JP4439883B2 - 有機被膜除去装置、有機被膜除去・洗浄装置、有機被膜除去方法及び有機被膜除去・洗浄方法 - Google Patents

有機被膜除去装置、有機被膜除去・洗浄装置、有機被膜除去方法及び有機被膜除去・洗浄方法 Download PDF

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Description

本発明は、炭酸アルキレンを有効成分とする洗浄液を用いた洗浄において、有機被膜が溶解して汚染された洗浄液を浄化する有機被膜除去装置、有機被膜除去・洗浄装置、有機被膜除去方法及び有機被膜除去・洗浄方法に関する。
半導体ウェハの製造工程は、半導体ウェハ全面へのレジストの塗布等の様々な塗布工程を経て行われるものである。このとき、レジストの塗布は、スピンコーターによりウェハを回転しながらウェハ中央部に滴下されたレジストを遠心力により振り切って、所定の膜厚のレジスト膜をウェハ表面に形成することにより行われる。
スピンコート方式はレジスト塗布に限らず、SOG(Spin On Grass)膜を形成するSOG塗布等にも使用されている。すなわち、回転台に固定されたウェハを回転制御してウェハ中央部に滴下されたSOG液を振り切ることにより、レジスト塗布と同様に所定の膜厚のSOGを形成することができる。
このようなスピンコート方式においては、振り切った塗布材は、ドレーン用のカップ(スピンコーターカップ)に落ちて回収され、ドレーンから排出され他の処理槽へと導かれる。
しかし、上記いずれの塗布処理においても、これが繰り返されることによって、スピンコーターカップにはドレーンから排出されずに残留したレジストの堆積物が徐々に蓄積されていく。この堆積物が多くなると、ウェハ工程におけるパーティクルの影響が懸念される。そこで、メンテナンス時において、スピンコーターカップを洗浄し、残留した堆積物を除去する必要が生じ、エチレングリコールやシンナー系等の有機溶剤やオゾン水の供給による洗浄が行われている(例えば、特許文献1参照。)。
また、スピンコーターカップではなくウェハの洗浄に用いるものではあるが、同様にレジスト塗膜の剥離、除去を行うものとして、4−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−1−ブタノール又は4−メトキシ−1−ブタノールと3−メトキシ−1−ブタノールとの混合物からなる溶剤と、炭酸プロピレンとから構成されるフォトレジスト用剥離液組成物(例えば、特許文献2参照。)、40〜50容量%の炭酸エチレン等の非プロトン性・環状炭酸エステル、並びにエチレンジアセテート、エチレンジブチレート等のプロトン性極性化合物、さらにN−メチル−2−ピロリドン及びトリエタノールアミンを含む溶剤の超音波撹拌浴中でフォトレジストを除去する方法(例えば、特許文献3参照。)及びオゾンガスを溶解した処理液を用いて有機被膜を除去する方法として、炭酸アルキレンと気体中のオゾンとの分配係数が室温で0.6以上であり、かつ、オゾンによって分解され難い1種または複数種混合の有機溶剤とを含む溶液を用いる方法(例えば、特許文献4参照。)が知られている。
これに対して、出願人は、炭酸エチレン又は炭酸プロピレン単独でも十分にレジストの剥離、除去を行うことができることを見出し、炭酸アルキレンにより有機被膜を除去した後、溶解した有機被膜をオゾンによって低分子量物質に分解して、処理液として再生し循環使用する有機被膜の除去方法の特許出願を既に行っている(特願2002−229394)。
特開2002−205021号公報 特許第2679618号公報 米国特許第5690747号明細書 特開2003−282518号公報
そこで、本発明は、溶剤として炭酸アルキレンを主としてレジスト剥離の洗浄液に用い、炭酸アルキレンに溶解した有機被膜を構成する有機物をオゾンによって低分子量物質に分解することで、炭酸アルキレンが有機被膜を溶解する能力を再生し、洗浄液を循環使用する有機被膜の除去方法において、さらに簡便な構成でオゾンによる有機物の分解、炭酸アルキレンの再生を効率的に行うことができる有機被膜除去方法及び有機被膜除去装置を提供することを目的とする。
本発明の有機被膜除去装置は、炭酸アルキレンを有効成分とする洗浄液を収容する洗浄槽と、洗浄槽に近接配置され、底部にオゾン散気管が配設されたオゾン処理槽と、洗浄槽の下部及び上部側壁とオゾン処理槽との下部及び上部側壁を通してそれぞれ両槽を接続する循環配管とを有することを特徴とする。
本発明の有機被膜除去・洗浄装置は、本発明の有機被膜除去装置と、有機被膜除去装置で有機被膜を除去した後に洗浄液をすすぐための純水洗浄槽と、純水洗浄槽で洗浄した後に、付着した純水を乾燥させるための乾燥手段とを有することを特徴とする。
本発明の有機被膜除去方法は、炭酸アルキレンを有効成分とする洗浄液で洗浄対象物から有機被膜を除去する洗浄工程と、洗浄工程により洗浄液中に溶解した有機被膜をオゾン散気管から放出されたオゾンと接触させ分解処理する有機被膜分解工程と、オゾン散気管から放出されたオゾンによるエアーリフト作用により洗浄液を循環させ、有機被膜処理工程を経由した洗浄液を再度洗浄工程に用いる洗浄液循環工程とを有することを特徴とする。
また、本発明の有機被膜除去・洗浄方法は、本発明の有機被膜除去方法における洗浄工程により有機被膜が除去された洗浄対象物を純水ですすぐことによって、付着した洗浄液を洗い流す純水洗浄工程と、純水洗浄工程で付着した水を蒸発、乾燥させる乾燥工程とを有することを特徴とする。
