JP4443869B2 - 地下灌漑システム - Google Patents

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Description

本発明は、地下灌漑システムに関し、詳しくは、給水ラインから供給される用水を圃場の地表面に供給する機能と、圃場の地中に埋設されている地下灌漑用の有孔管に供給する機能とを併せ持った地下灌漑用給水枡を備えた地下灌漑システムに関する。
近年行われつつある地下潅漑は、畑作時の圃場の地下水位を調節して毛管現象により水分を補給するものであって、地下水位を作物に適した水位に調節することによって収穫量向上等の効果を得ることができる。この地下潅漑は、圃場の地中に有孔管からなる暗渠排水パイプを埋設し、地中の余剰地下水を排水路に排出するとともに、不足する用水の供給も暗渠排水パイプを利用して行うのが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−155375号公報
このような地下灌漑において、圃場で稲作を行うときには圃場の地表面に直接用水を供給する必要があり、圃場で畑作を行う場合には前記有孔管に用水を直接供給する必要がある。しかしながら、従来の地下灌漑では、圃場の地表面に用水を供給するための給水装置と、地下の有孔管に用水を供給するための給水装置とを別々に設置していたため、設備コストが上昇するだけでなく、保守作業にも手間が掛かっていた。
そこで本発明は、地表面にのみ給水していた給水装置、即ち給水枡に地下灌漑用の給水機能を付加し、一つの給水枡で地表面への給水と地下に埋設した有孔管への給水とを行うことができ、さらに、有孔管の洗浄機能や地表水の排水機能も兼ね備えることができる地下灌漑用給水枡を備えた地下灌漑システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の地下灌漑システムは、圃場の地中に有孔管を埋設するとともに該有孔管の下流側に水位設定器を設置し、該水位設定器で給水ラインから圃場に供給された用水の排水水位を調節することにより圃場の水位を設定する地下灌漑システムにおいて、前記給水ラインに接続した取水口と、取水量を制御する取水量制御手段と、圃場内に連通した圃場給水口と、前記有孔管に用水を供給するための地下給水管に接続した地下灌漑用給水口とを備えた地下灌漑用給水枡を設置することを特徴とするものである。
また、本発明は、前記地下灌漑用給水枡を備えた地下灌漑システムにおいて、取水口先端には、取水した用水の水勢を緩和する水勢緩和器が取り付けられていること、給水路から取水口に至る管路は地下灌漑用給水枡の底部を貫通して上方に開口するように設けられていること、前記取水口先端には、取水口の上端開口を開閉する給水弁が装着されていること、前記取水口は、逆流防止手段を有していること、前記取水口と前記地下灌漑用給水口との間に用水中のゴミ類を分離するためのフィルターを備え、且つ圃場給水口と取水口はフィルターを介さずに連通していること、給水路は、U字溝の中にパイプラインを敷設したものであることを特徴としている。
さらに、本発明は、前記地下灌漑用給水枡を備えた地下灌漑システムにおいて、前記有孔管の地下灌漑用給水枡側は、地上に開口する掃流口を有する掃流分岐管が接続されていること、前記有孔管の地下灌漑用給水枡側に流路開閉手段を介して地下灌漑用給水枡に接続する掃流口が設けられていること、前記掃流口が前記地下灌漑用給水口に隣接して設けられ、該掃流口及び地下灌漑用給水口と前記取水口との間に用水中のゴミ類を分離するためのフィルターを備えていること、前記掃流口は、前記地下灌漑用給水口より上方に開口していることを特徴としている。
本発明の地下灌漑用給水枡を備えた地下灌漑システムによれば、一つの枡の中に取水口、圃場給水口、地下灌漑用給水口、さらには掃流口を設けるようにしたので、地表面への給水だけでなく、地下灌漑用の有孔管への給水も同時に行うことができる。また、これらをまとめているので、設備コストや施工コストの低減だけでなく、用水管理の負担も大幅に軽減でき、保守作業の軽減も図れる。
