JP4448627B2 - 光書き込み装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光を防塵ガラスを介して画像形成媒体側に出射する光書き込み装置、およびこの光書き込み装置によってレーザ書き込みを行うプリンタ、複写機、FAXなど電子写真プロセスを用いた画像形成装置に係り、特に防塵ガラスを固定するハウジングの構造に特徴のある光書き込み装置および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レ−ザを用いたプリンタ、複写機、FAXなど電子写真プロセスを用いた画像形成装置では、光書込みユニットのハウジングの材料として樹脂が多く用いられている。また、光書込みユニットのレ−ザ光出射口からチリ、ホコリが侵入するのを防ぐために防塵ガラスを用いている。防塵ガラスの固定方法としては、直接ハウジングに両面テ−プで貼付したり、別部材の板バネで押さえたり、樹脂フックで押さえたりしていた。また、樹脂フックを用いない場合は開口部をカバ−する蓋で押さえたりする場合もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、光書込みユニットのハウジングは精度が要求される部品であるが、近年、ハウジングの材質として樹脂が多用されている。振動や放熱の観点から、亜鉛などのダイキャストを使用することが望まれるが、重さやコストの点から樹脂を使う傾向にある。樹脂を使うデメリットとして金属に比べて剛性が劣るため、ねじれ、ひずみが発生して光学特性が得られないことがある。そのため、より樹脂の剛性を上げる方策としてガラスなどを入れることがよくあるが、樹脂フックなど力がかかる部分は折れやすくなる。
【0004】
樹脂フックと防塵ガラスが接していないと、機械の振動等で異音を発したり、防塵ガラスが割れることが考えられる。樹脂フックを用いずに蓋のカバ−だけで防塵ガラスを押さえているものもあるが、どうしても隙間が生じるため異音を発し、対策としてクッションなどで押え込む場合が多い。
【0005】
また、ガラス入りの樹脂は含有量によって左右されるが、ガラスを含有していないものに比べ弾性変形しにくく、折れやすい。
【0006】
また、防塵ガラスを押さえている部分は樹脂フックの先端近傍になるため、金型の抜き勾配を考慮すると、樹脂フックの根元が細くなって、防塵ガラスの振動によってはフック部が折れることが考えられる。
【0007】
また、樹脂フックの弾性変形量が大きくなると防塵ガラスを入れづらくなり、逆に少なすぎると防塵ガラスが外れやすくなる。防塵ガラスは通常、レ−ザ光が防塵ガラスの面の反射光が戻ってこないように若干角度を持たせているため、ガラス面の2面を押さえようとすると.フック部の形状が難しくなり、ガラスのカットバラツキを考慮すると 量産ではほとんど不可能に近くなる。
【0008】
また、ガラスを長手方向に挿入すると、防塵ガラスの1個目のフックへの挿入終了後、2個目のフックへの挿入時は、「てこの原理」で1個目のフックが防塵ガラスの板厚よりも開かれた状態になるため樹脂フックが折れやすくなる。
【0009】
また、樹脂フックのフック部(先端部)までの長さが長いとフックの根元が折れやすくなるとともに、金型の抜き勾配が必要になるので、樹脂フックの根元の肉厚が薄くなりさらに折れやすくなる。
【0010】
本発明は上記従来例の問題点に鑑み、ガラスが含有された樹脂のハウジングと一体で形成された樹脂フックにより防塵ガラスを安定して固定することができる光書き込み装置およびこの光書き込み装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第1の発明は、ガラスが含有された樹脂のハウジング内で走査された光を、前記ハウジングの開口に取り付けられた走査方向に長い長方形の防塵ガラスを介して外部に出射する光書き込み装置において、前記開口が形成されたハウジングの側壁面と略平行であって、根元部のコーナR部が前記ハウジングと連結されて一体形成され、且つ先端部が前記ハウジングから前記防塵ガラスの短手方向に突出して形成されていると共に、弾性変形により前記防塵ガラスを前記ハウジングの側壁面に固定する樹脂フックを有し、
前記樹脂フックは、前記防塵ガラスの下端側と対向する前記ハウジングの底面に略垂直に形成された開口部を設けて金型成形されたものであると共に、前記樹脂フックにおいて前記ハウジングの前記側壁面と対向し、前記防塵ガラスが配置される側の略垂直面の抜き勾配が、前記樹脂フックにおいて前記防塵ガラスが配置される側とは反対側の前記コーナR部が形成される側の略垂直面の抜き勾配よりも大きくなっており、
