JP4440380B2 - 接触型非接触型共用icモジュールとそれを使用した接触型非接触型共用icカード - Google Patents

接触型非接触型共用icモジュールとそれを使用した接触型非接触型共用icカード Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接触型と非接触型の双方の機能を合わせもつICモジュールとそれを使用したICカードに関する。詳しくは、接触型と非接触型の機能を合わせもつICチップとチップオンコイル(「チップコイル」とも言われる。)とを薄層にして貼り合わせ、チップオンコイルをアンテナとして外部装置と交信機能を持たせた接触型非接触型共用ICモジュールとそれを使用した接触型非接触型共用ICカードに関する。
【0002】
【従来技術】
クレジットカードなどの決済系の分野では、外部装置との交信の信頼性を優先し接触型ICカードが今後もさらに普及すると見られている。また、鉄道改札分野や公衆電話分野では、利便性やリーダライタにメカニズムを必要としないため、メンテナンスの軽減が可能といった特徴を生かして、非接触型ICカードが普及すると見られている。
将来はさらにクレジットカードで鉄道改札や公衆電話のサービスを受けたいとの要望が強くなると見られ、接触型ICカードに非接触型ICカードの機能を組入れた接触型非接触型共用ICカードの必要性が高くなると考えられる。
本発明は、このような用途に好適に使用できる接触型非接触型共用ICモジュールと接触型非接触型共用ICカードに関する発明である。
【0003】
従来、接触型と非接触型と双方の機能を有するICカードについては各種の提案がされ、また、一部実験的使用にも供されていると考えられる。しかし、後述のようにこのようなカードの製造には多くの問題点がある。
一方、非接触型でアンテナコイルを有し交信可能なICモジュールとして、特開平7−146922号公報に開示される技術がある。同公報には、絶縁性基板の一方の面にアンテナコイルを設け、他方の面にIC回路を有し当該アンテナとIC回路とをスルーホールを介して電気的に接続したICモジュールが提案されている。しかし、同公報のものは接触型の機能をも目的とするものではない。
【0004】
接触型と非接触型の双方の機能を有するICカードの主な製造方法を挙げれば以下のようになる。
I.ICモジュール後はめ方式
▲1▼この方式では、カードの基材のセンターコアとなるシートを3層とし、上部側第1層の表面に絵柄を印刷し、第2層にプリントコイルもしくはフォトエッチングによるアンテナ用コイルパターンを形成し、第3層の裏面に絵柄印刷したものをこの順序で重ね合わせ、さらに透明オーバーシートを両面に重ねてプレスラミネートを行う。
▲2▼個々のカードサイズに断裁した後、ICモジュールはめ込み用の孔を加工する。この際、第2層のアンテナ用コイルパターンの一部をICモジュール接続部として露出させる。
▲3▼導電ペーストを当該ICモジュール接続部にたらし、裏面にアンテナ用コイルとの接続部を有するICモジュールを、当該孔にはめ込んで完成する。
【0005】
II. 射出成型法
▲1▼射出成型の型の中にアンテナコイルパターン形成シートを挿入する。この時、ICモジュール接続部に樹脂が入り込まないように型締め部などで押さえる。
▲2▼カード基板成型後、導電ペーストを当該接続部にたらし、ICモジュールを、あらかじめ形成したICモジュール用孔にはめ込んで完成する。
【0006】
しかし、I.のICモジュールあとはめ方式では、ICモジュール接続部の金属層は薄層であり、カード基材表面から切削して正しく露出するようにエンドミル加工するのは高精度を必要とし歩留りも悪い。また、はめ込み用孔内で接続端子を位置合わせするのも困難であるし、導電ペーストによりICモジュールとの接続部の信頼性を高くするのも困難、という問題がある。
また、II. 射出成型法では、磁気テープ加工など国際クレジットカード仕様とするのは不可能という問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、接触型と非接触型との共用ICカードにおいて、上記のような製造上の問題を解決できるICモジュールを研究してなされたものである。
