JP3791823B2 - リクライニング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車用シート等のシートバック(背もたれ)の傾斜角度を調節する内歯式リクライニング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内歯式リクライニング装置は、シートクッションに固定される円盤状の固定プレートと、シートバックに固定されて固定プレートに対向配置される同じく円盤状の回動プレートと、これらプレートの間に介在されて回動プレートをシートバックが前傾する方向に常に回動するよう付勢するばねと、両プレートの中心に回転自在に貫通させられて上記操作レバーにより回動操作される軸と、回動プレートを固定プレートに係合させるために固定プレートに設けられたガイド内に配設された一対のスライドギヤとを主体として構成されたものが一般的である。
【0003】
回動プレートには、固定プレートへの係合用のインターナルギヤ(内歯)が形成されている。一方、一対のスライドギヤは、上記軸を挟んだ状態で固定プレートの径方向外側に対して進退自在に設けられており、その先端には、回動プレートのインターナルギヤに噛み合って係合する歯部が形成されている。各スライドギヤは、歯部が回動プレートのインターナルギヤに係合するロック位置と、歯部がインターナルギヤから離れるロック解除位置とに亘って移動自在とされ、その移動は、軸に取り付けられたカム部材により同時になされる。通常、各スライドギヤはロック位置にあり、これによって回動プレートは固定プレートに係合してシートバックは固定されている。シートバックの角度を調節する場合には、操作レバーを操作して軸を回動させる。すると、各スライドギヤはカム部材によりロック解除位置まで移動させられるので、回動プレートは固定プレートに対してフリーになり、シートバックの角度を任意に調節できる。この後、操作レバーを離すとカム部材によって各スライドギヤがロック位置に戻り、再び回動プレートが固定プレートに固定され、シートバックの角度がそこで固定される。
【0004】
ところで、上記のようなリクライニング装置は、着座者の背部からシートバックを介して負荷の入力を受けており、シートバック内においてその負荷を担っているのはバックフレームである。リクライニング装置の取付部は、このバックフレームに溶接やボルトで取り付けられ、シートスライドのアッパーレールに対し、直接支持されるか、クッションフレームを介して間接的に支持されている。バックフレームが受けた着座者の負荷は、当然リクライニング装置にかかるが、主にその負荷は、回動プレートと固定プレートとの係合位置、すなわち、スライドギヤの歯部とインターナルギヤとの噛み合い部分にかかってくる。
【0005】
上記のような構成を備えたリクライニング装置としては、例えば、特開平7−231820号公報や特開平8−19444号公報に開示されている。図7(a)は、これら従来のリクライニング装置におけるスライドギヤの配置を模式的に示すもので、左側が前方である。この場合、一対のスライドギヤ1a,1bは上下に配置されており、これらスライドギヤ1a,1bの歯部とインターナルギヤ2との係合位置の中心すなわち負荷を受ける中心は、回動プレートの回動中心(軸3の中心)を通過するシートバックの標準傾斜角θに沿った線L1上に位置している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、上記従来のリクライニング装置における負荷の関係式を、次に示す。図7(a)に示すように、シートバックへの負荷をF、シートバックの回動中心から負荷点までの距離をL、スライドギヤ1a,1bおよびインターナルギヤ2の歯部のピッチサークルの半径をr、上側のスライドギヤ1aとインターナルギヤ2との係合で生じる反力をfa、下側のスライドギヤ1bとインターナルギヤ2との係合で生じる反力をfbとすると、力の釣り合いから、
F+fb=fa
モーメントの釣り合いから、
F×L=(fa+fb)×r
上記二式から、
fa=(L+r)×F/2r
fb=(L−r)×F/2r…(1)
【0007】
このことから、スライドギヤ1a,1bとインターナルギヤ2の係合位置にかかる負荷は上下で異なり、上側のスライドギヤ1aにかかる負荷が下側のスライドギヤ1bにかかる負荷よりも大きいことが判る。このため、上側のスライドギヤ1aの強度を下側のスライドギヤ1bの強度よりも高く設定する必要が生じる。これは、スライドギヤ1a,1bのガイド部にも言えることである。しかしながら、実際には、製作性あるいは組立性の簡易化を図るために強度設計の異なるスライドギヤを2種類製作することは行われないのが現状であろう。そして、このようにスライドギヤの部品共通化を図ると、負荷の大きい上側の負荷条件に合わせた強度設計となるので、下側に配置されるスライドギヤにおいては無用な板厚の増加や大型化を招き、装置全体としても大型化や重量増大といった不都合を招くことになる。
