JPH10204026A - フェノールカルボン酸誘導体の合成法 - Google Patents

フェノールカルボン酸誘導体の合成法

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JPH10204026A
JPH10204026A JP1164397A JP1164397A JPH10204026A JP H10204026 A JPH10204026 A JP H10204026A JP 1164397 A JP1164397 A JP 1164397A JP 1164397 A JP1164397 A JP 1164397A JP H10204026 A JPH10204026 A JP H10204026A
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carbon atoms
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phenol
acid
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Nobuhiro Mori
信博 森
Kensuke Itakura
健介 板倉
Masahiko Natsuhara
雅彦 夏原
Yasuhiro Miura
康浩 三浦
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 副反応を抑制し高選択的にフェノールカルボ
ン酸誘導体を合成する方法を提供する。 【解決手段】 炭素数6〜18の脂肪族カルボン酸と炭
素数2〜3のカルボン酸無水物とを炭素数6〜18の脂
肪族カルボン酸/炭素数2〜3のカルボン酸無水物=
2.0〜5.0のモル比で炭素数6〜18の脂肪族カル
ボン酸無水物を合成し、次にこの脂肪族カルボン酸無水
物と、フェノールカルボン酸またはその塩とを反応させ
フェノールカルボン酸誘導体を合成する段階で、脂肪族
第三アミン、芳香族第三アミン及び環状アミンからなる
群より選ばれる一種以上のアミン化合物を加えてエステ
ル化反応を行うフェノールカルボン酸誘導体の合成方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素系漂白剤や衣
料用洗剤等の漂白活性化成分として有用なフェノールカ
ルボン酸誘導体の合成法に関するものである。更に詳細
には、炭素数6〜18の脂肪族カルボン酸無水物とフェ
ノールカルボン酸またはその塩とを反応する際、脂肪族
第三アミン、芳香族第三アミン及び環状アミンからなる
群より選ばれる一種以上のアミン化合物を加えて反応を
行うことで、フェノールカルボン酸の重合やフェノール
カルボン酸誘導体との重合等の副反応を抑制し、目的と
するフェノールカルボン酸誘導体を高選択的に合成する
反応に関するものである。
【0002】
【従来の技術】衣類の漂白に用いられる漂白剤には酸化
型と還元型とがあるが、漂白効果が優れているなどの理
由から酸化型漂白剤が常用されている。この酸化型漂白
剤はさらに塩素系と過酸化物系に大別されるが、前者の
塩素系漂白剤は被洗物を変退色させ易く色柄物に使用で
きないことや、特有の臭気があるなどの欠点を有するの
に対し、後者の過酸化物系漂白剤は、前者の塩素系漂白
剤に比べて使用範囲が広い点や、不快臭のない点で優れ
ており、特に家庭用漂白剤として好適である。
【0003】しかしながら、該過酸化物系漂白剤は塩素
系漂白剤に比べて一般的に漂白力が劣るという問題点を
有している。この問題点を改良する手段として、過炭酸
塩や過ホウ酸塩等の過酸化物系漂白剤にフェノールカル
ボン酸誘導体などの漂白活性化剤を添加し、洗浄中に両
者が反応して無機過酸よりも有効な有機過酸を生成さ
せ、漂白効果を高める研究が進んでいる(特開平3−1
7197号、特開平6−211746号、特開平7−1
09489号公報)。すなわち、フェノールカルボン酸
誘導体は、高性能過酸化物系漂白剤および漂白洗剤を実
現化する際に好適な物質と考えられる。
【0004】フェノールカルボン酸誘導体は、通常トル
エンやキシレン等の不活性溶媒中でフェノールカルボン
酸またはその塩をハロゲン化アシル(通常、塩化物)で
アシル化し、副生するハロゲン化水素を除去することで
合成できる(特開昭60−156661号、特開昭60
