JP3547530B2 - 新規なスルホン酸又はその塩、並びにその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なスルホン酸及びその塩、並びにその製造法に関する。さらに詳細には、溶液中で過酸化水素あるいは過酸化水素を発生しうる過酸化物と組み合わせて使用する漂白活性化剤として有用である新規なスルホン酸及びその塩、並びにその製造法に関する。特に衣料用洗剤、あるいは衣料用、台所用、住居用及び製紙業等の工業用等、多岐にわたる漂白剤に配合可能な漂白活性化剤として有用である新規なスルホン酸及びその塩、並びにその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来より、過酸化水素あるいは過酸化水素を発生し得る過酸化化合物を配合した酸素系漂白剤及び洗剤用として、種々の漂白活性化剤が提案されてきている。しかし、商業的には、ごく一部の漂白活性化剤が利用されているにすぎない。その中では、TAED(N,N,N’,N’−テトラアセチルエチレンジアミン)が、40℃以上の高温洗浄を常とする欧州において、今尚広く使用されている。しかしながら、TAEDは、PC(過炭酸塩)、PB(過ほう酸塩)、過ケイ酸塩等の過酸化水素を発生する過酸化化合物あるいは過酸化水素との反応による有機過酸の生成速度における温度依存性が大きく、消費者の全世界的な傾向である40℃以下での低温洗浄あるいは低温漂白処理においては、その漂白活性化剤としての効果は不十分であることは周知である。
【0003】
このような消費者の要望、使用傾向に対応して低温でも有効に作用する漂白活性化剤として開発されてきたのが、アセトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、3,5,5 −トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、n−ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムに代表されるアシルオキシベンゼンスルホン酸塩である(特開昭59−22999 号)。
しかしながら、これらの基剤は、例えば洗剤においては配合における副基剤としての位置付けを余儀なくされている。これは、これらの基剤が、パーヒドロキシイオン(HOO−) による求核攻撃を受け、有機過酸1分子と脱離基であるフェノールスルホン酸塩1分子を生成する漂白活性化剤としての機能を有するにすぎないためである。
【0004】
従って本発明の目的は、漂白活性化剤の機能として漂白活性化剤1分子より2つの有機過酸を生じる新規な化合物及びその製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の新規なスルホン酸又はその塩が、上記目的に最適であることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、一般式(1)で表されるスルホン酸又はその塩を提供するものである。
【0006】
【化4】
【0007】
〔式中、
R1:総炭素数1〜35のハロゲンで置換されていてもよく、またエステル基、エーテル基、アミド基あるいはフェニレン基が挿入されていてもよい直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基、あるいはフェニル基を示す。
R2:水素原子又は総炭素数1〜20の直鎖又は分岐のアルキル基、あるいはメトキシ基又はエトキシ基を示す。
M :水素原子、又はアルカリ金属、アルカリ土類金属、無置換または置換アンモニウムあるいは4級アンモニウムを示す。〕
また、本発明は、一般式(2)で表されるアシルオキシベンゼンをスルホン化剤と反応させ必要により中和反応を行なうことを特徴とする上記一般式(1)で表されるスルホン酸又はその塩の製造法を提供するものである。
【0008】
【化5】
【0009】
(式中、R1及びR2は前記の意味を示す。)
