JP3310785B2 - アシルオキシベンゼンスルホン酸塩の製造方法 - Google Patents
アシルオキシベンゼンスルホン酸塩の製造方法Info
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Description
漂白活性化剤として有用なアシルオキシベンゼンスルホ
ン酸塩の製造方法に関する。更に詳細には、フェノール
スルホン酸塩に、カルボン酸ハライドを作用させるに際
し、特定のカルボン酸を共存させることにより、副反応
の少ないアシルオキシベンゼンスルホン酸塩を製造する
方法に関する。
PC(過炭酸ナトリウム)、PB(過ほう酸ナトリウ
ム)に代表される過酸化水素発生基質や過酸化水素と、
水中で接触することにより低温でも容易に有機過酸を生
成し、衣類等の汚れ、シミ汚れに有効な漂白性能を発揮
するため、漂白活性化剤として特に有用な化合物である
(特開昭59−22999号)。このアシルオキシベン
ゼンスルホン酸塩の製造法において、フェノールスルホ
ン酸塩を原料とする方法の代表として、無水酢酸を作用
させアセチルオキシベンゼンスルホン酸Naを形成さ
せ、次いで所望するアルキル鎖を持った脂肪酸を添加
し、エステル交換反応を起こさせる方法(特公平4−1
739号)、及びフェノールスルホン酸ジNa塩を、20
〜25℃での誘電率が20以上のアプロチック溶媒中でカル
ボン酸ハライドを作用させる方法(特願平5−6001
8号)が知られている。しかし、前者では多量の酢酸が
副生し、製造コストが非常に高く、また、後者の場合で
もフェノールスルホン酸ジNa塩を分散あるいは溶解す
るための反応溶媒の使用が必須であるため、溶媒の回収
ならびに精製が必要となり、いずれの場合も経済性の点
で問題がある。更には、いずれの場合も、比較的高純度
の製品が得られず、溶媒を使用しての精製操作が必要不
可欠であり、商業生産プロセスとして不向きである。
塩を高選択、高収率で工業的に製造できる方法の開発が
望まれていた。本発明の目的は、高純度のアシルオキシ
ベンゼンスルホン酸塩を製造するにあたり、高選択性で
しかも高収率で、かつ廉価にアシルオキシベンゼンスル
ホン酸塩を製造できる工業的製造法を提供することにあ
る。
を解決すべく、フェノールスルホン酸塩とカルボン酸ハ
ライドとの反応について鋭意検討の結果、特定のカルボ
ン酸の存在下に反応を行うと、驚くべきことに、これま
でになく高い転化率、選択性が得られ、高純度のアシル
オキシベンゼンスルホン酸塩が製造できることを見出
し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
実質的に無水の一般式(1)
す。 n:0〜2の数を示し、n=2の場合、2つのR1は同じ
であっても異なっていてもよい。 M:アルカリ金属、アルカリ土類金属あるいはアンモニ
ウムを示す。)で表されるフェノールスルホン酸塩に、
一般式(2)
れていてもよく、エステル基、アミド基、エーテル基あ
るいはフェニレン基が挿入されていてもよい直鎖又は分
岐のアルキル基又はアルケニル基を示すか、あるいは無
置換もしくはハロゲン又はアルキル基で置換されていて
もよいフェニル基を示す。 X:F、Cl、Br又はIから選ばれるハロゲン原子を
示す。)で表されるカルボン酸ハライドを反応させ、一
般式(3)
示す。)で表されるアシルオキシベンゼンスルホン酸塩
を製造するに際し、一般式(4)
れていてもよく、エステル基、アミド基、エーテル基あ
るいはフェニレン基が挿入されていてもよい直鎖又は分
岐のアルキル基又はアルケニル基を示すか、あるいは無
置換もしくはハロゲン又はアルキル基で置換されていて
もよいフェニル基を示す。)で表されるカルボン酸の存
在下で反応を行うことを特徴とするアシルオキシベンゼ
ンスルホン酸塩の製造方法を提供するものである。
原料となるフェノールスルホン酸塩は前記一般式(1)
で表されるが、式中のR1としては、炭素数1〜4の直鎖
