JP2000086579A - アシルオキシ安息香酸の製造方法 - Google Patents

アシルオキシ安息香酸の製造方法

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JP2000086579A
JP2000086579A JP10250028A JP25002898A JP2000086579A JP 2000086579 A JP2000086579 A JP 2000086579A JP 10250028 A JP10250028 A JP 10250028A JP 25002898 A JP25002898 A JP 25002898A JP 2000086579 A JP2000086579 A JP 2000086579A
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Tamotsu Fujii
保 藤井
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Kawaken Fine Chemicals Co Ltd
Kao Corp
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Kawaken Fine Chemicals Co Ltd
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高選択性でしかも高収率で、かつ廉価にアシ
ルオキシ安息香酸を製造できる工業的に容易な製造方法
を提供する。 【解決手段】 一般式(1)で表されるヒドロキシ安息
香酸(具体的例示:p−ヒドロキシ安息香酸)に、一般
式(2)で表されるカルボン酸無水物(具体的例示:無
水ラウリン酸)を反応させて、一般式(3)で表される
アシルオキシ安息香酸(具体的例示:p−ラウロイルオ
キシ安息香酸)を製造するに際し、一般式(4)で表さ
れるカルボン酸(具体的例示:ラウリン酸)および酸性
触媒の存在下に反応を行うことを特徴とするアシルオキ
シ安息香酸の製造方法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素系漂白剤にお
ける漂白活性化剤として有用なアシルオキシ安息香酸の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アシルオキシ安息香酸塩は、アシルオキ
シベンゼンスルホン酸塩と同様に過炭酸ナトリウム、過
ほう酸ナトリウム等に代表される過酸化水素発生基質や
過酸化水素と、水中で接触することにより低温でも容易
に有機過酸を生成し、衣類等の汚れ、シミ汚れに対して
有効に漂白性能を発揮するため、漂白活性化剤として特
に有用な化合物である(特開平6−211746号公
報、特開平6−145697号公報)。このアシルオキ
シ安息香酸塩の製造方法において、上記いずれの公報で
も、酸無水物とヒドロキシ安息香酸を多量のピリジン中
で反応しており、コスト高、ピリジン臭などの問題があ
った。さらにこれらの製造方法では高純度の製品が得ら
れず、溶媒を使用しての精製操作が必要不可欠であり、
その結果、収率は63〜90%と低いものであり、商業
生産プロセスとして不向きであった。特開平8−188
553号公報および特開平8−217721号公報に
は、脂肪酸を溶媒として用いカルボン酸ハライドとヒド
ロキシ安息香酸またはその塩を反応させる方法が開示さ
れている。この反応では、副生するハロゲン化水素ガス
による反応液の発泡やハロゲン化水素ガスの除害、さら
にはハロゲン化水素ガスによる強度の装置腐食など問題
をかかえており、工業的生産には適さなかった。また、
特開平8−188553号公報には、脂肪酸を溶媒とし
て用いカルボン酸無水物とヒドロキシ安息香酸を反応さ
せる方法が開示されている。この方法は塩酸ガスなど腐
食性ガスが発生しない点で優れていたが、本発明者が実
施してみたところ、カルボン酸ハライドを用いた場合に
比べ、反応が遅く、より高温で長時間、具体的には15
0℃で12時間反応させる必要があった。このため、得
られたアシルオキシ安息香酸は極度に着色し、商品価値
