JP2005294428A - 圧粉磁心用粉末、それを用いた圧粉磁心、ならびに、圧粉磁心の製造方法 - Google Patents

圧粉磁心用粉末、それを用いた圧粉磁心、ならびに、圧粉磁心の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 低鉄損でかつ高強度の圧粉磁心、それに用いる粉末と、この圧粉磁心の製造方法を提供する。
【解決手段】 この圧粉磁心は、表面はオルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体が重縮合して成る絶縁皮膜で被覆されている磁性粉と、前記磁性粉を互いに結着するアルカリ−けい酸系ガラスの脱水・重縮合物とから成り、この製造に用いる圧粉磁心用粉末は、磁性粉の表面がオルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体から成る少なくとも1層の第1皮膜で被覆され、更にその第1皮膜がアルカリ−けい酸系ガラスから成る第2皮膜で被覆されている粉末である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、圧粉磁心用粉末、それを用いた圧粉磁心、ならびにその圧粉磁心の製造方法に関し、更に詳しくは、高周波域における鉄損が小さく、同時に高い機械的強度を備えている圧粉磁心と、それに用いる粉末、更にはその粉末を用いた圧粉磁心の製造方法に関する。
例えば電気機器用インダクタンス素子の磁心としては、従来から、けい素鋼板の抜板を用いた積層型磁心が多用されている。しかしながら、最近の動向としてモータなどの駆動機器に組み込まれる磁心に関しては、薄型化、小型化が要求され、また形状も複雑化しているので、積層型磁心でこのような要求に対処しようとしても、けい素鋼板の打ち抜き加工の点で製造限界に近づき、そのため、製造時の歩留まりは著しく低下するという問題が生ずる。
また、高いエネルギー効率が期待される3次元構造の磁心を製造する場合、積層型磁心では、打ち抜き加工、抜板の積層などの作業のため工数増を招き、コスト上昇は避けられない。
これに対し、圧粉磁心は、対象製品が小型で複雑形状であっても高い歩留まりで製造することができるので、上記した積層型磁心の代替品として広く用いられはじめている。
この圧粉磁心は、一般に、鉄粉、センダスト粉、パーマロイ粉などの磁性粉の表面を、水ガラスやシリコーン樹脂のような絶縁性バインダで被覆し、その磁性粉を金型に充填したのち圧縮成形し、得られた成形体に熱処理を施して製造されている。
例えば、鉄粉の表面を酸化して絶縁皮膜を形成したのち、その鉄粉と、シリカゾル、シリコーン樹脂(バインダ)および有機チタンとを混練し、得られた混練物を圧縮成形したのち、非酸化雰囲気中で焼鈍する圧粉磁心の製造方法が提案されている(特許文献1を参照)。
この製造方法の場合、鉄粉とシリコーン樹脂との接着力が弱いので、得られた圧粉磁心の機械的強度が充分に確保できないという問題がある。また、鉄粉とバインダとの界面に空隙が発生しやすく、そのため、得られた圧粉磁心の透磁率の低下や磁束密度の低下などが起こり、高い磁気特性が得難いという問題がある。
更に、この製造方法で用いる鉄粉の粒径は75μm以上であるため、対象製品の微細な部位にも鉄粉を供給するためには、圧縮成形時の圧力を大きくしなければならない。そのため、使用金型の損耗も激しく、その寿命は短くなり、結局、製造コストは上昇する。すなわち、この製造方法は、実質的に対象製品の小型化には工業的に対応できないという問題がある。
また、磁性粉を、一旦、オレフィン−マレイン酸塩コポリマーのような分散剤と混合し、その後、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂と混合し、その混合物に加圧成形を行い、ついで大気中での熱処理を行って樹脂を硬化する方法が提案されている(特許文献2を参照)。
この製造方法の場合、分散剤の作用効果で、混合時に磁性粉の凝集は起こらず、また、樹脂の熱硬化時に気泡の発生も抑制されるので、得られた圧粉磁心の機械的強度は高くなる。しかしながら、得られた圧粉磁心における磁性粉の充填率は0.8より小さいので、充分に高い磁束密度が得られないという問題がある。
