JP4447815B2 - 自動車座席の背当部のための傾斜調節金具 - Google Patents

自動車座席の背当部のための傾斜調節金具 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、特許請求項1の上位概念による傾斜調節金具に関する。
【0002】
公知として前提とされる様式の傾斜調節金具(ドイツ連邦共和国特許第43 04 725号明細書)は、揺動伝動機構の有歯部を介して、2つの互いに係合の状態にある金具部を有し、これら金具部が、フランジ領域を介して解離不能に背当部または座部と結合されている。衝突の場合に生じる大きな軸線方向力またはモーメントを収容するために、これら金具部は、領域的に、これら金具部を相互の当接部において保持するクランプ領域によって、これら金具部の外周上において抱き込む。この側方の荷重に対する安全性は、不十分である。この安全性は、自体、付加的な、旋回の間に半径方向に回避運動するクランプ領域が設けられることによって改良される。この付加的なクランプ領域も、この課題をただ部分的に解決できるだけである。
【0003】
更に、係止調節伝動装置は公知であり(ドイツ連邦共和国特許第696 00 369号明細書)、この係止調節伝動機構の相対して回転可能な円板は、外側周囲を環状に抱き込んで閉じられたクランプ領域によって、接し合うように隣接して保持される。一方の円板は座部と、および他方の円板は背当部と溶接で結合されている。この溶接結合は、容易にこれら円板の歪みを誘起する。従って、この様式の構造は、正確な案内を必要とする揺動伝動機構にとって適してない。更に、この係止調節伝動機構によって、背当部と座部との間で形成される結合は、解離不能であり、従って座部および背当部は、ただ互いに結合している状態でのみ、詰め物され且つ上張りされ得る。
【0004】
従って、この公知技術を出発点として、本発明の根底をなす課題は、公知として前提とされる様式の傾斜調節金具を、高い荷重のもとでも、互いに噛み合う有歯部領域が係合の状態に留まるように形成することである。
【0005】
この課題の解決策は、特許請求項1の特徴によって達成される。
【0006】
本発明による傾斜調節金具は、また衝突の場合に、噛み合う有歯部領域の競り上がりから、確実に守られる。
【0007】
本発明の有利な実施形態は、下位の請求項から得られる。
【0008】
有利な実施の形態において、背当部は、環状に閉じられたクランプ領域にもかかわらず座部に解離可能に結合されており、従って両方の部材は、いつでも交換され得る。結合の負荷能力は低下されること無く、溶接結合を使用しなくて良い。両方の金具部に抱き込む閉鎖リングの場合も、回転モーメント負荷能力は、この閉鎖リングの多角形の周囲輪郭によって低下されない。
【0009】
次に、図に基づいて本発明の有利な実施の形態を詳しく説明する。
【0010】
背当部は、傾斜調節金具を介して旋回可能に、座部に支承されている。それぞれ1つの傾斜調節金具が、鏡対称的な実施形態において、自動車座席のそれぞれの側面に設けられている。これら両方の傾斜調節金具は、多角形軸6によって、同期して調節可能である。
【0011】
背当部に、多角形の閉じられた収容開口部2aを担持するフランジ2が固定されている。この収容開口部2aには、この収容開口部2aに対して相補的な外周領域7dを有する閉鎖リング7が、軸線方向に摺動不能に組込まれている。この多角形の外周領域7dの外側面によって、この閉鎖リング7は、収容開口部2aの相手方の面2bに、遊びなく当接する。外周領域7dには、半径方向に内側へ整向された、環状のクランプ領域7aおよび7bが連なっている。
【0012】
閉鎖リング7内に、2つの金具部3および4が組込まれており、これら金具部の内の第1の金具部4は、半径方向に遊びなく閉鎖リング7内へと適合する、多角形の外周領域4bを有する外側周囲を備えている。この第1の金具部4は、外周領域4bにおける多角形面4cによって回転不能に、閉鎖リング7内において、および収容開口部2a内において収容され、且つこれによって背当部の固定状態となる。この背当部に固定の金具部4に、多数の、座部内部側面に対して指向する貫通部が、図示されていない制動機のリベットのために設けられている。
