JP4439741B2 - 結晶成長法に使用される溶融シリコンのストロンチウムドーピング - Google Patents

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Description

【0001】
(技術分野)
本発明は、結晶成長工程に使用される溶融シリコンをドーピングする方法に関する。本発明は特に、シリカルツボ内で使用される溶融シリコンをストロンチウムでドーピングして、成長インゴットにストロンチウムを有意に組み込まずに、ポリシリコンの溶融の間およびインゴット成長工程全体において、ルツボの内壁に薄い失透したシリカ層を形成する方法に関する。
【0002】
(背景技術)
チョクラルスキー法によって成長される単結晶シリコンの製造において、先ず多結晶シリコンを石英ルツボ内で溶融させる。多結晶シリコンを溶融させ、温度を平衡させた後に、種結晶をメルトに浸し、次に、石英ルツボを回転させながら引き上げて、単結晶シリコンインゴットを形成する。インゴット成長の間に到達する極めて高い温度により、インゴットが成長すると共に、ルツボ/メルト界面において石英ルツボ壁がゆっくり溶解する。融解石英ルツボの使用に関する1つの不利な点は、ポリシリコンが溶融し、単結晶インゴットが成長する際に、ルツボの内表面の汚染物が核形成し、融解石英表面におけるクリストバライト島の形成を促進することである(該島は一般に、汚染部位に集まる)。クリストバライト島は溶融の間にアンダーカットされ、粒子としてシリコンメルトに放出され、シリコンインゴットに転位を形成させる。例えば、Liuらによって「Reaction Between Liquid Silicon and Vitreous Silica」、J.Mater.Res.,7(2),P.352(1992)に記載されているような融解石英とクリストバライトの界面に形成される低融点共融液体の作用によって、クリストバライト島がアンダーカットされる。
【0003】
メルトに放出される汚染物の量を減少させるために、結晶成長に使用されるシリカルツボは一般に2つの領域を有する。ルツボを支持するグラファイトメカニズムと接するルツボの外領域は、高密度の気泡を有して、メルトおよび結晶への輻射熱伝達を調節する。内領域は、透明層または気泡不含層と一般に称される減少した気泡の層を有する。この内層は気泡を全く含有しないわけではなく、結晶成長に一般的な温度に暴露された際に、ルツボ表面付近の溶解されたかまたは閉じ込められたガスがルツボ表面に気泡を形成し、シリコンメルトに放出される。長時間の気泡の放出は、ルツボの内層の崩壊および成長インゴットにおける空隙を生じる。この崩壊は結晶成長の時間制限要素であり、成長した結晶において、零転位構造の損失または大きい光点欠陥のような物理的欠陥を生じさせる。
【0004】
シリカ/シリコン界面を安定化させるか、またはルツボ表面内の気泡安定性を増加させることによって、ルツボの内層の耐久性を向上させることによって、汚染物形成を減少させる種々の方法が当分野において既知である。いくつかの方法は、内層の水酸化物含有量を所定の数値より低くなるように調節することによって安定性を向上させ(Matsumuraの日本特許出願第08-169798号)、予備形成シリカ管(内層)を支持層(気泡複合材料)に融着させることによって二層構造を形成し(Watanebeらの日本特許出願第08-333124号)、および水素雰囲気中で高圧においてルツボをアニールして、水素をシリカに組み込み、それによって、メルトへの暴露および次のシリカの溶解の際に、水素がシリコン結晶に組み込まれて積重欠陥を減少させることを包含する。
【0005】
さらに、他の方法は、ポリシリコンの導入および加熱の前に、ルツボ表面に予備塗布される失透促進被膜の使用によってシリカの耐久性を向上させることによって、メルトおよび/または結晶におけるルツボによる汚染物形成を減少させるかまたは除去しようとするものである(Hansenら、EP 0748885A1、EP 0753605A1)。ポリシリコンの溶融後に、これらの被膜が、結晶引き上げ工程全体わたって、シリコンメルトの存在下に失透シリカ面を形成させる。
【0006】
いくつかの方法は、ルツボ性能を向上させ、インゴット成長工程の間のメルトの汚染を減少させるが、ルツボによる全ての汚染物形成を除去することに充分に成功している方法は今のところ存在しない。従って、減少した汚染物および欠陥レベルでインゴットを製造することができる改良されたルツボが、当分野において必要とされている。
【0007】
(発明の開示)
従って、本発明の目的は、インゴット成長のための改良されたシリコンメルトの製造方法を提供し;シリコンメルトのドーピングレベルに基づいて調節された失透層の厚みを有するルツボの製造方法を提供し;失透界面において横断方向破損を形成せずに、種々のドーパントレベルについて、ルツボ表面に失透シリカの連続薄膜を与える方法を提供し;およびシリコン/ストロンチウム合金の製造方法を提供することである。
【0008】
従って、簡単に言えば、本発明は、単結晶シリコンインゴットを成長させるシリカルツボにおいてシリコンメルトを製造する方法に関する。該方法は、底壁および側壁形成物を有するルツボにポリシリコンを先ず装填し、ポリシリコンを溶融させて、ルツボ内に溶融シリコン塊を形成することを含んで成る。次に、溶融シリコン塊をストロンチウムでドーピングし、溶融シリコン塊に接するルツボの側壁形成物の内表面に失透シリカの層を形成する。
