JP2008021498A - コネクタ - Google Patents

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Kazuaki Takeda
和亜希 武田
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Abstract

【課題】ハウジングを成形する金型の構造を簡素化するとともに、ハウジングの低背化を実現する。
【解決手段】雌ハウジング10をフード部61に内嵌させた状態で、フード部61の第1係合孔66に挿入保持されたリテーナ80を雌ハウジング10側へ押し込む。リテーナ80は、雌ハウジング10側の第2係合孔18内に進入し、かつ、キャビティ11内に正規挿入された端子金具30を抜け止め状態で係止する。リテーナ80は常にはフード部61側に保持されており、雌ハウジング10は単品状態ではリテーナ80を保持することがないから、雌ハウジング10の外側面からリテーナ80が突出したりすることがなく、また雌ハウジング10側にリテーナ80に対応する金型構造を設ける必要はない。
【選択図】図1

Description

本発明は、コネクタに関する。
特許文献1には、キャビティを有するハウジングにヒンジを介してリテーナが傾動可能に取り付けられたものが開示されている。このものは、キャビティ内に挿入された端子金具をキャビティの内壁に形成されたランスによって弾性的に係止させ、さらに端子金具にリテーナを係止させて、端子金具をランスとリテーナとで二重係止する構成となっている。リテーナは、ハウジングの外側面より突出してキャビティ外へ退避されることで、キャビティ内への端子金具の挿抜を許容する係止解除位置と、そこからヒンジを中心として回動されてその突出量を減少させ、ハウジングの外側面に形成されたリテーナ装着孔を閉止しつつキャビティ内に進入することで、そのキャビティ内に正規挿入された端子金具を抜け止めする係止位置とに選択的に保持される。
特開2002−184506公報
ところで、上記の場合は、ハウジングにランスとリテーナとが含まれていることから、ハウジングを成形する際に、ランスおよびリテーナに対応した金型の構造が複雑になるという事情がある。そのため、コストが高くつくのに加え、ハウジングが小型化すると金型強度を十分に保てなくなるという問題があった。さらに、リテーナは、係止解除位置にてハウジングの外側面から突出して配されるため、高さ方向に嵩張って取り扱い辛いという問題もあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、リテーナで端子金具を抜け止めするものにおいて、ハウジングを成形する金型の構造を簡素化するとともに、ハウジングの低背化を実現することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、端子金具を挿入可能なキャビティを有するハウジングと、前記ハウジングと嵌合して所定の機能を発揮する嵌合部材と、常には前記嵌合部材に保持されており、前記ハウジングと前記嵌合部材とが嵌合状態にあるときに、前記ハウジング側へ押し込まれて前記キャビティ内に進入し、前記キャビティ内に正規挿入された前記端子金具を抜け止め状態で係止するリテーナとを備える構成としたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記嵌合部材は前記ハウジングを内嵌可能な筒状のフード部を備え、前記フード部には、前記嵌合部材に対する前記ハウジングの嵌合方向と交差する方向に貫通する第1係合孔が形成され、前記ハウジングには、同じく前記嵌合方向と交差する方向に貫通するとともに前記キャビティと連通し、かつ、前記ハウジングと前記嵌合部材とが嵌合状態にあるときに、前記第1係合孔とも連通する第2係合孔が形成され、前記リテーナは、前記ハウジングと前記嵌合部材とが嵌合する前、前記嵌合部材側において前記第1係合孔内に保持される一方、前記ハウジングと前記嵌合部材とが嵌合状態にあるときに、前記第2係合孔側へ移動して、前記第1係合孔と前記第2係合孔とにまたがった状態で保持可能とされるところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記ハウジングが前記嵌合部材に正規嵌合された場合は前記第1係合孔から前記第2係合孔側へ移動する前記リテーナの押し込み操作が許容され、第ハウジングが前記嵌合部材に正規嵌合されていない場合は前記リテーナが前記第2係合孔の開口縁周りに干渉して前記第2係合孔への押し込み操作が規制されるところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記ハウジングの外側面には、前記キャビティに対しその延出方向に沿って連通することで、前記端子金具を、前記嵌合部材に対する前記ハウジングの嵌合方向と直交する方向から前記キャビティ内に差し入れ可能とする挿入溝が開設されており、かつ、前記挿入溝の溝側壁には、前記キャビティ内に挿入された前記端子金具を抜け止めする壁面係止部が内向きに突出して形成され、かつ、前記キャビティの内壁には