本発明の有機被膜除去装置及び有機被膜除去方法によれば、洗浄対象物に付着している有機被膜を炭酸アルキレンにより効率良く剥離、溶解することができ、この有機被膜が溶解した炭酸アルキレンをオゾンと接触させることにより有機被膜を分解処理し、炭酸アルキレンの有機被膜の溶解能力を再生することができ、かつ、オゾンは散気管により放出されるエアーリフト作用のため、洗浄液の循環を特別な装置を設けることなく行うことができる。
本発明の有機被膜除去・洗浄装置及び有機被膜除去・洗浄方法によれば、本発明の有機被膜除去装置及び有機被膜除去方法と同様の効果が得られると共に、洗浄液のすすぎ、乾燥までを一連の作業で行うことができ、さらに、洗浄槽での炭酸アルキレンの有機被膜の溶解能力が再生されるため、洗浄作業も洗浄液の交換をせずに長時間連続的に行うことができる。
以下、本発明の有機被膜除去装置及び有機被膜除去方法について図面を参照しながら説明する。
[有機被膜除去装置]
(第1の実施形態)
図1は、本発明の有機被膜の除去装置における第1の実施の形態を示した概念図である。
本発明の有機被膜除去装置1は、洗浄液2を収容する洗浄槽3と、底部にオゾン散気管4を配置したオゾン処理槽5と、洗浄槽3とオゾン処理槽5の下部及び上部側壁を通してそれぞれ両槽を接続する循環配管6とから構成されている。
この有機被膜除去装置1に用いる洗浄槽3は、炭酸アルキレンを有効成分とする洗浄液2を収容するものであり、この洗浄槽3に収容された洗浄液中に洗浄対象物を浸漬することによって洗浄対象物に付着している有機被膜の剥離・除去を行うものである。
また、このとき有機被膜の除去をより効率的に行うためには、揺動手段により洗浄対象物を洗浄液に浸漬しながら揺動したり、超音波を洗浄対象物に照射したりすることが好ましい。
図2は、洗浄対象物を入れる洗浄カゴを揺動する揺動手段の概念図を示したものである。揺動手段51は、図2に記載したように、洗浄液中に洗浄対象物を浸漬するための洗浄用カゴ52を保持する保持部53とこの保持部53と接続しており回転させることで洗浄用カゴ52を揺動することができるカム54で構成されている。
また、超音波を照射する場合には、洗浄槽3の底面及び/又は側面に超音波振動子を配置すればよい。
この有機被膜除去装置1に用いるオゾン処理槽5は、洗浄槽3の水平方向に近接配置され、その底部にオゾン散気管4を配置したものである。
このオゾン処理槽5は、洗浄槽3の水平方向に近接配置されているが、この距離があまり離れていると装置としてのまとまりが悪くなり、装置自体がコンパクトにならずかさばってしまうため好ましくない。また、後述するように、洗浄槽3とオゾン処理槽5との間で洗浄液2が効率良く循環することができなくなる点からも好ましくなく、洗浄槽3とオゾン処理槽5との間の距離は20cm以下であることが好ましい。
また、このオゾン処理槽5では、オゾンにより洗浄液2に溶解している有機物を分解して低分子有機化合物とすることで、洗浄液を再生するものであり、これによりオゾン処理槽5を通過した洗浄液は有機被膜の溶解力が回復し、再度洗浄槽3で有機被膜の溶解に用いられる。
有機物を分解処理するオゾンは、オゾン処理槽5の底部に配置されたオゾン散気管4により気泡として放出され、このオゾン散気管4から放出されたオゾンは洗浄液2と接触し、洗浄液2の炭酸アルキレンに極微量溶け込み、この溶け込んだオゾンが洗浄液2に溶解している有機物を分解する。オゾンと炭酸アルキレンとはほとんど反応しないため、他に問題となるような反応が起こることはない。
また、このオゾン散気管4から放出されるオゾンには、有機物を分解するだけではなく、その気泡がオゾン処理槽5の底部から上部に向かうことにより生じるエアーリフト作用によって、オゾン処理槽5の洗浄液を押し上げ、対流させようとする働きもある。つまり、オゾン処理槽5は洗浄装置3との間で洗浄液2を移動させ、装置全体として洗浄液2を対流させる働きを有するものである。
この有機被膜除去装置1に用いるオゾン散気管4は、オゾン処理槽5の底部に配置されるものであり、これは既に述べた通り、有機物の分解と洗浄液2を対流させることができればよいため、底部よりも高い位置であってもこれらの機能を発揮することができればよい。オゾン散気管4を配置する際の高さは、循環配管6Aの接続口近傍であることが好ましく、循環配管6Aの接続口よりも高い位置でもよいが、接続口と同じ高さであるか低い位置であることがより好ましい。
また、オゾン散気管4は、球状、棒状、板状等の様々な形状をとることができ、特に限定されるものではなく、オゾン処理槽5において洗浄液2を鉛直方向に押し上げるエアーリフト作用を生じるものであればよい。
しかし、オゾン処理槽5の水平方向における断面で考えた場合、その断面の一つの箇所に偏って気泡が放出されてしまうと、オゾン処理槽5の内部だけで洗浄液2が撹拌されてしまい、洗浄槽3中の洗浄液2との循環がうまく行われなくなってしまうため、同じ水平方向断面において、まんべんなく気泡を放出することができる散気管であることが好ましい。
散気管4から放出される気泡の大きさは、洗浄液2に溶解している有機物を効率的に分解する観点からは、洗浄液2との接触面積が大きい微細なものであることが好ましいが、気泡は同時に洗浄液2を循環させるために洗浄液2を移動させるだけの力がなければならないため、その観点からはある程度大きな気泡であることが好ましい。これら両方の働きを満たすものとして、径が5μm〜5mmの気泡であることが好ましく、10μm〜2mmであることが特に好ましい。