図1乃至図3は本発明の地下灌漑システムの一形態例を示すもので、図1は本発明に適用する地下灌漑用給水枡を設置した圃場の一例を示す配管系統図、図2は同じく縦断面図、図3は地下灌漑用給水枡の縦断面図である。
まず、図1及び図2に示すように、地下灌漑システムを採用した圃場には、農道11や畦畔12によって複数の耕作区13が区画されており、各耕作区13の一方の農道11部分には給水路14が設けられ、他方の農道部分には排水路15が設けられている。圃場内の各耕作区13には、作物の種類やその生育状況に応じて水位を適切に設定するための地下灌漑システムがそれぞれ設けられている。なお、給水ラインや排水ラインを構成する前記給水路14や排水路15は、圃場の状況に応じて任意の位置に設けることができ、畦畔12の部分に設けることも可能であり、パイプラインでも開水路であってもよい。また、同じ農道11部分に給水路と排水路とが併設されていてもよい。
地下灌漑システムは、耕作区13の地中に、排水路15側に設けられた集合管21から複数の有孔管22を分岐させて並列に等間隔で埋設するとともに、集合管21の排水路15側に地下排水弁23を介して水位設定器24を設置したものであって、この水位設定器24を介して有孔管22と排水路15とが接続された状態となっている。
ここに示した水位設定器24は、有底筒状の水位設定枡25の内部に下部固定堰26と上部可動堰27とを上下動可能に設け、この堰26,27により、水位設定枡25内を耕作区13側の流入室28と排水路15側の排水室29とに区画し、流入室28に前記地下排水弁23を介して前記集合管21を、排水室29に排水管30を介して排水路15を、それぞれ接続している。
前記下部固定堰26と上部可動堰27とは、水位設定枡25の内壁に形成したガイド溝26a、27aに上下動及び抜き差し可能で、かつ、任意の高さ位置に固定可能な状態で設けられており、両堰26,27は、ゴム製のパッキン等を介して水密状態で摺接するように形成されている。
このように形成した水位設定器24による耕作区13の水位の設定は、下部固定堰26を水位設定枡25の最下端に固定した状態で、上部可動堰27の高さ位置を調節したり、上部可動堰27を取り外したりして流入室28内の水位を任意に設定することにより行うことができ、耕作区13からの排水は、下部固定堰26を上方に引き上げたり、取り外したりすることによって行うことができる。
さらに、耕作区13の排水路15側には、水位設定器24の前記流入室28に給排水弁31を介して接続した給排水枡32が設けられている。この給排水枡32の耕作区側には、堰板33を着脱可能に設けた給排水口34が設けられており、前記給排水弁31を開き、給排水口34から堰板33を取り外した状態で、耕作区13の地表面からの余剰水の排出や耕作区13の地表面への用水の給水を行うことができるようにしている。
そして、耕作区13の給水路14側に、本発明の地下灌漑システムに適用した地下灌漑用給水枡41が設けられている。この地下灌漑用給水枡41は、給水路14から用水を取り入れるための取水口42と、耕作区13の地表面に連通した圃場給水口43と、前記有孔管22に用水を供給するための地下給水管35に接続した地下灌漑用給水口44と、前記有孔管22の上流側(地下灌漑用給水枡41側)に接続する掃流口45とを備えており、前記取水口42及び圃場給水口43と、地下灌漑用給水口44及び掃流口45との間には、用水中のゴミ類を分離するためのフィルター46が設けられている。
地下灌漑用給水枡41の側壁を貫通した状態で設けられている前記取水口42は、図3にも示すように、取水弁等の取水量制御手段51を介して前記給水路14に接続しており、給水路14を流れる用水との間の僅かな圧力差によって地下灌漑用給水枡41内に用水を取水できるようにするとともに、取水口部分の施工や管理を簡単に行えるようにしている。この取水量制御手段51には、取水量を調節する機能だけではなく、取水した用水の水勢を緩和する機能や、耕作区13から給水路14への逆流を防止する機能を備えたものを使用することが好ましく、例えば、取水量制御手段51の先に、内部に邪魔板等を設けた水勢緩和器51a等を取り付けておくことが望ましい。なお、図3に示す給水路14は、U字溝の中にパイプラインを敷設したものとなっている。
