JP4448682B2 - ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造方法 - Google Patents

ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4448682B2
JP4448682B2 JP2003392498A JP2003392498A JP4448682B2 JP 4448682 B2 JP4448682 B2 JP 4448682B2 JP 2003392498 A JP2003392498 A JP 2003392498A JP 2003392498 A JP2003392498 A JP 2003392498A JP 4448682 B2 JP4448682 B2 JP 4448682B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
salt
general formula
hydroxybenzenesulfonic
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003392498A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005154307A (ja
Inventor
叙芳 鈴木
明 松永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2003392498A priority Critical patent/JP4448682B2/ja
Publication of JP2005154307A publication Critical patent/JP2005154307A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4448682B2 publication Critical patent/JP4448682B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明は、ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造方法、及びアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の水溶液にキレート剤を接触させる処理を行うことにより、着色度の低いヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩を、工業的に効率よく製造する方法、及びこの方法で得られたヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩から、漂白活性化剤などとして有用な着色度の低いアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を、工業的に効率よく製造する方法に関する。
アシルオキシベンゼンスルホン酸塩は、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウムで代表される過酸化水素発生基質や過酸化水素と水中で接触させることにより、低温でも容易に有機過酸を発生し、衣類などの汚れ、シミ汚れなどに有効な漂白性能を発揮することから、漂白活性化剤として特に有用な化合物である(例えば、特許文献1参照)。
このアシルオキシベンゼンスルホン酸塩は、フェノールスルホン酸塩を原料とし、各種アシル化剤を反応させることにより得ることができるが、工業的に製造されたアシルオキシベンゼンスルホン酸塩は、一般に、衣料用洗剤に使用されているアニオン界面活性剤に比べると着色度が高い。したがって、工業的に有効な着色度の低いアシルオキシベンゼンスルホン酸塩を工業的に効率良く製造する方法の開発が強く望まれている。
特開昭59−22999号公報
本発明者らは、このような状況下で、アシルオキシベンゼンスルホン酸塩の着色について検討した結果、アシルオキシベンゼンスルホン酸塩の着色は、その原料として用いられるフェノールスルホン酸塩中に含まれる鉄分に起因していることを究明した。
フェノールスルホン酸塩中の鉄分含有量が高いと、該フェノールスルホン酸塩は着色度の高いものとなり、それから得られるアシルオキシベンゼンスルホン酸塩も着色度の高いものとなる。
以上の知見に基づき、本発明は、着色度の低いヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩を、工業的に効率よく製造する方法、及びこの方法で得られたヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩から、着色度の低いアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を、工業的に効率よく製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の水溶液に、キレート剤を接触させることにより、着色度の低いヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩が得られ、ひいては着色度の低いアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、
(1)一般式(1)
Figure 0004448682
(式中、R1は炭素数1〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基、M1及びM2は、それぞれ独立に水素原子又は陽イオン基、a及びbは、それぞれM1及びM2の価数、nは0〜2の整数を示し、nが2の場合、2つのR1は同じでも異なっていてもよい。)
で表されるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の水溶液に、キレート剤として1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸又はそのアルカリ金属塩を接触させる前記一般式(1)で表される精製されたヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造方法、及び
(2)上記(1)に記載の方法によって得られたヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩と、一般式(2)
2−COX (2)
(式中、R2は炭素数1〜17の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基を示し、XはF、Cl、Br及びIから選ばれるハロゲン原子を示す。)
で表されるカルボン酸ハライド、又は一般式(3)
Figure 0004448682
(式中、R2は前記と同じである。)
で表されるカルボン酸無水物を反応させる、一般式(4)
Figure 0004448682
(式中、R1、R2、M1、a及びnは前記と同じである。)
で表されるアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造方法、
を提供する。
本発明によれば、ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の水溶液にキレート剤を接触させる処理を行うことにより、着色度の低いヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩を、工業的に効率よく製造することができる。また、この方法で得られたヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩から、漂白活性化剤などとして有用な着色度の低いアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を工業的に効率よく製造することができる。
本発明のヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造方法においては、一般式(1)
Figure 0004448682
(式中、R1は炭素数1〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基、M1及びM2は、それぞれ独立に水素原子又は陽イオン基、a及びbは、それぞれM1及びM2の価数、nは0〜2の整数を示し、nが2の場合、2つのR1は同じでも異なっていてもよい。)
で表されるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の水溶液に、キレート剤を接触させる処理を行う。
