JP2007241040A - 電子写真用画像転写メディアとその作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の定着装置を用いて高光沢な画像が得られると共に、定着ローラーとの離型性確保や失透現象を抑制した電子写真用画像転写メディア及びその作製方法を提供する。
【解決手段】支持体の少なくとも一方の面側に、微粒子フィラーとバインダーとを含有する断熱層と、熱可塑性樹脂を主成分とするトナー受容層とが積層されている電子写真用画像転写メディアであって、示差走査熱量計により10℃/分昇温速度時に測定されるDSC曲線において50〜120℃の温度範囲内で最大吸熱ピークを示し、且つ、結晶化率が70〜96%である熱溶解性ワックス微粒子を前記トナー受容層中に含有することを特徴とする電子写真用画像転写メディア。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真プリント用の画像転写メディアに関し、更に詳しくは、特殊な定着プロセスを経ることなく、高平滑、高光沢のフォトライクプリントを得ることができ、かつ定着時の離型性や失透現象を抑制した電子写真用画像転写メディア及びその作製方法に関する。
現在、オフィス等では電子写真方式を用いた画像形成機器が広く普及している。この電子写真方式による画像形成機器には普通紙が使われてきたが、電子写真方式による多色画像やフルカラー画像形成方法の普及、発展に伴って、高画質なフルカラー画像を形成する電子写真用受像紙の開発が行われてきている。
特に、ワックスを内包した化学重合トナーやプリント機器の進歩により、電子写真方式による高画質フルカラープリントが得られるようになってきた。従来では難しかったフォトライクなプリントを、ドライ方式で、しかも連続的にプリントできるため、高速プリントが要求されるPOD(プリントオンデマンド)市場だけでなく、高画質が求められる印刷/写真プリントの現場においても十分実用可能な画質レベルとなりつつある。
しかしながら、電子写真方式よる画像は、顔料もしくは染料を熱可塑性樹脂中に分散させたトナー粒子を加熱定着させて形成するため、原理的に高平滑化による光沢発現は難しいとされている。
上記課題に対し、例えば、画像転写メディア表層に透明な熱可塑性樹脂層を設け、定着ローラー通過時の熱と圧力によって、トナーを樹脂層中へ埋め込み平滑化する方法が開示されている(特許文献1参照)。また、特許文献2には、表層熱可塑性樹脂+ベルト搬送上で加圧・加熱によるトナー溶融・固着を行う装置により高平滑な光沢画像を得る方法が紹介されている。しかしながら、樹脂層表面の平滑性を上げると、オイルレス定着器を通した場合、定着ローラーにメディアが巻きついてしまう離型性劣化の問題が発生する。特許文献3には、基材上に設けた熱可塑性樹脂からなる受像層に、融点40℃〜120℃の離型剤を含有させる技術が提案されている。また、特許文献4にはメディアの最表面にワックス成分を中心とした離型層を設けることで定着ローラーへの巻きつきを抑制する技術が提案されている。
また、これら従来技術に対し本発明者等は、空隙を有する断熱層を新たに設けることで、定着ローラーからの熱が効率的にトナー溶融に伝わることで、トナー画像部の更なる高光沢化が達成できることを明らかにしている。しかしながら、断熱層を有する電子写真用画像転写メディアにおいては、前記の離型性を付与するためトナー受容層にワックスを添加すると、定着ローラー通過後のメディア冷却過程で未印字部の光沢感が著しく低下して透明感を失う、いわゆる失透現象が発生することが判明した。
特開昭63−92965号公報 特開平6−11982号公報 特開平9−218527号公報 特開平11−212292号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、従来の定着装置を用いて高光沢な画像が得られると共に、定着ローラーとの離型性確保や、失透現象を抑制した電子写真用画像転写メディア及びその作製方法を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の手段により解決される。
1.支持体の少なくとも一方の面側に、微粒子フィラーとバインダーとを含有する断熱層と、熱可塑性樹脂を主成分とするトナー受容層とが積層されている電子写真用画像転写メディアであって、示差走査熱量計により10℃/分昇温速度時に測定されるDSC曲線において50〜120℃の温度範囲内で最大吸熱ピークを示し、且つ、結晶化率が70〜96%である熱溶解性ワックス微粒子を前記トナー受容層中に含有することを特徴とする電子写真用画像転写メディア。
2.前記熱溶解性ワックス微粒子の平均粒径が0.2〜3μmであり、前記トナー受容層中に分散されていることを特徴とする前記1に記載の電子写真用画像転写メディア。
3.前記熱溶解性ワックス微粒子がトナー受容層に対し5〜50質量%含有されることを特徴とする前記1または2に記載の電子写真用画像転写メディア。
4.前記熱溶解性ワックス微粒子の少なくとも1種が、ポリオレフィン系ワックスを含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか一項に記載の電子写真用画像転写メディア。
5.前記熱溶解性ワックス微粒子の少なくとも1種が、マイクロクリスタリンワックスを含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか一項に記載の電子写真用画像転写メディア。
6.前記熱溶解性ワックス微粒子の少なくとも1種が、長鎖分岐構造を有するパラフィン系ワックスを含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか一項に記載の電子写真用画像転写メディア。
7.前記断熱層の空隙率が65%以上であることを特徴とする前記1〜6のいずれか一項に記載の電子写真用画像転写メディア。
8.前記微粒子フィラーが、熱可塑性樹脂からなる中空微粒子であることを特徴とする前記7記載の電子写真用画像転写メディア。
9.前記微粒子フィラーがシリカまたはアルミナを主成分とする無機微粒子フィラーであることを特徴とする前記7記載の電子写真用画像転写メディア。
10.前記断熱層の乾燥膜厚が30〜100μmであることを特徴とする前記7〜9のいずれか一項に記載の電子写真用画像転写メディア。
11.前記1〜10のいずれか一項に記載の電子写真用画像転写メディアを作製することを特徴とする電子写真用画像転写メディアの作製方法。
本発明の上記構成により、従来の定着装置を用いて高光沢な画像が得られると共に、定着ローラーとの離型性確保だけでなく、失透現象を抑制した電子写真用画像転写メディア及びその作製方法を提供することができる。
本発明の電子写真用画像転写メディアは、支持体の少なくとも一方の面側に、微粒子フィラーとバインダーとを含有する断熱層と、熱可塑性樹脂を主成分とするトナー受容層とが積層されている電子写真用画像転写メディアであって、示差走査熱量計により10℃/分昇温速度時に測定されるDSC曲線において50〜120℃の温度範囲内で最大吸熱ピークを示し、且つ、後述する結晶化率測定方法により求めた結晶化率が70〜96%である熱溶解性ワックス微粒子を前記トナー受容層中に含有することを特徴とする。
以下、本発明及び構成要素等について詳細な説明をする。
《トナー受容層》
本発明に係るトナー受容層は熱可塑性樹脂を主成分とし、示差走査熱量計により10℃/分昇温速度時に測定されるDSC曲線において、50℃ないし120℃の温度範囲内で最大吸熱ピークを示し、且つ、後述する結晶化率測定方法により求めた結晶化率が70〜96%である熱溶解性ワックス微粒子を、前記トナー受容層中に含有することを特徴とする。