また、前記圃場給水口43は、地下灌漑用給水枡41の側壁部に耕作区13に連通する開口を形成し、この開口に堰のような地上給水量制御手段52を設けたものであって、この地上給水量制御手段52によって給水量(給水水位)を制御するとともに、圃場給水口43を開閉できるようにしている。
さらに、前記地下灌漑用給水口44は、止水栓等の地下給水量制御手段53を介して前記地下給水管35に接続している。この地下給水管35は、耕作区13の地中に、前記有孔管22と同程度の深さ、好ましくは有孔管22よりも深い位置に、水平方向あるいは排水路15側に向かって適度な水勾配を設けた状態で埋設されており、末端が前記水位設定器24における流入室28の下部に接続し、流入室28から地下排水弁23及び集合管21を介して有孔管22の排水側に接続した状態となっている。また、前記掃流口45は、止水栓等の流路開閉手段54を介して掃流分岐管36に接続しており、この掃流分岐管36に前記有孔管22の上流側がそれぞれ接続されている。
このように形成した地下灌漑用給水枡41は、稲作時における地表水位の管理と畑作時における地下水位の管理とに応じて用水を効果的に耕作区13に供給することができる。例えば、稲作時において、耕作区13内に用水を供給する際には、水位設定器24の上部可動堰27を田面水位に対応した位置に引き上げた状態で、地下灌漑用給水枡41における取水量制御手段51、地上給水量制御手段52及び地下給水量制御手段53と、排水側にある給排水弁31及び地下排水弁23とを開いた状態とする。
これにより、給水路14を流れる用水が取水口42から地下灌漑用給水枡41に流入し、圃場給水口43から耕作区13の地表に直接供給されるとともに、地下灌漑用給水口44から地下給水管35に流入した用水が水位設定器24の流入室28に流入し、その一部が給排水枡32を通って耕作区13の地表に排水路側から供給され、残りの用水が集合管21から有孔管22を経て耕作区13の地中に供給される。このようにして耕作区13に用水を供給することにより、耕作区13への大量の用水の供給を短時間で行うことができる。耕作区13の余剰の用水は、水位設定器24の上部可動堰27を超えて排水室29に流下し、排水管30から排水路15に排出される。なお、用水の供給箇所及び給水量は、地上給水量制御手段52、地下給水量制御手段53、給排水弁31及び地下排水弁23の開閉等によって任意に選択することができる。
代掻き等で用水中に耕作区13内の土が多量に舞い上がるようなときは、圃場給水口43の地上給水量制御手段52を閉じて耕作区13の用水が地下灌漑用給水枡41内に流入しないようにしておくことにより、大量の土を含む水が地下灌漑用給水枡41から給水路14に逆流したり、地下給水管35に流入することを防止できる。この場合も、地下給水量制御手段53を開いて地下給水管35から有孔管22への給水を継続することにより、耕作区13内の水位が低下することはない。
耕作区13内の水位を維持する場合、前述のように、地下灌漑用給水枡41の圃場給水口43と地下灌漑用給水口44とからの用水供給を継続した状態としておいてもよいが、地上給水量制御手段52を閉じて圃場給水口43から耕作区地表面への用水の流入を止め、地下給水管35から有孔管22や給排水枡32に用水を供給する状態にすることもできる。このような状態で用水管理を行うことにより、蒸発や地中への浸透によって耕作区13内の水量が減少した場合には、主として給排水枡32から耕作区13内に用水が流入して水位を維持し、降雨等により耕作区13内の水位が上昇すると、余剰の用水が給排水枡32から水位設定器24の上部可動堰27を超えて排出される状態となる。
これにより、耕作区13内の水位が水位設定器24に設定した水位、例えば、地上15〜25cm、特に20cm程度に維持することができる。このように、耕作区13への給排水を、地下灌漑用給水口44に接続した地下給水管35を介して排水路側に接続した有孔管22や給排水枡32で行うことにより、耕作区13内に給水路14側から排水路15側へ向かう用水の流れが発生せず、この流れに伴って農薬や肥料等が排水路15に流出することがなくなり、農薬や肥料等の効果が十分に得られるとともに、農薬等の流出による環境破壊の問題も解消することができる。さらに、有孔管22から給水することにより、地表から地下に浸透する水量が減少するので、これによっても農薬や肥料の有効活用が図れる。