又は分岐の低級アルキル基であればいずれでもよい。ま
た、その置換数nは0〜2を示すが、原料供給及び生分
解性の点で、nは0又は1が好ましい。特に、n=0の
ものは、価格の面で最も好ましい。また Mはアルカリ金
属、アルカリ土類金属あるいはアンモニウムを示すが、
目的物のアシルオキシベンゼンスルホン酸塩の水溶性及
び性能の点でLi、Na、K、Mgが特に好ましい。一
般式(1)で表されるフェノールスルホン酸塩の具体例
としては、フェノールスルホン酸塩、クレゾールスルホ
ン酸塩等があげられ、塩を形成する対イオンとしては、
Na、K、Li、Mg等が挙げられる。この中で原料供
給面で、クレゾールスルホン酸Na塩、同K塩、同Mg
塩、フェノールスルホン酸Na塩、同K塩、同Mg塩を
使用することが好ましく、特に好ましくは、コストの点
でフェノールスルホン酸Na塩、同K塩、同Mg塩であ
る。
スルホン酸塩は、対応するフェノール類を、濃硫酸やS
O3 ガス、液体SO3 、クロルスルホン酸によりスルホ
ン化し、次いでアルカリ剤により中和、さらには乾燥
等、公知の方法を用いて製造することができる。なお、
このフェノールスルホン酸塩の脱水は、一般に不活性ガ
ス気流下高温(特開昭62−106072号)あるいは
共沸脱水等の条件を必要とし、その改善が望まれている
が、後述するように本発明の反応に用いる前記一般式
(4)で表されるカルボン酸を、中和前あるいは中和後
添加することにより、フェノールスルホン酸塩の乾燥
が、物性上また設備対応上、極めて良好に行え好まし
い。また、本発明に用いる一般式(1)で表されるフェ
ノールスルホン酸塩は、実質的に無水の形で使用するこ
とが好ましい。ここで実質的に無水とは、完全な無水状
態をいうのではなく、原料自体に含まれる少量の水分、
例えば 0.5重量%以下の水分量であれば実質的に無水と
いう。なお、実質的な量の水が存在すれば、一般式
(2)で表されるカルボン酸ハライドの加水分解が起こ
り、反応収率が低下することになる。脱水の条件として
は、具体的には、中和前あるいは中和後のフェノールス
ルホン酸1重量部に0.05〜20重量部の一般式(4)で表
されるカルボン酸を添加し、攪拌あるいは混練により混
合し、良く分散させ、 110〜 200℃で5〜 500Torr減圧
下に1〜10時間処理を行えばよく、上記処理で水分 0.5
重量%以下のものが容易に得られる。
るカルボン酸の具体例としては、酢酸、n−プロピオン
酸、n−酪酸、n−ヘキサン酸、n−ヘプタン酸、i−
ヘプタン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、
n−ノナン酸、i−ノナン酸、3,5,5−トリメチル
ヘキサン酸、n−デカン酸、i−デカン酸、n−ウンデ
カン酸、i−ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、
ベヘン酸等に代表される脂肪酸、安息香酸、メチル安息
香酸、オクチル安息香酸等に代表される芳香族カルボン
酸、クロロ酢酸、クロロ酪酸、ブロモ酪酸、クロロカプ
ロン酸、ブロモカプロン酸、クロロウンデカン酸等に代
表されるハロゲン化アルキルカルボン酸、フェニル酢
酸、フェニルプロピオン酸等に代表されるアリールアル
キルカルボン酸等が挙げられる。これらのカルボン酸の
中では、エステル化反応中に生じ得るエステル交換反応
によっても製品の漂白活性化剤の機能が損なわれない点
で、酢酸、n−プロピオン酸、n−酪酸、n−ヘキサン
酸、n−ヘプタン酸、i−ヘプタン酸、n−オクタン
酸、2−エチルヘキサン酸、n−ノナン酸、i−ノナン
酸、n−デカン酸、i−デカン酸、n−ウンデカン酸、
i−ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸が良好で、特に、親水性汚れ、疎水性汚れに対す
る効果及び水溶性の良好なものを得るために、n−オク
タン酸、2−エチルヘキサン酸、n−ノナン酸、i−ノ
ナン酸、n−デカン酸、i−デカン酸、n−ウンデカン
