JP4442575B2 - コネクタ - Google Patents
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請求項5の発明は、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のものにおいて、前記被係止部は、前記スライダの移動方向に沿って一対設けられるとともに、前記係止部は共用とされ、前記待機位置と前記嵌合位置とで前記各被係止部と係止するところに特徴を有する。
請求項1の発明によると、撓み空間を成形する金型をカム板の厚さ方向内側から外側に向かう方向に型抜きすることで、撓み空間を構成する周壁を全周に亘って形成し、カム板の撓み空間の周辺部分における強度確保を行うことができる。
請求項2の発明によると、スライダは、フォロアピンをカム溝の入口に受入可能とする待機位置と、両ハウジングの嵌合が完了する嵌合位置との間を移動可能に設けられるから、待機位置にあるスライダが嵌合位置へ移動するのを規制することができるとともに、嵌合位置にあるスライダが待機位置へ移動するのを規制することができる。
請求項3の発明によると、収容空間は、一方のハウジングを幅方向に貫通して設けて、その幅方向両側からスライダを選択的に挿入可能とされるから、両ハウジングの組み付け現場の状況に応じてスライダの挿入方向を適宜選択することができる。
請求項4の発明によると、カム板には、案内部が設けられ、収容空間を構成する内壁には、収容空間に対してカム板を正規方向から挿入するときには案内部と整合となって挿入を許容し、正規方向以外では案内部と非整合となって挿入を規制する案内受け部が設けられるから、スライダを正規方向から確実に挿入することが可能である。
<請求項5の発明>
請求項5の発明によると、被係止部は、スライダの移動方向に沿って一対設けられるとともに、係止部は共用とされ、待機位置と嵌合位置とで各被係止部と係止するから、スライダ側に1箇所の係止部を設けるだけで済み、カム板の強度低下につながる撓み空間の設置箇所を減らして、スライダの構造を簡素化することができるとともにカム板の強度確保を行うことができる。
本発明の実施形態1を図1ないし図20によって説明する。本実施形態におけるコネクタは、雌ハウジング10と、雄ハウジング20と、スライダ30とから構成され、両ハウジング10,20の嵌合方向と直交する方向からスライダ30を組み付けて挿入することによって両ハウジング10,20の嵌合を行わせるようにされている。尚、以下の説明において、前後方向については両ハウジング10,20の嵌合方向を基準として嵌合面側を前方とし、幅方向についてはスライダ30の挿入方向を基準とし、上下方向については図13における上下方向(スライダ30についてはカム板の厚さ方向)を基準とする。
まず、スライダ30を雌ハウジング10に組み付ける。スライダ30は、図7に示すように、収容空間Sの幅方向両側から組み付け可能とされ、雄ハウジング20との組み付け現場の状況に応じて組み付け方向を自由に選択することができる。組み付けに際しては、図12に示すように、カム板31の切欠き面31Aが空間構成部17のテーパ面17Aと対面するようにして組み付ける。これにより、スライダ30が上下反転した姿勢で挿入されることが規制され、スライダ30を押し込む。スライダ30が嵌合位置に至ると、第2係止部38の第2係止突起38Aの両傾斜面が、一対の被係止部53,53のうちスライダ30の組み付け側の被係止部(以下、単に被係止部という。)53の内壁に係止して、スライダ30が待機位置側に移動可能に嵌合位置に保持される。一方、第1係止部32の第1係止突起32Aは、逃がし空間52内に位置して受け面17Cと干渉することが回避されるとともに、第1係止部32が撓んだままとなることが規制される。
1.撓み空間35を成形する金型をカム板31の厚さ方向内側から外側に向かう方向に型抜きすることで、一対のカム板31,31が対向状態で配されるスライダ30において撓み空間35を構成する周壁35Aが全周に亘って形成されるから、カム板31の強度確保を行うことができる。
2.スライダ30は、フォロアピン25をカム溝34の入口34Aに受入可能とする待機位置と、両ハウジング10,20の嵌合が完了する嵌合位置との間を移動可能に設けられるから、待機位置にあるスライダ30が嵌合位置へ移動するのを規制することができるとともに、嵌合位置にあるスライダ30が待機位置へ移動するのを規制することができる。
3.収容空間Sは、雌ハウジング10を幅方向に貫通して設けて、その幅方向両側からスライダ30を選択的に挿入可能とされるから、両ハウジング10,20の組み付け現場の状況に応じてスライダ30の挿入方向を適宜選択することができる。
4.カム板31には、切欠き面31Aが設けられ、空間構成部17には、収容空間Sに対してカム板31を正規方向から挿入するときには切欠き面31Aと整合となって挿入を許容し、正規方向以外では切欠き面31Aと非整合となって挿入を規制するテーパ面17Aが設けられるから、スライダ30を正規方向から確実に挿入することが可能である。