、前記端子金具の差し入れ方向と対向する面に、固定係止部が固定して設けられており、前記キャビティ内に前記端子金具が挿入される過程では、前記壁面係止部が前記端子金具により押されて前記挿入溝の溝側壁を弾性的に拡開させ、前記キャビティ内に前記端子金具が正規挿入されたときには、前記端子金具が、前記固定係止部に係止されるとともに、前記溝側壁の戻り動作によって前記壁面係止部にも係止されて、前記キャビティから抜け止めされるところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のものにおいて、前記嵌合部材は、前記端子金具と接続可能な複数本のタブ片を突出させたジョイント端子を圧入またはインサートによって装着させたジョイントハウジングからなるところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
ハウジングと嵌合部材とを嵌合させた後、嵌合部材に保持されたリテーナをハウジング側へ押し込んでキャビティ内に進入させ、キャビティ内に正規挿入された端子金具を抜け止め状態で係止する。リテーナは常には嵌合部材に保持されているから、ハウジングは単品として扱われるときにリテーナを保持することがない。したがって、ハウジングの外側面からリテーナが突出したりせず、ハウジングの高さ寸法が低く抑えられる。また、ハウジングを成形するに際して、リテーナに対応する金型構造を設けずに済むから、金型構造の簡素化を図れる。
<請求項2の発明>
筒状のフード部にハウジングが内嵌すると、フード部の第1係合孔とハウジングの第2係合孔とが連通される。この状態で、フード部の第1係合孔内に保持されたリテーナを第2係合孔側へ押し込むと、リテーナは第1係合孔と第2係合孔とにまたがった状態で保持される。これにより、フード部(嵌合部材)とハウジングとは、リテーナを介して離脱規制状態で連結される。したがって、嵌合部材とハウジングとを連結させるためのロック構造(ロック突部、ロックアーム等)を別途形成する必要がなく、ハウジング(および嵌合部材)の金型構造をいっそう簡素化できる。また、リテーナは、嵌合前、フード部の第1係合孔内に収められることで、外部異物から保護される。
<請求項3の発明>
ハウジングが嵌合部材に正規嵌合されていると、第1係合孔から第2係合孔へとリテーナの押し込み操作が許容される一方、ハウジングが嵌合部材に正規嵌合されていないと、リテーナが第2係合孔の開口縁周りと干渉して、リテーナの押し込み操作が規制されるから、リテーナの移動操作の可否によって、ハウジングの嵌合状態を簡単に検知できる。
<請求項4の発明>
ハウジングに対して嵌合方向と直交する方向から端子金具を差し込むと、端子金具は、挿入溝を通してキャビティ内に挿入され、キャビティの内壁に形成された固定係止部に係止されるとともに、挿入溝の溝側壁に形成された壁面係止部により弾性的に係止され、もってキャビティからの抜け止めがなされる。これによれば、従来における高さ方向に変位するランスが不要とされ、ハウジングにランスの撓み空間などを確保する必要がないため、ハウジング成形用の金型構造をよりいっそう簡素化できるとともに、ハウジングの高さ寸法をいっそう低く抑えることができる。
<請求項5の発明>
嵌合部材はジョイントハウジングからなり、ジョイントハウジングにはジョイント端子が圧入またはインサートにより装着されているから、ジョイント端子を抜け止めするためのランスおよびリテーナが不要となる。したがって、常には嵌合部材にハウジング側の端子金具を抜け止めするためのリテーナが保持されるという事情があっても、このリテーナのほかは嵌合部材の構造を格別複雑化させずに済む。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図12によって説明する。本実施形態のコネクタは、互いに嵌合・離脱を可能とされた雌雄一対のコネクタハウジングを備える。このうち、雌側のコネクタハウジング(本発明におけるハウジングに相当し、以下、雌ハウジング10という)には、前後方向に貫通するキャビティ11が形成され、キャビティ11内に、後方から雌型の端子金具30が挿入可能とされる。また、雄側のコネクタハウジング(本発明における嵌合部材に相当し、以下、雄ハウジング60という)には、筒状のフード部61が形成され、フード部61内に、雌ハウジング10が嵌合可能とされる。さらに、フード部61にはリテーナ80が組み付け可能とされ、このリテーナ80は雄ハウジング60側から雌ハウジング10側への移動を可能とされる。
端子金具30は導電性の金属板を折り曲げ加工して形成され、図7に示すように、前部に箱形の本体部31を備え、後部に電線35の端末にかしめ接続されるバレル部32,33を備える。バレル部32,33は、電線35の端末被覆に巻き付けられるインシュレーションバレル32と、電線35の端末芯線に巻き付けられるワイヤーバレル33とからなる。本体部31には前端から後方へ略山型に折り返された弾性接触片34が形成されている。弾性接触片34は、図3に示すように、本体部31において幅方向中央から一側へオフセットして配置され、その頂部付近に、相手側端子金具に対する接点部36を有している。また、本体部31の外壁には、後述するランス12により係止される係止受け部37が凹設されている。