上記一般式(1)で表される新規なスルホン酸及びその塩は1分子から2つの有機過酸を生じる新規な漂白活性化剤として開発された。
即ち、一般式(4)
【0010】
【化6】
【0011】
(式中、R1,R2及びM は前記の意味を示す。)
で表されるアシルオキシベンゼンスルホン酸及びその塩において単なる脱離基で表されるフェノールスルホン酸及びその塩にかわり、アシルオキシベンゼンスルホン酸にさらにフェノールスルホン酸が脱水縮合し、スルホンエステル部分で過酸の生じる多機能基剤を設計し、上記一般式(1)で表されるスルホン酸及びその塩を製造することができたのである。
【0012】
以下に、従来型の一般式(4)で表されるアシルオキシベンゼンスルホン酸又はその塩と、本発明の一般式(1)で表されるスルホン酸又はその塩の過酸化水素による脱離反応式まとめて示す。
【0013】
【化7】
【0014】
(式中、R1, R2及びM は前記の意味を示す。)
本発明の一般式(1)で表されるスルホン酸及びその塩について、当初の目的であったスルホニルエステル部分での過酸生成は期待通りであった。これに加えて驚くべきことに、親水性汚れに対する漂白性能が大幅に改善されていることがわかった。これは従来型のアシルオキシベンゼンスルホン酸塩でも生じるカルボニルエステルの有機過酸は、そのアルキル基の疎水性によって親油性汚れに対して効果的に働き、一方スルホニルエステルの有機過酸がその親水性によって親水性汚れに対して特に大きな効果を発揮したと考えられる。また、このことから、R1、R2のアルキル鎖長、置換基によってその親水性/親油性バランスを制御し得ると考えられる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
一般式(1)で表されるスルホン酸及びその塩において、R1として好ましい基は、総炭素数1〜35のハロゲンで置換されていてもよく、またエステル基、エーテル基あるいはアミド基が挿入されていてもよい直鎖又は分岐のアルキル基であり、更に好ましい基は、炭素数1〜20のハロゲンで置換されていてもよい直鎖又は分岐のアルキル基であり、特に好ましくは、炭素数1〜12の直鎖アルキル基である。
【0016】
また、R2は、水素原子又は総炭素数1〜20の直鎖又は分岐のアルキル基、あるいはメトキシ基又はエトキシ基を示すが、R2を具体的に例示すると、水素原子、メチル基、エチル基、n −プロピル基、n −ブチル基、n −ヘキシル基、n −ヘプチル基、1,3,3 −トリメチルブチル基、n −オクチル基、n −デシル基、n −ドデシル基、n −テトラデシル基、n −ヘキサデシル基、n −オクタデシル基、n −エイコシル基、メトキシ基、エトキシ基等が挙げられる。好ましくは水素原子又は炭素数1〜4の直鎖又は分岐の低級アルキル基であり、特に好ましくは水素原子である。
【0017】
M は水素原子、又はNa, K, Li 等のアルカリ金属、Mg, Ca等のアルカリ土類金属、無置換アンモニウム(NH4) 、トリエタノールアンモニウム等の置換アンモニウム、あるいはテトラメチルアンモニウム、モノオクタデシルトリメチルアンモニウム、ジデシルジメチルアンモニウム等の4級アンモニウムを示すが、好ましくはアルカリ金属、特に好ましくはNa, K である。
【0018】
一般式(1)で表されるスルホン酸又はその塩の具体例としては、次のようなものが挙げられる。
【0019】
【化8】
【0020】
本発明の一般式(1)で表されるスルホン酸又はその塩は、前記一般式(2)で表されるアシルオキシベンゼンを、スルホン化剤と反応させてスルホン化し、必要により中和することにより得られる。スルホン化剤としては、乾燥空気あるいは窒素等の不活性気体により希釈されたSO3 ガス、液体SO3 、クロルスルホン酸等から選ばれる1種又は2種以上が用いられるが、液体SO3 またはSO3 ガスを用いることが好ましい。また、一般式(2)で表されるアシルオキシベンゼンをスルホン化剤と反応させる際に、一般式(3)で表されるフェノール共存下に行うことが好ましい。