【0009】
本発明は、単結晶シリコンインゴットを成長させるシリカルツボにおいてシリコンメルトを製造する他の方法にも関する。該方法は、底および側壁形成物を有するルツボにポリシリコンを先ず装填し、ポリシリコンを溶融させて、ルツボ内に溶融シリコン塊を形成することを含んで成る。次に、溶融シリコン塊をストロンチウムでドーピングし、溶融シリコン塊に接するルツボの側壁形成物の内表面に失透シリカの層を形成する。最後に、ルツボの側壁形成物の内表面が部分的に失透した後に、追加ドーパントを溶融シリコン塊に装填する。
【0010】
本発明は、さらに単結晶シリコンインゴットを成長させるシリカルツボにおいてシリコンメルトを製造する他の方法にも関する。該方法は、底壁および側壁形成物を有するルツボにポリシリコンを先ず装填し、ポリシリコンを溶融させて、ルツボ内に溶融シリコン塊を形成することを含んで成る。次に、溶融シリコン塊をストロンチウムでドーピングし、溶融シリコン塊に接するルツボの内表面に失透シリカの層を形成する。
【0011】
本発明は、さらに単結晶シリコンインゴットを成長させるシリカルツボにおいてシリコンメルトを製造する他の方法にも関する。該方法は、底壁および側壁形成物を有するルツボにポリシリコンおよびストロンチウムを先ず装填し、ポリシリコンを溶融させて、ルツボ内に溶融シリコン塊を形成することを含んで成る。溶融シリコン塊に接するルツボの側壁形成物の内表面に失透シリカの層を形成する。
対応する符合は、全図面において対応する部分を示す。
【0012】
本発明によって、シリカルツボ表面に失透を生じることができるストロンチウムまたはストロンチウム含有組成物でシリコンメルトをドーピングすることによって、結晶成長工程の間にルツボからシリコンメルトに放出される汚染物の量を減少しうることが見い出された。驚くことに、ルツボ表面を選択的に失透することができ、シリカ表面における失透層の形成を調節して、結晶成長の間にルツボ表面が顕著に割れたりおよび/または溶融シリコンに粒子を放出したりしないようにできることが見い出された。失透層の形成の反応経路は、多孔性、および失透層に閉じ込められる分解生成物からの島のアンダーカットを防止することができる。さらに、結晶成長に係わる種々の段階に対して失透層の形成を調節して、インゴット成長の間の臨界点において、ルツボの底壁および側壁からの不溶性ガスの放出を該表面が可能にし、その結果、より少ない結晶空隙および減少した粒子発生を生じる。
【0013】
図2を参照すると、本発明に使用される従来の石英ルツボ10が示されている。ルツボ10は、底壁12、および底壁12から上に延在し、溶融半導体材料を保持するキャビティを限定する側壁形成物14を有する。側壁形成物14および底壁12は、それぞれの内表面16、18、および外表面20、22を有する。本発明のポリシリコンの溶融の間、およびシリカルツボ内でのインゴット成長工程全体において、シリコンメルトに含有されたストロンチウムがシリカルツボと反応して、ルツボ表面における核形成部位を与え、該部位において、安定な種結晶核が形成され、ルツボ表面の融解石英を結晶化させ、ルツボ表面にクリストバライトの実質的に均質な連続失透シェルを形成させる。ストロンチウムは、元素状ストロンチウムとして、またはストロンチウム含有組成物として、シリコンメルトに添加することができる。実質的に均質な連続失透シェルは、ルツボの内表面にメルト線まで形成され、インゴット成長工程全体にわたってメルトがシェルを溶解させると共に連続的に再生される。ルツボの内表面に形成される実質的に均質な連続失透シェルは、シリコンメルトに接触する際に実質的に均一に溶解する。従って、失透シェルによって、実質的な量の粒子がメルトに放出されないので、成長結晶に形成される転位が最少限にされる。
【0014】
ストロンチウムとシリカ表面の相互作用によって形成される失透シリカの連続層は、ドーピングされたポリシリコンの加熱および溶融の際に直ぐに形成されない。ストロンチウムドーパントおよびポリシリコンがルツボに装填され、溶融が開始された後に、ストロンチウムが先ずルツボの側壁の失透を生じさせる。充分なストロンチウムがシリコンメルトに存在する場合に、ストロンチウムがルツボの底の失透も生じさせる。ルツボの失透は、ポリシリコンおよびストロンチウムドーパントの加熱時に直ぐではないので、ルツボマトリックスに含有されるシリコンに不溶性のアルゴンのようなガスが、ルツボ表面から漏出することができ、空隙欠陥として成長インゴットに組み込まれる前にメルトから出ることができる。ストロンチウムでドーピングしたシリコンをシリカルツボに装填し、溶融させて、ルツボの底壁および/または側壁に失透層を形成した後に、単結晶シリコンが成長される。米国特許第3,953,281号および米国特許第5,443,034号に記載のような結晶を成長させるいくつかの方法が当分野で既知である。
【0015】
