JP3515195B2 - アシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造法 - Google Patents
アシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造法Info
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Description
シルオキシベンゼンスルホン酸の製造法に関する。更に
詳細には、衣類等の汚れ、シミ汚れ等に対し有効に漂白
性能を発揮する漂白活性化剤として好適な極めて着色の
少ないアシルオキシベンゼンスルホン酸の製造法に関す
る。
キシベンゼンスルホン酸塩は、PC(過炭酸ナトリウ
ム)、PB(過ほう酸ナトリウム)に代表される過酸化
水素発生基質や過酸化水素と、水中で接触することによ
り低温でも容易に有機過酸を生成し、衣類等の汚れ、シ
ミ汚れに有効に漂白性能を発揮するため、漂白活性化剤
として特に有用な化合物である(特開昭59−22999
号)。このアシルオキシベンゼンスルホン酸の製造法と
しては、フェノールスルホン酸モノNa塩に無水酢酸を作
用させアセチルオキシベンゼンスルホン酸Naを形成さ
せ、次いで所望するアルキル鎖を持った脂肪酸を添加し
エステル交換反応を起こさせる方法(特公平4−1739
号)が知られている。しかし、この方法では、高純度の
製品が製造できるものの副生酢酸の用途を持たない場
合、製造コストが非常に高くなり、一般には商業生産プ
ロセスとして不向きである。
ンスルホン酸塩を製造し得る技術として、アシルオキシ
ベンゼンをSO3 等のスルホン化剤によりスルホン化する
製造法も種々開示されている。しかし、このスルホン化
工程において、単に通常の合成法で得られる品質のアシ
ルオキシベンゼンとスルホン化剤を反応させただけでは
収率は低く、又色相の良いものが得られない問題点があ
った。これを改良する手段としてスルホン化剤に対する
錯化合物形成体を少量共存させる方法(特開昭60−2581
56号)や、スルホン化後温浸工程を導入する技術(特開
昭62−30752 号)が開示されているが、尚、生成するア
シルオキシベンゼンスルホン酸の色相は、一般的な漂白
基剤や衣料用洗剤に使用されているアニオン活性剤の色
相と比較すると、まだ着色しており十分とはいい難い。
このような背景により、通常のアニオン活性剤とほぼ同
等のレベルまで色相改善し淡色化されたアシルオキシベ
ンゼンスルホン酸又はその塩の製造法の開発が望まれて
いた。
色のアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を廉価
に製造できる工業的製造法を提供することにある。
を解決すべく、アシルオキシベンゼンのスルホン化反応
について鋭意研究の結果、原料であるアシルオキシベン
ゼンに含まれるアルデヒド類ならびにケトン類のカルボ
ニル化合物すなわちカルボニル価(2,4−DNPH法;油化学
協会、基準油脂分析試験法に準じる)として測定される
化合物の量が、アシルオキシベンゼンスルホン酸及びそ
の塩の色相に大きく影響することを見出し本発明を完成
した。即ち、本発明は、一般式(1)
く、エステル基、アミド基、エーテル基あるいはフェニ
レン基が挿入されていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキ
ル基又はアルケニル基、あるいは無置換もしくは炭素数
1〜22の、ハロゲンで置換されていてもよく、エステル
基、アミド基、エーテル基あるいはフェニレン基が挿入
されていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアル
ケニル基あるいはハロゲンで置換されていてもよいフェ
ニル基を示す。 R2:炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示
す。 n:0〜2の数で、n=2の場合は、2つのR2は同じで
あっても異なっていてもよい。〕で表されるアシルオキ