本発明に係るトナー受容層に適用可能な熱可塑性樹脂としては、例えば、以下の熱可塑性樹脂を例示することができる。
(イ)ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂や、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体樹脂や、アクリル樹脂等、 (ロ)エステル結合を有するもの、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、アビエチン酸、コハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が置換していてもよい)と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのジエーテル誘導体(例えば、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2付加物など)、ビスフェノールS、2−エチルシクロヘキシルジメタノール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキシルジメタノール、グリセリン等のアルコール成分(これらのアルコール成分には水酸基などが置換されていてもよい)との縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹脂又はポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等。具体的には、特開昭59−101395号、同63−7971号、同63−7972号、同63−7973号、同60−294862号に記載のものを挙げることができる。また、市販品としては東洋紡製のバイロン290、バイロン200、バイロン280、バイロン300、バイロン103、バイロンGK−140、バイロンGK−130等、花王製のタフトンNE−382、タフトンU−5、ATR−2009、ATR−2010等、ユニチカ製のエリーテルUE3500、UE3210、XA−8153等、日本合成化学製のポリエスターTP−220、R−188等を挙げることができる。
(ハ)ポリウレタン樹脂等、
(ニ)ポリアミド樹脂、尿素樹脂等、
(ホ)ポリスルホン樹脂等、
(ヘ)ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂等、
(ト)ポリビニルブチラール等のポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂等、
(チ)ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等。
上記各熱可塑性樹脂は、単独で使用してもよく、またはこれらの熱可塑性樹脂を2種以上混合して使用してもよい。
本発明に係るトナー受容層は、単層でもよく、また2層以上で構成されていてもよく、トナー受容層を構成する熱可塑性樹脂の膜厚としては、概ね0.1〜50μmであり、好ましくは2.0〜20μmである。
本発明に係るトナー受容層で用いる熱可塑性樹脂のガラス転移点としては、0℃以上、好ましくは20℃以上であり、30〜85℃であることが、本発明の効果を十分に発揮させることができる観点から好ましい。熱伝導率は0.3W/m・K以下であることが好ましい。熱可塑性樹脂の熱伝導率は、例えば、「新版プラスチック材料読本」(工業調査会、1993年4月1日、新版4刷発行)、「プラスチック成形加工データブック」(日刊工業新聞、昭和63年3月初版1刷発行)、「プラスチック・データブック」(工業調査会、1999年12月初版1刷発行)に記載されている方法に従って求めることができる。
本発明に係るトナー受容層で用いる熱可塑性樹脂は、受容するトナーを構成する結着樹脂との相溶性の高い樹脂を選択することが、本発明の効果をより発揮できる観点から好ましい。
本発明でいうトナーの結着樹脂と相溶するということは、定着後の画像においてトナー受容層の熱可塑性樹脂とトナーの結着樹脂とが境界を形成しない状態になることを意味する。トナーの結着樹脂との相溶性を評価する方法として、例えば、特開平2−263642号公報に記載の溶解度パラメータが用いて測定する方法が記載されているが、より適切な評価方法として、溶融トナー傾斜角の測定方法を挙げることができる。
溶融トナー傾斜角の測定方法としては、トナーのディスクを成形した後、所定の温度に設定された熱可塑性樹脂から構成されるトナー受容層とトナーディスクを密着させ、トナーディスクを溶融させるた後、急冷、固化させる。この試料を、共和界面化学(株)製の接触角測定装置を使用し、トナーが固化した後のトナーの裾野の角度を2回測定し、その平均値をもって溶融トナー傾斜角とする。
この溶融トナー傾斜角の観点から熱可塑性樹脂を選択する場合、カラー画像形成に用いるトナーと熱可塑性樹脂とのトナー傾斜角が40度以下の樹脂を用いることが好ましい。溶融トナー傾斜角が40度以下になる透明樹脂層の樹脂としては、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリルエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。特に好ましいのは、トナーの主要樹脂(結着樹脂を基準として、50質量%以上含有される樹脂)と同種の樹脂である。すなわち、トナーの主要樹脂がポリエステル樹脂であればトナー受容層の樹脂としてはポリエステル樹脂を、トナーの主要樹脂がスチレン−アクリルエステル樹脂であればトナー受容層の樹脂としてスチレン−アクリルエステル樹脂を用いることが好ましい。
《トナー受容層、断熱層のその他の添加剤》
本発明に係るトナー受像層あるいは断熱層には、上記説明した各添加剤の他に、その熱力学的特性を改良する目的で、種々の添加剤を用いることができる。
そのような添加剤としては、その目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、可塑剤、フィラー、架橋剤、帯電調整剤、導電剤、顔料、界面活性剤、染料、調湿剤、マット剤等が挙げられる。
さらに、本発明に係るトナー受容層には、示差走査熱量計により10℃/分昇温速度時に測定されるDSC曲線において、50℃〜120℃の温度範囲内で最大吸熱ピークを示し、且つ、後述する結晶化率測定方法により求めた結晶化率が70〜96%であることを特徴とする熱溶解性ワックス微粒子を含有することが特徴である。
本発明に好ましく用いられるワックスとしては、離型性を有するものであればいかなるものも使用可能であるが、具体的には低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のオレフィン系ワックス;パラフィンワックス;ベヘン酸ベヘニル、モンタン酸エステル、ステアリン酸ステアリル等の長鎖脂肪族基を有するエステル系ワックス;水添ひまし油、カルナバワックス等の植物系ワックス;ジステアリルケトン等の長鎖アルキル基を有するケトン;アルキル基を有するシリコーン;ステアリン酸等の高級脂肪酸;エイコサノール等の長鎖脂肪族アルコール;グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールと長鎖脂肪酸とより得られる多価アルコールのカルボン酸エステル、または部分エステル;オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の高級脂肪酸アミド;低分子量ポリエステル等が例示され、示差走査熱量計により10℃/分昇温速度時に測定されるDSC曲線において、50℃〜120℃の温度範囲内で最大吸熱ピークを示し、且つ、後述する結晶化率測定方法により求めた結晶化率が70%〜96%であることを特徴とする熱溶解性ワックス微粒子の形態で用いることが重要である。また、前記から適宜選択したワックスは、単独で用いてもよいし複数種併用しても本発明の効果を得ることができる。