本発明によって、シリコンメルトにおいてストロンチウムまたはストロンチウム含有組成物をドーパントとして使用して、ポリシリコンの溶融の間、および単結晶シリコンインゴットの成長の間に、シリカ表面の失透を促進させる。ドーパントとして使用しうる好適なストロンチウム組成物は、例えば、酸化物、カーボネート(炭酸塩)、シリケート(珪酸塩)、アセテート(酢酸塩)、珪化物、水素化物、塩化物、水酸化物およびオキサレート(蓚酸塩)である。ストロンチウムは、元素、イオン、または有機イオンとのイオン対の形態であることができる。好ましい組成物は、硝酸ストロンチウムおよび塩化ストロンチウムを包含する。より好ましい組成物は、蓚酸ストロンチウム、酢酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウムを包含する。最も好ましい組成物は、炭酸ストロンチウムおよび酸化ストロンチウムである。ストロンチウムおよびストロンチウム含有組成物は、実質的な量のストロンチウムが成長結晶本体に組み込まれないようなドーパントとして使用される。約5ppbw以下、より好ましくは約3ppbw以下、さらに好ましくは約2ppbw以下のストロンチウムが成長結晶本体に組み込まれるのが好ましい。
【0016】
本発明の1つの実施態様において、ルツボ内においてストロンチウムでドーピングされたシリコンメルトを製造するための、ストロンチウムドーパントのシリコンメルトへの導入は、ポリシリコンと合金にされたストロンチウムドーパントを固体形態でシリカルツボに添加することによって促進される。本明細書において使用される「合金」または「合金にされた」という用語は、2種類またはそれ以上の金属から成る物質(「金属間」化合物)、1種類の金属と金属化合物からなる物質、または2種類の金属化合物から成る物質を意味する。ストロンチウム/シリコンは、本発明に使用される合金の例である。ストロンチウム/シリコン合金におけるストロンチウムの低濃度においては、ストロンチウムがシリコンマトリックスに実質的に溶解され、ストロンチウムとシリコンとの直接化学反応が実質的に起こらない。ストロンチウム/シリコン合金においてストロンチウムの量が増加すると共に、シリコンにおけるストロンチウムの溶解限度に達し、ストロンチウム/シリコン化学化合物、例えばSrSiおよびSrSiが合金中に形成される。従って、高濃度において、ストロンチウム/シリコン合金が2成分から成る場合がある:シリコンに溶解したストロンチウム、およびSrSiおよびSrSiのようなストロンチウム/シリコン化学化合物。
【0017】
本発明に使用される合金は、例えば誘導溶融炉を使用して製造することができる。粒状ポリシリコン、塊状ポリシリコン、または粒状および塊状ポリシリコンの混合物を先ず炉に装填し、好適な温度で溶融させる。溶融シリコンの温度が平衡した後、好適な量のストロンチウムドーパントを溶融シリコンに添加する。シリコン/ストロンチウムドーパント混合物を充分に攪拌し、混合する。最後に、熱を除去し、混合物を凝固させて、単結晶シリコンインゴットの成長に使用される本発明のストロンチウムでドーピングされたポリシリコン合金を形成する。合金にされたポリシリコンをシリカルツボに直接的に装填して溶融させるか、またはある量の新しいポリシリコンと混合して、メルトに入るストロンチウムドーパントの量を適切に調節して、シリカ表面の失透を制御しうることを当業者は認識解するであろう。
【0018】
選択的実施態様において、溶融シリコンを含有するルツボにストロンチウムを直接的に添加することによって、本発明のストロンチウムでドーピングされた溶融シリコンを製造することができる。この実施態様において、塊状ポリシリコン、粒状ポリシリコン、または塊状および粒状ポリシリコンの混合物を、結晶成長装置に配置されたルツボ内で先ず溶融させる。ルツボ内の溶融シリコンの温度が平衡した後に、溶融シリコンにストロンチウムを直接的に添加し、インゴット成長工程を開始させる。あるいは、ポリシリコンおよびストロンチウムを同時に添加し、次に熱を適用してポリシリコンを溶融させて、ストロンチウムでドーピングされた溶融塊を形成することもできる。これらの実施態様は、結晶成長工程において、前記の合金型ドーピングより遅くルツボにシリカの失透層を形成させる。同じドーピングレベルにおいて、合金型ドーピングは、シリコン溶融工程全体にわたってドーパントが存在し、失透がより早く開始することを可能にするので、シリカ表面のより速い失透を生じる。シリコンの溶融後のドーピングは、ドーパントがポリシリコンと混合されてシリカ表面に到達するのにより長い時間を必要とする故に反応速度が遅いので、シリカの遅い失透を生じる。
【0019】
インゴット成長の前に結晶成長装置中の溶融シリコンに直接的に添加されるかまたは溶融されるポリシリコンおよびポリシリコンと合金にされるストロンチウムまたはストロンチウム含有組成物の量は、ドーピングされた溶融シリコンに接するルツボ壁に失透シリカの薄い連続層が形成されるような量である。失透シリカの薄い連続層は、該層における応力が該層全体に均等に分散して、実質的に割れ目のない表面を生じることを可能にする。この連続層は、結晶成長の間の動的形成速度によって、ルツボ表面からの空隙放出を可能にし、従って、成長インゴットへの空隙欠陥の組み込みを減少させる。薄い、連続した、割れ目のない表面を形成するのに必要な溶融シリコン中のストロンチウムドーパントの量は、ルツボの大きさに依存して変化する。本発明は、14インチ〜32インチのルツボを包含するがそれらに限定されない全てのルツボ寸法において失透層を形成するのに有効である。さらに、単室または二室ルツボも本発明に含まれる。