シベンゼンをスルホン化剤でスルホン化し、対応するア
シルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を製造するに
際し、アシルオキシベンゼンとして、カルボニル価(2,4
−DNPH法;油化学協会、基準油脂分析試験法に準じる)
が20μモル/g以下のものを使用することを特徴とする
アシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造法を
提供するものである。
原料となるアシルオキシベンゼンは、前記一般式(1)
で表されるが、一般式(1)中のR1としては、炭素数1
〜21の、ハロゲンで置換されていてもよく、又、エステ
ル基、アミド基、エーテル、フェニレン基が挿入されて
いてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル
基、あるいは無置換もしくは炭素数1〜22の、ハロゲン
で置換されていてもよく、エステル基、アミド基、エー
テル基あるいはフェニレン基が挿入されていてもよい直
鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基あるいはハ
ロゲンで置換されていてもよいフェニル基であればいず
れでもよい。フェニル基の置換基としては、炭素数1〜
4のアルキル基又はハロゲンが好ましい。またR1として
は、炭素数5〜13のハロゲンで置換されていてもよい直
鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、特に好ましく
は、漂白活性化剤としての性能、水溶性、耐硬水性、さ
らには環境に対する負荷等を考慮した場合、R1として
は、炭素数7〜11の直鎖もしくはメチル分岐鎖を有する
アルキル基、さらには炭素数11の直鎖アルキル基が好ま
しい。また、R2は、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のア
ルキル基を示し、メチル基が好ましい。nは0〜2を示
すが、生分解性の点から好ましくはn=0又は1であ
る。
ゼンの具体例としては、カプリル酸フェニル、ペラルゴ
ン酸フェニル、カプリン酸フェニル、n−ウンデカン酸
フェニル、ラウリン酸フェニル、3,5,5 −トリメチルカ
プロン酸フェニル、2−メチルカプリル酸フェニル、2
−メチルカプリン酸フェニル、3,7 −ジメチルカプロン
酸フェニル、2−エチルヘキサン酸フェニル、イソステ
アリン酸フェニル、ベヘン酸フェニル、m−クレゾール
ペラルゴン酸エステル、m−クレゾールラウリン酸エス
テル、6−クロロカプロン酸フェニル、オクタノイルオ
キシ酢酸フェニル、ラウロイルオキシ酢酸フェニル等が
挙げられ、この中で好ましくは、カプリル酸フェニル、
ペラルゴン酸フェニル、カプリン酸フェニル、n−ウン
デカン酸フェニル、ラウリン酸フェニル及びm−クレゾ
ールラウリン酸エステルであり、特に好ましくは、親水
性汚れ、親油性汚れに最もバランスよく漂白性能を有
し、かつ低コストの点でラウリン酸フェニルである。
ルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を得るには、ア
ルデヒド類ならびにケトン類のカルボニル化合物の含量
が少ないアシルオキシベンゼンを使用することで達成さ
れる。すなわち、本反応のアシルオキシベンゼンのスル
ホン化反応における着色の原因は、原料アシルオキシベ
ンゼン中のアルデヒド類ならびにケトン類のカルボニル
化合物がスルホン化反応の酸性下状態において、非常に
不安定で副反応を起こしやすくかつ着色しやすいもので
あり、本反応の着色を最も支配している因子であるため
と考えられる。
のアルデヒド類ならびにケトン類のカルボニル化合物の
含量は、総量としてカルボニル価(2,4−DNPH法;油化学
協会、基準油脂分析試験法に準じる)として測定され
る。即ち、本発明の色相の良好な淡色のアシルオキシベ
ンゼンスルホン酸又はその塩を得るには、原料のアシル
オキシベンゼンのカルボニル価(略して COVと呼ぶこと