【0021】
【化9】
【0022】
(式中、R2は前記の意味を示す。)
一般式(3)で表されるフェノールは、一般式(2)で表されるアシルオキシベンゼンに対して、0.1 〜10モル倍、好ましくは0.5 〜5モル倍、更に好ましくは0.9 〜3モル倍添加するのが良い。
【0023】
本反応は、無溶媒で行うこともできるし、要すればスルホン化反応に使用可能な溶媒、例えば、ジクロロメタン、1,2 −ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、フロン等に代表されるハロゲン化炭化水素あるいは液体二酸化硫黄等のスルホン化剤に対し実質的に不活性な溶媒で予め、一般式(2)で表されるアシルオキシベンゼン及び一般式(3)で表されるフェノールを希釈して反応させてもよい。この場合、使用する溶媒量は、一般式(2)で表されるアシルオキシベンゼンと一般式(3)で表されるフェノールの合計量の20重量倍以下が望ましく、更に好ましくは、生産効率、及び溶媒とスルホン化剤との反応の低減を考慮して、1〜5重量倍である。これら溶媒を使用してのスルホン化反応は、通常、バッチ反応形式で行い、スルホン化剤としてSO3 ガス、液体SO3 、クロルスルホン酸のいずれを使用してもよい。この時、スルホン化剤は、一般式(2)で表されるアシルオキシベンゼンと一般式(3)で表されるフェノールの合計モル数に対し0.9 〜1.2 モル倍、好ましくは 1.0〜1.15モル倍、更に好ましくは、1.02〜1.10モル倍使用する。スルホン化剤を作用させる温度は、30℃以下、好ましくは10℃以下、更に好ましくは−30〜0℃で、その後、−10℃以上、好ましくは10℃以上、更に好ましくは30〜60℃で、 0.1〜20時間、好ましくは5〜10時間熟成させることにより本発明の目的の一般式(1)で表されるスルホン酸を得る。
【0024】
また無溶媒の場合は、一般式(2)で表されるアシルオキシベンゼンの融点以上の温度で、上述と同様のモル比のスルホン化剤を使用する。この場合もスルホン化剤は上記のいずれも使用することができるが、反応の温和性からクロルスルホン酸、液体SO3 及びSO3 ガスが好ましく、反応を工場等で行う場合にはSO3 ガスが最も好ましいが、研究所等で行う場合には取り扱い上、液体SO3 が好ましい。この時のスルホン化剤を作用させる温度は、80℃以下が好ましく、更に好ましくは一般式(2)で表されるアシルオキシベンゼンの融点に対し20℃を加算した温度または60℃のいずれか低い温度以下である。スルホン化剤を作用させるに要する時間は、8時間以内で、副反応を最小限とするためには2時間以内が好ましい。更に無溶媒条件においては、以下に述べる薄膜スルホン化反応を採用することが特に好ましい。薄膜スルホン化反応は、スルホン化剤との接触を通常5分以内で行えるため、副反応が低減できその結果高収率が見込める。
【0025】
薄膜スルホン化反応においては、薄膜式スルホン化装置を用い、一般式(2)で表されるアシルオキシベンゼンと一般式(3)で表されるフェノールの合計モル数に対し 0.9〜1.3 モル倍、得られる一般式(1)で表されるスルホン酸又はその塩の収率、色相の淡色化から、好ましくは 1.0〜1.2 モル倍のSO3 を、好ましくは実質的に水が存在しない条件下で使用する。また、SO3 は不活性ガスで希釈されたガス状のSO3 として使用される。不活性ガスとしては価格などの観点から窒素あるいは空気が使用されるが、工業的には空気を使用することが好ましい。また不活性ガス中のSO3 の濃度は、工業的な生産性、処理温度の制御、除熱等から 0.5〜10容量%、好ましくは1〜5容量%である。一般式(2)で表されるアシルオキシベンゼンとガス状のSO3 との接触・作用温度は80℃以下であり、より副反応を減少させ、色相の良好な製品を得るという点では、0〜50℃がさらに好ましい。さらに熟成の温度は、0〜80℃、好ましくは40〜80℃で0.1 〜20時間、更に好ましくは60〜80℃で5〜10時間である。