また、散気管通気量は、使用している洗浄液量によっても変わってくるものであるが、気泡の大きさで述べたのと同様に有機物を効率的に分解する働きと洗浄液2を循環させる働きを機能させるのに適した量とすればよい。例えば、洗浄液量が60〜120L程度である場合には、散気管通気量は1〜10L/分であることが好ましく、3〜7L/分であることがより好ましい。
本発明の循環配管6は、洗浄槽3の下部及び上部側壁とオゾン処理槽5の下部及び上部側壁を通してそれぞれ両槽を接続するものであり、洗浄槽3に収容された洗浄液2はこの循環配管6を通ってオゾン処理槽5に移動することができ、また、オゾン処理槽5に移動した洗浄液2は、同様に循環配管6を通って洗浄槽3に移動することができる。
この循環配管6は、洗浄槽3とオゾン処理槽5とを上部及び下部でそれぞれ接続しているが、下部の循環配管6Aは、洗浄槽3からオゾン処理槽5への移動の際に、上部の循環配管6Bは、オゾン処理槽5から洗浄槽3への移動の際に、洗浄液2が通過することとなる。
本発明に用いる循環配管6は、下部の循環配管6Aと上部の循環配管6Bとは同一の長さ、径を有するものが好ましく、あまり長いと洗浄槽3とオゾン処理槽5との距離が長くなってしまい、この間を移動する時間が長くなるため、洗浄にも有機物の分解にも寄与していない時間も長くなり、洗浄槽3とオゾン処理槽5との間で洗浄液2が効率良く循環することができない。そのため、循環配管6の長さは、20cm以下であることが好ましく、5cm以下であることが特に好ましい。
また、循環配管6の径は、使用する洗浄液量、オゾンによる有機物の分解効率等により洗浄液の循環する速度を適宜定めることで、決定すればよい。この循環配管6の径としては、通常、1.5〜15cm程度の径のものを用いることが考えられ、5〜15cmであることが特に好ましい。
次に、この有機被膜除去装置を使用した有機被膜除去方法について説明する。
本発明の有機被膜除去方法においては、まず、炭酸アルキレンを有効成分とする洗浄液2を収容した洗浄槽3に、洗浄対象物を浸漬し、該洗浄対象物に付着している有機被膜を除去する洗浄工程を行うものである。
本発明に用いる洗浄液2は、炭酸アルキレンを有効成分とするものであり、洗浄液2に対して炭酸アルキレンが80質量%以上含有していることが好ましい。この炭酸アルキレンとしては、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸エチレンと炭酸プロピレンとの混合物が挙げられる。
炭酸エチレンは、融点 36.4℃、沸点 238℃、引火点 160℃であり、易水溶性で、室温では無色無臭の比較的安定な固体であるが、加温により液状の非プロトン性極性溶媒として用いることができる物質である。沸点・引火点が高く、毒性が小さいこと、さらに消防法における危険物には指定されていないことから好ましいものである。
炭酸プロピレンは、融点 −48.8℃、沸点 242℃、引火点 130℃以上であり、低温で液体であり第4類危険物になっている点を除けば、炭酸エチレンと同様な性質をもつ物質である。
ここで用いる炭酸アルキレン液は、芳香族炭化水素に対する溶解力が強いが、分子凝集エネルギー密度に関わる溶解パラメーター(SP値)が約14と大きく、理論上はSP値が揃うほど溶解しやすいとされているため、レジスト材料の高分子のSP値は10前後のものが多く、剥離用溶剤も似た値のもの、例えば、SP値11のNMPが使用されてきた。
しかし、本発明者らは、炭酸アルキレン液が単独でも従来の剥離用溶剤と同程度又はそれ以上の剥離ができることを見出した。炭酸アルキレン液の有機被膜に対する溶解作用は高温になるほど強くなり、引火点以下の温度であれば、安全に操作することができるし、不活性ガス中であれば、200℃程度の湿式処理でも何ら問題はなく、他の有機溶剤系レジスト除去剤に比し、70℃程度での蒸気圧は約1/10で、加熱処理での蒸発による液損失が少ないという利点がある。高温状態では、蒸発量がやや多くなるが、蒸気の毒性は非常に低いので特に問題とはならない。
この洗浄液は室温で液体である方が使いやすく、炭酸エチレンと炭酸プロピレンとを混合すれば後者が多いほど融点が低下する。一方、後者が多いと上述のようにオゾンを溶解させたときオゾンとの反応により生じる酸化性物質の量が多くなり、液の消費量に影響を及ぼす。室温で液状という条件と酸化性物質低減の条件を満たす混合割合は、炭酸エチレン/炭酸プロピレンの重量比が、4〜2/3、好ましくは3〜1となる範囲である。
例えば、代表的なポジ型フォトレジストであるノボラック系レジストは、クレゾールの重合体と多環芳香族で構成されているため、本発明の洗浄液を適用すれば、加熱によって溶解性を高めることができる。
オゾンを用いることなく加熱だけでの有効な温度範囲は30〜200℃(炭酸エチレン単独使用の場合は、40〜200℃)で、好ましくは引火点以下の60〜150℃である。処理条件が適当であれば20μm/分以上の剥離速度を容易に得ることができる。オゾンガスが通気された洗浄剤で剥離を行う場合は、液温は20〜60℃が望ましい。
湿式の剥離法では、従来その剥離処理が非常に難しかったBの1×1015/cmイオン注入で変質したノボラックレジスト膜すら、高温の炭酸アルキレン液の浸漬処理によればかなり短時間で剥離することができる。例えば、1.5μmの厚さの膜が、120℃で70秒の炭酸アルキレンの浸漬処理で剥離され、ドライエッチングで変質層を生じたレジストの場合も同様である。
