JP2007249126A - 電子写真受像材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】フォトライクな高光沢のプリントが得られ、高温で定着してもペーパーブリスタの発生がなく、かつ優れた搬送性を有する電子写真受像材料を提供することにある。
【解決手段】紙基体の片面に、溶融押し出しコーティングにより形成された熱可塑性樹脂からなる樹脂被覆層を有し、反対面側に合成ゴムラテックスを含有する塗工層を有する紙支持体の熱可塑性樹脂被覆層上に、空隙を有する断熱層と、該断熱層の上部に少なくとも1層の熱可塑性樹脂を含有するトナー受容層を有することを特徴とする電子写真受像材料。
【選択図】なし
【解決手段】紙基体の片面に、溶融押し出しコーティングにより形成された熱可塑性樹脂からなる樹脂被覆層を有し、反対面側に合成ゴムラテックスを含有する塗工層を有する紙支持体の熱可塑性樹脂被覆層上に、空隙を有する断熱層と、該断熱層の上部に少なくとも1層の熱可塑性樹脂を含有するトナー受容層を有することを特徴とする電子写真受像材料。
【選択図】なし
Description
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成機器に用いられる新規の電子写真受像材料に関するものである。
現在、オフィス等では、電子写真方式を用いた画像形成機器が広く普及している。この電子写真方式による画像形成機器には通常普通紙が使われてきたが、電子写真方式による多色画像やフルカラー画像形成方法の普及、発展に伴って、高画質なフルカラー画像を形成する電子写真用受像紙の開発が行われてきている。
近年では、銀塩写真プリントやインクジェット出力プリント並のフォトライクなプリントの要望が強くなってきているが、電子写真方式によるカラー出力画像は、前者のような写真画像プリントに比較し、未だ満足のいく品質にまでは至っていないのが現状である。
これら電子写真方式で形成したカラープリントでは、数μmオーダーのトナーを画像形成要素として使用しているため、光沢に乏しく、トナーの付与量にも限界があり、写真画像を達成するために必要な濃度を実現できていないのが現状であり、フォトライクの画像出力にはこれらの改善が強く望まれている。
基紙の両面にポリオレフィン樹脂被覆層を設けた高平滑な紙支持体上に、熱可塑性樹脂層を設けることで光沢感等の写真感を向上させる方法が開示されている(特許文献1参照)。確かにトナー未定着の白地部やトナー定着量の極めて少ない低濃度部では、高平滑な熱可塑性樹脂層表面により高い光沢が得られるが、トナー定着の画像部ではトナー定着の凹凸で光沢はなく、十分な写真感は得られない。
また、高平滑な表面の熱可塑性樹脂層を有する電子写真受像材料においては、定着前の受像材料をシート束やロールで保管しておくと、高平滑な表面と裏面とはくっつきやすい、所謂ブロッキング等の接着障害が生じやすいという問題が判明した。このような接着障害が発生すると、シート給紙の場合には給紙不能、搬送不良となり、ロール給紙の場合には無理矢理引き出そうとすると、支持体からトナー受容層が剥がれる問題が発生し、接着障害が比較的弱い場合においても、シート供給では一枚ずつ搬入されるべきところを異常に複数枚同時に搬入してしまう、所謂重送を発生しやすいことが分かった。
この改善のために裏面側にマット剤を入れたりすることで粗面化した場合には、定着前の受像材料の高平滑な表面に粗面な裏面形状が転写して、表面が荒れてしまう問題があった。
また、基紙の両面にポリオレフィン樹脂被覆層を設けた高平滑な紙支持体を用いた受像材料では、定着時に基紙中の水分が高温の定着熱により水蒸気化して紙を膨らませる所謂ペーパーブリスタの発生は大きい問題であった。
特開2005−77804号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、フォトライクな高光沢のプリントが得られ、高温で定着してもペーパーブリスタの発生がなく、かつ優れた搬送性を有する電子写真受像材料を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
1.紙基体の片面に、溶融押し出しコーティングにより形成された熱可塑性樹脂からなる樹脂被覆層を有し、反対面側に合成ゴムラテックスを含有する塗工層を有する紙支持体の熱可塑性樹脂被覆層上に、空隙を有する断熱層と、該断熱層の上部に少なくとも1層の熱可塑性樹脂を含有するトナー受容層を有することを特徴とする電子写真受像材料。
2.前記樹脂被覆層を構成する熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン及びポリエステルから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする1に記載の電子写真受像材料。
3.前記合成ゴムラテックスを含む塗工層の合成ゴムラテックスが、ブタジエン重合体、スチレンブタジエン共重合体、ニトリル共重合体、アクリル重合体、エチレンプロピレン共重合体から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする1または2に記載の電子写真受像材料。
4.前記トナー受容層が、ワックスを含有することを特徴とする1〜3のいずれか1項に記載の電子写真受像材料。
5.前記空隙を有する断熱層が、中空粒子と親水性バインダーとを含有することを特徴とする1〜4のいずれか1項に記載の電子写真受像材料。
本発明により、フォトライクな高光沢のプリントが得られ、高温で定着してもペーパーブリスタの発生がなく、かつ優れた搬送性を有する電子写真受像材料を提供することができた。
本発明者は鋭意検討の結果、支持体のポリオレフィン樹脂被覆層を設けた側に空隙を有する断熱層と熱可塑性樹脂層を含むトナー受容層を設け、支持体の裏面側には合成ゴムラテックスを含む塗工層を有する受像材料を用いることで、高光沢なトナー転写画像が得られるばかりでなく、ペーパーブリスタや接着障害を改善できることを見出した。
以下、本発明の電子写真受像材料の詳細について説明する。
《紙支持体》
本発明に係る紙支持体は、シート状の紙基体(基紙ともいう)のトナー受容層を設ける側の面上(以下、表面と称す)に熱可塑性樹脂からなる樹脂被覆層が溶融押出コーティング法により形成され、反対面(以下、裏面と称す)側に合成ゴムラテックスを含む塗工層を設けてなる紙支持体である。
本発明に係る紙支持体は、シート状の紙基体(基紙ともいう)のトナー受容層を設ける側の面上(以下、表面と称す)に熱可塑性樹脂からなる樹脂被覆層が溶融押出コーティング法により形成され、反対面(以下、裏面と称す)側に合成ゴムラテックスを含む塗工層を設けてなる紙支持体である。
(基紙)
本発明に係る紙支持体に用いられる基紙は、通常の天然パルプを成分とするものの他、合成パルプや合成繊維等でもよく、これらの混合物でもよい。これらの中では針葉樹材パルプ、広葉樹材パルプ、針葉樹広葉樹材混合パルプの木材パルプを主成分とする天然パルプ紙が好ましく使用される。これらの基紙中には各種の高分子化合物、添加剤を含有させることができる。例えば、乾燥力増強剤、サイズ剤、顔料、湿潤紙力増強剤、定着剤、pH調節剤等を適宜組み併せて含有せしめることができる。
本発明に係る紙支持体に用いられる基紙は、通常の天然パルプを成分とするものの他、合成パルプや合成繊維等でもよく、これらの混合物でもよい。これらの中では針葉樹材パルプ、広葉樹材パルプ、針葉樹広葉樹材混合パルプの木材パルプを主成分とする天然パルプ紙が好ましく使用される。これらの基紙中には各種の高分子化合物、添加剤を含有させることができる。例えば、乾燥力増強剤、サイズ剤、顔料、湿潤紙力増強剤、定着剤、pH調節剤等を適宜組み併せて含有せしめることができる。
基紙の坪量は、特に制限はないが50〜200g/m2が好ましく、また、密度も特に制限はないが、通常0.90〜1.15g/cm3が好ましい。
(被覆用の熱可塑性樹脂)
被覆用の熱可塑性樹脂としては、汎用の熱可塑性樹脂を用いることができるが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルから選ばれる熱可塑性樹脂が好ましい。