【0026】
上記のスルホン化反応により得られたスルホン酸は、公知の技術でアルカリ剤で中和し、対応するスルホン酸塩を製造することができる。
アルカリ剤としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、置換アンモニウムもしくは4級アンモニウムの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、カルボン酸塩もしくは塩化物や、アンモニア、置換アミン等、例えば、NaOH、KOH 、LiOH、Mg(OH)2 、Ca(OH)2 、NH4OH 、Na2CO3、K2CO3 、NaHCO3、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、モノオクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド等が用いられ、好ましくはNaOH、KOH の水又はアルコール性の溶液もしくはスラリーを使用することができる。更に、一般式(1)で表されるスルホン酸塩として最も高い水溶性を示すNa塩を与えるNaOH水溶液又はスラリーを使用するのが最も好ましい。
【0027】
このようにして得られた一般式(1)で表されるスルホン酸又はその塩は、必要に応じ、溶媒による溶媒晶析等の再結晶化操作、イオン交換樹脂あるいは逆相カラム等を用いて純度を高めることができる。
尚、本発明の一般式(1)で表されるスルホン酸及びその塩は、赤外線吸収スペクトル、核磁気共鳴スペクトルでその構造を確認することができる。
【0028】
本発明の一般式(1)で表されるスルホン酸又はその塩は、1分子から2つの有機過酸を生じる新規な漂白活性化剤であり、衣料用洗剤、あるいは衣料用、台所用、住居用及び製紙業等の工業用等、多岐にわたる漂白剤等に主基剤として応用することができる。また、本発明の製造法においては、式
【0029】
【化10】
【0030】
(式中、R1,R2及びM は前記の意味を示し、n は2より大きい数を示す。)
で表される化合物も副生するが、これらも本発明化合物と同様の機能をもっているものと考えられる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、例中の%は特記しない限り重量基準である。また、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による分析は、以下のカラム、溶離液および検出器を用いて行った。
【0032】
実施例1:4−(4−ドデカノイルオキシフェニル)−スルホニルオキシフェニル−1−スルホン酸Na
(溶媒使用法)
攪拌棒、温度計、液体SO3 用の滴下ロート、顆粒状塩化カルシウムを充填した乾燥管を備えたジムロート冷却管(熟成工程で必要)を具備した4つ口フラスコに、ドデカノイルオキシベンゼン50.0g(フェニルエステル純度99.8%、0.1805モル)とフェノール(和光純薬社製)17.0g(0.1805モル)をジクロロメタン200gに室温で溶解させ、攪拌しながらドライアイス/エタノール浴にて−15℃に冷却した。冷却後、直ちにサルファン(日曹金属(株)製、液体SO3 )30.3g(0.379モル) をよく攪拌された液面に10分を要して、間欠的に滴下した。この時の温度は、−15〜−10℃であった。滴下終了後、40℃まで昇温し、5時間ジクロロメタンを還流させた。高速液体クロマトグラフィー分析により定量した結果、目的物収率は25%であった。
更に、約 400gの水によく攪拌しながら、このスルホン酸溶液 200gと約5%NaOH水溶液をpH3〜8及び30〜40℃に保ちながら同時に滴下し中和を行なった。最終pHは 5.1であった。その結果当該エステル基を有するスルホン酸を97%保持した中和物水溶液を得た。
【0033】
この中和物溶液をロータリーエバポレーターにて40℃で溶媒を減圧留去した。次に水、メタノール、アセトンで再結晶精製し、さらにカラム精製を行なった結果、純度95.0%の標記化合物10.2gを得た。