酸、i−ウンデカン酸、ラウリン酸等の炭素数8〜16の
直鎖又は分岐の脂肪酸が好ましい。また、エステル化反
応によっても同一の組成物が得られるという意味で、一
般式(4)で表されるカルボン酸と一般式(2)で表さ
れるカルボン酸ハライドのカルボン酸残基が同一のも
の、例えば、特に親水性汚れ、疎水性汚れに対する効果
のバランスの良好なラウロイルオキシベンゼンスルホン
酸塩を得るためには、ラウリン酸が特に好ましい。
カルボン酸ハライドの具体例としては、以下のカルボン
酸の酸クロライド、酸ブロマイド、酸フロライド、酸ヨ
ーダイドが挙げられる。即ち、酢酸、n−プロピオン
酸、n−酪酸、n−ヘキサン酸、n−ヘプタン酸、i−
ヘプタン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、
n−ノナン酸、i−ノナン酸、3,5,5−トリメチル
ヘキサン酸、n−デカン酸、i−デカン酸、n−ウンデ
カン酸、i−ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、
ベヘン酸等に代表される脂肪酸、安息香酸、メチル安息
香酸、オクチル安息香酸等に代表される芳香族カルボン
酸、クロロ酢酸、クロロ酪酸、ブロモ酪酸、クロロカプ
ロン酸、ブロモカプロン酸、クロロウンデカン酸等に代
表されるハロゲン化アルキルカルボン酸、フェニル酢
酸、フェニルプロピオン酸等に代表されるアリールアル
キルカルボン酸等のカルボン酸ハライドが使用でき、中
でも、アシルオキシベンゼンスルホン酸塩漂白活性化剤
の機能の点で、酢酸、n−プロピオン酸、n−酪酸、n
−ヘキサン酸、n−ヘプタン酸、i−ヘプタン酸、n−
オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、n−ノナン酸、i
−ノナン酸、n−デカン酸、i−デカン酸、n−ウンデ
カン酸、i−ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸のカルボン酸ハライドが良好で、更
に、親水性汚れ、疎水性汚れに対する効果及び水溶性の
良好なものを得るために、n−オクタン酸、2−エチル
ヘキサン酸、n−ノナン酸、i−ノナン酸、n−デカン
酸、i−デカン酸、n−ウンデカン酸、i−ウンデカン
酸、ラウリン酸のカルボン酸ハライド等の炭素数8〜16
の直鎖又は分岐の脂肪酸のハライドが良好である。特に
親水性汚れ、疎水性汚れに対する効果のバランスの良好
なラウロイルオキシベンゼンスルホン酸塩を得るために
は、価格の点でラウリン酸クロライドが特に好ましい。
されるカルボン酸の添加量は、一般式(1)で表される
フェノールスルホン酸塩1重量部に対して、0.05〜20重
量部で良好な結果が得られる。0.05重量部未満では反応
選択性が劣るため、好ましくない。より高い反応選択性
を得るために、 0.2重量部以上がより好ましい。また、
生産性及びできた基剤の配合の自由度を考えると、最も
好ましくは 0.2〜10重量部である。
明の反応を行うことができるが、要すれば、例えばトル
エン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、1,2−ジ
クロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタ
ン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、四塩
化炭素、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジノン、ヘキサン、シクロヘキサン等の溶媒を、一般式
(1)で表されるフェノールスルホン酸塩に対し0.1〜2
0重量倍使用してもよい。
ライドは、一般式(1)で表されるフェノールスルホン
酸塩に対し、通常 0.5〜 2.0倍モル使用する。好ましく
は、次式で計算されるモル比が 0.5〜1.2 となるような
割合で、良好な反応収率を与える。