【0020】
シリコンメルトに導入されるストロンチウムおよびストロンチウム含有組成物の量を調節することによって、シリコン溶融および結晶成長の間に、ルツボの底および側壁を選択的に失透させることができる。バリウムのような他の失透促進剤は、メルトへの添加後に、先ずルツボの底を失透するが、シリコンメルトがストロンチウムまたはストロンチウム含有組成物でドーピングされた場合、ストロンチウムは先ずルツボの側壁の失透を生じさせる。充分なストロンチウムがシリコンメルト中に存在する場合、ストロンチウムは、メルト線までのルツボの側壁を先ず失透し、次にルツボの底を失透する。シリコンメルト中のストロンチウムの低濃度においては、メルト線までのルツボの側壁だけが失透される。メルト中のストロンチウムの低濃度において、ルツボの底はガラス質を維持し、ルツボの底から気泡を放出し続ける。これらの気泡は部分的かまたは全体的にシリコンに不溶性のガスから成る。従って、メルトからのこれらの気泡の漏出を可能にし、それによって低濃度の空隙欠陥を有する結晶を成長させることができるので有利である。ルツボの底からの気泡の放出は、ルツボの側壁からの気泡の放出と比較してかなり重大な問題である。ルツボの底部分から放出される気泡は、回転する結晶によって形成される渦に捕捉されやすく、メルトに、および最終的にメルトから、放出するのに一般にかなり長い時間を必要とする。ルツボの側壁から生じる気泡はシリコンメルトの渦に一般に捕捉されず、ルツボの底から生じる気泡よりかなり速くメルトに入ることができ、結晶成長雰囲気に出ることができる。
【0021】
シリコンメルトにおけるストロンチウムの濃度が増加すると共に、ルツボのメルト線までの側壁および底の両方が失透される。本発明の1つの実施態様において、溶融の間に2段階またはそれ以上の分離段階でストロンチウムドーパントをルツボに導入して、溶融工程の早期にルツボの側壁、溶融工程の後期にルツボの底を選択的に失透することができる。この実施態様は、溶融工程の早期における側壁の失透を可能にして、メルトの粒子汚染を減少させ、一方、ルツボの底に含有されるガスに、メルトから漏出するためのより長い時間を与える。溶融工程の後期に、追加ストロンチウムを添加して、ルツボの底を失透させ、結晶引き上げの間の粒子汚染を減少させることができる。選択的失透を行うのに必要なストロンチウムの量は、使用される引き上げ工程ならびに熱領域の構造および形態の関数である。熱領域は一般に、「通常型」熱領域または「改良型」熱領域として特徴付けられる。従来型熱領域、改良型熱領域より約50℃〜約150℃で高い温度で一般に使用される。改良型熱領域は一般により良好に断熱され、パージ管を使用して、従来型熱領域ほど温度を高くする必要がないようになっている。
【0022】
ルツボの底および/または側壁に失透を形成するためにメルトに添加されるストロンチウムの量は、シリコン装填量、ルツボの表面の湿潤面積、および使用される熱領域の型に基づいて決められる。式(1)に示すように、ルツボの底および側壁をルツボのメルト線まで失透するために、ルツボの湿潤面積で割ったポリシリコン装填容量で割ったストロンチウムの量は、通常型熱領域については、少なくとも約1.5×10−12g/cm/cm、より好ましくは少なくとも約1.5×10−11g/cm/cm、最も好ましくは少なくとも約1.5×10−10g/cm/cmであり、改良型熱領域については、少なくとも約6×10−11g/cm/cm、より好ましくは少なくとも約6×10−10g/cm/cm、最も好ましくは少なくとも約6×10−9g/cm/cmである。
ストロンチウム(g)/Si装填容量(cm)/シリカの湿潤面積(cm) (1)
【0023】
ルツボの側壁だけをメルト線まで失透し、ルツボの底は失透せず、それによって結晶引き上げ工程および/または溶融工程の間にガスが底から漏出しうるようにするために、少ない量のストロンチウムをシリコンメルトに添加する。通常型熱領域が使用される場合は、約3.5×10−13g/cm/cm、より好ましくは約3.5×10−12g/cm/cm、最も好ましくは約3.5×10−11g/cm/cmがシリコンメルトに添加されて、ルツボの側壁を失透する。改良型熱領域が使用される場合は、約2×10−11g/cm/cm、より好ましくは約2×10−10g/cm/cm、最も好ましくは約2×10−9g/cm/cmがシリコンメルトに添加されて、ルツボの側壁を失透する。
【0024】
添加するストロンチウムの量を変化させることによって、調節された失透層厚みがたやすく得られることを当業者は理解するであろう。装填材料の配合、引き上げ方法および装置、ならびに引き上げ時間のような変化が、本発明の利益を得るためにより厚いかまたはより薄い失透層を使用することを必要とする。
【0025】