被覆用の熱可塑性樹脂としては、汎用の熱可塑性樹脂を用いることができるが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルから選ばれる熱可塑性樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂の軟化点としては、定着ローラーからの定着温度を、空隙を有する断熱層で効果的に断熱することから、軟化点90℃以上の熱可塑性樹脂ならば用いることができるが、軟化点120℃以上の熱可塑性樹脂が50質量%以上含まれていることが好ましく、さらに好ましくは50〜100質量%である。なお、本発明でいう軟化点とは、ビカット軟化点をいう。
熱可塑性樹脂の樹脂被覆層の厚さは、特に制限はないが、5〜100μmの範囲であることが、紙支持体を製造する観点から一般的である。
溶融押し出しコーティングにおいては、熱可塑性樹脂としてポリエチレンを用いることが、基紙との密着性、製造適性、かつ樹脂価格が安いという観点から好ましい。
ポリエチレンの種類としては、その密度の違いから、1)密度0.910g/cm3以上、0.930g/cm3未満を低密度ポリエチレン(LDPE)、2)密度0.930g/cm3以上、0.942g/cm3未満を中密度ポリエチレン(MDPE)、3)密度0.942g/cm3以上を高密度ポリエチレン(HDPE)に分類されるが、本発明に係る紙支持体の樹脂被覆層にポリエチレン樹脂を用いる場合には、密度0.942g/cm3以上の高密度ポリエチレンを50質量%含むポリエチレン樹脂が好ましい。
また、本発明に係る樹脂被覆層中には、着色顔料、滑剤、酸化防止剤等を含有させることができる。
本発明に係る紙支持体の表側は、基紙上に熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物をスリツトダイからフイルム状に溶融押し出し塗工して製造される。その際、溶融押出温度は200〜350℃であることが好ましい。スリツトダイとしては、T型ダイ、L型ダイ、フィッツシュティル型ダイが好ましい。また、被覆操作前の基紙にコロナ放電処理、火炎処理等の活性化処理を施したり、加熱溶融した樹脂フィルムの表面にオゾンガスを吹きつけてこれを活性化することにより基紙と樹脂被覆層の接着性を向上させてもよい。
裏面側の塗工層は、合成ゴムラテックスを含む塗工層からなり、具体的には合成ゴムラテックスを主とする塗料、あるいは合成ゴムラテックスと顔料からなる塗料を塗工することで形成されるものである。
(合成ゴムラテックス)
合成ゴムラテックスとしては、好ましくはブタジエン重合体、スチレンブタジエン共重合体、ニトリル共重合体、アクリル重合体、エチレンプロピレン共重合体から選ばれるゴムラテックスであり、スチレンブタジエン共重合体かスチレンブタジエン共重合体とアクリル重合体の混合がより好ましい。
合成ゴムラテックスとしては、好ましくはブタジエン重合体、スチレンブタジエン共重合体、ニトリル共重合体、アクリル重合体、エチレンプロピレン共重合体から選ばれるゴムラテックスであり、スチレンブタジエン共重合体かスチレンブタジエン共重合体とアクリル重合体の混合がより好ましい。
また、造膜性の観点からは、造膜性の高いスチレン−ブタジエン系共重合物に、他のポリスチレン、ブタジエン−スチレン共重合物を併用すること、C=8以上の疎水性の高いスチレン(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び/または、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合物等の(メタ)アクリル系ポリマーを混合使用することも耐水性被膜を形成するのに有効である。
塗工層に用いられる顔料としては、カオリン、炭酸カルシウム、二酸化チタン、三水酸化アルミニウム、無定型シリカ、サチンホワイト、タルク、酸化亜鉛、硫酸パリウム、マイカ、クレー等を使用することができる。顔料は、合成ゴムラテックス100質量部に対して、0〜200質量部を添加できる。
本発明に係る裏面側塗工層には、撥水化剤としてパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等のワックス類、ポリエチレン、高級脂肪酸誘導体等を併用することもできる。
さらにその他の添加剤として、各種助剤、例えば界面活性剤、pH調節剤、粘度調節剤、柔軟剤、光沢付与剤、ワックス類、分散剤、流動変性剤、導電防止剤、安定化剤、帯電防止剤、架橋剤、サイズ剤、蛍光増白剤、着色剤、紫外線吸収剤、消泡剤、耐水化剤、可塑剤、滑剤、防腐剤、香料等が必要に応じて適宜含まれていてもよい。
塗工層の塗工量は5〜100g/m2でよく、好ましくは10〜50g/m2である。塗工液の基紙への塗工はエアナイフ、ダイ、ブレード、ロール、バー、ロッド、コンマ等の形式のコーターが使用可能であるが、生産性と面感からベントブレード方式が好適である。
本発明に係る紙支持体の厚みとしては、通常80〜300μmである。また、紙支持体の剛度、平滑性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
また、本発明に係る紙支持体の片面あるいは両面には、その上に設けられる層との密着性を改良する目的で、種々の表面処理や下塗り処理を施すことができる。表面処理としては、例えば、光沢面、特開昭55−26507号公報に記載の微細面、マット面あるいは絹目面の型付け処理、コロナ放電処理、火炎処理、グロー放電処理、プラズマ処理等の活性化処理等が挙げられる。また、下塗り処理としては、例えば、特開昭61−846443号公報に記載の方法が挙げられる。これらの処理は、単独で施してもよいし、また、前記型付け処理等を行った後に活性化処理を施してもよいし、さらに活性化処理等の表面処理後に下塗り処理を施してもよく、それらの各手段を任意に組合せることができる。
紙支持体中、紙支持体の表面あるいは裏面、またはこれらの組合せにおいて、親水性バインダーと、アルミナゾルや酸化スズ等の半導性金属酸化物と、カーボンブラックその他の帯電防止剤とを塗布してもよい。
《断熱層》
本発明の電子写真受像材料では、紙支持体とトナー受容層との間に、空隙を有する断熱層を有することを特徴とし、高い空隙率(空隙容量)を有する断熱層であることが好ましい。
本発明の電子写真受像材料では、紙支持体とトナー受容層との間に、空隙を有する断熱層を有することを特徴とし、高い空隙率(空隙容量)を有する断熱層であることが好ましい。
トナー受容層の下部に本発明に係る断熱層を設けることにより、定着時に定着ローラー等から付与される熱エネルギーの拡散を遮断し、トナー受容層の高温状態を維持することにより、トナー受容層に着弾したトナー粒子の融解、平滑化あるいはトナー受容層中への埋込効果を発揮させることにより、光沢感のあるプリントが得られると共に、ペーパーブリスタが発生するのを防止し、かつ定着熱の効率化でトナーを高融解することで、トナー中のワックスのブリードアウトを促進することで、定着ローラーや定着ベルトからなる定着加熱部とトナーとの離型性を向上することが分かった。
本発明に係る断熱層の空隙率としては30%以上であればよいが、40%以上であることが好ましく、50〜80%であることが特に好ましい。
高空隙率を有する断熱層を形成する材料としては、発泡プラスチック、中空粒子あるいは多孔質粒子を樹脂層に分散させたものが用いられる。
発泡性プラスチックは熱可融性物質を殻とし、内部に低沸点溶剤を含有する中空状のプラスチックフィラーであり加熱により発泡する。このプラスチックフィラーの殻となる熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリルニトリル、ポリブタジエン、あるいはそれらの共重合体が挙げられる。また殻内に含まれる発泡剤としては、プロパンやイソブタン、ネオペンタン、石油エーテル等がある。例えば、松本油脂社製 ミクロパール、ケマノード社製 Expancelがある。
中空粒子としては、ガラス、セラミックス、プラスチックス等の種々の材質で形成された微小中空体があり、ガラス微小中空体としては硼硅酸塩ガラスのマイクロフェアー、例えばグラパーベル社製 Microsel M.、アルミノシリケート系微小中空体としては低発泡射出成型用及び標準射出成型用プレミックス、例えば日本フィライト社製 Filliteがある。