−258155号公報)。しかし、出発原料であるハロ
ゲン化アシルは、反応進行に伴い副生するハロゲン化水
素の反応器に対する腐食性、およびその残存回避に要す
る精製工程の複雑さ等の理由から、多量に取り扱うのが
困難な物質である。
【0005】それらの理由から、ハロゲン化アシルの代
わりにカルボン酸無水物を用いる合成法が報告されてい
る(特公平3−59893号、特開平8−188553
号公報)。特に特公平3−59893号公報に記載の発
明はフェノールカルボン酸をエステル化しフェノールカ
ルボン酸誘導体を合成するには優れた方法である。しか
し、硫酸、トルエンスルホン酸等の強酸性触媒を使用す
るため反応物が着色することや、反応中に原料であるフ
ェノールカルボン酸が縮合反応や合成されたフェノール
カルボン酸誘導体とのエステル化反応、無水物化反応
等、複雑な副反応を併発することが確認されている。一
例としてフェノールカルボン酸としてp−ヒドロキシ安
息香酸を用いたエステル化反応で下記の一般式(6)で
表されるアルカノイルヒドロキシ安息香酸を合成する
際、硫酸などの強酸性触媒を使用すると、下記の一般式
(7)〜(9)で表される多種の副生物がトータルで数
%〜10%程度生成し、目的物質の純度が低下すること
や原料歩留まりが低い等の課題を有していた。
【0006】
【化5】
【0007】[式中、Rは炭素数が5〜17で直鎖もし
くは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示し、
R’はRと同じであるかまたは
【0008】
【化6】
【0009】である。さらに、p、qは1以上の整数、
rは0以上の整数を示す。]
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、炭素数6〜18の脂肪族
カルボン酸と炭素数2〜3のカルボン酸無水物とを炭素
数6〜18の脂肪族カルボン酸/炭素数2〜3のカルボ
ン酸無水物=2.0〜5.0のモル比で反応させて炭素
数6〜18の脂肪族カルボン酸無水物を得て、次にこれ
とフェノールカルボン酸またはその塩とを反応させてフ
ェノールカルボン酸誘導体を合成する段階で、脂肪族第
三アミン、芳香族第三アミン及び環状アミンからなる群
より選ばれる一種以上のアミン化合物を加えてエステル
化反応を行うことで、反応物の色調が良好で、しかも副
反応を抑制し高選択的にフェノールカルボン酸誘導体を
合成できることを見出した。
【0011】すなわち、本発明は、下記の一般式(1)
で表される炭素数6〜18の脂肪族カルボン酸無水物
と、下記の一般式(2)で表されるフェノールカルボン
酸またはその塩とを加えてエステル化反応を行い、下記
の一般式(3)で表されるフェノールカルボン酸誘導体
を合成する際、下記の一般式(4)または(5)で表さ
れる脂肪族第三アミン、芳香族第三アミン及び環状アミ
ンからなる群より選ばれる一種以上のアミン化合物を、
エステル化反応時にフェノールカルボン酸またはその塩
100重量部に対して0.01〜1000重量部加えて
反応することを特徴とするフェノールカルボン酸誘導体
の合成法を提供するものである。
【0012】
【化7】
【0013】[式中、R1、R2は炭素数が5〜17で直
鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示
し、R1とR2とは同じであっても異なっていても良
い。]
【0014】
【化8】
【0015】[式中、Xは水素原子、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属を示し、lは0または1であり、m
は1〜3の整数である。]
【0016】
【化9】
【0017】[式中、Rは一般式(1)におけるR1
はR2を示し、lは0または1であり、mは1〜3の整
数である。] NR345 (4) [式中、R3、R4、R5は炭素数2〜5のアルキル基ま
たはアルケニル基か、フェニル基またはベンジル基を示
し、R3とR4とR5とは同じであっても異なっていても
良い。]
【0018】
【化10】
【0019】また、本発明は、一般式(1)で表わされ
る脂肪族カルボン酸無水物が、炭素数6〜18の脂肪族
カルボン酸と炭素数2〜3のカルボン酸無水物とを炭素
数6〜18の脂肪族カルボン酸/炭素数2〜3のカルボ
ン酸無水物=2.0〜5.0、好ましくは2.1〜4.