1H−NMR スペクトルから以下の構造を確認した。
1H−NMR (CD3OD, 内部標準TSP)
【0034】
【化11】
【0035】
a :0.9ppm(t,3H) b3:1.35ppm(bs,16H) b2:1.75ppm(m,2H)
b1:2.63ppm(t,2H) e:7.06ppm(d,2H) c :7.37ppm(d,2H)
f :7.79ppm(d,2H) d:7.87ppm(d,2H)
実施例2:4−(4−ドデカノイルオキシフェニル)−スルホニルオキシフェニル−1−スルホン酸Na
(無溶媒法)
実施例1と同様の器具を用い、ドデカノイルオキシベンゼン 100.0g(フェニルエステル純度99.8%、0.3611モル)へフェノール(和光純薬社製)34.0g(0.3611モル)を30〜40℃で溶解させた。攪拌しながらサルファン(日曹金属(株)製、液体SO3 )60.7g(0.7583 モル) を20分を要して間欠的に滴下した。この時の温度は、35〜40℃であった。滴下終了後、60℃まで昇温し5時間熟成した。高速液体クロマトグラフィー分析により定量した結果、目的物収率は38%であった。
次に、実施例1と同様に水溶液中でスルホン酸溶液 100gを同時中和し、さらにその水溶液を実施例1と同様の条件で再結晶、カラム精製した結果、純度95.0%の標記化合物22.0gを得た。実施例1と同様に1H−NMR スペクトルから構造を確認した。
【0036】
実施例3:4−(4−ノナノイルオキシフェニル)−スルホニルオキシフェニル−1−スルホン酸Na
実施例1と同様の器具を用い、ノナノイルオキシベンゼン100.0 g(フェニルエステル純度99.8%、0.4258モル)へフェノール(和光純薬社製)40.07 g(0.4258 モル)を30〜40℃で溶解させた。攪拌しながらサルファン(日曹金属(株)製、液体SO3 )71.6g(0.8942 モル) を20分を要して間欠的に滴下した。この時の温度は、35〜40℃を保つように冷却しながら滴下した。滴下終了後、60℃まで昇温し5時間熟成した。高速液体クロマトグラフィー分析により定量した結果、目的物収率は36%であった。
次に、実施例1と同様に水溶液中でスルホン酸溶液 100gを同時中和し、さらにその水溶液を実施例1と同様の条件で再結晶、カラム精製した結果、純度96%の標記化合物21.5gを得た。
IRスペクトル及び1H−NMR スペクトルから以下の構造を確認した。
IRスペクトル(cm−1,KBr 錠剤);2928, 2856, 1758, 1600, 1198
1H−NMR (D2O, 内部標準TSP)
【0037】
【化12】
【0038】
a :0.9ppm(t,3H) b3:1.35ppm(bs,10H) b2:1.74ppm(m,2H)
b1:2.62ppm(t,2H) e:7.06ppm(d,2H) c :7.37ppm(d,2H)
f :7.80ppm(d,2H) d:7.88ppm(d,2H)
実施例4:4−(4−アセトキシフェニル)−スルホニルオキシフェニル−1−スルホン酸Na
実施例1と同様の器具を用い、アセトキシベンゼン100.0 g(フェニルエステル純度99.7%、0.7309モル)へフェノール(和光純薬社製)68.79 g(0.7309 モル)を30〜40℃で溶解させた。攪拌しながらサルファン(日曹金属(株)製、液体SO3 )122.9 g(1.535モル) を40分を要して間欠的に滴下した。この時の温度は、35〜40℃を保つように冷却しながら滴下した。滴下終了後、60℃まで昇温し5時間熟成した。高速液体クロマトグラフィー分析により定量した結果、目的物収率は40%であった。
次に、実施例1と同様に水溶液中でスルホン酸溶液 100gを同時中和し、さらにその水溶液を実施例1と同様の条件で再結晶、カラム精製した結果、純度98%の標記化合物23.0gを得た。
IRスペクトル及び1H−NMR スペクトルから以下の構造を確認した。