(中空粒子)
また、断熱層に有機中空粒子を用いる場合、本発明に用いられる中空粒子は、熱膨張性の中空粒子やカプセル状の中空ポリマーが挙げられる。熱膨張性の中空粒子は、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の熱可塑性物質を壁材とする中空粒子であり、粒子内部にプロパン、n−ブタン、イソブタン等の熱膨張性気体を含有する物質である。また、非膨張性の中空粒子は、スチレン−アクリル等の樹脂を壁材とし、内部に水が入っており、乾燥時に水が蒸発し中空粒子となるポリマーである。上記のような中空粒子は、一般に0.1〜100μm程度の粒径を有しているが、本発明において用いられる中空粒子の粒子径は、0.2〜10μmが好ましく、より好ましくは0.3〜5μmである。0.3μm未満では、中空粒子として十分な断熱効果が得られず、10μmを超えると平滑性の低下が著しくなる。
また、断熱層に有機中空粒子を用いる場合、本発明に用いられる中空粒子は、熱膨張性の中空粒子やカプセル状の中空ポリマーが挙げられる。熱膨張性の中空粒子は、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の熱可塑性物質を壁材とする中空粒子であり、粒子内部にプロパン、n−ブタン、イソブタン等の熱膨張性気体を含有する物質である。また、非膨張性の中空粒子は、スチレン−アクリル等の樹脂を壁材とし、内部に水が入っており、乾燥時に水が蒸発し中空粒子となるポリマーである。上記のような中空粒子は、一般に0.1〜100μm程度の粒径を有しているが、本発明において用いられる中空粒子の粒子径は、0.2〜10μmが好ましく、より好ましくは0.3〜5μmである。0.3μm未満では、中空粒子として十分な断熱効果が得られず、10μmを超えると平滑性の低下が著しくなる。
本発明に係る断熱層としては、非膨張性の中空粒子で形成されていることが好ましい。
上記断熱層を保持するバインダーとしては、特に限定はないが、例えば、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジエンゴム、アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、アクリル−マレイン酸樹脂、アクリル−酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂等のエマルジョンタイプの合成樹脂、ポリビニルアルコール、スターチ、カゼイン、ゼラチン等の水溶性高分子、カルボキシメチルセルローズ、ポリエチレンオキシド等が挙げられるが、可逆的にゾル−ゲル変換する親水性バインダーであることが好ましい。
可逆的にゾル−ゲル変換する親水性バインダーとしては、ゼラチン、ジェランガム、カラーギーナン、寒天、ペクチン等があるが、ゼラチンであることがより好ましい。
本発明に係る断熱層の膜厚としては、概ね20μmであるが、30μm以上が好ましく、さらに好ましくは30〜、60μmである。
《トナー受容層》
(熱可塑性樹脂A)
本発明に係るトナー受容層は、熱可塑性樹脂(以下、紙支持体被覆用に用いられる熱可塑性樹脂と区別するために、トナー受容層に用いられる熱可塑性樹脂を熱可塑性樹脂Aという)を含有する。
(熱可塑性樹脂A)
本発明に係るトナー受容層は、熱可塑性樹脂(以下、紙支持体被覆用に用いられる熱可塑性樹脂と区別するために、トナー受容層に用いられる熱可塑性樹脂を熱可塑性樹脂Aという)を含有する。
適用可能な熱可塑性樹脂Aとしては、例えば、以下の熱可塑性樹脂を例示することができる。
(イ)ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂や、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合体樹脂や、アクリル樹脂等、
(ロ)エステル結合を有するもの
例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、アビエチン酸、コハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が置換していてもよい)と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのジエーテル誘導体(例えば、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2付加物等)、ビスフェノールS、2−エチルシクロヘキシルジメタノール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキシルジメタノール、グリセリン等のアルコール成分(これらのアルコール成分には水酸基等が置換されていてもよい)との縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹脂またはポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等。具体的には、特開昭59−101395号、同63−7971号、同63−7972号、同63−7973号、同60−294862号に記載のものを挙げることができる。また、市販品としては東洋紡製のバイロン290、バイロン200、バイロン280、バイロン300、バイロン103、バイロンGK−140、バイロンGK−130等、花王製のタフトンNE−382、タフトンU−5、ATR−2009、ATR−2010等、ユニチカ製のエリーテルUE3500、UE3210、XA−8153等、日本合成化学製のポリエスターTP−220、R−188等を挙げることができる。
(ロ)エステル結合を有するもの
例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、アビエチン酸、コハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が置換していてもよい)と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのジエーテル誘導体(例えば、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2付加物等)、ビスフェノールS、2−エチルシクロヘキシルジメタノール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキシルジメタノール、グリセリン等のアルコール成分(これらのアルコール成分には水酸基等が置換されていてもよい)との縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹脂またはポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等。具体的には、特開昭59−101395号、同63−7971号、同63−7972号、同63−7973号、同60−294862号に記載のものを挙げることができる。また、市販品としては東洋紡製のバイロン290、バイロン200、バイロン280、バイロン300、バイロン103、バイロンGK−140、バイロンGK−130等、花王製のタフトンNE−382、タフトンU−5、ATR−2009、ATR−2010等、ユニチカ製のエリーテルUE3500、UE3210、XA−8153等、日本合成化学製のポリエスターTP−220、R−188等を挙げることができる。
(ハ)ポリウレタン樹脂等、
(ニ)ポリアミド樹脂、尿素樹脂等、
(ホ)ポリスルホン樹脂等、
(ヘ)ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂等、
(ト)ポリビニルブチラール等の、ポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂等、
(チ)ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等。
(ニ)ポリアミド樹脂、尿素樹脂等、
(ホ)ポリスルホン樹脂等、