また、磁性粉を一旦解砕してその分散性を高め、ついでその磁性粉を、リン酸、ホウ酸、マグネシウムイオンを含む処理液で処理して磁性粉の表面に電気絶縁層を形成し、ポリイミド樹脂(バインダ)と混合し、成形、樹脂の熱硬化処理を順次行う圧粉磁心の製造方法が提案されている(特許文献3を参照)。
この方法で得られた圧粉磁心は、磁性粉の固有抵抗値が大きくなるので鉄損は低減する。しかしながら、樹脂の熱硬化温度は200℃程度と低いので、より高温の雰囲気下で使用した場合、その信頼性に難点がある。
特開平9−260126号公報 特開平11−126721号公報 特開平11−354359号公報
本発明は、高周波域での鉄損が小さいので高エネルギー効率であり、同時に機械的強度も大きい圧粉磁心を提供することを目的とし、また、そのような圧粉磁心を製造するための粉末と、その粉末を用いて上記した圧粉磁心を製造する方法の提供を目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明においては、まず、磁性粉の表面がオルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体から成る少なくとも1層の第1皮膜で被覆され、更に前記第1皮膜がアルカリ−けい酸系ガラスから成る第2皮膜で被覆されていることを特徴とする圧粉磁心用粉末が提供される。
また、本発明においては、表面はオルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体が重縮合して成る絶縁皮膜で被覆されている磁性粉と、前記磁性粉を互いに結着するアルカリ−けい酸系ガラスの脱水・重縮合物とから成ることを特徴とする圧粉磁心が提供される。
更に、本発明においては、磁性粉とオルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体とを混合して、前記磁性粉の表面を被覆する少なくとも1層の第1皮膜を形成する工程(以下、工程1という);
前記第1皮膜が形成されている磁性粉とアルカリ−けい酸系ガラスを混合して、前記第1皮膜の上にアルカリ−けい酸系ガラスから成る第2皮膜を形成する工程(以下、工程2という);
前記第2皮膜が形成されている磁性粉を圧縮成形する工程(以下、工程3という);および、
得られた成形体に温度500〜900℃の熱処理を施して前記第1皮膜の重縮合と前記第2皮膜の脱水・重縮合を進める工程(以下、工程4という);
を備えていることを特徴とする圧粉磁心の製造方法が提供される。
この第1皮膜は、磁性粉の流動性を高めることにより工程3で成形性を向上させて成形体を高強度化し、また工程4で重縮合して絶縁皮膜に転化し、圧粉磁心の鉄損を低減させる。一方、第2皮膜は同じく工程4で、脱水・重縮合して高強度の皮膜に転化し、圧粉磁心の機械的強度を高める。
したがって、この圧粉磁心の場合、低鉄損と高強度特性が両立している。
最初に、本発明の圧粉磁心の開発に関する技術思想を説明する。
(1)まず、鉄損は、用いた磁性粉の渦電流損とヒステリシス損の和として表現されるが、実使用されている圧粉磁心の鉄損にとって、使用周波数との関係で影響を与えるのは渦電流損である。
渦電流は、外部磁界によって発生し、それは磁性粉の表面を流れる。
そして、この渦電流損の大きさは、使用周波数が一定であるとすれば、磁性粉の比抵抗値(μΩ・m)に反比例し、粉末粒径(μm)の2乗に正比例することが知られている。
したがって、渦電流損を低減するためには、用いる磁性粉の比抵抗値を高め、かつ粉末粒径を小さくすればよいことになる。
(2)したがって、磁性粉の表面を被覆して絶縁皮膜を形成することにより、当該磁性粉の実効的な比抵抗値を高めれば、渦電流の発生は抑制され、渦電流損を低減させることができる。
そのためには、この絶縁皮膜用の材料の開発が必要となる。
(3)一方、磁性粉の粒径を小さくすることによっても渦電流損を低減させることができる。理論的には粒径が小さければ小さいほど渦電流損は低減する。
しかしながら、磁性粉が微細化すればするほど、その磁性粉の流動性は劣化するので、圧縮成形時においては、金型への高密度充填が困難になる。したがって、得られた圧粉磁心の嵩密度は低くなり、そのため機械的強度は低下する。