0のモル比で反応させて合成されたものである上記のフ
ェノールカルボン酸誘導体の合成法を提供するものであ
る。
【0020】また、本発明は、炭素数6〜18の脂肪族
カルボン酸が直鎖または分岐鎖の脂肪酸であり、炭素数
2〜3のカルボン酸無水物が無水酢酸または無水プロピ
オン酸である上記のフェノールカルボン酸誘導体の合成
法を提供するものである。
【0021】さらに、本発明は、炭素数6〜18の脂肪
族カルボン酸無水物を製造する工程の途中または終了直
前に、1〜50mmHgの減圧下、100〜200℃の
温度で低沸点成分を蒸発留去することを特徴とする上記
のフェノールカルボン酸誘導体の合成法を提供するもの
である。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の合成法において、原料と
なる炭素数6〜18の脂肪族カルボン酸無水物は、下記
の一般式(1)で表される化合物である。
【0023】
【化11】
【0024】[式中、R1、R2は炭素数が5〜17で直
鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示
し、R1とR2とは同じであっても異なっていても良
い。] 炭素数6〜18の脂肪族カルボン酸無水物は、一般的に
カルボン酸と炭素数2〜3のカルボン酸無水物とを原料
として合成することができる。カルボン酸は炭素数6〜
18の脂肪族カルボン酸であり、直鎖でも分岐鎖でもど
ちらでもよい。このようなカルボン酸の具体例としては
ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、イソオクタン
酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、イソノナン酸、
3,5,5−トリメチルヘキサン酸、デカン酸、イソデ
カン酸、ウンデカン酸、イソウンデカン酸、ラウリン
酸、ドデセン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、ペ
ンタデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン
酸、エライジン酸、リノール酸、リノレイン酸、または
ヤシ油、パーム油もしくは牛脂由来の脂肪酸等が挙げら
れる。本発明では、これらの中でも、オクタン酸、ノナ
ン酸、デカン酸、ラウリン酸がフェノールカルボン酸誘
導体としての漂白活性化力の点から好ましい。炭素数2
〜3のカルボン酸無水物は無水酢酸または無水プロピオ
ン酸である。本発明では無水酢酸が、反応性、コストの
点から非常に有利である。
【0025】炭素数6〜18の脂肪族カルボン酸は炭素
数2〜3のカルボン酸無水物、特に無水酢酸と混合さ
れ、約70℃〜200℃に加熱することで酸無水物化す
ることができる。その際、炭素数6〜18の脂肪族カル
ボン酸と炭素数2〜3のカルボン酸無水物のモル比は、
炭素数6〜18の脂肪族カルボン酸/炭素数2〜3のカ
ルボン酸無水物=2.0〜5.0で、好ましくは2.1
〜4.0、さらに好ましくは2.2〜3.0である。す
なわち、上記反応の理論モル比は2.0であるが、それ
以上のモル比で反応を行った結果得られるカルボン酸無
水物を主成分とする反応生成物を直接用いることが、次
のエステル化反応に有利である。その理由は、無水化反
応終了時余剰の脂肪酸が残留することになるが、次反応
でフェノールカルボン酸またはその塩とのエステル化反
応時に余剰脂肪酸は流動化剤の役割を果たし、有機溶剤
などの粘度低下剤の使用が不要となるためである。逆に
濃度の高いカルボン酸無水物を用いた場合、フェノール
カルボン酸誘導体合成の際に高粘度化または固化し、攪
拌が困難になる等の問題が生じる。
【0026】炭素数6〜18の脂肪族カルボン酸無水物
を製造する工程(以下、酸無水物化工程という)でのも
う一方の留意点は炭素数2〜3のカルボン酸と炭素数6
〜18の脂肪族カルボン酸との混合酸無水物(以下、混
合酸無水物という)の存在である。酸無水物化行程の反