【0008】
また、通常、スライドギヤとインターナルギヤとが係合した状態では、両ギヤの係合を許容させるためのクリアランスによって不可避なガタが生じる。このガタは、着座者がシートバックにもたれかかった際に瞬間的に生じるものであるが、上記のようにスライドギヤにかかる負荷に差異があると、係合位置ごとにガタが2回生じる場合がある。図8(a)および図9(a)は、そのようなガタの発生状態を示す線図である。図8(a)は、シートバックに負荷がかかってから、まず、大きな負荷を受ける上側の係合位置においてガタが生じ(g1で示す部分)、次いで、小さな負荷がかかることによって生じるガタ(g2で示す部分)が下側の係合位置において発生していることを示している。図9(a)は、シートバックに負荷がかかった場合のみに関するシートバックの変位を単純化したもので、g1,g2で示す平行部分がガタの発生を示している。このように、ガタが2段階に発生することは、瞬間的ではあるものの着座者に不快感や違和感を与える現象であり、改良されるべき問題点である。
【0009】
よって、本発明の第1の目的は、スライドギヤの部品共通化が図られることは勿論のこと、小型軽量化および強度向上が達成されることにあり、第2の目的としては、スライドギヤとインターナルギヤとの係合位置に生じるガタを少なくすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のリクライニング装置は、互いに対向する一対のガイド壁を有する第1のガイド部および互いに対向する一対のガイド壁を有する第2のガイド部が設けられた固定プレートと、固定プレートに水平方向の軸線回りに回転自在に設けられた軸と、固定プレートに対し軸を中心に相対回転可能に対向配置され、かつ該軸を中心とする円弧に沿ったインターナルギヤが設けられ、シートクッションに対し軸を中心に傾動自在に設けられるシートバックに一体に固定される回動プレートと、第1のガイド部の各ガイド壁間に収容され、かつインターナルギヤに係合するロック位置とインターナルギヤから離れるロック解除位置とに亘って移動自在な第1のスライドギヤと、第2のガイド部の各ガイド壁間に収容され、かつインターナルギヤに係合するロック位置とインターナルギヤから離れるロック解除位置とに亘って移動自在な第2のスライドギヤと、第1のスライドギヤと第2のスライドギヤとの間で軸に取り付けられ、該軸により回動させられることでこれらスライドギヤを同時にロック位置とロック解除位置とに亘って移動させるカム部材と、固定プレートと回動プレートとの間に介在され、回動プレートをシートバックが前傾する方向に回動させる付勢部材とを具備したリクライニング装置において、第1および第2のスライドギヤとインターナルギヤとの係合位置の中心を、シートバックの標準傾斜角に沿った線に直交し、かつ回動プレートの回動中心を通過する線上に配置したことを特徴としている。
【0011】
図7(b)は、本発明のリクライニング装置におけるスライドギヤの配置を模式的に示すものである。同図のように、一対のスライドギヤ1a,1bは前後に配置されており、これらスライドギヤ1a,1bの歯部とインターナルギヤ2との係合位置の中心、すなわち負荷を受ける中心は、シートバックの標準傾斜角θに沿った線L1に直交し、かつ回動プレートの回動中心(軸3)を通過する線L2上に位置している。
【0012】
ここで、本発明のリクライニング装置における負荷の関係式を、次に示す。
図7(b)に示すように、シートバックへの負荷をF、シートバックの回動中心から負荷点までの距離をL、スライドギヤ1a,1bおよびインターナルギヤ2の歯部のピッチサークルの半径をr、前側のスライドギヤ1aとインターナルギヤ2との係合で生じる反力をfa、後側のスライドギヤ1bとインターナルギヤ2との係合で生じる反力をfbとすると、
モーメントの釣り合いから、
F×L=(fa’+fb’)×r
fa’=fb’
上記二式から、
fa’=fb’=L×F/2r…(2)
【0013】
このことから、スライドギヤの係合位置にかかる負荷は前後同じである。したがって、一対のスライドギヤおよびこれらスライドギヤの各ガイド部等に係る部品を、負荷条件を同じくして設計することができ、部品の共通化が図られる。また、上記(2)式と前述の(1)式とを対比すると、従来の上側の係合位置にかかる負荷faよりも本発明の係合位置にかかる負荷fa’(=fb’)の方が小さいことは明らかである。したがって、小型軽量化が図られるとともに、強度を向上させることができる。また、一対のスライドギヤにかかる負荷が均等であることから、これらスライドギヤの係合位置に生じるガタは同時に発生し、したがって、ガタは1回に減少する。