雌ハウジング10は合成樹脂製であって、図7ないし図9に示すように、全体として前後方向に細長い形状をなしている。キャビティ11は、雌ハウジング10の前後両面に開口して横並びで2室設けられ、各キャビティ11毎に端子金具30を収容可能とされる。キャビティ11の前壁は、相手側となる雄ハウジング60側のタブ片71を受け入れ可能な挿通路13を残して閉止されており、雌ハウジング10の前面における挿通路13の開口縁に、タブ片71を誘い込むラッパ状のテーパ面14が全周に亘って形成されている。
各キャビティ11の内壁の上面には、上下方向(両ハウジング10,60の嵌合方向と直交する方向)に撓み変形可能とされるランス12が、前方へ向けて片持ち支持状に突出して形成されている。ランス12の先端部には、キャビティ11内へ向けて突出する係止突部15が形成されている。また、雌ハウジング10におけるランス12の上面より上方にはランス12の撓み空間16が保有されており、この撓み空間16は雌ハウジング10の前面に開口されている。さらに、キャビティ11の内壁には、ランス12の根元より後方位置から後方へ延出されて雌ハウジング10の後面に開口される受け溝17が切り欠いて形成され、この受け溝17に、端子金具30に設けられたスタビライザ38が案内可能に進入する。
そして、雌ハウジング10の外側面(詳しくは雌ハウジング10の下面)には、上下方向(高さ方向であって両ハウジング10,60の嵌合方向と直交する方向)に延びてキャビティ11に通ずる第2係合孔18が開口して形成されている。第2係合孔18は、図9に示すように、両キャビティ11にまたがって連通する一つの孔であって、雌ハウジング10の下面においてリテーナ80の外形に対応した方形状に開口する形態とされる。第2係合孔18の開口縁には、雌ハウジング10の下面に向かって次第に拡径されたテーパ面19が全周に亘って形成されている。また、第2係合孔18の開口は、弾性接触片34のオフセット量に対応して(端子金具30と相手側端子金具との接点位置に対応して)幅方向中央から一側へオフセットされている。
キャビティ11の内壁のうち第2係合孔18を挟んだ後部側は、前部側よりも高さ方向に薄肉とされ、キャビティ11の内壁の下面は、前部側より後部側のほうで一段低くなっている。そして、キャビティ11の内壁における後部側には、第2係合孔18にも臨む位置に、リテーナ80を引っ掛け状態で保持するための本係止部21が形成されている。図示する場合、本係止部21は、キャビティ11の内壁の下面からなり、略水平な平坦面として構成される。
雌ハウジング10は、従来における両ハウジング10,60を離脱規制状態で保持するためのロック構造(ロック突部またはロックアーム)を有しておらず、雌ハウジング10の外側面は、概ね前後方向に沿った平坦面とされる。なお、雌ハウジング10の下面の外縁には面取り部22が全周に亘って形成されている。
続いて、雄ハウジング60について説明する。雄ハウジング60は合成樹脂製であって、図10ないし図12に示すように、前方に開口する角筒状(詳しくは横長角筒状)のフード部61を備えている。フード部61の奥壁には、上記した端子金具30の相手側端子金具として構成されるジョイント端子70が圧入またはインサートにより装着されている。
ジョイント端子70は、幅方向に延びた基部72と、基部72に対して幅方向に一定のピッチで並びつつそこから前方へ突出する複数本(図示する場合は5本)のタブ片71とからなり、基部72がフード部61の奥壁に圧入またはインサートにより埋設され、各タブ片71の先端部がフード部61の内側に突出して配される。フード部61内における各タブ片71の先端位置は、フード部61の前後方向中央より少し後方位置に設定される。各タブ片71のうち両側に配された4本のタブ片71は、フード部61に嵌合された雌ハウジング10における各端子金具30と個別に接続されるようになっている。
フード部61は2室の収容部62を横並びで備え、各収容部62毎に、前方から雌ハウジング10を受け入れ可能となっている。隣接する収容部62間には、仕切り壁63が立設されており、仕切り壁63の高さ方向途中には、前後方向に沿って延出された通し溝64が切り込み形成されている。基部72の幅方向中央から突出するタブ片71は通し溝64に貫通して逃がされる。
フード部61の周壁は、雌ハウジング10と同様、従来における両ハウジング10,60を離脱規制状態で保持するためのロック構造(ロック突部またはロックアーム)を有しておらず、その外側面から径方向外向きに突き出るような構成は含まれない。そして、フード部61の周壁のうちの下壁65は、上壁および両側壁と比べて厚肉とされ、その前端部に、フード部61の下面からフード部61の内壁の下面にかけて、両ハウジング10,60の嵌合方向と直交する方向に貫通する第1係合孔66が形成されている。第1係合孔66は、各収容部62毎に対応して左右に一対設けられ、かつ、その上部を残してフード部61の前面にも開口されている。そして、第1係合孔66は、両ハウジング10,60が正規嵌合されたときに、第2係合孔18と上下方向で連通するようになっている。