応は下記の式(10)及び(11)で予想される逐次平
衡反応から成ると考えられる。
【0027】
【数1】
【0028】炭素数6〜18の脂肪族カルボン酸無水物
中に残存する混合酸無水物は、次行程のフェノールカル
ボン酸またはその塩との反応で副生物として炭素数2〜
3のカルボン酸とフェノールカルボン酸(塩)とのエス
テルを生成する。このエステルは実使用(漂白)時に、
被洗布の変退色の原因となるため、好ましくは炭素数6
〜18の脂肪族カルボン酸無水物に対し1重量%以下に
することである。式(10)及び(11)から予測され
るように混合酸無水物含量を低下させるには、低沸点成
分である炭素数2〜3のカルボン酸を低濃度になるまで
除去することが重要である。炭素数6〜18の脂肪族カ
ルボン酸無水物中の炭素数2〜3のカルボン酸濃度とし
て1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下にするこ
とが望ましい。炭素数2〜3のカルボン酸濃度を低減す
るためには、酸無水物化工程の途中または終了直前に、
1〜50mmHgの減圧下、100〜200℃の温度で
低沸点成分を蒸発留去することで目的を達成することが
できる。さらに分縮器および精留塔を付加された蒸発缶
を用いることで、原料の炭素数6〜18の脂肪族カルボ
ン酸および炭素数2〜3のカルボン酸無水物を高率で利
用できる。
【0029】そして得られる炭素数6〜18の脂肪族カ
ルボン酸無水物濃度は、50〜99重量%の範囲にある
が、上述した如くフェノールカルボン酸誘導体合成反応
時の攪拌の容易さを考慮した場合、好ましくは60〜9
0重量%、更に好ましくは65〜85重量%とすること
が望ましい。
【0030】本発明の合成法において、もう一方の原料
となるフェノールカルボン酸またはその塩は、下記の一
般式(2)で表される化合物である。
【0031】
【化12】
【0032】[式中、Xは水素原子、アルカリ金属また
はアルカリ土類金属を示し、lは0または1であり、m
は1〜3の整数である。] 尚、上記式中のXにおいて、アルカリ金属としてはL
i、K、Na等、アルカリ土類金属としてはCa、Mg
等が挙げられる。更に、上記式中において、l=0の場
合が好ましく、具体例としては、サリチル酸、p−ヒド
ロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,
5−ジヒドロキシ安息香酸、3,4,5−トリヒドロキ
シ安息香酸およびそれらの塩である。フェノールカルボ
ン酸(塩)は通常粉体で取り扱うことができ、前記炭素
数6〜18の脂肪族カルボン酸無水物に添加され、適切
な攪拌により分散状態となる。フェノールカルボン酸
(塩)と炭素数6〜18の脂肪族カルボン酸無水物のモ
ル比は通常1:1であるが、分析精度、フェノールカル
ボン酸誘導体の精製手段、またその使用目的により設定
すれば良く、限定されるものではない。
【0033】本発明で、副反応を抑制し高選択的にフェ
ノールカルボン酸誘導体を合成するために、必須成分と
なるのが一般式(4)または(5)で表される脂肪族第
三アミン、芳香族第三アミン及び環状アミンからなる群
より選ばれる一種以上のアミン化合物である。
【0034】NR345 (4) [式中、R3、R4、R5は炭素数2〜5のアルキル基ま
たはアルケニル基か、フェニル基またはベンジル基を示
し、R3とR4とR5とは同じであっても異なっていても
良い。]
【0035】
【化13】
【0036】[式中、nは0〜3の整数である。] 具体的には、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、
トリブチルアミン、トリアミルアミン、N,N−ジメチ
ルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、トリベンジル
アミン、トリフェニルアミン、ピリジン、α−ピコリ
ン、β−ピコリン、γ−ピコリン、ピペリジン等が挙げ
られる。尚、第一アミン又は第二アミン類は、反応途中
で原料のフェノールカルボン酸とアミド化合物を形成