を下げていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、高純度のアシルオキシ安息香酸を製造する
にあたり、高選択性でしかも高収率で、かつ廉価にアシ
ルオキシ安息香酸を製造できる工業的に容易な製造方法
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく、ヒドロキシ安息香酸とカルボン酸無水物と
の反応について鋭意検討した結果、特定のカルボン酸と
酸性触媒の存在下に反応を行うと、驚くべきことに、穏
和な条件下で反応が短時間のうちに進行し、高い転化
率、選択性が得られ、高純度でかつ着色のほとんどない
アシルオキシ安息香酸が製造できることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は、一般式(1)
【0006】
【化5】
【0007】〔式中、nは1〜3の数を示す。〕で表さ
れるヒドロキシ安息香酸に、一般式(2)
【0008】
【化6】
【0009】〔式中、R1およびR2は炭素数1〜21
の、ハロゲンで置換されていてもよく、エステル基、ア
ミド基、エーテル基あるいはフェニレン基が挿入されて
いてもよい直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケ
ニル基、あるいは無置換もしくは炭素数1〜22の、ハ
ロゲンで置換されていてもよく、エステル基、アミド
基、エーテル基あるいはフェニレン基が挿入されていて
もよい直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル
基あるいはハロゲンで置換されていてもよいフェニル基
を示し、R1とR2は同じであっても異なっていてもよ
い。〕で表されるカルボン酸無水物を反応させて、一般
式(3)
【0010】
【化7】
【0011】〔式中、RはR1あるいはR2を示し、R1
とR2は前記定義に同じ。hは1〜3の数を示す。iは
nからhを引いた数を示す。ここでnは前記定義に同
じ。〕で表されるアシルオキシ安息香酸を製造するに際
し、一般式(4)
【0012】
【化8】
【0013】〔式中、R3は炭素数1〜21の、ハロゲ
ンで置換されていてもよく、エステル基、アミド基、エ
ーテル基あるいはフェニレン基が挿入されていてもよい
直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基、あ
るいは無置換もしくは炭素数1〜22の、ハロゲンで置
換されていてもよく、エステル基、アミド基、エーテル
基あるいはフェニレン基が挿入されていてもよい直鎖ま
たは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基あるいはハ
ロゲンで置換されていてもよいフェニル基を示す。〕で
表されるカルボン酸および酸性触媒の存在下に反応を行
うことを特徴とするアシルオキシ安息香酸の製造方法を
提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明の原料となるヒドロキシ安息香酸は
前記一般式(1)で表されるが、カルボン酸無水物と反
応しうる活性点の置換基数nは1〜3を示し、目的物の
水溶性に応じて選択することができるが、好ましくは1
である。
【0016】一般式(1)で表されるヒドロキシ安息香
酸の具体例としては、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息
香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒド
ロキシ安息香酸、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸
等が挙げられる。この中で、原料供給面から、サリチル
酸、p−ヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安
息香酸の使用が好ましく実用的である。さらに、原料コ
ストの面でサリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸が特に
好ましい。
【0017】本発明のエステル化に使用するカルボン酸
無水物は、一般式(2)で表される化合物である。これ
