JP4436172B2 - 圧粉磁心用粉末、それを用いた圧粉磁心、ならびに、圧粉磁心の製造方法 - Google Patents
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Description
これに対し、圧粉磁心は、対象製品が小型で複雑形状であっても高い歩留まりで製造することができるので、上記した積層型磁心の代替品として広く用いられはじめている。
例えば、鉄粉の表面を酸化して絶縁皮膜を形成したのち、その鉄粉と、シリカゾル、シリコーン樹脂(バインダ)および有機チタンとを混練し、得られた混練物を圧縮成形したのち、非酸化雰囲気中で焼鈍する圧粉磁心の製造方法が提案されている(特許文献1を参照)。
更に、この製造方法で用いる鉄粉の粒径は75μm以上であるため、対象製品の微細な部位にも鉄粉を供給するためには、圧縮成形時の圧力を大きくしなければならない。そのため、使用金型の損耗も激しく、その寿命は短くなり、結局、製造コストは上昇する。すなわち、この製造方法は、実質的に対象製品の小型化には工業的に対応できないという問題がある。
この製造方法の場合、分散剤の作用効果で、混合時に磁性粉の凝集は起こらず、また、樹脂の熱硬化時に気泡の発生も抑制されるので、得られた圧粉磁心の機械的強度は高くなる。しかしながら、得られた圧粉磁心における磁性粉の充填率は0.8より小さいので、充分に高い磁束密度が得られないという問題がある。
この方法で得られた圧粉磁心は、磁性粉の固有抵抗値が大きくなるので鉄損は低減する。しかしながら、樹脂の熱硬化温度は200℃程度と低いので、より高温の雰囲気下で使用した場合、その信頼性に難点がある。
また、前記第1皮膜は、前記オルガノアルコキシシラン部分加水分解物の固形物換算質量が前記磁性粉の質量に対して0.001〜5質量%の質量に相当する厚みを有し、前記第2皮膜は、前記アルカリ−けい酸系ガラスの固形物換算質量が前記磁性粉の質量に対して0.001〜5質量%の質量に相当する厚みを有している構成とすることが好ましい(請求項2)。
また、前記オルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体が、Pを含有している構成とすることが好ましい(請求項3)。
また、前記オルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体が、Al、Zr、およびTiの1種または2種以上を含有している構成とすることが好ましい(請求項4。)
また、前記第1皮膜が下層皮膜と上層皮膜の2層構造を有し、前記下層皮膜はPを含有するオルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体から成り、前記上層皮膜はAl、Zr、およびTiの1種または2種以上を含有するオルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体から成る構成とすることが好ましい(請求項5。)
また、前記磁性粉の粒径が20〜100μmである構成とすることが好ましい(請求項6。)
また、本発明においては、請求項1〜6の何れかに記載の圧粉磁心用粉末を圧縮成形して成る圧粉磁心であって、前記第1皮膜の重縮合により形成された絶縁被膜によって、その表面全域が被覆されている磁性粉と、前記第2被膜の脱水・重縮合により形成されたアルカリ−けい酸系ガラスの脱水・重縮合物であって、前記絶縁被膜を介して前記磁性粉を互いに結着するアルカリ−けい酸系ガラスの脱水・重縮合物とを備えていることを特徴とする圧粉磁心が提供される(請求項7)。
前記第1皮膜が形成されている磁性粉とアルカリ−けい酸系ガラスを混合して、前記第1皮膜の表面全域にアルカリ−けい酸系ガラスから成る第2皮膜を形成する工程(以下、工程2という);
前記第1皮膜及び前記第2皮膜が形成されている磁性粉を圧縮成形する工程(以下、工程3という);および、
得られた成形体に温度500〜900℃の熱処理を施して前記第1皮膜の重縮合と前記第2皮膜の脱水・重縮合を進める工程(以下、工程4という);