すなわち、本発明のICモジュールによれば、交信用のアンテナコイルやコンデンサの埋設工程が不要となり、アンテナコイルとICモジュールの接続部の信頼性を格段に高めることができ、また国際クレジットカードとしても適用できる接触型非接触型共用ICカードが製造できるものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明請求項1記載の発明は、絶縁性基板の一方の面には、外部装置との接続を得るための接続端子が形成されており、絶縁性基板の他方の面には、接触型と非接触型と双方の機能を有するICチップとアンテナとして機能するチップオンコイルが貼着した状態で装着されており、各接続端子と当該ICチップをスルーホールを介して接続し、かつチップオンコイルと当該ICチップとを電気的に接続した接触型非接触型共用ICモジュールであって、前記ICチップは、アンテナとして機能するチップオンコイルよりも絶縁性基板に近い側に貼着されており、前記ICチップと接続端子の接続は異方導電性接着シートと配線パターン層を介して接続され、ICチップとチップオンコイルとはボンディングワイヤと、ISO規格に基づいた外部接続端子以外の端子である配線パターン層および異方導電性接着シートを介して接続され、接続部全体をモールド樹脂で封止することを特徴とする接触型非接触型共用ICモジュール。ことを特徴とする接触型非接触型共用ICモジュール、にある。かかるICモジュールであるため、高信頼性のICカードに利用することができ、いずれの場合も接続の確実性が得られる。
【0011】
上記課題を解決するための本発明請求項記載の発明は、請求項記載の接触型非接触型共用ICモジュールをカード基体に設けた凹部内に装着したことを特徴とする接触型非接触型共用ICカード、にある。かかるICカードであるため、高信頼性が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の接触型非接触型共用ICモジュールの実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図面は本発明が理解し易いように各部の大きさや形状、および位置関係を概略的に示したものであり、実際の部品の寸法に即して図示したものではない。
図1は、本発明の接触型非接触型共用ICモジュールを概念的に示した図である。樹脂モールド前の状態を示している。図1において、11はプリント基板等の絶縁性基板の両面に銅箔貼りした材料等が使用される。カード外面側となる銅箔は外部接続端子15の形状に形成され端子基板として機能する。ICチップ側の銅箔は配線パターン層14の形状に形成されている。プリント基板11の絶縁層には、ガラスエポキシ樹脂等の強度の高い絶縁性材料が使用される場合が多い。本発明の接触型非接触型共用ICモジュール10は、接触型と非接触型と双方の機能を有するICチップ12とアンテナとしての機能を果たすチップオンコイル13を貼着して積層した状態で使用することに特徴がある。チップオンコイルが外部装置から受信した電磁波はチップオンコイルの接続部からボンディングワイヤ18、配線パターン層14、異方導電性接着シート9、ICチップのバンプ12bのそれぞれを介してICチップ12に伝達される。
【0013】
外部接続端子15が外部装置から接触的に得た信号は、スルーホール17、配線パターン層14を介して同様にフィリップチップ実装でICチップ12に伝達されるが、図1ではICチップとの接続部の図示は省略されている。
通常のICチップは1.0mm厚程度の半導体基板上に形成されるが、ICカード用のICチップとしては、0.76mm厚のカード基体内に納める必要があるので、0.1〜0.3mm程度の厚さにバックラップ(背面研磨)して使用する。チップオンコイル13も同様にセラミック基板等に薄層に形成したものを使用する。チップオンコイル13の端子間には強振用コンデンサを持たせてもよい。ICチップ12とチップオンコイル19間は、接着剤で接着してあり、電気的な導通はされていない。
【0014】
図3は、本発明のICモジュールの1実施形態における表面及び裏面を示す図である。図3(A)は、ICモジュール端子基板3の表面図、図3(B)は、裏面の配線パターン層14を示す図、図3(C)は、配線パターン層14にICチップ12を装着し樹脂モールドした状態を示す図である。端子基板側表面には、図3(A)のようにISO規格に基づき8個の外部接続端子C1 〜C8 が形成されている。このうち、C4 ,C8 端子は将来用途のためであり、現在は実際には使用されていない。従って、表面側は6個の端子であってもよい。各接続端子はスルーホール17を通じて裏面の配線パターン層14に通じている。また接続端子間は分離溝15gにより分離されている。