し、高選択的なフェノールカルボン酸誘導体の合成が困
難となるため、本発明には適さない。
【0037】これらのアミン化合物はフェノールカルボ
ン酸誘導体を合成する際、すなわちフェノールカルボン
酸が炭素数6〜18の脂肪族カルボン酸無水物に加えら
れる前後または同時に加えられ、高選択的なフェノール
カルボン酸誘導体合成に寄与する。添加量としてはフェ
ノールカルボン酸またはその塩100重量部に対して
0.01〜1000重量部、好ましくは0.1〜100
重量部である。そして反応は、通常、室温〜170℃の
温度範囲で0.5〜10時間加熱攪拌する。尚、前記一
般式(7)〜(9)で表されるような副生物が1重量%
以下の範囲で生成することがあるが、それらは温度依存
性を有するため、反応温度は低く保つほど効率よくフェ
ノールカルボン酸誘導体を合成することができる。具体
的には20〜120℃、更に好ましくは30〜100℃
の温度範囲で1〜3時間程度の反応が望ましい。一般的
に同じ反応速度を得るためのアミン化合物添加量と反応
温度は逆比例の関係があるがフェノールカルボン酸の種
類とも関係があり、最適条件は適宜決定されるものであ
る。
【0038】反応が完了した後、反応器内容物は溶剤に
よる洗浄、晶析などの手段により精製することができ
る。ただし単蒸留(脂肪酸トッピング)による精製は内
容物を高温で長時間さらすことになり、副生物の増加や
色調劣化の原因となるため好ましくない。回収された溶
剤または脂肪酸は本発明の合成法におけるそれぞれの使
用点に再循環させる。
【0039】
【発明の効果】本発明により高選択的にフェノールカル
ボン酸誘導体を合成し、高純度に製造することが可能と
なる。そして得られた漂白活性化剤は、過酸化物系漂白
剤に加えられることで、その漂白効果を著しく向上させ
る効果を持つ。
【0040】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるも
のではない。 比較例1〜6及び実施例1〜5(無水脂肪酸の生成と触
媒の効果) 分縮管を連結した5000mlの攪拌フラスコに、デカ
ン酸1977g(11.5モル)と無水酢酸508g
(5モル)を仕込み(デカン酸と無水酢酸のモル比は
2.3:1)、50℃で攪拌した。フラスコ内部を窒素
で置換した後、真空ポンプで系内の圧力を20mmHg
に保持し、攪拌した状態で昇温を開始した。内容物の液
温が60℃に到達した時点から沸騰が始まり、分縮管の
水温を30℃に保つことで分縮操作を行った。内容物の
液温が66℃から副生する酢酸の留出が開始された。液
温は加熱により徐々に上昇し、昇温開始から3時間後1
70℃に到達した。その後還流を停止し、残存する揮発
性成分を蒸留により留去することで無水デカン酸を生成
する操作を終了した。
【0041】得られた反応生成物は室温(25℃)で淡
黄色の液体であり、HPLC分析の結果、混合酸無水物
濃度は0.1重量%、無水デカン酸濃度は72.5重量
%であった。
【0042】次に無水デカン酸生成物166.4g
(0.37モル)とp−ヒドロキシ安息香酸51.1g
(0.37モル)を500mlの攪拌フラスコに仕込み
(無水デカン酸とp−ヒドロキシ安息香酸のモル比は
1:1)、さらに触媒を添加せず(比較例1)、または
酸として硫酸、p−トルエンスルホン酸を(比較例2〜
3)、アルカリとして炭酸カリウム、水酸化ナトリウ
ム、ナトリウムメトキシドを(比較例4〜6)、アミン
化合物としてトリブチルアミン、N,N−ジエチルアニ
リン、ピリジン、β−ピコリン、2,4−ルチジン(実
施例1〜5)をそれぞれ0.5g(p−ヒドロキシ安息
香酸に対して1重量%)添加し、100℃で1時間攪拌
し、p−ヒドロキシ安息香酸のエステル化反応を行い反
応性を確認した。結果を表1にまとめて示した。
【0043】
【表1】
【0044】実施例6〜11(フェノールカルボン酸種
の影響) 分縮管を連結した5000mlの攪拌フラスコにラウリ
ン酸2300g(11.5モル)と無水酢酸508g
(5モル)を仕込み、その後は実施例1と同じ操作を行
