JP2007225660A - 電子写真受像材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】ペーパーブリスタ耐性に優れ、特殊な2次定着プロセスを用いなくとも発色性、光沢性に優れ、かつ、高いカール耐性を有するフォトライクプリントを得ることができる電子写真受像材料を提供することである。
【解決手段】基材の上にトナー受容層を有する電子写真受像材料において、該基材と該トナー受容層との間に少なくとも1層の空隙を有する断熱層を有し、該基材が、25℃、90%RHでの透湿度が500〜5000g/m2・dayの耐水紙であることを特徴とする電子写真受像材料。
【選択図】なし

Description

本発明は電子写真受像材料に関し、さらに詳しくは、ペーパーブリスタ耐性に優れ、特殊な2次定着プロセスを用いなくとも発色性、光沢性に優れ、かつ、高いカール耐性を有するフォトライクプリントを得ることができる電子写真受像材料に関する。
電子写真方式による画像形成には普通紙が使われてきたが、重合トナーやプリント機器による多色画像やフルカラー画像形成技術の普及、発展に伴って、高画質な多色フルカラー画像形成用途の電子写真用受像紙開発が行われてきている。近年は銀塩写真プリントやインクジェット出力プリント並のフォトライクなプリントの要望が強くなってきているが、未だ満足できる電子写真出力のプリントは得られていない。
電子写真出力でのプリントは数μm大のトナーを用いるため、トナー定着部には凹凸が形成され、光沢感に乏しく、トナー盛り量にも限界があるため発色濃度も低い。フォトライク出力にはこれらの改善が強く望まれている。
光沢発現の方法として、特許文献1等では、コート紙上に熱可塑性樹脂層を設けることで光沢向上の提案がなされているが、光沢、発色性は十分なものではない。また、特許文献2、3では紙支持体に中空粒子(空隙粒子)を塗設した受像層が提案されているが、光沢は不十分なものであり、本発明の特徴である基材の透湿度の効果を示唆する記載もない。
一方、特許文献4等では基紙の両面を樹脂で被覆したレジンコート紙に受像層を設けることで光沢向上の提案がなされているが、定着時の熱で紙中の水分が気化して受像紙が膨らんでしまう、所謂ペーパーブリスタ耐性が劣るばかりでなく、光沢も不十分であることが分かった。
上記課題のために、特許文献5、6等では、基紙の両面にポリオレフィン層を有する基材に受像層を塗工した受像紙を用いて、定着後にベルト定着方式の定着をさらに施すことでトナーを加熱、溶融して、受像層に埋め込むことにより光沢を出す方法が開示されている。しかし、2回以上の定着を施すには機器が大きくなる、汎用性に乏しい等、問題点を持ち、1回の定着で満足できるフォトライクな光沢が出るプリント技術が求められている。
特開2005−77804号公報 特開2002−14485号公報 特開2003−322993号公報 特開2002−365826号公報 特開2000−66466号公報 特開2004−126427号公報
本発明は、ペーパーブリスタ耐性に優れ、特殊な2次定着プロセスを用いなくとも発色性、光沢性に優れ、かつ、高いカール耐性を有するフォトライクプリントを得ることができる電子写真受像材料を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成された。
1.基材の上にトナー受容層を有する電子写真受像材料において、該基材と該トナー受容層との間に少なくとも1層の空隙を有する断熱層を有し、該基材が、25℃、90%RHでの透湿度が500〜5000g/m2・dayの耐水紙であることを特徴とする電子写真受像材料。
2.前記基材が、紙支持体の少なくとも片面に、スチレン−ブタジエン系共重合体からなる耐水性層を有する耐水紙であることを特徴とする1記載の電子写真受像材料。
3.前記基材が、紙支持体の少なくとも片面に、スチレン−ブタジエン系共重合体と填料からなる耐水性層を有する耐水紙であることを特徴とする1記載の電子写真受像材料。
4.前記トナー受容層が、熱可塑性樹脂を含有することを特徴とする1〜3のいずれか1項記載の電子写真受像材料。
5.前記断熱層の空隙率が40%以上であることを特徴とする1〜4のいずれか1項記載の電子写真受像材料。
6.前記断熱層が、外径0.3〜3.0μm、内部空隙率が30%以上である中空粒子を含有することを特徴とする1〜5のいずれか1項記載の電子写真受像材料。
7.前記断熱層の乾燥膜厚が20〜100μmであることを特徴とする1〜6のいずれか1項記載の電子写真受像材料。
本発明によれば、ペーパーブリスタ耐性に優れ、特殊な2次定着プロセスを用いなくとも発色性、光沢性に優れ、かつ、高いカール耐性を有するフォトライクプリントを得ることができる電子写真受像材料を提供することができる。
本発明者は、これらの課題に対し鋭意検討の結果、基材の上にトナー受容層を有する電子写真受像材料において、該基材と該トナー受容層との間に少なくとも1層の空隙を有する断熱層を有し、該基材が、25℃、90%RHでの透湿度が500〜5000g/m2・dayの耐水紙である電子写真受像材料により、上記目的を実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
すなわち、断熱層を設けた本発明の層構成では、定着時にトナーにかかる熱効率を上げることで、トナーの溶融、つぶれ、及び受容層へのトナー埋込みが促進され、光沢性、レリーフ段差に改善効果を得ることができるが、発色性、光沢性のさらなる改善には電子写真受像材料の他の構成因子である基材の影響が大きいことが分かった。本発明者らの検討の結果、定着プロセスでトナー画像が形成される際に、定着プロセスから搬出された直後は高い光沢性を有するものの、トナー画像が放冷されていくに従い、くすんだ透明感のない低光沢な画像となってしまう、いわゆる失透現象が発生することが分かった。本発明の電子写真受像材料を用いることで、基材上に断熱層、受容層を塗工、乾燥した後の表面平滑性が改善されるばかりでなく、先述した失透現象を抑制でき、高い光沢性、発色性を得ることができる。
本発明で改良効果が得られる理由は定かではないが、(1)基材が適度な耐水性を有することで、水系の断熱層、トナー受容層が塗工、乾燥された際の平滑性劣化、カールが抑制できること、(2)定着熱によりミクロなボイドをトナー層内に形成し、散乱による光沢性低下要因となるトナー中の水分を基材側から逃がすことで、失透の発生を抑制し、高い光沢性発現ができること、(3)定着熱により基材中の水分が透過することにより受像材料の放冷性が高まり、定着時にトナー中からブリードアウトしたワックスの結晶性が良化し、トナー定着部の光沢性が向上すること等が原因と考えられる。
本発明の、断熱層、トナー受容層を有し、透湿度が規定された基材からなる電子写真受像材料を用いることにより、優れたブリスタ耐性を有し、特異的な2次定着装置を用いなくとも発色性、光沢性に優れ、プリント前後のカール品質やプリント時の環境条件に依らず安定してトナー転写性、定着性に優れたプリント品質を有する記録用紙の提供が可能となった。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の電子写真受像材料は、電子写真記録方式に適した記録材料であり、基材上に少なくとも一方の面に断熱層とトナー受容層を有するものである。
《断熱層》
本発明の電子写真受像材料では、基材(支持体)とトナー受容層との間に、断熱層を有することを特徴とする。