さらに本発明に関し、定着ローラー通過後のメディア冷却過程で白地部の光沢が著しく低下して透明感を失う、いわゆる失透現象が発生することが判明しているが、この現象は離型性機能を持たせる為に導入したワックスが凝固する際の結晶性で決まってくるため、失透現象を抑制するためには、前記ワックスの中から特に結晶性に劣るものを選択することが好ましい。例えば、分子量分布が比較的広いことで結晶性を低下させた、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、共重合ポリエチレン等のポリオレフィン系ワックス;長鎖分岐構造を有し、広い分子量分布とすることで結晶性を低下させたパラフィン系ワックスやマイクロクリスタリンワックス;分岐構造を有する長鎖脂肪族基を配したエステル系ワックスなどを用いることが、本発明の効果をいかんなく発揮するために好ましく用いることができる。
本発明においてはポリオレフィン系ワックスを特に好ましく用いることができ、例えば、合成ポリエチレンワックス、合成ポリプロピレンワックス、合成エチレン−プロピレン共重合ポリマーワックスなどが挙げられ、従来公知の合成方法により得ることができる。特に分子量が20000以下で側鎖構造を有し、分子量分布が広く、室温で固体であることが好ましい。
本発明に係るワックス成分は固形微粒子が水分散された水系ワックスエマルジョンであることが好ましい。ワックスエマルジョンは市販の界面活性剤等を分散剤とするエマルジョンがいずれも使用可能であり、エマルジョンの平均粒子径は3μm以下、さらには0.2〜2μmが好ましく、該平均粒子径が3μmを超えると沈降粒子が多くなって好ましくない。
本発明ではワックスエマルジョンの分散剤としてスルホン酸塩基をもつポリエステルを使用するのが好ましいこともある。かかるワックスエマルジョンを製造するにあたっては、上記ワックス100質量部に水100〜500質量部、スルホン酸塩基をもつポリエステル1〜20質量部程度を配合してから乳化を行えばよく、かかる乳化時の温度は120〜200℃が好ましく、更には150〜180℃である。かかる温度が120℃未満ではワックスが乳化しにくいことがあり、200℃を超えると圧力が高くなり装置が過大になることがあり好ましくない。また、本発明の組成物には、更に分散剤や乳化剤を併用してもよく、かかる具体例としては、アルキル硫酸塩、アルキルアリル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等のアニオン性界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンジルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンカルボン酸エステル等のノニオン性界面活性剤、スチレンマレイン酸共重合体の低級アルキルエステル等が挙げられる。その他、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、二酸化チタン、水酸化アルミニウムシリカ、石膏、バライト粉、アルミナホワイト、サチンホワイト等の充填剤、タッキファイヤー、増粘剤、濡れ剤、造膜助剤、可塑剤、着色剤、耐水化剤、潤滑剤、防腐剤、架橋剤や従来公知の防湿コート用に用いられるスチレン系共重合体、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、セルロース誘導体、澱粉誘導体を配合してもよい。
《結晶化率測定方法》
本発明に係るワックスの結晶性は一般的に公知な方法で測定可能であるが、本発明においては以下の結晶化率測定方法によって評価した。
示差走査熱量計(DSC測定装置、例えばセイコーインスツルメンツ製EXSTAR6000DSCなど)を用い、測定試料2〜10mg、好ましくは5mgを精密に秤量し、アルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定器中で溶解させたワックス試料を、50℃/分の冷却速度で室温まで冷却し、さらに1℃/分の昇温速度で溶融熱量Qsを求める。さらに、同バッチの試料を同様に量り取り、測定期中で溶解させた後、10℃/分の冷却速度で室温まで冷却し、さらに1℃/分の昇温速度で溶融熱量Qrを求め、以式に従って結晶化率を求める。
結晶化率(%)=Qs/Qr×100(%)
前記方法で測定したワックスの結晶化率は、70〜96%であれば本発明の効果を発揮できるが、80〜96%であることがさらに好ましい。70%以下では目に見えて失透が観察され、白地の光沢感が低下しトナー付量に依存した光沢依存性が不均一なものになってしまう。
本発明では前記ワックス成分の微粒子分散物を適宜用いることが特徴である。微粒子の平均粒子径は概ね0.1〜6μm程度のものを用いることができるが、本発明の効果を発揮するためには、0.2〜3μm程度が好ましく、乳化重合法や公知の分散法で分散されたエマルジョン形態で、トナー受容層樹脂と共に用いることができる。
ワックス成分の添加量としては、トナー受容層に対して5〜50質量%含有されていることで本発明の効果を発揮するが、さらには5〜25質量%であることが好ましく、5〜15質量%であることがさらに好ましい。
可塑剤は、トナーを定着する時の熱または圧力によって、トナー受容層が流動または柔軟化するのを調整する機能を有する。可塑剤としては、「化学便覧」(日本化学会編、丸善)や、「可塑剤−その理論と応用−」(村井孝一編著、幸書房)や、「可塑剤の研究 上」「可塑剤の研究 下」(高分子化学協会編)や、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等を参考にして選択することができる。
また、フィラーとしては、樹脂用の補強剤、充填剤、強化材として公知のものが用いることができ、有機及び無機のフィラーが好ましい。フィラーとしては、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)、「新版 プラスチック配合剤 基礎と応用」(大成社)、「フィラーハンドブック」(大成社)等を参考にして選択することができる。
架橋剤としては、反応基としてエポキシ基、イソシアネート基、アルデヒド基、活性ハロゲン基、活性メチレン基、アセチレン基、その他公知の反応基を2個以上分子内に持つ化合物が挙げられ、また、水素結合、イオン結合、配位結合等により結合を形成することが可能な基を2個以上持つ化合物も挙げられる。また、前記架橋剤としては、樹脂用のカップリング剤、硬化剤、重合剤、重合促進剤、凝固剤、造膜剤、造膜助剤、等で公知の化合物も挙げられる。
帯電調整剤としては、トナーの転写、付着等を調整し、電子写真用受容紙の帯電接着を防止する等の目的で使用することができる。帯電調整剤としては、従来公知の帯電防止剤、帯電調整剤がいずれも使用可能であり、カチオン界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の界面活性剤等の他、高分子電解質、導電性金属酸化物等を使用できる。
導電剤としては、ZnO、TiO2、SnO2、Al23、In23、SiO2、MgO、BaO、MoO3などの金属酸化物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、顔料としては、画質、特に白色度を改良する目的で、蛍光増白剤、白色顔料、有色顔料、染料等が挙げられる。前記蛍光増白剤は、近紫外部に吸収を持ち、400〜500nmに蛍光を発する化合物で、公知のものが使用される。蛍光増白剤としては、例えば、スチルベン系化合物、クマリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、カルボスチリル系化合物などが挙げられる。