を備えていることを特徴とする圧粉磁心の製造方法が提供される(請求項8)。
また、前記第1被膜を形成する工程では、前記第1皮膜の厚みを、前記オルガノアルコキシシラン部分加水分解物の固形物換算質量が前記磁性粉の質量に対して0.001〜5質量%の質量に相当する厚みとし、前記第2被膜を形成する工程では、前記第2皮膜の厚みを、前記アルカリ−けい酸系ガラスの固形物換算質量が前記磁性粉の質量に対して0.001〜5質量%の質量に相当する厚みとすることが好ましい(請求項9)。
また、前記第1皮膜を形成する工程が、Pを含有するオルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体を用いて前記磁性粉の表面全域を被覆する下層皮膜を形成し、ついで、Al、Zr、およびTiの1種または2種以上を含有するオルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体を用いて前記下層皮膜の表面全域を被覆する上層皮膜を形成する工程である構成とすることが好ましい(請求項10)。
したがって、この圧粉磁心の場合、低鉄損と高強度特性が両立している。
(1)まず、鉄損は、用いた磁性粉の渦電流損とヒステリシス損の和として表現されるが、実使用されている圧粉磁心の鉄損にとって、使用周波数との関係で影響を与えるのは渦電流損である。
渦電流は、外部磁界によって発生し、それは磁性粉の表面を流れる。
したがって、渦電流損を低減するためには、用いる磁性粉の比抵抗値を高め、かつ粉末粒径を小さくすればよいことになる。
(2)したがって、磁性粉の表面を被覆して絶縁皮膜を形成することにより、当該磁性粉の実効的な比抵抗値を高めれば、渦電流の発生は抑制され、渦電流損を低減させることができる。
(3)一方、磁性粉の粒径を小さくすることによっても渦電流損を低減させることができる。理論的には粒径が小さければ小さいほど渦電流損は低減する。
しかしながら、磁性粉が微細化すればするほど、その磁性粉の流動性は劣化するので、圧縮成形時においては、金型への高密度充填が困難になる。したがって、得られた圧粉磁心の嵩密度は低くなり、そのため機械的強度は低下する。
本発明は、磁性粉の表面を被覆する絶縁皮膜に関する上記した考察を踏まえ、そのための材料開発の研究の結果として開発されたものであって、その最大の特徴は、後述する第1皮膜と第2皮膜に集約されるといってもよい。
(1)工程1
工程1では、磁性粉の表面を被覆して第1皮膜が形成される。
ここで磁性粉の種類は格別限定されるものではなく、従来から圧粉磁心の原料として用いられているものであれば何であってもよい。例えば鉄粉、フェライト粉、センダスト粉、パーマロイ粉、パーメンジュール粉などをあげることができる。
なお、本発明でいうオルガノアルコキシシラン部分加水分解物、または/およびその前駆体とは次のようなものを指す。
まず、一般に、オルガノアルコキシシランは、触媒の存在下で、水を添加することによって加水分解して脱水・重縮合する。そして、この加水分解反応を完全に進めると、次式:
しかしながら、本発明のオルガノアルコキシシラン部分加水分解物とは、加水分解反応を最後まで完全に進めることなく、途中で加水分解反応を停止して得られるものである。
したがって、得られたものでは、オルガノアルコキシシランの一部は加水分解反応が進んで脱水・重縮合した状態にあり、残部は加水分解反応に対する活性を有する状態にあり、この両者が共存した系になっている。すなわち、部分的に加水分解反応が進行した状態になっている。
また、本発明でいうオルガノアルコキシシラン部分加水分解物の前駆体とは、加水分解反応によって上記した部分加水分解物を生成することができる状態にあるオルガノアルコキシシランのことをいう。
ここで、オルガノアルコキシシランとしては、アルキルアルコキシシランとアリールアルコキシシランのいずれであってもよく、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、アミノ含有トリメトキシシラン、エポキシ基含有トリアルコキシシランなどをあげることができる。