また、フード部61の前端部には、第1係合孔66の上部に、リテーナ80が引っ掛け状態で保持される保持部67が形成されている。保持部67は、図11に示すように、フード部61の上壁(または両側壁)とほぼ同じ厚み寸法(高さ寸法)をもって幅方向に横架して配置され、その両端が縦壁68に連結されることにより、この左右の縦壁68とで門型をなしている。雌ハウジング10の前面のうち保持部67および縦壁68の内縁を縁取る面は、第1係合孔66に臨む弧状の曲面とされる。
また、保持部67には、第1係合孔66内に挿入されたリテーナ80を同第1係合孔66内で仮止めするための仮係止部69が形成されている。仮係止部69は、フード部61の内壁の下面であって保持部67の上面において前後方向に延出される溝として構成される。そして、仮係止部69は、雌ハウジング10側の各端子金具30(各キャビティ11)と対応して、各収容部62毎に一対ずつ計二対が互いに平行に配置されている。さらに、保持部67の後端の下部には、本係止位置におけるリテーナ80の係止状態を解除するため治具を差し込むための治具差し込み溝73が切り欠いて形成されている。
続いて、リテーナ80について説明する。リテーナ80は合成樹脂製であって、図3、図5および図6に示すように、各収容部62毎に一対ずつ設けられている。そして、リテーナ80は、フード部61側の第1係合孔66と雌ハウジング10側の第2係合孔18とに嵌合可能とされ、かつ、両係合孔18,66内を上下方向(嵌合方向と直交する方向)に移動可能とされる。なお、以下のリテーナ80に関する構造説明において前後方向については、リテーナ80がフード部61の第1係合孔66に嵌合された場合に、フード部61の開口方向に向けられる側を前方とする(図1における右側)。
このリテーナ80は、全体として角ブロック状をなす基台81と、基台81の上面から上方へ突出する係止部82とを備える。係止部82は各キャビティ11に対応して一対設けられており、両係止部82が幅方向に並んで立設されている。係止部82の上面(突出端面)における後端部は前部側より一段高い位置にあり、ここがキャビティ11内に正規挿入された端子金具30を抜け止め状態で係止するための係止本体部83とされる。そして、リテーナ80の前面には、両係止部82の突出端側と根元側とに対応して、高さ方向に同軸で一対ずつ計二対の係止爪84が突出して形成されている。
各係止爪84は、先端尖り状をなしており、上下に位置する両係止爪84の対向面は、水平面とされ、かつ、互いに平行に配置されている。この上下で対向する両係止爪84が間に保持部67を上下方向(高さ方向)で挟み込むことにより、リテーナ80がフード部61における第1係合孔66内に保持されるようになっている。詳しくは、両係止爪84のうち上側の係止爪84が仮係止部69に嵌入し、これによってリテーナ80の下向き移動(第1係合孔66から抜け出る方向への移動)が規制され、かつ、両係止爪84のうち下側の係止爪84が治具差し込み溝73の溝壁に当接し、これによってリテーナ80の上向き移動(第2係合孔18へ向けた移動)が規制される。また、リテーナ80の押し込み操作によってリテーナ80が第2係合孔18に正規深さで進入すると、両係止爪84のうち上側の係止爪84が本係止部21に引っ掛け状態で当接して、係止爪84と本係止部21とがリテーナ80の戻り方向で係止し合うようになっている。
かかるリテーナ80は、上記したように、各係止爪84が仮係止部69と係合してフード部61における第1係合孔66内に保持される仮係止位置と、そこから第2係合孔18へ移動させられ、各係止爪84が本係止部21と係合して、第1係合孔66と第2係合孔18とにまたがった状態でフード部61および雌ハウジング10の両者に貫通状態で保持される本係止位置とに、選択的に保持可能および移動可能とされる。リテーナ80が仮係止位置にあるときに、リテーナ80の基台81は、第1係合孔66の前面開口を通して前方から視認可能とされる。なお、リテーナ80の前面の下端には、リテーナ80が本係止位置にあるときに、フード部61の治具差し込み溝73と連通する治具受け溝85が切り込み形成されている。リテーナ80の係止状態を解除する治具は、リテーナ80が本係止位置にあるときに、治具差し込み溝73から治具受け溝85にその先端を進入可能とされる。
次に、本実施形態の作用を説明する。まず、雄ハウジング60のフード部61における第1係合孔66に下方(嵌合方向と直交する方向)からリテーナ80を差し入れ、リテーナ80の係止爪84を保持部67の仮係止部69に引っ掛け状態で係止させて、リテーナ80を仮係止位置に留め置く。この状態で、リテーナ80の上面は、フード部61の内壁の下面と同じ高さ位置または少し下方へ引っ込んだ位置に配されることとなり、フード部61の内側空間に突出することはない。またリテーナ80の外壁の下面はフード部61の下面とほぼ面一で連なり、これにより、リテーナ80は第1係合孔66にすっぽりと収容される。