らカルボン酸無水物には2個のカルボン酸残基がある
が、目的により、同じであっても異なっていても良い。
【0018】本発明で使用する一般式(2)で表される
カルボン酸無水物の具体例としては、以下のカルボン酸
の無水物が挙げられる。即ち、酢酸、n−プロピオン
酸、n−酪酸、n−吉草酸、n−ヘキサン酸、n−ヘプ
タン酸、i−ヘプタン酸、n−オクタン酸、2−エチル
ヘキサン酸、n−ノナン酸、i−ノナン酸、3,5,5
−トリメチルヘキサン酸、n−デカン酸、i−デカン
酸、n−ウンデカン酸、i−ウンデカン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソ
ステアリン酸、ベヘン酸等に代表される脂肪酸、安息香
酸、メチル安息香酸、オクチル安息香酸等に代表される
芳香族カルボン酸、クロロ酢酸、クロロ酪酸、ブロモ酪
酸、クロロカプロン酸、ブロモカプロン酸、クロロウン
デカン酸等に代表されるハロゲン化アルキルカルボン
酸、フェニル酢酸、フェニルプロピオン酸等に代表され
るアリールアルキルカルボン酸等のカルボン酸無水物が
使用でき、中でも、漂白活性化剤の機能の点で、酢酸、
n−プロピオン酸、n−酪酸、n−吉草酸、n−ヘキサ
ン酸、n−ヘプタン酸、i−ヘプタン酸、n−オクタン
酸、2−エチルヘキサン酸、n−ノナン酸、i−ノナン
酸、n−デカン酸、i−デカン酸、n−ウンデカン酸、
i−ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸のカルボン酸無水物が良好で、さらに、親水性汚
れ、疎水性汚れに対する効果および水溶性の良好なもの
を得るために、炭素数2〜14の直鎖または分岐の脂肪
酸の無水物が良好である。
【0019】一般式(2)で表されるカルボン酸無水物
は、未蒸留品、蒸留品、粗結晶品、再結晶品のいずれで
あってもよいが、目的物であるアシルオキシ安息香酸の
色相においては、蒸留品あるいは再結晶品を使用するこ
とが好ましく、コストの点からは、未蒸留品あるいは粗
結晶品が有利である。
【0020】以上のカルボン酸無水物であれば、いずれ
かを単独あるいは混合して使用してもよい。
【0021】また、一般式(2)で表されるカルボン酸
無水物は、一般式(1)で表されるヒドロキシ安息香酸
に対し、通常0.5〜2.0当量使用する。0.5当量
未満の場合は未反応のヒドロキシ安息香酸が多く残存し
てしまう。2.0当量を超える量では、エステル化反応
後も過剰のカルボン酸無水物が残存し生産性や臭気の点
から好ましくない。好ましくは、0.8〜1.6当量の
時、良好な反応収率を与える。さらに、1.0〜1.2
当量の時、カルボン酸無水物の高い反応率および高い選
択率が得られ、特に好ましい。
【0022】なお、原料の一つであるモノヒドロキシ安
息香酸においては、一般的にo−体であるサリチル酸は
p−ヒドロキシ安息香酸に比べ、カルボン酸無水物との
反応性が低い。従って、サリチル酸を原料として使用す
る場合は、長時間反応を行う等の対応が必要である。
【0023】本発明に使用される一般式(4)で表され
るカルボン酸の具体例としては、酢酸、n−プロピオン
酸、n−酪酸、n−吉草酸、n−ヘキサン酸、n−ヘプ
タン酸、i−ヘプタン酸、n−オクタン酸、2−エチル
ヘキサン酸、n−ノナン酸、i−ノナン酸、3,5,5
−トリメチルヘキサン酸、n−デカン酸、i−デカン
酸、n−ウンデカン酸、i−ウンデカン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソ
ステアリン酸、ベヘン酸等に代表される脂肪酸、安息香
酸、メチル安息香酸、オクチル安息香酸等に代表される
芳香族カルボン酸、クロロ酢酸、クロロ酪酸、ブロモ酪
酸、クロロカプロン酸、ブロモカプロン酸、クロロウン
デカン酸等に代表されるハロゲン化アルキルカルボン
酸、フェニル酢酸、フェニルプロピオン酸等に代表され
るアリールアルキルカルボン酸等が挙げられる。これら
のカルボン酸の中では、エステル化反応中に生じ得るエ
ステル交換反応によっても製品の漂白活性化剤の機能が
損なわれない点で、酢酸、n−プロピオン酸、n−酪
酸、n−吉草酸、n−ヘキサン酸、n−ヘプタン酸、i
−ヘプタン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン
酸、n−ノナン酸、i−ノナン酸、n−デカン酸、i−
デカン酸、n−ウンデカン酸、i−ウンデカン酸、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸等の炭素数2〜1
6の直鎖または分岐の脂肪酸が良好で、特に、親水性汚
れ、疎水性汚れに対する効果および水溶性の良好なもの
を得るために、炭素数2〜14の直鎖または分岐の脂肪
酸が好ましい。また、エステル化反応によっても同一の
組成物が得られるという意味で、一般式(2)で表され
るカルボン酸無水物のカルボン酸残基が同一のもの、例
えば、特に親水性汚れ、疎水性汚れに対する効果のバラ
ンスの良好なラウロイルオキシ安息香酸を得るために
は、ラウリン酸が特に好ましい。
【0024】本発明において使用する一般式(4)で表
されるカルボン酸の添加量は、一般式(1)で表される
ヒドロキシ安息香酸1重量部に対して、0.05〜20
重量部で良好な結果が得られる。0.05重量部未満で
は反応選択性が劣るため、好ましくない。より高い反応
選択性を得るために、0.2重量部以上がより好まし
い。また、生産性およびできた基剤の配合の自由度を考
えると、最も好ましくは0.2〜10重量部である。
【0025】本発明で用いられる酸性触媒は、アシル化
反応を触媒する。酸性触媒としては、無機酸、有機酸の
いずれも用いることができる。具体例を挙げれば、硫
酸、塩酸、硝酸、リン酸などの無機酸、ベンゼンスルホ
ン酸、トルエンスルホン酸などの有機スルホン酸、トリ
フルオロ酢酸、トリクロロ酢酸などの有機酸などが挙げ
られる。また、強酸性イオン交換樹脂なども用いること
ができる。
【0026】酸性触媒の添加量は反応を阻害せず、得ら
れた生成物を汚染しない範囲の量で用いることができ
る。好ましくは、一般式(1)で示されるヒドロキシ安
息香酸に対して、0.0001〜0.1重量部である。
0.0001重量部未満では触媒としての作用が弱くな
り、結果として反応温度を高くし反応時間も長くしなけ
ればならないので着色が顕著となる。0.1重量部を越
える量では、アシル化速度は向上するものの、製品中に
混在する酸が無視できない量となり、製品の経時安定性
が悪くなる。さらに好ましい添加量としては、0.00
1〜0.01重量部である。
【0027】カルボン酸以外の溶媒は基本的には使用す
ることなしに本発明の反応を行うことができるが、要す
れば、例えばヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キ
シレン、エチルベンゼン、クメンなどの炭化水素系溶
媒、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テト
ラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエ
チレン、四塩化炭素などのハロゲン系溶媒、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどの非プロ
トン性極性溶媒等の溶媒を、一般式(1)で表されるヒ
ドロキシ安息香酸に対し0.1〜20重量倍使用しても
よい。
【0028】本発明において、一般式(1)で表される
ヒドロキシ安息香酸、一般式(2)で表されるカルボン
酸無水物、一般式(4)で表されるカルボン酸および酸
性触媒の仕込法は、各々の様態によって異なるが、全て
を一度に混合し加熱する方法で構わない。ただし、無水
酢酸などの反応性の高いカルボン酸無水物を用いる場合
は、ヒドロキシ安息香酸、カルボン酸、酸性触媒の混合
物を溶解あるいはよく分散させたスラリーにしておいた
ところに無水酢酸を滴下する方が、発熱を制御しやす
い。
【0029】反応は、使用するカルボン酸の融点以上で
140℃以下の温度で行うのがよい。反応を短時間で終
了させ、かつ副反応を抑制し、着色も防止するという点
で、60〜130℃がさらに好ましい。反応時間は、そ
の温度に依存するが、例えば、130℃では約30分、
100℃では約1〜2時間、80℃では約1〜6時間が
適当である。
【0030】
【発明の作用】本発明において、アシル化反応中に、一
般式(4)で表されるカルボン酸が関与したエステル交