【0014】
また、一対のスライドギヤにかかる負荷が均等であることから、これらスライドギヤの係合位置に生じるガタは同時に発生し、したがって、ガタの発生を1回に留めることができる。図8(b)および図9(b)は、本発明におけるガタの発生状態を示す線図である。図8(b)は、シートバックに対して後方に負荷をかけ、次いで前方へ負荷をかけた際に生じるシートバックの上端部の変位を示しており、g1で示す部分でガタが発生している。図9(b)は、シートバックに負荷がかかった場合のみに関するシートバックの変位を単純化したもので、g1で示す平行部分がガタの発生を示している。このようにシートバックに負荷がかかった場合のガタの発生は、1回のみである。その結果、ガタの発生によって着座者に与える不快感や違和感を極力抑えることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
A.実施形態の構成
図1は、一実施形態に係るリクライニング装置20が自動車用シートSに取り付けられた状態を示している。図1においては、左側が前方であり、シートSは、シートクッションS1と、このシートクッションS1の後端部に傾動自在に取り付けられたシートバックS2とから構成される。
【0016】
図2はシートSの左側に取り付けられる上記リクライニング装置20を示す分解斜視図であり、図3は右側のリクライニング装置20’を示している。これら2つのリクライニング装置20,20’は、勝手違いに製作されている。図5は、リクライニング装置20を組み立てた状態を示している。さて、本実施形態のリクライニング装置20は、シートクッションS1の図示せぬフレームに固定される固定プレート21と、固定プレート21に重ねて設けられる回動プレート22を備えている。これら固定プレート21と回動プレート22はいずれも金属製のプレス成形品、もしくは冷間鍛造等の鍛造製品である。
【0017】
固定プレート21には、外周側へ突出する2つの鍔部23,23が円周方向に互いに離間して形成され、各鍔部23には、シートクッションS1のフレームに取り付けるためのボルトを挿入する孔23aが形成されている。回動プレート22には、外面側に突出した固定用凸部24がプレス成形されており、図6に示すように、固定用凸部24をシートバックS2のバックフレーム27に溶接するなどしてシートバックS2に固定される。
【0018】
固定プレート21と回動プレート22のそれぞれの中央部には、貫通孔25,26が形成されている。これら貫通孔25,26には、軸(回動中心)30が水平方向に挿入されている。軸30は、フランジ状の基部31と、断面が非円形のカム取付部32と、シャフト取付部33aおよびレバー取付部33bを有している。シャフト取付部33aには、図3に示すシャフトTが取り付けられている。軸30は、その軸線O(図2と図6に示す)まわりに回転自在である。
【0019】
固定プレート21には、プレス成形によって内側(図6において右側)に凸となるように打ち出した第1のガイド部41と第2のガイド部42が設けられている。第1のガイド部41は、互いに対向するほぼ平行な一対のガイド壁45,46を含む凸部47,48を有している。第2のガイド部42も、互いに対向するほぼ平行な一対のガイド壁50,51を含む凸部52,53を有している。
【0020】
第1のガイド壁45,46の間には、プレス成形によって外側(図6において左側)に向けて凹ませた一対の溝55が設けられている。第2のガイド壁50,51の間にも、プレスによって外側に向かって凹ませた一対の溝56が設けられている。さらに中央の貫通孔25の近傍には、プレス成形によって外側に打ち出した一対の丸型位置決め凸部57aと角型位置決め凸部57bとが設けられている。丸型位置決め凸部57aは、軸線Oに関して互いに対称位置に配置され、丸形位置決め凸部57aおよび角型位置決め凸部57bは、軸線Oから同じ寸法離間している。そして、これら丸型位置決め凸部57aおよび角型位置決め凸部57bにブラケット61が固定されている。
【0021】
ブラケット61は、略半円筒状をなす縦板部61aと、この縦板部61aから内周側へ向けて延在する底板部61bとからなっている。これら縦板部61aおよびと底板部61bの交叉部には、縦板部61aおよび底板部61bに亘る複数の切欠61c,61dが形成されている。切欠61cは半円状をなし、固定プレート21の丸形位置決め凸部57aと嵌合している。切欠61dは矩形状をなし、角型位置決め凸部57bと嵌合している。そして、これら切欠61c,61dと位置決め凸部57a,57bとを溶接することにより、ブラケット61は、回り止めがなされた状態で固定プレート21に固定されている。