前記一般式(1)において、R1で示される炭素数1〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、各種デシル基、各種ドデシル基、各種テトラデシル基、各種ヘキサデシル基、各種オクタデシル基、ビニル基、プロペニル基、アリル基、各種オクテニル基、各種デセニル基、各種ドデセニル基、各種ヘキサデセニル基、オレイル基などが挙げられるが、これらの中でメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基の中から選ばれる炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基が好ましい。nは0又は1が好ましく、さらに好ましくは0である。
また、M1及びM2のうちの陽イオン基としては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属;カルシウム、バリウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属;アンモニウム;ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム等の置換アンモニウム;テトラメチルアンモニウム、ジデシルジメチルアンモニウム等の四級アンモニウムなどがあるが、アルカリ金属が好ましく、特に工業的な面からナトリウムが好ましい。また、M1及びM2は、たがいに同一でも異なっていてもよいが、製造上の操作性の面から、同一であることが好ましい。
なお、本発明におけるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩は、ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩における前記一般式(1)のパラ体の含有割合が70質量%以上、好ましくは80質量%以上含まれているものであり、また、前記一般式(1)で表されるように、ベンゼン環上にアルキル基やアルケニル基が導入されたものも包含する。
本発明においては、前記一般式(1)で表されるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩は、一般式(5)
Figure 0004448682
(式中、R1及びnは前記と同じである。)
で表されるフェノール又はその誘導体をスルホン化し、ヒドロキシベンゼンスルホン酸を生成させ、次いで所望によりアルカリを加えて、スルホン酸基又はスルホン酸基とヒドロキシル基を塩とすることにより、得ることができる。
前記一般式(5)において、nが1又は2の場合、R1のOH基に対する導入位置は、パラ位以外であればよく、特に制限はない。
前記一般式(5)で表されるフェノール又はその誘導体のスルホン化は、従来公知の方法を用いて行うことができる。例えば、フェノール又はその誘導体と、化学量論的量より若干過剰量の濃硫酸(濃度98質量%程度)を、好ましくは窒素などの不活性ガス雰囲気下に、50〜150℃程度の温度で加熱し、スルホン化することにより、対応するヒドロキシベンゼンスルホン酸が得られる。本発明においては、このようにして得られたヒドロキシベンゼンスルホン酸におけるパラ体の含有割合が、70質量%以上、好ましくは80質量%以上となるように、反応条件を選定する。
この際、濃硫酸として、得られるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の着色度を低減させるために、鉄分含有量が、好ましくは5質量ppm以下、より好ましくは1質量ppm以下の濃硫酸を用いるのがよい。
本発明においては、このようにして得られたヒドロキシベンゼンスルホン酸は、所望により、スルホン酸基又はスルホン酸基とヒドロキシル基が塩に変換される。この塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、置換アンモニウム塩、四級アンモニウム塩などがあるが、ナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩が好ましく、特にナトリウム塩が好ましい。
前記ヒドロキシベンゼンスルホン酸におけるスルホン酸基又はスルホン酸基とヒドロキシル基を塩に変換する方法については特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。具体的には、ヒドロキシベンゼンスルホン酸1質量部に対し、水1〜10質量部程度を加えたものと、実質的に化学量論的量のアルカリ水溶液とを、例えば、40〜100℃程度の温度で接触処理させることにより、目的の塩を得ることができる。前記アルカリ水溶液としては、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの水溶液が好ましく、特に水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。なお、本発明において、実質的に化学量論的量とは、化学量論的量の0.95〜1.05倍程度の量を指す。
本発明においては、このようにして得られたヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の水溶液に、キレート剤を接触させる処理を行う。
前記キレート剤としては、鉄イオンにキレート配位するものであればよく、特に制限されず、従来公知のキレート剤の中から、適宜選択して用いることができる。このキレート剤としては、エチレンジアミンテトラ酢酸又はそのアルカリ金属塩、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸又はそのアルカリ金属塩、ニトリロトリ酢酸又はそのアルカリ金属塩、ジエチレントリアミンペンタ酢酸又はそのアルカリ金属塩、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸又はそのアルカリ金属塩、ジカルボキシメチルグルタミン酸テトラアルカリ金属塩、2−ヒドロキシエチルイミノジ酢酸又はそのアルカリ金属塩、ジ(2−ヒドロキシエチル)グリシン又はそのアルカリ金属塩、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸又はそのアルカリ金属塩、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、2−ホスホノブタントリカルボン酸、1,3−プロパンジアミンテトラ酢酸、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパンテトラ酢酸などの水溶性キレート剤を例示することができる。
これらのキレート剤は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、鉄イオンにキレート配位する性能の点から、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸及びエチレンジアミンテトラ酢酸テトラナトリウムが好ましく、特に1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸が好ましい。
また、キレート剤として、前記水溶性キレート剤以外に、水に実質的に不溶性のキレート樹脂を用いることもできる。このキレート樹脂としては、例えば母材高分子化合物に、直接に又はスペーサを介して、イミノジ酢酸残基やアルキルポリアミン残基などの金属捕捉基(キレート性官能基)を導入したものなどが知られている。
本発明において、ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の水溶液に、前記キレート剤を接触させる方法については特に制限はなく、使用するキレート剤の種類に応じて、工業的に有利な方法を適宜選択するのがよい。
例えば水溶性キレート剤を用いる場合には、ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の水溶液に、水溶性キレート剤を直接に添加し、必要により撹拌する方法、あるいはヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の水溶液と水溶性キレート剤含有水溶液とを混合する方法などを採用することができる。この場合、ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の水溶液の濃度については特に制限はないが、通常ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩を10〜50質量%程度含有する水溶液が用いられる。
また、水溶性キレート剤は、前記水溶液中のヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩100質量部に対し、0.001〜3質量部の割合で用いることが好ましい。該キレート剤の使用量が上記範囲にあれば、着色度を、例えば30質量%濃度のヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の水溶液で、G(ガードナー)4以下、好ましくはG3以下、より好ましくはAPHA150以下にすることができると共に、経済的にも有利である。効果及び経済性の面から、水溶性キレート剤の使用量は、より好ましくは0.001〜1質量部、さらに好ましくは0.001〜0.5質量部の範囲である。