換反応が生起する。このエステル交換反応は問題となる
場合もあるが、目的のアシル基を有するアシル化剤が工
業的に入手困難な場合、入手が容易な目的のアシル基を
有したカルボン酸と、安価なあるいは入手の容易なアシ
ル化剤との組み合わせにより、目的のアシルオキシ安息
香酸またはその塩を調製することも可能である。しか
し、特に問題のない限り、通常は、同じアシル基のアシ
ル化剤とカルボン酸を選択するのが好ましい結果を与え
る。反応終了物中には、使用したカルボン酸およびアシ
ル化剤由来のカルボン酸が含有される。しかし例えば、
衣料用洗剤等への配合の場合は、これらカルボン酸は、
洗剤中のアルカリ剤により、洗浄成分のひとつとして作
用すると共に、すすぎ時の泡切れにも有効に作用し得
る。従って、本発明における反応終了物はそのままで洗
剤の配合用に、あるいは要すれば造粒操作に、直接供給
することが可能である。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。尚、例中の%は特記しない限り重量基準で
ある。
【0032】実施例1 塩化カルシウム管を備えた還流コンデンサー、攪拌棒、
温度計を具備したフラスコに、p−ヒドロキシ安息香酸
138.1g、ラウリン酸400.6g、無水ラウリン
酸401.8g、濃硫酸0.2gを量りとり、攪拌しな
がら加熱した。95℃まで加熱し、その温度で2時間反
応させた。液体クロマトグラフィーにより定量した結
果、p−ヒドロキシ安息香酸からのp−ラウロイルオキ
シ安息香酸の収率は99%であった。p−ラウロイルオ
キシ安息香酸に対する二量体含量は1.5%であり、三
量体は認められなかった。また製品色相はAPHA5で
あった。
【0033】なお、反応物の分析は、液体クロマトグラ
フィーにより、以下のカラム、溶離および検出器を用い
て行った。
【0034】カラム:GL−サイエンス社製イナートシ
ルODS−2、4.6φ×150mm 溶離液:0.03M−NaH2PO4(リン酸でpH2.
1に調整)/CH3CN=3/7 検出器:UV254nm 色相:5%固形分、アセトニトリル/水=50/50
(vol/vol)溶液で、APHA標準と比較した。
【0035】実施例2 塩化カルシウム管を備えた還流コンデンサー、攪拌棒、
温度計を具備したフラスコに、サリチル酸138.1
g、オクタン酸144.2g、無水オクタン酸324.
5g、p−トルエンスルホン酸一水和物0.4gを量り
とり、攪拌しながら加熱した。120℃まで加熱し、そ
の温度で2時間反応させた。液体クロマトグラフィーに
より定量した結果、サリチル酸に対するo−オクタノイ
ルオキシ安息香酸の収率は97%であった。o−オクタ
ノイルオキシ安息香酸に対する二量体含量は2.0%で
あり、三量体は認められなかった。また製品色相はAP
HA10であった。
【0036】実施例3 塩化カルシウム管を備えた還流コンデンサー、攪拌棒、
温度計を具備したフラスコに、p−ヒドロキシ安息香酸
138.1g、オクタン酸144.2g、無水オクタン
酸324.5g、非水系強酸性イオン交換樹脂「アンバ
ーリスト15」(商品名)1.4gを量りとり、攪拌し
ながら加熱した。105℃まで加熱し、その温度で1.
5時間反応させた。液体クロマトグラフィーにより定量
した結果、p−ヒドロキシ安息香酸に対するp−オクタ
ノイルオキシ安息香酸の収率は98%であった。p−オ
クタノイルオキシ安息香酸に対する二量体含量は2.0
%であり、三量体は認められなかった。また製品色相は
APHA15であった。
【0037】比較例1 実施例1と同様に酸性触媒のみ添加しないで反応を行っ
た。塩化カルシウム管を備えた還流コンデンサー、攪拌
棒、温度計を具備したフラスコに、p−ヒドロキシ安息
香酸138.1g、ラウリン酸400.6g、無水ラウ
リン酸401.8gを量りとり、攪拌しながら加熱し
た。95℃まで加熱し、2時間その温度で保持し、反応
液を液体クロマトグラフィーで定量したところ、p−ラ
ウロイルオキシ安息香酸の収率は65%であった。そこ
で、反応温度を150℃まで上げ、12時間反応させ
た。液体クロマトグラフィーにより定量した結果、p−
ラウロイルオキシ安息香酸の収率は92%であった。p
−ラウロイルオキシ安息香酸に対する二量体含量は5.