また、処理温度が高い程、表面張力や粘度が下がり、超微細パターンデバイスでのレジスト剥離に適している。
の1×1014/cmイオン注入の膜では、厚さ15μmの剥離が、120℃の炭酸エチレン液への浸漬で5秒(剥離速度:18μm/分)、100℃浸漬で10秒(剥離速度:9μm/分)と極めて速い。炭酸プロピレンの場合は、これよりも多少時間がかかる。強く変質したレジストの高温処理では、特に変質の激しい表層部以外の成分が容易に洗浄液に溶解し、溶解し難い変質成分は微小粒となって液に分散するという剥離機構が働く。分散した微小粒は後述のように炭酸アルキレン液のオゾン処理槽でのオゾンガス通気処理で完全に溶解できる。
この高温での溶解力は極めて大きいので、有機被膜を有する洗浄対象物を洗浄液に接触させるだけで溶解が直ちに始まる。溶解は一種の拡散現象で濃度差が大きいほどに速くなることから、洗浄槽中の洗浄液の対流によって、有機被膜を連続的に溶解し、溶解効果を高い状態で維持することができる。
上述の通り、液状炭酸アルキレン液を用いると、レジスト膜等の有機被膜を有効に剥離・除去することができ、該処理後の洗浄液には、有機被膜由来の成分が溶解(及び分散)して含有されることとなる。
このように炭酸アルキレン液は有機被膜の溶解力が大きいため、洗浄対象物を浸漬したのみでも有機被膜を剥離・除去することは容易であるが、より効率的に有機被膜の剥離・除去を行うためには洗浄対象物を揺動したり、超音波を照射したりすることが好ましい。
図2の揺動手段51の構成は既に説明したが、その動作は、カム54が回転することによって、保持手段53も円運動をはじめ、この保持手段53に接続している洗浄カゴ52もそれに伴い上下左右へと円を描きながら運動を行い、洗浄液2の中で洗浄カゴ52は揺動されて、洗浄カゴ52を浸漬するだけの洗浄よりも効率的に有機被膜の剥離を行うことができるものである。
また、超音波を照射する場合には、超音波振動子、例えば、28kHz、300Wの超音波振動子により超音波を洗浄対象物に照射することによって、洗浄対象物に付着している有機被膜に振動が与えられ、有機被膜の剥離を促進することができる。
この有機被膜由来の成分が溶解した洗浄液は、洗浄槽3とオゾン処理槽5とを接続する配管6Aを通って、オゾン処理槽5へ移動し、有機被膜分解処理工程へ付される。
本発明の有機被膜分解処理工程は、洗浄槽3からオゾン処理槽5へ移動してきた洗浄液をオゾン散気管4から放出されるオゾンと接触させて、洗浄工程により洗浄液に溶解した有機被膜を構成する有機物を分解処理するものである。
この洗浄液は極性溶媒であるためオゾンの溶解性は低いが、低濃度であっても、洗浄液中に含まれるオゾンは、溶解した有機物(特に、二重結合を持つ化合物や芳香族化合物)に対して強い分解作用を有する。しかし、有機物に対して強い分解作用を有するにも拘わらず、炭酸アルキレン自体はオゾンとの反応性が低温ではそれ程大きくないことから、炭酸アルキレン自体のオゾンによる分解は比較的軽度であることがわかった。
炭酸アルキレンとオゾンとの反応では、酸化性物質(過酸化物と推定される)を生じるが、炭酸エチレンの方が炭酸プロピレンよりもオゾンと反応し難く、40℃の液に260mg/NLのオゾンガスを5分で飽和させた場合、酸化性物質の生成量は15mg当量/L以下であるにすぎない。
炭酸アルキレン中に溶解している有機物は二重結合をもっていたり、芳香族化合物、例えばノボラック系レジストであると、これにオゾンガスを通気することで、短時間に低分子量物質にまで分解され、液は微小粒の分散の無い淡色透明の状態になる。
そして、炭酸エチレン及び炭酸プロピレン自体は、オゾンガス通気によって少量の酸化性物質が発生するほかは大部分が化学的に変性しないこと及び低分子量分解生成物が含まれていても、レジスト等の剥離・除去性能が低下しないことがわかった。
従って、有機被膜除去処理後の洗浄液にオゾンガスを通気することで洗浄液中へ溶解した有機被膜成分を分解すれば、そのまま(未分解の有機被膜が残存する恐れがあるときは、必要に応じ精密濾過して)順次、別の洗浄対象物に付着した有機被膜除去のための洗浄液として循環再利用することができる。
すなわち、オゾン処理を施せば、洗浄液の有機被膜の溶解能力を再生することができるという大きな利点がある。このことは、従来の高価な有機溶剤の場合と比較して、経済的に極めて有利である。本発明では、有機被膜除去処理済みの洗浄液のオゾン処理・精密濾過という再生手法で、洗浄液を新たに交換することなく数十回繰り返して使用することができる。
更に、本発明では、有機被膜の除去処理後の洗浄液を、オゾンガス通気によって有機被膜由来の成分を低分子物質に分解する工程をバッチ式で行ってもよく、かつ、有機被膜除去を行う洗浄槽3とは別にオゾン処理槽5を設けて有機物を分解する工程を行うこととすればよい。
本発明の洗浄液循環工程は、オゾン散気管4から放出されたオゾンにより洗浄液を循環させ、有機被膜分解工程を経由した洗浄液を再度洗浄工程に用いるものである。
本実施形態においては、洗浄液循環工程は、洗浄槽3で有機被膜成分である有機物を溶解した洗浄液が配管6Aを通ってオゾン処理槽5に移動し、オゾン処理槽5で有機物が分解され有機被膜の溶解能力が回復した洗浄液を配管6Bを通して洗浄槽3へ循環させるものである。
