカルボン酸無水物である上記製造方法を提供する。
本発明によれば、酸触媒の存在下で合成されたアシルオキシベンゼンスルホン酸またはその塩を含む反応混合物に水を添加した後に、晶析及び固液分離することにより、粒径の大きなアシルオキシベンゼンスルホン酸またはその塩を得ることができ、これを濾過時等において高い回収率で効率よく得ることができる。更に、反応混合物を中和処理することにより、晶析時におけるアシルオキシベンゼンスルホン酸またはその塩の分解を抑制することができ、その回収効率を向上させることができる。
本発明のアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造方法においては、原料として、上記一般式(1)で表されるヒドロキシベゼンスルホン酸又はその塩が用いられる。
一般式(1)において、R1で示される炭素数1〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、各種ドデシル基、各種テトラデシル基、各種ヘキサデシル基、各種オクタデシル基、ビニル基、プロペニル基、アリル基、各種オクテニル基、各種デセニル基、各種ドデセニル基、各種ヘキサデセニル基、オレイル基などが挙げられるが、これらの中でメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基の中から選ばれる炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましい。nは0又は1が好ましく、さらに好ましくは0である。nが1以上の場合、R1のOH基に対する導入位置はパラ位以外であればよく、特に制限はない。
一般式(1)において、M1及びM2のうちの陽イオン基としては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属;カルシウム、バリウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属;アンモニウム;ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム等の置換アンモニウム;テトラメチルアンモニウム、ジデシルジメチルアンモニウム等の四級アンモニウムなどがあるが、そのうちアルカリ金属が好ましく、特に工業的な面からナトリウムが好ましい。また、M1及びM2は、たがいに同一でも異なっていてもよいが、操作性の面から、同一であることが好ましい。
なお、本発明において用いられるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩は、該ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩における前記一般式(1)で示されるパラ体の含有割合が70質量%以上、好ましくは80質量%以上のものである。
本発明においては、一般式(1)で表されるヒドロキシベゼンスルホン酸又はその塩を、酸触媒の存在下、カルボン酸誘導体と反応させることにより、一般式(2)で表されるアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を製造する。
この反応においては、前記一般式(1)で表されるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩は、実質的に無水の状態でエステル化に使用することが好ましい。ここで実質的に無水とは、原料自体に少量の水分を含む場合、例えば0.5質量%以下の水分量を含む場合を包含する。
前記一般式(1)で表されるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩と反応させるカルボン酸誘導体としては、前記一般式(3)で表されるカルボン酸無水物あるいは一般式(4)
2−COX (4)
(式中、R2は前記と同じであり、Xは弗素、塩素、臭素及びヨウ素から選ばれるハロゲン原子を示す。)で表されるカルボン酸ハライドなどを用いることができる。
前記一般式(1)で表されるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩と、カルボン酸無水物を反応させて、前記一般式(2)で表されるアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を製造するプロセスにおいては、前記一般式(1)で表されるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩として、M1がナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属で、M2が水素原子であるものが好ましく、特に工業的な面から、M1がナトリウムで、M2が水素原子であるものが好ましい。
カルボン酸無水物としては、前記一般式(3)で表される化合物を用いることができる。
一般式(3)で表されるカルボン酸無水物としては、R2が炭素数5〜17のものが好ましく、その具体例としては、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、3,5,5−トリメチルカプロン酸、2−メチルカプリル酸、2−メチルカプリン酸、3,7−ジメチルカプロン酸、2−エチルヘキサン酸、イソステアリン酸などの各種カルボン酸の酸無水物などが挙げられる。
ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩とカルボン酸無水物の反応方法については、本発明においては、硫酸、パラトルエンスルホン酸などの酸触媒の存在下に行うことが必須であり、その存在下であれば特に制限はなく従来公知の方法をいずれも採用することができる。例えば、トルエンなどの反応に不活性な溶媒中において、実質的に無水のヒドロキシベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩と、実質的に化学量論的量の前記カルボン酸無水物を50〜110℃程度の温度で反応させることにより、目的のアシルオキシベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩を得ることができる。
上記酸触媒の使用量は、反応系に応じてその量を決定すれば良く、例えば反応液100質量部に対し、0.1〜5質量部添加することができる。
また、前記一般式(1)で表されるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩と、カルボン酸ハライドを反応させて、前記一般式(2)で表されるアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を製造するプロセスにおいては、前記一般式(1)で表されるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩として、M1及びM2が共にナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属であるものが好ましく、特に工業的な面からナトリウムであるものが好ましい。
用いられるカルボン酸ハライドとしては、前記一般式(4)で表される化合物を用いることができる。一般式(4)で表されるカルボン酸ハライドの具体例としては、前述の一般式(3)で表される無水カルボン酸の説明において例示したカルボン酸のクロライド、ブロマイド等が挙げられる。
ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩とカルボン酸ハライドの反応方法については、従来公知の方法を採用することができる。例えば、N,N−ジメチルアセトアミドなどの反応に不活性な溶媒中において、上記酸触媒の存在下、実質的に無水のヒドロキシベンゼンスルホン酸のモノ、ジアルカリ金属塩と、実質的に化学量論的量の前記カルボン酸ハライドを、30〜150℃、好ましくは80〜120℃程度の温度で反応させることにより、目的のアシルオキシベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩を得ることができる。
一般式(1)で表されるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩とカルボン酸誘導体を反応させる方法のうち、本発明においては、特にカルボン酸誘導体として、一般式(3)で表される無水カルボン酸を用いる方法が本発明の前記効果を有効に奏し得る点で好ましい。
なお、本発明において得られるアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩は、該アシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩における前記一般式(2)のパラ体の含有割合が70質量%以上、好ましくは80質量%以上のものである。
上記一般式(1)で表されるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩とカルボン酸誘導体との反応において得られた反応混合物中には、目的とする上記アシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の他に、例えば2−アシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩、ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩、アシル化剤あるいはカルボン酸、スルホン酸エステル、ケトンフェニルエステルのスルホン化物あるいはその塩、ケトンフェニルエステル、ケトンフェノール、トルエンなどの反応溶媒等が含まれている。
このような目的物質以外の物質の全部あるいは一部を除去し、目的物を回収するため、通常、反応後に晶析及び濾過などからなる固液分離が行われるが、本発明においては、反応後固液分離操作の前に、得られたアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を含む反応混合物に水を添加し、更に、好ましくは中和処理を施す。水は、晶析を効率よく行い、粒径の大きなアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を得るため、アシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を含む混合物100質量部に対して、好ましくは1〜50質量部、より好ましくは1〜10質量部添加することができる。また、後述の中和処理を行う場合は、水は、中和剤を添加する前に添加してもよいが、中和剤とともにあるいは中和剤の溶媒として添加することもできる。また、中和剤を添加した後に添加することもできる。
本発明においては、アシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の回収を更に効率よく行うために、これを含む反応混合物を中和処理することが好ましい。この中和処理は、例えば、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩などの中和剤を用いて行うことができる。中和剤としては、このうち、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物が好ましく、特に水酸化ナトリウムが最も好ましい。この中和処理は、例えば50〜110℃の温度、通常反応終了後そのままの温度で実施される。このような中和処理により、アシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の晶析時やその後の分解を抑制することができる。
本発明において行う中和処理は、その中和度が酸1当量に対する中和剤当量数で0.3当量以上、更に0.3〜7.5当量の範囲にあることが好ましい。また、中和処理後のpH値は、0.8以上、更には0.8〜5.5の範囲内にあることが好ましい。中和度あるいはpH値が上記範囲内にあれば、その後の晶析時におけるアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の分解が著しく抑制され、その粒径も十分なものが得られる。
本発明においては、上記中和処理を行った後に晶析及び固液分離を行う。この固液分離については、その手段は限定されず、濾過、遠心分離、吸着等公知の方法がいずれも使用できる。また、必要に応じ、洗浄、回収などの各々の工程を含む。上記濾過等の工程における目的物の回収効率等を考慮すると、本発明においては、上記中和度は酸1当量に対する中和剤当量数で0.3〜5.0当量、更に0.3〜4.0当量、特に0.5〜2.0当量の範囲にあることが好ましい。また、中和後のpH値は0.8〜5.0、更には0.8〜4.8であることが好ましい。
上記中和度が0.3当量以上あるいは中和処理後のpH値が0.8以上であれば、前述のように生成したアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の分解が抑制される。更に中和度が5.0当量以下あるいは中和処理後のpH値が5.0以下であれば、上記の利点に加えて、混合物の粘度上昇による濾過時における濾過速度の低下もなく、固液分離後のアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の回収率も良好なものとなる。
晶析については、その方法には特に制限はなく、例えばアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を含む反応混合物に水を添加した後、所定の冷却速度で冷却することにより行う方法、あるいは水及び有機溶媒を使用する方法を用いることができる。
冷却による場合は、所定量の水を添加した後、反応温度から、例えば0.05〜10℃/分、好ましくは 0.1〜5℃/分の速度で冷却し、所定温度とすることにより行うことができる。また、水及び有機溶媒で晶析させる方法としては前記従来技術の欄において述べた特許文献1〜4の各々に記載された方法をいずれも使用することができ、有機溶媒としては、例えばN,N −ジメチルホルムアミド、N,N −ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒を、必要に応じ、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル等の比較的低沸点の溶媒と組み合わせて用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例1