また、地下給水量制御手段53を閉じて地上給水量制御手段52を開放することにより、耕作区13内に給水路側の地下灌漑用給水枡41から排水路側の給排水枡32に向かう適度な水の流れを形成することができるので、例えば、夏季に耕作区13内の水温を下げたり、硫化水素等の有害物質を地中から排出したりすることができる。特に、地表に供給した用水を有孔管22を介して地下から排出することにより、地中の有害物質をより効果的に排出することができる。
さらに、地上給水量制御手段52を堰で形成し、その高さを田面水位より僅かに高く設定しておくことにより、大雨で耕作区13の水位が上昇したときに、余剰水が堰を超えて地下灌漑用給水枡41内に流入し、地下灌漑用給水口44から地下給水管35を通って水位設定器24に流れ、水位設定器24から排出されることになるので、地下灌漑用給水枡41からも余剰水を効率よく排出することができる。
一方、畑作時には、水位設定器24で耕作区13の地下水位を畑作時に適した地下灌漑用水位、例えば地下30〜50cmの範囲に設定した状態で、取水量制御手段51、地下給水量制御手段53、地下排水弁23及び給排水弁31を開いておくことにより、給水路14から地下灌漑用給水枡41に取水した用水を、地下給水管35から水位設定器24の流入室28、地下排水弁23及び集合管21から有孔管22を介して耕作区13の地中に供給し、地下水位を所定水位に保つことができる。また、降雨等によって地下水位が上昇したときには、耕作区13の余剰の地下水が有孔管22に流入し、水位設定器24を経て排水管30から排水路15に排出することができる。さらに、大雨によって耕作区13が冠水状態となるようなときには、地表水を給排水枡32から直接排出することができるので、耕作区13の冠水状態を速やかに解消することができる。
また、畑作時においても、耕作区13に地表水を供給する必要があるときには、地上給水量制御手段52を開いて地下給水量制御手段53を閉じることにより、圃場給水口43から地表に用水を直接供給することができる。逆に、取水量制御手段51を閉じて水位設定器24の下部固定堰26を引き上げることにより、有孔管22を通して耕作区13の排水を速やかに行うことができる。
このような灌漑状態において、前記有孔管22には、前記地下給水管35から水位設定器24を通り、集合管21を経て各有孔管22に分岐した用水がそれぞれ流入する状態となっている。このように、有孔管22に流入する用水を、給水路14から直接ではなく、地下灌漑用給水枡41の地下灌漑用給水口44から地下給水管35を通して有孔管22の下流側から流入するように形成したことにより、給水路14から供給される用水に土砂等が多く含まれている場合でも、用水中の土砂等を地下給水管35内で沈降させることができ、有孔管22に流入する土砂等の量を大幅に減少させることができる。このとき、地下給水管35の口径や取水量を適当に設定して用水の流速を十分に遅くすることにより、地下給水管35での土砂等の沈降分離を略完全に行うことが可能となり、有孔管22への土砂等の流入を確実に防止することができる。
また、取水口42及び圃場給水口43と地下灌漑用給水口44及び掃流口45との間にフィルター46を設けておくことにより、給水路14から取水した用水や耕作区13から逆流した用水中にゴミ類が含まれていた場合でも、これが地下給水管35や有孔管22に流入することがなくなるので、これらの配管が閉塞してしまうことを確実に防止できる。
さらに、地下灌漑用給水枡41に有孔管22の上流側に接続する掃流口45を設けておくことにより、適当な時期に地上給水量制御手段52及び地下給水量制御手段53を閉じて流路開閉手段54を開くとともに、水位設定器24の下部固定堰26を引き上げることにより、取水口42から取水した用水を有孔管22の上流側から下流側に向けて流すことができるので、有孔管22内に土砂が侵入したとしても、この土砂を有孔管22内から排水路15に向けて排出することができ、有孔管22内の清掃を行うことができる。