染料としては、公知の種々の染料を用いることができ、例えば、油溶性染料などが挙げられる。油溶性染料としては、アントラキノン系化合物、アゾ系化合物などが挙げられる。
本発明に係るトナー受容層の白色度は、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、高い方が好ましい。白色度としては、CIE 1976で規定する(L***)色空間において、L*値は80以上が好ましく、85以上がより好ましく、90以上が特に好ましい。また、白色の色味はできるだけニュートラルであることが好ましい。白色の色味としては、L***空間において、(a*2+(b*2の値は、50以下でることが好ましく、18以下がより好ましく、5以下が特に好ましい。
本発明に係るトナー受容層の平滑度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高い方が好ましい。平滑度としては、トナーが無い白色から最大濃度の黒色までの全領域において、算術平均粗さ(Ra)が3μm以下であるのが好ましく、1μm以下であるのがより好ましく、0.5μm以下であるのが特に好ましい。また、算術平均粗さは、JIS B 0601、B 0651、B 0652に基づいて測定することができる。
本発明に係るトナー受容層では、表面電気抵抗としては、1×106〜1×1015Ω(25℃、65%RHの条件)であるのが好ましく、本発明に係るトナー受容層以外のその他の層における表面電気抵抗も1×106〜1×1015Ω(25℃、65%RHの条件)であるのが好ましい。
また、本発明に係るトナー受容層には、マット剤を添加できる。マット剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、固体粒子などが挙げられる。前記固体粒子としては、無機粒子と有機粒子とに分類できる。
《断熱層》
本発明の電子写真用画像転写メディアでは、支持体とトナー受容層との間に、断熱層を有することを特徴とする。
トナー受容層下部に本発明に係る断熱層を設けることにより、定着時に定着ローラー等から付与される熱エネルギーの拡散を遮断し、トナー受容層の高温状態を維持することにより、トナー受容層に着弾したトナー粒子の溶解、平滑化あるいはトナー受容層中への埋込効果を発揮させることにより、光沢感のあるプリントが得られると共に、トナーを均一に溶融させることで、低い定着温度でも定着ができ、かつ高い定着温度で課題となるホットオフセット現象も、トナー中のワックスの高ブリードアウト特性により解決できることで、広い定着可能温度範囲を得ることができる。
本発明に係る断熱層とは、一般に、熱伝導率の低い構成材料を含む層であって、熱伝導率の低い樹脂で構成する方法、あるいは空気層や気泡を含む材料を用いて構成する方法が挙げられるが、本発明においては、高い空隙率(空隙容量)を有する断熱層であることが好ましい。
本発明に係る断熱層の空隙率としては30%以上であればよいが、40%以上であることが好ましく、65%〜90%であることが特に好ましい。
本発明で規定する高空隙率を有する断熱層を形成する材料としては、微粒子フィラーをバインダーに分散させたものが好ましく、微粒子フィラーとしては例えば、発泡性プラスチック、中空粒子あるいは多孔質粒子などを用いることができる。また、微粒子フィラーとして、シリカまたはアルミナなどを主成分とする無機微粒子フィラーを用いることもできる。
発泡性プラスチックは熱可融性物質を殻とし、内部に低沸点溶剤を含有する中空状のプラスチックフィラーであり加熱により発泡する。このプラスチックフィラーの殻となる熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルニトリル、ポリブタジエン、或いはそれらの共重合体が挙げられる。また殻内に含まれる発泡剤としては、プロパンやイソブタン、ネオペンタン、石油エーテル等がある。例えば、松本油脂社製のミクロパール、ケマノード社製のExpancelがある。
中空粒子としては、ガラス、セラミックス、プラスチックス等の種々の材質で形成された微小中空体があり、ガラス微小中空体としては硼硅酸塩ガラスのマイクロフェアー、例えば、グラパーベル社製のMicrosel M.、アルミノシリケート系微小中空体としては、低発泡射出成型用及び標準射出成型用プレミックス、例えば、日本フィライト社製のFilliteがある。
また、断熱層に有機中空粒子を用いる場合、本発明に用いられる中空粒子としては、熱膨張性の中空粒子やカプセル状の中空ポリマーが挙げられる。熱膨張性の中空粒子とは、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の熱可塑性物質を壁材とする中空粒子であり、粒子内部にプロパン、n−ブタン、イソブタン等の熱膨張性気体を含有する物質である。又、カプセル状の中空ポリマーは、スチレン−アクリル等の樹脂を壁材とし、内部に水が入っており、乾燥時に水が蒸発し中空粒子となるポリマーである。上記のような中空粒子は、一般に0.1〜100μm程度の粒径を有しているが、本発明に用いられる中空粒子の粒子径(外経)は、0.2〜10μmが好ましく、より好ましくは0.3〜3.0μmである。0.2μm未満では、中空粒子として十分な断熱効果が得られず、10μmを超えると平滑性の低下が著しくなる。
本発明でいう粒径は、公知の方法により求めることができ、例えば、電子顕微鏡での粒子測定、レーザー回折式粒径分布測定装置を用いて測定できる。
また、中空粒子の中空度は、中空粒子の外径と内径の比であり、下式で表示されるものである。
中空度(%)=(中空粒子の内径/中空粒子の外径)×100(%)
ここで、中空粒子の外径/内径は電子顕微鏡での粒子測定により求めることができる。
上記中空粒子を分散保持するバインダーとしては、特に限定はないが、例えば、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジエンゴム、アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、アクリル−マレイン酸樹脂、アクリル−酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂等のエマルジョンタイプの合成樹脂、ポリビニルアルコール、スターチ、カゼイン、ゼラチン等の水溶性高分子、カルボキシ・メチルセルローズ、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。
本発明における多孔質粒子とは、粒子表面に細孔を有する多孔質状のものであり、無機多孔質粒子と有機多孔質粒子のいずれも用いることができる。
無機多孔質粒子を構成するものとしては、非晶質シリカ、無水シリカ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛、ケイ酸カルシウム、ハイドロタルサイト、ゼオライト、サチンホワイト、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ藻土、カオリン、タルク、酸性白土、活性白土、ベントナイトなどが挙げられる。