このようなことから、微細な磁性粉を用いる場合には、その表面を被覆する絶縁皮膜は優れた絶縁性を備えるとともに、同時に、磁性粉の流動性を高めて圧縮成形時の成形性を確保し、もって得られた圧粉磁心の高強度化に資する材料で構成されることが必要になる。
本発明は、磁性粉の表面を被覆する絶縁皮膜に関する上記した考察を踏まえ、そのための材料開発の研究の結果として開発されたものであって、その最大の特徴は、後述する第1皮膜と第2皮膜に集約されるといってもよい。
本発明の圧粉磁心は次のようにして製造される。
(1)工程1
工程1では、磁性粉の表面を被覆して第1皮膜が形成される。
ここで磁性粉の種類は格別限定されるものではなく、従来から圧粉磁心の原料として用いられているものであれば何であってもよい。例えば鉄粉、フェライト粉、センダスト粉、パーマロイ粉、パーメンジュール粉などをあげることができる。
これら磁性粉としては、その粒径が20〜100μmであるものを用いることが好ましい。粒径が100μmより大きいものは、渦電流損(鉄損)の低減効果を発揮しないからである。また粒径が20μmより小さいものは、後述する第1皮膜と第2皮膜で順次被覆したとしても、やはり成形性に難が生じ、所定形状に賦形するためには、例えば1000MPa以上の成形圧を印加することが必要となる。そのため、金型寿命の短縮や、成形体における微細部位の成形不充分などの問題が発生して工業的とはいいがたい。
この磁性粉末の表面を被覆する第1皮膜は、オルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体で構成されている。
なお、本発明でいうオルガノアルコキシシラン部分加水分解物、または/およびその前駆体とは次のようなものを指す。
まず、一般に、オルガノアルコキシシランは、触媒の存在下で、水を添加することによって加水分解して脱水・重縮合する。そして、この加水分解反応を完全に進めると、次式:
Figure 2005294428
で示される構造単位を有する3次元の網状構造が、オルガノアルコキシシラン加水分解物として得られる。
しかしながら、本発明のオルガノアルコキシシラン部分加水分解物とは、加水分解反応を最後まで完全に進めることなく、途中で加水分解反応を停止して得られるものである。
したがって、得られたものでは、オルガノアルコキシシランの一部は加水分解反応が進んで脱水・重縮合した状態にあり、残部は加水分解反応に対する活性を有する状態にあり、この両者が共存した系になっている。すなわち、部分的に加水分解反応が進行した状態になっている。
その場合、加水分解反応の進行度合によって、上記した共存系において、重縮合状態にある生成物といまだ重縮合状態を完了していない生成物との混在割合が変化する。
また、本発明でいうオルガノアルコキシシラン部分加水分解物の前駆体とは、加水分解反応によって上記した部分加水分解物を生成することができる状態にあるオルガノアルコキシシランのことをいう。
具体的には、オルガノアルコキシシランそのものや、オルガノアルコキシシランに部分的な加水分解反応を進めた系そのものである。
ここで、オルガノアルコキシシランとしては、アルキルアルコキシシランとアリールアルコキシシランのいずれであってもよく、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、アミノ含有トリメトキシシラン、エポキシ基含有トリアルコキシシランなどをあげることができる。
このようなオルガノアルコキシシラン部分加水分解物としては、例えばX3570(商品名、テー・エス・ビー社製)をあげることができる。
このX3570は、メチルトリメトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの混合物を、触媒である正リン酸と純水を溶解するイソプロピルアルコールの中で部分的に加水分解したものである。
このX3570は、Si−Oの網状構造の中にP成分が取り込まれて重縮合した構造体を主成分とし、後述する圧粉磁心の鉄損低下にとっては有用である。