このX3570は、メチルトリメトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの混合物を、触媒である正リン酸と純水を溶解するイソプロピルアルコールの中で部分的に加水分解したものである。
また、他のオルガノアルコキシシラン部分加水分解物としては、触媒としてAl、Zr、Tiなどの有機金属化合物を用いて調製したもの、例えば有機Al化合物を用いたAX300(商品名、テー・エス・ビー社製)をあげることができる。
第1皮膜の形成に際しては、上記したオルガノアルコキシシラン部分加水分解物(またはその前駆体)とその希釈溶液である例えばイソプロピルアルコールを含む溶液に磁性粉を投入して室温下で全体を混合・撹拌し、ついで、遠心分離機で磁性粉を分離する。得られた磁性粉の表面には、オルガノアルコキシシラン部分加水分解物から成る第1皮膜が形成される。
このようなことから、第1被膜の厚みは、用いた部分加水分解物の固形物換算質量が磁性粉の質量に対して0.001〜5質量%の質量に相当するような厚みに設定することが好ましい。
なお、第1皮膜は、上記した材料から成る1層構造であってもよく、また1層目と同種の材料または異種の材料を用いて、2層、3層…と複数層の積層構造になっていてもよい。
工程2では、工程1で形成した第1皮膜の上に後述する第2皮膜が形成される。
この第2皮膜は、一般式:nSiO2・M2O(Mはアルカリ金属)で示されるアルカリ−けい酸系ガラスで構成されている。ここで、アルカリ成分としては、通常は、Na2Oであるが、K2OやLi2Oであってもよい。また、この第2皮膜は1種類のアルカリ成分から成るアルカリ−けい酸系ガラスで形成されていることに限定されるものではなく、種類の異なるアルカリ成分を有するアルカリ−けい酸系ガラスの混合物で形成されていてもよい。
この場合、用いるアルカリ−けい酸系ガラスとしては、例えば、ナトリウム−けい酸系ガラスとリチウム−けい酸系ガラスの混合水溶液であるAX124(商品名、テー・エス・ビー社製)が好適である。
この第2皮膜は、後述する工程4の熱処理を受けることにより、自らが保持する水和水が揮散・脱水して重縮合が進み、その結果、弾性を有し、また機械的強度も高い電気絶縁性の皮膜に転化する。
本発明の圧粉磁心用粉末は、上記した工程1と工程2を経て製造された磁性粉である。
すなわち、好適には粒径20〜100μmの磁性粉の表面が、オルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体から成る少なくとも1層の第1皮膜で被覆され、更にその第1皮膜がアルカリ−けい酸系ガラスから成る第2皮膜で被覆され、磁性粉の表面に少なくとも2層構造の皮膜が形成されている。
そして、上記した2層構造の皮膜がこの順序で形成されている本発明の磁性粉は、理由は不明であるが、流動性に優れている。そのため、圧縮成形の過程(工程3)で、磁性粉の粒径は20〜100μmと微細であるにもかかわらず良好な成形性を発揮する。その結果、機械的強度の高い成形体を得ることができる。
これは、X3570と第2皮膜を構成するアルカリ−けい酸系ガラスとの結合性があまり良好でないことに基因すると考えられる。
これは、AX300がOH基を有していることに基因するものと考えられる。
このようなことから、第1皮膜として、磁性粉の表面をX3570で被覆する下層皮膜と、その上を被覆する例えばAX300の上層皮膜との2層構造としたのち、その第1皮膜の上に第2皮膜を形成して全体として3層構造の皮膜を形成することが好ましい。
(3)工程3
工程3では、工程2で得られた磁性粉を圧縮成形して目的形状の成形体が製造される。
成形圧は350〜1000MPaに設定することが好ましい。350MPaより低い場合は圧縮不足で成形体の機械的強度を充分に高めることができず、成形体の搬送時に破損事故などが起こりやすいからである。また成形圧を1000MPaより高くすると、成形体が微小サイズのものである場合には金型の破損が起こることもあり、また金型寿命を短くするからである。より好ましい成形圧は400〜980MPaである。