もある)が低いほど良く、20μモル/g以下、好ましく
は10μモル/g以下のものを用いる。カルボニル価が20
μモル/gを超えたアシルオキシベンゼンを用いると良
好な色相のアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩
が得られない。
含量、すなわち過酸化物価(ヨウ化カリウム法;油脂化
学協会基準油脂分析法に準じる。POV と略して呼ぶ場合
もある)で定量される含量も、カルボニル価ほどではな
いが、アシルオキシベンゼンスルホン酸及びその塩の色
相に影響する。色相の良好な淡色のアシルオキシベンゼ
ンスルホン酸又はその塩を得るには、アシルオキシベン
ゼンの過酸化物価が低いほど良く、好ましくは20meq /
kg以下、さらに好ましくは10meq /kg以下、特に好まし
くは5meq /kg以下である。但し、金属酸化物を含有し
ている場合は、金属酸化物が過酸化物価に測定されるも
のがあり、その場合は過酸化物価を補正する必要があ
る。
法は、対応するカルボン酸とフェノールの脱水エステル
化反応や、酸クロライドとフェノールの反応等の公知の
いずれの反応(JAOCS, 32, 170(1955))を用いてもよい
が、原料コスト、廃棄物等の負荷などから、カルボン酸
を用いる直接エステル化反応を利用すると好ましい。ま
た、このアシルオキシベンゼンの製造方法及び使用する
原料の品質によってカルボニル価は大きく影響される。
たとえば、カルボン酸とフェノールの脱水エステル化の
場合、反応の触媒にパラトルエンスルホン酸や硫酸等の
酸触媒を使用すると、好ましくない副反応としてアシル
オキシベンゼンのフリース転位等があり、カルボニル価
が非常に高くなり得られるアシルオキシベンゼンの色相
も著しく着色してくるため好ましくない。この脱水エス
テル化の場合は、オルトチタン酸テトライソプロピル等
のチタン触媒や、酸化錫等の金属酸化物触媒を使用した
反応が好ましい。このときの反応条件もカルボニル価に
影響し、反応温度は 270℃以下が好ましく、さらに好ま
しくは 170℃〜260 ℃であり、反応時間は好ましくは50
時間以下、さらに好ましくは1時間〜30時間である。
又、アシルオキシベンゼンのカルボニル価を低減させる
方法としては、一般的なナトリウムボロハイドライド
(SBH)や水素等による還元を行うことで低減することが
出来る。
としてはSO3 、クロルスルホン酸、濃硫酸等いずれでも
よいが、SO3 が好ましく、SO3 は液状、もしくはN2ある
いは十分除湿した空気等の不活性ガスとSO3 との混合気
体(以下ガス状のSO3 と略称する)を用いればよい。ス
ルホン化の反応形式としては、液状のSO3 あるいはガス
状のSO3 を反応基質に作用させる槽型反応、もしくは反
応基質の薄膜にガス状のSO3 を作用させて反応を行う連
続薄膜式反応等の公知技術を使用することが出来る。
反応に供せられるアシルオキシベンゼンを、無溶媒で反
応させても、もしくはスルホン化反応に使用可能な溶
媒、例えば、ジクロロメタン、1,2 −ジクロロエタン、
クロロホルム、四塩化炭素、フロン等に代表されるハロ
ゲン化炭化水素あるいは液体SO2 等であらかじめ希釈し
て反応させてもよい。好ましくは、スルホン化反応に伴
う反応熱のための反応温度の制御性や反応中のケトン類
の副生を最小限にできる点で、これら溶媒による希釈を
行う。この場合、使用する溶媒量は、アシルオキシベン
ゼンの20重量倍以下が望ましい。さらに好ましくは、生
産高率の改善、溶媒とSO3 との反応の低減を考慮して、
0.5 〜5重量倍である。また槽型反応によりスルホン化
するとき、原料のアシルオキシベンゼンとSO3を作用さ
せる温度は20℃以下、好ましくは−30〜10℃であり、そ
の後70℃以下、好ましくは20〜60℃で0.1 〜20時間熟成
させることにより目的のアシルオキシベンゼンスルホン
酸を得る。
は、スルホン化反応を無溶媒で完結してもよいし、アシ
ルオキシベンゼンにSO3 を作用させた後、要すれば上記
に述べた溶媒で希釈混合し、要すれば熟成工程の付与に
より反応を完結させることができる。生産効率、溶媒の