この洗浄液2を循環させる原動力は、オゾン散気管4から放出されるオゾンのエアーリフト作用によるものである。オゾン散気管4からオゾンの気泡が放出されると、オゾン処理槽5において洗浄液2が気泡の動きと同一の方向、すなわち上方、に移動する力が生じ、これにより押し出される形でオゾン処理槽5の上部にあった洗浄液2は上部の循環配管6Bを通り、洗浄槽3へ移動する。この移動によって洗浄槽3にある洗浄液2は同様に押し出される形で、下部の循環配管6Aを通ってオゾン処理槽5へ移動することとなり、本発明の有機被膜除去装置1に収容されている洗浄液2に流れが生じるために一定の方向に対流することとなるのである。
洗浄液2を循環できる回数(即ち、洗浄液の寿命)はオゾンによる有機被膜分解工程ごとに発生する酸化性物質の量が関係し、徐々に低下する洗浄液の純度に依存する。有機被膜分解工程で生じる酸化性物質はヨードメトリーで定量することができ、液温が高い程、また前述のように炭酸プロピレンの場合の方が生じやすい。液に含まれている酸化性反応物質は必要に応じて白金やパラジウム等の触媒を用いて分解することができる。
また、本発明の有機被膜除去装置1を構成する洗浄槽3、オゾン散気管4、オゾン処理槽5、循環配管6は、耐オゾン性の優れた材質を用いることが必要である。耐オゾン性に優れた材質としては、ステンレス、アルミニウム等の金属、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の合成ゴム、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。
(第2の実施形態)
図3は、本発明での有機被膜除去装置の第2の実施形態を示した概念図である。
図3の有機被膜除去装置11は、洗浄液12を収容する洗浄槽13と、底部にオゾン散気管14を配置したオゾン処理槽15と、洗浄槽13とオゾン処理槽15とを仕切り、その下部及び上部に洗浄液12を循環させるための開口17を有する間仕切り16とから構成されている。
この有機被膜除去装置11の構成は、先に説明した図1に記載した有機被膜除去装置1とは、洗浄槽3とオゾン処理槽5とが一体として配置、構成されており、循環配管6の代わりに間仕切りの開口17を通って洗浄液が循環することができるようになっている点が異なるだけである。
このとき、有機被膜除去装置11の洗浄槽13とオゾン処理槽15とは、それぞれ別個の容器を用いて一体的に隣接配置し、その隣り合う側壁に開口17を作って形成してもよいし、一つの容器に開口17を有する間仕切り16を設けることによって形成してもよい。
このような構成とすることで、より有機被膜除去装置の一体感が増し、装置自体をコンパクトにすることができる。また、洗浄槽13からオゾン処理槽15への移動距離が短いため、循環を効率的に行うことができ、有機被膜の除去を効果的に行うことができる。
(第3の実施形態)
図4は、本発明での有機被膜除去装置の第3の実施形態を示した概略図である。
図4に示した有機被膜除去装置21は、第1の実施形態の有機被膜除去装置1において、上部配管6Bをオゾンの気泡が通過しないように気泡排除板27を設けたものである。
この気泡排除板27は、オゾン散気管4から放出されたオゾンの気泡が、洗浄槽3側へ行くことを防ぐことにより、オゾン気泡は、オゾン処理槽5から排出されることとなる。
しかし、オゾンを大気中へ放出する際には、設定されている環境基準値に従った濃度以下で排出しなければならないため、本実施形態においては、オゾンを分解処理して、大気中へ無害な物質(二酸化炭素、酸素等)として放出する構成をとっている。
そのために、オゾン処理槽5の上部に通気管を介して接続されたオゾン分解手段28を設け、このとき、オゾンを漏れなく処理するためにオゾン処理槽5の液面から上方は密閉され、放出されたオゾンが全てオゾン分解手段28を通過するようになっている。
また、この実施形態においてオゾン分解手段28は、オゾンを分解して無害化することができるものであれば特に制限されるものではないが、接触還元法により行うことが好ましい。接触還元法は、一般に、数度〜数十度の低温で分解が起こり、消耗が少ないためコスト面では極めて有利である。また、接触還元法以外にも熱分解法、薬液洗浄法、活性炭法等を用いてオゾンを分解することもできるが、コストが余計にかかることとなる。
本実施形態における有機被膜除去装置は、有機被膜の除去のために放出したオゾンを洗浄槽側へ移動させることがなく、洗浄槽が開放されておりオペレーターが近くで操作を行っている場合でも、オゾンが人体近くに放出されることが無い。また、オゾン処理槽5は密閉され、その上部には通気管を介してオゾン分解手段28が接続されているため、オゾン散気管4から放出されたオゾンは、全てオゾン分解手段28により分解処理されて、無害化された状態で大気へ放出されることとなる。したがって、地球環境上もオゾンの排出規制を遵守するものであり、この有機被膜除去装置21は、極めて優れた装置である。
なお、本実施の形態においては、第1の実施形態に構成を追加した形で示したが、第2の実施形態においても同様に適用することができる。
(第4及び第5の実施形態)
図5は、本発明での有機被膜除去装置の第4の実施形態を、図6は第5の実施形態を示した概略図である。
第4及び第5の実施形態は、気泡排除板を設けることなく気泡を洗浄槽3側へ移動させることのない構成としたものである。ここに示した装置は、洗浄槽及びオゾン処理槽の上部に設けられた循環配管又は開口の設け方に特徴を有するものである。
図5に示した有機被膜除去装置31は、第1の実施形態に記載されている有機被膜除去装置1において、循環配管の設け方が異なり、循環配管36Bがオゾン処理槽5側から洗浄槽3側に向かって下るように傾斜を設けたものである。この傾斜によって、オゾンの気泡が循環配管36Bに入っても気泡の浮力により洗浄槽3までは到達せずに、オゾン処理槽5側へ戻ることとなる。