なお、前記集合管21や地下給水管35は、複数の有孔管22の全体に用水を供給可能な状態とするため、有孔管22より口径の大きなものが用いられており、例えば有孔管22の口径の2倍程度の口径のパイプを用いるようにする。また、前記取水量制御手段51や給水量制御手段52,53、流路開閉手段54、あるいは排水側の各弁は、少なくとも水の流れを遮断することができればよく、各種構造の弁だけでなく、堰や水閘を使用することもでき、流量制御機能を付加することもできる。さらに、水位設定器24の構造も任意であり、堰に代えて二重構造のスライドパイプ型式のものなど、任意の水位設定手段を使用することが可能である。また、下部固定堰26の高さを、畑作時の作物に最適な地下水位に対応した高さとしておくことにより、稲作時と畑作時との切り換えを、上部可動堰27を最上方に引き上げて固定するだけの操作で行うことができる。さらに、地下灌漑用給水枡41は、コンクリート、合成樹脂、その他の各種材料で形成することが可能であり、角筒状に限らず、円筒状に形成することもできる。
さらに、複数設けられている有孔管22の中の一部、通常は1本に大径の有孔管を使用して前記地下給水管と同等の機能を持たせ、この大径有孔管の給水路側を前記地下灌漑用給水口44を介して地下灌漑用給水枡41に接続し、その他の各有孔管22への用水の供給を、この大径有孔管から集合管21を介して行うようにすることもできる。
このように、地下給水管として大径有孔管を使用した場合でも、前記同様の用水管理、地下灌漑を行えるとともに、大径有孔管内で土砂等の沈降分離を行うことができる。この大径有孔管内に沈降した土砂等は、水位設定器24の下部固定堰26を引き上げることにより、前記地下給水管の場合と同様にして排出することができる。
次に、図4乃至図6は、本発明の地下灌漑システムに適用する地下灌漑用給水枡の他の形態例を示すもので、図4は平面図、図5は断面正面図、図6は断面側面図である。なお、前記形態例に示した地下灌漑用給水枡と同一の構成要素にはそれぞれ同一の符号を付してこれらの詳細な説明は省略する。
本形態例に示す地下灌漑用給水枡61は、農道11の地下に埋設した給水パイプライン62から用水を取り入れるようにした例を示すものであって、地下灌漑用給水枡61の底部に、取水口42、地下灌漑用給水口44及び掃流口45が貫通して上向きに開口しており、耕作区13側の枡側壁には、圃場給水口43が開口している。
取水口42には、取水口42の上端部開口を開閉する給水弁63が装着されている。この給水弁63は、門型のガイド部材64に沿って取水口42の軸線方向に上下動可能な弁体65を設け、ハンドル66を操作して弁体65を上下動させることにより、取水口42からの取水量を調節できるように形成されている。このような給水弁63は、取水口42の上端部開口から噴出した用水が弁体65に衝突して周囲に散乱する状態となるので、取水した用水の水勢を緩和することができる。さらに、給水弁63の周囲を、適当な高さの上縁を有する筒状の逆流防止堰67で覆うことにより、耕作区13からの逆流を防止することができる。
前記地下灌漑用給水口44は、地下灌漑用給水枡61の底面近くで、圃場地表面GLより下方に開口しており、地下灌漑用給水枡61から地下灌漑用給水口44を介して排水も行えるようにしている。掃流口45は、地下灌漑用給水口44よりも上方に開口しており、有孔管を清掃する際に地下灌漑用給水枡61の底面に土砂等が堆積していても、これらが掃流口45に流入しないようにしている。また、地下灌漑用給水口44及び掃流口45には、着脱可能なキャップ71,72をそれぞれ装着することによって前記地下給水量制御手段及び流路開閉手段としている。
圃場給水口43は、圃場地表面GLよりも下方まで開口しており、開口両側部分には堰板73を装着するためのガイド溝73aが設けられている。通常、この圃場給水口43には、田面水位WLに対応した高さの堰板73を取り付けた状態とし、堰板73をオーバーフローさせて耕作区13の給排水を行えるようにしている。また、地下灌漑用給水枡61の中央部には、取水口42及び圃場給水口43と、地下灌漑用給水口44及び掃流口45とを区画するようにしてフィルター46が設けられており、地下灌漑用給水口44や掃流口45にゴミ類が流入することを防止している。