一方、図7にしめすように、雌ハウジング10のキャビティ11内に後方から端子金具30を挿入させる。端子金具30がキャビティ11内に正規深さで挿入されると、端子金具30はその係止受け部37がランス12によって弾性的に係止され、キャビティ11からの一次的な抜け止めがなされる。その状態から、雌ハウジング10をフード部61において対応する収容部62の内側に嵌合させる。嵌合過程では、雌ハウジング10はリテーナ80を非干渉に通過して、雌ハウジング10の挿入動作が円滑に進行する。
収容部62に雌ハウジング10が正規深さで内嵌されると、タブ片71が本体部31内に進入して弾性接触片34の接点部36に弾性的に接触する。各収容部62にそれぞれ雌ハウジング10が収容されると、各端子金具30(合計4本)が1つのジョイント端子70によって短絡される。また、フード部61に雌ハウジング10が正規嵌合されると、第1係合孔66と第2係合孔18が整合して連通状態となる。
この状態で、図2および図4に示すように、第1係合孔66内に置かれたリテーナ80を上方(嵌合方向と直交する方向)へ押し上げ、もってリテーナ80を第2係合孔18側へ移動させる。リテーナ80が第2係合孔18内に正規深さで進入すると、係止爪84が本係止部21を弾性的に係止してリテーナ80が本係止位置に留め置かれる。またこの状態では、リテーナ80の係止部82における係止本体部83が本体部31の後端あご部39と雌ハウジング10の離脱方向で対面し、もって端子金具30の二次的な抜け止めがなされる。ここで、1つのリテーナ80には2つの係止部82が備えられているので、1つの雌ハウジング10において隣合う両キャビティ11に挿入された端子金具30が一括して抜け止めされる。
ところで、雌ハウジング10が収容部62内に未だ正規嵌合されていない場合に、その正規嵌合位置からの前後ずれ量が第2係合孔18の開口縁におけるテーパ面19の形成範囲に収まっていると、第2係合孔18へ押し込まれるリテーナ80がテーパ面19と摺接し合って、雌ハウジング10が正規嵌合位置へと誘導される。よって、リテーナ80の移動操作に伴って雌ハウジング10を正規嵌合位置へ導くことができる。
一方、雌ハウジング10が収容部62内に未だ正規嵌合されていない場合に、その正規嵌合位置からの前後ずれ量が第2係合孔18の開口縁におけるテーパ面19の形成範囲を超えていると、第2係合孔18へ押し込まれるリテーナ80は第2係合孔18の開口縁周りと干渉して、雌ハウジング10側への移動操作が阻止される。この場合は、リテーナ80を仮係止位置までいったん戻して、雌ハウジング10を収容部62の奥側へより深く進入させ、しかる後、リテーナ80を本係止位置まで押し込めばよい。これにより、雌ハウジング10が半嵌合状態で留め置かれるのを回避できる。
以上説明したように本実施形態によれば、雌ハウジング10に収容された端子金具30を抜け止めするためのリテーナ80が、雌ハウジング10側になく、嵌合相手である雄ハウジング60側に保持されているから、雌ハウジング10の構造を簡素化できる。したがって、雌ハウジング10を成形するに際し、リテーナ80を成形するための金型構造が不要となる。しかも、リテーナ80は、本係止位置において、嵌合方向と交差する方向(詳しくは嵌合方向と直交する方向)を向いた状態で、第1係合孔66と第2係合孔18とにまたがりつつ、フード部61と雌ハウジング10とに貫通状態で保持されるため、このリテーナ80によって、フード部61と雌ハウジング10とを嵌合状態に保つロック構造を賄うことができる。したがって、フード部61と雌ハウジング10とに、ロック構造、例えば、ロックアームとかロック突部を成形するための金型構造を設ける必要がない。結果、雌ハウジング10を成形する金型構造を簡素化できて、金型強度を高めることができる。
そして上記の場合、雄ハウジング60はジョイントハウジングとして構成され、そこにジョイント端子70が圧入またはインサートにより装着されているから、ジョイント端子70を抜け止めするためのランス12およびリテーナ80が不要となる。したがって、雄ハウジング60側にリテーナ80が保持されるという事情があっても、雄ハウジング60側の構造が格別複雑化するわけではない。言い換えると、本実施形態の発明は、嵌合相手である雄ハウジング60における空いたスペースを利用してリテーナ80を保持させるようにしたものであり、スペースの有効活用を図れる。
また、雌ハウジング10がリテーナ80を保持せず、加えてロック突部とかロックアームの如きロック構造を備えていないことから、雌ハウジング10の外側面から突出する構造をなくすことができる。その結果、雌ハウジング10の高さ寸法が顕著に抑えられ、雌ハウジング10の小型化を実現できる。
さらに、リテーナ80は常には(仮係止位置にあるときには)フード部61の第1係合孔66にその全体が収容されているため、外部異物から保護されて、不用意に第1係合孔66から抜け落ちることはない。