選択的実施態様において、外表面に失透促進剤を有するルツボに、本発明のストロンチウムでドーピングされた溶融シリコンを装填することができる。再び図2を参照すると、失透促進剤24が側壁形成物14の外表面20に存在する。例えば、高密度の核形成部位を外表面に有する層を形成するドリップコーティングまたは吹き付けによって、ルツボの外表面に被膜を配置することによって、本発明のストロンチウムでドーピングされたポリシリコンを装填する前にルツボの外表面を形成する。ルツボを加熱して、ドーピングされたポリシリコンを溶融させ、シリコンインゴットを成長させる際に、失透促進剤が融解石英と反応して、ルツボの外表面に結晶質核を形成する。溶融工程が続くにつれて、シリコンメルトおよびグラファイトサセプターが還元剤として作用し、外表面において核形成部位から半径方向にこれらの結晶質核の急速な成長を促進する。ストロンチウムでドーピングされたメルトおよびグラファイトサセプターの存在において、これらの結晶質核は集密に成長し、即ち、連続セラミックシェルがルツボに形成され、ルツボの機械的強度を増加させ、グラファイトサポートとの反応性を減少させる。
【0026】
ルツボの外表面を被覆するのに好適な失透促進剤は、アルカリ土類金属の酸化物、カーボネート(炭酸塩)、水酸化物、オキサレート(蓚酸塩)、シリケート(珪酸塩)、弗化物、塩化物、ならびに過酸化物、三酸化硼素および五酸化燐を包含する。他の失透促進剤、例えば、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、酸化第二鉄、アルカリ土類金属のホルメート(蟻酸塩)、アセテート(酢酸塩)、プロピオネート(プロピオン酸塩)、サリチレート(サリチル酸塩)、ステアレート(ステアリン酸塩)およびタータレート(酒石酸塩)を包含するアルカリ土類金属カチオンと有機アニオンのイオン対、ならびに遷移金属、耐熱金属、ランタニドまたはアクチニドを含入する促進剤も、あまり好ましくはないが、外表面の被覆に使用することができる。
【0027】
失透促進剤は、カルシウム、バリウム、マグネシウム、ストロンチウムおよびベリリウムから成る群から選択されるアルカリ土類金属であるのが好ましい。アルカリ土類金属は、ルツボ表面に付着するどのような形態であってもよい。アルカリ土類金属は、元素(例えば、Ba)、遊離イオン(例えば、Ba2+)、あるいは酸化物、水酸化物、過酸化物、カーボネート(炭酸塩)、シリケート(珪酸塩)、オキサレート(蓚酸塩)、ホルメート(蟻酸塩)、アセテート(酢酸塩)、プロピオネート(プロピオン酸塩)、サリチレート(サリチル酸塩)、ステアレート(ステアリン酸塩)、タータレート(酒石酸塩)、弗素または塩素のような有機アニオンとのイオン対の形態であることができる。失透促進剤は、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、カーボネート(炭酸塩)またはシリケート(珪酸塩)であるのが好ましい。
【0028】
外部被膜は、実質的に失透されたシリカの層に核形成するために、充分な失透促進剤を含有しなければならない。1000cmにつき少なくとも約0.10mMのアルカリ土類金属の濃度が一般に、失透を促進することができる均一被膜を与える。外部被覆ルツボは好ましくは約0.10mM/1000cm〜約1.2mM/1000cm、より好ましくは約0.30mM/1000cm〜約0.60mM/1000cmのアルカリ土類金属濃度を有する。外部ルツボ表面は、ドリップコーティングまたはスプレーコーティング法のような該表面に失透促進剤を付着させるどのような方法によっても被覆することができる。
【0029】
選択的実施態様において、本発明のストロンチウムでドーピングされた溶融シリコンを、シリコンに不溶性の極少量のガスを含有するルツボと組み合わせて使用することができる(本発明の開示の一部を構成する米国特許第5,913,975号参照)。そのようなルツボは、インゴット成長の間にルツボから漏出しうるアルゴンのような不溶性ガスによって生じる欠陥を減少させるのを助ける。
【0030】
シリコンに不溶性の極低レベルのガスを含有するこのルツボは、減少した量のアルゴンのような不溶性ガスの雰囲気において、ルツボを融解することによって製造される。この種の雰囲気におけるルツボの融解によって、ルツボマトリックス中に形成される気泡が減少した含有量のアルゴンのような不溶性ガスを有する。従って、結晶成長の間にルツボが溶解するにつれて、気泡がメルトに放出される際に、不溶性ガスによって生じる結晶空隙欠陥が最少限にされるかまたは除去される。
【0031】
ルツボを融解させる装置の周囲のガス雰囲気は、約0.5%未満、好ましくは約0.1%未満、最も好ましくは約0.01%未満のシリコンに不溶性のガスを含有する。本明細書において使用する「シリコンに不溶性」という用語は、ガスが、事実上、液体シリコンに非反応性であり、有意に溶解せずに液体シリコン中に存在しうることを意味する。好適な雰囲気は、合成空気、窒素と酸素の混合物、または純粋窒素を包含する。
【0032】
選択的実施態様において、本発明のストロンチウムでドーピングされた溶融シリコンを、1つまたはそれ以上のタングステンでドーピングされた層を有するルツボと組み合わせて使用することができる。該層は、気泡不含層に類似しているかまたは気泡不含層であることができる。本発明のストロンチウムでドーピングされた溶融シリコンが、内表面のタングステンでドーピングされた層と組み合わせて使用される場合、気泡減少層に沿った失透層がメルト中の汚染物の量を減少させる。ルツボ外表面のタングステンでドーピングされた層は、ルツボを強化し、その反応性を減少させることができる。驚くことに、ルツボ表面からのタングステンの外拡散、あるいは零転位成長の損失および/または結晶品質の低下を生じうる成長インゴットの汚染を生じずに、石英マトリックス中のタングステンドーパントは、石英ルツボの処理表面の気泡を崩壊させ、次の熱使用の間に再形成させない。