また、他のオルガノアルコキシシラン部分加水分解物としては、触媒としてAl、Zr、Tiなどの有機金属化合物を用いて調製したもの、例えば有機Al化合物を用いたAX300(商品名、テー・エス・ビー社製)をあげることができる。
したがって、これら有機金属化合物を触媒とした部分加水分解物は、用いた触媒の種類に応じて、Al、Zr、Tiなどが含有されている。
第1皮膜の形成に際しては、上記したオルガノアルコキシシラン部分加水分解物(またはその前駆体)とその希釈溶液である例えばイソプロピルアルコールを含む溶液に磁性粉を投入して室温下で全体を混合・撹拌し、ついで、遠心分離機で磁性粉を分離する。得られた磁性粉の表面には、オルガノアルコキシシラン部分加水分解物から成る第1皮膜が形成される。
その場合、形成される第1被膜の厚みが厚すぎると、製造された圧粉磁心における磁性粉の相対的な割合が少なくなるので、圧粉磁心の磁気特性の低下が引き起こされ、逆に厚みが薄すぎると、工程4で形成される絶縁皮膜の電気絶縁性の低下、すなわち圧粉磁心の比抵抗値の低下が引き起こされる。
このようなことから、第1被膜の厚みは、用いた部分加水分解物の固形物換算質量が磁性粉の質量に対して0.001〜5質量%の質量に相当するような厚みに設定することが好ましい。
この第1皮膜の上記構成材料は、後述する工程4における熱処理を受けて重縮合が進み、自らは電気的な絶縁皮膜に転化し、磁性粉の比抵抗値を高めて渦電流損の発生を抑制する。
なお、第1皮膜は、上記した材料から成る1層構造であってもよく、また1層目と同種の材料または異種の材料を用いて、2層、3層…と複数層の積層構造になっていてもよい。
(2)工程2
工程2では、工程1で形成した第1皮膜の上に後述する第2皮膜が形成される。
この第2皮膜は、一般式:nSiO2・M2O(Mはアルカリ金属)で示されるアルカリ−けい酸系ガラスで構成されている。ここで、アルカリ成分としては、通常は、Na2Oであるが、K2OやLi2Oであってもよい。また、この第2皮膜は1種類のアルカリ成分から成るアルカリ−けい酸系ガラスで形成されていることに限定されるものではなく、種類の異なるアルカリ成分を有するアルカリ−けい酸系ガラスの混合物で形成されていてもよい。
この第2皮膜の形成に際しては、工程1で得られた磁性粉とアルカリ−けい酸系ガラスの水溶液とを室温下で混合・撹拌し、ついで遠心分離機で磁性粉を分離したのち、通常、温度100℃で60分程度の加熱処理を施す。
この場合、用いるアルカリ−けい酸系ガラスとしては、例えば、ナトリウム−けい酸系ガラスとリチウム−けい酸系ガラスの混合水溶液であるAX124(商品名、テー・エス・ビー社製)が好適である。
この過程で、水は蒸発し、磁性粉の第1皮膜の上には当該第1皮膜を被覆して、アルカリ−けい酸系ガラス(固形物)から成る第2皮膜が形成される。
この第2皮膜は、後述する工程4の熱処理を受けることにより、自らが保持する水和水が揮散・脱水して重縮合が進み、その結果、弾性を有し、また機械的強度も高い電気絶縁性の皮膜に転化する。
なお、この第2皮膜の形成の厚みをあまり厚くすると、工程4の熱処理時に、熱応力によって微細クラックが発生して機械的強度の低下を引き起こし、またあまり薄くすると、やはり機械的強度は低下して、得られた圧粉磁心の機械的強度に悪影響を与える。このようなことから、第2皮膜の厚みは、用いたアルカリ−けい酸系ガラスの固形物換算量が磁性粉の質量に対して0.001〜5質量%に相当する質量になる厚みであることが好ましい。
ここで、本発明の圧粉磁心用粉末について説明する。
本発明の圧粉磁心用粉末は、上記した工程1と工程2を経て製造された磁性粉である。
すなわち、好適には粒径20〜100μmの磁性粉の表面が、オルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体から成る少なくとも1層の第1皮膜で被覆され、更にその第1皮膜がアルカリ−けい酸系ガラスから成る第2皮膜で被覆され、磁性粉の表面に少なくとも2層構造の皮膜が形成されている。
そして、後述する工程3と工程4を経由することにより、第1皮膜は絶縁皮膜に転化して渦電流損の発生を抑制し、また第2皮膜は後述する工程3で各磁性粉を結着し、工程4の終了後にあっては、電気絶縁性の確保にも寄与するが主として圧粉磁心の機械的強度の向上に寄与する皮膜に転化する。