【0013】
第2の金具部3は、環円筒形の外側周囲3cを有し、且つ回転可能に閉鎖リング7において保持されている。金具部3および4を組込みの後、閉鎖リング7は、クランプ領域7bの転入によって、外周領域4bの周りを閉鎖される。この閉鎖リング7は、軸方向断面において、その場合にほぼU字形の形状を備えている。場合によって生じる金具部3と4との間でまだ存在する軸線方向遊隙は、クランプ領域7aにおける型押し加工部7cによって、排除される。
【0014】
背当部に固定した金具部4は、図6において図示されているように、軸受ブッシュ5bによって囲繞されているハブ4eを備え、この軸受ブッシュ上に、偏心輪5が回転可能に支承されている。この偏心輪5は、ばねディスク10によって軸線方向に摺動不能にこの偏心輪5において保持される多角形軸6によって、形状一体的に貫通される。偏心輪5の外側周囲に、歯車リング3aを支承する別の軸受ブッシュ5aが存在している。この歯車リング3aは、この歯車リングの外歯3bによって、第1の金具部4に設けられた内歯4aに係合している。この内歯4aは、外歯3bよりも少なくとも1つの歯を多く有し、且つ、図4から明らかなように、外歯3bよりも歯の高さだけより大きい歯先円直径を有している。
【0015】
歯車リング3aは、軸線方向に金具部4を通過して突き出している。外歯3bの突き出た領域によって、この歯車リング3aは、図2において明白な内側に歯付けされた、金具部3の貫通部3d内に押し嵌めされている。第2の金具部3において、2つの他の貫通部は、多角形の外周領域3eおよび3fによって型押し加工されており、これら外周領域が、多角形面3gを有する、異なる大きさの多角形として形成されている。これら多角形面3gの多数の多角形面は、座部に固定したフランジ1の相手方の面1bに当接し、これら相手方の面が、案内開口部1aを囲繞している。この案内開口部1aは、横ウェブ1cによって閉鎖されている。これら多角形面3gおよび相手方の面1bは、第2の金具部3を回転不能に、座部に固定したフランジ1において保持する。
【0016】
軸線の方向において、金具部3は、フランジ1に、カラー部8aを有するねじブッシュ8によって隣接して保持され、このねじブッシュが、金具部3の中央の穿孔3hを貫通し、およびこのねじブッシュの内面ねじ内に、ねじリング9が、このねじリングの外面ねじ9bによってねじ込まれている。このねじリング9は、六面角9aによって回転される。このねじリングは、多角形軸6のための貫通開口部9cを有している。
【0017】
多角形軸6の引き出しの後、ねじリング9の解放によって、金具部3は、いつでもこの金具部の案内開口部1aから外すことができる。その場合に、背当部は、この背当部にフランジ2を介して固定され、閉鎖リング7によってまとめられた金具部3および4と共に、座部から取外すことが可能である。
【0018】
特に、図4、10および11から明らかであるように、多角形軸6は、偏心輪5において軸線方向に摺動不能に、ばねディスク10に設けられた締付突出部10aによって保持されている。この締付突出部10は、多角形軸6上への押込みの際に拡開し、且つこの多角形軸にくさび状に固定する。更に、このばねディスク10は、外周にわたって分配されたばねフィンガー部10bを備えており、これらばねフィンガー部が、偏心輪5の周囲に延在する内壁に予張力のもとで当接している。
【0019】
多角形軸に回転不能に保持されている偏心輪5を有するこの多角形軸6の回転は、金具部4の内歯4a上での歯車リング3aの外歯3bの転動運動を誘起する。異なる歯数によって、この金具部4は、座部と回転不能に結合する金具部3に対して、円周方向において位置ずれする。フランジ2を有する背当部は、多角形軸6のそれぞれの回転と共に、歯ピッチおよび異なる歯数によって、所定の角度だけ旋回される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 外側からの注視の方向による、傾斜調節金具の透視分解図である。
【図2】 内側からの注視の方向による、図1による傾斜調節金具の分解図である。
【図3】 外側からの図1による傾斜調節金具の側面図である。
【図4】 図3における切断面IV−IVに沿った断面図である。