前記樹脂フックの先端部には、前記防塵ガラスを押圧して前記ハウジングの側壁面に固定すると共に、前記防塵ガラスの方向に突出して前記防塵ガラスの脱落を防止するための複数の角部が設けられたことを特徴とする。
【0012】
第2の発明の光書き込み装置は、第1の発明の光書き込み装置において、前記複数の角部は、前記防塵ガラスの方向に突出して形成されて前記防塵ガラスを押圧して前記ハウジングの側壁面に固定する第1の角部と、前記第1の角部より先端側で前記第1の角部よりさらに前記防塵ガラスの方向に突出して前記防塵ガラスの脱落を防止する第2の角部とを含み、前記第1の角部及び前記第2の角部は、段部を介して隣接して形成され、
前記防塵ガラスが短手方向で前記樹脂フックの前記第2の角部に接した後、前記第1の角部に接するように挿入され、前記防塵ガラスがセットされた状態で前記第2の角部に接していることを特徴とする。
【0013】
第3の発明の画像形成装置は、第1の発明又は第2の発明の光書き込み装置と、前記光書き込み装置によって書き込まれた画像を可視化し、画像形成媒体上に可視画像を形成する画像形成手段と、を備えていることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明に係る光書き込み装置としての光書き込みユニットの一実施形態を示す平面図、図2は図1の光書き込みユニットの防塵ガラス装着状態を示す側面断面図、図3は図2中のA部を詳細に示す側面断面図、図4は図3の平面図、図5は樹脂フックの先端部を拡大して示す側面図、図6は図1の防塵ガラス挿入開始状態を拡大して示す側面断面図、図7は本発明の実施形態に係る光書き込みユニットを使用した画像形成装置の構成を示す概略構成図である。
【0019】
図7において、画像形成装置100は電子写真方式のもので、感光体ドラム101、感光体ドラム101の外周部に配置された帯電ユニット102、現像ユニット103、転写ユニット104、分離ユニット105、クリーニングユニット106および光書き込みユニット110等で構成され、転写ユニット104の下流側には熱定着器からなる定着ユニット107が配置され、記録媒体上に形成されたトナー画像を熱融着させることにより記録媒体、例えば転写紙に転写された最終画像が得られる。したがって、この実施形態では、感光体ドラム101、帯電ユニット102、現像ユニット103、転写ユニット104、分離ユニット105、クリーニングユニット106および光書き込みユニット110、および定着ユニット107が画像形成媒体(転写紙)上に可視画像を形成する画像形成手段を構成している。
【0020】
前記画像形成装置に設けられた光書き込みユニット110は、図1、図2に示すように上方が開口したハウジング本体11とその開口を覆う蓋部材24により構成されるハウジング内に収納され、蓋部材24は係止爪24aにより固定される。ポリゴンモータ15はモータ基板16を介してハウジング本体11の底面に固定され、ポリゴンモータ15の回転軸にはポリゴンミラー14が取り付けられている。モータ基板16上には、ポリゴンモータ15を制御するためのIC17が取り付けられている。
【0021】
ハウジング本体11の底面には更に、レーザビームをポリゴンミラー14の反射面に線状に集光するシリンドリカルレンズ13と、ポリゴンミラー14により等角速度偏向されたレーザビームを等速度偏向に補正等するfθレンズ18と、同期検知信号用の反射ミラー19と、レンズ20及び光センサ21が取り付けられている。反射ミラー19等は場合によっては削減できる。
【0022】
図3〜図6に詳しく示すようにハウジング本体11の側面には、レーザビームを光書き込みユニット外部の感光体ドラム23に出力するための開口部27及び防塵ガラス22が設けられている。防塵ガラス22は図3に拡大して示すように、ハウジング本体11から一体で突き出した1本以上の樹脂フック25により固定されている。なお、図1に示すように2個の25a、25bフックにより防塵ガラス22の両端を固定すれば、目的を達成できるが、1本であっても防塵ガラス22の幅方向(レーザ走査方向)を規制すれば、目的を容易に達成できる。
【0023】
図3〜図6を参照して樹脂フック25の各部について説明する。樹脂フック25は、開口27が形成されたハウジング11の側壁面35と略平行であって、根元部がハウジング11と連結されて一体で形成され、自由端である先端部がハウジング11から防塵ガラス22の短手方向に突出して形成され、弾性変形により防塵ガラス22をハウジング11の側壁面35に固定する。樹脂フック25の先端部には、図5に詳しく示すように略垂直面36から防塵ガラス22の方向に突出して形成され、防塵ガラス22を押圧してハウジング11の側壁面35に固定する第1の角部32と、第1の角部32より先端側で第1の角部32よりさらに防塵ガラス22の方向に突出して防塵ガラス22の脱落を防止する第2の角部33が形成されている。角部32、33は段部32aを介して隣接して形成されている。