ない、73.2重量%の無水ラウリン酸を得た。
【0045】次に、無水ラウリン酸生成物193.1g
(0.37モル)と表2に示す各種フェノールカルボン
酸0.37モルを500mlの攪拌フラスコに仕込み、
触媒としてトリブチルアミンを各種フェノールカルボン
酸に対して4.5重量%添加し、70℃で3時間攪拌
し、反応性を確認した。結果を表2に示した。
【0046】
【表2】
【0047】尚、上記実施例及び比較例において、重合
物の分析はHLPCにより、以下のカラム、溶離液及び
検出器を用いて行なった。
【0048】カラム:野村化学株式会社、Develo
sil、ODS−UG−3、100mm×4.6mmΦ 溶離液:アセトニトリル/0.03Mリン酸=90/1
0(v/v) 検出器:UV230nm
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 康浩 東京都墨田区本所一丁目3番7号ライオン 株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1)で表される炭素数6
    〜18の脂肪族カルボン酸無水物と、下記の一般式
    (2)で表されるフェノールカルボン酸またはその塩と
    を加えてエステル化反応を行い、下記の一般式(3)で
    表されるフェノールカルボン酸誘導体を合成する際、下
    記の一般式(4)または(5)で表される脂肪族第三ア
    ミン、芳香族第三アミン及び環状アミンからなる群より
    選ばれる一種以上のアミン化合物を、エステル化反応時
    にフェノールカルボン酸またはその塩100重量部に対
    して0.01〜1000重量部加えて反応することを特
    徴とするフェノールカルボン酸誘導体の合成法。 【化1】 [式中、R1、R2は炭素数が5〜17で直鎖もしくは分
    岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を示し、R1とR2
    とは同じであっても異なっていても良い。] 【化2】 [式中、Xは水素原子、アルカリ金属またはアルカリ土
    類金属を示し、lは0または1であり、mは1〜3の整
    数である。] 【化3】 [式中、Rは一般式(1)におけるR1又はR2を示し、
    lは0または1であり、mは1〜3の整数である。] NR345 (4) [式中、R3、R4、R5は炭素数2〜5のアルキル基ま
    たはアルケニル基か、フェニル基またはベンジル基を示
    し、R3とR4とR5とは同じであっても異なっていても
    良い。] 【化4】 [式中、nは0〜3の整数である。]
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表わされる脂肪族カルボ
    ン酸無水物が、炭素数6〜18の脂肪族カルボン酸と炭
    素数2〜3のカルボン酸無水物とを炭素数6〜18の脂
    肪族カルボン酸/炭素数2〜3のカルボン酸無水物=
    2.0〜5.0のモル比で反応させて合成されたもので
    ある請求項1記載のフェノールカルボン酸誘導体の合成
    法。
  3. 【請求項3】 炭素数6〜18の脂肪族カルボン酸が直
    鎖または分岐鎖の脂肪酸であり、炭素数2〜3のカルボ
    ン酸無水物が無水酢酸または無水プロピオン酸である請
    求項2記載のフェノールカルボン酸誘導体の合成法。
  4. 【請求項4】 炭素数6〜18の脂肪族カルボン酸無水
    物を製造する工程の途中または終了直前に、1〜50m
    mHgの減圧下、100〜200℃の温度で低沸点成分
    を蒸発留去することを特徴とする請求項2又は3に記載
    のフェノールカルボン酸誘導体の合成法。
JP1164397A 1997-01-24 1997-01-24 フェノールカルボン酸誘導体の合成法 Pending JPH10204026A (ja)

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