【0022】
回動プレート22は、固定プレート21に対して軸30を中心に相対回転自在である。また、回動プレート22には、外周側へ突出する鍔部22aが形成され、鍔部22aに形成された孔22bにはピン62が固定されている。一方、固定プレート21には、外周側に突出するストッパ58,58が一体的に形成され、ピン62がストッパ58に当接することで回動プレート22の回動範囲が制限されている。渦巻きばね(付勢部材)60は、その中央空間部にブラケット61が収容されるように取り付けられ、その内周側の端部60aは、ブラケット61の縦板部61aに係止されている。また、渦巻きばね60の外周側の端部60bは、渦巻きばね60をねじった状態でピン62に係止されている。これにより、回動プレート22には、軸30まわりのトルク(シートバックS2を前傾させる方向のトルク)が与えられている。
【0023】
ここで、ピン62の中央部にはフランジ62aが形成され、このフランジ62aと回動プレート22によって固定プレート21を挟み込んでいる。また、固定プレート21には、フランジ状の頭部を有するピン59が回動プレート22の外周に沿って固定され、ピン59の頭部と固定プレート21によって回動プレート22を挟み込んでいる。ピン62,59,59は、円周方向の3箇所に配置されており、固定プレート21と回動プレート22とを離間させる荷重がかかったときに、その荷重を支えて両者の離間を阻止する。さらに、固定プレート21の回動プレート22側の面には、軸線Oを中心とする円弧状の凸条75が形成されており、回動プレート22が凸条75の表面と摺接するようになっている。
【0024】
次に、回動プレート22には、内側に向かってほぼ円形に打ち出したオフセット加工部65が形成されている。このオフセット加工部65は、固定プレート21と向かい合う面が凹んだ形状となっており、その内周面にはインターナルギヤ66が形成されている。インターナルギヤ66は、軸30が通る貫通孔26を中心とする円弧に沿って形成されている。なお、図2の回動プレート22に記載したギヤ状の部分は、インターナルギヤ66をプレス成形する際の雌型の彫刻面で形成されたものである。
【0025】
オフセット加工部65の内側の固定プレート21と回動プレート22との間に形成された空間部分には、一対のスライドギヤ70,71が収容され、これらスライドギヤ70,71の中間にカム部材72が収容されている。一方のスライドギヤ70は、第1のガイド壁45,46に沿って移動することができ、他方のスライドギヤ71は、第2のガイド壁50,51に沿って移動することができる。スライドギヤ70,71は同形同大とされ、点対称に配置されている。
【0026】
スライドギヤ70,71の先端部には、インターナルギヤ66に係脱可能な歯部82が形成されている。スライドギヤ70,71の基端側には、歯部82に沿う方向へ突出する凸部87が形成され、この凸部87の内側に後述するカム部材72のフック100が挿入されている。また、凸部87と対向する部分には、ロック状態の時にカム部材72のカム面101によって押圧されるカム面88が形成されている。
【0027】
また、スライドギヤ70,71には、外側へ向けて打ち出した凸部90,91が設けられている。これら凸部90,91は、上述の溝55,56に挿入され、溝55,56に沿う方向に凸部90,91が移動するのでスライドギヤ70,71はロック位置とロック解除位置とに亘って移動することができる。これら凸部90,91と溝55,56とを嵌合させたことにより、追突等のときにスライドギヤ70,71からガイド部41,42にかかる荷重が軽減される。
【0028】
カム部材72の中心部には孔95が形成され、この孔95には軸30のカム取付部32が挿入されている。そして、図6に示すように、固定プレート21および回動プレート22に軸30を外側(左側)から挿入し、内側から軸30に座金96を通してその内側をかしめる(図6中符号97で示す)ことによって、軸30がカム部材72から抜け出ないようになっている。カム部材72には、一対のフック100が点対称に形成されている。これらフック100は、スライドギヤ70,71のそれぞれの凸部87の内側に挿入される。また、カム部材72には、スライドギヤ70,71のそれぞれのカム面88を押圧可能な一対のカム面101が点対称に形成されている。これらのカム面101は、カム部材72が図4に示すロック位置にある時にスライドギヤ70,71のカム面88を押圧し、これにより、スライドギヤ70,71がインターナルギヤ66に向かって押圧される。