【0024】
図3は、防塵ガラス22をセットした状態を示す。樹脂フック25の根元には応力集中を避けるためのコーナR部29が設けられている。レーザ光は矢印31に示すように、図の左から右に進んで防塵ガラス22を透過し、ハウジング本体11に設けられた開口部27を通って感光体23に到達する。
【0025】
ここで、防塵ガラス22の下端側に形成された開口部28は、樹脂フック25を成形するために設けられたもので、図4に示すように樹脂フック25の先端部より少し大き目の穴である。これは金型を図4の紙面と直交する方向で分割しようとすると、金型構造上このような形状となる。また、樹脂フック25の2つの略垂直面36、37の内、樹脂フック25と反対側の面37は比較的抜き勾配を必要としないが、樹脂フック25と対向する面36は開口部28が小さいため、ここに入ってくる金型も小さくなる。そこで、抜き勾配を大きくする必要がある。
【0026】
防塵ガラス22のセットの仕方について説明する。防塵ガラス22は図3において矢印26で示すように先端部側から、すなわち防塵ガラス22の短手方向に挿入する。複数の樹脂フック25を有する場合、考え方によっては防塵ガラス22の長手方向(レーザ走査方向)からの挿入も可能であるが、樹脂フック25の1本目を挿入して2本目までに「てこの原理」で1本目を必要以上に広げて樹脂フック25を折ることが考えられるため、片側のみの挿入に限定する。防塵ガラス22の面はレ−ザ光31と直交しないようハウジング本体11に対して数度の傾きを持たせているので、防塵ガラス22は短手方向にハウジング本体11の傾いた側壁面35に沿って挿入される。
【0027】
図6に示すように、防塵ガラス22を挿入し始めると、まず防塵ガラス22と樹脂フック25は脱落防止用の角部33で接する。その際、樹脂フック25の弾性作用によって防塵ガラス22の厚さまで広げられるが折れないように設計することは可能である。この広がる量を1〜2mm前後に設定すれば、樹脂フック25の長さ(寸法D)、厚さt、コ−ナR部29の大小によっても左右されるが比較的容易に設計できる。樹脂フック25の幅E(図4)は任意に設定でき、通常2〜5mm程度が好ましい。
【0028】
防塵ガラス22の底面がハウジング本体11の面に接する少し前に、防塵ガラス22は樹脂フック25の角部32で接し、完全に防塵ガラス22がセットされた状態で、樹脂フック25はまだ完全に元の位置に戻っていない状態(0.2〜1mm撓んだ状態)にしておく。つまり、防塵ガラス22のレーザ光出射面がハウジング本体11の傾斜壁35に押し付けるように、樹脂フック25の角部32が防塵ガラス22を押している。
【0029】
図3に示す上下方向については、防塵ガラス22の底面の角がハウジング本体11で接しているが、防塵ガラス22の上面と、角部33の下の面33aとは必ずしも接していない。樹脂フック25の成形は容易であるが、防塵ガラス22のカット精度はあまりよくないので、実質上隙間が空いている。この面33aは、防塵ガラス22が振動などで樹脂フック25から外れることを防ぐもので、オ−バーラップ量(寸法B)としては0.3〜2mmになるようにしておく。
【0030】
防塵ガラス22の短手方向長さによって樹脂フック25の長さ寸法Dがほぼ決定されるが、30mmを超えると樹脂フック25の根元部分が細くなって折れやすくなるのでD=30mm以下に留める。角部32、段部32aを含む突出部30は先端の脱落防止形状に隣接して設けるが、段部32aの長さCは数mm以内にする。
【0031】
このように、本実施形態によれば、ガラス入りの樹脂材料でもハウジング11を製作可能であり、異音、防塵ガラス22の割れなどの不具合発生を防ぐことができる。また、クッションを使わないのでコストを押さえることができ、さらに、防塵ガラス22と樹脂フック25が常に接するようにしているので防塵ガラス22が固定され、これにより、 機械の振動等で異音を発したり、防塵ガラス22が割れるような不具合がなくなる。
【0032】
また、本実施形態によれば、ガラス入りの樹脂はガラス含有量によって大きく左右されるが一般的に弾性変形しにくく、変形量が大きいと折れやすいという不具合が考えられるが、防塵ガラス22をハウジング11にセットした時の樹脂フック25の弾性量を0.2〜1mmとしているので、弾性変形の範囲で防塵ガラス22を押さえることができ、折れるような不具合がなくなる。
【0033】
また、本実施形態によれば、樹脂フック25の先端部のみを肉厚にして、その他は弾性変形できるくらいの肉厚に抑えられるため、フック部が折れてしまうという不具合がなくなる。
【0034】