さらにまた、リテーナ80は、第1係合孔66と第2係合孔18とが所定の連通状態にある場合にのみ、第1係合孔66側から第2係合孔18側への移動、つまり、仮係止位置から本係止位置への移動を許容されるから、リテーナ80の移動操作が規制されれば、フード部61に雌ハウジング10が正規嵌合されていないと知ることができる。この場合に、リテーナ80を第2係合孔18におけるテーパ面19に摺接させつつ、雌ハウジング10を正規嵌合位置へ誘導することも可能となる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図13ないし図22によって説明する。実施形態2では、雌ハウジング10A側にて高さ方向に撓み得るランスが設けられておらず、高さ寸法が実施形態1よりいっそう低く抑えられる。一方、実施形態2では、雌雄の両ハウジング10A,60Aにロック構造が設けられており、その点、実施形態1とは異なる。その他の構成は実施形態1と概ね同様であり、構造上の同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略する。
雄ハウジング60Aは、図13、図21および図22に示すように、ロックアーム51を一体形成したフード部61を備えている。ロックアーム51は、後方へ片持ち支持状に突出する形態であって、上方へ突出する略門型の膨出部52の壁に後方から切り込みを入れることで形成され、フード部61の上壁の後半部にて露出状態で配置される。ロックアーム51は、上下方向(高さ方向であって両ハウジング10A,60Aの嵌合方向と直交する方向)に撓み変形可能とされ、膨出部52(フード部61)の内部に撓み変形可能とされる。
ロックアーム51の先端部には、フード部61の内側空間側へ向けて突出するハウジングロック部53が設けられている。ハウジングロック部53の前面は雌ハウジング10Aの進入方向に沿って傾斜するテーパ状の摺接面54とされ、ハウジングロック部53の後面は正規挿入された雌ハウジング10Aに対して抜け方向で強固に係止する逆テーパ状の係止面55とされる。ロックアーム51の後端面(自由端面)にはハウジングロック部53側へ向けて傾斜する解除治具案内面56が切り欠き形成され、この解除治具案内面56にロック解除用の治具を滑らせてロック状態にあるロックアーム51をロック解除方向へ撓み変形させることが可能となっている。
一方、雌ハウジング10Aの外側面には、ロックアーム51と対応する上面の前端部に、ロック突部23が突出して形成されている。ロック突部23がハウジングロック部53に弾性的に係止されることで、雌ハウジング10Aが相手側のフード部61内に確実にロックされるようになっている。ロック突部23の前面は雌ハウジング10Aの嵌合方向に沿って後退するテーパ状の案内面24とされ、ロック突部23の後面はハウジングロック部53の係止面55に係止可能な逆テーパ状の係止受け面25とされる。
また、雌ハウジング10Aにおけるキャビティ11の内壁には、ロック突部23の配設側である上面に、固定係止部26が変位不能に、つまり固定して突設されている。固定係止部26は、キャビティ11内に正規挿入された端子金具30における係止受け部37と対応する位置に配され、係止受け部37に進入して係止可能とされる。固定係止部26の前面は略垂直に切り立つ係止面41とされ、係止状態で係止受け部37の開口縁に対面される。雌ハウジング10Aにおけるキャビティ11の上壁は、固定係止部26が撓み変形しないことから、撓み空間や型抜きに伴うスリット空間は設けられていない。
そして、雌ハウジング10Aの外側面には、ロック突部23および固定係止部26が設けられた側とは反対側となる下面に、キャビティ11の延出方向(雌ハウジング10Aの嵌合方向であって前後方向)に沿って同キャビティ11と連通する挿入溝27が開口して形成されている。この挿入溝27は、キャビティ11内に下方(雌ハウジング10Aの嵌合方向と直交する方向)から端子金具30を挿入するべくこの端子金具30を通過させるための通路であって、前壁を残してキャビティ11の全長に亘って延出され、雌ハウジング10Aの後面に開口されている。また、挿入溝27のうちの後部には、リテーナ80が進入する第2係合孔18が含まれている。
雌ハウジング10Aにおける挿入溝27は、図19に示すように、雌ハウジング10Aの外壁およびキャビティ11間を仕切る壁からなる溝側壁28によって区画されている。そして、挿入溝27の溝側壁28には、端子金具30の受け入れ側となる下端部に、内向きに突出して相対向する壁面係止部29が形成されている。壁面係止部29の下端面(端子金具30が挿入される側の面)には、キャビティ11の内側へ向けてテーパ状に傾斜する案内斜面43が切り欠いて形成されている。壁面係止部29は各キャビティ11毎に左右一対ずつ設けられ、このうち、キャビティ11間を仕切る壁の両側面に設けられた壁面係止部29は互いに反対方向に突出しており、全体として矢尻状をなしている。そして、この壁面係止部29はキャビティ11の前端から第2係合孔18の前端にかけて前後方向に延出する形態とされる。
