JP2007199465A - 電子写真用画像転写メディア - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の定着装置を用いて高光沢な画像が得られると共に、ペーパーブリスタや失透現象を抑制した電子写真用画像転写メディアを提供する。
【解決手段】通気性支持体の少なくとも一方の面側に、微粒子フィラーとバインダーとを含有する断熱層と、熱可塑性樹脂を主成分とするトナー受像層とが積層されている電子写真用画像転写メディアであって、該断熱層を有する面側のJAPAN.TAPPI No.5に準拠した方法に従って測定した透気度が150,000秒以上であり、かつ通気性支持体を挟んで該断熱層を有する面とは反対側の面側から測定した該透気度が20,000秒以上、120,000秒以下であることを特徴とする電子写真用画像転写メディア。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真プリント用の画像転写メディアに関し、更に詳しくは、特殊な定着プロセスを経ることなく、高平滑、高光沢のフォトライクプリントを得ることができ、かつペーパーブリスタが発生しにくい電子写真用画像転写メディアに関するものである。
現在、オフィス等では電子写真方式を用いた画像形成機器が広く普及している。この電子写真方式による画像形成機器には普通紙が使われてきたが、電子写真方式による多色画像やフルカラー画像形成方法の普及、発展に伴って、高画質なフルカラー画像を形成する電子写真用受像紙の開発が行われてきている。
特に、化学重合トナーやプリント機器の進歩により、電子写真方式による高画質フルカラープリントが得られるようになってきた。従来では難しかったフォトライクなプリントを、ドライ方式で、しかも連続的にプリントできるため、高速プリントが要求されるPOD(プリントオンデマンド)市場だけでなく、高画質が求められる印刷/写真プリントの現場においても十分実用可能な画質レベルとなりつつある。
しかしながら、電子写真方式よる画像は、顔料もしくは染料を熱可塑性樹脂中に分散させたトナー粒子を加熱定着させて形成するため、原理的に高平滑化による光沢発現は難しいとされている。
上記課題に対し、例えば、画像転写メディア表層に透明な熱可塑性樹脂層を設け、定着ローラー通過時の熱と圧力によって、トナーを樹脂層中へ埋め込む方法が開示されている(特許文献1参照)。また、受像層に熱可塑性の中空微粒子を用いることで、トナーを埋め込ませる方法が開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、これらの方法では、特に、画像形成に必要なトナー量が多い2次色や、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの全てのトナーが転写されるコンポジット画像部では、トナー溶融が不十分となり、十分な光沢が得られず、光学濃度に対して不均一な光沢画像になっていた。
さらに、高平滑ベルト定着器を用いて定着することで、ベルト表面を転写する方法で高光沢を発現する技術が開示されている(特許文献3参照)。また、同様な技術として、表層に熱可塑性樹脂を配した記録メディアに、鏡面ベルトによりトナーを埋め込み、続いて冷却後に剥離することで、更なる高光沢を発現させる方法が開示されている(特許文献4参照)。しかしながら、ベルト定着で光沢発現を行うプロセスでは、特殊な転写装置を別途必要とするだけでなく、表面形状を転写させるベルト部材の鏡面性劣化が問題となっている。
更に、紙基材表面を樹脂で覆ったコート紙は、加熱ローラーでトナーの溶融定着を行う際、ペーパーブリスタという現象が生じる。この現象は、コート紙中の蒸発した水分がコート層を通過できず、コート層を押し上げる結果、トナー層表面にザラザラした画像の荒れが生じる現象である。このペーパーブリスタを防止する方法として、裏面側の塗工層を最適に調整する方法が開示されている(特許文献5参照)。しかしながら、この方法だけでは加熱ローラーの熱を有効に活用できていないため、特に、トナー画像部の光沢が低く、光沢の均一性といった点で好ましくなかった。また、十分にトナーを溶融させて高光沢の画像が得られていても、一般的に透気度の高いコート紙では、コート層の熱伝導性/熱容量の制約から、定着後に光沢が著しく低下して透明感を失う、いわゆる失透現象が発生することが判明した。
特開昭63−92965号公報 特開2003−322993号公報 特開平6−11982号公報 特開2002−91046号公報 特開2001−281904号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、従来の定着装置を用いて高光沢な画像が得られると共に、ペーパーブリスタや失透現象を抑制した電子写真用画像転写メディアを提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.通気性支持体の少なくとも一方の面側に、微粒子フィラーとバインダーとを含有する断熱層と、熱可塑性樹脂を主成分とするトナー受像層とが積層されている電子写真用画像転写メディアであって、該断熱層を有する面側のJAPAN.TAPPI No.5に準拠した方法に従って測定した透気度が150,000秒以上であり、かつ通気性支持体を挟んで該断熱層を有する面とは反対側の面側から測定した該透気度が20,000秒以上、120,000秒以下であることを特徴とする電子写真用画像転写メディア。
2.前記断熱層の乾燥膜厚が、30μm以上、100μm以下であることを特徴とする前記1に記載の電子写真用画像転写メディア。
3.前記微粒子フィラーの少なくとも1種が、内部空隙率が40%以上の中空微粒子であることを特徴とする前記1または2に記載の電子写真用画像転写メディア。
4.前記中空微粒子の外径が、0.3μm以上、3.0μm以下であることを特徴とする前記3に記載の電子写真用画像転写メディア。
5.前記トナー受像層は、Tgが30℃以上、85℃以下の熱可塑性樹脂を主成分とし、トナー樹脂との相溶性を有し、かつ最表面に位置することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の電子写真用画像転写メディア。
6.前記トナー受容層の乾燥膜厚が、2μm以上、20μm以下であることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項に記載の電子写真用画像転写メディア。
7.前記通気性支持体は、両面に顔料を塗工した後、前記断熱層を設ける側の表面に平滑化処理が施された高平滑紙支持体であることを特徴とする前記1〜6のいずれか1項に記載の電子写真用画像転写メディア。
本発明により、従来の定着装置を用いて高光沢な画像が得られると共に、ペーパーブリスタや失透現象を抑制した電子写真用画像転写メディアを提供することができた。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、通気性支持体の少なくとも一方の面側に、微粒子フィラーとバインダーとを含有する断熱層と、熱可塑性樹脂を主成分とするトナー受像層とが積層されている電子写真用画像転写メディアであって、該断熱層を有する面側のJAPAN.TAPPI No.5に準拠した方法に従って測定した透気度が150,000秒以上であり、かつ通気性支持体を挟んで該断熱層を有する面とは反対側の面側から測定した該透気度が20,000秒以上、120,000秒以下であることを特徴とする電子写真用画像転写メディアにより、従来の定着装置を用いて高光沢な画像が得られると共に、ペーパーブリスタや失透現象を抑制した電子写真用画像転写メディアを実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
すなわち、本発明の電子写真用画像転写メディアは、通気性基材(以下、支持体、通気性支持体ともいう)と断熱層、トナー受像層から構成されており、必要に応じてさらなる構成層を適宜導入してなる。特に、本発明に係る断熱層を設けることで、比較的低い定着温度から効率よくトナーを溶融させることが可能となり、高速定着でも安定した光沢を得られることが特徴である。
以下に、本発明の詳細について説明する。
《断熱層》
本発明の電子写真用画像転写メディアでは、支持体とトナー受容層との間に、断熱層を有することを特徴とする。
トナー受容層下部に本発明に係る断熱層を設けることにより、定着時に定着ローラー等から付与される熱エネルギーの拡散を遮断し、トナー受容層の高温状態を維持することにより、トナー受容層に着弾したトナー粒子の溶解、平滑化あるいはトナー受容層中への埋込効果を発揮させることにより、光沢感のあるプリントが得られると共に、トナーを均一に溶融させることで、低い定着温度でも定着ができ、かつ高い定着温度で課題となるホットオフセット現象も、トナー中のワックスの高ブリードアウト特性により解決できることで、広い定着可能温度範囲を得ることができる。
本発明に係る断熱層とは、一般に、熱伝導率の低い構成材料を含む層であって、熱伝導率の低い樹脂で構成する方法、あるいは空気層や気泡を含む材料を用いて構成する方法が挙げられるが、本発明においては、高い空隙率(空隙容量)を有する断熱層であることが好ましい。
本発明に係る断熱層の空隙率としては30%以上であればよいが、40%以上であることが好ましく、50%以上、90%以下であることが特に好ましい。
本発明で規定する高空隙率を有する断熱層を形成する材料としては、特に制限はないが、例えば、発泡性プラスチック、中空粒子あるいは多孔質粒子をバインダーに分散させたものが用いられる。
発泡性プラスチックは熱可融性物質を殻とし、内部に低沸点溶剤を含有する中空状のプラスチックフィラーであり加熱により発泡する。このプラスチックフィラーの殻となる熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルニトリル、ポリブタジエン、或いはそれらの共重合体が挙げられる。また殻内に含まれる発泡剤としては、プロパンやイソブタン、ネオペンタン、石油エーテル等がある。例えば、松本油脂社製のミクロパール、ケマノード社製のExpancelがある。
中空粒子としては、ガラス、セラミックス、プラスチックス等の種々の材質で形成された微小中空体があり、ガラス微小中空体としては硼硅酸塩ガラスのマイクロフェアー、例えば、グラパーベル社製のMicrosel M.、アルミノシリケート系微小中空体としては、低発泡射出成型用及び標準射出成型用プレミックス、例えば、日本フィライト社製のFilliteがある。
また、断熱層に有機中空粒子を用いる場合、本発明に用いられる中空粒子としては、熱膨張性の中空粒子やカプセル状の中空ポリマーが挙げられる。熱膨張性の中空粒子とは、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の熱可塑性物質を壁材とする中空粒子であり、粒子内部にプロパン、n−ブタン、イソブタン等の熱膨張性気体を含有する物質である。又、カプセル状の中空ポリマーは、スチレン−アクリル等の樹脂を壁材とし、内部に水が入っており、乾燥時に水が蒸発し中空粒子となるポリマーである。上記のような中空粒子は、一般に0.1〜100μm程度の粒径を有しているが、本発明に用いられる中空粒子の粒子径(外経)は、0.2〜10μmが好ましく、より好ましくは0.3〜3.0μmである。0.2μm未満では、中空粒子として十分な断熱効果が得られず、10μmを超えると平滑性の低下が著しくなる。
本発明でいう粒径は、公知の方法により求めることができ、例えば、電子顕微鏡での粒子測定、レーザー回折式粒径分布測定装置を用いて測定できる。
また、中空粒子の中空度は、中空粒子の外径と内径の比であり、下式で表示されるものである。
中空度(%)=(中空粒子の内径/中空粒子の外径)×100
ここで、中空粒子の外径/内径は電子顕微鏡での粒子測定により求めることができる。
上記中空粒子を分散保持するバインダーとしては、特に限定はないが、例えば、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジエンゴム、アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、アクリル−マレイン酸樹脂、アクリル−酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂等のエマルジョンタイプの合成樹脂、ポリビニルアルコール、スターチ、カゼイン、ゼラチン等の水溶性高分子、カルボキシ・メチルセルローズ、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。
本発明における多孔質粒子とは、粒子表面に細孔を有する多孔質状のものであり、無機多孔質粒子と有機多孔質粒子のいずれも用いることができる。
無機多孔質粒子を構成するものとしては、非晶質シリカ、無水シリカ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、ゼオライト、サチンホワイト、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ藻土、カオリン、タルク、酸性白土、活性白土、ベントナイトなどが挙げられる。
本発明において使用される有機多孔質粒子としては、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、その他の重合法によって得られたもので良く、また塊状の多孔質樹脂を粉砕したものでも良い。樹脂の成分については、例えば、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン共重合体樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂及びこれらのブレンドなど特に限定されない。また、該樹脂粒子を多孔質化する、もしくは多孔質化した樹脂を得る手段についても特に限定されない。そのうち、乳化重合によって得られる有機多孔質粒子が好ましく、例えば、特開平2−70741号公報に開示されている粒子集合体エマルション粒子が好ましい。更に、特開平5−222108号記載の乾燥時の構造が、粒子の表層部から内部を結ぶ貫通孔を1個以上有し、且つ粒子直径が0.1〜5.0μmである多層構造エマルション粒子であることがより好ましい。
有機多孔質粒子の粒子径は0.05〜50μm、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.2〜10μmである。粒子径0.05μm未満では粒子を多孔質化することが困難である。粒子径は、前記中空粒子と同様の方法にて測定できる。
多孔質粒子が多孔質化されているか否かは、外見的には電子顕微鏡等を用いて知ることができるが、多孔質化の程度は、水銀ポロシメーターによる比表面積の測定によって確認することができる。また、JIS K−5101に記載されている吸油量の測定によって確認することもできる。これは、粒子表面及び内部に存在する細孔の毛細管現象により、同成分、同粒径の多孔質でない粒子よりも多くの油を吸うことを利用している。
本発明に係る断熱層の膜厚としては、概ね20μm以上であるが、本発明の効果を発揮させる観点から30μm以上が好ましく、100μm以下が生産性の観点から好ましい。20μm以下では本発明の断熱効果が小さく、50μmほどでそれ以上厚くしても効果が一定となる。また、100μm以上ではタッキングや膜はがれなどの問題が発生し、取り扱いが困難になる。
《トナー受容層》
本発明に係るトナー受容層は、熱可塑性樹脂を主成分とする構成から成ることを特徴とする。
本発明に係るトナー受容層に適用可能な熱可塑性樹脂としては、例えば、以下の熱可塑性樹脂を例示することができる。
(イ)ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂や、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体樹脂や、アクリル樹脂等、
(ロ)エステル結合を有するもの、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、アビエチン酸、コハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が置換していてもよい)と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのジエーテル誘導体(例えば、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2付加物など)、ビスフェノールS、2−エチルシクロヘキシルジメタノール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキシルジメタノール、グリセリン等のアルコール成分(これらのアルコール成分には水酸基などが置換されていてもよい)との縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹脂又はポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等。具体的には、特開昭59−101395号、同63−7971号、同63−7972号、同63−7973号、同60−294862号に記載のものを挙げることができる。また、市販品としては東洋紡製のバイロン290、バイロン200、バイロン280、バイロン300、バイロン103、バイロンGK−140、バイロンGK−130等、花王製のタフトンNE−382、タフトンU−5、ATR−2009、ATR−2010等、ユニチカ製のエリーテルUE3500、UE3210、XA−8153等、日本合成化学製のポリエスターTP−220、R−188等を挙げることができる。
(ハ)ポリウレタン樹脂等、
(ニ)ポリアミド樹脂、尿素樹脂等、
(ホ)ポリスルホン樹脂等、
(ヘ)ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂等、
(ト)ポリビニルブチラール等のポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂等、
(チ)ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等。
上記各熱可塑性樹脂は、単独で使用してもよく、またはこれらの熱可塑性樹脂を2種以上混合して使用してもよい。
本発明に係るトナー受容層は、単層でもよく、また2層以上で構成されていてもよく、トナー受容層を構成する熱可塑性樹脂の膜厚としては、概ね0.1〜50μmであり、好ましくは2.0〜20μmである。
本発明に係るトナー受容層で用いる熱可塑性樹脂のガラス転移点としては、0℃以上、好ましくは20℃以上であり、30℃〜85℃であることが、本発明の効果を十分に発揮させることができる観点から好ましい。熱伝導率は0.3W/m・K以下であることが好ましい。熱可塑性樹脂の熱伝導率は、例えば、「新版プラスチック材料読本」(工業調査会、1993年4月1日、新版4刷発行)、「プラスチック成形加工データブック」(日刊工業新聞、昭和63年3月初版1刷発行)、「プラスチック・データブック」(工業調査会、1999年12月初版1刷発行)に記載されている方法に従って求めることができる。
本発明に係るトナー受容層で用いる熱可塑性樹脂は、受容するトナーを構成する結着樹脂との相溶性の高い樹脂を選択することが、本発明の効果をより発揮できる観点から好ましい。
本発明でいうトナーの結着樹脂と相溶するということは、定着後の画像においてトナー受容層の熱可塑性樹脂とトナーの結着樹脂とが境界を形成しない状態になることを意味する。トナーの結着樹脂との相溶性を評価する方法として、例えば、特開平2−263642号公報に記載の溶解度パラメータが用いて測定する方法が記載されているが、より適切な評価方法として、溶融トナー傾斜角の測定方法を挙げることができる。
溶融トナー傾斜角の測定方法としては、トナーのディスクを成形した後、所定の温度に設定された熱可塑性樹脂から構成されるトナー受容層とトナーディスクを密着させ、トナーディスクを溶融させるた後、急冷、固化させる。この試料を、共和界面化学(株)製の接触角測定装置を使用し、トナーが固化した後のトナーの裾野の角度を2回測定し、その平均値をもって溶融トナー傾斜角とする。
この溶融トナー傾斜角の観点から熱可塑性樹脂を選択する場合、カラー画像形成に用いるトナーと熱可塑性樹脂とのトナー傾斜角が40度以下の樹脂を用いることが好ましい。溶融トナー傾斜角が40度以下になる透明樹脂層の樹脂としては、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリルエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。特に好ましいのは、トナーの主要樹脂(結着樹脂を基準として、50質量%以上含有される樹脂)と同種の樹脂である。すなわち、トナーの主要樹脂がポリエステル樹脂であればトナー受容層の樹脂としてはポリエステル樹脂を、トナーの主要樹脂がスチレン−アクリルエステル樹脂であればトナー受容層の樹脂としてスチレン−アクリルエステル樹脂を用いることが好ましい。
《トナー受容層、断熱層のその他の添加剤》
本発明に係るトナー受像層あるいは断熱層には、上記説明した各添加剤の他に、その熱力学的特性を改良する目的で、種々の添加剤を用いることができる。
そのような添加剤としては、その目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、可塑剤、フィラー、架橋剤、帯電調整剤、導電剤、顔料、界面活性剤、染料、調湿剤、マット剤等が挙げられる。
可塑剤は、トナーを定着する時の熱または圧力によって、トナー受容層が流動または柔軟化するのを調整する機能を有する。可塑剤としては、「化学便覧」(日本化学会編、丸善)や、「可塑剤−その理論と応用−」(村井孝一編著、幸書房)や、「可塑剤の研究 上」「可塑剤の研究 下」(高分子化学協会編)や、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等を参考にして選択することができる。
また、フィラーとしては、樹脂用の補強剤、充填剤、強化材として公知のものが用いることができ、有機及び無機のフィラーが好ましい。フィラーとしては、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)、「新版 プラスチック配合剤 基礎と応用」(大成社)、「フィラーハンドブック」(大成社)等を参考にして選択することができる。
架橋剤としては、反応基としてエポキシ基、イソシアネート基、アルデヒド基、活性ハロゲン基、活性メチレン基、アセチレン基、その他公知の反応基を2個以上分子内に持つ化合物が挙げられ、また、水素結合、イオン結合、配位結合等により結合を形成することが可能な基を2個以上持つ化合物も挙げられる。また、前記架橋剤としては、樹脂用のカップリング剤、硬化剤、重合剤、重合促進剤、凝固剤、造膜剤、造膜助剤、等で公知の化合物も挙げられる。
帯電調整剤としては、トナーの転写、付着等を調整し、電子写真用受容紙の帯電接着を防止する等の目的で使用することができる。帯電調整剤としては、従来公知の帯電防止剤、帯電調整剤がいずれも使用可能であり、カチオン界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の界面活性剤等の他、高分子電解質、導電性金属酸化物等を使用できる。
導電剤としては、ZnO、TiO2、SnO2、Al23、In23、SiO2、MgO、BaO、MoO3などの金属酸化物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、顔料としては、画質、特に白色度を改良する目的で、蛍光増白剤、白色顔料、有色顔料、染料等が挙げられる。前記蛍光増白剤は、近紫外部に吸収を持ち、400〜500nmに蛍光を発する化合物で、公知のものが使用される。蛍光増白剤としては、例えば、スチルベン系化合物、クマリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、カルボスチリル系化合物などが挙げられる。
染料としては、公知の種々の染料を用いることができ、例えば、油溶性染料などが挙げられる。油溶性染料としては、アントラキノン系化合物、アゾ系化合物などが挙げられる。
本発明に係るトナー受容層の白色度は、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、高い方が好ましい。白色度としては、CIE 1976で規定する(L***)色空間において、L*値は80以上が好ましく、85以上がより好ましく、90以上が特に好ましい。また、白色の色味はできるだけニュートラルであることが好ましい。白色の色味としては、L***空間において、(a*2+(b*2の値は、50以下でることが好ましく、18以下がより好ましく、5以下が特に好ましい。
本発明に係るトナー受容層の平滑度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高い方が好ましい。平滑度としては、トナーが無い白色から最大濃度の黒色までの全領域において、算術平均粗さ(Ra)が3μm以下であるのが好ましく、1μm以下であるのがより好ましく、0.5μm以下であるのが特に好ましい。また、算術平均粗さは、JIS B 0601、B 0651、B 0652に基づいて測定することができる。
本発明に係るトナー受容層では、表面電気抵抗としては、1×106〜1×1015Ω(25℃、65%RHの条件)であるのが好ましく、本発明に係るトナー受容層以外のその他の層における表面電気抵抗も1×106〜1×1015Ω(25℃、65%RHの条件)であるのが好ましい。
また、本発明に係るトナー受容層には、マット剤を添加できる。マット剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、固体粒子などが挙げられる。前記固体粒子としては、無機粒子と有機粒子とに分類できる。
本発明に係るトナー受容層には、滑り剤を添加できる。滑り剤としては、種々の公知のものが挙げられ、例えば、高級アルキル硫酸ナトリウム、高級脂肪酸高級アルコールエステル、カーボワックス、高級アルキルリン酸エステル、シリコーン化合物、変性シリコーン、硬化性シリコーン、等が挙げられ、また、ポリオレフィンワックス、弗素系オイル、弗素系ワックス、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス、シラン化合物などが挙げられる。
《支持体》
本発明の電子写真用画像転写メディアに用いる支持体は、高い通気性を有する通気性支持体であることが特徴であり、具体的には、断熱層を有する面側のJAPAN.TAPPI No.5に準拠した方法に従って測定した透気度が150,000秒以上であり、かつ通気性支持体を挟んで該断熱層を有する面とは反対側の面側から測定した該透気度が20,000秒以上、120,000秒以下であることを特徴とする。
一般的に、電子写真方式によるカラープリントでは、メディア上に転写したトナーを定着部で熱ローラーにより加熱、溶融させることでメディアに付着させるため、定着時にはトナー受像層だけでなく支持体にも過大な熱が付与される環境にある。これは、気密性の高いコート紙などでは、メディア中の水分が蒸発膨張してコート層を内側から押し広げるいわゆるペーパーブリスタ現象が発生する。
また、高気密なコート層を有する支持体では、定着後のメディア冷却過程において、光沢感が徐々に低下していく失透現象が発生することが本発明者等の検討により明らかになった。これは、コート層の熱容量にもよるが、メディア中の水分が熱を蓄熱することで熱が効率よく放熱されず、トナー樹脂やトナーから滲み出た離型材成分の結晶化が促進され、冷却過程において表面が徐々に荒れてしまうものと推測している。そこで、本発明者等は、支持体裏面側から測定した透気度が20,000秒〜120,000秒となるように調整することで、この失透現象が大幅に抑制できると共に、カール特性やペーパーブリスタ耐性を向上できることを見出した。特に、透気度が20,000秒未満になると、カールバランス変動が急激に大きくなる。
ここで、透気度の測定について説明する。本発明で規定する透気度は、JAPAN TAPPI No.5に記載の透気度測定法に従って測定されたものである。本発明に係る透気度を測定する一般的な測定器の構造の一例を図1に示す。
図1において、試験器1は、直径28.6±0.1mmの円孔を有する締め付け板の間に試験片(原紙)2を押さえて空気圧力を与える構造を有し、その上部は開放され空間で、空気が放出される。試験片2の測定における一般的な空気の流れは、試験片2のA方向に通過させる場合と、試験片2内をBの方向に通過し外部に放出される場合とがあり、双方ともに、その空気の通過量に測定される。本発明の電子写真用画像転写メディアの透気度を測定するには、その裏面側顔料塗工層5を測定器の空気送入側に接触させる図2に示す測定法において、空気は裏面側顔料塗工層5を通り、かつシート状の透気性基材3を透過するが、表面側に配置されている断熱層6及びトナー受容層7を透過できないから、Bの方向に空気が移動し、外部に放出される。一方、トナー受容層7を測定器の空気送入側に接触させた図3に示す場合には、空気はトナー受容層7により阻止されほとんど透過できない。裏面側顔料塗工層5を測定器の空気送入側に接触させた場合、透気度の測定が可能であることは、裏面層を加圧空気が通過可能であることを示唆する。よって、トナーの定着時に転写シート内の水蒸気が裏面側塗工層から外部へ放出されることを示している。
本発明の電子写真用画像転写メディアにおいて用いられる支持体は(以下、基材の裏面及または表面に顔料塗工層が設けられた構成を支持体という)、基材と断熱層との間に顔料を主成分とする塗工層が設けられたものであってもよく、この顔料塗工面上に断熱層を塗設してもよい。一方、支持体の裏面には、電子写真用画像転写メディアのカールバランスを調整するため、塗工層が設けることができる。表面塗工層によるカールを防ぐ為には、支持体の裏面に水性バインダーを塗工して表面塗工層側へのカールを防ぐことが考えられるが、カールバランスを保つために十分な塗工量では、裏面塗工層において測定された透気度を20,000秒〜120,000秒の範囲に調整することは難しく、一般に150,000秒を超えてしまい、ペーパーブリスタが発生する。本発明の電子写真用画像転写メディアでは、表面側の断熱層およびトナー受容層の塗工によって、JAPAN TAPPI No.5の方法により測定されたメディアの表面側から測定した透気度は、150,000秒以上の低透気性である。この表面側から測定した透気度が、150,000秒未満であると、トナーの埋め込みが不十分となり画像の光沢が低下することがある。
また、本発明の電子写真用画像転写メディアにおいては、JAPAN TAPPI 54−93に記載の方法に従って測定された内部結合力(内部結合強度)を、0.05kJ/m2以上に調整することが好ましく、さらに好ましくは0.08kJ/m2以上が望ましい。この内部結合力が、0.05kJ/m2未満であると、ペーパープリスターが発生することがあるという不都合を生ずる。本発明に係る断熱層およびトナー受像層を塗工した電子写真用画像転写メディアにおいては、所望の内部結合力が得られる。
本発明では、支持体の裏面側に無機顔料を主成分として含む顔料塗工層を設け、透気度が所望の範囲となるように顔料組成及び平滑化処理条件などを調整することにより、ペーパーブリスタの発生と、カールバランスとを調整できる。また、無機顔料とともに水性結着剤を用いることが好ましく、これらの配合割合は、無機顔料100質量部に対して水性結着剤が8〜25質量部の範囲内にあることが好ましい。
支持体の内部結合強度の向上に関しては、例えば、基材の紙材のパルプの種類(剛性の高い針葉樹)を選択すること、熱処理パルプを用いること、叩解を進め繊維間結合を高めること、紙力剤(ポリアミド、アクリルアミド、アミン化合物等)を用いること、湿潤紙力増強剤(ポリアミド、エポキシ、メラミン化合物等)を添加すること、サイズプレスで水系樹脂(ポリビニルアルコール、フッ素系樹脂、アクリル、スチレン、アクリル−スチレン共重合、アミド、ウレタン、澱粉誘導体、エポキシ化合物等)を含浸、塗工することなどが有効であるが、これらは目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の電子写真用画像転写メディアに使用される通気性支持体の基材としては、一般の上質紙が用いられ、この支持体の断熱層/トナー受容層を塗設する面には、顔料と水性結着剤からなる塗布液が塗工されることが好ましく、また支持体の裏面側にも、無機顔料を主成分とする塗布液が塗工される。支持体に塗布液を塗工した後は、通常の乾燥工程や表面処理工程等で平滑化処理され、水分が3〜10質量%、より好ましくは4〜8質量%程度となるように調整して仕上げられる。なお、断熱層/トナー受容層が塗工される表面側には、平滑化処理を施す際に、JIS K0601に基づく最大粗さRmaxが20μm以下になるよう調整される。
基材と断熱層の間および裏面側に塗工される顔料としては、例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、構造性カオリン、デラミカオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸価亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、アルミノ珪酸マグネシウム、微粒子状珪酸カルシウム、微粒子状炭酸マグネシウム、微粒子状軽質炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト等の鉱物質顔料や、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂並びにそれらの微小中空粒子や貫通孔型の有機顔料等が挙げられ、これらの中から1種あるいは2種以上が用いられる。
基材と断熱層の間および裏面側の塗工層に用いられる接着剤としては、水溶性または水分散性の高分子化合物を用いることができ、例えば、カチオン性澱粉、両性澱粉、酸化澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白、天然ゴム等の天然あるいは半合成高分子化合物、ポリビニルアルコール、イソプレン、ネオプレン、ポリブタジエン等のポリジエン類、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリアルケン類、ビニルハライド、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、メチルビニルエーテル等のビニル系重合体や共重合体類、スチレン−ブタジエン系、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の合成ゴムラテックス、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、オレフィン−無水マレイン酸樹脂、メラミン樹脂等の合成高分子化合物等が例示でき、これらの中から、本発明の効果を発現するために、1種あるいは2種以上が適宜選択して使用される。
基材と断熱層の間および裏面側の塗工層に用いられる接着剤の配合割合は、顔料100質量部に対して8〜25質量部の範囲内にあることが好ましい。ちなみにそれが8質量部未満では、断熱層を塗工する際に基材が塗布液によって侵されるため、塗布ライン上で支持体が破断したり、塗工できたとしても良好な白紙光沢度を得ることができないなどの問題が生じる。一方、それが25質量部を越えると、顔料塗工層を塗工する際に泡が発生し、塗工面がザラツくため、良好な白紙光沢度が得られないことがある。
また、裏面側顔料塗工層には、離型剤や滑剤が無機顔料100質量部に対して0.5〜5質量部の範囲で配合されることが好ましく、離型剤や滑剤の配合量が0.5質量部未満では転写メディアが重ね合わされたとき、相互に接触するトナー受容層と裏面顔料塗工層との高密着性から紙間摩擦係数が高くなり、転写メディアのプリンター内走行性が悪くなることがある。一方、それが5質量部を超えると裏面側顔料塗工層の強度の低下による紙粉の発生が問題となることがある。裏面側顔料塗工層に用いられる離型剤や滑剤としては、例えば、ステアリン酸などの高級脂肪酸、ステアリン酸亜鉛などの高級脂肪酸金属塩、ステアリン酸アミドなどの高級脂肪酸アミド及びそのメチロール化物、ポリエチレンワックスなどの炭化水素類が挙げられる。
表面側顔料塗工層及び裏面側顔料塗工層の塗布液中には、各種助剤、例えば、界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、導電防止剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、滑剤、防腐剤、香料等が必要に応じて適宜含まれていてもよい。
表面側顔料塗工層並びに裏面側顔料塗工層の塗工量については、カールバランスや透気度によって、本発明の電子写真用画像転写メディアの使用目的に応じて選択されるものであるが、一般的には、支持体表面の凹凸を完全に覆う程度が必要であり、乾燥質量で8〜40g/m2であることが好ましい。塗工層を形成する塗布方法としては、一般公知の塗布装置、例えば、ブレードコータ、エヤーナイフコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコータ、グラビアコータ、チャンプレックスコータ、ブラシコータ、ツーロールあるいはメータリングブレード式のサイズプレスコータ、ビルブレードコータ、ショートドウェルコータ、ゲートロールコータ等が適宜用いられる。
表面側顔料塗工層並びに裏面側顔料塗工層を平滑化処理は、通常のスーパーキャレンダ、グロスキャレンダ、ソフトキャレンダ等の平滑化処理装置で行われる。また、オンマシンやオフマシンで適宜用いられ、加圧装置の形態、加圧ニップの数、加温等も通常の平滑化処理装置に準じて適宜調節される。
本発明の電子写真用画像転写メディアに使用される基材としては、JAPAN.TAPPI 54−93に従って測定された内部結合強度が0.05kJ/m2以上になるように選択されることが好ましいが、その種類及び厚さなどは特に限定はない。例えば、抄紙pHが4.5付近である酸性抄紙、炭酸カルシウム等のアルカリ性填料を主成分として含み抄紙pHを約6の弱酸性〜約9の弱アルカリ性とする中性抄紙等の紙基体が用いられる。抄紙方法については、一般の長網多筒式、丸網単筒式、ヤンキー等の抄紙機が適宜用いられる。また用途に応じて合成紙、不織布、合成樹脂フィルムも使用できる。
支持体上への断熱層およびトナー受容層の塗布には、一般公知の塗布装置、例えば、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコータ、グラビアコータ等の装置が適宜用いられる。
支持体の厚みとしては、通常25〜300μmであり、50〜260μmが好ましく、75〜220μmがより好ましい。前記支持体の剛度、平滑性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、写真画質の受像紙用としてはカラー銀塩写真用の支持体に近いものが好ましい。前記支持体の密度としては、定着性能の観点からは、0.7g/cm3以上であることが好ましい。
支持体の熱伝導率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性能の観点からは、20℃で相対湿度が65%の条件下において、2.1kW/m・h・℃以上であることが好ましい。前記熱伝導率は、JIS P 8111に準拠して調湿した転写紙を、特開昭53−66279号に記載された方法によって測定することができる。
本発明に係る支持体には、本発明の効果を害しない範囲内において、目的に応じて適宜選択した各種の添加剤を添加させることができる。添加剤としては、例えば、増白剤、導電剤、填料、酸化チタン、群青、カーボンブラック等の顔料、染料などが挙げられ、前記顔料塗工層に混合して用いることができる。
また、本発明に係る支持体の片面あるいは両面には、その上に設けられる層との密着性を改良する目的で、種々の表面処理や下塗り処理を施すことができる。表面処理としては、例えば、光沢面、又は特開昭55−26507号公報記載の微細面、マット面、又は絹目面の型付け処理、コロナ放電処理、火炎処理、グロー放電処理、プラズマ処理等の活性化処理などが挙げられる。また、下塗り処理としては、例えば、特開昭61−846443号公報に記載の方法が挙げられる。これらの処理は、単独で施してもよいし、また、前記型付け処理等を行った後に活性化処理を施してもよいし、更に活性化処理等の表面処理後に下塗り処理を施してもよく、それらの各手段を任意に組合せることができる。
支持体中、支持体の表面あるいは裏面、またはこれらの組合せにおいて、親水性バインダーと、アルミナゾルや酸化スズ等の半導性金属酸化物と、カーボンブラックその他の帯電防止剤とを塗布してもよい。このような支持体としては、具体的には、特開昭63−220246号などに記載の支持体が挙げられる。
《その他の構成層》
本発明の電子写真用画像転写メディアにおいては、上記説明したトナー受容層と断熱層の他に、その他の構成層を設けることができる。その他の構成層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、表面保護層、中間層、下塗り層、クッション層、帯電調節(防止)層、反射層、色味調製層、保存性改良層、接着防止層、アンチカール層、平滑化層などが挙げられる。これらは、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。支持体が反射性支持体であり、支持体上に本発明に係るトナー受容層等が設けられる反射型の電子写真用画像転写メディアである場合は、支持体上の設ける各層は透明である必要はなく、むしろ白色であることが好ましい。
本発明の電子写真用画像転写メディアの不透明度としては、JIS P 8138に規定される方法で測定した値が、85%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
本発明の電子写真用画像転写メディアにおいては、裏面出力適性付与、裏面出力画質改良、カールバランス改良、筆記性付与、インクジェット、その他のプリント適性付与、機器通過性改良等の目的で、前記支持体における、前記受像層が設けられた側とは反対側にバック層を設けることができる。該バック層には、前述の各種の添加剤を用いることができ、特に前述のマット剤、滑り剤、帯電調整剤等を用いるのが好ましい。バック層は、1層であってもよいし、2層以上であってもよい。また、定着時のオフセット防止のため定着ローラー等に離型性オイルを用いている場合、裏面にオイル吸収性を持たせることが好ましい。
本発明の電子写真用画像転写メディアにおいては、支持体、断熱層、トナー受容層と、その他の構成層との密着を改良する目的で、密着改良層を設けることができる。
本発明の電子写真用画像転写メディアには、出力画像の安定性改良、受像層自身の安定性改良の目的で、各種の添加剤を用いることができる。このような添加剤としては、種々の公知の酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、劣化防止剤、オゾン劣化防止剤、防腐剤、防黴剤、などが挙げられる。
本発明の電子写真用画像転写メディアは、電子写真方式により電子写真用トナーによる画像形成に使用することができ、電子写真用カラートナーによるカラー画像形成に好適に使用するこ
とができる。
《電子写真用トナー》
本発明に用いられるトナーは、公知の電子写真用のトナーであれば特に限定されず、トナーの製造方法については粉砕法、重合法等、公知の製造方法であれば特に限定されないが、本発明の効果を出すには、懸濁重合法や、必要な添加剤の乳化液を加えた液中にて単量体を乳化重合し、微粒の重合体粒子を製造し、その後に、有機溶媒、凝集剤等を添加して会合する製造方法であることが好ましい。会合の際にはトナーの構成に必要な離型剤や着色剤などの分散液と混合して会合させて調製する方法や、単量体中に離型剤や着色剤などのトナー構成成分を分散した上で乳化重合する方法などが好ましくあげられる。尚、ここで会合とは樹脂粒子及び着色剤粒子が複数個融着することを示す。
懸濁重合法の製造方法としては特に限定されるものでは無いが、下記の様な製造方法を上げることができる。
すなわち、重合性単量体中に着色剤や必要に応じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機などで重合性単量体に各種構成材料を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料が溶解あるいは分散された重合性単量体を、分散安定剤の存在下で水系媒体中に拡散させ、ホモミキサーやホモジナイザーなどを使用してトナーとして所望の大きさの油滴になるよう分散させる。その後、撹拌機構が前述の撹拌翼である反応装置へ移し、加熱することで重合反応を進行させる。反応終了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥することで本発明のトナーを調製する。
また、トナーを製造する方法として樹脂粒子を水系媒体中で融着させて調製する方法も挙げることができる。この方法としては、特に限定されるものでは無いが、例えば、特開平5−265252号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に示す方法を挙げることができる。すなわち、樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒子、あるいは樹脂及び着色剤等より構成される微粒子を複数以上会合させる方法、特に、水中に乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させ、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥する事により、本発明のトナーを形成することができる。尚、ここにおいて凝集剤と同時に水に対して無限溶解する有機溶媒を加えてもよい。
トナーの樹脂成分としては、公知の樹脂を用いることができるが、一般には、ポリエステル樹脂やスチレン−アクリル樹脂等を主に用いることができる。また、塗布層上に画像を形成する場合には、塗布層に含まれる接着剤等の樹脂成分との相溶性の高い樹脂をトナーの樹脂成分として選択することが好ましい。このような観点からは、トナーの樹脂成分としては、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル樹脂等の中から目的に応じて1種或いは2種以上の混合物を使用することが好ましい。
トナーの体積平均粒子径は、2〜10μmの範囲内であることが好ましく、3〜9μmの範囲内であることがより好ましい。トナーの体積平均粒子径が、2μm未満であると、帯電性が不十分になり易く、現像性が低下する場合があり、一方、10μmを越えると、画像の解像性が低下する場合があるため、それぞれ好ましくない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
《支持体の作製》
〔支持体Aの作製〕
硫酸塩法晒広葉樹パルプ(LBKP)90質量%、硫酸塩法晒針葉樹パルプ(NBSP)10質量%のパルプ配合に、パルプに対し、カチオン澱粉0.7%、アルケニル無水コハク酸0.07%、重質炭酸カルシウム20%、バンド1%を添加して調製した原料を長網式抄紙機で抄紙し、サイズプレスにおいてポリアクリルアマイド及び表面サイズ剤としてアルキルケテンダイマーを含有した水溶液を乾燥固形量両面に0.9g/m2になるように処理し、乾燥後坪量170g/m2の白色基紙1を得た。
(表面側顔料塗工層の作製)
カオリン70質量%、軽質炭酸カルシウム30質量%の配合にポリアクリル酸ソーダ0.1質量%を加えて、コースレス分散機で65質量%の顔料スラリーを調製した。このスラリーに、カゼイン10質量%、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス10質量%を加え、さらに、水を加えて固形分濃度50%の塗布液を調製した。この塗布液を白色基紙1の表面側に乾燥質量で15g/m2となるようにエアーナイフコータを用いて塗布した。
(裏面側顔料塗工層の作製)
カオリン40質量%、軽質炭酸カルシウム40質量%、重質炭酸カルシウム20質量%の配合に、ポリアクリル酸ソーダ0.2質量%を加えて、コースレス分散機で53質量%の顔料スラリーを調製した。このスラリーに、カゼイン3質量%、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス13質量%を加え、さらに、水を加えて固形分濃度50%の塗布液を調製した。この塗布液を白色基紙1の裏面側に乾燥質量で20g/m2となるようにエアーナイフコータを用いて塗布した。
(表面側の平滑化処理)
表裏顔料塗工層を設けた上記支持体に関し、表面側のベック平滑度が40秒になるようマシンキャレンダにて平滑処理を行って、支持体Aを作製した。
〔支持体Bの作製〕
上記支持体Aの作製において、裏面側顔料塗工層の構成条件として、カオリンを0質量%、軽質炭酸カルシウムを60質量%、重質炭酸カルシウムを40質量%に変更した以外は同様にして、支持体Bを作製した。
〔支持体Cの作製〕
上記支持体Aの作製において、裏面側顔料塗工層の構成条件として、カオリンを0質量%、軽質炭酸カルシウムを60質量%、重質炭酸カルシウムを40質量%に変更し、この塗布液を白色基紙1の裏面側に乾燥質量で12g/m2となるようにエアーナイフコータを用いて塗布した以外は同様にして、支持体Cを作製した。
〔支持体Dの作製〕
上記支持体Aの作製において、裏面側顔料塗工層の構成条件として、カオリンを50質量%、軽質炭酸カルシウムを50質量%、重質炭酸カルシウムを0質量%に変更した以外は同様にして、支持体Dを作製した。
〔支持体Eの作製〕
上記支持体Aの作製において、裏面側顔料塗工層の構成条件として、カオリンを50質量%、軽質炭酸カルシウムを50質量%、重質炭酸カルシウムを0質量%に変更し、スラリーに加えるスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスを18質量%にし、更に表面側平滑化処理と同様にして裏面側においても平滑化処理を施した以外は同様にして、支持体Eを作製した。
《電子写真用画像転写メディアの作製》
〔試料101〜105の作製〕
上記作製した支持体A〜Eの各表面側に、下記の断熱層aを乾燥膜厚が50μmになるようにワイヤーバーコータを用いて塗布し、乾燥後、純水で湿らせた上にトナー受容層wを乾燥膜厚が6μmになるようにワイヤーバーコータを用いて塗布乾燥後、40℃、65%RHの条件で1日熱処理し、試料101〜105を作製した。
〔試料121〜123の作製〕
上記試料101の作製において、断熱層aに代えて、下記の断熱層b〜cを乾燥膜厚が50μmになるようにワイヤーバーコータを用いて塗布した以外は同様にして、試料121〜122を作製した。
〔試料131〜136の作製〕
上記試料101の作製において、断熱層aの乾燥膜厚を、0μm、10μm、30μm、70μm、100μm、120μmとなるように、それぞれワイヤーバーコータを用いて塗布した以外は同様にして、試料131〜136を作製した。
〔試料141〜143の作製〕
上記試料101の作製において、トナー受容層wを、トナー受容層x〜zにそれぞれ変更した以外は同様にして、試料141〜143を作製した。
(断熱層a)
中空粒子分散液(ローぺークHP−1055、ローム&ハース社製、球径=1.0μm) 50質量%
ゼラチン 3質量%
ジクロル−S−トリアジン水溶液(4%) 2質量%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 5質量%
水 40質量%
(断熱層b)
中空粒子分散液(ローぺークST、ローム&ハース社製、球径=0.4μm)
50質量%
ゼラチン 3質量%
ジクロル−S−トリアジン水溶液(4%) 2質量%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 5質量%
水 40質量%
(断熱層c)
球形多孔質シリカ粒子(サンスフェアH−33、ACR旭硝子製、球径=3μm)
40質量%
ゼラチン 5質量%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 5質量%
水 50質量%
(トナー受容層w)
アクリル樹脂水分散液(モビニール745、ニチゴー・モビニール製、Tg=21℃)
40質量%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 20質量%
ゼラチン水溶液(固形分濃度8%) 15質量%
水 25質量%
(トナー受容層x)
アクリル樹脂水分散液(モビニール743、ニチゴー・モビニール製、Tg=39℃)
40質量%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 20質量%
ゼラチン水溶液(固形分濃度8%) 15質量%
水 25質量%
(トナー受容層y)
ポリエステル樹脂水分散液(バイロナールMD−1200、東洋紡製、Tg=67℃)
40質量%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 20質量%
ゼラチン水溶液(固形分濃度8%) 15質量%
水 25質量%
(トナー受容層z)
スチレン−アクリル樹脂水分散液(モビニール972、ニチゴー・モビニール製、Tg=101℃) 40質量%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 20質量%
ゼラチン水溶液(固形分濃度8%) 15質量%
水 25質量%
《電子写真用画像転写メディアの評価》
〔透気度の測定〕
透気度は、JAPAN TAPPI No.5に準じ測定を行った。
支持体A〜Eに断熱層およびトナー受容層を塗工した試料101〜105について、図2、図3に記載の構成に従って、表面側及び裏面側からJAPAN TAPPI No.5に準じた方法で、透気度を測定し、得られた結果を表1に示す。
Figure 2007199465
〔評価用トナーの調製〕
(トナー用結着樹脂粒子の調製)
〈ラテックス1の調製〉
(1)核粒子の調製(第1段重合):ラテックス(1H)の調製
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに、アニオン系界面活性剤〔C1021(OCH2CH22OSO3Na〕7.08gをイオン交換水3010gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下で230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)1.5gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン80g、n−ブチルアクリレート16g、メタクリル酸4g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル3.0gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第1段重合)を行い、ラテックスを調製した。これを「ラテックス(1H)」とする。
(2)中間層の形成(第2段重合):ラテックス(1HM)の調製
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン120g、n−ブチルアクリレート24g、メタクリル酸6g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル4.5gからなる単量体混合液に、下記結晶性物質Aの98.0gを添加し、90℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。
一方、アニオン系界面活性剤(前出)の1.6gを、イオン交換水2700mlに溶解させた界面活性剤溶液を98℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、核粒子の分散液である前記ラテックス(1H)を固形分換算で28g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により、前記結晶性化合物Aの単量体溶液を8時間混合分散させ、分散粒子径(284nm)を有する乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。
次いで、この分散液(乳化液)に、重合開始剤(KPS)4.5gをイオン交換水240mlに溶解させた開始剤溶液と、イオン交換水750mlとを添加し、この系を98℃にて12時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第2段重合)を行い、ラテックスを得た。これを「ラテックス(1HM)」とする。
Figure 2007199465
(3)外層の形成(第3段重合):ラテックス1の調製
上記の様にして得られたラテックス(1HM)に、重合開始剤(KPS)6gをイオン交換水200mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン320g、n−ブチルアクリレート64g、メタクリル酸16g、多官能性重合性単量体(1−1)を48g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル12gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却しラテックス(1H)からなる中心部と、2段重合からなる中間層と、3段重合からなる外層とを有し、前記中間層に例示化合物(19)が含有されている複合樹脂粒子の分散液を得た。このラテックスをラテックス1とする。
このラテックス1を構成する複合樹脂粒子の質量平均粒径は122nmであった。
(着色剤分散液の調製)
〈マゼンタ分散液の調製〉
アニオン系界面活性剤(前出)59.0gをイオン交換水1600mlに攪拌溶解した。この溶液を攪拌しながら、C.I.ピグメントレッド122の420.0gを徐々に添加し、次いで、攪拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理することにより、マゼンタ分散液を調製した。
このマゼンタ分散液における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、110nmであった。
(着色粒子aの調製:(凝集・融着)会合による粒子の調製)
ラテックス1を420.7g(固形分換算)と、イオン交換水900gと上記調製したマゼンタ分散液200gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ攪拌した。
容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜11.0に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物12.1gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて90℃まで昇温した。その状態で、「コールターカウンターTA−II」にて会合粒子の粒径を測定し、体積平均粒径が4μm〜7μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、熟成処理として液温度98℃にて6時間にわたり加熱攪拌することにより融着を継続させることにより、着色粒子aを各々得た。
(トナーの調製)
上記調製した着色粒子aに、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1質量%及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を0.3質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、静電荷像現像用トナーを得た。得られたトナーのフロー軟化点は120℃、平均粒径は6μmであった。
(2成分現像剤の調製)
上記調製した静電荷像現像用トナーに対して、シリコーン結着樹脂を被覆した体積平均粒子径60μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6%になるようにして、2成分現像剤を調製した。
〔画像形成装置〕
画像形成装置として、特開2003−173044号公報の図3に記載の構成からなるカラーデジタル複写機を用いた。なお、定着装置としては、下記の構成からなる圧接方式の加熱定着装置を用いた。
表面にPFA(テトラフロオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)の被覆層(厚み:120μm)を有し、内径40mmで全幅が310mmのヒーターを中央部に内蔵した円柱状の厚み1.0mmのアルミ合金パイプを加熱ローラ(上ローラ)として有し、表面が同様にスポンジ状シリコーンゴム(アスカーC硬度=48:厚み2mm)で構成された内径40mmの肉厚2.0mmの鉄パイプを有する加圧ローラ(下ローラ)を有している。ニップ幅は5.8mmとした。この定着装置を使用して、印字の線速を74mm/秒に設定した。
尚、定着装置のクリーニング機構としてポリジフェニルシリコーン(20℃の粘度が10Pa・sのもの)を含浸したウェッブ方式の供給方式を使用し、定着の温度は上ロールの表面温度で制御し、197℃の設定温度とした。
〔光沢度の測定〕
前記調製した2成分現像剤のトナー量が0.5mg/cm2になるように、前記画像形成装置を用いて未定着トナー像を作製した。さらに未定着トナー像を、定着条件として197℃、線速度74mm/秒で、各電子写真用画像転写メディアの表面側に画像形成した。
次いで、各試料上の画像の60度光沢度を、精密光沢度計(村上色彩技術研究所製)を用いて測定した。
〔失透耐性(失透現象)の評価〕
前記画像形成装置および定着装置を用いて光沢度測定用画像を作成する際、定着ローラ通過直後の光沢感変化を目視評価し、下記の基準に従って失透耐性の評価を行った。
◎:光沢変化が全く発生せず、プリント後の光沢にも優れる
○:光沢変化がほとんど見られず、プリント後の光沢にも優れる
△:光沢変化が若干見られるが、プリント後の光沢には優れる
×:光沢変化が大きく、プリント後の光沢が低下する
〔カール変化の測定〕
試料各々をハガキサイズ(100mm×148mm)に裁断し、23℃、55%RH環境条件で12時間調湿した後、四隅のぞれぞれの高さを測定した。次いで、試料各々を23℃、80%RHの環境条件に移動し、トナー受容層側を上にして4時間放置した後、四隅のぞれぞれの高さを測定した。23℃、55%RH環境条件下で調湿した試料の四隅の高さと、23℃、80%RHの環境条件で4時間放置後の高さの4隅の差の平均値を求め、以下の基準に従ってカール変化評価を行った。ここで、カール高さの変化巾が15mmを超える試料は、画像形成装置での紙送り性や搬送安定性の点で実用範囲外と判定した。
◎:四隅高さ変化の平均値が5mm未満である
○:四隅高さ変化の平均値が5mm以上、10mm未満である
△:四隅高さ変化の平均値が10mm以上、15mm未満である
×:四隅高さ変化の平均値が15mm以上である
〔ペーパーブリスタ耐性の評価〕
各々の試料を23℃、55%RHの環境条件で調湿した後、同環境条件下で上記定着装置を用いて、197℃、線速度74mm/秒で各々白色試料を通し、目視およびルーペ(50倍)でペーパーブリスタの発生有無を観察し、下記の基準に従ってペーパーブリスタ耐性を評価した。
◎:ペーパーブリスタ発生が目視及びルーペ観察のいずれでも認められない
○:ペーパーブリスタ発生が目視では判断できないが、ルーペ観察では若干認められる
△:ペーパーブリスタ発生が目視で確認されるものの、画像観賞上は許容範囲内である
×:ペーパーブリスタ発生が目視で確認され、また画像観賞上においても許容範囲外である
××:ペーパーブリスタが著しく発生し、定着装置に詰まるなどの問題が発生する可能性がある
以上により得られた各評価を、表2に示す。
Figure 2007199465
表1及び表2に記載の結果より明らかなように、本発明の電子写真用画像転写メディアは、高い光沢度だけでなく、プリント後の失透現象が抑制され、またカール耐性、ペーパーブリスタ耐性にも優れ、高品質な電子写真プリントを提供できることが分かる。
JAPAN TAPPI No.5による透気度測定法の原理を説明するための模式図である。 透気度測定法により、電子写真転写用画像転写メディアの裏面側の透気度を測定する一例を示す模式図である。 透気度測定法により、電子写真転写用画像転写メディアの表面側の透気度を測定する一例を示す模式図である。
符号の説明
1 試験器
2 試験片(原紙)
3 透気性基材
4 表面側顔料塗工層
5 裏面側顔料塗工層
6 断熱層
7 トナー受容層
A、B 空気の流れ方向

Claims (7)

  1. 通気性支持体の少なくとも一方の面側に、微粒子フィラーとバインダーとを含有する断熱層と、熱可塑性樹脂を主成分とするトナー受像層とが積層されている電子写真用画像転写メディアであって、該断熱層を有する面側のJAPAN.TAPPI No.5に準拠した方法に従って測定した透気度が150,000秒以上であり、かつ通気性支持体を挟んで該断熱層を有する面とは反対側の面側から測定した該透気度が20,000秒以上、120,000秒以下であることを特徴とする電子写真用画像転写メディア。
  2. 前記断熱層の乾燥膜厚が、30μm以上、100μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用画像転写メディア。
  3. 前記微粒子フィラーの少なくとも1種が、内部空隙率が40%以上の中空微粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用画像転写メディア。
  4. 前記中空微粒子の外径が、0.3μm以上、3.0μm以下であることを特徴とする請求項3に記載の電子写真用画像転写メディア。
  5. 前記トナー受像層は、Tgが30℃以上、85℃以下の熱可塑性樹脂を主成分とし、トナー樹脂との相溶性を有し、かつ最表面に位置することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真用画像転写メディア。
  6. 前記トナー受容層の乾燥膜厚が、2μm以上、20μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真用画像転写メディア。
  7. 前記通気性支持体は、両面に顔料を塗工した後、前記断熱層を設ける側の表面に平滑化処理が施された高平滑紙支持体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真用画像転写メディア。
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