(ヘ)ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂等、
(ト)ポリビニルブチラール等の、ポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂等、
(チ)ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等。
上記の各熱可塑性樹脂Aは、単独で使用してもよく、またはこれらの熱可塑性樹脂を2種以上混合して使用してもよい。
トナー受容層は、単層でもよく、また2層以上で構成されていてもよく、トナー受容層の膜厚としては、概ね0.1〜50μmであり、好ましくは0.5〜20μmである。
本発明に係るトナー受容層で用いる熱可塑性樹脂Aのガラス転移点としては、0℃以上、好ましくは20℃以上であり、熱伝導率は0.3W/m・K以下であることが好ましい。熱可塑性樹脂の熱伝導率は、例えば、「新版プラスチック材料読本」(工業調査会、1993年4月1日、新版4刷発行)、「プラスチック成形加工データブック」(日刊工業新聞、昭和63年3月初版1刷発行)、「プラスチック・データブック」(工業調査会、1999年12月初版1刷発行)に記載されている方法に従って求めることができる。
本発明に係るトナー受容層で用いる熱可塑性樹脂Aは、受容するトナーを構成する結着樹脂との相溶性の高い樹脂を選択することが、本発明の効果をより発揮できる観点から好ましい。
本発明でいうトナーの結着樹脂と相溶するということは、定着後の画像においてトナー受容層の熱可塑性樹脂Aとトナーの結着樹脂とが境界を形成しない状態になることを意味する。トナーの結着樹脂との相溶性を評価する方法として、例えば、特開平2−263642号公報に記載の溶解度パラメータが用いて測定する方法が記載されているが、より適切な評価方法として、溶融トナー傾斜角の測定方法を挙げることができる。
溶融トナー傾斜角の測定方法としては、トナーのディスクを成形した後、所定の温度に設定された熱可塑性樹脂Aから構成されるトナー受容層とトナーディスクを密着させ、トナーディスクを溶融させるた後、急冷、固化させる。この試料を、共和界面化学(株)製の接触角測定装置を使用し、トナーが固化した後のトナーの裾野の角度を2回測定し、その平均値をもって溶融トナー傾斜角とする。
この溶融トナー傾斜角の観点から熱可塑性樹脂Aを選択する場合、カラー画像形成に用いるトナーと熱可塑性樹脂Aとのトナー傾斜角が40度以下の樹脂を用いることが好ましい。溶融トナー傾斜角が40度以下になる透明樹脂層の樹脂としては、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリルエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。特に好ましいのは、トナーの主要樹脂(結着樹脂を基準として、50質量%以上含有される樹脂)と同種の樹脂である。すなわち、トナーの主要樹脂がポリエステル樹脂であればトナー受容層の熱可塑性樹脂Aとしてはポリエステル樹脂を、トナーの主要樹脂がスチレン−アクリルエステル樹脂であればトナー受容層の熱可塑性樹脂Aとして、アクリル樹脂か、スチレン−アクリルエステル樹脂を用いることが好ましい。
(ワックス)
本発明に係るトナー受容層には、ワックスを含有することが好ましい。
本発明に係るトナー受容層には、ワックスを含有することが好ましい。
ワックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、石油ワックス、変性ワックス、水素化ワックス、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、合成炭化水素等が挙げられる。
石油ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャートロプシュワックス、酸アミド化合物あるいは酸イミド化合物等が挙げられる。
変性ワックスとしては、例えば、アミン変性ポリプロピレン、アクリル酸変性やフッ素変性、オレフィン変性ワックス、ウレタン型ワックス、アルコール型ワックス等が挙げられる。
水素化ワックスとしては、例えば、硬化ひまし油、ヒマシ油誘導体、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、セバシン酸、ウンデシレン酸、マレイン酸、高度マレイン化油、吹込油、シクロペンタジエン化油等の合成ワックス等が挙げられる。
植物系ワックスとしては、例えば、カルナバワックス、ヒマシ油、ナタネ油、大豆油、木ろう、綿ろう、ライスワックス、サトウキビワックス、キャンデリラワックス、ジャパンワックス、ホホバ油等が挙げられる。
動物系ワックスとしては、例えば、蜜蝋、ラノリン、鯨蝋、ステ蝋(鯨油)、羊毛蝋等が挙げられる。
鉱物系ワックスとしては、例えば、オゾケライト、セレシン等の天然ワックスや、モンタン酸エステルワックス等の脂肪酸エステル等が挙げられる。
合成炭化水素としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス等、酸アミド化合物あるいは酸イミド化合物等が挙げられる。
これらの中でも、カルナバワックス、脂肪酸エステル系ワックス、パラフィンワックス、酸アミド化合物等が好適である。
本発明で使用されるワックスの量は、ワックスの種類にもよるが、例えば、トナー受容層の質量に対して、1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%であることが適当である。
トナー受容層へのワックスの添加方法においては、特に制限はないが、ワックスを加熱して融解した液を添加する方法、ワックスが微細に分散された水分散エマルションを添加する方法、等がある。
《トナー受容層、断熱層のその他の添加剤》
本発明に係るトナー受像層あるいは断熱層には、上記説明した各添加剤の他に、その熱力学的特性を改良する目的で、種々の添加剤を用いることができる。
本発明に係るトナー受像層あるいは断熱層には、上記説明した各添加剤の他に、その熱力学的特性を改良する目的で、種々の添加剤を用いることができる。
そのような添加剤としては、その目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、可塑剤、フィラー、架橋剤、帯電調整剤、導電剤、顔料、界面活性剤、染料、調湿剤、マット剤等が挙げられる。
可塑剤は、トナーを定着する時の熱または圧力によって、トナー受容層が流動または柔軟化するのを調整する機能を有する。可塑剤としては、「化学便覧」(日本化学会編、丸善)や、「可塑剤−その理論と応用−」(村井孝一編著、幸書房)や、「可塑剤の研究 上」「可塑剤の研究 下」(高分子化学協会編)や、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等を参考にして選択することができる。
また、フィラーとしては、樹脂用の補強剤、充填剤、強化材として公知のものが用いることができ、有機及び無機のフィラーが好ましい。フィラーとしては、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)、「新版 プラスチック配合剤 基礎と応用」(大成社)、「フィラーハンドブック」(大成社)等を参考にして選択することができる。
架橋剤としては、反応基としてエポキシ基、イソシアネート基、アルデヒド基、活性ハロゲン基、活性メチレン基、アセチレン基、その他公知の反応基を2個以上分子内に持つ化合物が挙げられ、また、水素結合、イオン結合、配位結合等により結合を形成することが可能な基を2個以上持つ化合物も挙げられる。また、前記架橋剤としては、樹脂用のカップリング剤、硬化剤、重合剤、重合促進剤、凝固剤、造膜剤、造膜助剤、等で公知の化合物も挙げられる。
帯電調整剤としては、トナーの転写、付着等を調整し、電子写真用受容紙の帯電接着を防止する等の目的で使用することができる。帯電調整剤としては、従来公知の帯電防止剤、帯電調整剤がいずれも使用可能であり、カチオン界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の界面活性剤等の他、高分子電解質、導電性金属酸化物等を使用できる。