IRスペクトル(cm−1,KBr 錠剤);3070, 1760, 1600, 1196
1H−NMR (D2O, 内部標準TSP)
【0039】
【化13】
【0040】
a :1.96ppm(s,3H) d :7.08ppm(d,2H) b :7.40ppm(d,2H)
e :7.85ppm(d,2H) c :7.92ppm(d,2H)
試験例1:親油性汚れ(カレー汚染布)に対する性能
表2に示す本発明のスルホン酸塩及び比較品を漂白活性化剤として用い、親油性汚れ(カレー汚染布)に対する性能を下記方法により試験した。結果を表2に示す。
<カレー汚染布の作成>
水1リットルにハウス食品工業(株)製のカレールー 200gを入れ、25分間煮沸する。その後よく攪拌し、全量を1リットルにする。温度を45℃に保ち、バットに入れ、10×55cmの糊抜き布を裏表10秒ずつ浸漬し、ローラーを通し、自然乾燥してカレー汚染布を得る。
<カレー汚染布の洗浄・漂白>
上記で得られたカレー汚染布を表1に示す組成の漂白洗剤組成物で洗浄する。この時のカレー汚染布の洗浄条件は、以下の通りである。
温度:20℃
浴比:1/50
洗剤濃度:0.08333 %(水道水使用)
ターゴトメータ 10分
<洗浄漂白率の測定>
原布及び洗浄前後の 460nmにおける反射率を自記色彩計(島津製作所(株)製)にて測定し、次式により洗浄漂白率を求め、漂白活性化剤を配合していない基準配合品と比較して、下記の基準で漂白性能の評価を行った。
【0041】
【数1】
【0042】
評価基準:
S:基準配合品よりも10%を越えて洗浄漂白率が優れている。
A:基準配合品よりも5〜10%洗浄漂白率が優れている。
B:基準配合品よりも3〜5%洗浄漂白率が優れている。
C:3%を越えないが基準配合品よりも洗浄漂白率が優れている。
D:基準
【0043】
【表1】
【0044】
注)
*1:トクシール AL−1(徳山曹達(株)製の非晶質シリカ)
*2:過酸化水素換算モル比
【0045】
【表2】
【0046】
試験例2:親水性汚れ(紅茶汚染布)に対する性能
20℃の水 300mlに有効酸素が0.05%となるように過炭酸ナトリウムを溶解させ、更に市販重質洗剤を0.0833%となるように添加した。この溶液中に、過酸化水素の1/16当量になるように表3に示した本発明のスルホン酸塩及び比較品を添加し、下記の方法で調製した紅茶汚染布5枚を用いて30分間浸漬漂白を行い、水洗、乾燥後、次式より漂白率を求め、漂白活性化剤を配合していない基準配合品と比較して、下記の基準で漂白性能の評価を行った。
【0047】
。結果を表3に示す。
<紅茶汚染布の漂白率>
【0048】
【数2】
【0049】
反射率は日本電色工業(株)製 NDR−101DP で 460nmフィルターを使用して測定した。
評価基準:
S:基準配合品よりも10%を越えて洗浄漂白率が優れている。
A:基準配合品よりも5〜10%洗浄漂白率が優れている。
B:基準配合品よりも3〜5%洗浄漂白率が優れている。
C:3%を越えないが基準配合品よりも洗浄漂白率が優れている。
D:基準
<紅茶汚染布の調製法>
日東紅茶(黄色パッケージ)80gを3リットルのイオン交換水にて約15分間煮沸後、糊抜きしたさらし木綿でこし、この液に木綿金布#2003を浸し、約15分間煮沸した。そのまま火よりおろし、約2時間程度放置後自然乾燥させ、洗液に色がつかなくなるまで水洗し、脱水、プレス後、10cm×10cmの試験片とし実験に供した。
【0050】
【表3】
Claims (3)
- R1が炭素数1〜20のハロゲンで置換されていてもよい直鎖又は分岐のアルキル基、R2が水素原子又は炭素数1〜4の直鎖又は分岐の低級アルキル基である請求項1記載のスルホン酸又はその塩。
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1995
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