【0015】
図3(B)のように配線パターン層14は、フィリップチップ実装で接続できるよう、ICチップの下面まで形成されている。アンテナコイルの機能を果たすチップオンコイルと接続するICチップ12側端子は、通常はC1 〜C8 とは別個に設けるC9 ,C10端子に形成され接続される。図3(B)の中央部の点線枠域に異方導電性接着シート9を貼着し、その上から凸状のバンプを有するICチップ12(チップオンコイル13を貼着して一体にしたもの)をのせて押圧すると異方導電性接着シート9が圧縮されて当該バンプ部分に、図1のように導通部9cが形成される。
【0016】
図3(C)のように、ICチップを装着した後、チップオンコイル13の接続部と配線パターン層をボンディングワイヤ18で接続すれば、チップオンコイルが検出した外部磁界電磁波が前記のようにICチップに伝達されることになる。以上により、接触インターフェース用のC1 ,C2 ,C3 ,C5 ,C6 ,C7 端子と非接触インターフェース用のC9 ,C10端子がICチップに接続する。
【0017】
図4は、本発明のICモジュールの1実施形態における樹脂モールド後の断面を示す図である。図4(A)は、C2 ,C6 配線パターン層に沿う断面、図4(B)は、C9 ,C10配線パターン層に沿う断面を示している。
図4(A)のように、外部接続端子15はスルーホール17を介して配線パターン層14に通じ、さらに異方導電性接着シート9、バンプ12bを介してICチップ12に通じる。これにより接触型インターフェイスの導通経路が完成する。ICチップには、各接続パッドに対応して凸状のバンプ12bを形成しておき、配線パターン層上に置き、ICチップとほぼ同サイズの異方導電性接着シートに対して圧着することにより、異方導電性接着シートの加圧部分に対してのみ導通が得られる。
一方、図4(B)のように、非接触型インターフェイス経路は、チップオンコイル13で受信した信号がワイヤボンディング18、配線パターン層14、異方導電性接着シート9、バンプ12bを介してICチップ12に通じることにより完成する。
【0018】
図5は、本発明のICモジュールの他の実施形態における裏面を示す図である。表面側の端子基板は、図5(A)と同一に現れる。この場合はICチップ12が絶縁性基板であるプリント基板から遠い側に貼着されているので、ICチップと接続端子とはワイヤボンディングと配線パターン層14を介して接続することになる。一方、チップオンコイル13とICチップとはボンディングワイヤ18と配線パターン層、異方導電性接着シート9を介して接続されることになる。
図6は、本発明のICモジュールの他の実施形態における樹脂モールド後の断面を示す図である。図6(A)は、図5のC2 ,C6 配線パターン層、ボンディングワイヤにに沿う断面、図6(B)は、C9 ,C10配線パターン層に沿う断面を示している。
【0019】
次に、本発明の接触型非接触型共用ICカードの実施形態について説明する。
図2は、本発明の接触型非接触型共用ICカードの構成を説明する斜視図である。図2に示すように、本発明の共用ICカードでは、ICモジュール装着用凹部4を有するカード基体2に、前記したチップオンコイルと共用ICチップを有する接触型非接触型共用ICモジュール10を接着剤などで固定した構造となっている。ICカードの寸法は、例えば、縦54mm、横86mm、厚さ0.76〜0.84mmである。
【0020】
図7は、図2における断面線A−Aにおける断面図である。ICモジュール埋設後の状態で表示されている。
図7に示すように、本実施形態の接触型非接触型共用ICカードでは、カード基体2は多層構造となっており、例えば、透明オーバーシート22、白色コアシート21、透明オーバーシート23の3層構成とすることができる。白色コアシートを2層として4層構成とすることもできる。透明オーバーシート22,23は硬質塩化ビニル樹脂が、白色コアシート21は白色顔料などの充填剤を含有する硬質塩化ビニル樹脂が多く使用される。白色コア21の表および裏には、印刷8を施しておくのが一般的である。