このように、水溶性キレート剤を用いて接触させる処理を行う場合、処理後のヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の水溶液は、水溶性キレート剤で捕捉した鉄分を分離することなく、含んだ状態で、後述の脱水処理が施される。
一方、キレート樹脂を用いる場合には、例えばカラムに該キレート樹脂を充填し、これに、ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の水溶液を通液する方法などを好ましく採用することができる。この場合、前記キレート樹脂を充填したカラムは、複数を直列に配置してもよい。また、ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の水溶液のLHSV(液時空間速度)は、ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩中の鉄分含有量が1質量ppm以下になるように、適宜選定する。前記ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の水溶液の濃度については特に制限はないが、通常ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩を10〜50質量%程度含有する水溶液が用いられる。
このようにキレート樹脂を用いて接触させる処理を行う場合、処理後のヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の水溶液中にキレート樹脂は実質的に含まれず、したがってキレート樹脂に捕捉された鉄分は系外に除去されることになる。
本発明においては、ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の水溶液に、キレート剤を接触させる際の温度としては特に制限はないが、通常室温〜90℃、好ましくは40〜80℃の範囲で選定される。
このようにして得られた前記一般式(1)で表されるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩は着色度が低く、後述のアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の原料などとして好適に用いられる。
次に、本発明のアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造方法においては、前述の方法によって得られた前記一般式(1)で表されるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩と、一般式(2)
2−COX (2)
(式中、R2は炭素数1〜17の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基を示し、XはF、Cl、Br及びIから選ばれるハロゲン原子を示す。)
で表されるカルボン酸ハライド、又は一般式(3)
Figure 0004448682
(式中、R2は前記と同じである。)
で表されるカルボン酸無水物を反応させることにより、一般式(4)
Figure 0004448682
(式中、R1、R2、M1、a及びnは前記と同じである。)
で表されるアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を製造する。
なお、本発明におけるアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩は、アシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩における前記一般式(4)のパラ体の含有割合が70質量%以上、好ましくは80質量%以上含まれているものであり、また、前記一般式(4)で表されるように、ベンゼン環上にアルキル基やアルケニル基が導入されたものも包含する。
この反応においては、前記一般式(1)で表されるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩は、実質的に無水の状態でエステル化に使用することが好ましい。ここで実質的に無水とは、完全な無水状態に限定されるものではなく、原料自体に含まれる少量の水分、例えば0.5質量%程度以下の水分量であれば実質的に無水という。なお、0.5質量%程度を超える水が存在すれば、アシル化剤の加水分解が起こり、反応収率が低下するおそれがある。
前記ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩を実質的に無水の状態にするために、脱水処理を施す場合には、例えば一般式(1)で表されるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩を、110〜200℃程度の温度で0.01〜60kPa程度の減圧下に乾燥させるか、又は該ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩1質量部に対し、ベンゼンやトルエンなどの水と共沸する有機化合物0.05〜20質量部程度を加え、共沸脱水を行えばよい。このような脱水処理により、水分0.5質量%程度以下のものが容易に得られる。
[酸ハライド法]
本発明において、前記一般式(1)で表されるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩と、前記一般式(2)で表されるカルボン酸ハライドを反応させて、前記一般式(4)で表されるアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を製造するプロセスにおいては、前記一般式(1)で表されるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩として、M1及びM2が共にナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属であるものが好ましく、特に工業的な面からナトリウムであるものが好ましい。
前記一般式(2)で表されるカルボン酸ハライドとしては、R2が炭素数5〜17のものが好ましく、具体例としては、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、3,5,5−トリメチルカプロン酸、2−メチルカプリル酸、2−メチルカプリン酸、3,7−ジメチルカプロン酸、2−エチルヘキサン酸、イソステアリン酸などのカルボン酸のクロライド、ブロマイド等が挙げられる。
この反応方法については特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。例えば、N,N−ジメチルアセトアミドなどの反応に不活性な媒体中において、実質的に無水のヒドロキシベンゼンスルホン酸のモノ又はジアルカリ金属塩と、実質的に化学量論的量の前記カルボン酸ハライドを、30〜150℃、好ましくは80〜120℃程度の温度で反応させることにより、目的のアシルオキシベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩が得られる。
[酸無水物法]
一方、前記一般式(1)で表されるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩と、前記一般式(3)で表されるカルボン酸無水物を反応させて、前記一般式(4)で表されるアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を製造するプロセスにおいては、前記一般式(1)で表されるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩として、M1がナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属で、M2が水素原子であるものが好ましく、特に工業的な面から、M1がナトリウムで、M2が水素原子であるものが好ましい。
前記一般式(3)で表されるカルボン酸無水物の具体例としては、前述の一般式(2)で表されるカルボン酸ハライドの説明において例示した各種カルボン酸の酸無水物などが挙げられる。
反応方法については特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。例えばトルエンなどの反応に不活性な媒体中において、硫酸などの酸触媒の存在下に、実質的に無水のヒドロキシベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩と、実質的に化学量論的量の前記カルボン酸無水物を50〜110℃程度の温度で反応させることにより、目的のアシルオキシベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩が得られる。
[エステル交換法]
本発明においては、前記一般式(1)で表されるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩と、無水酢酸とを反応させて、アセトキシベンゼンスルホン酸又はその塩を生成させ、次いで一般式(6)