回収負荷等から、無溶媒でスルホン化反応を行うことが
好ましい。ここで用いられる連続薄膜式反応装置は特に
限定されず、例えばFalling Film Reacter(バレストラ
社製)等が挙げられる。又、連続薄膜式反応によりスル
ホン化を行う場合は、SO3 は不活性ガスで希釈されたガ
ス状のSO3 として使用される。不活性ガスには価格等の
観点から窒素あるいは空気が使用されるが、工業的には
空気を使用することが好ましい。また、不活性ガス中の
SO3 の濃度は、工業的な生産性、SO3 処理温度の制御
性、反応熱の除熱性等から 0.5〜10容量%、好ましくは
1〜5容量%である。アシルオキシベンゼンとSO3 との
接触作用温度は60℃以下であり、より副反応を減少させ
色相の良好な製品を得るには0〜50℃が好ましい。その
後、気液分離器で分離された反応物を80℃以下、好まし
くは20〜70℃で0.1 〜20時間熟成させることにより、目
的のアシルオキシベンゼンスルホン酸を得る。
量は、一般式(1)で表されるアシルオキシベンゼンに
対し 0.9〜1.2 モル倍が好ましく、得られるアシルオキ
シベンゼンスルホン酸又はその塩の収率、色相の淡色化
から、より好ましくは 1.0〜1.15モル倍である。
すれば、カルボン酸又はそのエステル、アルキルリン酸
エステル、ポリリン酸等の添加剤(特願平6−296786号
明細書参照)を添加すると、収率向上と同時に色相も良
好になり、さらに好ましい。このような添加剤として
は、一般式(1)で表されるアシルオキシベンゼンと同
じカルボン酸残基を有するカルボン酸が好ましく、炭素
数5〜13の脂肪族カルボン酸が特に好ましい。
カリ剤で中和し、一般式(2)
モニウム、もしくは置換アンモニウムを示す。〕で表さ
れるアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を製造
することができる。
属、アルカリ土類金属、アンモニウム、もしくは置換ア
ンモニウムの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、カルボン酸
塩、もしくは塩化物等、例えば、NaOH、KOH、LiOH、Mg
(OH)2、Ca(OH)2、NH4OH、Na2CO3、K2CO3 、NaHCO3等が
用いられ、好ましくはNaOH、KOH であり、水又はアルコ
ール性の溶液もしくはスラリーとして、場合によっては
固体で使用することができるが、好ましくは水溶液又は
スラリーである。
明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。な
お、用いた分析法は下記の通りである。 (1) カルボニル価 μモル/g(略称 COV); 2,4−DN
PH法、油化学協会基準油脂分析法に準じる。 (2) 過酸化物価 meq/kg(略称 POV);ヨウ化カリウ
ム法、油化学協会基準油脂分析法に準じる。 (3) アシルオキシベンゼンやアシルオキシベンゼンスル
ホン酸又はその塩の純度及び組成分析は、液体クロマト
グラフィーにより以下の条件で行った。 カラム:メルク リクロスファー100 RP−18(5μm)、
250 mm×4mmφ 溶離液:以下のA液,B液を用いるグラジェント法 A液:0.1M NaClO4 in CH3CN/水=15/85(vol /vol) B液:CH3CN 検出器:UV 260nm (4) 色相;APHA及びガードナー(G)の比色管測定 ・アシルオキシベンゼン:そのまま測定 ・アシルオキシベンゼンスルホン酸塩(中和品):10%
濃度の水溶液にして測定。
ラウリン酸200.3 g(1.00 モル)とフェノール112.9 g
(1.2モル)を仕込み、50℃に保ちながらフラスコ内の窒
素置換を行った。これに、触媒としてオルトチタン酸テ
トライソプロピル(略称TPT)1.00g(0.5重量%対ラウリ
ン酸)と共沸溶媒トルエン10.0g(5重量%対ラウリン
酸)を加え、窒素吹き込み下で、昇温し、190 〜250℃
で12時間反応させた。反応率は98.7%に達した。冷却
し、水9.4gを加え100〜105 ℃、1時間で触媒分解した