また、図6に示した有機被膜除去装置41は、第2実施形態に記載されている有機被膜除去装置において、仕切り板の開口の設け方が異なり、開口47Bの上部にある仕切り46の位置が他の部分よりも洗浄槽13側へ寄っており、これにより、オゾンの気泡が洗浄槽13に入ることを妨げる構成となっている。
したがって、これらの構成をとることとすれば、オゾン散気管から放出されたオゾンの気泡が洗浄槽側へ移動することがなく、洗浄槽が開放系であって、オペレーターが近くで操作を行っている場合でも、オゾンが人体近くに放出されることを防ぐことができる。
[有機被膜除去・洗浄装置]
(第1の実施形態)
次に、本発明の有機被膜除去・洗浄装置について図面を参照しながら説明する。
図7は、本発明での洗浄装置の第1の実施形態を示した正面図である。
本発明の有機被膜除去・洗浄装置71は、有機被膜除去装置21、有機被膜を除去した洗浄対象物の洗浄液をすすぐための純水洗浄槽72、純水洗浄槽72で付着した純水を乾燥させる乾燥手段73、洗浄カゴ昇降機74、炭酸アルキレン排気口75から構成されるものである。
有機被膜除去装置21は、既に説明したとおりのものであるが、ここでは、気泡排除板27及びオゾン分解手段28を有する第3の実施形態で説明した有機被膜除去装置21を使用した場合について説明する。この有機被膜除去装置21は、オゾン分解手段28を有しているため、有機被膜の除去を行う際、オゾン散気管から放出されたオゾンをオゾン分解手段28により分解、処理して、排気口75から大気中へ排出するものである。
純水洗浄槽72は、純水を収容するものであり、有機被膜除去装置21で有機被膜が除去された洗浄対象物を、この純水洗浄槽72に浸漬することで洗浄対象物に付着している洗浄液を純水で洗い流すものである。ここで、純水洗浄槽72においても、純水でのすすぎを効率良く行うために、有機被膜除去装置21と同様に揺動手段や超音波手段を用いることができる。
乾燥手段73は、純水洗浄槽72で洗浄した洗浄対象物に対して送風することにより純水を乾燥させるものであり、送風口から乾燥空気を洗浄カゴ22に向けて吹き付ける方式で洗浄対象物に付着している純水を吹き飛ばし、同時に、純水の蒸発、乾燥を行うことで洗浄対象物を乾燥することができる。
洗浄カゴ昇降機74は、洗浄対象物が純水で洗浄された後、純水洗浄槽の上部に配置された乾燥手段73の送風口まで洗浄対象物が入った洗浄カゴの昇降を行うことができるものである。これは純水洗浄の際に、洗浄を効率的に行うために昇降させてもよい。
炭酸アルキレン排気口75は、有機被膜除去装置21から有機被膜除去・洗浄装置71内に拡散する炭酸アルキレンの蒸気を排気するものである。この排気口75が接続されている排気ダクトは、有機被膜除去装置21から排出されるオゾン分解手段28により処理された気体の排気口29と合流してもよく、排気ダクトから外部環境へガスが排出される。
この工程において、洗浄カゴを有機被膜洗浄装置21から純水洗浄槽72への移動を搬送手段を用いて自動で行うこととすれば、人の手を煩わさず、効率的に洗浄作業を行うことができる。
また、有機被膜除去装置21、純水洗浄槽72及び洗浄カゴを移動する搬送手段には、保温手段を有することが好ましい。これは、洗浄液として炭酸エチレンを用いた場合には、36.4℃以下で凝固してしまうため、室温での洗浄作業では洗浄対象物に炭酸エチレンの膜ができてしまうためである。この保温手段を用いることにより炭酸エチレンの固化を防ぎ、洗浄対象物を清浄に保つことができる。
次に、この有機被膜除去・洗浄装置を用いた有機被膜除去・洗浄方法について説明する。
まず、有機被膜除去工程では、洗浄対象物を洗浄カゴに入れ、この洗浄カゴを有機被膜除去装置21の洗浄槽の洗浄液中に浸漬して、有機被膜を溶解・除去するのに十分な時間、浸漬して洗浄対象物の有機被膜を除去する。このとき、有機被膜の除去を効率的に行うために、洗浄カゴを洗浄槽中で揺動することが好ましい。
この浸漬する時間は、除去する有機被膜の厚さ、量、有機被膜の洗浄液への溶解度等を考慮して適宜決定すればよく、例えば、ノボラック型レジストの1mm厚程度の被膜であれば、20分間の浸漬で有機被膜を完全に除去することができる。
有機被膜の除去が終わったら洗浄カゴを洗浄槽から引き上げ、次に、これを純水洗浄槽72まで移動し、今度は純水洗浄槽72の純水中に浸漬して、有機被膜除去工程で付着した洗浄液を洗い流す。
このとき、有機被膜除去装置21での洗浄と同時に揺動、超音波振動により洗浄を行ってもよく、洗浄カゴ昇降機74を用いて洗浄カゴを昇降させることにより行ってもよい。
洗浄対象物の純水での洗浄が終わったら、次に洗浄カゴ昇降機により洗浄カゴを純水洗浄槽72から引き上げ、乾燥手段73の送風口まで移動して保持する。
次に、乾燥手段73の送風口からエアーを洗浄対象物に吹き付けて、純水洗浄槽72で付着した純水を蒸発・乾燥させる。
また、純水洗浄層への純水の供給は、純水供給管76から純水洗浄層72が満水となるまで行えばよく、洗浄対象物のすすぎに用いられた純水は、このすすぎの操作により溢れて、純水洗浄層の外側に設けられた槽から純水排水管77を通して排水される。このすすぎに用いられた純水は一度使用されると少なからず汚染されるため、次のすすぎを行う前に、純水排水管77を通して全て排水され、空になった純水洗浄層には純水供給管76を通して再度純水が満たされる。このとき、純水洗浄槽自体を清浄に保つために純水の供給、排水を行ってすすいでもよい。