3−COOH (6)
(式中、R3は炭素数2〜17の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基を示す。)
で表されるカルボン酸とエステル交換反応を行うことにより、前記一般式(4)で表されるアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩を製造することもできる。
このプロセスにおいては、前記一般式(1)で表されるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩として、M1がナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属で、M2が水素原子であるものが好ましく、特に工業的な面から、M1がナトリウムで、M2が水素原子であるものが好ましい。
また、前記一般式(6)で表されるカルボン酸の具体例としては、前述の一般式(2)で表されるカルボン酸ハライドの説明において例示した各種カルボン酸などが挙げられる。
このプロセスにおいて、ヒドロキシベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩と無水酢酸との反応、及び次いで行われるカルボン酸とのエステル交換反応の方法については特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができる。
これらの3種のプロセスの中で、無機塩が生成せず、かつプロセスの簡易さなどの点から、前記の酸無水物法プロセスが好ましい。
このようにして製造された一般式(4)で表されるアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩は、従来のものに比べて着色度が低い。
例えば10質量%濃度のアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の溶液で、APHA120以下、好ましくは100以下、更に好ましくは30以下にすることができる。
このアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩、特にアルカリ金属塩は、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウムなどの過酸化水素発生基質や過酸化水素と水中で接触させることにより、低温でも容易に有機過酸を発生し、衣類などの汚れ、シミ汚れなどに有効な漂白性能を発揮することから、漂白活性化剤として、洗浄剤組成物などに用いることができる。
比較例1
攪拌機付きの1Lの四つ口フラスコにフェノール(三井化学株式会社製)を400g(4.25モル)加え、窒素雰囲気下で撹拌しながら50℃に昇温した。その後、98%硫酸(テイカ株式会社製)446g(純度約98質量%、4.46モル)を50〜100℃で滴下し、100℃で1時間撹拌した。反応生成物の色をガードナー標準液と比較することによって色相を測定した結果、G13であった。液体クロマトグラフィー分析により得られたフェノールスルホン酸のパラ体の収率は88モル%(パラ体の純度は80質量%)であった。また、使用した硫酸中の鉄分含有量は23質量ppmであり、得られたフェノールスルホン酸中の鉄分含有量は12質量ppmであった。
さらに攪拌機付きの1Lの四つ口フラスコに得られたフェノールスルホン酸100g(パラ体:0.46モル)と水155.6gを加え、48質量%の水酸化ナトリウム水溶液44.9gを40〜60℃で滴下し、30質量%のフェノールスルホン酸ナトリウム水溶液を得た。得られた30質量%のフェノールスルホン酸ナトリウム水溶液の色を、APHA標準液と比較することによって色相を測定した結果、Gは5であった。
その後、100〜120℃で水を留去し、フェノールスルホン酸ナトリウム水溶液を約1/2質量にした後、トルエン270gを加え110℃で共沸脱水を行い、水分含有量を0.2質量%未満にした。さらに80℃まで冷却し、硫酸2.3g(0.023モル)を加え、無水ラウリン酸176g(0.46モル)を滴下し、さらに80℃で8時間攪拌した。液体クロマトグラフィー分析により得られたラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムのパラ体の収率は88%であった。得られた反応混合物を60℃でろ過し、トルエン150gで2回洗浄処理した後、80℃、13.3kPaで12時間乾燥した。得られた乾燥物はラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムの純度が85質量%であった。この得られた乾燥物を、アセトニトリル:水質量比=1:1の溶液を加えて溶解させ、ラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム濃度が10質量%の溶液を作り、溶液の色をAPHA標準液と比較することによって色相を測定した結果、APHA150であった。
なお、鉄分含有量の測定及び反応生成物の分析は、下記の装置、方法で行った。
鉄分含有量の測定
テクノス株式会社製、超高感度重金属分析装置、TREX660
反応生成物の分析:液体クロマトグラフィー
<p−フェノールスルホン酸ナトリウムの定量>
カラム:関東化学株式会社製 リクロスファー100 RP−18(5μm)、
250mm×4mmΦ
溶離液:以下のA液、B液を用いるグラジェント法
A液:0.1モル/リットルNaClO4含有CH3CN/水質量比=15/85溶液
B液:CH3CN 100%
検出器:UV 260nm
<ラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムの定量>
カラム:GL Science Inc. Inertsil ODS−3V(5μm )、150mm×4.6mmΦ
溶離液:水/メタノール=600mL/2400mL中にテトラブチルアンモニウム
ブロミド17.3g, 酢酸5mL含有
検出器:RI
実施例1
攪拌機付きの1Lの四つ口フラスコに、比較例1で得られたフェノールスルホン酸100g(パラ体:0.46モル)と水156.6gを加え、48質量%の水酸化ナトリウム水溶液44.9gを40〜60℃で滴下し、30質量%のフェノールスルホン酸ナトリウム水溶液を得た。その後、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸を0.27g加え、さらに60℃で1時間攪拌した。
その後、比較例1と同様にラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを製造した。ラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム濃度が10質量%の溶液の色をAPHA標準液と比較することによって色相を測定した結果、APHA60であった。
実施例2〜6
キレート剤の種類、その添加量を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にしてフェノールスルホン酸を製造し、次いでラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを製造した。結果を表1に示す。
Figure 0004448682
比較例2
フェノールのスルホン化に、硫酸として精製硫酸(テイカ株式会社製、鉄分含有量1質量ppm以下)を用いた以外は、比較例1と同様にしてフェノールスルホン酸を製造し、次いでラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを製造した。結果を表2に示す。
実施例7〜12
比較例2で得られたフェノールスルホン酸を用い、表2に示す種類と量のキレート剤を用いた以外は、実施例1と同様にしてラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを製造した。結果を表2に示す。
Figure 0004448682
表1及び表2に示すように、フェノールスルホン酸ナトリウム水溶液にキレート剤を接触させる処理を行うことにより、フェノールスルホン酸ナトリウム及びラウロイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムの色相を効果的に改善し得ることが分かる。
本発明の方法で得られたヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩は着色度が低く、アシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の原料などとして好適に用いられる。
また、前記ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩を用いて得られたアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩は着色度が低く、漂白活性化剤などとして、洗浄剤組成物などに用いられる。