【0033】
次に図1を参照すると、本発明によって、ルツボ4の内表面にタングステンドーパンドをアニールする装置2が示されている。再び図1を参照すると、装置2が、水平支持台10、電源(図示せず)につながっている電気リード線12および14、不活性ガス源(図示せず)につながっている不活性ガス入口ライン16、不活性ガス出口ライン18、およびタングステン源20を有して成る。不活性ガスはタングステン源から酸素を除去して、タングステン源の好ましくない酸化および固体酸化物の形成を減少させる。好適な不活性ガスは、例えば、アルゴン、ヘリウム、キセノンなどを包含する。水平支持台10は、処理されるルツボを支持し、例えば、ステンレス鋼、ガラスまたはセラミックから構成することができる。水平支持台10は、その表面に開けた穴22および24を有して、不活性ガス入口ライン16および不活性ガス出口ライン18が、処理されるルツボの周囲の環境にアクセスできるようにしている。さらに、水平支持台10は、その表面に開けた穴26および28も有して、電気リード線12および14がタングステン源20にアクセスできるようにしている。
【0034】
電気リード線12および14にエネルギーを与えてタングステン源20を加熱する際に、ルツボの内部にタングステン蒸気を形成する。タングステン源20の加熱およびタングステン蒸気の形成の前に、不活性ガス入口ライン16によって、タングステン源20の周囲の環境に不活性ガスを導入する。タングステン源の加熱の間全体にわたって、タングステン源20の周囲の環境に不活性ガスを連続的に導入する。不活性ガス出口ライン18によって、タングステン源の周囲の雰囲気から不活性ガスを除去する。タングステン源20の周囲の環境のこの連続パージングは、タングステン源20の周囲の環境から実質的に全ての酸素を除去する。パージングガスの流れは、固体酸化物の形成が実質的に除去されるように実質的に全ての酸素を除去するのに充分な流れでなければならない。少量のシーラント、例えば真空グリース、シリコンまたは他の好適なシーラントを、ルツボと水平支持台の間に使用して、タングステン源の周囲の環境に入る酸素の量を減少することを確実にしうることを当業者が理解するであろう。さらに、不活性ガスの代わりに、または不活性ガスと組み合わせて、減圧を使用して、タングステン源の領域の酸素濃度を減少することもできる。
【0035】
実質的酸素不含環境における加熱されたタングステン源によって形成された蒸気タングステンが、ルツボの内表面に拡散する。タングステン源を所定温度に加熱し、この温度が次に内表面の温度を上げて、拡散を促進する。ルツボの内表面は一般に、約1時間〜約10時間、より好ましくは約2時間〜約8時間、さらに好ましくは約4時間〜約6時間、最も好ましくは約5時間にわたって蒸気タングステンに暴露されて、約100ppba(10億原子当たりの部)以上のタングステン、好ましくは約200ppba以上のタングステン、最も好ましくは約300ppba以上のタングステンをルツボの内表面に含有するタングステンでドーピングされた層を形成する。タングステンは約0.1mm〜約4mmで内表面に拡散され、該表面に、拡散したタングステンの深さに相当する深さを有するタングステンでドーピングされた層を形成する。タングステンを全ての大きさのルツボに拡散させて、性能を向上させることができる。工業的に必要性であれば、より長い時間でアニールすることによって、タングステンを内表面により深くアニールしうることを当業者は理解するであろう。結晶成長工程に使用する際に、タングステンでドーピングされた層は、気泡不含層と同様に挙動し、気泡不含層である場合もある。
【0036】
アニールされたタングステンが、ルツボ内で例えば100ppbaから0ppbaの急な変化を生じないことも当業者は理解するであろう。タングステンが表面にアニールされるときに勾配が生じ、例えば4mmの厚みを有するタングステンでドーピングされた層が形成されるが、いくらかのタングステンはルツボの4mmの範囲を超えて拡散する。
【0037】
本明細書において使用される「気泡不含層」という用語は、層が、気泡を全く含有しないか、または気泡を実質的に含有しないことを意味する。石英ルツボ中の気泡を確認する現在の分析的検出方法は、数ミリメートル程度の大きい視野について、約15マイクロメートルの直径を有する気泡を検出することができる。本発明によってタングステンが深さ約0.1mm〜約4mmでルツボの表面にアニールされる場合、タングステンを含有する領域は、少なくとも約15マイクロメートルの直径を有する気泡を1mmにつき0個で有する。同様に、インゴット成長工程に一般的な熱サイクル後に、ルツボは、少なくとも約15マイクロメートルの直径を有する気泡を1mmにつき0個で有する。分析的検出方法が向上し、より小さい直径を有する気泡が確認できるようになると共に、ルツボ表面にアニールされるタングステンの量をそれに従って調節して、前記のようにタングステンでドーピングされた領域において検出可能な気泡が存在しないレベルに到達するのが好ましいことが当業者に理解されるであろう。