本発明において使用される有機多孔質粒子としては、乳化重合法、懸濁重合法、分散重合法、その他の重合法によって得られたもので良く、また塊状の多孔質樹脂を粉砕したものでも良い。樹脂の成分については、例えば、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン共重合体樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂及びこれらのブレンドなど特に限定されない。また、該樹脂粒子を多孔質化する、もしくは多孔質化した樹脂を得る手段についても特に限定されない。そのうち、乳化重合によって得られる有機多孔質粒子が好ましく、例えば、特開平2−70741号公報に開示されている粒子集合体エマルション粒子が好ましい。更に、特開平5−222108号記載の乾燥時の構造が、粒子の表層部から内部を結ぶ貫通孔を1個以上有し、且つ粒子直径が0.1〜5.0μmである多層構造エマルション粒子であることがより好ましい。
有機多孔質粒子の粒子径は0.05〜50μm、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.2〜10μmである。粒子径0.05μm未満では粒子を多孔質化することが困難である。粒子径は、前記中空粒子と同様の方法にて測定できる。
多孔質粒子が多孔質化されているか否かは、外見的には電子顕微鏡等を用いて知ることができるが、多孔質化の程度は、水銀ポロシメーターによる比表面積の測定によって確認することができる。また、JIS K−5101に記載されている吸油量の測定によって確認することもできる。これは、粒子表面及び内部に存在する細孔の毛細管現象により、同成分、同粒径の多孔質でない粒子よりも多くの油を吸うことを利用している。
本発明に係る断熱層の膜厚としては、概ね20μm以上であるが、本発明の効果を発揮させる観点から30μm以上が好ましく、100μm以下が生産性の観点から好ましい。20μm以下では本発明の断熱効果が小さく、50μmほどでそれ以上厚くしても効果が一定となる。また、100μm以上ではタッキングや膜はがれなどの問題が発生し、取り扱いが困難になる。
なお、本発明に係る断熱層の乾燥膜厚は30〜100μmであることが好ましい。
《支持体》
本発明に係る支持体としては、定着温度に耐えることができ、平滑性、白色度、滑り性、摩擦性、帯電防止性、定着後のへこみ等の点で要求を満足できるものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、一般的には、日本写真学会編「写真工学の基礎−銀塩写真編−」、株式会社コロナ社刊(昭和54年)(223)〜(240)頁に記載の紙、合成高分子(フィルム)等の写真用支持体、などが挙げられる。
支持体の具体例としては、合成紙(ポリオレフィン系、ポリスチレン系等の合成紙)、上質紙、アート紙、(両面)コート紙、(両面)キャストコート紙、ポリエチレン等の合成樹脂パルプと天然パルプとから作られる混抄紙、ヤンキー紙、バライタ紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合成樹脂内添紙、板紙、セルロース繊維紙、ポリオレフィンコート紙、(特にポリエチレンで両側を被覆した紙)等の紙支持体、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレンメタクリレート、ポリエチレンナフタレート等の各種プラスチックフィルム又はシート、該プラスチックフィルム又はシートに白色反射性を与える処理(例えば、フィルム中へ酸化チタンなどの顔料を含有させるなどの処理)を施したフィルム又はシート、布類、金属、ガラス類などが挙げられるが、ポリオレフィンコート紙(特にポリエチレンで両側を被覆した紙)、キャストコート紙が好ましい。
支持体の熱伝導率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性能の観点からは、20℃で相対湿度が65%の条件下において、2.1kW/m・h・℃以上であることが好ましい。前記熱伝導率は、JIS P 8111に準拠して調湿した転写紙を、特開昭53−66279号に記載された方法によって測定することができる。
本発明に係る支持体には、本発明の効果を害しない範囲内において、目的に応じて適宜選択した各種の添加剤を添加させることができる。添加剤としては、例えば、増白剤、導電剤、填料、酸化チタン、群青、カーボンブラック等の顔料、染料などが挙げられる。
また、本発明に係る支持体の片面あるいは両面には、その上に設けられる層との密着性を改良する目的で、種々の表面処理や下塗り処理を施すことができる。表面処理としては、例えば、光沢面、又は特開昭55−26507号公報記載の微細面、マット面、又は絹目面の型付け処理、コロナ放電処理、火炎処理、グロー放電処理、プラズマ処理等の活性化処理などが挙げられる。また、下塗り処理としては、例えば、特開昭61−846443号公報に記載の方法が挙げられる。これらの処理は、単独で施してもよいし、また、前記型付け処理等を行った後に活性化処理を施してもよいし、更に活性化処理等の表面処理後に下塗り処理を施してもよく、それらの各手段を任意に組合せることができる。
支持体中、支持体の表面あるいは裏面、またはこれらの組合せにおいて、親水性バインダーと、アルミナゾルや酸化スズ等の半導性金属酸化物と、カーボンブラックその他の帯電防止剤とを塗布してもよい。このような支持体としては、具体的には、特開昭63−220246号などに記載の支持体が挙げられる。
支持体上への断熱層およびトナー受容層の塗布には、一般公知の塗布装置、例えば、リバースロールコータ、バーコータ、カーテンコータ、ダイスロットコータ、グラビアコータ等の装置が適宜用いられる。
支持体の厚みとしては、通常25〜300μmであり、50〜260μmが好ましく、75〜220μmがより好ましい。前記支持体の剛度、平滑性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、写真画質の受像紙用としてはカラー銀塩写真用の支持体に近いものが好ましい。前記支持体の密度としては、定着性能の観点からは、7×105g/m3(0.7g/cm3)以上であることが好ましい。
支持体の熱伝導率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性能の観点からは、20℃で相対湿度が65%の条件下において、2.1kW/m・h・℃以上であることが好ましい。前記熱伝導率は、JIS P 8111に準拠して調湿した転写紙を、特開昭53−66279号に記載された方法によって測定することができる。
本発明に係る支持体には、本発明の効果を害しない範囲内において、目的に応じて適宜選択した各種の添加剤を添加させることができる。添加剤としては、例えば、増白剤、導電剤、填料、酸化チタン、群青、カーボンブラック等の顔料、染料などが挙げられ、前記顔料塗工層に混合して用いることができる。
また、本発明に係る支持体の片面あるいは両面には、その上に設けられる層との密着性を改良する目的で、種々の表面処理や下塗り処理を施すことができる。表面処理としては、例えば、光沢面、又は特開昭55−26507号公報記載の微細面、マット面、又は絹目面の型付け処理、コロナ放電処理、火炎処理、グロー放電処理、プラズマ処理等の活性化処理などが挙げられる。また、下塗り処理としては、例えば、特開昭61−846443号公報に記載の方法が挙げられる。これらの処理は、単独で施してもよいし、また、前記型付け処理等を行った後に活性化処理を施してもよいし、更に活性化処理等の表面処理後に下塗り処理を施してもよく、それらの各手段を任意に組合せることができる。
支持体中、支持体の表面あるいは裏面、またはこれらの組合せにおいて、親水性バインダーと、アルミナゾルや酸化スズ等の半導性金属酸化物と、カーボンブラックその他の帯電防止剤とを塗布してもよい。このような支持体としては、具体的には、特開昭63−220246号などに記載の支持体が挙げられる。
《その他の構成層》
