JP4442408B2 - 電子写真用転写紙および画像形成方法 - Google Patents
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Description
また、上述した色別のトナー像を被転写体ではなくて感光体上に重ね合わせて形成し、この重ね合わされたトナー像を被転写体上に一括転写し、これを加熱溶融することにより定着してカラー画像を形成する方法や、感光体上に形成された各色のトナー像を、ベルト等からなる中間転写体上に重ね合わせて転写した後、この中間転写体上に重ね合わせたトナー像を最終的な転写体である記録媒体へ一括転写し、これを加熱溶融して定着する方法等がある。
このようにして形成されたカラー画像の表面には、例えば10〜100μm程度の凹凸が形成される場合がある。このようなカラー画像表面の凹凸は、カラー画像の光沢ムラの原因となる。
例えば、ガラス転移温度が40〜70℃であり、テトラヒドロフランに可溶な架橋樹脂よりなる透明樹脂層を有する画像転写シートを用い、ベルト状の定着部材を備えた定着装置によりトナー像を透明樹脂層に埋め込む方法(特許文献2参照)や、熱可塑性樹脂が塗設されている画像転写シートを用い、ベルト状の定着部材を備えた定着装置によりトナー像を透明樹脂層に埋め込む方法(特許文献3,4参照)が提案されている。
例えば、転写シート表面に設けた透明樹脂層を構成する透明樹脂の平均分子量(Mwa)と、カラートナーの結着樹脂の平均分子量(Mwb)とが、Mwa−Mwb≧10000の関係を有し、且つ、定着温度におけるカラートナーの結着樹脂に対する透明樹脂の溶融傾斜角を40度以下に調整した電子写真用転写紙(特許文献5参照)や、転写シート表面に設けた透明樹脂層の数平均分子量(Mn)が5000〜20000であり、且つ、ガラス転移温度が30〜85℃の範囲内である電子写真用転写紙(特許文献6参照)が提案されている。
さらに、基材上に設けた熱可塑性樹脂層中に可塑剤を配合した用紙を用い、定着時に熱可塑性樹脂層を形成するバインダーや固形成分を軟化させて、熱可塑性樹脂層にトナーを埋め込む方法(特許文献7参照)や、溶解度が8.0〜10.0の範囲内である物質を添加した熱可塑性樹脂層を設けた用紙を用いることにより、定着時にトナーを溶融し易くする方法(特許文献8参照)が提案されている。
これらの方法では、低画像密度領域ではトナーが樹脂層中に埋まり込むため、画像が形成された領域の表面は平滑性が高く、光沢が発現する。しかし、高画像密度領域では、トナーが完全に樹脂層中に埋まりこむことができないため、画像部が非画像部と比較して盛り上がり、段差(以下、「画像段差」と称す)が生じる。この画像段差は、視覚的には非常に違和感を招く。さらに、画像が形成された領域の表面は凹凸が生じるために光沢が低下する。それゆえ、用紙の画像が形成された面の光沢を観察した場合、画像が形成された領域(画像部)と画像が形成されなかった領域(非画像部)との間の光沢差が大きくなってしまう。
これらの技術を用いて画像を形成した場合、定着時にトナーが多孔性塗工層表面の空隙に埋まり込み易くなるため、熱可塑性樹脂層を設けた用紙と比べると画像段差を改善でき、画像段差に起因する違和感や光沢差を抑制することができる。
また、この技術では、このようなトナーの埋まり込み性の改善と共に、更に画像部および非画像部における光沢そのものを低くすることで光沢差を抑制している。それゆえ、画像形成面全体の光沢はやや低くなる傾向にあり、より光沢感の求められるドキュメントの作成には不適な場合があった。
すなわち、多孔性塗工層を表面に設けた用紙では、画像形成面全体の光沢差は改善できても光沢感については不充分な場合があった。
<1>
基材と、該基材の少なくとも片面に設けられた多孔性受像層とを含む電子写真用転写紙において、
前記多孔性受像層に、ヒノキチオール、パントラクトン、ノートカチン又はβ−ツヤブリシノールが含まれることを特徴とする電子写真用転写紙である。
基材と、該基材の少なくとも片面に設けられた多孔性受像層と、該多孔性受像層の表面を覆うヒノキチオール、パントラクトン、ノートカチン又はβ−ツヤブリシノールを含有する層とを含む電子写真用転写紙である。