本実施の形態において、有機被膜の除去、純水洗浄、洗浄槽から純水洗浄槽への搬送を行う際には、保温手段を用いることが好ましい。洗浄液が炭酸エチレンであった場合には、36.4℃以下になると凝固してしまうため、加温手段を用いることにより洗浄対象物に炭酸エチレンの固体が付着するのを防止し、洗浄対象物を清浄に保つことができる。このときの加温温度は、35〜80℃であることが好ましく、40〜50℃であることが特に好ましい。
(第2の実施形態)
本発明での有機被膜除去・洗浄装置の第2の実施形態は、図8に示したように、第1の実施形態とは、有機被膜除去装置21が2つ用いられている点が異なるのみであり、このうち最初の洗浄として用いられる第1の有機被膜除去装置211は、有機被膜の除去をするために主に機能するものである。
第2の有機被膜除去装置212は、その後の洗浄に用いられ、1回の洗浄では除去しきれずに残った有機被膜の除去と第1の有機被膜除去装置211で付着した洗浄液を洗い流すものである。第1の有機被膜除去装置211における洗浄では、洗浄作業が進むにつれて、洗浄液に有機被膜を構成する有機物やその分解物である有機酸が混在することとなるため、洗浄対象物に付着した洗浄液は汚染される。第2の有機被膜除去装置212は、この汚染された洗浄液を一旦すすぐことによって洗浄対象物に有機被膜やその分解物が付着するのを防止するものである。
この第2の有機被膜除去装置212を用いることにより、第1の有機被膜除去装置211で付着した汚染された洗浄液を十分に洗い流すことができるため、洗浄対象物をより清浄に保つことができる。
(実施例1)
この実施例においては、図7に示した構成をとり、その外形寸法が、奥行1000mm×幅1400mm×高さ1800mm寸法(オゾン分解手段、排気口は除く。また、オゾン分解手段は装置内に組み込むこともできる。)でキャスター上に配置された有機被膜除去・洗浄装置を用いた。また、ここで用いた有機被膜除去装置は、洗浄槽(400mm×400mm×420mm寸法)とオゾン処理槽(400mm×100mm×420mm寸法)との両槽間が仕切り板で仕切られており、その上部及び下部にそれぞれ50mm幅の洗浄液12を循環させるための開口を有する内容積が80Lの槽からなっている。
有機被膜の除去を行う際の揺動手段は、洗浄対象物を入れる洗浄カゴ(320mm×320mm×320mm寸法)を保持することができる保持部と、この保持部と接続されたカムとから構成され、カムを回転させることにより洗浄カゴを揺動(揺動幅6cm、上下運動、15回/分)させることができる。
また、純水洗浄槽(400mm×400mm×550mm寸法)は内容積80Lで、揺動条件(揺動幅6cm、上下運動)が前記揺動手段と同様な洗浄カゴ昇降機34で構成されている。
まず、有機被膜除去装置の槽内に60Lの炭酸エチレン溶液を注入し、純水洗浄槽には純水供給管より純水を満杯状態にして、オゾンガスはオゾンガス濃度60gr/Nmで流量3NL/分をオゾン散気管に吹き込みオゾン処理槽がエアーリフト作用状態となるようにして、洗浄槽にスピンコーターカップ(200mmφ用レジスト付着カップ、厚さ1mm程度のレジスト膜が付着)を入れた洗浄カゴ(320mm×320mm×320mm寸法)を浸漬した。この洗浄カゴを揺動手段により揺動しながら20分間洗浄した。
炭酸エチレン洗浄液による洗浄後、直ちに純水が満水状態となっている純水洗浄槽に浸漬し、洗浄カゴ昇降機により洗浄カゴを揺動しながら3分間洗浄した。このとき、純水洗浄槽から溢れたすすぎに用いられた純水はその外側に配置された槽の底から純水排水管を通って排水される。
純水によるすすぎが終了した洗浄カゴは、洗浄カゴ昇降機で所定位置まで持ち上げられ、左右にある乾燥手段から噴出される乾燥空気でスピンコーターカップに付着している純水を吹き飛ばし、同時に純水を蒸発させて乾燥した。この乾燥空気による乾燥を15分間行って取り出し、目視で洗浄状態を確認したところ、スピンコーターカップに付着していたレジスト膜は全て除去され、充分に洗浄が行われていることが確認できた。なお、以上の操作は、有機被膜除去・洗浄装置内の温度を40℃近傍に保持して行った。
この洗浄操作の終了後、純水洗浄槽は直ちに洗浄水全量をドレインして、新しい純水を流量160L/分、30秒で注入満水状態として待機する。
また、無色透明の炭酸エチレン洗浄液は、剥離洗浄されたレジストを含む洗浄液として透明茶褐色を呈するが、オゾン処理槽でレジストがオゾンと接触することで分解処理されると有機酸となり無色透明に戻る。しかし、洗浄回数を重ねると完全に無色透明となることがなくなり透明茶褐色の色調が濃くなり、有機被膜の溶解能力が低下するため、洗浄液の交換を行う。洗浄液の交換時期の管理は洗浄操作状況と透明茶褐色への色調の変化度合いとを色度計で測定することで判断すればよい。
なお、洗浄液として炭酸プロピレンのみ又は炭酸エチレンと炭酸プロピレンの50:50混合液を用いて洗浄を行ったところ、同等の洗浄効果が得られることも確認できた。これら洗浄液の選定は洗浄対象物により適宜決めればよい。
(実施例2)
この実施例においては、図8に示した構成をとり、その外形寸法が、奥行1000mm×幅1640mm×高さ1800mm寸法(オゾン分解手段、排気口は除く。また、オゾン分解手段は装置内に組み込むこともできる。)でキャスター上に配置された有機被膜除去・洗浄装置を用いた。実施例1とは、有機被膜除去装置が2つ用いられる点のみ異なるものであり、その実施においては、第1の有機被膜除去装置では20分間の浸漬揺動洗浄、第2の有機被膜除去装置では5分間の浸漬揺動洗浄により、実施例1と同様の大きさ、厚さのレジストが付着したスピンコーターカップの洗浄を行った。