本発明の電子写真用画像転写メディアにおいては、上記説明したトナー受容層と断熱層の他に、その他の構成層を設けることができる。その他の構成層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、表面保護層、中間層、下塗り層、クッション層、帯電調節(防止)層、反射層、色味調製層、保存性改良層、接着防止層、アンチカール層、平滑化層などが挙げられる。これらは、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。支持体が反射性支持体であり、支持体上に本発明に係るトナー受容層等が設けられる反射型の電子写真用画像転写メディアである場合は、支持体上の設ける各層は透明である必要はなく、むしろ白色であることが好ましい。
本発明の電子写真用画像転写メディアの不透明度としては、JIS P 8138に規定される方法で測定した値が、85%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
本発明の電子写真用画像転写メディアにおいては、裏面出力適性付与、裏面出力画質改良、カールバランス改良、筆記性付与、インクジェット、その他のプリント適性付与、機器通過性改良等の目的で、前記支持体における、前記受像層が設けられた側とは反対側にバック層を設けることができる。該バック層には、前述の各種の添加剤を用いることができ、特に前述のマット剤、滑り剤、帯電調整剤等を用いるのが好ましい。バック層は、1層であってもよいし、2層以上であってもよい。また、定着時のオフセット防止のため定着ローラー等に離型性オイルを用いている場合、裏面にオイル吸収性を持たせることが好ましい。
本発明の電子写真用画像転写メディアにおいては、支持体、断熱層、トナー受容層と、その他の構成層との密着を改良する目的で、密着改良層を設けることができる。
本発明の電子写真用画像転写メディアには、出力画像の安定性改良、受像層自身の安定性改良の目的で、各種の添加剤を用いることができる。このような添加剤としては、種々の公知の酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、劣化防止剤、オゾン劣化防止剤、防腐剤、防黴剤、などが挙げられる。
本発明の電子写真用画像転写メディアは、電子写真方式により電子写真用トナーによる画像形成に使用することができ、電子写真用カラートナーによるカラー画像形成に好適に使用することができる。
《電子写真用トナー》
本発明に用いられるトナーは、公知の電子写真用のトナーであれば特に限定されず、トナーの製造方法については粉砕法、重合法等、公知の製造方法であれば特に限定されないが、本発明の効果を出すには、懸濁重合法や、必要な添加剤の乳化液を加えた液中にて単量体を乳化重合し、微粒の重合体粒子を製造し、その後に、有機溶媒、凝集剤等を添加して会合する製造方法であることが好ましい。会合の際にはトナーの構成に必要な離型剤や着色剤などの分散液と混合して会合させて調製する方法や、単量体中に離型剤や着色剤などのトナー構成成分を分散した上で乳化重合する方法などが好ましくあげられる。尚、ここで会合とは樹脂粒子及び着色剤粒子が複数個融着することを示す。
懸濁重合法の製造方法としては特に限定されるものでは無いが、下記の様な製造方法を上げることができる。
すなわち、重合性単量体中に着色剤や必要に応じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機などで重合性単量体に各種構成材料を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料が溶解あるいは分散された重合性単量体を、分散安定剤の存在下で水系媒体中に拡散させ、ホモミキサーやホモジナイザーなどを使用してトナーとして所望の大きさの油滴になるよう分散させる。その後、撹拌機構が前述の撹拌翼である反応装置へ移し、加熱することで重合反応を進行させる。反応終了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥することで本発明のトナーを調製する。
また、トナーを製造する方法として樹脂粒子を水系媒体中で融着させて調製する方法も挙げることができる。この方法としては、特に限定されるものでは無いが、例えば、特開平5−265252号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に示す方法を挙げることができる。すなわち、樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒子、あるいは樹脂及び着色剤等より構成される微粒子を複数以上会合させる方法、特に、水中に乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させ、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥する事により、本発明のトナーを形成することができる。尚、ここにおいて凝集剤と同時に水に対して無限溶解する有機溶媒を加えてもよい。
トナーの樹脂成分としては、公知の樹脂を用いることができるが、一般には、ポリエステル樹脂やスチレン−アクリル樹脂等を主に用いることができる。また、塗布層上に画像を形成する場合には、塗布層に含まれる接着剤等の樹脂成分との相溶性の高い樹脂をトナーの樹脂成分として選択することが好ましい。このような観点からは、トナーの樹脂成分としては、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル樹脂等の中から目的に応じて1種或いは2種以上の混合物を使用することが好ましい。
トナーの体積平均粒子径は、2〜10μmの範囲内であることが好ましく、3〜9μmの範囲内であることがより好ましい。トナーの体積平均粒子径が、2μm未満であると、帯電性が不十分になり易く、現像性が低下する場合があり、一方、10μmを越えると、画像の解像性が低下する場合があるため、それぞれ好ましくない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
《水系ワックスエマルジョンの作製》
固形微粒子を分散させた水系ワックスエマルジョンは、分散剤としてスルホン酸アルカリ金属塩基をもつポリエステルの存在下、ワックス成分とイオン交換水を入れ撹拌器付のオートクレーブ中で強撹拌させることで作製した。
〔ワックス成分の作製〕
表1に、作製したワックス成分に関し、示差走査熱量計により10℃/分昇温速度時に測定されるDSC曲線において得られる最大吸熱ピーク、および前記結晶化率測定方法により求めた結晶化率を示す。
表1において、ワックスNo.1〜No.5は、α−モノオレフィニックハイドロカーボンとエチレンとを共重合することにより生成された分岐パラフィン系ワックスである。また、No.6〜No.10は分子量/分子量分布の異なるポリエチレンワックスであり、No.11〜No.12はプロピレン−エチレン共重合体からなるポリオレフィンワックスである。
Figure 2007241040
〔スルホン酸アルカリ金属塩基をもつポリエステルの作製〕
撹拌機、温度計及び蒸留口を備えた反応器に、テレフタル酸100g(0.6モル)、イソフタル酸53g(0.32モル)、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル15g(0.08モル)、エチレングリコール93g(1.5モル)及び触媒としてテトラブチルチタネートをジカルボン酸成分に対して500ppm仕込み210℃で2時間反応させ、水を合計35g留出させた。続いて該触媒を更に同質量追加して、更に230℃まで90分で昇温しながら反応系の圧力を260Paの減圧状態になるまで徐々に減じて、かかる温度、減圧下で2時間反応させ、数平均分子量17000、ガラス転移温度70℃、スルホン酸ナトリウム塩基をジカルボン酸成分に対して8モル%もつポリエステル220gを得た。