カルボン酸ハライドの高い反応率及び高い反応選択性が
得られ、特に好ましい。なお、原料の一つであるフェノ
ールスルホン酸Naは、通常p−体及びo−体を主成分
とする混合物であり、一般的にo−体はp−体に比べ、
カルボン酸ハライドとの反応性が大幅に低い。従って、
o−フェノールスルホン酸塩の含量の多い原料を使用す
る場合は、長時間反応を行う等の対応が必要である。
ドは、一般式(1)で表されるフェノールスルホン酸塩
を一般式(4)のカルボン酸によく分散させたスラリー
に滴下する。カルボン酸ハライドの滴下は、使用するカ
ルボン酸の融点以上の温度で行うことができる。カルボ
ン酸ハライド由来の副反応を抑制するために、滴下時の
温度は 150℃以下が好ましい。 120℃以下が更に好まし
い結果を与える。滴下時間は、基本的には上記の温度が
維持できる範囲内で設定が可能である。また、カルボン
酸ハライドの滴下と共にHCl等のハロゲン化水素が副
生するため、その除去が十分できるように滴下時間を調
整することが望ましい。具体的には、バッチ式反応装置
の場合は、反応スケール及び反応槽、攪拌のタイプに応
じ1分〜10時間であるが、特に制約はない。バッチ式反
応装置以外に連続式反応装置を使用することもできる。
この場合、カルボン酸ハライド滴下ゾーンの温度管理、
及び熟成ゾーンの温度管理を、複数のゾーンに分割し任
意に制御できることが良好な結果を与える。熟成は、使
用するカルボン酸の融点以上で、 150℃以下の温度がよ
い。反応を短時間で終了させ、かつ副反応を抑制すると
いう点で、60〜 120℃が更に好ましい。熟成時間は、そ
の温度に依存するが、例えば、 150℃では約1時間、 1
00℃では約1〜4時間、80℃では約1〜6時間が適当で
ある。
るカルボン酸による反応性改善、副反応抑制の機構につ
いては未だ明確ではないが、作用させる一般式(2)で
表されるカルボン酸ハライドが一般式(4)で表される
カルボン酸と反応し、カルボン酸ハライドと同じエステ
ル化能を有するカルボン酸無水物を形成し、カルボン酸
ハライドが効果的に消費され、そのため、カルボン酸ハ
ライドに起因する副反応が効果的に抑制されるものと推
測される。カルボン酸無水物は、原料のカルボン酸ハラ
イドに比べ、エステル化反応性は若干低下するものの、
一般式(1)で表されるフェノールスルホン酸塩に対し
ては、なお十分高反応性を有している。本発明におい
て、エステル化反応中に、一般式(4)で表されるカル
ボン酸が関与したエステル交換反応が生起する。このエ
ステル交換反応は問題となる場合もあるが、目的のアシ
ル基のカルボン酸ハライドが工業的に入手困難な場合、
入手が容易な目的のアシル基を有したカルボン酸と、安
価なあるいは入手の容易なカルボン酸ハライドとの組み
合わせにより、目的のアシルオキシベンゼンスルホン酸
塩を調製することも可能である。しかし、特に問題のな
い限り、通常は、同じアシル基のカルボン酸ハライドと
カルボン酸を選択するのが好ましい結果を与える。反応
終了物中には、使用したカルボン酸及びカルボン酸ハラ
イド由来のカルボン酸が含有される。しかし例えば、衣
料用洗剤等への配合の場合は、これらカルボン酸は、洗
剤中のアルカリ剤により、洗浄成分の1つとして作用す
ると共に、すすぎ時の泡切れにも有効に作用する。従っ
て、本発明における反応終了物はそのままで洗剤の配合
用に、あるいは要すれば造粒操作に、直接供給すること
が可能である。
るが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるもので
はない。
吹込み管及び98%硫酸用滴下ロートを具備した4つ口フ
ラスコに、フェノール(純度99.5%) 200.0gを仕込
み、50℃に昇温した後、60〜70℃を保つように冷却しな
がら、98%硫酸 222.2gを滴下した。次いで、100℃で
1時間熟成を行うことにより、ピンク色を呈した中間体
のフェノールスルホン酸 422.2gを得た。酸価は、350.