Claims (4)

  1. 一般式(1)
    Figure 0004448682
    (式中、R1は炭素数1〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基、M1及びM2は、それぞれ独立に水素原子又は陽イオン基、a及びbは、それぞれM1及びM2の価数、nは0〜2の整数を示し、nが2の場合、2つのR1は同じでも異なっていてもよい。)
    で表されるヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の水溶液に、キレート剤として1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸又はそのアルカリ金属塩を接触させる前記一般式(1)で表される精製されたヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造方法。
  2. キレート剤を接触させた後のヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の水溶液の色相Gが、濃度30質量%で4以下である請求項1に記載のヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法によって得られたヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩と、一般式(2)
    2−COX (2)
    (式中、R2は炭素数1〜17の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基を示し、XはF、Cl、Br及びIから選ばれるハロゲン原子を示す。)
    で表されるカルボン酸ハライド、又は一般式(3)
    Figure 0004448682
    (式中、R2は前記と同じである。)
    で表されるカルボン酸無水物を反応させる、一般式(4)
    Figure 0004448682
    (式中、R1、R2、M1、a及びnは前記と同じである。)
    で表されるアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造方法。
  4. アシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の溶液の色相APHAが、濃度10質量%で120以下である請求項3に記載のアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造方法。
JP2003392498A 2003-11-21 2003-11-21 ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造方法 Expired - Fee Related JP4448682B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003392498A JP4448682B2 (ja) 2003-11-21 2003-11-21 ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003392498A JP4448682B2 (ja) 2003-11-21 2003-11-21 ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005154307A JP2005154307A (ja) 2005-06-16
JP4448682B2 true JP4448682B2 (ja) 2010-04-14