第2の有機被膜除去装置の洗浄液交換時期の管理は、実施例1の有機被膜除去装置と同様にあらかじめ洗浄操作状況と透明黄色への色相変化度合いとを色度計で測定することで判断すればよい。
第2の有機被膜除去装置の洗浄層内は、ほとんど炭酸エチレンの洗浄液の色調である無色透明が保持されるため、高度洗浄が要求されるウェハ、液晶板などの洗浄に適していると考えられる。
なお、実施例1と同様に、洗浄液として炭酸プロピレンのみ又は炭酸エチレンと炭酸プロピレンの50:50混合液を用いて洗浄を行ったところ、同等の洗浄効果が得られることも確認できた。これら洗浄液の選定は洗浄対象物により適宜決めればよい。
本発明に係る有機被膜除去装置における第1の実施形態を示した概念図である。 洗浄対象物を揺動するための揺動手段の概念図である。 本発明に係る有機被膜除去装置における第2の実施形態を示した概念図である。 本発明に係る有機被膜除去装置における第3の実施形態を示した概念図である。 本発明に係る有機被膜除去装置における第4の実施形態を示した概念図である。 本発明に係る有機被膜除去装置における第5の実施形態を示した概念図である。 本発明に係る有機被膜除去・洗浄装置における第1の実施形態を示した概念図である。 本発明に係る有機被膜除去・洗浄装置における第2の実施形態を示した概念図である。
符号の説明
1,11,21,31,41…有機被膜除去装置、2,12…洗浄液、3,13…洗浄槽、4,14…オゾン散気管、5,15…オゾン処理槽、6(6A,6B),36(36A,36B)…循環配管、16,46…仕切り版、17,47…開口部、27…気泡排除板、28…オゾン分解手段、29…排気口、51…揺動手段、52…洗浄カゴ、53…保持部、54…カム、71,81…有機被膜除去・洗浄装置、72,82…純水洗浄槽、73,83…乾燥手段、74,84…洗浄カゴ昇降機、75,85…排気口、76…純水供給管、77…純水排水管

Claims (12)

  1. 炭酸アルキレンを有効成分とする洗浄液を収容する洗浄槽と、
    前記洗浄槽と一体的に隣接配置され、底部にオゾン散気管が配設されたオゾン処理槽と、
    前記洗浄槽と前記オゾン処理槽とを仕切り、その下部及び上部に洗浄液を循環させるための開口を有する間仕切りと、
    を有することを特徴とする有機被膜除去装置。
  2. 前記オゾン処理槽の前記循環配管の上部開口部に気泡排除板が設けられていることを特徴とする請求項1記載の有機被膜除去装置。
  3. 前記オゾン処理槽の上部に通気管を介して接続されたオゾン分解手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載の有機被膜除去装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項記載の有機被膜除去装置と、
    前記有機被膜除去装置で有機被膜を除去した後に洗浄液をすすぐための純水洗浄槽と、
    前記純水洗浄槽で洗浄した後に、付着した純水を乾燥させるための乾燥手段と、
    を有することを特徴とする有機被膜除去・洗浄装置。
  5. 前記有機被膜除去・洗浄装置が、有機被膜を除去する第1の洗浄を行う第1の有機被膜除去装置と、前記第1の洗浄の後に残った有機被膜を除去する第2の洗浄を行う第2の有機被膜除去装置とからなることを特徴とする請求項4記載の有機被膜除去・洗浄装置。
  6. 前記有機被膜除去・洗浄装置内を洗浄液が凝固しない温度に保持する保温手段を有することを特徴とする請求項4又は5記載の有機被膜除去・洗浄装置。
  7. 炭酸アルキレンを有効成分とする洗浄液で洗浄対象物から有機被膜を除去する洗浄工程と、
    前記洗浄工程により洗浄液中に溶解した有機被膜をオゾン散気管から放出されたオゾンと接触させ分解処理する有機被膜処理工程と、
    前記洗浄工程を行う槽と前記有機被膜処理工程を行う槽とが一体的に隣接配置されており、前記オゾン散気管から放出されたオゾンにより洗浄液を循環させ、前記有機被膜処理工程を経由した洗浄液を再度洗浄工程に用いる洗浄液循環工程と、
    を有することを特徴とする有機被膜除去方法。
  8. 前記有機被膜処理工程で有機被膜の分解処理に用いたオゾンを分解処理するオゾン分解工程を有することを特徴とする請求項7記載の有機被膜除去方法。
  9. 請求項7又は8記載の有機被膜除去方法における洗浄工程により有機被膜が除去された洗浄対象物を純水ですすぐことによって、付着した洗浄液を洗い流す純水洗浄工程と、
    前記純水洗浄工程で付着した水を蒸発、乾燥させる乾燥工程と、
    を有することを特徴とする有機被膜除去・洗浄方法。
  10. 前記洗浄工程が、第1の洗浄工程及び第2の洗浄工程からなることを特徴とする請求項9記載の有機被膜除去・洗浄方法。
  11. 前記洗浄工程、前記洗浄液循環工程及び前記純水洗浄工程を、洗浄液が凝固しない温度に保持して行うことを特徴とする請求項9又は10記載の有機被膜除去・洗浄方法。
  12. 前記温度が、35〜80℃であることを特徴とする請求項11記載の有機被膜除去・洗浄方法。
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