導電剤としては、ZnO、TiO2、SnO2、Al2O3、In2O3、SiO2、MgO、BaO、MoO3等の金属酸化物等が挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
また、顔料としては、画質、特に白色度を改良する目的で、蛍光増白剤、白色顔料、有色顔料、染料等が挙げられる。前記蛍光増白剤は、近紫外部に吸収を持ち、400〜500nmに蛍光を発する化合物で、公知のものが使用される。蛍光増白剤としては、例えば、スチルベン系化合物、クマリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、カルボスチリル系化合物等が挙げられる。
染料としては、公知の種々の染料を用いることができ、例えば、油溶性染料等が挙げられる。油溶性染料としては、アントラキノン系化合物、アゾ系化合物等が挙げられる。
本発明に係るトナー受容層の白色度は、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、高い方が好ましい。白色度としては、CIE 1976(L*a*b*)色空間においてL*値が80以上が好ましく、85以上がより好ましく、90以上が特に好ましい。また、白色の色味は、できるだけニュートラルであることが好ましい。白色の色味としては、L*a*b*空間において(a*)2+(b*)2の値が、50以下が好ましく、18以下がより好ましく、5以下が特に好ましい。
本発明に係るトナー受容層の平滑度は、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、高い方が好ましい。また、平滑度としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、高い方が好ましい。平滑度としては、トナーがない白色から最大濃度の黒色までの全領域において、算術平均粗さ(Ra)が3μm以下であるのが好ましく、1μm以下であるのがより好ましく、0.5μm以下であるのが特に好ましい。前記算術平均粗さは、JIS B 0601、JIS B 0651、JIS B 0652に基づいて測定することができる。
本発明に係るトナー受容層における表面電気抵抗としては、1×106〜1×1015Ω(25℃、65%RHの条件)であるのが好ましく、本発明に係るトナー受容層以外のその他の層における表面電気抵抗も1×106〜1×1015Ω(25℃、65%RHの条件)であるのが好ましい。
また、本発明に係るトナー受容層には、マット剤を添加できる。マット剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、固体粒子等が挙げられる。前記固体粒子としては、無機粒子と有機粒子とに分類できる。
《その他の構成層》
本発明の電子写真受像材料においては、上記説明したトナー受容層と断熱層の他に、その他の構成層を設けることができる。その他の構成層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、表面保護層、中間層、下塗り層、クッション層、帯電調節(防止)層、反射層、色味調製層、保存性改良層、接着防止層、アンチカール層、平滑化層等が挙げられる。これらは、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。支持体が反射性支持体であり、支持体上に本発明に係るトナー受容層等が設けられる反射型の電子写真用受像材料である場合は、支持体上の設ける各層は透明である必要はなく、むしろ白色であることが好ましい。
本発明の電子写真受像材料においては、上記説明したトナー受容層と断熱層の他に、その他の構成層を設けることができる。その他の構成層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、表面保護層、中間層、下塗り層、クッション層、帯電調節(防止)層、反射層、色味調製層、保存性改良層、接着防止層、アンチカール層、平滑化層等が挙げられる。これらは、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。支持体が反射性支持体であり、支持体上に本発明に係るトナー受容層等が設けられる反射型の電子写真用受像材料である場合は、支持体上の設ける各層は透明である必要はなく、むしろ白色であることが好ましい。
本発明の電子写真用受像材料の不透明度としては、JIS P 8138に規定される方法で測定した値が、85%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
本発明の電子写真用受像材料においては、裏面出力適性付与、裏面出力画質改良、カールバランス改良、筆記性付与、インクジェット、その他のプリント適性付与、機器通過性改良等の目的で、前記支持体における、前記受像層が設けられた側とは反対側にバック層を設けることができる。また、前記バック層は、両面出力適性改良のため、その構成が受像層側と同様であってもよい。バック層には、前述の各種の添加剤を用いることができ、特に前述のマット剤、滑り剤、帯電調整剤等を用いるのが好ましい。バック層は、1層であってもよいし、2層以上であってもよい。また、定着時のオフセット防止のため定着ローラー等に離型性オイルを用いている場合、裏面にオイル吸収性を持たせることが好ましい。
本発明の電子写真用受像材料においては、支持体、断熱層、トナー受容層と、その他の構成層との密着を改良する目的で、密着改良層を設けることができる。
本発明の電子写真用受像材料には、出力画像の安定性改良、受像層自身の安定性改良の目的で、各種の添加剤を用いることができる。このような添加剤としては、種々の公知の酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、劣化防止剤、オゾン劣化防止剤、防腐剤、防黴剤、等が挙げられる。
本発明の電子写真用受像材料は、電子写真方式により電子写真用トナーによる画像形成に使用することができ、電子写真用カラートナーによるカラー画像形成に好適に使用することができる。
《電子写真用トナー》
本発明の電子写真用受像材料を用いた画像形成に用いられるトナーは、公知の電子写真用のトナーであれば特に限定されず、トナーの製造方法については粉砕法、重合法等、公知の製造方法であれば特に限定されないが、本発明の効果を出すには、懸濁重合法や、必要な添加剤の乳化液を加えた液中にて単量体を乳化重合し、微粒の重合体粒子を製造し、その後に、有機溶媒、凝集剤等を添加して会合する製造方法であることが好ましい。会合の際にはトナーの構成に必要な離型剤や着色剤等の分散液と混合して会合させて調製する方法や、単量体中に離型剤や着色剤等のトナー構成成分を分散した上で乳化重合する方法等が好ましく挙げられる。なお、ここでいう会合とは、樹脂粒子及び着色剤粒子が複数個融着することを示す。
本発明の電子写真用受像材料を用いた画像形成に用いられるトナーは、公知の電子写真用のトナーであれば特に限定されず、トナーの製造方法については粉砕法、重合法等、公知の製造方法であれば特に限定されないが、本発明の効果を出すには、懸濁重合法や、必要な添加剤の乳化液を加えた液中にて単量体を乳化重合し、微粒の重合体粒子を製造し、その後に、有機溶媒、凝集剤等を添加して会合する製造方法であることが好ましい。会合の際にはトナーの構成に必要な離型剤や着色剤等の分散液と混合して会合させて調製する方法や、単量体中に離型剤や着色剤等のトナー構成成分を分散した上で乳化重合する方法等が好ましく挙げられる。なお、ここでいう会合とは、樹脂粒子及び着色剤粒子が複数個融着することを示す。
懸濁重合法の製造方法としては、特に限定されるものではないが、下記のような製造方法を挙げることができる。