〔エマルジョンの作製〕
表1のワックス成分を30質量%、上記スルホン酸ナトリウム塩基含有ポリエステル3質量%とイオン交換水67質量%を撹拌器付のオートクレーブに仕込み、圧力0.8MPaで高温条件下(ワックス種により分散性を確認しながら120℃〜200℃の範囲で適宜設定)1時間強く撹拌し、固形分30%の乳白色のエマルジョンを得た。
《支持体の作製》
50質量%の硫酸塩法晒広葉樹パルプ(LBKP)と、50質量%の硫酸塩法晒針葉樹パルプ(NBSP)からなる坪量170g/m2の白色基紙1を用意した。
この白色基紙1の裏面に、裏面樹脂層としてポリエチレンを300℃にて溶融押し出しラミネートを行って20g/m2のバックラミネート層1を被覆させた。
次に、表面側に表面樹脂層として、ポリエチレン91質量%、ルチル型酸化チタン9質量%を混練した後に300℃にて溶融押出ラミネートにより30g/m2の耐水性樹脂層1を被覆させ、両面に樹脂被覆層を有する支持体Aを作製した。
《電子写真用画像転写メディアの作製》
〔試料101〜112の作製〕
断熱層およびトナー受容層a〜lについて、以下に示す分量で塗布液を作製した。
(断熱層塗布液)
中空粒子分散液(ローぺークHP−1055、ローム&ハース社製) 50質量%
ゼラチン 3質量%
ジクロル−S−トリアジン水溶液(4%) 2質量%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 5質量%
水 40質量%
なお、上記断熱層塗布液を塗布し、十分に乾燥させた後、23℃55%RH条件で調湿し、測定した空隙率は65%であった。
(トナー受容層a〜l塗布液)
アクリル樹脂水分散液(モビニール745、ニチゴー・モビニール製、Tg=21℃) 60質量%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 5質量%
ゼラチン 3質量%
ワックスエマルジョンNo.1〜No.12(固形分濃度30%) 12質量%
水 20質量%
以下の塗布工程に沿って電子写真用画像転写メディアを作製した。
上記作製した支持体Aの表面側に、常法に従ってコロナ放電処理を施し、前記断熱層塗布液をワイヤーバーコータにより乾燥後の膜厚が50μmとなるように塗布し、乾燥させた後、イオン交換水を十分に水引し、上記トナー受容層塗布液をそれぞれ断熱層の上に塗布し、試料101〜112を作製した。
《電子写真用受像材料の評価》
上記作製した電子写真用受像材料である試料101〜112と普通紙(コニカミノルタビジネステクノロジー社製上質紙 Jペーパー紙)に関し、下記の方法に従って画像形成および評価を行った。
〔評価用トナーの調製〕
(トナー用結着樹脂粒子の調製)
〈ラテックス1の調製〉
(1)核粒子の調製(第1段重合):ラテックス(1H)の調製
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5000mlのセパラブルフラスコに、アニオン系界面活性剤〔C1021(OCH2CH22OSO3Na〕7.08gをイオン交換水3010gに溶解させた界面活性剤溶液(水系媒体)を仕込み、窒素気流下で230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)1.5gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、スチレン80g、n−ブチルアクリレート16g、メタクリル酸4g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル3.0gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、攪拌することにより重合(第1段重合)を行い、ラテックスを調製した。これを「ラテックス(1H)」とする。
(2)中間層の形成(第2段重合):ラテックス(1HM)の調製
攪拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン120g、n−ブチルアクリレート24g、メタクリル酸6g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル4.5gからなる単量体混合液に、下記結晶性化合物の98.0gを添加し、90℃に加温し溶解させて単量体溶液を調製した。
一方、アニオン系界面活性剤(前出)の1.6gを、イオン交換水2700mlに溶解させた界面活性剤溶液を98℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、核粒子の分散液である前記ラテックス(1H)を固形分換算で28g添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により、下記結晶性化合物の単量体溶液を8時間混合分散させ、分散粒子径(284nm)を有する乳化粒子(油滴)を含む分散液(乳化液)を調製した。
次いで、この分散液(乳化液)に、重合開始剤(KPS)4.5gをイオン交換水240mlに溶解させた開始剤溶液と、イオン交換水750mlとを添加し、この系を98℃にて12時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第2段重合)を行い、ラテックスを得た。これを「ラテックス(1HM)」とする。
Figure 2007241040
(3)外層の形成(第3段重合):ラテックス1の調製
上記の様にして得られたラテックス(1HM)に、重合開始剤(KPS)6gをイオン交換水200mlに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン320g、n−ブチルアクリレート64g、メタクリル酸16g、多官能性重合性単量体(1−1)を48g、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル12gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却しラテックス(1H)からなる中心部と、2段重合からなる中間層と、3段重合からなる外層とを有し、前記中間層に例示化合物(19)が含有されている複合樹脂粒子の分散液を得た。このラテックスをラテックス1とする。
このラテックス1を構成する複合樹脂粒子の質量平均粒径は122nmであった。
(着色剤分散液の調製)
〈マゼンタ分散液の調製〉
アニオン系界面活性剤(前出)59.0gをイオン交換水1600mlに攪拌溶解した。この溶液を攪拌しながら、C.I.ピグメントレッド122の420.0gを徐々に添加し、次いで、攪拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理することにより、マゼンタ分散液を調製した。
このマゼンタ分散液における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、110nmであった。
(着色粒子aの調製:(凝集・融着)会合による粒子の調製)
ラテックス1を420.7g(固形分換算)と、イオン交換水900gと上記調製したマゼンタ分散液200gとを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、攪拌装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に入れ攪拌した。