潜像担体上に潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像を電子写真用現像剤を用いて現像し、前記潜像担体上にトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を前記潜像担体上から被転写体上に転写する転写工程と、前記被転写体上に転写された前記トナー像を加熱圧着する定着工程とを含む画像形成方法において、
前記被転写体が、<1>又は<2>に記載の電子写真用転写紙であることを特徴とする画像形成方法である。
前記定着工程が、オイルレス定着により行われることを特徴とする<3>に記載の画像形成方法である。
本発明の電子写真用転写紙は、基材と、該基材の少なくとも片面に設けられた多孔性受像層とを含む電子写真用転写紙において、前記多孔性受像層に、分子量が300以下のトナー溶融促進物質が含まれることを特徴とする。
従って、本発明の電子写真用転写紙を用いて画像を形成した場合、トナーの埋まり込みが良好である上に、均一光沢感のある画像を得ることができる。
すなわち、本発明における「トナー溶融促進物質」とは、この物質と、トナーとを混合した混合物の100℃における溶融粘度η(Mix)と、トナー単体の100℃における溶融粘度η(T)とで規定される粘度低下率が、下式(1)を満たす物質を意味する。
・式(1)
粘度低下率(%)=〔{η(T)−η(Mix)}/η(T)〕×100≧50
これらのことから、定着が行われる短い時間内にトナーの溶融粘度を十分に低下させることができなくなため、トナーが多孔性受像層に十分に埋まり込むことができず、定着後の画像部表面は、トナーに起因する凹凸が顕著となるために光沢感が不充分となる。
なお、上述したような観点から分子量は280以下であることが好ましく、250以下であることがより好ましく、200以下であることが更に好ましいが、分子量が小さ過ぎる場合には、材料の選択肢が狭まるため、実用上、分子量は100以上であることが好ましい。
以下、特に説明の無い限り、本発明において用いられる分子量が300以下のトナー溶融促進物質を、単に「トナー溶融促進物質」と称す場合がある。
この光沢上昇効果が得られる理由は良くわかっていないが、本発明者らが鋭意検討したところ、トナー溶融促進物質の分子構造中に、C=O結合及びC−OH結合を有する有機化合物(但し、当該C=O結合、および、C−OH結合を形成する炭素原子は、それぞれ異なる炭素である。すなわち、これら2つの結合は、1つ炭素原子を共有する−COOH基(カルボン酸)を構成するものではない)が、光沢を上昇させる効果が高いことを見出した。
なお、この有機化合物中に含まれるC=O結合及びC−OH結合は、それぞれ少なくとも1つ以上であればよく、2以上であってもよい。
なお、「トナー溶融促進物質が、多孔性受像層の表面に含まれる」とは、多孔性受像層の表面近傍にトナー溶融促進物質が高濃度に存在する状態や、多孔性受像層の表面をトナー溶融促進物質が覆うように存在しているような状態を意味する。
多孔性受像層表面に存在する空隙の平均空隙径は、1.5μm以上80μm以下の範囲内であることが好ましく、2μm以上60μm以下の範囲内であることがより好ましく、2μm以上50μm以下の範囲内であることがさらに好ましい。
平均空隙径が上記範囲内である場合には、定着時に、画像部ではトナーが埋め込まれつつ、非画像部では空隙が埋まり込みやすくなる。この平均空隙径が1.5μm未満では定着時にトナーが空隙に十分に埋まり込めず、画像部の光沢が低下してしまう場合がある。また、平均空隙径が80μmを超える場合には、転写時にトナーは空隙に埋まるものの、定着時に空隙が完全に塞がらないため、空隙が塞がらなかった部分が定着後に空隙痕として残ってしまう場合がある。
表面空隙面積率が1%未満の場合には、転写時にトナーが空隙に十分に埋まり込めず、画像段差が発生してしまう場合がある。また、表面空隙面積率が70%を超える場合には、多孔性受像層を形成することが困難となる上に、多孔性受像層の強度が低下し、層自体が潰れやすくなってしまう場合がある。
まず、走査型電子顕微鏡もしくは光学顕微鏡観察により、多孔性受像層表面の画像データーを得た後、市販の画像処理ソフト(例えば、DIPP−98 株式会社ディテクト製等)を利用して画像データーを空隙部と非空隙部とに二値化した。
このデーターを基に、単位面積(250μm×250μm四方の領域)内の空隙部のみに起因する面積の割合から表面空隙面積率を求めた。また、平均空隙径は、多孔性受像層表面に形成された空隙の形状は必ずしも真円ではないため、画像処理ソフトを利用して二値化された画像の個々の空隙の輪郭内の面積から、円相当直径に換算した直径を算出し、個々の直径の平均値として求めた。