なお、前記図1〜図3に示した地下灌漑用給水枡41においても、取水口部分及び給水弁以外は本形態例と同様に形成することができる。
本発明の地下灌漑システムに適用する地下灌漑用給水枡を設置した圃場の一例を示す配管系統図である。 同じく縦断面図である。 地下灌漑用給水枡の断面側面図である。 本発明の地下灌漑用給水枡の他の形態例を示す平面図である。 同じく断面正面図である。 同じく断面側面図である。
11…農道、12…畦畔、13…耕作区、14…給水路、15…排水路、21…集合管、22…有孔管、23…地下排水弁、24…水位設定器、25…水位設定枡、26…下部固定堰、27…上部可動堰、26a、27a…ガイド溝、28…流入室、29…排水室、30…排水管、31…給排水弁、32…給排水枡、33…堰板、34…給排水口、35…地下給水管、36…掃流分岐管、41…地下灌漑用給水枡、42…取水口、43…圃場給水口、44…地下灌漑用給水口、45…掃流口、46…フィルター、51…取水量制御手段、51a…水勢緩和器、52…地上給水量制御手段、53…地下給水量制御手段、54…流路開閉手段、61…地下灌漑用給水枡、62…給水パイプライン、63…給水弁、64…ガイド部材、65…弁体、66…ハンドル、67…逆流防止堰、71,72…キャップ、73…堰板

Claims (10)

  1. 圃場の地中に有孔管を埋設するとともに該有孔管の下流側に水位設定器を設置し、該水位設定器で給水ラインから圃場に供給された用水の排水水位を調節することにより圃場の水位を設定する地下灌漑システムにおいて、
    前記給水ラインに接続した取水口と、取水量を制御する取水量制御手段と、圃場内に連通した圃場給水口と、前記有孔管に用水を供給するための地下給水管に接続した地下灌漑用給水口とを備えた地下灌漑用給水枡を設置するとともに、
    前記取水口先端には、取水した用水の水勢を緩和する水勢緩和器が取り付けられていることを特徴とする地下灌漑システム。
  2. 圃場の地中に有孔管を埋設するとともに該有孔管の下流側に水位設定器を設置し、該水位設定器で給水ラインから圃場に供給された用水の排水水位を調節することにより圃場の水位を設定する地下灌漑システムにおいて、
    前記給水ラインに接続した取水口と、取水量を制御する取水量制御手段と、圃場内に連通した圃場給水口と、前記有孔管に用水を供給するための地下給水管に接続した地下灌漑用給水口とを備えた地下灌漑用給水枡を設置するとともに、
    前記給水ラインから取水口に至る管路は、地下灌漑用給水枡の底部を貫通して上方に開口するように設けられていることを特徴とする地下灌漑システム。
  3. 圃場の地中に有孔管を埋設するとともに該有孔管の下流側に水位設定器を設置し、該水位設定器で給水ラインから圃場に供給された用水の排水水位を調節することにより圃場の水位を設定する地下灌漑システムにおいて、
    前記給水ラインに接続した取水口と、取水量を制御する取水量制御手段と、圃場内に連通した圃場給水口と、前記有孔管に用水を供給するための地下給水管に接続した地下灌漑用給水口とを備えた地下灌漑用給水枡を設置するとともに、
    前記取水口先端には、取水口の上端開口を開閉する給水弁が装着されていることを特徴とする地下灌漑システム。
  4. 圃場の地中に有孔管を埋設するとともに該有孔管の下流側に水位設定器を設置し、該水位設定器で給水ラインから圃場に供給された用水の排水水位を調節することにより圃場の水位を設定する地下灌漑システムにおいて、
    前記給水ラインに接続した取水口と、取水量を制御する取水量制御手段と、圃場内に連通した圃場給水口と、前記有孔管に用水を供給するための地下給水管に接続した地下灌漑用給水口とを備えた地下灌漑用給水枡を設置するとともに、
    前記取水口は、逆流防止手段を有していることを特徴とする地下灌漑システム。
  5. 圃場の地中に有孔管を埋設するとともに該有孔管の下流側に水位設定器を設置し、該水位設定器で給水ラインから圃場に供給された用水の排水水位を調節することにより圃場の水位を設定する地下灌漑システムにおいて、
    前記給水ラインに接続した取水口と、取水量を制御する取水量制御手段と、圃場内に連通した圃場給水口と、前記有孔管に用水を供給するための地下給水管に接続した地下灌漑用給水口とを備えた地下灌漑用給水枡を設置するとともに、
    前記取水口と前記地下灌漑用給水口との間に用水中のゴミ類を分離するためのフィルターを備え、且つ前記圃場給水口と前記取水口は前記フィルターを介さずに連通していることを特徴とする地下灌漑システム。
  6. 圃場の地中に有孔管を埋設するとともに該有孔管の下流側に水位設定器を設置し、該水位設定器で給水ラインから圃場に供給された用水の排水水位を調節することにより圃場の水位を設定する地下灌漑システムにおいて、
    前記給水ラインに接続した取水口と、取水量を制御する取水量制御手段と、圃場内に連通した圃場給水口と、前記有孔管に用水を供給するための地下給水管に接続した地下灌漑用給水口とを備えた地下灌漑用給水枡を設置するとともに、
    前記給水ラインは、U字溝の中にパイプラインを敷設したものであることを特徴とする地下灌漑システム。
  7. 圃場の地中に有孔管を埋設するとともに該有孔管の下流側に水位設定器を設置し、該水位設定器で給水ラインから圃場に供給された用水の排水水位を調節することにより圃場の水位を設定する地下灌漑システムにおいて、
    前記給水ラインに接続した取水口と、取水量を制御する取水量制御手段と、圃場内に連通した圃場給水口と、前記有孔管に用水を供給するための地下給水管に接続した地下灌漑用給水口とを備えた地下灌漑用給水枡を設置するとともに、
    前記有孔管の地下灌漑用給水枡側は、地上に開口する掃流口を有する掃流分岐管が接続されていることを特徴とする地下灌漑システム。
  8. 圃場の地中に有孔管を埋設するとともに該有孔管の下流側に水位設定器を設置し、該水位設定器で給水ラインから圃場に供給された用水の排水水位を調節することにより圃場の水位を設定する地下灌漑システムにおいて、
    前記給水ラインに接続した取水口と、取水量を制御する取水量制御手段と、圃場内に連通した圃場給水口と、前記有孔管に用水を供給するための地下給水管に接続した地下灌漑用給水口とを備えた地下灌漑用給水枡を設置するとともに、
    前記有孔管の地下灌漑用給水枡側に流路開閉手段を介して地下灌漑用給水枡に接続する掃流口が設けられていることを特徴とする地下灌漑システム。
  9. 圃場の地中に有孔管を埋設するとともに該有孔管の下流側に水位設定器を設置し、該水位設定器で給水ラインから圃場に供給された用水の排水水位を調節することにより圃場の水位を設定する地下灌漑システムにおいて、
    前記給水ラインに接続した取水口と、取水量を制御する取水量制御手段と、圃場内に連通した圃場給水口と、前記有孔管に用水を供給するための地下給水管に接続した地下灌漑用給水口とを備えた地下灌漑用給水枡を設置するとともに、
    前記有孔管の地下灌漑用給水枡側に地下灌漑用給水枡に接続する掃流口が設けられ、
    前記掃流口が前記地下灌漑用給水口に隣接して設けられ、該掃流口及び地下灌漑用給水口と前記取水口との間に用水中のゴミ類を分離するためのフィルターを備えていることを特徴とする地下灌漑システム。
  10. 圃場の地中に有孔管を埋設するとともに該有孔管の下流側に水位設定器を設置し、該水位設定器で給水ラインから圃場に供給された用水の排水水位を調節することにより圃場の水位を設定する地下灌漑システムにおいて、
    前記給水ラインに接続した取水口と、取水量を制御する取水量制御手段と、圃場内に連通した圃場給水口と、前記有孔管に用水を供給するための地下給水管に接続した地下灌漑用給水口とを備えた地下灌漑用給水枡を設置するとともに、
    前記有孔管の地下灌漑用給水枡側に地下灌漑用給水枡に接続する掃流口が設けられ、 前記掃流口は、前記地下灌漑用給水口より上方に開口していることを特徴とする地下灌漑システム。
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