【0029】
カム部材72のフック100は、カム部材72が図4において反時計回りのロック解除方向に回動する際に、スライドギヤ70,71の凸部87に係合してスライドギヤ70,71を軸30に近付ける方向に引き寄せる。以上の構成のカム部材72は、図2に示すリターンばね110によって、ロック位置方向(図4において時計回り方向)に常時付勢されている。図示例の場合、リターンばね110は2個使われており、それぞれ固定プレート21に形成したばね掛け部111と、カム部材72に形成したばね受け部112との間に、カム部材72をロック位置方向に付勢するトルクを発生するようにねじった状態でセットされている。
【0030】
図3に示すように、右側のリクライニング装置20’においては、軸30のレバー取付部33bの外周に溝33cが形成され、この溝33cにはスナップリング120が取り付けられている。一方、操作レバー34には、その厚さ方向に延在する取付穴35が形成されて、取付穴35の内周には、スナップリング120が嵌合する溝(図示略)が形成されている。したがって、操作レバー34の取付穴35にレバー取付部33bを挿入すると、スナップリング120によって両者が結合される。なお、この実施形態では、右側のリクライニング装置20’にはブラケット61と渦巻きばね60を装着していないが、右側のリクライニング装置20’にのみブラケット61および渦巻きばね60を装着することも可能である。さらに、これらを両方のリクライニング装置20,20’に装着することもできる。
【0031】
上記構成のリクライニング装置20(20’)は、固定プレート21がシートクッションS1に固定された状態において、図1に示すように、一方のスライドギヤ71が前方に、他方のスライドギヤ70が後方に配置されている。なお、図1におけるリクライニング20は、スライドギヤ70,71やカム部材72を透視して図示している。これらスライドギヤ70,71は、その移動方向が若干前上がりに傾斜するように前後に配置され、インターナルギヤ66に係合するそれぞれの歯部82の中心が、シートバックS2の標準傾斜角θに沿った線L1に直交し、かつ回動プレート22の回動中心である軸30の中心を通過する線L2上に位置している。
【0032】
B.実施形態の動作
次に、上記構成のリクライニング装置20の動作について説明する。図4に示すロック状態では、カム部材72のカム面101によってスライドギヤ70,71がインターナルギヤ66に押し付けられており、スライドギヤ70,71の歯部82とインターナルギヤ66が係合することにより、回動プレート22が固定プレート21に固定される。つまりシートバックS2が固定された状態となる。
【0033】
この状態で操作レバー34をロック解除方向(図3において上方)に操作すると、フック100が凸部87に係合してスライドギヤ70,71を軸30側へ引き寄せる。これにより、スライドギヤ70,71がインターナルギヤ66から離れ、両者の係合が外れる。このロック解除状態では、スライドギヤ70,71による回動プレート22の拘束が解かれるため、固定プレート21に対して回動プレート22が軸30を中心に回動することが可能となる。
【0034】
上記のロック解除状態でシートバックS2の傾斜角度を変えると、回動プレート22は固定プレート21の凸条75の表面を摺動しつつ回動する。そして、シートバックS2を所望の位置にしてレバー34の操作力を解除すれば、カム部材72がリターンばね110の弾性力によって図4に示すロック位置に戻るとともに、操作レバー34も元の位置に戻る。これにより、スライドギヤ70,71がインターナルギヤ66と係合して回動プレート22が固定される。
【0035】
上記リクライニング装置20(20’)によれば、スライドギヤ70,71が前後に配置され、インターナルギヤ66に係合するそれぞれの歯部82の中心が、シートバックS2の標準傾斜角θに沿った線L1に直交し、かつ回動プレート22の回動中心である軸30の中心を通過する線L2上に位置している。これにより、スライドギヤ70,71にかかる負荷は、双方同じである。このことは、前述した(2)式によって証明されている。したがって、一対のスライドギヤ70,71およびこれらスライドギヤ70,71を支持する各ガイド部41,42(凸部47,48および凸部52,53)を、負荷条件を同じくして設計することができ、その結果、部品の共通化が図られる。また、前述の如く、スライドギヤを上下に配置した従来構成における上側の係合位置にかかる負荷よりも、前後に配置した本実施形態のスライドギヤ70,71の係合位置にかかる負荷の方が小さい。したがって、小型軽量化が図られるとともに、強度を向上させることができる。