トナー受容層の下部に本発明に係る断熱層を設けることにより、定着時に定着ローラー等から付与される熱エネルギーの拡散を遮断し、トナー受容層の高温状態を維持することにより、トナー受容層に着弾したトナー粒子の溶解、平滑化あるいはトナー受容層中への埋込効果を発揮させることにより、光沢感のあるプリントが得られると共に、トナーを均一に溶融させることで、低い定着温度でも定着ができ、かつ高い定着温度では課題となるホットオフセット現象をトナー中のワックスの高ブリードアウトにより解決できることで、広い定着可能温度範囲を得ることができる。
断熱層とは、一般に、熱伝導率の低い構成材料を含む層であって、熱伝導率の低い樹脂で構成する方法、あるいは空気層や気泡を含む材料を用いて構成する方法が挙げられるが、本発明においては、高い空隙率(空隙容量)を有する断熱層であることが好ましい。本発明に係る断熱層の空隙率としては40%以上であることが好ましく、50〜90%であることが特に好ましい。
本発明で規定する高空隙率を有する断熱層を形成する材料としては、発泡性プラスチック、中空粒子あるいは多孔質粒子をバインダーに分散させたものが用いられる。
発泡性プラスチックは、熱可融性物質を殻とし、内部に低沸点溶剤を含有する中空状のプラスチックフィラーであり加熱により発泡する。このプラスチックフィラーの殻となる熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルニトリル、ポリブタジエン、あるいはそれらの共重合体が挙げられる。また、殻内に含まれる発泡剤としては、プロパンやイソブタン、ネオペンタン、石油エーテル等がある。例えば、ミクロパール(松本油脂社製)、Expancel(ケマノード社製)がある。
中空粒子としては、ガラス、セラミックス、プラスチックス等の種々の材質で形成された微小中空体があり、ガラス微小中空体としては硼硅酸塩ガラスのマイクロフェアー、例えばMicrosel M(グラパーベル社製)、アルミノシリケート系微小中空体としては低発泡射出成型用及び標準射出成型用プレミックス、例えばFillite(日本フィライト社製)がある。
また、断熱層に有機中空粒子を用いる場合、本発明に用いられる中空粒子は、熱膨張性の中空粒子やカプセル状の中空ポリマーが挙げられる。熱膨張性の中空粒子は、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の熱可塑性物質を壁材とする中空粒子であり、粒子内部にプロパン、n−ブタン、イソブタン等の熱膨張性気体を含有する物質である。また、カプセル状の中空ポリマーは、スチレン−アクリル等の樹脂を壁材とし、内部に水が入っており、乾燥時に水が蒸発し中空粒子となるポリマーである。上記のような中空粒子は、一般に0.1〜100μm程度の粒径を有しているが、本発明において用いられる中空粒子の粒子径は0.3〜10μmが好ましく、より好ましくは0.3〜3μmである。0.3μm未満では、中空粒子として十分な断熱効果が得られず、10μmを超えると平滑性の低下が著しくなる。
本発明でいう粒径は、公知の方法により求めることができ、例えば、電子顕微鏡での粒子測定、レーザー回折式粒径分布測定装置を用いて測定できる。
また、中空粒子の中空度は、中空粒子の外径と内径の比であり、下式で表示されるものである。
中空度(%)=(中空粒子の内径/中空粒子の外径)×100
ここで、中空粒子の外径/内径は電子顕微鏡での粒子測定により求めることができる。
上記中空粒子を分散保持するバインダーとしては、特に限定はないが、例えば、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジエンゴム、アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、アクリル−マレイン酸樹脂、アクリル−酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂等のエマルジョンタイプの合成樹脂、ポリビニルアルコール、スターチ、カゼイン、ゼラチン等の水溶性高分子、カルボキシメチルセルローズ、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。
本発明における多孔質粒子とは、粒子表面に細孔を有する多孔質状のものであり、無機多孔質粒子と有機多孔質粒子のいずれも用いることができる。
無機の多孔質粒子を構成するものとしては、非晶質シリカ、無水シリカ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、ゼオライト、サチンホワイト、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ藻土、カオリン、タルク、酸性白土、活性白土、ベントナイト等が挙げられる。
本発明に使用される有機多孔質粒子としては、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、その他の重合法によって得られたものでよく、また塊状の多孔質樹脂を粉砕したものでもよい。樹脂の成分については、例えばポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン共重合体樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂及びこれらのブレンド等、特に限定されない。また、該樹脂粒子を多孔質化する、もしくは多孔質化した樹脂を得る手段についても特に限定されない。そのうち、乳化重合によって得られる有機多孔質粒子が好ましく、例えば、特開平2−70741号に開示されている粒子集合体エマルション粒子が好ましい。さらに、特開平5−222108号記載の乾燥時の構造が粒子の表層部から内部を結ぶ貫通孔を1個以上有し、かつ粒子直径が0.1〜5.0μmの多層構造エマルション粒子であることがより好ましい。
有機多孔質粒子の粒子径は、0.05〜50μm、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.2〜10μmである。粒子径が0.05μm未満では粒子を多孔質化することが困難である。粒子径は前記中空粒子と同様の方法にて測定できる。
多孔質粒子が多孔質化されているか否かは、外見的には電子顕微鏡等を用いて知ることができるが、多孔質化の程度は、水銀ポロシメーターによる比表面積の測定によって確認することができる。また、JIS K−5101に記載されている吸油量の測定によって確認することもできる。これは粒子表面及び内部に存在する細孔の毛細管現象により、同成分、同粒径の多孔質でない粒子よりも多くの油を吸うことを利用している。
断熱層の膜厚としては、概ね20μm以上であるが、本発明の効果を発揮させる観点から30μm以上が好ましく、100μm以下が生産性の観点から好ましい。20μm未満では断熱効果が小さく、50μmほどでそれ以上厚くしても効果が一定となる。また、100μmを超えるとタッキングや膜はがれ等の問題が発生し、取り扱いが困難になる。
《トナー受容層》
本発明に係るトナー受容層は、熱可塑性樹脂を主成分とする構成から成ることが好ましい。
本発明に係るトナー受容層に適用可能な熱可塑性樹脂としては、例えば、以下の熱可塑性樹脂を例示することができる。
(イ)ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂や、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体樹脂や、アクリル樹脂等、