カード基材には、上記の塩化ビニール樹脂の他、各種の材料を採用でき、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、PET−G、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂等が挙げられる。一般に塩化ビニール樹脂は自己熱融着性があるので、接着剤を使用しないで熱圧加工することにより一体のカード基体にすることができるが、その他の材質の場合は接着剤や接着剤シートを介して積層する。
【0021】
このように、本実施形態の接触型非接触型共用ICカードでは、カード基体2に比べて強度の高いガラスエポキシ樹脂等のプリント基板11にアンテナの機能を果たすチップオンコイル13が固定して設けられており、従来の共用ICカードのようにICモジュールとカード基体内のアンテナコイルとの接続部を設ける必要がない。従って、ICカードに曲げ応力が加わった場合でも、強度の高いICモジュール10は変形し難く、チップオンコイル13に加わる塑性変形の原因となる曲げ応力は小さくなる。その結果、接触型非接触型共用ICカードに曲げ応力が加わることによるICカード特性への影響を少なくすることができる。
また、接触型非接触型共用ICモジュール10は、接触型ICモジュールと近似した構造を有しているため、接触型ICカード関係に係る製造上の技術を多く利用することができる。
【0022】
図9は、ICカードを非接触ICカードとして使用した場合の外部データ処理装置との送受信を説明する図である。この場合は例えば、データ処理装置5からの通信信号に応じた磁界がアンプ51を介してコイルL1に生じ、コイルL1からの磁界によってコイルL2(チップオンコイル13)に磁界が非接触で誘導される。そして、このL2に誘導された磁界によって生じた起電力による電流が、コンデンサC1を介して整流回路20で整流され、コンデンサC2および抵抗Rを介してICチップ12にデータ処理装置からの通信信号に応じた電圧が生じ、この電圧に基づいてICチップ12はデータ処理装置からの通信信号を検出する。ICチップ12からデータ処理装置に通信信号を出力する場合には、上述した流れと逆の流れで信号が伝搬される。
【0023】
本実施形態のICモジュール10では、外部のデータ処理装置5から放射される電磁波をチップオンコイル13が受け、コイル13の端子に起電力が発生し、この起電力がワイヤボンディング部18、配線パターン層14および整流回路を介してICチップ12に供給される。
外部のデータ処理装置5と非接触ICカード間に生じる電磁波は、(1)電磁誘導によるLSIを動かす電力の供給と、(2)位相変化、振幅の強弱の調整をキャリアとするデータ通信との2つの目的を行っている。この時、1つの電磁波がこの双方の性質を持っている場合と、複数の電磁波がそれぞれの役割を分担する場合とがある。ICカード側からの交信も同様である。もっとも本発明の共用ICカードでは双方の機能を備えるので、電力の供給は接触端子を通してのみ供給されるようにしてもよい。
【0024】
上述した接触型非接触型共用ICモジュール10の寸法は、例えばチップオンコイル13のエッジ厚さが100μm、共用ICチップの厚さが180〜270μmであり、プリント基板11とモールド樹脂16との総和が0.5〜0.6mm程度となる。そのため、ICカードの表面に形成された凹部4にICモジュール10を装着したとき、カード基材厚みが、0.84mmまで許容されるとすれば、ICモジュールのモールド樹脂とカード基体裏面との距離は、約0.24〜0.34mm程度を確保できる。透明オーバーシート23の厚さを、0.05mmから0.1mmとしても、モールド樹脂部16が透けて見えないことで外観が損なわれることはない。
【0025】
次に、本発明の非接触ICカードの製造方法について図2、図7等を参照して説明する。
白色コアシート21に必要な印刷8を施し、この両面に透明オーバーシート22,23をあてがい、さらに磁気ストライプを熱プレスラミネートと同時に転写してカード基体2を製造する。
このカード基体を例えば縦54mm、横86mmのカードサイズに断裁した後、NC切削加工、フライス盤などで凹部4を切削することで、ICモジュールを装着する凹部4を形成する。凹部4はモジュールのプリント基板11を埋設する第1凹部とそのほぼ中央部であってモールド樹脂16部が埋設できる大きさと深さの第2凹部とに形成する。