【0038】
タングステンでドーピングされた層を有するルツボを後に結晶引き上げ工程に使用する場合、インゴット成長に必要な極限条件の故に、ルツボがシリコンメルトにゆっくり溶解する。従って、メルト中に溶解される石英マトリックスに存在するタングステンが、シリコンメルトに入る。しかし、タングステンは、成長するインゴットに検出可能な量で入らないことが示されている。この理由は2つであると考えられる。第一に、所望の効果を得るためにそのような少量のタングステンをルツボにアリールすればよいので、実質的な量のタングステンがメルトに存在しない。第二に、タングステンが低凝離率を有するので、液体シリコンに留まる傾向があり、成長インゴット中に結晶化されない。
【0039】
本発明の選択的実施態様において、石英ルツボの内表面および/または内表面にタングステンをアニールして、内表面および外表面の両方にタングステンでドーピングされた層を形成することができる。ルツボの外表面にタングステンをアニールして、タングステンでドーピングされた層を形成することによって、ルツボの機械的強度を増加して、インゴット成長の間のルツボの変形を減少させる。さらに、外表面のタングステンでドーピングされた層は、ルツボとルツボを支えるグラファイト支持構造との反応性を減少させ、従って、成長するインゴットおよびシリコンメルトの周囲の汚染物の量を減少させる。
【0040】
次に図3を参照すると、石英ルツボの内表面および/または外表面にタングステンをアニールする装置40が示されている。図1に示されている石英ルツボの内表面にタングステンをアニールする装置に示されている成分に加えて、装置40は、容器42、第二タングステン源44、第二不活性ガス入口ライン30、第二不活性ガス出口ラン32、および電源(図示せず)につながれた電気リード線34および36を有して成る。容器42は、例えば、ガラス、ステンレス鋼またはセラミックから構成することができ、水平支持台10に緊密に適合して、密封を確実にして、不活性ガスパージ領域に酸素が入らないようにされる。第二タングステン源44は前記のタングステン源と同様であり、不活性ガス入口ラインおよび出口ライン30および32がそれぞれ、アニールの間に容器をパージする。
【0041】
石英ルツボの内表面および外表面を図3に示す装置で処理して、両方の表面にタングステンをアニールして、タングステンでドーピングされた層を形成することができる。ルツボの内表面を前記と同様に処理し、それによってタングステン源20にエネルギーを与えて、タングステンをルツボの内表面に所望の深さにアニールする。タングステン源44にもエネルギーを与えて、ルツボの外表面にタングステンをアニールする。両方のタングステン源の周囲の領域を該源の加熱の間に不活性ガスで連続的にパージして、酸素の存在を最少限にし、該源の酸化および固体酸化物の形成を減少させる。
【0042】
タングステンをルツボの外表面にアニールするために、第二タングステン源にエネルギーを与え、加熱する。ルツボの外表面を一般に約1時間〜約10時間、より好ましくは約2時間〜約8時間、さらに好ましくは約4時間〜約6時間、最も好ましくは約5時時間にわたって蒸気タングステンに暴露して、約100ppba以上のタングステン、好ましくは約200ppba以上のタングステン、最も好ましくは約300ppba以上のタングステンをルツボの外表面に含有するタングステンでドーピングされた層を形成する。タングステンは約0.1mm〜約6mmで外表面に拡散されて、該表面に、拡散したタングステンの深さに相当する深さを有するタングステンでドーピングされた層を形成する。タングステンを含有する領域は、少なくとも約15マイクロメートルの直径を有する気泡を1mmにつき0個有する。
【0043】
ルツボの外表面だけを処理して、外表面だけにタングステンをアニールされたルツボを形成しうることを当業者は理解するであろう。外表面だけにおけるタングステンでドーピングされた層の形成は、図3に示す装置を使用し、第二タングステン源だけに所望の時間にわたってエネルギーを与えることによって行うことができる。この実施態様において、内表面を処理するタングステン源にエネルギーが与えられないので、外表面だけがアニールされる。
【0044】
本発明の選択的実施態様において、ストロンチウムでドーピングされたポリシリコンの製造およびルツボへの装填の前に、タングステンを含有する金属有機化合物を使用して、石英ルツボの内表面、外表面、または内表面および外表面の両方にタングステンをアニールすることができる。この実施態様において、金属有機化合物は、有機溶媒中のタングステン化合物の溶液である。該化合物を、ルツボの内表面、外表面、または内表面および外表面の両方に、約500〜約2000オングストロームの厚みで適用し、乾燥させる。次に、乾燥してシリカ層を形成するシリカゲルを使用して、処理されたルツボにシリカの層を適用する。シリカゲル積層を繰り返して、数層を形成することができる。次に、ルツボを約550℃〜約900℃の温度で、約1時間〜約10時間にわたってアニールして、2種類の層を相互拡散させ、それによってシリカマトリックスの物理的構造を変化させて、前記のように増加したガス溶解性の故に気泡の崩壊を生じる。アニールの間に、少なくとも約100ppbaのタングステンがルツボ表面に拡散され、有機成分が蒸発される。