(ロ)エステル結合を有するもの、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、アビエチン酸、コハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が置換していてもよい)と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのジエーテル誘導体(例えば、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2付加物等)、ビスフェノールS、2−エチルシクロヘキシルジメタノール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキシルジメタノール、グリセリン等のアルコール成分(これらのアルコール成分には水酸基等が置換されていてもよい)との縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹脂またはポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等。具体的には、特開昭59−101395号、同63−7971号、同63−7972号、同63−7973号、同60−294862号に記載のものを挙げることができる。また、市販品としては東洋紡製のバイロン290、バイロン200、バイロン280、バイロン300、バイロン103、バイロンGK−140、バイロンGK−130等、花王製のタフトンNE−382、タフトンU−5、ATR−2009、ATR−2010等、ユニチカ製のエリーテルUE3500、UE3210、XA−8153等、日本合成化学製のポリエスターTP−220、R−188等を挙げることができる。
(ハ)ポリウレタン樹脂等、
(ニ)ポリアミド樹脂、尿素樹脂等、
(ホ)ポリスルホン樹脂等、
(ヘ)ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂等、
(ト)ポリビニルブチラール等の、ポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂等、
(チ)ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等。
上記の各熱可塑性樹脂は、単独で使用してもよく、またはこれらの熱可塑性樹脂を2種以上混合して使用してもよい。
トナー受容層は、単層でもよく、また2層以上で構成されていてもよく、トナー受容層を構成する熱可塑性樹脂の膜厚としては、概ね0.1〜50μmであり、好ましくは0.5〜10μmである。
トナー受容層で用いる熱可塑性樹脂のガラス転移点としては、0℃以上、好ましくは20℃以上であり、35〜85℃が本発明の効果を十分に発揮させるには好ましい。
トナー受容層で用いる熱可塑性樹脂の熱伝導率は0.3W/m・K以下であることが好ましい。熱可塑性樹脂の熱伝導率は、例えば、「新版プラスチック材料読本」(工業調査会、1993年4月1日、新版4刷発行)、「プラスチック成形加工データブック」(日刊工業新聞、昭和63年3月初版1刷発行)、「プラスチック・データブック」(工業調査会、1999年12月初版1刷発行)に記載されている方法に従って求めることができる。
トナー受容層で用いる熱可塑性樹脂は、受容するトナーを構成する結着樹脂との相溶性の高い樹脂を選択することが、本発明の効果をより発揮できる観点から好ましい。
本発明でいうトナーの結着樹脂と相溶するとは、定着後の画像においてトナー受容層の熱可塑性樹脂とトナーの結着樹脂とが境界を形成しない状態になることを意味する。トナーの結着樹脂との相溶性を評価する方法として、例えば、特開平2−263642号に記載の溶解度パラメータを用いて測定する方法が記載されているが、より適切な評価方法として、溶融トナー傾斜角の測定方法を挙げることができる。
溶融トナー傾斜角の測定方法としては、トナーのディスクを成形した後、所定の温度に設定された熱可塑性樹脂から構成されるトナー受容層とトナーディスクを密着させ、トナーディスクを溶融させるた後、急冷、固化させる。この試料を、共和界面化学(株)製の接触角測定装置を使用し、トナーが固化した後のトナーの裾野の角度を2回測定し、その平均値をもって溶融トナー傾斜角とする。
この溶融トナー傾斜角の観点から熱可塑性樹脂を選択する場合、カラー画像形成に用いるトナーと熱可塑性樹脂とのトナー傾斜角が40度以下の樹脂を用いることが好ましい。溶融トナー傾斜角が40度以下になる透明樹脂層の樹脂としては、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリルエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。特に好ましいのは、トナーの主要樹脂(結着樹脂を基準として、50質量%以上含有される樹脂)と同種の樹脂である。すなわち、トナーの主要樹脂がポリエステル樹脂であれば、トナー受容層の樹脂としてはポリエステル樹脂を、トナーの主要樹脂がスチレン−アクリルエステル樹脂であれば、トナー受容層の樹脂としてスチレン−アクリルエステル樹脂を用いることが好ましい。
支持体上への断熱層及びトナー受容層の塗工には、一般に公知の塗被装置、例えば、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコータ、グラビアコータ等の装置が適宜用いられる。
《トナー受容層、断熱層のその他の添加剤》
本発明に係るトナー受像層あるいは断熱層には、上記説明した各添加剤の他に、その熱力学的特性を改良する目的で、種々の添加剤を用いることができる。
そのような添加剤としては、その目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、可塑剤、フィラー、架橋剤、帯電調整剤、導電剤、顔料、界面活性剤、染料、調湿剤、マット剤等が挙げられる。
可塑剤は、トナーを定着する時の熱または圧力によって、トナー受容層が流動または柔軟化するのを調整する機能を有する。可塑剤としては、「化学便覧」(日本化学会編、丸善)や、「可塑剤−その理論と応用−」(村井孝一編著、幸書房)や、「可塑剤の研究 上」「可塑剤の研究 下」(高分子化学協会編)や、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等を参考にして選択することができる。
また、フィラーとしては、樹脂用の補強剤、充填剤、強化材として公知のものが用いることができ、有機及び無機のフィラーが好ましい。フィラーとしては、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)、「新版 プラスチック配合剤 基礎と応用」(大成社)、「フィラーハンドブック」(大成社)等を参考にして選択することができる。
架橋剤としては、反応基としてエポキシ基、イソシアネート基、アルデヒド基、活性ハロゲン基、活性メチレン基、アセチレン基、その他公知の反応基を2個以上分子内に持つ化合物が挙げられ、また、水素結合、イオン結合、配位結合等により結合を形成することが可能な基を2個以上持つ化合物も挙げられる。また、前記架橋剤としては、樹脂用のカップリング剤、硬化剤、重合剤、重合促進剤、凝固剤、造膜剤、造膜助剤、等で公知の化合物も挙げられる。
帯電調整剤としては、トナーの転写、付着等を調整し、電子写真用受容紙の帯電接着を防止する等の目的で使用することができる。帯電調整剤としては、従来公知の帯電防止剤、帯電調整剤がいずれも使用可能であり、カチオン界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の界面活性剤等の他、高分子電解質、導電性金属酸化物等を使用できる。
導電剤としては、ZnO、TiO2、SnO2、Al23、In23、SiO2、MgO、BaO、MoO3等の金属酸化物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、顔料としては、画質、特に白色度を改良する目的で、蛍光増白剤、白色顔料、有色顔料、染料等が挙げられる。前記蛍光増白剤は、近紫外部に吸収を持ち、400〜500nmに蛍光を発する化合物で、公知のものが使用される。蛍光増白剤としては、例えば、スチルベン系化合物、クマリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、カルボスチリル系化合物等が挙げられる。
染料としては、公知の種々の染料を用いることができ、例えば、油溶性染料等が挙げられる。油溶性染料としては、アントラキノン系化合物、アゾ系化合物等が挙げられる。
本発明に係るトナー受容層の白色度は、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、高い方が好ましい。白色度としては、CIE 1976(L***)色空間においてL*値80以上が好ましく、85以上がより好ましく、90以上が特に好ましい。また、白色の色味は、できるだけニュートラルであることが好ましい。白色の色味としては、L***空間において(a*2+(b*2の値が、50以下が好ましく、18以下がより好ましく、5以下が特に好ましい。
本発明に係るトナー受容層の平滑度は、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、高い方が好ましい。平滑度としては、トナーがない白色から最大濃度の黒色までの全領域において、算術平均粗さ(Ra)が3μm以下であるのが好ましく、1μm以下であるのがより好ましく、0.5μm以下であるのが特に好ましい。前記算術平均粗さは、JIS B 0601、B 0651、B 0652に基づいて測定することができる。
本発明に係るトナー受容層における表面電気抵抗としては、1×106〜1×1015Ω(25℃、65%RHの条件)であるのが好ましく、本発明に係るトナー受容層以外のその他の層における表面電気抵抗も1×106〜1×1015Ω(25℃、65%RHの条件)であるのが好ましい。
また、本発明に係るトナー受容層には、マット剤を添加できる。マット剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、固体粒子等が挙げられる。前記固体粒子としては、無機粒子と有機粒子とに分類できる。
本発明に係るトナー受容層には滑り剤を添加できる。滑り剤としては、種々の公知のものが挙げられ、高級アルキル硫酸ナトリウム、高級脂肪酸高級アルコールエステル、カーボワックス、高級アルキルリン酸エステル、シリコーン化合物、変性シリコーン、硬化性シリコーン、等が挙げられ、また、ポリオレフィンワックス、弗素系オイル、弗素系ワックス、カルナバワックス、マイクロクリスタリンワックス、シラン化合物等が挙げられる。
《基材》
本発明の電子写真受像材料に用いる基材は、25℃、90%RHでの透湿度が500〜5000g/m2・dayの耐水紙であることが特徴である。さらに、基材は、紙支持体の少なくとも片面に、スチレン−ブタジエン系共重合体からなる耐水性層を有する耐水紙であることが好ましく、紙支持体の少なくとも片面に、スチレン−ブタジエン系共重合体と填料からなる耐水性層を有する耐水紙であることが好ましい。
一般的、電子写真方式によるプリントでは、メディア上に転写したトナーを定着部で加熱ローラー、加圧ローラーにより加熱、溶融させることでメディアに付着させるため、定着時にはトナー受容層だけでなく基材にも過大な熱が付与される環境にある。そのため、気密性の高い耐水紙、レジンコート紙等では、メディア中の水分が蒸発、膨張して、耐水性層であるコート層、レジン層を内側から押し広げて平滑性が損なわれる現象、いわゆるペーパーブリスタ現象が発生する。
また、前述のように、本発明者らが鋭意検討の結果、高気密なコート層を有する基材を電子写真受像材料に用いた場合には、定着プロセスでトナー画像が形成される際に、定着プロセスから搬出された直後は高い光沢性を有するものの、定着後の放冷過程において、くすんだ透明感のない低光沢な画像となってしまう、いわゆる失透現象が発生することが分かった。
本発明に係る耐水紙を用いることで、基材上に断熱層、受容層を塗工、乾燥した後の表面平滑性が改善されるばかりでなく、先述の失透現象を抑制でき、高い光沢性、発色性を得ることができる。
本発明者等は、25℃、90%RHでの透湿度が500〜5000g/m2・24hであり、耐水性層がスチレン−ブタジエン系共重合体と填料からなる耐水性層を有する耐水紙を用いることで、この失透現象が大幅に抑制できることを見出した。
〈透湿度〉
本発明では耐水紙の透湿度はJIS Z 0208に記載の方法に従い測定した。測定時の条件は25℃、90%RHである。透湿度は500〜5000g/m2・dayが必要であり、500〜2000g/m2・dayが好ましく、600〜1500g/m2・dayがより好ましい。透湿度が500g/m2・dayより小さい場合は、本発明の効果である定着時にペーパーブリスタ耐性や失透による光沢性、発色性が低下しやすく、5000g/m2・dayより大きい場合には、断熱層、受容層を塗布、乾燥した後の平滑性やカール耐性が損なわれやすい。
本発明の電子写真受像材料に用いられる基材は、紙支持体の表面及び/または裏面に塗工層が設けられた構成であり、基材と断熱層との間に膜付性の観点から下引き層が設けられたものであってもよく、また、カールバランスを調整するためのカールバランス調整層が設けられていてもよい。ただし、本発明の効果を十分に発現させるためには、下引層、カールバランス調整層を付与した場合の透湿度は500〜5000g/m2・dayにする必要がある。
本発明に係る耐水紙は、支持体の少なくとも一方の面に、スチレン−ブタジエン系の共重合物で、スチレン成分が30〜70質量%のスチレン−ブタジエン系共重合物と顔料からなる塗料を塗工することによって構成することが好ましい。スチレン−ブタジエン系共重合物はスチレン−ブタジエンの他、アルキル(メタ)クリレート、その他のビニル化合物、不飽和カルボン酸等の共重合物であってもよく、耐水性の点から共重合物を構成するスチレンは30〜70質量%が好ましく、造膜性の点からスチレンが50〜60質量%がより好ましい。
また、造膜性の観点からは、造膜性の高いスチレン−ブタジエン系共重合物に、他のポリスチレン、ブタジエン−スチレン共重合物を併用すること、C=8以上の疎水性の高いスチレン(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び/または、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合物等の(メタ)アクリル系ポリマーを混合使用することも耐水性被膜を形成するのに有効である。
耐水性層の顔料としては、カオリン、炭酸カルシウム、二酸化チタン、三水酸化アルミニウム、無定型シリカ、サチンホワイト、タルク、酸化亜鉛、硫酸パリウム、マイカ、クレー等を使用することができる。耐水性の点からは、板状のアスペクト比が高いものが好ましい。
これらの樹脂系ディスパージョン、顔料の他に、撥水化剤としてパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等のワックス類、ポリエチレン、高級脂肪酸誘導体等を併用することもできる。
本発明に係る耐水性層には、さらにその他の添加剤として、各種助剤、例えば界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、導電防止剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、滑剤、防腐剤、香料等が必要に応じて適宜含まれていてもよい。
本発明に係る紙支持体で使用するパルプはあらゆるものが使用でき、特に限定されるものではないが、例えば、木材パルプとしては、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒サルファイトパルプ(LBSP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)等の化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)等の機械パルプ、古紙パルプ等を使用できる。非木材パルプとしては、コットンパルプや麻、バガス、ケナフ、エスパルト、楮、三椏、雁皮等が使用できる。また、必要に応じて合成パルプや無機繊維等を使用することも可能である。本発明は屋外のポスター等で使用される場合には、耐光性を考慮して木材パルプ、特に化学パルプを使用することが好ましい。
紙支持体には平滑性、不透明性を付与するために填料を添加することが好ましく、添加する填料としては特に限定するものではないが、例えば、タルク、クレー、カオリン、焼成カオリン、構造性カオリン、デラミカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、水酸化カルシウム、微粒子状珪酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、アルミナ、シリカ、酸化マグネシウム、珪酸マグネシウム、微粒子状炭酸マグネシウム、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト等の鉱物質顔料や、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂並びにそれらの微小中空粒子や貫通孔型の有機顔料等が挙げられ、これらの中から1種あるいは2種以上が用いられる。
その他、抄紙用各種助剤が必要に応じて適宜選択して使用できる。例えば、歩留まり向上剤、濾水性向上剤、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等である。
紙支持体の内部結合強度の向上に関しては、例えば、紙材のパルプの種類(剛性の高い針葉樹)を選択すること、熱処理パルプを用いること、叩解を進め繊維間結合を高めること、紙力剤(ポリアミド、アクリルアミド、アミン化合物等)を用いること、湿潤紙力増強剤(ポリアミド、エポキシ、メラミン化合物等)を添加すること、サイズプレスで水系樹脂(ポリビニルアルコール、フッ素系樹脂、アクリル、スチレン、アクリル−スチレン共重合、アミド、ウレタン、澱粉誘導体、エポキシ化合物等)を含浸、塗工すること等が有効であるが、これらは目的に応じて適宜選択することができる。
抄紙方法については、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤーフォーマー、単網抄紙機、またはこれら抄紙機のコンビネーション等、あらゆる抄紙機が適応できる。
また、抄紙工程のサイズプレスによって水の浸透防止加工を行うことが好ましい。サイズプレス薬品としては、酸化デンプン等の変性デンプン、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、スチレン−アクリル等通常のサイズプレス工程で慣用されている薬品が同様に使用できるが、水の浸透防止性等から考えるとスチレン−アクリルが最も好ましい。
表面側及び裏面側の耐水性層の塗工量については、透湿度やカールバランスによって、本発明の電子写真受像材料の使用目的に応じて選択されるものであるが、一般的には、支持体表面の凹凸を完全に覆う程度が必要であり、乾燥質量で8〜40g/m2であることが好ましく、8〜25g/m2であることがより好ましい。
本発明に係る耐水性層を紙支持体に塗工するには、一般に公知の塗被装置、例えば、エアナイフコータ、ブレードコータ、ロールコータ、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコータ、グラビアコータ、チャンプレックスコータ、ブラシコータ、ツーロールあるいはメータリングブレード式のサイズプレスコータ、ビルブレードコータ、ショートドウェルコータ、ゲートロールコータ等が適宜用いられる。
表面側及び裏面側の塗工層を平滑化処理する際は、特に無理をすることなく、通常のスーパーキャレンダ、グロスキャレンダ、ソフトキャレンダ等の平滑化処理装置で行われる。また、オンマシンやオフマシンで適宜用いられ、加圧装置の形態、加圧ニップの数、加温等も通常の平滑化処理装置に準じて適宜調節される。
基材の厚みとしては、通常25〜300μmであり、50〜260μmが好ましく、75〜220μmがより好ましい。前記支持体の剛度、平滑性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、写真画質の受像紙用としてはカラー銀塩写真用支持体に近いものが好ましい。
基材の熱伝導率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性能の観点からは、20℃、65%RHの条件下において、2.1kW/m・h・℃以上であることが好ましい。前記熱伝導率は、JIS P 8111に準拠して調湿した基材を、特開昭53−66279号に記載された方法によって測定することができる。
また、本発明に係る基材の片面あるいは両面には、その上に設けられる層との密着性を改良する目的で、種々の表面処理や下塗り処理を施すことができる。表面処理としては、例えば、光沢面、または特開昭55−26507号記載の微細面、マット面、または絹目面の型付け処理、コロナ放電処理、火炎処理、グロー放電処理、プラズマ処理等の活性化処理等が挙げられる。また、下塗り処理としては、例えば、特開昭61−846443号に記載の方法が挙げられる。これらの処理は、単独で施してもよいし、また、前記型付け処理等を行った後に活性化処理を施してもよいし、さらに活性化処理等の表面処理後に下塗り処理を施してもよく、それらの各手段を任意に組合せることができる。
基材中、基材の表面あるいは裏面、またはこれらの組合せにおいて、親水性バインダーと、アルミナゾルや酸化スズ等の半導性金属酸化物と、カーボンブラックその他の帯電防止剤とを塗布してもよい。
《その他の構成層》
本発明の電子写真受像材料においては、上記説明したトナー受容層と断熱層の他に、その他の構成層を設けることができる。その他の構成層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、表面保護層、中間層、下塗り層、クッション層、帯電調節(防止)層、反射層、色味調整層、保存性改良層、接着防止層、アンチカール層、平滑化層等が挙げられる。これらは、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。基材が反射性基材であり、基材上に本発明に係るトナー受容層等が設けられる反射型の電子写真受像材料である場合は、基材上に設ける各層は透明である必要はなく、むしろ白色であることが好ましい。
本発明の電子写真受像材料の不透明度としては、JIS P 8138に規定される方法で測定した値が、85%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
本発明の電子写真受像材料においては、基材、断熱層、トナー受容層と、その他の構成層との密着を改良する目的で、密着改良層を設けることができる。
本発明の電子写真受像材料には、出力画像の安定性改良、受像層自身の安定性改良の目的で、各種の添加剤を用いることができる。このような添加剤としては、種々の公知の酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、劣化防止剤、オゾン劣化防止剤、防腐剤、防黴剤、等が挙げられる。
本発明の電子写真受像材料は、電子写真方式により電子写真用トナーによる画像形成に使用することができ、電子写真用カラートナーによるカラー画像形成に好適に使用することができる。
《電子写真用トナー》
本発明に用いられるトナーは、公知の電子写真用のトナーであれば特に限定されず、トナーの製造方法については粉砕法、重合法等、公知の製造方法であれば特に限定されないが、本発明の効果を出すには、懸濁重合法や、必要な添加剤の乳化液を加えた液中にて単量体を乳化重合し、微粒の重合体粒子を製造し、その後に、有機溶媒、凝集剤等を添加して会合する製造方法であることが好ましい。会合の際にはトナーの構成に必要な離型剤や着色剤等の分散液と混合して会合させて調製する方法や、単量体中に離型剤や着色剤等のトナー構成成分を分散した上で乳化重合する方法等が好ましく挙げられる。なお、ここで会合とは樹脂粒子及び着色剤粒子が複数個融着することを示す。
懸濁重合法の製造方法としては特に限定されるものではないが、下記のような製造方法を挙げることができる。
すなわち、重合性単量体中に着色剤や必要に応じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機等で重合性単量体に各種構成材料を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料が溶解あるいは分散された重合性単量体を、分散安定剤の存在下で水系媒体中に拡散させ、ホモミキサーやホモジナイザー等を使用してトナーとして所望の大きさの油滴になるよう分散させる。その後、撹拌機構が前述の撹拌翼である反応装置へ移し、加熱することで重合反応を進行させる。反応終了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥することでトナーを調製する。
また、本発明に係るトナーを製造する方法として、樹脂粒子を水系媒体中で融着させて調製する方法も挙げることができる。この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−265252号、同6−329947号、同9−15904号に示す方法を挙げることができる。すなわち、樹脂粒子と着色剤等の構成材料の分散粒子、あるいは樹脂及び着色剤等より構成される微粒子を複数以上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させ、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、トナーを形成することができる。なお、ここにおいて凝集剤と同時に水に対して無限溶解する有機溶媒を加えてもよい。
トナーの樹脂成分としては、公知の樹脂を用いることができるが、一般には、ポリエステル樹脂やスチレン−アクリル樹脂等を主に用いることができる。また、塗被層上に画像を形成する場合には、塗被層に含まれる接着剤等の樹脂成分との相溶性の高い樹脂をトナーの樹脂成分として選択することが好ましい。このような観点からは、トナーの樹脂成分としては、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル樹脂等の中から目的に応じて1種あるいは2種以上の混合物を使用することが好ましい。
トナーの体積平均粒子径は、2〜10μmであることが好ましく、3〜9μmであることがより好ましい。トナーの体積平均粒子径が、2μm未満であると、帯電性が不十分になりやすく、現像性が低下する場合があり、一方、10μmを越えると、画像の解像性が低下する場合があるため、それぞれ好ましくない。
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
《基材Aの作製》
木材パルプ(LBKP/NBSP=50/50)100質量部に対して、ポリアクリルアミドを1質量部、灰分(タルク)を4質量、カチオン化澱粉を2質量部、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を0.5質量部、及び種々の添加量のアルキルケテンダイマー(サイズ剤)を含有するスラリー液を調製し、長網抄紙機で坪量が160g/m2になるように基紙を抄造し、これにカレンダー処理を行い、基材Aを作製した。
《基材B》
インクジェットプリント用キャスト紙である王子製紙「フォト光沢紙」(商品名)を基材Bとした。
《基材C》
キャスト紙である王子製紙製「ミラーコート」(商品名)を基材Cとした。
《基材D》
耐水紙である特種製紙製「レボ」(商品名)(135g/m2)を基材Dとした。
《基材E》
耐水紙である紀州製紙製「ポエム」(商品名)(190g/m2)を基材Eとした。
《基材Fの作製》
(耐水性層の塗工)
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスであるニッポールLX430(日本ゼオン株式会社製、ガラス転移温度Tg;13℃)を基材Aの上にエアーナイフコータによって固形分3.0g/m2となるよう前記基材Aの片面に塗布、乾燥した。
(下引層の塗工)
続いて、多孔質炭酸カルシウムであるカルライト−KT(白石カルシウム株式会社製)を30質量部、湿式重質炭酸カルシウムであるホワイトン(白石カルシウム株式会社製)を45質量部、酸化チタンであるA−220(石原産業株式会社製)25質量部を配合し、バインダーとしてアクリル系バインダーであるニポールLX−852B(日本ゼオン株式会社製)を填料に対して15質量部配合した塗料をブレードコーターを使用して固形分塗布量で8g/m2、表面の耐水性層の上に塗工した。全く同様に原紙の裏面に対し耐水性層の塗工を行い、続いてスーパーカレンダー処理を行って基材Fを得た。
《基材Gの作製》
(耐水性層の塗工)
重質炭酸カルシウムであるホワイトンSB青(白石カルシウム株式会社製)100質量部、カオリンであるカオラックス−HS(白石カルシウム株式会社製)20質量部をアニオン系分散剤で分散し、アンモニア水でpHを10に調整した後、樹脂ディスパージョンとしてスチレン−ブタジエン共重合体ラテックスであるニッポールLX430(日本ゼオン株式会社製)を80質量部、滑剤としてノプコートC−104(カルシウムステアレート、サンノプコ(株))2質量部を加えて耐水性層用の塗工液を作製した。次に、前記基材Aの上にエアーナイフコータによって固形分15.5g/m2となるよう両面に塗工、乾燥した後、続いてスーパーカレンダー処理を行って基材Gを得た。
《基材Hの作製》
木材パルプ(LBKP/NBSP=50/50)100質量部に対して、ポリアクリルアミドを1質量部、灰分(タルク)を4質量、カチオン化澱粉を2質量部、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂を0.5質量部、及び種々の添加量のアルキルケテンダイマー(サイズ剤)を含有するスラリー液を調製し、長網抄紙機で坪量が170g/m2になるように基紙を抄造した。これにカレンダー処理した後、7質量%のアナターゼ型酸化チタン及び少量の色調調整剤を含有する密度0.92の低密度ポリエチレン樹脂を320℃で厚さ28μmになるように溶融押し出しコーティング法で基紙の片面を被覆し、鏡面クーリングローラーで直後に冷却した。次いで、反対側の面を密度0.96の高密度ポリエチレン/密度0.92の低密度ポリエチレン=70/30の混合した溶融物を同様に溶融押し出し法で、厚さが32μmになるように被覆し、基材Hを得た。
(透湿度測定)
JIS Z208に準じ、各基材の透湿度測定を行った。測定結果を表1に示す。
《電子写真受像材料の作製》
上記作製した基材A〜Hの各表面側に、下記の断熱層X、Y、Z、及びトナー受容層α、βを表1に示す乾燥膜厚となるようにスライドホッパーを用いて塗布乾燥後、36℃、湿度成り行き条件で3日間熱処理し、電子写真受像材料101〜115を作製した。
(断熱層X)
中空粒子分散液(MH8101、日本ゼオン株式会社製、球径=1.0μm)
50質量%
ゼラチン 3質量%
ジクロル−S−トリアジン水溶液(4%) 2質量%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 5質量%
水 40質量%
なお、上記断熱層Xの空隙率は65%であった。
(断熱層Y)
中空粒子分散液(MH5055、日本ゼオン社製) 50質量%
ゼラチン 3質量%
ジクロル−S−トリアジン水溶液(4%) 2質量%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 5質量%
水 40質量%
なお、上記断熱層Yの空隙率は51%であった。
(断熱層Z)
球形多孔質シリカ粒子(サンスフェアH−33、ACR旭硝子製、球径=3μm)
40質量%
ゼラチン 5質量%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 5質量%
水 50質量%
なお、上記断熱層Yの空隙率は60%であった。
(トナー受容層α)
アクリル樹脂水分散液(モビニール745、ニチゴー・モビニール製、Tg=21℃)
40質量%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 20質量%
ゼラチン 3質量%
ジクロル−S−トリアジン水溶液(4%) 2質量%
水 35質量%
(トナー受容層β)
ポリエステル樹脂水分散液(バイロナールMD1200、東洋紡製、Tg=67℃)
40質量%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 20質量%
ゼラチン 3質量%
ジクロル−S−トリアジン水溶液(4%) 2質量%
水 35質量%
《電子写真受像材料の評価》
〔評価用トナーの調製〕
(トナー用結着樹脂粒子の調製)
〈ラテックス1の調製〉
(1)核粒子の調製(第1段重合):ラテックス(1H)の調製
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに、アニオン系界面活性剤〔C1021(OCH2CH22OSO3Na〕7.08gをイオン交換水3010gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下で230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)1.5gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン80g、n−ブチルアクリレート16g、メタクリル酸4g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル3.0gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第1段重合)を行い、ラテックスを調製した。これを「ラテックス(1H)」とする。
(2)中間層の形成(第2段重合):ラテックス(1HM)の調製
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン120g、n−ブチルアクリレート24g、メタクリル酸6g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル4.5gからなる単量体混合液に、下記結晶性化合物の98.0gを添加し、90℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。
一方、アニオン系界面活性剤(前出)の1.6gを、イオン交換水2700mlに溶解させた界面活性剤溶液を98℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、核粒子の分散液である前記ラテックス(1H)を固形分換算で28g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により、前記結晶性化合物Aの単量体溶液を8時間混合分散させ、分散粒子径(284nm)を有する乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。
次いで、この分散液(乳化液)に、重合開始剤(KPS)4.5gをイオン交換水240mlに溶解させた開始剤溶液と、イオン交換水750mlとを添加し、この系を98℃にて12時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第2段重合)を行い、ラテックスを得た。これを「ラテックス(1HM)」とする。
Figure 2007225660
(3)外層の形成(第3段重合):ラテックス1の調製
上記のようにして得られたラテックス(1HM)に、重合開始剤(KPS)6gをイオン交換水200mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン320g、n−ブチルアクリレート64g、メタクリル酸16g、多官能性重合性単量体(1−1)を48g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル12gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却しラテックス(1H)からなる中心部と、2段重合からなる中間層と、3段重合からなる外層とを有し、前記中間層に化合物(19)が含有されている複合樹脂粒子の分散液を得た。このラテックスをラテックス1とする。
このラテックス1を構成する複合樹脂粒子の質量平均粒径は122nmであった。
Figure 2007225660
(着色剤分散液の調製)
〈マゼンタ分散液の調製〉
アニオン系界面活性剤(前出)59.0gをイオン交換水1600mlに攪拌溶解した。この溶液を攪拌しながら、C.I.ピグメントレッド122の420.0gを徐々に添加し、次いで、攪拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理することにより、マゼンタ分散液を調製した。
このマゼンタ分散液における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、110nmであった。
(着色粒子aの調製:(凝集・融着)会合による粒子の調製)
ラテックス1を420.7g(固形分換算)と、イオン交換水900gと上記調製したマゼンタ分散液200gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ攪拌した。
容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜11.0に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物12.1gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて90℃まで昇温した。その状態で、「コールターカウンターTA−II」にて会合粒子の粒径を測定し、体積平均粒径が4〜7μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、熟成処理として液温度98℃にて6時間にわたり加熱攪拌することにより融着を継続させることにより、着色粒子aを得た。
(トナーの調製)
上記調製した着色粒子aに、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1質量%及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を0.3質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、静電荷像現像用トナーを得た。得られたトナーのフロー軟化点は120℃、平均粒径は6μmであった。
(2成分現像剤の調製)
上記調製した静電荷像現像用トナーに対して、シリコーン結着樹脂を被覆した体積平均粒子径60μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6%になるようにして、2成分現像剤を調製した。
〔画像形成装置〕
画像形成装置として、特開2003−173044号の図3に記載の構成からなるカラーデジタル複写機を用いた。なお、定着装置としては、下記の構成からなる圧接方式の加熱定着装置を用いた。
表面をPFA(テトラフロオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)の被覆層(厚み:120μm)を有し、内径40mmで全幅が310mmのヒーターを中央部に内蔵した円柱状の厚み1.0mmのアルミ合金パイプを加熱ローラ(上ローラ)として有し、表面が同様にスポンジ状シリコーンゴム(アスカーC硬度=48:厚み2mm)で構成された内径40mmの肉厚2.0mmの鉄パイプを有する加圧ローラ(下ローラ)を有している。ニップ幅は5.8mmとした。この定着装置を使用して、印字の線速を73mm/秒に設定した。
なお、定着装置のクリーニング機構としてポリジフェニルシリコーン(20℃の粘度が10Pa・sのもの)を含浸したウェッブ方式の供給方式を使用し、定着の温度は上ロールの表面温度で制御し、200℃の設定温度とした。
〔発色性〕
前記調製した2成分現像剤のトナー量が10g/m2になるように、前記画像形成装置を用いて未定着トナー像を作製した。さらに未定着トナー像を、定着条件として200℃、線速度73mm/秒で、各電子写真受像材料の表面側に画像形成した。
次いで、プリントを1時間放置した後、印字部の反射濃度をGretagMacbeth光学濃度計で測定した。
〔光沢度〕
前記調製した2成分現像剤のトナー量が10g/m2になるように、前記画像形成装置を用いて未定着トナー像を作製した。さらに未定着トナー像を、定着条件として200℃、線速度73mm/秒で、各電子写真受像材料の表面側に画像形成した。
次いで、各試料上の画像の60度光沢度を、精密光沢度計(村上色彩技術研究所製)を用いて測定した。
〔ペーパーブリスタ耐性〕
電子写真受像材料を23℃、55%RH環境条件で調湿した後、同環境条件下において前記定着装置を用いて200℃、線速度73mm/秒で各々白色試料を通し、目視及びルーペ(50倍)でペーパーブリスタの発生有無を観察し以下の指標に従って評価した。
◎:ペーパーブリスタの発生が目視/ルーペにおいて全く見られない
○:ペーパーブリスタの発生が目視では判断できないが、ルーペでは若干見られる
△:ペーパーブリスタの発生が目視で確認されるものの、画像観賞上は許容される
×:ペーパーブリスタの発生が目視で確認され、また画像観賞上においても許容不可
××:ペーパーブリスタが著しく発生し、装置に詰まる等の問題が発生する可能性がある
〔カール耐性〕
電子写真受像材料をハガキサイズ(100mmx148mm)に裁断し、23℃、55%RH環境条件で12時間調湿後の四隅高さを測定した。さらに、電子写真受像材料を同環境条件下において前記定着装置を用いて200℃、線速度73mm/秒で各々白色試料を通し、トナー受容層側を上にして1時間放置した後の四隅高さを測定した。プリント前の23℃、55%RH環境条件下での調湿試料に対して、プリント後の高さ変化の平均値を求め、以下の指標に従ってカール変化評価を行った。ここで、カール高さが15mmを超える試料は、画像形成装置での紙送り性や搬送安定性の点で実用範囲外と判定した。
◎:四隅高さ変化の平均値が0ないし5mm以下
○:四隅高さ変化の平均値が5mmを超え、10mm以下
△:四隅高さ変化の平均値が10mmを超え、15mm以下
×:四隅高さ変化の平均値が15mmを超える
評価の結果を表1に示す。
Figure 2007225660
表1から明らかなように、本発明の電子写真受像材料は、優れたペーパーブリスタ耐性を有し、特殊な2次定着プロセスを用いなくとも発色性、光沢性に優れ、プリント前後のカール耐性に優れたプリント品質を有する電子写真受像材料であることが分かった。

Claims (7)

  1. 基材の上にトナー受容層を有する電子写真受像材料において、該基材と該トナー受容層との間に少なくとも1層の空隙を有する断熱層を有し、該基材が、25℃、90%RHでの透湿度が500〜5000g/m2・dayの耐水紙であることを特徴とする電子写真受像材料。
  2. 前記基材が、紙支持体の少なくとも片面に、スチレン−ブタジエン系共重合体からなる耐水性層を有する耐水紙であることを特徴とする請求項1記載の電子写真受像材料。
  3. 前記基材が、紙支持体の少なくとも片面に、スチレン−ブタジエン系共重合体と填料からなる耐水性層を有する耐水紙であることを特徴とする請求項1記載の電子写真受像材料。
  4. 前記トナー受容層が、熱可塑性樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の電子写真受像材料。
  5. 前記断熱層の空隙率が40%以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の電子写真受像材料。
  6. 前記断熱層が、外径0.3〜3.0μm、内部空隙率が30%以上である中空粒子を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の電子写真受像材料。
  7. 前記断熱層の乾燥膜厚が20〜100μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の電子写真受像材料。
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