攪拌機付きの1Lの四つ口フラスコにフェノールを400g(4.25モル)入れ、窒素雰囲気下で撹拌しながら50℃に昇温した。その後、98質量%硫酸446g(純度約98質量%、4.46モル)を50〜100℃で滴下し、100℃で1時間撹拌した。液体クロマトグラフィー分析により得られた生成物中のフェノールスルホン酸のパラ体の収率は88%(パラ体の純度は80質量%)であった。
さらに攪拌機付きの1Lの四つ口フラスコに得られたフェノールスルホン酸100g(パラ体:0.46モル)と水155.6gを加え、48質量%の水酸化ナトリウム水溶液44.9gを40〜60℃で滴下し、30質量%のフェノールスルホン酸ナトリウム水溶液を得た。その後、100〜120℃で水を留去し、フェノールスルホン酸ナトリウム水溶液を約1/2の質量にした後、トルエン270gを加え110℃で共沸脱水を行い、水分含量を0.2質量%未満にした。
さらに80℃まで冷却後、硫酸2.3g(0.023モル)を加え、無水ラウリン酸176g(0.46モル)を滴下し、80℃で8時間攪拌し、エステル化反応終了品を得た。液体クロマトグラフィー分析により得られたラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムのパラ体の収率は88%、その平均粒径は15μmであった。
エステル化反応終了品250gに80℃にて水15gを添加し、硫酸当量中和分の48質量%の水酸化ナトリウム水溶液1.7g(0.020モル)を加えた。水酸化ナトリウム水溶液添加後のpHは2.8であった。その後、80℃で2時間攪拌し、1.5時間かけ50℃まで冷却し、晶析を行った。晶析後のラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムの分解率は4%,平均粒径は43μmであった。
得られた混合物を50℃、3kPaで濾過し、トルエン70gで2回洗浄を行った。濾過速度は1810kg/m2h、洗浄速度は730kg/m2hであった。濾過および洗浄でのラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムの回収率は94%であった。
その後、80℃、13.3kPaで12時間乾燥し、ラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムの粉末を得た。
なお、ラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムの平均粒径は以下のように測定した。
HORIBA社製レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−920を用いて、分散溶媒(2−プロパノール)をセルに満たし、循環させた後、ラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムのトルエン懸策液を加え、超音波処理を1分間行った後、相対屈折率1.3にて測定した。
また、晶析後のラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムの分解率は、晶析前後でのラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム量の減少量と晶析前の量との測定値の比で示し、濾過速度は、単位時間、単位面積当りの濾液の濾材通過量を示し、洗浄速度も同様である。濾過等時のラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムの回収率は、濾過前後のラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム量の測定値の比で示す。
反応物の分析は液体クロマトグラフィーにより、以下のカラム、溶離液及び検出器を用いて行った。
ラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムの定量:
カラム:GL Science Inc. Inertsil ODS-3V(5μm)、150mm×4.6mmφ
溶離液:水/メタノール=600mL/2400mL中にテトラブチルアンモニウムブロミド 17.3g, 酢酸 5mL含有
検出器:RI
p−フェノールスルホン酸ナトリウムの定量:
カラム:関東化学株式会社製リクロスファー100 PR−18(5μm)、250mm×4mmφ
溶離液:以下のA液、B液を用いるグラジェント法
A液:0.1モル/リットル NaClO4 含有 CH3CN/水質量比=15/85溶液
B液:CH3CN 100%
検出器:UV 260nm
実施例2、3及び比較例2,3
エステル化反応終了品250gに水15gを加えた後の48質量%水酸化ナトリウム添加量を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
比較例1
エステル化反応終了品に晶析を行わずに濾過および洗浄を行った以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
Figure 0004448680
本発明の方法で得られたアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩、特にアルカリ金属塩は、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウムなどの過酸化水素発生基質や過酸化水素と水中で接触させることにより、低温でも容易に有機過酸を発生し、衣類などの汚れ、シミ汚れなどに有効な漂白性能を発揮することから、漂白活性化剤として、洗浄剤組成物などに用いることができる。

Claims (4)

  1. 酸触媒の存在下、一般式(1)
    Figure 0004448680
    (式中、R1は炭素数1〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基、nは0〜2の整数を示し、nが2の場合、2つのR1は同じでも異なっていてもよい。M1及びM2は、それぞれ独立に水素原子又は陽イオン基であり、aおよびbは、それぞれM1及びM2の価数を示す。)で表されるヒドロキシベンゼンスルホン酸あるいはその塩とカルボン酸誘導体とを反応させて得られた一般式(2)
    Figure 0004448680
    (式中、R2は炭素数1〜17の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基を示し、R1、M1、a及びnは前記と同じである。)で表されるアシルオキシベンゼンスルホン酸またはその塩を含む反応混合物に水を添加し、及び、中和処理して、反応混合物のpHを0.8〜5.0の範囲内とした後、晶析及び固液分離を行うアシルオキシベンゼンスルホン酸またはその塩の製造方法。
  2. 中和処理を行う際の中和度が、反応混合物中の酸1当量に対し中和剤当量で0.3〜5.0当量である請求項記載の製造方法。
  3. カルボン酸誘導体が、一般式(3)
    Figure 0004448680
    (式中、R2は炭素数1〜17の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基またはアルケニル基を示す。)で表されるカルボン酸無水物である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 固液分離が少なくとも濾過工程を含む請求項1〜のいずれかに記載の製造方法。
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