ここで、端子金具30は、図17に示すように、下方(雌ハウジング10Aの嵌合方向と直交する方向)から雌ハウジング10Aのキャビティ11内に挿入される。このとき、端子金具30の係止受け部37をキャビティ11内に形成された固定係止部26に対向させた状態から、端子金具30をキャビティ11内に挿入する。すると、係止受け部37に固定係止部26が進入して端子金具30の後方(雌ハウジング10Aの離脱方向)への抜け止めがなされ、同時に、端子金具30が正規挿入位置に収容される。また、端子金具30の挿入過程では、まず挿入開始時に、端子金具30の幅方向両端に壁面係止部29が干渉して、端子金具30が壁面係止部29の案内斜面43に摺接し、それに伴って挿入溝27の溝側壁28が押し広げられる。その後、端子金具30の係止受け部37に固定係止部26が嵌って端子金具30が正規深さでキャビティ11内に挿入されると、挿入溝27の溝側壁28が弾性復元して壁面係止部29が端子金具30とその下方(雌ハウジング10Aの嵌合方向と直交する方向であって端子金具30の抜け方向)で対面するとともに、固定係止部26が端子金具30とその後方(雌ハウジング10Aの嵌合方向であって端子金具30の抜け方向)で対面し、これにより、端子金具30のキャビティ11からの抜け止めがなされる。こうして各端子金具30を順次キャビティ11内に挿入する。
続いて、フード部61における各収容部62に対して後方から上記雌ハウジング10Aを挿入する。雌ハウジング10Aの挿入過程では、雌ハウジング10Aのロック突部23がロックアーム51のハウジングロック部53と干渉してロックアーム51を上方へ撓み変形させる。雌ハウジング10Aが収容部62に正規挿入されると、図13に示すように、ロックアーム51が弾性復元して、ハウジングロック部53の係止面55がロック突部23の係止受け面25とその後方で対面し、フード部61に対して雌ハウジング10Aが一時的に係止される。あとは、実施形態1と同様の手順でリテーナ80を第1係合孔66から第2係合孔18へと連通させ、図14および図16に示すように、フード部61に対して雌ハウジング10Aを二次的に係止させる。なお、リテーナ80はその下段の係止爪84を保持部67の仮係止部69に引っ掛け状態で係止させることで、第1係合孔66からの抜け止めがなされる。
このように実施形態2によれば、ロックアーム51とロック突部23とによるロック構造に加え、リテーナ80によるロック構造が備えられていることから、フード部61に対する雌ハウジング10Aのロック状態が確実に保持される。
また、挿入溝27および壁面係止部29を形成することで、端子金具30の挿入方向を嵌合方向と直交する方向に設定するようにしたから、従来における可動ランスの代わりに、固定係止部26を用いて端子金具30の抜け止めを実現することが可能となる。これにより、雌ハウジング10A側にランスの撓み空間16などを確保する必要がなくなり、ハウジング成形用の金型構造をよりいっそう簡素化できるとともに、ハウジングの高さ寸法をいっそう低く抑えることができる。
<実施形態3>
図23ないし図25は、本発明の実施形態3を示しいる。
実施形態3では、実施形態2と違って、雌ハウジング10B側にロック突部23が設けられておらず、かつ、フード部61側にロックアーム51が設けられていない。そのため、雌ハウジング10Bは、第1係合孔66と第2係合孔18とに貫通係合するリテーナ80によってフード部61に離脱規制状態で保持されることとなる。
また、実施形態3では、実施形態2と同様に、雌ハウジング10Bの外側面にキャビティ11に連通して端子金具30を嵌合方向と直交する方向から差し入れ可能とする挿入溝27が開設されており、壁面係止部29および固定係止部26によって端子金具30のキャビティ11からの抜け止めがなされる。
実施形態3によれば、雌ハウジング10に高さ方向に変位するランスが備えられておらず、しかもロック突部23(ロックアーム51)も備えられていないことから、雌ハウジング10の高さ寸法を大幅に減少させることができ、また雌ハウジング10Bを成形する金型の構造を極めてシンプルにできる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、雌ハウジングの嵌合相手はジョイントハウジングとされていたが、本発明によれば、雌ハウジングの嵌合相手は、嵌合に伴って所定の機能を発揮するものであれば特に限定されず、例えば、電線の端末に接続された雄型の端子金具を収容させた一般的な雄ハウジングであってもよく、さらには、雌ハウジングの嵌合面を保護するべく雌ハウジングに対し前方から被せ付けられるカバーであってもよい。
(2)上記実施形態では、リテーナは、本係止位置にて第1係合孔と第2係合孔とにまたがって配置されていたが、本発明によれば、リテーナは、本係止位置でその全体が第1係合孔を抜けて第2係合孔に収容されるものであってもよい。
(3)上記実施形態では、リテーナとフード部とが別体とされていたが、本発明によれば、リテーナはヒンジを介してフード部の外側面に一体的に取り付けられていてもよい。
(4)上記実施形態では、第1係合孔と第2係合孔の各延出方向は、雌ハウジングの嵌合方向と直交する方向に設定されていたが、本発明によれば、第1係合孔と第2係合孔の各延出方向は、直交することなく交差するだけでもよい。
(5)上記実施形態では、リテーナは第1係合孔と第2係合孔とに案内されつつ雌ハウジング側へ移動するようになっていたが、本発明によれば、リテーナはそれ以外の案内手段によってハウジング側へ移動するものであってもよい。