【0036】
また、一対のスライドギヤ70,71にかかる負荷が均等であることから、これらスライドギヤ70,71のインターナルギヤ66に対する係合位置に生じるガタは同時に発生し、したがって、ガタの発生を1回に留めることができる。これは、図8(b)および図9(b)を参照して前述した通りである。その結果、ガタの発生によって着座者に与える不快感や違和感を極力抑えることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、一対のスライドギヤとインターナルギヤとの係合位置の中心を、シートバックの標準傾斜角に沿った線に直交し、かつ回動プレートの回動中心を通過する線上に配置したので、各スライドギヤにかかる負荷が均等となり、その結果、スライドギヤやスライドギヤに係る部品の共通化が図られるとともに、装置の小型軽量化および強度向上が達成され、さらに、不可避であるガタを少なくすることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態のリクライニング装置がシートに取り付けられた状態を示す側面図である。
【図2】 一実施形態のリクライニング装置の左側の部分を示す分解斜視図である。
【図3】 一実施形態のリクライニング装置の右側の部分を示す分解斜視図である。
【図4】 一実施形態のリクライニング装置を回動プレートのインターナルギヤの部分で切断した断面図である。
【図5】 図2に示すリクライニング装置を組み立てた状態を示す斜視図である。
【図6】 図5に示すリクライニング装置の断面図である。
【図7】 (a)は従来のリクライニング装置におけるスライドギヤの配置を模式的に示す側面図、(b)は本発明のリクライニング装置におけるスライドギヤの配置を模式的に示す側面図である。
【図8】 (a)は従来のリクライニング装置に前後負荷をかけた際のシートバックの変位量を示す線図、(b)は本発明のリクライニング装置に前後負荷をかけた際のシートバックの変位量を示す線図である。
【図9】 (a)は従来のリクライニング装置に後負荷をかけた際のシートバックの変位量を示す線図、(b)は本発明のリクライニング装置に後負荷をかけた際のシートバックの変位量を示す線図である。
【符号の説明】
20…リクライニング装置
21…固定プレート
22…回動プレート
30…軸(回動中心)
41…第1のガイド部
42…第2のガイド部
45,46…第1のガイド部のガイド壁
50,51…第2のガイド部のガイド壁
60…渦巻きばね(付勢部材)
66…インターナルギヤ
70,71…スライドギヤ
72…カム部材
L1…シートバックの標準傾斜角に沿った線
L2…シートバックの標準傾斜角に沿った線に直交する線
S…シート
S1…シートクッション
S2…シートバック
θ…シートバックの標準傾斜角

Claims (1)

  1. 互いに対向する一対のガイド壁を有する第1のガイド部および互いに対向する一対のガイド壁を有する第2のガイド部が設けられた固定プレートと、
    上記固定プレートに水平方向の軸線回りに回転自在に設けられた軸と、
    上記固定プレートに対し上記軸を中心に相対回転可能に対向配置され、かつ該軸を中心とする円弧に沿ったインターナルギヤが設けられ、シートクッションに対し上記軸を中心に傾動自在に設けられるシートバックに一体に固定される回動プレートと、
    上記第1のガイド部の各ガイド壁間に収容され、かつ上記インターナルギヤに係合するロック位置とインターナルギヤから離れるロック解除位置とに亘って移動自在な第1のスライドギヤと、
    上記第2のガイド部の各ガイド壁間に収容され、かつ上記インターナルギヤに係合するロック位置とインターナルギヤから離れるロック解除位置とに亘って移動自在な第2のスライドギヤと、
    上記第1のスライドギヤと上記第2のスライドギヤとの間で上記軸に取り付けられ、該軸により回動させられることでこれらスライドギヤを同時に上記ロック位置と上記ロック解除位置とに亘って移動させるカム部材と、
    上記固定プレートと上記回動プレートとの間に介在され、上記回動プレートを上記シートバックが前傾する方向に回動させる付勢部材とを具備したリクライニング装置において、
    上記第1および第2のスライドギヤと上記インターナルギヤとの係合位置の中心を、上記シートバックの標準傾斜角に沿った線に直交し、かつ上記回動プレートの回動中心を通過する線上に配置したことを特徴とするリクライニング装置。
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