後、未反応フェノールを 160℃、約10Torr、1時間で減
圧留去して濾紙を用いて濾過した。得られたラウリン酸
フェニルの組成は、純度98.8%、ラウリン酸 0.9%、フ
ェノール0.3 %であり COV=2.8μモル/g、 POV=0.8
2 meq/kg、色相はAPHA40であった。
カルシウムを充填した乾燥管を備えたジムロート冷却管
(熟成工程で必要)を具備した4つ口フラスコに、上記
(1) で得られた COV=2.8 μモル/gのラウリン酸フェ
ニル150.0g(0.536モル)とジクロロメタン 300gを仕
込み、攪拌しながら−20℃に冷却した。冷却後、サルフ
ァン(日曹金属(株)製液体SO3)45.0g(0.562 モル)
を、よく攪拌しながら15分かけて滴下した。この時の温
度は、−20〜−15℃であった。滴下終了後、昇温して、
40℃で1時間かけて熟成させた。液体クロマトグラフィ
分析により定量した結果、目的物であるp−及びo−ド
デカノイルオキシベンゼンスルホン酸を、合計で96%の
収率で得た。さらに、このスルホン酸溶液を、15.0%Na
OH水溶液で、pH3〜pH7及び20℃〜40℃を保ちつつ中和
した結果、当該スルホン酸を98.5%保持した中和物水溶
液を得た。得られた中和品の色相は、目的物10%濃度の
水溶液でAPHA25であった。結果を表1にまとめて示し
た。
温度と反応時間の調節により、場合によってはナトリウ
ムボロハイドライド処理により、表1に示した様に、CO
V として0.9, 4.8, 8.1, 13, 23, 48 μモル/gのそれ
ぞれのラウリン酸フェニルを得た。各調製条件は、COV
0.9 μモル/g品は実施例1のCOV 2.8μモル/g品に
ナトリウムボロハイドライドを500ppm添加し、60℃で1
時間混合して得た。COV 4.8, 8.1, 13μモル/g品につ
いては、250 ℃でそれぞれ16時間、22時間、30時間反応
させて得た。COV 23, 48μモル/g品については280 ℃
でそれぞれ20時間、35時間反応させて得た。他のエステ
ル化の条件は、実施例1と同様の条件で行った。この得
られたそれぞれのラウリン酸フェニルのスルホン化反応
を、実施例1と同様の反応器及び反応条件で行い、ドデ
カノイルオキシベンゼンスルホン酸塩を得た。それぞれ
に対応する目的のスルホン酸の収率及び中和品の色相の
結果を表1にまとめて示した。
件で反応を行ったが、TPT 触媒の分解、除去処理は行わ
なかった。得られたラウリン酸フェニルの組成は、純度
99.1%、ラウリン酸 0.7%、フェノール 0.2%であり C
OV=2.4 μモル/g、 POV=0.70 meq/kg、色相はG 1
4(APHA 500以上)であった。この得られたラウリン酸フ
ェニルのスルホン化反応を、実施例1と同様の反応器及
び反応条件で行い、ドデカノイルオキシベンゼンスルホ
ン酸塩を得た。目的のスルホン酸の収率は95%であり、
得られた中和品の色相は、目的物10%濃度の水溶液でAP
HA20であった。結果を表1にまとめて示した。
ニル価(COV)は、得られるドデカノイルオキシベンゼン
スルホン酸塩の色相に大きく影響しており、COV が下が
るほど色相は良くなる結果を得た。
フェニル150.0 g(0.536 モル)とラウリン酸53.6g
(0.268 モル)を実施例1と同様のスルホン化反応の反
応器に仕込み、攪拌しながら25〜38℃で液体SO3 を15分
で滴下した。その後、45〜55℃で1時間かけて熟成をし
た。目的物であるp−及びo−ドデカノイルオキシベン
ゼンスルホン酸を93%の収率で得た。更に、このスルホ
ン酸溶液を、5.0 %NaOH水溶液で、pH4〜pH7及び10℃
〜35℃を保ちつつ中和した結果、当該スルホン酸を99%
保持した中和物水溶液を得た。得られた中和品の色相
は、目的物10%濃度の水溶液でAPHA70であった。
対ラウリン酸)と共沸溶媒キシレン10.0g(5重量%対
ラウリン酸)を用い、 190〜250 ℃で17時間反応を行っ
た。他のエステル化条件は、実施例1と同様で反応を行