すなわち、重合性単量体中に着色剤や必要に応じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機等で重合性単量体に各種構成材料を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料が溶解あるいは分散された重合性単量体を分散安定剤を含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザー等を使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させる。その後、撹拌機構が前述の撹拌翼である反応装置へ移し、加熱することで重合反応を進行させる。反応終了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥することでトナーを調製する。
また、本発明に係るトナーを製造する方法として、樹脂粒子を水系媒体中で融着させて調製する方法も挙げることができる。この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−265252号公報、特開平6−329947号公報、同9−15904号公報に示す方法を挙げることができる。すなわち、樹脂粒子と着色剤等の構成材料の分散粒子、あるいは樹脂及び着色剤等より構成される微粒子を複数以上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させ、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥する事により、本発明のトナーを形成することができる。なお、ここにおいて凝集剤と同時に水に対して無限溶解する有機溶媒を加えてもよい。
トナーの樹脂成分としては、公知の樹脂を用いることができるが、一般には、ポリエステル樹脂やスチレン−アクリル樹脂等を主に用いることができる。また、塗被層上に画像を形成する場合には、塗被層に含まれる接着剤等の樹脂成分との相溶性の高い樹脂をトナーの樹脂成分として選択することが好ましい。このような観点からは、トナーの樹脂成分としては、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル樹脂等の中から目的に応じて1種あるいは2種以上の混合物を使用することが好ましい。
トナーの体積平均粒子径は、2〜10μmの範囲内であることが好ましく、3〜9μmの範囲内であることがより好ましい。トナーの体積平均粒子径が、2μm未満であると、帯電性が不十分になりやすく、現像性が低下する場合があり、一方、10μmを越えると、画像の解像性が低下する場合があるため、それぞれ好ましくない。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、特に断りない限り、実施例中の「%」は「質量%」を表す。
実施例
《紙支持体の作製》
〔紙支持体Aの作製〕
50%の硫酸塩法晒広葉樹パルプ(LBKP)と、50%の硫酸塩法晒針葉樹パルプ(NBSP)からなる坪量150g/m2の白色基紙bを用意した。
《紙支持体の作製》
〔紙支持体Aの作製〕
50%の硫酸塩法晒広葉樹パルプ(LBKP)と、50%の硫酸塩法晒針葉樹パルプ(NBSP)からなる坪量150g/m2の白色基紙bを用意した。
この白色基紙bの片面に、裏面樹脂層(樹脂被覆層)として密度0.945g/cm3の高密度ポリエチレンを300℃にて溶融押し出しコーティングを行って22g/m2の裏面樹脂層を被覆させた。
次に、反対面側に表面樹脂層として、密度0.920g/cm3、低密度ポリエチレンポリエチレン91%、ルチル型酸化チタン9%を混練した後、300℃にて溶融押し出しコーティングにより30g/m2の表面樹脂層を被覆させ、両面に樹脂被覆層を有する紙支持体Aを作製した。
〔紙支持体Bの作製〕
前記白色基紙bの片面に、以下の構成を18g/m2となるよう、ブレードコーターを利用して塗工し、裏面樹脂層を設けた。
前記白色基紙bの片面に、以下の構成を18g/m2となるよう、ブレードコーターを利用して塗工し、裏面樹脂層を設けた。
スチレンブタジエン共重合体(日本ゼオン(株)、ニッポールLX−430)
50%
カオリン(エンゲルハード(株)、ウルトラホワイト90) 15%
炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)、ソフトン) 15%
スチレン−アクリルポリマー(大日本インキ化学工業(株)、ボンコート3983W)
20%
次に、反対面側に表面樹脂層として、密度0.920g/cm3、低密度ポリエチレンポリエチレン91%、ルチル型酸化チタン9%を混練した後、300℃にて溶融押し出しコーティングにより25g/m2の表面樹脂層を被覆させ、両面に樹脂被覆層を有する紙支持体Bを作製した。
50%
カオリン(エンゲルハード(株)、ウルトラホワイト90) 15%
炭酸カルシウム(白石カルシウム(株)、ソフトン) 15%
スチレン−アクリルポリマー(大日本インキ化学工業(株)、ボンコート3983W)
20%
次に、反対面側に表面樹脂層として、密度0.920g/cm3、低密度ポリエチレンポリエチレン91%、ルチル型酸化チタン9%を混練した後、300℃にて溶融押し出しコーティングにより25g/m2の表面樹脂層を被覆させ、両面に樹脂被覆層を有する紙支持体Bを作製した。
〔紙支持体Cの作製〕
前記白色基紙bの片面に、スチレンブタジエン共重合体(日本ゼオン(株)、ニッポールZ400S)からなる塗工液をエアーナイフコーターを利用して、20g/m2の裏面層を設けた。
前記白色基紙bの片面に、スチレンブタジエン共重合体(日本ゼオン(株)、ニッポールZ400S)からなる塗工液をエアーナイフコーターを利用して、20g/m2の裏面層を設けた。
次に、反対面側に表面樹脂層として、密度0.920g/cm3、低密度ポリエチレンポリエチレン91%、ルチル型酸化チタン9%を混練した後、300℃にて溶融押し出しコーティングにより25g/m2の表面樹脂層を被覆させ、両面に樹脂被覆層を有する紙支持体Cを作製した。
〔紙支持体Dの作製〕
前記白色基紙bの片面に、スチレンブタジエン共重合体(日本ゼオン(株)、ニッポールZ400S)からなる塗工液をエアーナイフコーターを利用して、20g/m2の裏面層を設けた。
前記白色基紙bの片面に、スチレンブタジエン共重合体(日本ゼオン(株)、ニッポールZ400S)からなる塗工液をエアーナイフコーターを利用して、20g/m2の裏面層を設けた。
次に、反対面側に表面樹脂層として、密度0.945g/cm3の高密度ポリエチレンポリエチレンを300℃にて溶融押し出しコーティングにより20g/m2の表面樹脂層を被覆させ、両面に樹脂被覆層を有する紙支持体Dを作製した。
〔紙支持体Eの作製〕
前記白色基紙bの片面に、ブタジエン重合体(日本ゼオン(株)、ニッポールLX111A2)からなる塗工液をエアーナイフコーターを利用して、20g/m2の裏面層を設けた。
前記白色基紙bの片面に、ブタジエン重合体(日本ゼオン(株)、ニッポールLX111A2)からなる塗工液をエアーナイフコーターを利用して、20g/m2の裏面層を設けた。
次に、反対面側に表面樹脂層として、密度0.920g/cm3、低密度ポリエチレンポリエチレン91%、ルチル型酸化チタン9%を混練した後、300℃にて溶融押し出しコーティングにより25g/m2の表面樹脂層を被覆させ、両面に樹脂被覆層を有する紙支持体Eを作製した。
〔紙支持体Fの作製〕
前記白色基紙bの片面に、アクリロニトリル・ブタジエン重合体(日本ゼオン(株)、ニッポール1562)からなる塗工液をエアーナイフコーターを利用して、20g/m2の裏面層を設けた。
前記白色基紙bの片面に、アクリロニトリル・ブタジエン重合体(日本ゼオン(株)、ニッポール1562)からなる塗工液をエアーナイフコーターを利用して、20g/m2の裏面層を設けた。
次に、反対面側に表面樹脂層として、密度0.920g/cm3、低密度ポリエチレンポリエチレン91%、ルチル型酸化チタン9%を混練した後、300℃にて溶融押し出しコーティングにより25g/m2の表面樹脂層を被覆させ、両面に樹脂被覆層を有する紙支持体Fを作製した。
《電子写真受像材料の作製》
〔試料101の作製〕
上記作製した紙支持体Aの表面側に、常法に従ってコロナ放電処理を施した後、下記のトナー受容層a塗布液をワイヤーバーを用いて、乾燥後の膜厚が15μmとなるように塗布、乾燥して、熱可塑性樹脂を含有するトナー受容層aを設け、電子写真用受像材料である試料101を作製した。
〔試料101の作製〕