5.逃がし空間52と被係止部53を成形する金型を両ハウジング10,20の嵌合方向に沿って型抜きすることで、両ハウジング10,20の嵌合方向と直交する面に型抜き孔54が形成されるから、金型の型抜き方向が2方向からなるスライド金型を使用することが可能となり、金型構造を簡素化してコスト低減を図ることができる。
6.スライダ30は、一対のカム板31,31と、その両カム板31,31の端部同士を連結する操作部33とからなるから、操作部を押し込むことでスライダの挿入を容易に行うことができる。
次に、本発明の実施形態2を図21ないし図25によって説明する。本実施形態におけるコネクタは、実施形態1における雌ハウジング10とスライダ30の係止構造を一部変更したものであり、その他の重複する構造については説明を省略する。本実施形態において雌ハウジング60の逃がし空間61と被係止部62を成形する金型を型抜きするための型抜き孔63は、実施形態1の型抜き孔54と同様に、幅方向に長い孔形状で、嵌合筒部12を挟んで上下一対設けられている。型抜き孔63を構成する各壁面のうち上下方向に対向する両壁面間には、型抜き孔63を左右に分割する仕切り壁64が架設されている。型抜き孔63において、左側が左型抜き孔63Lとされ、右側が右型抜き孔63Rとされている。両型抜き孔63L,63Rは、仕切り壁64を上下方向に通る軸心に関して左右対称をなしている。尚、以下の構造説明においては嵌合筒部12の上側の左型抜き孔63Lを代表として説明する。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
17…空間構成部(収容空間を構成する壁面)
17A…テーパ面(案内受け部)
17C…受け面
20…雄ハウジング(他方のハウジング)
25…フォロアピン
30,65…スライダ
31,66…カム板
31A…切欠き面(案内部)
32…第1係止部
33…操作部
34…カム溝
34A…カム溝の入口
35…撓み空間
35A…周壁
38…第2係止部
52,61…逃がし空間
53,62…被係止部
54,63…型抜き孔
67…係止部
S…収容空間
Claims (5)
- 互いに嵌合可能な一対のハウジングのうちいずれか一方には、両ハウジングの嵌合方向に貫通して形成されたキャビティを内部に有する本体部と、この本体部の外部側に配されて両ハウジングの嵌合方向と直交する向きに開口する一対の収容空間と、この一対の収容空間に組み付け可能なスライダとが設けられ、
前記スライダは、前記一対の収容空間内に収容される一対のカム板を有しかつ全体としてコの字をなし、前記カム板には、他方のハウジングに配されるフォロアピンと係合可能なカム溝と、前記カム板の板厚の範囲内において前記カム板の厚さ方向外側に開口する撓み空間と、その撓み空間を設けることで残った部分が前記カム板の厚さ方向外側に撓み変形する係止部とが設けられ、
前記収容空間を構成する壁面のうち、カム板の厚さ方向内側の面に対する受け面には、前記係止部と係止して前記スライダを所定位置に保持する被係止部と、前記スライダの挿入方向に沿って前記係止部と前記受け面との干渉を回避する逃がし空間とが前記キャビティ側に凹設され、
前記スライダを前記収容空間内に挿入することにより前記フォロアピンと前記カム溝との係合によるカム作用によって前記両ハウジングの嵌合を行わせるコネクタであって、
前記撓み空間を成形する金型を前記カム板の厚さ方向内側から外側に向かう方向に型抜きすることで、前記撓み空間を構成する周壁が全周に亘って形成されることを特徴とするコネクタ。 - 前記スライダは、前記フォロアピンを前記カム溝の入口に受入可能とする待機位置と、前記両ハウジングの嵌合が完了する嵌合位置とで保持可能とされ、かつ前記待機位置と前記嵌合位置との間を移動可能に設けられることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
- 前記収容空間は、前記一方のハウジングを幅方向に貫通して設けて、その幅方向両側から前記スライダを選択的に挿入可能とされることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコネクタ。
- 前記カム板には、案内部が設けられ、前記収容空間を構成する壁面には、前記収容空間に対して前記カム板を正規方向から挿入するときには前記案内部と整合となって前記挿入を許容し、正規方向以外では前記案内部と非整合となって前記挿入を規制する案内受け部が設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のコネクタ。
- 前記被係止部は、前記スライダの移動方向に沿って一対設けられるとともに、前記係止部は共用とされ、前記待機位置と前記嵌合位置とで前記各被係止部と係止することを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のコネクタ。
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