【図5】 内側からの図1による傾斜調節金具の側面図である。
【図6】 図1による内歯を有する金具部の拡大された透視図である。
【図7】 図1による閉鎖リングの拡大された透視図である。
【図8】 図1による座部固定のフランジ部材の拡大された透視図である。
【図9】 図1によるねじリングの拡大された透視図である。
【図10】 図1によるばねディスクの拡大された透視図である。
【図11】 図10によるばねディスクの正面図である。

Claims (11)

  1. 自動車座席の背当部のための傾斜調節金具であって、
    この傾斜調節金具において、座部に固定した金具部、および背当部に固定したこの背当部と共に旋回可能な金具部(4)が、回転可能な偏心輪(5)を介して互いに結合されており、且つ、第1の金具部(4)が内歯(4a)を有し、この内歯に沿って揺動伝動機構の部材を形成する第2の金具部(3)の外歯(3b)が運動し、その際、この第1のおよびこの第2の金具部(3;4)を抱き込むクランプ領域(7a;7b)が設けられている様式の上記傾斜調節金具において、
    金具部(3;4)の少なくとも1つの金具部が、多角形の外周領域(3e;3f;4b)を有し、この多角形の外周領域が、背当部または座部の案内開口部(1a;2a)内において、外周領域(3e;3f;4b)の多数の多角形面(3g;4c)に当接する相手方の面(1b;2b)によって回転不能に収容されており、且つ、この多角形の外周領域の外側周囲が、環状に閉じられて延在するクランプ領域(7a;7b)によって抱き込まれることを特徴とする傾斜調節金具。
  2. 2つの案内開口部(1a;2a)の内の少なくとも1つの案内開口部は、環状に閉じられて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の傾斜調節金具。
  3. クランプ領域(7a;7b)は、多角形に形成された閉鎖リング(7)に設けられており、この閉鎖リングが第1および第2の金具部(4;3)の外側周囲を抱き込むことを特徴とする請求項1または2に記載の傾斜調節金具。
  4. 閉鎖リング(7)は、断面輪郭において、ほぼU字形の形状で形成されていることを特徴とする請求項3に記載の傾斜調節金具。
  5. 閉じられて周囲に延在するクランプリングによって金具部(3;4)を収容するための閉鎖リング(7)は、転動されるクランプ領域(7a;7b)を有していることを特徴とする請求項3または4の一つまたは多数に記載の傾斜調節金具。
  6. 閉鎖リング(7)は、クランプ領域(7a)において、軸線方向に突出した、遊隙を排除する型押し加工部(7c)を有していることを特徴とする請求項3から5の一つまたは多数に記載の傾斜調節金具。
  7. 多角形の案内開口部(1a)内に回転不能に収容された少なくとも1つの金具部(3)は、この案内開口部(1a)を有する背当部領域または座部領域に対して、軸線方向にねじ止めされていることを特徴とする請求項1から6の一つまたは多数に記載の傾斜調節金具。
  8. 金具部(3)は、中央に、カラー部(8a)を有するねじブッシュ(8)によって貫通され、このねじブッシュが、金具部(3)を軸線方向に摺動不能に、案内開口部(1a)を有している座部領域または背当部領域に押し付けるねじリング(9)とねじ止めされていることを特徴とする請求項7の傾斜調節金具。
  9. ねじリング(9)およびねじブッシュ(8)は、多角形軸(6)によって貫通され、この多角形軸上に、偏心輪(5)が回転不能に支承されていることを特徴とする請求項8に記載の傾斜調節金具。
  10. 外歯を担持する金具部(3)は、内側に歯付けされた貫通部(3d)を有し、この貫通部内に、他の金具部(4)の内歯(4a)内に係合する外歯(3b)を担持する歯車リング(3a)が押し嵌めされていることを特徴とする請求項1から9の一つまたは多数に記載の傾斜調節金具。
  11. 金具部(3)は、多角形に成形された外周領域(3e;3f)を有する多数の貫通部を備え、これら貫通部が、補足的に段差を付けられた案内開口部(1a)内に回転不能に組込み可能であることを特徴とする請求項1から10の一つまたは多数に記載の傾斜調節金具。
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