工程4では、工程3で得られた成形体に熱処理を施して目的とする圧粉磁心が製造される。
この過程で、第1皮膜を構成するオルガノアルコキシシラン部分加水分解物の重縮合が進んで当該第1皮膜は電気絶縁性に優れているが、機械的強度はそれほど高くない絶縁皮膜に転化する。また同時に第2皮膜を構成するアルカリ−けい酸系ガラスの脱水・重縮合が進んで当該第2皮膜は機械的強度の高い絶縁皮膜に転化する。
熱処理温度は500〜900℃に設定される。温度を500℃よりも低くすると、第1皮膜と第2皮膜における重縮合が充分に進行しない。とくに第2皮膜における脱水・重縮合が進行しないので、得られた圧粉磁心の機械的強度は充分に高くならない。
1.粉末の調製
表1で示した平均粒径(μm)の鉄粉を用意した。
また、オルガノアルコキシシラン部分加水分解物(またはその前駆体)の皮膜形成用材料としては、X3570、AX300(いずれも商品名、テー・エス・ビー社製)を用意し、アルカリ−けい酸系ガラスの皮膜形成用の材料としては、AX124(商品名、テー・エス・ビー社製)を用意した。
なお、オルガノアルコキシシラン部分加水分解物とその前駆体の皮膜形成は次のようにして行った。
鉄粉1kgを上記皮膜形成用材料1リットル中に投入し、室温下で30分間混合・撹拌した。ついで、遠心分離機を用いて鉄粉を分離したのち、当該鉄粉を、温度80℃の熱風乾燥炉で1時間、更に温度180℃で1時間乾燥して皮膜(第1皮膜)を形成した。
上記皮膜形成用材料1リットルを撹拌しながら、ここに鉄粉1kgを投入して室温下で30分間混合・撹拌した。ついで、遠心分離機を用いて鉄粉を分離したのち、温度100℃の熱風乾燥炉で1時間乾燥して皮膜(第2皮膜)を形成した。
調製した各粉末につき、その流動性を調べた。流動性はJIS Z 2502に準拠して行い、落下時間が35秒以下である場合を○、35秒以上である場合を△、落下不可である場合を×として評価した。この結果を表1に示した。
各鉄粉を金型に充填した。なお、脂肪酸系ワックスを潤滑剤として鉄粉100質量部に対し0.6質量部配合した。
そして、600MPaの圧力で圧縮成形した。このとき、成形体にクラックが発生したか否かを目視観察した。クラック発生なしの場合を○、クラック発生ありの場合を×と判定し、その結果も表1に示した。
3.特性評価
得られた各圧粉磁心につき、下記の仕様で鉄損、圧環強度、比抵抗値を測定した。
鉄損:外径18mm、内径12mm、厚み8mmの円環コアにつき、周波数1KHz、磁束密度0.1Tの条件下で測定。
比抵抗値:上記円環コアと同様にして製造した4mm□×40mmの角材を用い、4端子法で測定。
以上の結果を一括して表1に示した。
1)鉄粉に第1皮膜と第2皮膜が形成されている実施例1〜6は、いずれも、成形性が良好であり、鉄損が低く、しかも圧環強度は高い。これに反し、鉄粉そのものを用いた比較例8の場合は、圧環強度は高いものの鉄損も著しく高い。
このことから、鉄損の低減にとって本発明における皮膜形成の有用性が明らかである。
2)第1皮膜にX3570やAX300を用いている実施例1〜6と、第1皮膜にAX124を用いている比較例1を対比して明らかなように、実施例1〜6はいずれも低鉄損であるが、比較例1の場合、圧環強度は高いが鉄損は著しく高い。
3)実施例1と比較例7を対比して明らかなように、両者はいずれも第1皮膜と第2皮膜が同じであるにもかかわらず、後者の鉄損は著しく高くなっている。これは、後者の熱処理温度が1000℃と著しく高温であるからである。
このようなことから、工程4における熱処理温度は、500〜900℃の範囲内にすべきであることがわかる。
Claims (10)
- 磁性粉と、
前記磁性粉の表面全域を被覆する第1皮膜と、
前記第1皮膜の表面全域を被覆する第2被覆と
を備える圧粉磁心用粉末であって、
前記第1皮膜は、
オルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体から成る少なくとも1層から成り、
前記第2皮膜は、
アルカリ−けい酸系ガラスから成る
ことを特徴とする圧粉磁心用粉末。 - 前記第1皮膜は、前記オルガノアルコキシシラン部分加水分解物の固形物換算質量が前記磁性粉の質量に対して0.001〜5質量%の質量に相当する厚みを有し、
前記第2皮膜は、前記アルカリ−けい酸系ガラスの固形物換算質量が前記磁性粉の質量に対して0.001〜5質量%の質量に相当する厚みを有していることを特徴とする請求項1に記載の圧粉磁心用粉末。 - 前記オルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体が、Pを含有している請求項1又は2に記載の圧粉磁心用粉末。
- 前記オルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体が、Al、Zr、およびTiの1種または2種以上を含有している請求項1〜3の何れかに記載の圧粉磁心用粉末。
- 前記第1皮膜が下層皮膜と上層皮膜の2層構造を有し、前記下層皮膜はPを含有するオルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体から成り、前記上層皮膜はAl、Zr、およびTiの1種または2種以上を含有するオルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体から成る請求項1又は2に記載の圧粉磁心用粉末。
- 前記磁性粉の粒径が20〜100μmである請求項1〜5の何れかに記載の圧粉磁心用粉末。
- 請求項1〜6の何れかに記載の圧粉磁心用粉末を圧縮成形して成る圧粉磁心であって、
前記第1皮膜の重縮合により形成された絶縁被膜によって、その表面全域が被覆されている磁性粉と、
前記第2被膜の脱水・重縮合により形成されたアルカリ−けい酸系ガラスの脱水・重縮合物であって、前記絶縁被膜を介して前記磁性粉を互いに結着するアルカリ−けい酸系ガラスの脱水・重縮合物と
を備えていることを特徴とする圧粉磁心。 - 磁性粉とオルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体とを混合して、前記磁性粉の表面全域を被覆する少なくとも1層の第1皮膜を形成する工程;
前記第1皮膜が形成されている磁性粉とアルカリ−けい酸系ガラスを混合して、前記第1皮膜の表面全域にアルカリ−けい酸系ガラスから成る第2皮膜を形成する工程;
前記第1皮膜及び前記第2皮膜が形成されている磁性粉を圧縮成形する工程;および、
得られた成形体に温度500〜900℃の熱処理を施して前記第1皮膜の重縮合と前記第2皮膜の脱水・重縮合を進める工程;
を備えていることを特徴とする圧粉磁心の製造方法。 - 前記第1被膜を形成する工程では、前記第1皮膜の厚みを、前記オルガノアルコキシシラン部分加水分解物の固形物換算質量が前記磁性粉の質量に対して0.001〜5質量%の質量に相当する厚みとし、
前記第2被膜を形成する工程では、前記第2皮膜の厚みを、前記アルカリ−けい酸系ガラスの固形物換算質量が前記磁性粉の質量に対して0.001〜5質量%の質量に相当する厚みとすることを特徴とする請求項8に記載の圧粉磁心の製造方法。 - 前記第1皮膜を形成する工程が、Pを含有するオルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体を用いて前記磁性粉の表面全域を被覆する下層皮膜を形成し、ついで、Al、Zr、およびTiの1種または2種以上を含有するオルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体を用いて前記下層皮膜の表面全域を被覆する上層皮膜を形成する工程である請求項8又は9に記載の圧粉磁心の製造方法。
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