Family

ID=34719178

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003392498A Expired - Fee Related JP4448682B2 (ja) 2003-11-21 2003-11-21 ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4448682B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005154307A (ja) 2005-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0509382B1 (en) Biodegradable bleach stabilizers for detergents
CA1270717A (en) Phenylene mono - and diester peracid precursors
JPS63267751A (ja) セリン−n,n−ジ酢酸及びその誘導体及びその用途
JP2515372B2 (ja) 2―ヒドロキシ―3―アミノ―プロピオン酸―n,n―ジ酢酸及びその誘導体、その製法、錯化合物形成体、及び洗剤又は清浄剤
US4337214A (en) N-(Hydroxy methyl)-1-amino alkane-1,1-diphosphonic acids, process of making same, and composition for and method of using same as stabilizing agents in peroxide-containing bleaching baths
US5414099A (en) Synthesis of amido acids from carboxylic acids and lactams
WO1995007882A1 (en) Synthesis of amido acids from carboxylic acid esters and amino acid salts
JP4398706B2 (ja) アシルオキシベンゼンスルホン酸塩の製造方法
JP4448682B2 (ja) ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造方法
EP0076166B1 (en) Bleach composition
JP2978342B2 (ja) 漂白剤組成物
US4790952A (en) Alkyl monoperoxysuccinic acid precursors and method of synthesis
JP4369209B2 (ja) カルボン酸無水物の製造方法
JP4448683B2 (ja) ヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造方法
JP2756032B2 (ja) 新規含窒素化合物及びこれを含有する漂白剤組成物
JP3515195B2 (ja) アシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造法
JP4386341B2 (ja) カルボン酸の回収方法
JP4448680B2 (ja) アシルオキシベンゼンスルホン酸またはその塩の製造方法
FR2485545A1 (fr) Cotelomeres a terminaison sulfonate contenant des motifs acide acrylique et vinylamine, procede pour leur preparation et leur application dans des compositions detergentes
EP1118608B1 (en) Aminopolycarboxylates, process for producing the same and use thereof
JP3547530B2 (ja) 新規なスルホン酸又はその塩、並びにその製造法
JP2006213656A (ja) 安息香酸フェニルエステル誘導体スルホン化物又はその塩の製造方法
JPH05194996A (ja) 洗剤組成物
JP3515242B2 (ja) α−スルホアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造方法
JP4448684B2 (ja) アシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060908

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091013

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100119

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100125

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130129

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130129

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140129

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees