JP4444301B2 - 遊技機及びプログラム及び記憶媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ店などの遊技場に設置して使用される遊技機及びプログラム及び記憶媒体に関するものである。
パチンコ店などの遊技場に設置して使用されるスロットマシンはパチスロ機と称され、その遊技媒体となっているメダルに一定の価値が与えられて、ゲーム(遊技)を行って獲得したメダルを種々の景品に交換することができる。このため、遊技者はメダルを大量に獲得するということだけを目的とし、確率的に当選を得やすくなるボーナスゲームを行う権利が得やすい台を選択してゲームを行おうとするのが一般である。スロットマシンでは、リールがステッピングモータで駆動される構造となっており、乱数のサンプリングに基づく電子抽選により当選の有無やその種類を決定し、この決定に対応してリールの停止制御を行っている。したがって、電子抽選による当選の発生確率をソフト的に調整して当選が得やすくなる状態をつくりだすことができ、これを利用してボーナスゲームができるようにしてある。なお、本明細書中ではパチスロ機を例に挙げて説明しているため、遊技媒体としてメダルを用いるが、遊技媒体としてはコインやパチンコ玉など他の媒体も含む。また、「メダル(遊技媒体)の投入」にはクレジットされたメダルをベットボタンなどによりベットすることも含む。
ボーナスゲームとしては、例えばビッグボーナス(以下、BB)モードに移行して行われるゲームや、レギュラーボーナス(以下、RB)モードに移行して行われるゲームなどがあり、これらのゲームは特別当選役であるBB及びRBを入賞させることで行うことができる。
例えばRBモードへの移行は、リールの絵柄が「BAR−BAR−BAR」に揃えられたときに1枚のメダルベットでゲームが行われ、最大8回入賞するか、又は最大12回のゲームを行うことで終了する。また、BBモードへの移行はリールの絵柄が例えば「7−7−7」に揃えられたときに行われ、このBBモードのゲームでは上述したRBモードでのゲームが2〜3回繰り返される。また、BBモードでは、RBモードに移行する前に高い当選確率のもとで1〜3枚のメダルをベットしてゲームを行う権利が与えられるものもあり、その権利を得た所定期間中に当選(ボーナスイン)絵柄が揃うとRBモードに移行する。このRBモード又はBBモード下でのゲームを行った場合には、通常モードでのゲームと比較して大量のメダルを獲得することができる。なお、本明細書中では、当選役に対応したリール絵柄を揃えることを入賞、入賞される前の状態で電子抽選により当選役が抽選されたことを内部入賞とする。
このような背景から、スロットマシンを製造する側でも、多くの遊技者を惹きつけることができるように、遊技場側の利益を損なわない範囲内でボーナスゲームの態様や、ボーナスゲームモードに移行する条件に工夫を凝らしたものを開発している。そして、ボーナスゲームを行うことができる機会を増やし、少なくとも確率的には短期間で遊技者がより大量のメダルが獲得できる可能性をもたせたことを特徴にしたものを提供する傾向にある。
しかしながら、上記のような遊技機の場合、ストップボタンの操作タイミングに基づく各リールの停止制御は、所定の図柄を停止させやすいようにする引き込み制御や所定の図柄を停止させないようにする蹴飛ばし制御等により表示窓で停止するように行われているため、例えば、熟練者の場合、所定の図柄を狙ってストップボタンを押下する目押し操作を行っても図柄が滑って遊技者の意志通りに停止させることができないという欠点がある。例えば、スロットマシンの中には、BBモードの終了後に少なくとも1リール以上のリールの停止制御が無制御となるチャレンジタイム(CT)モードを搭載したものはあるが、このCTモード下でのゲームでは目押し操作を可能にするものではあるが、限られた期間内の特典でしかない。
本発明は、通常モード下での遊技でも遊技者が有利に遊技を行えるようにした遊技機及びプログラム及び記憶媒体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の遊技機は、遊技が開始されたときに回転するリールと、前記リールの回転を停止させる際に操作されるリール停止操作手段とを備えた遊技機において、所定の起点時から、前記リール停止操作手段のうち、最初に行われるリール停止操作手段の操作までの経過時間を測定する計測手段と、前記経過時間が基準時間に到達したか否かを判定する判定手段と、前記経過時間が前記基準時間に到達したときに、前記リールの停止制御を変更するリール停止制御変更手段と、前記経過時間が前記基準時間に到達した後に用いられ、前記リール停止操作手段が操作されたときの前記リールの位置から前記リールの回転を停止させるまでにずらす範囲を前記経過時間に基づいて変更させて前記リールの回転を停止させるリール停止制御手段と、を備えたことを特徴とする。なお、リールとしては、スロットマシンに3個のリールを備えている場合には、全てリールとしてもよいし、それらリールの少なくともいずれか1個のリールであってもよい。
また、本発明の遊技機は、遊技が開始されたときに回転するリールと、前記リールの回転を停止させる際に操作されるリール停止操作手段とを備えた遊技機において、所定の起点時から前記リール停止操作手段の操作までの経過時間を測定する計測手段と、前記経過時間が基準時間に到達したか否かを判定する判定手段と、前記経過時間が前記基準時間に到達したときに、前記リールの停止制御を変更するリール停止制御変更手段と、前記経過時間が前記基準時間に到達した後に用いられ、前記リール停止操作手段が操作されたときの前記リールの位置から前記リールの回転を停止させるまでにずらす範囲を前記経過時間に基づいて変更させて、前記基準時間を超えて操作されたリール停止操作手段に対応する前記リールの回転を停止させるリール停止制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また、前記リール停止操作手段が操作されたときの前記リールの位置から前記リールの回転を停止させるまでにずらす範囲は、前記経過時間が前記基準時間に到達したときにリールの回転を停止させる際にずらす範囲から前記経過時間に伴って増加させることを特徴とする。
また、前記リール停止操作手段が操作されたときの前記リールの位置から前記リールの回転を停止させるまでにずらす範囲は、前記経過時間が前記基準時間に到達したときにリールの回転を停止させる際にずらす範囲から前記経過時間に伴って減少させることを特徴とする。
また、遊技が開始されたときに複数の当選役のいずれか、又はハズレを決定する当選役決定手段を設け、前記当選役決定手段によって前記複数の当選役のいずれかであることが決定されたときに、前記計測手段による前記所定の起点時からの経過時間の計測が有効となることを特徴とする。
また、本発明のプログラムは、遊技が開始されたときに回転するリールを停止させる際に操作されるリール停止操作手段と、所定の起点時から、前記リール停止操作手段のうち、最初に行われるリール停止操作手段の操作までの経過時間を測定する計測手段と、前記経過時間が基準時間に到達したか否かを判定する判定手段と、前記経過時間が前記基準時間に到達したときに、前記リールの停止制御を変更するリール停止制御変更手段と、前記経過時間が前記基準時間に到達した後に用いられ、前記リール停止操作手段が操作されたときの前記リールの位置から前記リールの回転を停止させるまでにずらす範囲を前記経過時間に基づいて変更させて前記リールの回転を停止させるリール停止制御手段としてコンピュータを機能させるためのものである。
また、本発明のプログラムは、遊技が開始されたときに回転するリールを停止させる際に操作されるリール停止操作手段と、所定の起点時から前記リール停止操作手段の操作までの経過時間を測定する計測手段と、前記経過時間が基準時間に到達したか否かを判定する判定手段と、前記経過時間が前記基準時間に到達したときに、前記リールの停止制御を変更するリール停止制御変更手段と、前記経過時間が前記基準時間に到達した後に用いられ、前記リール停止操作手段が操作されたときの前記リールの位置から前記リールの回転を停止させるまでにずらす範囲を前記経過時間に基づいて変更させて、前記基準時間を超えて操作されたリール停止操作手段に対応する前記リールの回転を停止させるリール停止制御手段としてコンピュータを機能させるためのものである。
また、記憶媒体としては、上述したプログラムが記憶されるとともに、そのプログラムをコンピュータで読み取ることができるものである。
本発明の遊技機によれば、所定の起点時から前記リール停止操作手段の操作までの経過時間を計測する計測手段と、前記経過時間が基準時間以内か否かを判定する判定手段とを設け、前記リール停止操作手段の少なくとも一つの操作タイミングが前記基準時間以内であると判定されたときには、前記リール停止制御手段による停止制御を変更するようにしたので、例えば目押し操作の重要性が高まるとともに、遊技者の技量により多くのメダルを獲得することが可能になる。また、基準時間以内にリール停止操作手段の操作が行われた場合に、他のリールの停止制御を変更し得るようにすることで、遊技性の富んだものとなる。また、リールの自動停止前の所定時間だけリールの停止制御を変更したり、変更後のリールの停止制御内容を強く又は弱くしていくことで、新たな遊技性をもつ遊技を創作することが可能となり、結果的に遊技者の興趣をそそる遊技機を提供することが可能となる。
また、所定の起点時を、前記遊技開始手段の操作としたから、ゲームに対する緊張感を持って遊技を行わせることが可能となる。また、前記計測手段による計測開始を報知する開始報知手段や、前記計測手段による経過時間の計測中であることを報知する報知手段、又は前記基準時間に係わる経過に基づいた報知を行う報知手段を設けることで、遊技者に緊張感を与えることができると共に、遊技者の熟練度を向上させることも可能となる。
また、前記リール停止制御手段による停止制御の変更が行われたことを報知する報知手段を設けることで、遊技の際の不公平感を与えることがない。なお、前記停止制御の変更により、表示窓で停止する図柄がリール停止操作手段の操作タイミングに対応して決まる無制御に切り替えられるようにすることで、遊技者の入賞に対する期待感を煽ることができる。なお、この場合、前記停止制御の変更はリール毎に異なるようにすることで、遊技性が富んだ遊技機を提供することが可能となる。
図1に、本発明を用いたスロットマシンの外観を示す。筐体3の前面扉4に4個の図柄表示窓5a〜5dが設けられ、各々の表示窓の奥に第1リール6a,第2リール6b,第3リール6c及び、サブリール7が回転自在に組み込まれている。周知のように、第1〜第3リール6a〜6cの外周には様々な図柄が一定ピッチで配列され、リールが停止した状態では図柄表示窓5a〜5cを通して1リール当たり3個の図柄が観察される。これにより、各リールの図柄を一個ずつ組み合わせた直線状の入賞ラインが横3本斜め2本の合計5本が設定される。そして、ゲームの開始に先立ってメダル投入口8から1枚のメダルを投入したときには中央横一本の入賞ラインが有効化され、2枚では横3本、3枚ではさらに斜め2本を加えた5本の入賞ラインが有効化される。
右端のサブリール5dは、ゲーム開始用のスタートレバー10を操作したときに、他のリール6a〜6cとともに回転を始め、その後の電子抽選で例えばBBゲームモードに移行させるBBフラグが抽選されたときに「7」の図柄を出す位置となるように停止制御される。また、サブリール5dは、後述する当選役決定部23でハズレ役以外の当選役が当選した場合に回転し、第1リール6aの駆動制御の変更の目安となる基準時間TSを表示する。なお、基準時間TSの表示をサブリール5dで行ったが、液晶表示(LCD)パネル等を設けて、基準時間TSの表示を行うようにしてもよい。
ストップボタン9a〜9cの上方の操作パネルには、メダルを貯留(クレジット)した状態でゲームを行うときに操作される1枚ベットボタン,MAXベットボタン,精算ボタンなどの各種の操作ボタンが設けられている。これらの操作ボタンの機能はいずれも周知であるのでその詳細については省略する。また、筐体2の下部にメダル受け皿11が設けられており、ゲームで当たりが得られたときに払出口12から払い出される配当メダルを受容する。
図2に、上記スロットマシン2の電気的構成の機能ブロック図を示す。このスロットマシン2は、CPU20によってスロットマシン2の基本的な動作を制御している。このCPU20には、制御部20aの他に、電子抽選器22、当選役決定部23、経過時間測定部24、制御切換判定部25等が設けられている。電子抽選器22及び当選役決定部23は、スタートレバー10の操作によるゲームの開始時に、制御部20aからのゲームスタート信号を受けて、そのゲームでの当選役を決定する。このように、制御部20a及び電子抽選器22は当選役決定手段として機能する。
電子抽選器22には、乱数値をその大きさに応じてグループ分けした第1当選テーブル及び第2当選テーブルが設けられている。第1当選テーブルは、通常モード下でのゲームでの当選の有無に、第2当選テーブルはBBモード及びRBモード下でのゲームでの当選の有無にそれぞれ用いられる。そして、この電子抽選器22で抽選された当選の種類を表す当選信号は当選役決定部23に送られ、当選役信号が制御部20aにフィードバックされる。
経過時間計測部24は、所定の起点時となるスタートレバー10の操作に応じて開始されたゲームの経過時間を計測するために設けられている。なお、この経過時間測定部24での計測は、制御部20aにフィードバックされた当選役信号がハズレ役以外の当選役のいずれかの場合にのみ行われる。そして、第1ストップボタン9aが押圧されると、その押圧信号を受けて、経過時間TLが制御切換判定部25に出力される。なお、所定の起点時はスタートレバー10の操作時に限定する必要はなく、例えばスタートレバーの操作後に回転されるリールの回転速度が定常速度に達した場合に、経過時間の計測開始となるようにしてもよい。
制御切換判定部25は、第1リール6aの停止制御を変更するか否かを判定するために設けられている。この制御切換判定部25には、第1リール9aの停止制御を変更する基準となる基準時間TSが予め記憶されており、この基準時間TS及び経過時間TLとを比較して、第1リール6aの停止制御を変更するか否かを判定する。例えば、経過時間TLが基準時間TS以下の場合には、第1リール6aの停止制御を無制御とする信号を制御部20aに向けて出力する。一方、経過時間TLが基準時間TSを超過した場合には、第1リール6aの停止制御を無制御から、例えば引き込み制御や蹴飛ばし制御等の停止制御を行うように、制御部20aに向けて出力する。なお、基準時間TSは適宜設定されるものであり、例えば基準時間TSを複数個設け、ゲーム毎の抽選で選択するようにしてもよい。
メモリ28には、RAM領域とROM領域とが設けられている。ROM領域にはゲーム実行プログラムや図柄テーブルが格納されている。この図柄テーブルは、各リールの基準位置からの回転角に対応した駆動パルスの個数と、各リールに一定ピッチで配列されたそれぞれの図柄を表す図柄コードとが対応づけられて1つのテーブルデータとして記憶されている。したがって、制御部ではリールごとにパルスカウンタのカウント値を監視することによって、例えば中央の入賞ライン上にどの図柄が移動してきているのかを識別することができ、さらにどの程度リールを回転させれば目的の図柄がその入賞ライン上に移動してくるのかを予測することができる。なお、メモリ28のRAM領域は、毎回のゲームごとに利用されるフラグやデータなどの一時的保管や書き換えなどに用いられる。
スタート信号発生部30は1〜3枚のメダルが投入された後、スタートレバー10が操作されたときに、ゲームスタート信号を制御部20aに入力する。スタート信号が入力されるごとに、ゲーム数カウンタ31のカウント値が「1」だけインクリメントされる。したがって、ゲーム数カウンタ31のカウント値を参照することによって、このスロットマシン2で実行されたゲームの回数を識別することができる。
ゲームスタート信号を受けて、CPU20の制御部20aはメモリ28のROM領域に格納されたゲーム実行プログラムに基づいて第1〜第3リール6a〜6c及びサブリール7を回転させるとともにゲームの処理を開始する。各リールの駆動及び停止制御は、リール駆動コントローラ35によって行われる。それぞれのリールは個別のステッピングモータ36a〜36dの駆動軸に固着され、各ステッピングモータ36a〜36cの駆動を制御することにより各リールの制御が行われる。
ステッピングモータ36a〜36dは供給された駆動パルスの個数に応じた回転角で回転するから、制御部20aにより駆動パルスの供給個数を制御することによって第1〜第3リール6a〜6c及び、サブリール7の回転角を制御することができ、また駆動パルスの供給を絶つことによりリールの停止位置を決めることができる。また、各リールには、その基準位置に反射信号部37a〜37dが一体に形成され、その一回転ごとにフォトセンサ38a〜38dがそれぞれの反射信号部37a〜37dの通過を光電検出する。フォトセンサ38a〜38dによる検知信号は、リールごとのリセット信号としてリセット信号発生部39から制御部20aに入力される。
制御部20aの内部にはステッピングモータごとのパルスカウンタが設けられ、各々のステッピングモータに供給された駆動パルスの個数を計数する。そして、フォトセンサ38a〜38cによるインデックス信号を基に、対応するパルスカウンタのカウント値をクリアする。したがって、それぞれのパルスカウンタには、各リールの1回転内の回転角に対応した駆動パルスの個数が逐次に更新しながら保存されることになる。
第1〜第3ストップボタン9a〜9cが押下されると、ストップ信号発生部40はCPU20に向けてリールごとのストップ信号を制御部20aに向けて出力する。スタートレバー10を操作して全リールの回転が始まり、これらの回転が約80RPM程度の定常速度に達した時点でストップボタン9a〜9cの操作が有効化される。その後、これらを操作することによってそれぞれ対応する第1〜第3リール6a〜6cの停止制御が開始され、ストップボタンを操作した後は、190msec以内に対応するリールが停止するようになっている。
メダルセンサ41はメダル投入口8から投入された適正なメダルを検知し、CPU20の制御部20aに入力する。メダル投入口8の奥にはセレクタが組み込まれ、不適正なメダルはメダル受け皿11に排出される。また、セレクタは不適切なタイミングでメダルの投入が行われたとき、例えばゲームの途中や各種の操作ボタンが押されたままの状態で投入されたメダルについても、メダルセンサ41を経由させずにメダル受け皿11に排出する。また、このメダルセンサ41では、1ゲームの開始に先立って投入された1〜3枚のメダルの枚数をカウントする。これに基づいて、CPU20の制御部20aでは入賞ラインの有効化本数を決定する。また、メダルセンサ41では、ゲームの開始ごとに投入されたメダルのベット枚数を積算して計数する。なお、クレジット枚数は図示を省略した別のクレジットメダルカウンタで計数される。
メダルホッパー43では、ゲームの結果当たりが出たときに、規定枚数の配当メダルをメダル受け皿11に払い出し、あるいはクレジットカウンタにその規定枚数を加算する。当選役の種類ごとに配当メダルの枚数を決めた配当テーブルはメモリ28のROM領域に格納され、CPU20の制御部20aがこれを読み取ってメダルホッパー43を駆動する。
初期設定入力部45は筐体3の内部に設けられ、前面扉4を開いた状態で操作可能となる。この初期設定入力部45には、主電源となる電源スイッチ、設定変更ボタン、BBモードが終了した時点で打ち止めにするか否かを選択できる選択スイッチ等が設けられる。なお、ペイアウト率の変更は設定変更ボタンの押圧により行われ、6段階の間でペイアウト率を可変できるようになっている。ペイアウト率の変更時には、各当選テーブルのグループ割り当ての調整も行われる。
次に、上記のように構成されたスロットマシン2の作用について、図3のフローチャートを参照して説明する。ゲームの開始に先立ってメダルを1〜3枚投入すると、メダルの枚数が投入メダルカウンタ42によりカウントされる。この後、スタートレバー10を操作すると制御部20aにゲームスタート信号が入力され、ゲーム数カウンタ31のカウント値が「1」だけインクリメントされる。また、ゲームスタート信号の入力により、制御部20aは電子抽選器22が乱数をサンプリングし、その値を第1当選テーブルと対照して当選の種類が決められ、当選役決定部23を介して制御部20aに出力される。そして、制御部20aはリール駆動コントローラ35を作動し、リール駆動コントローラ35は第1〜第3リール6a〜6c及び、サブリール7を一斉に回転させる。
制御部20aに入力された当選役信号がハズレ役以外の当選役となる場合、制御部20aは、リール駆動コントローラ35を介して回転しているサブリール7を、第1リール6aが無制御となる時間、例えば5秒の場合は「5」が図柄表示窓5dに表示されるようにサブリール7の停止制御を行う。これにより、遊技者には、5秒間は第3リール6aの停止制御が無制御になることが報知される。このときに、第1〜第3ストップボタン9a〜9cの操作が有効化されるとともに、制御部20aでは経過時間計測部24に計測開始信号を出力し、計時を開始する。なお、図柄表示窓5dに「5」を表示した瞬間に音声やランプを発光させる等で遊技者に対して報知させることで、遊技者に緊迫感を与えるようにしてもよい。なお、当選役決定部23でハズレ役となる場合には、サブリール7による報知は行わないようにし、第1リール6aの停止制御は、引き込み制御又は蹴飛ばし制御で行われる。
遊技者は、第1〜第3ストップボタン9a〜9cを押圧して第1〜第3リール6a〜6cを停止させる。なお、経過時間計測部24では第1リール6aが押されるまでの時間を計測しており、第1リール6aが押されたその経過時間TLを制御切換判定部25に出力する。例えば、経過時間TL<基準時間TS(例えば5秒)となる場合には、制御部20aは第1リール6aの停止制御を無制御にする。本実施形態の場合には、内部入賞した当選役をサブリール等に報知しないため、リールの停止制御が引き込み制御となる第2、第3リール6b,6cを先に停止させて、第1リール6aを目押しすることにより、該当する図柄を同一の入賞有効ライン上に停止させることができる。
一方、経過時間TL≧基準時間TS(=5秒)となる場合には、第1リール6aの駆動制御を無制御から蹴飛ばし制御に切り換えて第1リール6aの停止制御を行う。この場合、例えば、第2、第3リール6b,6cを先に停止させても第1ストップボタン9aが押圧されるまでの経過時間TLが5秒以上となっているので、第1リールの停止時には当選役に対応する図柄は、同一の入賞有効ライン上に停止することはない。なお、この場合、経過時間が5秒を過ぎた時点で、例えば、図示しないスピーカー等により終了音を鳴らして、遊技者に第1リール6aの停止制御が無制御から蹴飛ばし制御に変更されたことを報知するようにする。これにより、遊技者の熟練度が増すにつれ第1ストップボタン9aによる目押しを有効に使用することができる。なお、目押し操作を行うことにより、同一の入賞有効ライン上に当選役に対応する図柄を停止させることができ、熟練者ほどより多くのメダルを獲得することができる。また、リールの停止制御の変更に対する報知は、スピーカによる報知だけではなく、サブリールによる報知、演出用ランプによる報知、又は液晶表示(LCD)パネル等による報知を行うようにしてもよい。
また、図2の機能ブロック図、図3のフローチャートで示す手順及び機能をスロットマシンの制御装置で実行するためのプログラムを、例えばフレキシブルディスク、光ディスク等の記録媒体に記憶させてもよい。例えば、図4に示すように、記録媒体50には、当選役決定手段、リール制御手段を実現するためのプログラムの他に、ゲームの開始からの経過時間を計測する手段、計測された時間によりリールの停止制御を変更するか否かを判定する手段が記録されている。この記憶媒体50をスロットマシン51に内蔵された読取装置52に装填して、そのプログラムをスロットマシンにインストールしたり、読取装置52に記憶媒体50を装填した状態でゲームを実行させる。なお、符号53はCPU、符号54はメモリである。
また、前記プログラムを、記憶媒体を利用してインストールする代わりに、インターネットを利用して、スロットマシンに配信させることができる。また、上記プログラムに、リールを回す機能、各リールを停止させる機能等のスロットマシンの基本動作を実行させるプログラムを追加することで、パソコンにインストールし、モニタ上でスロットマシンゲームを行うことができる。
本実施形態では、第1ストップボタンの操作が基準時間TS以内に行われた場合に、第1ストップボタンの操作に対応して停止する第1リールの停止制御を変更するようにしたが、これに限定する必要はなく、他のストップボタンの操作で対応するリールの停止制御を変更するようにしてもよい。また停止制御を変更するリールを例えば第1、第3リールの2つのリール、又は第1〜第3リールの全リールの停止制御を変更するようにしてもよい。この場合、電子抽選器では、BB及びRBの当選の有無を決定するようにし、BB又はRBのいずれも内部入賞していないときにだけ、これら当選役を同一入賞有効ライン上に停止させないようにリールの停止制御を行うようにすればよい。遊技者が熟練者の場合には、BB又はRBが内部入賞していなければ、所定時間内に狙った図柄を停止させることができる。一方、非熟練者の場合には、所定時間内にリールを停止させることができないので、リールの停止制御が無制御から蹴飛ばし制御に変更され、目押しをしても狙った図柄を同一の入賞有効ライン上に停止させることができなくなる。
また、基準時間TS以内に第1〜第3ストップボタンのいずれかの操作が行われた場合に、操作が行われたストップボタンに対応して停止制御されるリールの停止制御、又は、それ以外のリールの停止制御を変更するようにしてもよい。この場合、最初に操作されたストップボタンが基準時間TS以内であれば、次に操作されるストップボタンが基準時間TS以内に操作されたか否かに係わらず、対応するリールの停止制御を変更させることで、遊技者の技量が反映されたものとなる。
本実施形態では、リールの停止制御を、経過時間により無制御から蹴飛ばし制御へと変更するようにしたが、例えば引き込み制御でも引き込む図柄の数を変更するようにしてもよい。例えば、第3リールのリール63の停止制御を変更する場合、基準時間TS以前に第3ストップボタンが押圧された場合には、当選役に対応する図柄が同一入賞有効ラインに停止するように第3リール63の引き込み制御を行う。一方、基準時間TS後に第3ストップボタンが押圧された場合には、当選役に対応する図柄が同一入賞有効ライン上に引き込むことができる位置でも、同一の入賞有効ライン上に停止しないように制御する。例えば、図5及び図6に示すように、第1リール61及び第2リール62の「プラム」が入賞有効ライン65上に停止、且つ第3リール63の「プラム」が入賞有効ラインから3コマ後にある(図中点線で示す)位置で第3ストップボタンが押圧された場合、基準時間TS以前に第3ストップボタンが押圧されたときには第3リール63の図柄が3コマずれて入賞有効ライン65上に停止するのに対して、基準時間TS後に第3ストップボタンが押圧されると、第3リール63の図柄は2コマしか引き込まずに停止する。これにより、本実施形態と同様、遊技者の技量によって得られるメダル枚数が異なり、熟練者ほど多くのメダルを獲得することができるようになる。
本実施形態では、BBモード、RBモード下でのゲームについて触れなかったが、BBモードやRBモード下でのゲームでも経過時間によりリールの駆動制御を変更してもよい。これにより、熟練者と非熟練者との間で一回のBBモード、RBモードを行うことにより得られるメダル枚数に開きがでてくる。また、リールの停止制御が切り換えられるまでの時間を複数設け、停止制御が変更されるリールと、制御が切り換えられるまでの時間をそれぞれ抽選で決定するようにしてもよい。
本実施形態では、基準時間の前後でリールの停止制御を変更したが、それに加えて、各リールが自動停止する前の所定時間の間リールの停止制御を変更するようにしてもよい。この場合、自動停止前のリールの停止制御を、基準時間以前でのリールの停止制御に戻すようにする。例えば、基準時間以前のリールの停止制御が引き込み制御で、変更後のリールの停止制御が無制御の場合には、自動停止前のリールの停止制御が引き込み制御に戻されるので、ストップボタンの押下タイミングが取りづらい、非熟練者等の遊技者には、当選役に該当する図柄を引き込み制御で同一の入賞有効ライン上に停止させることができ、一方的な不利感を感じることなくゲームを行うことができる。
また、変更されたリールの停止制御を経過時間に伴って、強く又は弱くしてもよい。例えばリールの停止制御を弱くしていく場合には、変更後のリール停止制御が引き込み制御又は蹴飛ばし制御のいずれか一方のときには、経過時間に応じて、図柄を引き込む(又は蹴飛ばす)割合が減少していくので、リールの自動停止を行う直前には、無制御に近くなるので、各ストップボタンの早期操作の重要性が高まり、非熟練者の場合には緊張感を与えることができる。一方、リールの停止制御を強くしていく場合には、逆に引き込み制御又は蹴飛ばし制御の割合が大きくなるため、目押しができる熟練者に有利なスロットマシンとなる。
本実施形態では、例えばBB当選した場合等に生じるリーチ目や、チャンス目やハズレ目等に付いては触れていないが、リールの停止制御の変更により、リーチ目、チャンス目及びハズレ目等の図柄の組み合わせに幅を作ることができ、ゲームの内容によっては、特定の条件の時にのみリーチ目を出したり、例えばリーチ目が出ても当選役が内部入賞していなかったりする等のゲーム性に幅を持たせることができる。
本実施形態では、ゲームの開始時に、計時開始の報知を行うようにしたが、この他に、例えば経過時間の報知や、計時終了時点の報知のいずれかを行ったり、これら報知を組み合わせて行うようにしてもよい。これにより、遊技者に対してリール停止制御手段による停止制御の時間帯を少なくとも報知することができる。
本実施形態では、基準時間以内にストップボタンが操作されたときにリールの停止制御を変更する場合に、当選役を取りこぼした場合については触れていないが、表示窓に停止する図柄の組み合わせが、当選役決定部で決定された当選役を構成しない場合に、この当選役の当選を遊技者に対して報知するようにしたり、リールの回転時に、サブリール等で当選役の報知を行うようにすることも可能である。この場合、非熟練者等の遊技者の技量を向上させることが可能となる。
本発明を実施したスロットマシンの外観を示す斜視図である。 スロットマシンの電気的構成を示す機能ブロック図である。 ゲームの手順を示すフローチャートである。 プログラムが格納された記録媒体を、スロットマシンにインストールする場合の説明図である。 基準時間前に、第3ストップボタンを押圧したときのリールの停止制御の一例を示す説明図である。 基準時間後に、第3ストップボタンを押圧したときのリールの停止制御の一例を示す説明図である。
符号の説明
2 スロットマシン
7 サブリール
9a 第1ストップボタン
20 CPU
22 電子抽選器
24 経過時間測定部
25 制御切換判定部
30 スタート信号発生部

Claims (8)

  1. 遊技が開始されたときに回転するリールと、前記リールの回転を停止させる際に操作されるリール停止操作手段とを備えた遊技機において、
    所定の起点時から、前記リール停止操作手段のうち最初に行われるリール停止操作手段の操作までの経過時間を測定する計測手段と、
    前記経過時間が基準時間に到達したか否かを判定する判定手段と、
    前記経過時間が前記基準時間に到達したときに、前記リールの停止制御を変更するリール停止制御変更手段と、
    前記経過時間が前記基準時間に到達した後に用いられ、前記リール停止操作手段が操作されたときの前記リールの位置から前記リールの回転を停止させるまでにずらす範囲を前記経過時間に基づいて変更させて前記リールの回転を停止させるリール停止制御手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。
  2. 遊技が開始されたときに回転するリールと、前記リールの回転を停止させる際に操作されるリール停止操作手段とを備えた遊技機において、
    所定の起点時から前記リール停止操作手段の操作までの経過時間を測定する計測手段と、
    前記経過時間が基準時間に到達したか否かを判定する判定手段と、
    前記経過時間が前記基準時間に到達したときに、前記リールの停止制御を変更するリール停止制御変更手段と、
    前記経過時間が前記基準時間に到達した後に用いられ、前記リール停止操作手段が操作されたときの前記リールの位置から前記リールの回転を停止させるまでにずらす範囲を前記経過時間に基づいて変更させて、前記基準時間を超えて操作されたリール停止操作手段に対応する前記リールの回転を停止させるリール停止制御手段と、を備えたことを特徴とする遊技機。
  3. 前記リール停止操作手段が操作されたときの前記リールの位置から前記リールの回転を停止させるまでにずらす範囲は、前記経過時間が前記基準時間に到達したときにリールの回転を停止させる際にずらす範囲から前記経過時間に伴って増加させることを特徴とする請求項1又は2いずれか記載の遊技機。
  4. 前記リール停止操作手段が操作されたときの前記リールの位置から前記リールの回転を停止させるまでにずらす範囲は、前記経過時間が前記基準時間に到達したときにリールの回転を停止させる際にずらす範囲から前記経過時間に伴って減少させることを特徴とする請求項1又は2いずれか記載の遊技機。
  5. 遊技が開始されたときに複数の当選役のいずれか、又はハズレを決定する当選役決定手段を設け、前記当選役決定手段によって前記複数の当選役のいずれかであることが決定されたときに、前記計測手段による前記所定の起点時からの経過時間の計測が有効となることを特徴とする請求項1〜4いずれか1つ記載の遊技機。
  6. 遊技が開始されたときに回転するリールを停止させる際に操作されるリール停止操作手段と、所定の起点時から、前記リール停止操作手段のうち、最初に行われるリール停止操作手段の操作までの経過時間を測定する計測手段と、前記経過時間が基準時間に到達したか否かを判定する判定手段と、前記経過時間が前記基準時間に到達したときに、前記リールの停止制御を変更するリール停止制御変更手段と、前記経過時間が前記基準時間に到達した後に用いられ、前記リール停止操作手段が操作されたときの前記リールの位置から前記リールの回転を停止させるまでにずらす範囲を前記経過時間に基づいて変更させて前記リールの回転を停止させるリール停止制御手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  7. 遊技が開始されたときに回転するリールを停止させる際に操作されるリール停止操作手段と、所定の起点時から前記リール停止操作手段の操作までの経過時間を測定する計測手段と、前記経過時間が基準時間に到達したか否かを判定する判定手段と、前記経過時間が前記基準時間に到達したときに、前記リールの停止制御を変更するリール停止制御変更手段と、前記経過時間が前記基準時間に到達した後に用いられ、前記リール停止操作手段が操作されたときの前記リールの位置から前記リールの回転を停止させるまでにずらす範囲を前記経過時間に基づいて変更させて、前記基準時間を超えて操作されたリール停止操作手段に対応する前記リールの回転を停止させるリール停止制御手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  8. 請求項6又は7記載のプログラムが記憶されるとともに、そのプログラムをコンピュータで読み取ることのできる記憶媒体。
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