上記作製した紙支持体Aの表面側に、常法に従ってコロナ放電処理を施した後、下記のトナー受容層a塗布液をワイヤーバーを用いて、乾燥後の膜厚が15μmとなるように塗布、乾燥して、熱可塑性樹脂を含有するトナー受容層aを設け、電子写真用受像材料である試料101を作製した。
(トナー受容層a塗布液)
ポリエステル水分散液(東洋紡バイロナールMD−1100、固形分濃度30%)
50%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 10%
ポリエチレンオキシド(明成化学製アルコックスE30) 1%
水 39%
〔試料102〜106の作製〕
試料101の紙支持体Aを表1に記載の支持体に変更した以外は、試料101と同様にして、試料102〜106を作製した。
ポリエステル水分散液(東洋紡バイロナールMD−1100、固形分濃度30%)
50%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 10%
ポリエチレンオキシド(明成化学製アルコックスE30) 1%
水 39%
〔試料102〜106の作製〕
試料101の紙支持体Aを表1に記載の支持体に変更した以外は、試料101と同様にして、試料102〜106を作製した。
〔試料107の作製〕
紙支持体Aの表面側に、常法に従ってコロナ放電処理を施した後、下記の断熱層a塗布液を乾燥後の平均膜厚が30μmとなるようにワイヤーバーで塗布、乾燥し、中空粒子及び親水性バインダーを含有する断熱層aを設け、次ぎに下記のトナー受容層b塗布液を、乾燥後の平均膜厚が5μmとなるようにワイヤーバーで塗布、乾燥してトナー受容層bを設け、試料107を作製した。
紙支持体Aの表面側に、常法に従ってコロナ放電処理を施した後、下記の断熱層a塗布液を乾燥後の平均膜厚が30μmとなるようにワイヤーバーで塗布、乾燥し、中空粒子及び親水性バインダーを含有する断熱層aを設け、次ぎに下記のトナー受容層b塗布液を、乾燥後の平均膜厚が5μmとなるようにワイヤーバーで塗布、乾燥してトナー受容層bを設け、試料107を作製した。
(断熱層a塗布液)
中空粒子分散液(日本ゼオン製MH8101、固形分濃度26.5%) 40%
アルカリ処理ゼラチン 3%
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン・ナトリウム水溶液(固形分濃度4%) 2%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 10%
水 45%
なお、上記断熱層aの空隙率は63%であった。
中空粒子分散液(日本ゼオン製MH8101、固形分濃度26.5%) 40%
アルカリ処理ゼラチン 3%
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン・ナトリウム水溶液(固形分濃度4%) 2%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 10%
水 45%
なお、上記断熱層aの空隙率は63%であった。
(トナー受容層b塗布液)
アクリル樹脂水溶液(ニチゴー・モビニール社製・モビニール743、固形分濃度43%) 40%
アルカリ処理ゼラチン 2%
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン・ナトリウム水溶液(固形分濃度4%) 1%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 15%
モンタン酸エステルワックス・エマルション水溶液(中京油脂製J−206、有効成分濃度 30%) 10%
水 32%
〔試料108〜112の作製〕
試料107の紙支持体Aを表1に記載の支持体に変更した以外は、試料107と同様にして、試料108〜110を作製した。
アクリル樹脂水溶液(ニチゴー・モビニール社製・モビニール743、固形分濃度43%) 40%
アルカリ処理ゼラチン 2%
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン・ナトリウム水溶液(固形分濃度4%) 1%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 15%
モンタン酸エステルワックス・エマルション水溶液(中京油脂製J−206、有効成分濃度 30%) 10%
水 32%
〔試料108〜112の作製〕
試料107の紙支持体Aを表1に記載の支持体に変更した以外は、試料107と同様にして、試料108〜110を作製した。
〔試料113の作製〕
試料109の断熱層a塗布液を下記の断熱層b塗布液をに変更した以外は、試料109と同様にして、試料113を作製した。
試料109の断熱層a塗布液を下記の断熱層b塗布液をに変更した以外は、試料109と同様にして、試料113を作製した。
(断熱層b塗布液)
中空粒子分散液(日本ゼオン製MH5055、固形分濃度30%) 40%
アルカリ処理ゼラチン 3%
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン・ナトリウム水溶液(固形分濃度4%) 2%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 10%
水 45%
なお、上記断熱層b塗布液を塗布、乾燥して得られた断熱層bの空隙率は56%であった。
中空粒子分散液(日本ゼオン製MH5055、固形分濃度30%) 40%
アルカリ処理ゼラチン 3%
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン・ナトリウム水溶液(固形分濃度4%) 2%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 10%
水 45%
なお、上記断熱層b塗布液を塗布、乾燥して得られた断熱層bの空隙率は56%であった。
〔試料114作製〕
試料109の断熱層a塗布液を下記の断熱層c塗布液に変更した以外は、試料109と同様にして、試料112を作製した。
試料109の断熱層a塗布液を下記の断熱層c塗布液に変更した以外は、試料109と同様にして、試料112を作製した。
(断熱層c塗布液)
球形多孔質シリカ粒子(富士シリシア化学製サイロスフィア1501) 20%
アルカリ処理ゼラチン 5%
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン・ナトリウム水溶液(固形分濃度4%) 1%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 5%
水 69%
なお、上記断熱層c塗布液を塗布、乾燥して得られた断熱層cの空隙率は62%であった。
球形多孔質シリカ粒子(富士シリシア化学製サイロスフィア1501) 20%
アルカリ処理ゼラチン 5%
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン・ナトリウム水溶液(固形分濃度4%) 1%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 5%
水 69%
なお、上記断熱層c塗布液を塗布、乾燥して得られた断熱層cの空隙率は62%であった。
〔試料115作製〕
試料109のトナー受容層b塗布液を下記のトナー受容層c塗布液に変更した以外は、試料109と同様にして、試料115を作製した。
試料109のトナー受容層b塗布液を下記のトナー受容層c塗布液に変更した以外は、試料109と同様にして、試料115を作製した。
(トナー受容層c塗布液)
スチレン・アクリル樹脂水溶液(ニチゴー・モビニール社製・モビニール752、固形分濃度47%) 40%
アルカリ処理ゼラチン 2%
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン・ナトリウム水溶液(固形分濃度4%) 1%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 15%
ステアリン酸アミド・エマルション水溶液(中京油脂製ハイミクロンL−271、有効成分濃度25%) 12%