った。更に、未反応フェノールを 160℃、約10Torr、1
時間で減圧留去した後、活性炭1.4 gと活性白土 1.4g
を加え、75℃で1時間混合して、濾紙を用いて濾過し
た。得られたラウリン酸フェニルの組成は、純度98.9
%、ラウリン酸0.7 %、フェノール0.4 %であり、 COV
=3.1 μモル/g、 POV=1.2meq/kg、色相はAPHA15で
あった。得られたラウリン酸フェニルのスルホン化反応
を、実施例1と同様の反応器及び反応条件で行い、ドデ
カノイルオキシベンゼンスルホン酸塩を得た。目的のス
ルホン酸の収率は95%であり、得られた中和品の色相
は、目的物10%濃度の水溶液でAPHA30であった。結果を
表2にまとめて示した。
酸クロライド218.7 g(1.00モル)とフェノール94.1g
(1.00モル)を仕込み、60℃で攪拌しながら2時間保持
した。その後、徐々に減圧にして、60℃、30Torr、2時
間で塩酸の除去を行った。得られたラウリン酸フェニル
の組成は、純度99.0%、ラウリン酸0.7%、フェノール
0.3 %であり、 COV=2.1 μモル/g、 POV=0.56 meq
/kg、色相はAPHA30であった。得られたラウリン酸フェ
ニルのスルホン化反応を、実施例1と同様の反応器及び
反応条件で行い、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン
酸塩を得た。目的のスルホン酸の収率は96%であり、得
られた中和品の色相は、目的物10%濃度の水溶液でAPHA
30であった。結果を表2にまとめて示した。
(PTS)1.00 g(0.5 重量%対ラウリン酸)を用い、170
℃で8時間反応を行った以外の他のエステル化条件は、
実施例1と同様で反応を行った。さらに、未反応フェノ
ールを160 ℃、約10Torr、1時間で減圧留去した。得ら
れたラウリン酸フェニルの組成は、純度91.7%、ラウリ
ン酸1.1 %、フェノール0.5 %、ケトン化合物3%、不
明分3.7%であり、 COV=149 μモル/g、 POV=23 me
q/kg、色相はAPHA 400であった。得られたラウリン酸
フェニルのスルホン化反応を、実施例1と同様の反応器
及び反応条件で行い、ドデカノイルオキシベンゼンスル
ホン酸塩を得た。目的のスルホン酸の収率は93%であ
り、得られた中和品の色相は、目的物10%濃度の水溶液
でG16(APHA 500以上)であった。結果を表2にまとめ
て示した。
%)を毎時3.90kg(14.0モル/時)で定量ポンプを用い
て連続薄膜式反応器(内径14mmφ、長さ4m)に導入
し、この連続薄膜式反応器に、空気で希釈した濃度1.5
容量%のSO3 を導入し、作用させた。ここでSO3 は毎時
1.17kg(14.6モル/時)で導入した。この時、反応器に
具備したジャケットに供給される冷却水の温度は30℃に
調整した。気液分離器で分離した直後の反応物に、ラウ
リン酸を毎時0.84kg(4.2 モル/時)で添加混合した。
混合されたものを、60℃で20分、加熱熟成し、反応を完
成させた。目的物であるp−及びo−ドデカノイルオキ
シベンゼンスルホン酸を、合計で93%の収率で得た。更
に、このスルホン酸を、5.0 %NaOH水溶液で、pH3〜pH
7及び20℃〜40℃に保ちつつ連続中和した結果、当該ス
ルホン酸を99.1%保持した中和物水溶液を得た。得られ
た中和品の色相は、目的物10%濃度の水溶液でAPHA25で
あった。
%)を毎時3.77kg(15.0モル/時)とカプリン酸を毎時
0.26kg(1.5 モル/時)で定量ポンプを用いて連続薄膜
式反応器(内径14mmφ、長さ4m)に導入した。この連
続薄膜式反応器に、空気で希釈した濃度 3.5容量%のSO
3 を導入し、作用させた。ここでSO3 は毎時1.26kg(1
5.8モル/時)で導入した。この時、反応器に具備した
ジャケットに供給される冷却水の温度は20℃に調整し
た。気液分離器で分離した直後の反応物に、カプリン酸
を毎時0.52kg(3.0 モル/時)で添加混合した。混合さ
れたものを、60℃で1時間、加熱熟成し、反応を完結さ