8(mg KOH/g)であった。 〔中和〕30%NaOH水溶液 296.0gに、上記フェノー
ルスルホン酸 355.0gを約30分かけて滴下して、pH
(原液)を約6に調整した。 〔脱水〕上記スラリー状中和物 200.0gに、ラウリン酸
120.6gを仕込み、50Torrの減圧下、 170℃まで約2時
間かけて昇温し、 170℃で更に2時間を要して脱水を行
った。この時、組成は、p−フェノールスルホン酸Na
54.8%、o−フェノールスルホン酸Na 4.2%、フェ
ノールスルホン酸ジNa塩 0.4%、Na2SO4 3.1%、
水分 0.02%、ラウリン酸 37.4%であった。
ド用の滴下ロート、顆粒状塩化カルシウムを充填した乾
燥管を備えたジムロート冷却管を具備した4つ口フラス
コに、フェノールスルホン酸Na塩(p−体含量99.5
%、水分0.02%、参考例で得られた中和物を水中あるい
はエタノール中で数回再結晶化し、乾燥する等で調製で
きる) 120.0g、ラウリン酸(花王(株)製ルナックL
-98)60.0gを量りとり、攪拌しながら温度調節可能なオ
イルバスにて60℃に加熱した。60℃に到達後、ラウリン
酸クロライド 134.6gを約20分を要して滴下した。窒素
ガスは、滴下終了とともに約 500ml/分の供給速度で流
通させた。滴下終了後60℃で1時間温浸した後、更に80
℃に昇温して、80℃で4時間熟成を行った。80℃に保持
したまま 200Torrに減圧し、1時間かけて塩酸を除去し
た。この時、80℃ではこの反応物はスラリー様を呈して
いる。液体クロマトグラフィー分析により定量した結
果、目的物質であるp−ラウロイルオキシベンゼンスル
ホン酸Naを、98.0%の収率で得た。この時、ラウリン
酸クロライドの加水分解以外の副反応はほとんど皆無
(0.5%未満) であった。また、製品色相は、APHA 2
0 であった。
ィーにより、以下のカラム、溶離液及び検出器を用いて
行った。 カラム:メルク リクロスファー 100 RP-18 (5μm)、
250mm×4mmφ 溶離液:以下のA液、B液を用いるグラジェント法 A液:0.1M NaClO4 in CH3CN/水=30/70 (vol/vol) B液:CH3CN 100% 検出器:UV 260nm 色相は、5%固形分、アセトニトリル/水=50/50(vo
l/vol)溶液で、APHA標準と比較し、測定した。
した粗フェノールスルホン酸Naを200.0g量りとり、
攪拌しながら温度調節可能なオイルバスにて120℃に加
熱した。120 ℃に到達後、ラウリン酸クロライド 132.2
gを約30分要して滴下した。窒素ガスは、滴下終了とと
もに約 500ml/分の供給速度で流通させた。滴下終了後
120℃で3時間温浸し、熟成を行った。80℃に冷却しな
がら200Torrに減圧し、1時間かけて塩酸を除去した。
この時120 ℃及び80℃ではこの反応物は、実施例1と同
様にスラリー状であった。反応物を液体クロマトグラフ
ィーにより定量した結果、目的物質であるp−及びo−
ラウロイルオキシベンゼンスルホン酸Naを、計96.7%
の収率で得た。この時、加水分解以外の副反応は対フェ
ノールスルホン酸Na 0.5%未満であることを確認し
た。また、製品色相は、APHA 30 であった。
Na(含量(全異性体の合計)98.5%、水分0.01%) 1
40.0g、ラウリン酸140.0 gを量りとり、攪拌しながら
温度調節可能なオイルバスにて60℃に加熱した。60℃に
到達後、ラウリン酸クロライド 145.1gを約20分を要し
て滴下した。以下、実施例2と同様の反応条件で反応を
行った。その結果、目的のラウリン酸によるクレゾール