容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを8〜11.0に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物12.1gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて90℃まで昇温した。その状態で、「コールターカウンターTA−II」にて会合粒子の粒径を測定し、体積平均粒径が4μm〜7μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2gをイオン交換水1000mlに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、熟成処理として液温度98℃にて6時間にわたり加熱攪拌することにより融着を継続させることにより、着色粒子aを各々得た。
(トナーの調製)
上記調製した着色粒子aに、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1質量%及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を0.3質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、静電荷像現像用トナーを得た。得られたトナーのフロー軟化点は120℃、平均粒径は6μmであった。
(2成分現像剤の調製)
上記調製した静電荷像現像用トナーに対して、シリコーン結着樹脂を被覆した体積平均粒子径60μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6%になるようにして、2成分現像剤を調製した。
〔画像形成装置〕
画像形成装置として、特開2003−173044号公報の図3に記載の構成からなるカラーデジタル複写機を用いた。なお、定着装置としては、下記の構成からなる圧接方式の加熱定着装置を用いた。
表面をPFA(テトラフロオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)の被覆層(厚み:120μm)を有し、内径40mmで全幅が310mmのヒーターを中央部に内蔵した円柱状の厚み1.0mmのアルミ合金パイプを加熱ローラ(上ローラ)として有し、表面が同様にスポンジ状シリコーンゴム(アスカーC硬度=48:厚み2mm)で構成された内径40mmの肉厚2.0mmの鉄パイプを有する加圧ローラ(下ローラ)を有している。ニップ幅は7.0mmとした。この定着装置を使用して、印字の線速を74mm/秒に設定した。
尚、定着装置のクリーニング機構としてポリジフェニルシリコーン(20℃の粘度が10Pa・sのもの)を含浸したウェッブ方式の供給方式を使用し、定着の温度は上ロールの表面温度で制御し、180℃の設定温度とした。
〔ローラー分離性評価〕
上記作製した試料をハガキサイズ(100×148mm)に裁断し、前記定着装置の定着条件を197℃、線速度74mm/secに設定し、前記試料を1000枚通過させた際のローラー巻きつき挙動を以下の指標に従って評価した。
◎:ローラー巻きつきが発生せず、通過後の白地平滑性にも優れる。
○:ローラー巻きつきが発生せず、通過後の白地平滑性が若干低下するものの問題にならない。
△:ローラー巻きつきは発生しないものの分離タイミングが遅く、通過後の白地平滑性が若干低下している。
×:ローラー巻きつきが数枚発生し、通過後の白地平滑性も若干低下している。
〔光沢度の測定〕
前記調製した2成分現像剤のトナー量を10g/m2とした未定着トナー像を用いて、加熱ローラーへの離型剤オイル供給を止めて、実質上加熱ローラー表面に離型剤オイルが存在しない状態で、定着条件として197℃、線速度74mm/secで、各電子写真受像材料の表面側に画像を形成した。このとき、トナー画像部と試料の白地部について光沢度評価が出来るような画像を用意した。次いで、各試料上の画像の60度光沢度を、光沢度計(日本電色製VG−2000型)を用いて測定した。
〔失透耐性(失透現象)の評価〕
前記画像形成装置および定着装置を用いて光沢度測定用画像を作製する際、定着ローラー通過直後の非画像形成部に関し光沢感変化を目視評価し、下記の基準に従って失透耐性の評価を行った。
◎:光沢変化が全く発生せず、プリント後の光沢にも優れる。
○:光沢変化がほとんど見られず、プリント後の光沢にも優れる。
△:光沢変化が若干見られるが、プリント後の光沢には優れる。
×:光沢変化が大きく、プリント後の光沢が低下する。
以上により得られた結果を、表2に示す。
Figure 2007241040
表2に記載の結果より明らかなように、本発明の電子写真受像材料は、比較例に対し、形成した画像が高い光沢度を有し、かつ低温定着性、ホットオフセット耐性といったワックス性能が発揮され、さらには非画像形成部に関し定着部通過後の失透現象抑制にも優れていることが分かる。

Claims (11)

  1. 支持体の少なくとも一方の面側に、微粒子フィラーとバインダーとを含有する断熱層と、熱可塑性樹脂を主成分とするトナー受容層とが積層されている電子写真用画像転写メディアであって、示差走査熱量計により10℃/分昇温速度時に測定されるDSC曲線において50〜120℃の温度範囲内で最大吸熱ピークを示し、且つ、結晶化率が70〜96%である熱溶解性ワックス微粒子を前記トナー受容層中に含有することを特徴とする電子写真用画像転写メディア。
  2. 前記熱溶解性ワックス微粒子の平均粒径が0.2〜3μmであり、前記トナー受容層中に分散されていることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用画像転写メディア。
  3. 前記熱溶解性ワックス微粒子がトナー受容層に対し5〜50質量%含有されることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用画像転写メディア。
  4. 前記熱溶解性ワックス微粒子の少なくとも1種が、ポリオレフィン系ワックスを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真用画像転写メディア。
  5. 前記熱溶解性ワックス微粒子の少なくとも1種が、マイクロクリスタリンワックスを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真用画像転写メディア。
  6. 前記熱溶解性ワックス微粒子の少なくとも1種が、長鎖分岐構造を有するパラフィン系ワックスを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真用画像転写メディア。
  7. 前記断熱層の空隙率が65%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の電子写真用画像転写メディア。
  8. 前記微粒子フィラーが、熱可塑性樹脂からなる中空微粒子であることを特徴とする請求項7記載の電子写真用画像転写メディア。
  9. 前記微粒子フィラーがシリカまたはアルミナを主成分とする無機微粒子フィラーであることを特徴とする請求項7記載の電子写真用画像転写メディア。
  10. 前記断熱層の乾燥膜厚が30〜100μmであることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の電子写真用画像転写メディア。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の電子写真用画像転写メディアを作製することを特徴とする電子写真用画像転写メディアの作製方法。
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