0%であり、三量体含量は0.3%であった。また、未
反応のヒロドキシ安息香酸が初期仕込量の2%残ってい
た。また製品色相はAPHA100であった。
【0038】
【発明の効果】本発明方法によれば、比較的穏和な条件
下短時間の内にアシル化が進行し、着色の少ないアシル
オキシ安息香酸が高純度かつ高収率で得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C11D 7/54 C11D 7/54 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4G069 AA20 BA42A CB75 DA02 4H003 DA01 EB09 FA08 FA23 FA43 4H006 AA02 AC48 BA28 BA34 BA35 BA36 BA37 BA50 BA66 BA72 BC31 BC34 BJ50 BN30 KA06 4H039 CA66 CD10 CD40

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 〔式中、nは1〜3の数を示す。〕で表されるヒドロキ
    シ安息香酸に、一般式(2) 【化2】 〔式中、R1およびR2は炭素数1〜21の、ハロゲンで
    置換されていてもよく、エステル基、アミド基、エーテ
    ル基あるいはフェニレン基が挿入されていてもよい直鎖
    または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基、あるい
    は無置換もしくは炭素数1〜22の、ハロゲンで置換さ
    れていてもよく、エステル基、アミド基、エーテル基あ
    るいはフェニレン基が挿入されていてもよい直鎖または
    分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基あるいはハロゲ
    ンで置換されていてもよいフェニル基を示し、R1とR2
    は同じであっても異なっていてもよい。〕で表されるカ
    ルボン酸無水物を反応させて、一般式(3) 【化3】 〔式中、RはR1あるいはR2を示し、R1とR2は前記定
    義に同じ。hは1〜3の数を示す。iはnからhを引い
    た数を示す。ここでnは前記定義に同じ。〕で表される
    アシルオキシ安息香酸を製造するに際し、一般式(4) 【化4】 〔式中、R3は炭素数1〜21の、ハロゲンで置換され
    ていてもよく、エステル基、アミド基、エーテル基ある
    いはフェニレン基が挿入されていてもよい直鎖または分
    岐鎖のアルキル基またはアルケニル基、あるいは無置換
    もしくは炭素数1〜22の、ハロゲンで置換されていて
    もよく、エステル基、アミド基、エーテル基あるいはフ
    ェニレン基が挿入されていてもよい直鎖または分岐鎖の
    アルキル基またはアルケニル基あるいはハロゲンで置換
    されていてもよいフェニル基を示す。〕で表されるカル
    ボン酸および酸性触媒の存在下に反応を行うことを特徴
    とするアシルオキシ安息香酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(4)で表されるカルボン酸が、
    炭素数2〜14の直鎖または分岐の脂肪酸である請求項
    1に記載のアシルオキシ安息香酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(2)で表されるカルボン酸無水
    物が、炭素数2〜14の直鎖または分岐の脂肪酸残基を
    有するものである請求項1または請求項2に記載のアシ
    ルオキシ安息香酸の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(4)で表されるカルボン酸の
    3の炭素組成が、一般式(2)で表されるカルボン酸
    無水物のR2の炭素組成と同一であることを特徴とする
    請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のアシル
    オキシ安息香酸の製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(4)で表されるカルボン酸
    を、一般式(1)で表されるヒドロキシ安息香酸1重量
    部に対し0.05〜20重量部使用することを特徴とす
    る請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のアシ
    ルオキシ安息香酸の製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式(2)で表されるカルボン酸無水
    物を、一般式(1)で表されるヒドロキシ安息香酸に対
    し、0.5〜2.0当量使用することを特徴とする請求
    項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のアシルオキ
    シ安息香酸の製造方法。
  7. 【請求項7】 酸性触媒が硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、
    スルホン酸、トリフルオロ酢酸および強酸性イオン交換
    樹脂から選ばれる1種または2種以上の混合物である請
    求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のアシルオ
    キシ安息香酸の製造方法。
  8. 【請求項8】 酸性触媒の添加量が、一般式(1)で表
    されるヒドロキシ安息香酸1重量部に対し0.0001
    〜0.1重量部であることを特徴とする請求項1ないし
    請求項7のいずれか1項に記載のアシルオキシ安息香酸
    の製造方法。
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