スルホン酸Na塩のエステルが、98.5%の収率で得られ
た。また、色相は、APHA 50であった。
ン酸Na(実施例1と同じもの)と、n−ノナン酸クロ
ライド及びn−ノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキ
サン酸クロライド及び3,5,5−トリメチルヘキサン
酸、n−デカン酸クロライド及びn−デカン酸、ミリス
チン酸クロライド及びミリスチン酸、パルミチン酸クロ
ライド及びパルミチン酸、ステアリン酸クロライド及び
ステアリン酸を各々使用し、反応性を確認した。その結
果を表1にまとめて示した。
の)に対し表2に記載した添加量でラウリン酸を添加
し、実施例1と同様に反応を行い、液体クロマトグラフ
分析にて収率を算出した。結果を表2にまとめて示し
た。
ルボン酸種の影響 実施例15〜18 実施例1と同様の反応条件で、カルボン酸のみをラウリ
ン酸(対フェノールスルホン酸塩50重量%)に換え、n
−デカン酸、n−ノナン酸、n−ヘキサン酸、酢酸を各
々対フェノールスルホン酸塩50モル%使用し、反応させ
た。結果を表3にまとめて示した。
えた以外は実施例1と同様の条件で反応を行った。結果
を表4にまとめて示した。
Claims (4)
- 【請求項1】 実質的に無水の一般式(1) 【化1】 (式中、 R1:炭素数1〜4の直鎖又は分岐の低級アルキル基を示
す。 n:0〜2の数を示し、n=2の場合、2つのR1は同じ
であっても異なっていてもよい。 M:アルカリ金属、アルカリ土類金属あるいはアンモニ
ウムを示す。)で表されるフェノールスルホン酸塩に、
一般式(2) 【化2】 (式中、 R2:炭素数1〜21の、ハロゲン又はフェニル基で置換さ
れていてもよく、エステル基、アミド基、エーテル基あ
るいはフェニレン基が挿入されていてもよい直鎖又は分
岐のアルキル基又はアルケニル基を示すか、あるいは無
置換もしくはハロゲン又はアルキル基で置換されていて
もよいフェニル基を示す。 X:F、Cl、Br又はIから選ばれるハロゲン原子を
示す。)で表されるカルボン酸ハライドを反応させ、一
般式(3) 【化3】 (式中、R1,R2,n 及び Mは前記の意味を示す。)で表
されるアシルオキシベンゼンスルホン酸塩を製造するに
際し、一般式(4) 【化4】 (式中、 R3:炭素数1〜21の、ハロゲン又はフェニル基で置換さ
れていてもよく、エステル基、アミド基、エーテル基あ
るいはフェニレン基が挿入されていてもよい直鎖又は分
岐のアルキル基又はアルケニル基を示すか、あるいは無
置換もしくはハロゲン又はアルキル基で置換されていて
もよいフェニル基を示す。)で表されるカルボン酸の存
在下で反応を行うことを特徴とするアシルオキシベンゼ
ンスルホン酸塩の製造方法。 - 【請求項2】 一般式(4)で表されるカルボン酸が、
炭素数8〜16の直鎖又は分岐の脂肪酸である請求項1記
載のアシルオキシベンゼンスルホン酸塩の製造方法。 - 【請求項3】 一般式(4)で表されるカルボン酸が、
一般式(2)で表されるカルボン酸ハライドのカルボン
酸残基を有するものである請求項1記載のアシルオキシ
ベンゼンスルホン酸塩の製造方法。 - 【請求項4】 一般式(4)で表されるカルボン酸を、
一般式(1)で表されるフェノールスルホン酸塩1重量
部に対し0.05〜20重量部使用することを特徴とする請求
項1記載のアシルオキシベンゼンスルホン酸塩の製造方
法。
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1994
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