次に、ICモジュール10のモールド樹脂16の周囲のプリント基板部に接着剤を塗布して、カード基体の第1凹部に装着し接着剤が硬化するまで加圧し、ICモジュール10をカード基体2に固着する。その他、カード基体の凹部内に敷設した接着剤シートを介してICモジュールをヒーターブロックにより加圧して固定させる方法等も採用することができる。
【0026】
このように、本発明のICカード1の製造方法では、従来の接触型非接触型共用ICカードの製造方法のように、表の基材シートと裏の基材シートの間にアンテナコイルを設けてカード基体を構成し、しかる後、ICモジュール装着用凹部を形成してカード基体内のアンテナコイル両端子とICモジュールの両端子を位置合わせして接続するという比較的高い精度が要求される作業は行わず、すでにアンテナコイルを有するICモジュールを凹部4に装着して接着するという方法で製造することができるので、製造過程における破損が少なく高い歩留りを得ることができる。
また、上記従来法では、カード基体内のアンテナコイル接続端子とICモジュール接続端子との接続に十分な強度を確保することが困難であるという問題があるが、本発明のICカードでは当該部分が樹脂モールドされているので断線等が生じることがない。
【0027】
図8は、本発明の接触型非接触型共用ICカードの平面図である。図8のように、本発明の共用ICカード1では、カード基体内にアンテナコイルやコンデンサを含まないので磁気ストライプ6やエンボス領域7を通常の接触型ICカードと同様に自由に設けることができる。さらに裏面に、顔写真、サインパネル、ホログラム箔転写、サーマルリライタブル層等を設けることも可能となる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の接触型非接触型共用ICモジュールと接触型非接触型共用ICカードの実施例を図1、図2、図3、図5、図7、図8等を参照して説明する。なお、実施例中の符号は、参照した図面中の符号に対応するものである。
(実施例)
<ICモジュールの製造工程>
両面銅箔貼りガラスエポキシプリント基板材料(ガラエポ110μm、銅箔層各35ミクロン厚)の表面側に、8端子からなる接触インターフェイス用接続端子をフォトエッチング法で形成した。また、裏面側にはそれぞれのインターフェイスの接続に対応するICチップ12との接続用配線パターン層14をフォトエッチング法により同時に形成した。
一方、厚み100μmのチップオンコイル13と接触型と非接触型の双方の機能を備えるワンチップ化されたICチップ(シーメンス株式会社製「66CL1603」)12(厚み;180μm)をエポキシ系接着剤で貼着して一体にした。このとき、全体の厚みは280μmになった。なお、ICチップのパッド部分にはあらかじめバンプを形成しておいた。
【0029】
配線パターン層14と接続端子部分にニッケル、金めっきを施した。このプリント基板11の配線パターン層上に、5mm×6mmに裁断した厚み30μmの異方導電性接着シート(日立化成工業株式会社製「アニソルム」)を仮接着し、さらに熱圧着して固定した後、ICチップのパッド部と配線パターンの位置合わせを行って加熱、加圧して本接着を行った。さらに、チップオンコイルの両端子と配線パターン層とをワイヤボンディングで接続した。その後、接続部全体をモールド樹脂で封止した。ICモジュール10の総厚は600μmとなった。
【0030】
<ICカードの製造工程>
コアシート21として、厚み、740μmの印刷済白色硬質塩化ビニールシート21、オーバーシート22,23として厚み、50μmの透明塩化ビニールシート2枚をコアシートの上下にあてがい熱圧融着(150°C、20kgf/cm2 、15分)により一体のカード基体2を製造した。なお、磁気ストライプの転写も同時に行った。熱圧プレス後、予め設けた当たり罫を基準として個々のカードサイズに打ち抜きを行った。
【0031】
次に、このカード基体2のICモジュール装着部をNC切削加工により、ICモジュールの外部装置接続端子と接着剤シートの厚さに相当する深さに第1凹部を切削した。この段階で第1凹部の大きさは13mm×11.8mm(角部の曲率半径2.5mm)、深さは120μmであった。続いて、さらに第1凹部の中央部を大きさほぼ8mm×8mm、合計深さが、650μmとなるように切削して第2凹部をICモジュールのモールド樹脂16が埋設できる大きさと深さにした。