また、本実施形態によれば、防塵ガラス22を入れづらくなって樹脂フック25が折れたり、逆に防塵ガラス22が外れやすくなるという不具合を防止することができ、また、フック部の形状が簡単になり、量産可能である。
【0035】
また、本実施形態によれば、複数の樹脂フック25を有していても、防塵ガラス挿入時には同時に樹脂フック25を広げる形にできるため、「てこの作用」で必要以上に樹脂フック25を広げる必要がなくなり、樹脂フック25が折れるという不具合がなくなる。
【0036】
また、本実施形態によれば、光路幅を遮ることなくかつ樹脂フック25の折れを招くことなく確実に防塵ガラスを押さえることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、開口が形成されたハウジングの側壁面と略平行であって、根元部が前記ハウジングと連結されて一体で形成され、先端部が前記ハウジングから前記防塵ガラスの短手方向に突出して形成され、弾性変形により前記防塵ガラスを前記ハウジングの側壁面に固定する樹脂フックを有し、前記樹脂フックの先端部には、前記防塵ガラスの方向に突出して形成されて前記防塵ガラスを押圧して前記ハウジングの側壁面に固定する第1の角部と、前記第1の角部より先端側で前記第1の角部よりさらに前記防塵ガラスの方向に突出して前記防塵ガラスの脱落を防止する第2の角部とを形成したので、ガラスが含有された樹脂のハウジングと一体で形成された樹脂フックにより防塵ガラスを安定して固定することが可能な光書き込み装置および画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光書き込み装置の一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1の光書き込み装置の防塵ガラス装着状態を示す側面断面図である。
【図3】図2中のA部を詳細に示す側面断面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】樹脂フックの先端部を拡大して示す側面図である。
【図6】図1の防塵ガラス挿入開始状態を拡大して示す側面断面図である。
【図7】本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【符号の説明】
22 防塵ガラス
25 樹脂フック
32,33 角部
32a 段部
100 画像形成装置
110 光書き込みユニット
Claims (3)
- ガラスが含有された樹脂のハウジング内で走査された光を、前記ハウジングの開口に取り付けられた走査方向に長い長方形の防塵ガラスを介して外部に出射する光書き込み装置において、
前記開口が形成されたハウジングの側壁面と略平行であって、根元部のコーナR部が前記ハウジングと連結されて一体形成され、且つ先端部が前記ハウジングから前記防塵ガラスの短手方向に突出して形成されていると共に、弾性変形により前記防塵ガラスを前記ハウジングの側壁面に固定する樹脂フックを有し、
前記樹脂フックは、前記防塵ガラスの下端側と対向する前記ハウジングの底面に略垂直に形成された開口部を設けて金型成形されたものであると共に、前記樹脂フックにおいて前記ハウジングの前記側壁面と対向し、前記防塵ガラスが配置される側の略垂直面の抜き勾配が、前記樹脂フックにおいて前記防塵ガラスが配置される側とは反対側の前記コーナR部が形成される側の略垂直面の抜き勾配よりも大きくなっており、
前記樹脂フックの先端部には、前記防塵ガラスを押圧して前記ハウジングの側壁面に固定すると共に、前記防塵ガラスの方向に突出して前記防塵ガラスの脱落を防止するための複数の角部が設けられたことを特徴とする光書き込み装置。 - 前記複数の角部は、前記防塵ガラスの方向に突出して形成されて前記防塵ガラスを押圧して前記ハウジングの側壁面に固定する第1の角部と、前記第1の角部より先端側で前記第1の角部よりさらに前記防塵ガラスの方向に突出して前記防塵ガラスの脱落を防止する第2の角部とを含み、前記第1の角部及び前記第2の角部は、段部を介して隣接して形成され、前記防塵ガラスが短手方向で前記樹脂フックの前記第2の角部に接した後、前記第1の角部に接するように挿入され、前記防塵ガラスがセットされた状態で前記第2の角部に接していることを特徴とする請求項1記載の光書き込み装置。
- 請求項1又は2記載の光書き込み装置と、前記光書き込み装置によって書き込まれた画像を可視化し、画像形成媒体上に可視画像を形成する画像形成手段と、を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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