(6)上記実施形態1および実施形態2では、雌ハウジング側にロック突部が設けられ、雄ハウジング側にロックアームが設けられていたが、本発明によれば、雌ハウジング側にロックアームが設けられ、雄ハウジング側にロック突部が設けられていてもよい。
実施形態1において、リテーナを仮係止位置に留めおいて両ハウジングが正規嵌合された状態を示す側断面図 リテーナを本係止位置に移動させた状態を示す側断面図 リテーナを仮係止位置に留めおいた状態を示す正面図 リテーナを本係止位置に移動させた状態を示す正面図 リテーナの側面図 リテーナの平面図 雌ハウジングに端子金具を挿入する前の状態を示す側断面図 雌ハウジングの正面図 雌ハウジングの底面図 雄ハウジングの側断面図 雄ハウジングの正面図 雄ハウジングの底面図 実施形態2において、リテーナを仮係止位置に留めおいて両ハウジングが正規嵌合された状態を示す側断面図 リテーナを本係止位置に移動させた状態を示す側断面図 リテーナを仮係止位置に留めおいた状態を示す正面図 リテーナを本係止位置に移動させた状態を示す正面図 雌ハウジングに端子金具を挿入する前の状態を示す側断面図 雌ハウジングの正面図 雌ハウジングの縦断面図 雌ハウジングの底面図 雄ハウジングの側断面図 雄ハウジングの正面図 実施形態3において、雌ハウジングの側断面図 リテーナを仮係止位置に留めおいて両ハウジングが正規嵌合された状態を示す側断面図 リテーナを本係止位置に移動させた状態を示す側断面図
符号の説明
10,10A,10B…雌ハウジング(ハウジング)
11…キャビティ
12…ランス
18…第2係合孔
30…端子金具
35…電線
60,60A…雄ハウジング(嵌合部材)
61…フード部
66…第1係合孔
67…保持部
70…ジョイント端子
71…タブ片
80…リテーナ
83…係止本体部
84…係止爪

Claims (5)

  1. 端子金具を挿入可能なキャビティを有するハウジングと、
    前記ハウジングと嵌合して所定の機能を発揮する嵌合部材と、
    常には前記嵌合部材に保持されており、前記ハウジングと前記嵌合部材とが嵌合状態にあるときに、前記ハウジング側へ押し込まれて前記キャビティ内に進入し、前記キャビティ内に正規挿入された前記端子金具を抜け止め状態で係止するリテーナとを備えることを特徴とするコネクタ。
  2. 前記嵌合部材は前記ハウジングを内嵌可能な筒状のフード部を備え、前記フード部には、前記嵌合部材に対する前記ハウジングの嵌合方向と交差する方向に貫通する第1係合孔が形成され、
    前記ハウジングには、同じく前記嵌合方向と交差する方向に貫通するとともに前記キャビティと連通し、かつ、前記ハウジングと前記嵌合部材とが嵌合状態にあるときに、前記第1係合孔とも連通する第2係合孔が形成され、
    前記リテーナは、前記ハウジングと前記嵌合部材とが嵌合する前、前記嵌合部材側において前記第1係合孔内に保持される一方、前記ハウジングと前記嵌合部材とが嵌合状態にあるときに、前記第2係合孔側へ移動して、前記第1係合孔と前記第2係合孔とにまたがった状態で保持可能とされることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
  3. 前記ハウジングが前記嵌合部材に正規嵌合された場合は前記第1係合孔から前記第2係合孔側へ移動する前記リテーナの押し込み操作が許容され、第ハウジングが前記嵌合部材に正規嵌合されていない場合は前記リテーナが前記第2係合孔の開口縁周りに干渉して前記第2係合孔への押し込み操作が規制されることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
  4. 前記ハウジングの外側面には、前記キャビティに対しその延出方向に沿って連通することで、前記端子金具を、前記嵌合部材に対する前記ハウジングの嵌合方向と直交する方向から前記キャビティ内に差し入れ可能とする挿入溝が開設されており、かつ、
    前記挿入溝の溝側壁には、前記キャビティ内に挿入された前記端子金具を抜け止めする壁面係止部が内向きに突出して形成され、かつ、前記キャビティの内壁には、前記端子金具の差し入れ方向と対向する面に、固定係止部が固定して設けられており、
    前記キャビティ内に前記端子金具が挿入される過程では、前記壁面係止部が前記端子金具により押されて前記挿入溝の溝側壁を弾性的に拡開させ、
    前記キャビティ内に前記端子金具が正規挿入されたときには、前記端子金具が、前記固定係止部に係止されるとともに、前記溝側壁の戻り動作によって前記壁面係止部にも係止されて、前記キャビティから抜け止めされることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のコネクタ。
  5. 前記嵌合部材は、前記端子金具と接続可能な複数本のタブ片を突出させたジョイント端子を圧入またはインサートによって装着させたジョイントハウジングからなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のコネクタ。
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