【0032】
当該第1凹部のICモジュール端子基板と接触する面に、ホットメルト型ヒートシール剤を塗布して、凹部内にICモジュールを挿入して当該部分のみを加熱加圧することによりICモジュールを凹部内に装着した。
これにより、非接触交信機能付き接触型非接触型共用ICカードで磁気記録部を備える高機能ICカードが得られた。
また、ICモジュール装着後、カード基体のエンボス領域に所定のエンボスを行ったがカードの交信機能には全く影響が見られなかった。
【0033】
【発明の効果】
本発明の接触型非接触型共用ICモジュールでは、接触型非接触型共用ICチップにチップオンコイルが貼着された構造となっているので、チップオンコイルが受発信の機能を果たし、非接触交信機能付きICモジュールとして働くことになる。
従って、このようなICモジュールを使用すれば、非接触ICカードの製造においてカード基体内にアンテナコイルを埋設する必要がなく接触型非接触型共用ICカードを容易に製造することができる。
また、本発明の接触型非接触型共用ICカードでは、前記のように製造容易の他、従来の共用カードのようにアンテナコイルとICモジュールとの接続不良を生じることがなく、かつアンテナコイルがICモジュール内に形成されるので高効率の交信を行うことができる。さらに、カード基体内にアンテナコイルが無いので、磁気ストライプやエンボス領域を設けて国際クレジットカードの規格に沿ったカードを製造できる。
また、顔写真、サインパネル、ホログラム箔転写等の付加機能を自由に設けることができるので光カード、アイメッセカード等へに展開できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の接触型非接触型共用ICモジュールを概念的に示した図である。
【図2】 本発明の接触型非接触型共用ICカードの構成を説明する斜視図である。
【図3】 本発明のICモジュールの1実施形態における表面及び裏面を示す図である。
【図4】 本発明のICモジュールの1実施形態における樹脂モールド後の断面を示す図である。
【図5】 本発明のICモジュールの他の実施形態における裏面を示す図である。
【図6】 本発明のICモジュールの他の実施形態における樹脂モールド後の断面を示す図である。
【図7】 図2における断面線A−Aにおける断面図である。
【図8】 本発明の接触型非接触型共用ICカードの平面図である。
【図9】 ICカードを非接触ICカードとして使用した場合の外部データ処理装置との送受信を説明する図である。
【符号の説明】
1 ICカード
2 カード基体
3 端子基板
4 凹部
5 データ処理装置
6 磁気ストライプ
7 エンボス領域
8 印刷
9 異方導電性接着シート
9c 導通部
10 ICモジュール
11 プリント基板
12 ICチップ
13 チップオンコイル
14 配線パターン層
15 外部接続端子
16 モールド樹脂
17 スルーホール
18 ボンディングワイヤ
20 整流回路
21 白色コアシート
22 透明オーバーシート
23 透明オーバーシート

Claims (2)

  1. 絶縁性基板の一方の面には、外部装置との接続を得るための接続端子が形成されており、絶縁性基板の他方の面には、接触型と非接触型と双方の機能を有するICチップとアンテナとして機能するチップオンコイルが貼着した状態で装着されており、各接続端子と当該ICチップをスルーホールを介して接続し、かつチップオンコイルと当該ICチップとを電気的に接続した接触型非接触型共用ICモジュールであって、前記ICチップは、アンテナとして機能するチップオンコイルよりも絶縁性基板に近い側に貼着されており、前記ICチップと接続端子の接続は異方導電性接着シートと配線パターン層を介して接続され、ICチップとチップオンコイルとはボンディングワイヤと、ISO規格に基づいた外部接続端子以外の端子である配線パターン層および異方導電性接着シートを介して接続され、接続部全体をモールド樹脂で封止することを特徴とする接触型非接触型共用ICモジュール。
  2. 請求項1記載の接触型非接触型共用ICモジュールをカード基体に設けた凹部内に装着したことを特徴とする接触型非接触型共用ICカード。
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