水 30%
《電子写真用受像材料の評価》
上記作製した電子写真用受像材料である試料101〜115について、搬送速度と定着器の温度を細かく変更できるように改造したコニカミノルタビジネステクノロジーズ社製のプリンターmagicolor2430DLを用いて、以下の評価を行った。なお、トナーは、magicolor2430DL用トナーを用いた。
スチレン・アクリル樹脂水溶液(ニチゴー・モビニール社製・モビニール752、固形分濃度47%) 40%
アルカリ処理ゼラチン 2%
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−トリアジン・ナトリウム水溶液(固形分濃度4%) 1%
ジオクチル・スルホ琥珀酸ナトリウム水溶液(固形分濃度1%) 15%
ステアリン酸アミド・エマルション水溶液(中京油脂製ハイミクロンL−271、有効成分濃度25%) 12%
水 30%
《電子写真用受像材料の評価》
上記作製した電子写真用受像材料である試料101〜115について、搬送速度と定着器の温度を細かく変更できるように改造したコニカミノルタビジネステクノロジーズ社製のプリンターmagicolor2430DLを用いて、以下の評価を行った。なお、トナーは、magicolor2430DL用トナーを用いた。
〔光沢度〕
改造したmagicolor2430DLの定着条件を、加熱ローラーの定着温度200℃、定着速度を線速度40mm/secの条件で、マゼンタベタ画像を各試料に出力した後、JIS Z 8741に従って、デジタル変角光沢度計(スガ試験機製、UGV−5D)により、20度光沢度を測定し、光沢度を求めた。
改造したmagicolor2430DLの定着条件を、加熱ローラーの定着温度200℃、定着速度を線速度40mm/secの条件で、マゼンタベタ画像を各試料に出力した後、JIS Z 8741に従って、デジタル変角光沢度計(スガ試験機製、UGV−5D)により、20度光沢度を測定し、光沢度を求めた。
〔ペーパーブリスタ耐性〕
23℃、55%RHの環境条件下で、改造したmagicolor2430DLの定着条件を、加熱ローラーの定着温度を200℃、定着速度を線速度40mm/secの条件で、各試料をトナー未転写のまま、ハガキサイズで100枚通して、ペーパーブリスタの発生程度を目視観察し、下記の基準に従ってペーパーブリスタ耐性の評価を行った。
23℃、55%RHの環境条件下で、改造したmagicolor2430DLの定着条件を、加熱ローラーの定着温度を200℃、定着速度を線速度40mm/secの条件で、各試料をトナー未転写のまま、ハガキサイズで100枚通して、ペーパーブリスタの発生程度を目視観察し、下記の基準に従ってペーパーブリスタ耐性の評価を行った。
A:ブリスタの発生が認められない
B:1〜2枚にブリスタの発生が認められる
C:3〜10枚にブリスタの発生が認められる
D:11枚以上にブリスタの発生が認められる
ランクがA、Bならば電子写真受像材料として有効と判断でき、C、Dの場合には高性能な電子写真受像材料として使用することはできないと判定した。
B:1〜2枚にブリスタの発生が認められる
C:3〜10枚にブリスタの発生が認められる
D:11枚以上にブリスタの発生が認められる
ランクがA、Bならば電子写真受像材料として有効と判断でき、C、Dの場合には高性能な電子写真受像材料として使用することはできないと判定した。
〔耐ブロッキング〕
未プリントの各試料を23℃、80%RHの環境下で24時間調湿後、表面と裏面が向い合うように重ね合せて、タテ、ヨコとも5cm角で500g荷重を加え、30℃、80%RHの環境下で7日間放置した後、両者を引き離す際の状態を下記基準で評価した。
未プリントの各試料を23℃、80%RHの環境下で24時間調湿後、表面と裏面が向い合うように重ね合せて、タテ、ヨコとも5cm角で500g荷重を加え、30℃、80%RHの環境下で7日間放置した後、両者を引き離す際の状態を下記基準で評価した。
A:剥離音、接着跡ともになし
B:剥離音はあるが、接着跡は特になし
C:接着跡が面積で1/5未満と、わずかにある
D:接着跡が面積で1/5以上ある
〔搬送性〕
A4サイズの各試料を、コニカミノルタ製magicolor5430DLにて、50枚連続印刷し、その際の搬送性を下記基準で評価した。
B:剥離音はあるが、接着跡は特になし
C:接着跡が面積で1/5未満と、わずかにある
D:接着跡が面積で1/5以上ある
〔搬送性〕
A4サイズの各試料を、コニカミノルタ製magicolor5430DLにて、50枚連続印刷し、その際の搬送性を下記基準で評価した。
A:重ね送り、ずれが全く発生なし
B:重ね送りはないが、ずれは1〜2枚発生した
C:重ね送り、ずれともに1〜4枚発生した
D:重ね送り、ずれともに5枚以上発生した
評価の結果を表1に示す。
B:重ね送りはないが、ずれは1〜2枚発生した
C:重ね送り、ずれともに1〜4枚発生した
D:重ね送り、ずれともに5枚以上発生した
評価の結果を表1に示す。
表1に記載の結果より明らかなように、本発明の電子写真受像材料は、比較例に対し、形成した画像が高い光沢度を有し、高温定着でもペーパーブリスタ耐性に優れ、ブロッキング(接着障害)が生じにくく、かつ良好な搬送性を有していることが分かる。
Claims (5)
- 紙基体の片面に、溶融押し出しコーティングにより形成された熱可塑性樹脂からなる樹脂被覆層を有し、反対面側に合成ゴムラテックスを含有する塗工層を有する紙支持体の熱可塑性樹脂被覆層上に、空隙を有する断熱層と、該断熱層の上部に少なくとも1層の熱可塑性樹脂を含有するトナー受容層を有することを特徴とする電子写真受像材料。
- 前記樹脂被覆層を構成する熱可塑性樹脂が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン及びポリエステルから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真受像材料。
- 前記合成ゴムラテックスを含む塗工層の合成ゴムラテックスが、ブタジエン重合体、スチレンブタジエン共重合体、ニトリル共重合体、アクリル重合体、エチレンプロピレン共重合体から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真受像材料。
- 前記トナー受容層が、ワックスを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真受像材料。
- 前記空隙を有する断熱層が、中空粒子と親水性バインダーとを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真受像材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006076302A JP2007249126A (ja) | 2006-03-20 | 2006-03-20 | 電子写真受像材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006076302A JP2007249126A (ja) | 2006-03-20 | 2006-03-20 | 電子写真受像材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007249126A true JP2007249126A (ja) | 2007-09-27 |
Family
ID=38593443
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006076302A Pending JP2007249126A (ja) | 2006-03-20 | 2006-03-20 | 電子写真受像材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007249126A (ja) |
-
2006
- 2006-03-20 JP JP2006076302A patent/JP2007249126A/ja active Pending
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