塗工量が2g/m2未満では定着時にトナーを完全に多孔性受像層中に埋め込むことができず、光沢が低下してしまう場合がある。また、塗工量が40g/m2を超える場合には多孔性受像層の厚さが過大となり、損傷を受けやすくなる場合がある。多孔性受像層の塗工量は5g/m2以上30g/m2以下がより好ましく、8g/m2以上20g/m2以下が更に好ましい。
高級脂肪酸としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコールが上げられる。高級脂肪酸アミドとしてはステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、メチレンビスステアリルアミド、エチレンビスステアリルアミドが挙げられる。
発泡剤としては、公知の発泡剤が利用できるが、樹脂塗工液の発泡性を高めたり、気泡の分散安定性を向上させたりする効果の高さの点からは、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸等の高級脂肪酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸アンモニウム、パルミチン酸アンモニウム等の高級脂肪酸塩、及び、アルキルアルカノールアミド、ソルビタン脂肪酸エステル等の高級脂肪酸変性物などを用いることが好ましい。
また、抄紙方法については、一般の長網多筒式、丸網単筒式、ヤンキー式等の抄紙機を適宜用いることができる。また、これらに使用される填料も特に限定されるものではなく、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、チョーク等の炭酸カルシウム類、カオリン、焼成クレー、バイオロフィライト、セリサイト、タルク等のケイ酸類や二酸化チタン等の無機填料、および尿素樹脂、スチレン等の有機填料を使用できる。
しかし、さらに金属製ロールと樹脂製ロール、又は、金属製ロールとコットン製ロールなどとを適宜組み合わせて構成されるスーパーカレンダーを使用して、多孔性受像層の表面の平滑性をさらに向上させることもできる。また、樹脂塗工液を基材上に塗工後、半乾燥状態もしくは乾燥状態にあるシートを、鏡面仕上げを施した加温又は非加温状態のキャストドラム等に接触させて多孔性受像層の表面平滑性を一層向上させてもよい。
基材として使用されるコート紙は、少なくとも原紙の片面に主として接着剤および顔料からなる塗布液を塗工して得られる顔料塗工層を有するコート紙が用いられる。
そしてこれらの材料の中から、作製しようとする電子写真用転写紙に要求される品質に応じて1種あるいは2種以上が適宜選択して使用される。
塗工層を形成する塗被方法としては一般に公知の塗被装置、例えばブレードコータ、エヤーナイフコータ、ローラコータ、リバースローラコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイコータ、グラビアコータ、チャンプレックスコータ、ブラシコータ、ツーローラあるいはメータリングブレード式のサイズプレスコータ、ビルブレードコータ、ショートドウェルコータ、ゲートローラコータ等が適宜用いられる。
また基材の片面に顔料塗工層を設けた場合、もう片方の面(裏面)に合成樹脂層や接着剤と顔料等からなる塗被層又は帯電防止層等を設けることにより、カールの発生を防止したり、印刷適性を付与したり、あるいは、給排紙適性等を付与したりすることも可能である。さらに基材の裏面に種々の加工、例えば粘着、磁性、難燃、耐熱、耐水、耐油、防滑等の後加工を施すことにより、各種の用途に対応した適性を付加することも勿論可能である。
次に、本発明の画像形成方法について詳しく説明する。
本発明の画像形成方法は、公知の電子写真方式を利用した画像形成方法であり、被転写体として上記特定の電子写真用転写紙を用いる。画像形成方法としては、特に限定されないが、具体的には以下に説明する画像形成方法であることが好ましい。
図1中、1は熱定着ローラ、2は加圧ローラ、11は感光体、12はローラ型帯電器、13は露光装置、14aは現像剤(シアン)を搭載した現像器、14bは現像剤(マゼンタ)を搭載した現像器、14cは現像剤(イエロー)を搭載した現像器、14dは現像剤(ブラック)を搭載した現像器、14は現像装置、15は中間転写体、16はクリーナー、17は光除電器、18a、18b及び18cは支軸ローラ、19は転写用ローラ、20は被転写体(本発明の電子写真用転写紙)を表す。
中間転写体15は、その内周面に配置された支軸ローラー18a、18b及び18cにより張架されており、矢印P方向に回転可能である。支軸ローラー18aは、中間転写体15を介して、感光体11と圧接し、一次転写部を形成している。支軸ローラー18cは、中間転写体15を介して、転写用ローラー19と圧接し、2次転写部を形成している。
また、加圧ローラ2は、その内部に加熱源3’が内蔵され、加熱源3’を内包し、最も外周に位置する弾性層5’等の層が少なくとも1層以上設けられている。なお、加熱源3’は必要に応じて加圧ローラ2内部に設けなくてもよい。また、加熱源3、3’は、不図示の温度制御装置により所望の加熱温度が得られるように制御される。
弾性層5、5’には、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性ゴムが用いられ、そのゴム硬度は、60以下が好ましい。定着部材が弾性層5、5’を備えている場合、被転写体7上のトナー像6の凹凸に追従して前記定着部材が変形し、定着後における画像表面の平滑性を向上させることができる点で有利である。
基材として、市販の上質紙(OKプリンス上質 王子製紙株式会社製 坪量157g/m2)を準備した。次に、下記組成の樹脂塗工液を調製し、下記条件で発泡処理した後、これを用いて直ちにアプリケーターバーを用いて基材片面に塗工量が10g/m2となるように塗工して多孔性受像層を形成した。
続いて、下記組成の上塗り塗工液(上塗り液)を調整し、これをアプリケーターバーを用いて多孔性受像層表面に塗工量が1g/m2となるように塗工し、坪量168g/m2の電子写真用転写紙を得た。多孔性受像層の空隙特性については表1に示した。
・ポリエステル樹脂(MD1985、東洋紡績株式会社製):100質量部
・発泡剤(高級脂肪酸系、DC100A、サンノプコ社製):6質量部
・増粘剤(カルボキシメチルセルロース、AGガムSG、第一工業製薬社製):5質量部
・離型剤(ポリエーテル変性シリコーンオイル、KF−354L、信越化学社製):10質量部
上記樹脂塗工液を連続発泡機(商品名:ターボホイップTW−70、愛工舎製作所社製)を使用して、攪拌速度1100rpmで空気と混合、攪拌して、発泡倍率3.2倍となるように発泡処理を施した。
・トナー溶融促進物質(ヒノキチオール{化合物(1)}):50質量部
・離型剤(ポリエーテル変性シリコーンオイル、KF−354L、信越化学社製):5質量部
・イオン交換水:50質量部
市販のコート紙(JDコート紙 王子製紙株式会社製 坪量157g/m2)を基材として用いた以外は実施例1と同様にして、坪量168g/m2の電子写真用転写紙を得た。多孔性受像層の空隙特性については表1に示した。
実施例2で用いた基材上に、下記組成の樹脂塗工液を下記条件で発泡させたものを実施例1と同様にして塗工して多孔性受像層を形成した。続いて、下記上塗り液を実施例1と同様に多孔性受像層表面に塗工することにより、坪量168g/m2の電子写真用転写紙を得た。多孔性受像層の空隙特性については表1に示した。
・ポリエステル樹脂(MD1480 東洋紡績株式会社製):100質量部
・発泡剤(高級脂肪酸系、DC100A、サンノプコ社製):8質量部
・増粘剤(カルボキシメチルセルロース、AGガムSG、第一工業製薬社製):6質量部
・離型剤(ポリエーテル変性シリコーンオイル、KF−354L、信越化学社製):10質量部
上記樹脂塗工液を連続発泡機(商品名:ターボホイップTW−70、愛工舎製作所社製)を使用して、攪拌速度1000rpmで空気と混合、攪拌して、発泡倍率3.0倍となるように発泡処理を施した。
・トナー溶融促進物質(パントラクトン{化合物(4)}):25質量部
・離型剤(ポリエーテル変性シリコーンオイル、KF−354L、信越化学社製):5質量部
・イオン交換水:75質量部
樹脂塗工液を発泡処理する際の攪拌速度を3000rpmとし、多孔性受像層を形成する際の塗工量を4g/m2とした以外は実施例3と同様にして坪量162g/m2の電子写真用転写紙を得た。多孔性受像層の空隙特性については表1に示した。
樹脂塗工液を発泡処理する際の攪拌速度を700rpmとし、多孔性受像層を形成する際の塗工量を32g/m2とした以外は実施例3と同様にして坪量190g/m2の電子写真用転写紙を得た。多孔性受像層の空隙特性については表1に示した。
下記組成の樹脂塗工液を下記条件で発泡処理したものを用いて多孔性受像層を形成し、その後、この多孔性受像層表面に上塗り液を塗工しなかった以外は実施例3と同様にして坪量167g/m2の電子写真用転写紙を得た。多孔性受像層の空隙特性については表1に示した。
〔樹脂塗工液の組成〕
・ポリエステル樹脂(MD1480 東洋紡績株式会社製):100質量部
・発泡剤(高級脂肪酸系、DC100A、サンノプコ社製):8質量部
・増粘剤(カルボキシメチルセルロース、AGガムSG、第一工業製薬社製):6質量部
離型剤(ポリエーテル変性シリコーンオイル、KF−354L、信越化学社製):10質量部
・トナー溶融促進物質(パントラクトン{化合物(4)}):20質量部
上記樹脂塗工液を連続発泡機(商品名:ターボホイップTW−70、愛工舎製作所社製)を使用して、攪拌速度1200rpmで空気と混合、攪拌して、発泡倍率倍3.3倍となるように発泡処理を施した。
以下の組成の上塗り液を用いる以外は実施例3と同様にして坪量168g/m2の電子写真用転写紙を得た。多孔性受像層の空隙特性については表1に示した。
〔上塗り液の組成〕
・トナー溶融促進物質(ノートカチン{化合物(6)}):25質量部
・離型剤(ポリエーテル変性シリコーンオイル、KF−354L、信越化学社製):5質量部
・イオン交換水:75質量部
以下の組成の上塗り液を用いる以外は実施例3と同様にして坪量168g/m2の電子写真用転写紙を得た。多孔性受像層の空隙特性については表1に示した。
〔上塗り液の組成〕
・トナー溶融促進物質(β−ツヤブリシノール{化合物(7)}):25質量部
・離型剤(ポリエーテル変性シリコーンオイル、KF−354L、信越化学社製):5質量部
・イオン交換水:75質量部
発泡処理していない樹脂塗工液を用いて受像層を形成し、また、上塗り液を受像層表面に塗工しなかった以外は実施例1と同様にして坪量167g/m2の電子写真用転写紙を得た。
多孔性受像層表面に上塗り液を塗工しなかった以外は実施例2と同様にして坪量167g/m2の電子写真用転写紙を得た。多孔性受像層の空隙特性については表1に示した。
実施例2で使用した基材の片面に塗工量が10g/m2となるように下記組成の塗工液を塗工し坪量167g/m2の電子写真用転写紙を得た。多孔性受像層の空隙特性については表1に示した。
〔塗工液の調製〕
・ポリエステル樹脂(3M社製 WB50):80質量部
・トナー溶融促進物質(アジピン酸ジ(ブトキシエトキシエチル)、大八化学社製 BXA):10質量部
・ポリメチルメタクリレートビーズ(平均粒子径8μm、積水化成品工業社製 テクノポリマーMBX・8):0.1質量部
・界面活性剤(DuPont製、ZonylFSN):0.3質量部
・硝酸リチウム:0.2質量部
・脱イオン水:7質量部
上塗り液に用いたトナー溶融促進物質として、ヒノキチオールの代わりにアジピン酸ジエステルを用いた以外は実施例1と同様にして坪量168g/m2の電子写真用転写紙を得た。多孔性受像層の空隙特性については表1に示した。
なお、用いたアジピン酸ジエステルは、一般的に使用されている可塑剤(製品名:RS−107、旭電化工業株式会社製、分子量434、粘度低下率=68%)である。
上塗り液に用いたトナー溶融促進物質であるヒノキチオールの代わりにエーテル・エステル系化合物を用いた以外は実施例1と同様にして坪量168g/m2の電子写真用転写紙を得た。多孔性受像層の空隙特性については表1に示した。
なお、用いたエーテル・エステル系化合物は一般的に使用されている可塑剤(製品名:RS−700、旭電化工業株式会社製、分子量約550、粘度低下率=43%)である。
得られた電子写真用転写紙は、図1と同様な構成のDocuCentreColor 500(富士ゼロックス株式会社製、図2と同様なオイルレス定着機構配備)により、定着条件として厚紙2モードで画像を出力し、得られた画像について、画像段差、最大光沢度、および、Δグロスを評価した。評価結果を、電子写真用転写紙の各種特性値や製造条件と共に以下の表1に示す
なお、表1中に示す測定値や、評価結果の測定方法は以下の通りである。
JIS P 8124の方法により測定した。
平均空隙径、表面空隙面積率は、走査型電子顕微鏡もしくは光学顕微鏡により多孔性受像層表面の画像を得た後、画像処理ソフト(Scion Image)で画像を空隙部と非空隙部とに二値化し、平均空隙径、表面空隙面積率を算出した。平均空隙径は多孔性受像層表面上に形成された空隙の形状が必ずしも真円ではないので、空隙部の面積をもとに、円相当直径に換算した値の平均値(空隙のサンプリング数=1000個)として求めた。また表面空隙面積率は下式(2)により算出した。
・式(2) 表面空隙面積率(%)=100×A/B
但し、式(2)において、Aは、多孔性受像層表面の任意の250μm×250μm四方の領域内における空隙部の全面積(μm2)、Bは、前記250μm×250μm四方の領域内の全面積(250×250μm2)を意味する。
溶融粘度の測定にはフローテスター(CFT−500 島津製作所製)を用いた。測定サンプルは、以下のようにして作製した。まず、トナー(100質量部)とトナー溶融促進物質(100質量部)を混合したものを、120℃に加熱したオーブン中に15分間放置し、その後、攪拌しながら常温で冷却する。次に、冷却したトナーとトナー溶融促進物質の混合物を絶乾状態にし、絶乾状態の混合物1.2gをサンプラーで円柱状にし、これを測定サンプルとした。
溶融粘度の測定は、ダイ(ノズル)の直径0.5mm、厚み1.0mm、押出荷重10kgf(98N)、初期設定温度50℃、プレヒートタイム300秒、昇温速度3℃/minに設定して実施した。
JIS Z 8741の方法に基づき、光沢測定器(GM−26D型、村上色彩研究所社製)を使用し、定着後画像部について入射角と受光角が60度の条件で光沢度を測定した。
高精細カラーディジタル標準画像データ(ISO/JIS−SCID JIS X 9201−1995準拠、財団法人 日本規格協会発行)のカラーチャート(S7)画像サンプルを作製し画像部のΔグロス値を求めることにより画像部光沢の均一性を評価した。表1中に示す結果の評価基準は以下の通りである。なお、Δグロス値は下式(3)で表されるものである。
・式(3) Δグロス(%)=最大光沢部(%)−最小光沢部(%)
◎:Δグロス値が5%未満
○:Δグロス値が5%以上10%未満
△:Δグロス値が10%以上20%未満
×:Δグロス値が20%以上
非画像部と画像部との境界部の高低差を画像段差として評価した。測定方法は超深度形状顕微鏡(VK−8000、株式会社キーエンス社製)を用い、三次色100%定着画像部と非画像部との段差を測定した。なお、表1中に示す値は5箇所の測定値の平均値である。
表1の結果から明らかなように、本発明の電子写真用転写紙を用いれば、トナーの埋まりこみが良好で、均一光沢感のあるカラー画像を形成可能であり、実用上極めて有用なものであることがわかった。
2 加圧ローラ
3,3’ 加熱源
4 定着部材表面層
5、5’ 弾性層
6 トナー像
7 被転写体(電子写真用転写紙)
8,8’ 基材(コア層)
11 感光体
12 ローラ型帯電器
13 露光装置
14 現像装置
14a、14b、14c、14d 現像器
15 中間転写体
16 クリーナー
17 光除電器
18a、18b、18c 支軸ローラ
19 転写用ローラ
20 被転写体(電子写真用転写紙)
Claims (4)
- 基材と、該基材の少なくとも片面に設けられた多孔性受像層とを含む電子写真用転写紙において、
前記多孔性受像層に、ヒノキチオール、パントラクトン、ノートカチン又はβ−ツヤブリシノールが含まれることを特徴とする電子写真用転写紙。 - 基材と、該基材の少なくとも片面に設けられた多孔性受像層と、該多孔性受像層の表面を覆うヒノキチオール、パントラクトン、ノートカチン又はβ−ツヤブリシノールを含有する層とを含む電子写真用転写紙。
- 潜像担体上に潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像を電子写真用現像剤を用いて現像し、前記潜像担体上にトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を前記潜像担体上から被転写体上に転写する転写工程と、前記被転写体上に転写された前記トナー像を加熱圧着する定着工程とを含む画像形成方法において、
前記被転写体が、請求項1又は2に記載の電子写真用転写紙であることを特徴とする画像形成方法。 - 前記定着工程が、オイルレス定着により行われることを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
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