【0045】
前記の積層段階の選択的実施態様において、好適な先駆溶液、例えばタングステンイソプロポキシドおよびテトラエチルオルトシリケートを使用するシリカおよびタングステン成分の相互混合を使用することができる。次に、相互に混合された成分を前記のように加熱して、有機成分を蒸発させ、タングステンをアニールし、アニール後に所望の物理的効果を得る。さらに、タングステンがシリカマトリックスに残留しうるような、タングステンおよび珪砂の混合物のアーク融解も、本発明によって使用することができる。アーク融解に好適なタングステン源は、タングステンの酸化物を包含する。
【0046】
前記に鑑みて、本発明の目的が達成されることが理解されるであろう。本発明の範囲を逸脱せず、前記シリコンドーピング法に種々の変更を加えることができるので、前記の説明に含まれる全ての内容は、例示するものであって、限定を意味するものではないと理解すべきものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ルツボの内表面にタングステンドーパントをアニールする装置を示す図。
【図2】 石英ルツボを示す図。
【図3】 ルツボの内表面および/または外表面にタングステンドーパントをアニールする装置を示す図。

Claims (10)

  1. 単結晶シリコンインゴットを成長させるシリカルツボにおいて、シリコンメルトを製造する方法であって、該方法が
    底壁および側壁形成物を有し、該底壁および側壁形成物が内表面および外表面を有するルツボに、ポリシリコンを装填し;
    該ポリシリコンを溶融させて、ルツボ内に溶融シリコン塊を形成し;
    該溶融シリコン塊をストロンチウムでドーピングし;および
    該溶融シリコン塊に接するルツボの側壁形成物の内表面に失透シリカの層を形成し、該層が該溶融シリコン塊中のストロンチウムによって核形成される;
    ことを含む方法。
  2. ストロンチウムドーパンドが、硝酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、蓚酸ストロンチウム、酢酸ストロンチウムおよび水酸化ストロンチウムから成る群から選択される請求項1に記載の方法。
  3. ストロンチウムドーパンドが、炭酸ストロンチウムおよび酸化ストロンチウムから成る群から選択される請求項1に記載の方法。
  4. ルツボの側壁形成物の内表面が失透され、底の内表面は失透されない請求項1に記載の方法。
  5. ルツボの側壁形成物の内表面および底の内表面の両方が失透される請求項1に記載の方法。
  6. 単結晶シリコンインゴットを成長させるシリカルツボにおいて、シリコンメルトを製造する方法であって、該方法が
    底および側壁形成物を有し、該底および側壁形成物が内表面および外表面を有するルツボに、ポリシリコンを装填し;
    該ポリシリコンを溶融させて、ルツボ内に溶融シリコン塊を形成し;
    該溶融シリコン塊をストロンチウムでドーピングし;
    該溶融シリコン塊に接するルツボの側壁形成物の内表面に失透シリカの層を形成し、該層が該溶融シリコン塊中のストロンチウムによって核形成され;および
    ルツボの側壁形成物の内表面が少なくとも部分的に失透した後に、該溶融シリコン塊に追加ドーパントを装填する;
    ことを含む方法。
  7. ストロンチウムドーパンドが、硝酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、蓚酸ストロンチウム、酢酸ストロンチウムおよび水酸化ストロンチウムから成る群から選択される請求項6に記載の方法。
  8. ストロンチウムドーパンドが、炭酸ストロンチウムおよび酸化ストロンチウムから成る群から選択される請求項6に記載の方法。
  9. 単結晶シリコンインゴットを成長させるシリカルツボにおいて、シリコンメルトを製造する方法であって、該方法が
    底壁および側壁形成物を有し、該底壁および側壁形成物が内表面および外表面を有するルツボに、ポリシリコンを装填し;
    該ポリシリコンを溶融させて、ルツボ内に溶融シリコン塊を形成し;
    該溶融シリコン塊をストロンチウムでドーピングし;および
    該溶融シリコン塊に接するルツボの内表面に失透シリカの層を形成し、該層が該溶融シリコン塊中のストロンチウムによって核形成される;
    ことを含む方法。
  10. 単結晶シリコンインゴットを成長させるシリカルツボにおいて、シリコンメルトを製造する方法であって、該方法が
    底壁および側壁形成物を有し、該底壁および側壁形成物が内表面および外表面を有するルツボに、ポリシリコンおよびストロンチウムを装填し;
    該ポリシリコンを溶融させて、ルツボ内に溶融シリコン塊を形成し;および
    該溶融シリコン塊に接するルツボの側壁形成物の内表面に失透シリカの層を形成し、該層が該溶融シリコン塊中のストロンチウムによって核形成される;
    ことを含む方法。
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