せた。目的物であるp−及びo−デカノイルオキシベン
ゼンスルホン酸を、合計で94%の収率で得た。更に、こ
のスルホン酸を、5.0 %NaOH水溶液で、pH3〜pH7及び
20℃〜40℃に保ちつつ連続中和した。得られた中和品の
色相は、目的物10%濃度の水溶液でAPHA40であった。
ロン酸フェニル、オクタノイルオキシ酢酸フェニル、m
−クレゾールペラルゴン酸エステルをそれぞれ用い、毎
時4.0kg を定量ポンプを用いて連続薄膜式反応器(内径
14mmφ、長さ2.5 m)に導入した。この連続薄膜式反応
器に、空気で希釈した濃度2.0 容量%のSO3 を導入し、
作用させた。ここでSO3 は原料エステルに対し1.04〜1.
05モル倍になるように導入した。この時、反応器に具備
したジャケットに供給される冷却水の温度は15℃に調整
した。気液分離器で分離した反応物を、40℃で0.5 時
間、加熱熟成し、反応を完結させた。このスルホン酸
を、5.0 %NaOH水溶液で、pH3〜pH7及び20℃〜30℃に
保ちつつ中和した。目的物のスルホン酸(p体とo体の
合計)の収率及び中和品の色相をまとめて表3に示し
た。
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 〔式中、 R1:炭素数1〜21の、ハロゲンで置換されていてもよ
く、エステル基、アミド基、エーテル基あるいはフェニ
レン基が挿入されていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキ
ル基又はアルケニル基、あるいは無置換もしくは炭素数
1〜22の、ハロゲンで置換されていてもよく、エステル
基、アミド基、エーテル基あるいはフェニレン基が挿入
されていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアル
ケニル基あるいはハロゲンで置換されていてもよいフェ
ニル基を示す。 R2:炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を示
す。 n:0〜2の数で、n=2の場合は、2つのR2は同じで
あっても異なっていてもよい。〕で表されるアシルオキ
シベンゼンをスルホン化剤でスルホン化し、対応するア
シルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を製造するに
際し、アシルオキシベンゼンとして、カルボニル価(2,4
−DNPH法;油化学協会、基準油脂分析試験法に準じる)
が20μモル/g以下のものを使用することを特徴とする
アシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造法。 - 【請求項2】 アシルオキシベンゼンとして、カルボニ
ル価が10μモル/g以下のものを使用する請求項1記載
の製造法。 - 【請求項3】 使用するアシルオキシベンゼンの過酸化
物価(ヨウ化カリウム法;油脂化学協会基準油脂分析法
に準じる)が 20meq/kg以下である請求項1又は2記載
の製造法。 - 【請求項4】 R1が、炭素数5〜13のハロゲンで置換さ
れていてもよい直鎖又は分岐鎖のアルキル基である請求
項1〜3のいずれか一項に記載の製造法。
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JP31513194A JP3515195B2 (ja) | 1994-12-19 | 1994-12-19 | アシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造法 |
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- 1994-12-19 JP JP31513194A patent/JP3515195B2/ja not_active Expired - Fee Related
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