そして、上記した2層構造の皮膜がこの順序で形成されている本発明の磁性粉は、理由は不明であるが、流動性に優れている。そのため、圧縮成形の過程(工程3)で、磁性粉の粒径は20〜100μmと微細であるにもかかわらず良好な成形性を発揮する。その結果、機械的強度の高い成形体を得ることができる。
なお、本発明者らの実験によれば、例えば上記した2層構造の皮膜が形成されている磁性粉において、渦電流損の発生を抑制する第1皮膜の材料として前記したX3570を用いた場合、得られた圧粉磁心の鉄損は低減するが、他方では機械的強度の低下が認められる。
これは、X3570と第2皮膜を構成するアルカリ−けい酸系ガラスとの結合性があまり良好でないことに基因すると考えられる。
一方、第1皮膜の材料としてAX300を用いた圧粉磁心の場合、上記した場合とは逆に、機械的強度は良好であるが、他方では鉄損の増加が認められる。
これは、AX300がOH基を有していることに基因するものと考えられる。
このようなことから、第1皮膜として、磁性粉の表面をX3570で被覆する下層皮膜と、その上を被覆する例えばAX300の上層皮膜との2層構造としたのち、その第1皮膜の上に第2皮膜を形成して全体として3層構造の皮膜を形成することが好ましい。
中間に位置する前記上層皮膜を構成する例えばAX300のOH基の働きで、第1皮膜における下層皮膜と第2皮膜との間で良好な結合性が確保されることになる。すなわち、このような皮膜構成とすることにより、鉄損の低減効果も大きく、かつ機械的強度も高い圧粉磁心が得られる。
(3)工程3
工程3では、工程2で得られた磁性粉を圧縮成形して目的形状の成形体が製造される。
具体的には、工程2で得られた磁性粉(処理粉)を金型に充填して常温下で圧縮成形する。このとき、処理粉の成形性を高めるために、処理粉に対し0.2〜1質量%程度の脂肪酸系ワックスを潤滑剤として配合することが好ましい。
成形圧は350〜1000MPaに設定することが好ましい。350MPaより低い場合は圧縮不足で成形体の機械的強度を充分に高めることができず、成形体の搬送時に破損事故などが起こりやすいからである。また成形圧を1000MPaより高くすると、成形体が微小サイズのものである場合には金型の破損が起こることもあり、また金型寿命を短くするからである。より好ましい成形圧は400〜980MPaである。
(4)工程4
工程4では、工程3で得られた成形体に熱処理を施して目的とする圧粉磁心が製造される。
この過程で、第1皮膜を構成するオルガノアルコキシシラン部分加水分解物の重縮合が進んで当該第1皮膜は電気絶縁性に優れているが、機械的強度はそれほど高くない絶縁皮膜に転化する。また同時に第2皮膜を構成するアルカリ−けい酸系ガラスの脱水・重縮合が進んで当該第2皮膜は機械的強度の高い絶縁皮膜に転化する。
したがって、得られた圧粉磁心は、高い比抵抗値と高い機械的強度を同時に満たすものになっている。
熱処理温度は500〜900℃に設定される。温度を500℃よりも低くすると、第1皮膜と第2皮膜における重縮合が充分に進行しない。とくに第2皮膜における脱水・重縮合が進行しないので、得られた圧粉磁心の機械的強度は充分に高くならない。
また、温度を900℃より高くすると、第1皮膜を構成するオルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体に含まれているP、Al、Zr、Tiなど(いずれも合成時に使用する材料の構成成分)が磁性粉に熱拡散することにより第1皮膜を破壊し、その結果、第1皮膜の絶縁皮膜への転化が不充分となり、得られた圧粉磁心の比抵抗値が低下する。
熱処理時の雰囲気は格別限定されるものではなく、大気のような酸化性雰囲気、不活性雰囲気、真空などいずれを採用してもよい。
実施例1,2、比較例1〜4
1.粉末の調製
表1で示した平均粒径(μm)の鉄粉を用意した。
また、オルガノアルコキシシラン部分加水分解物(またはその前駆体)の皮膜形成用材料としては、X3570、AX300(いずれも商品名、テー・エス・ビー社製)を用意し、アルカリ−けい酸系ガラスの皮膜形成用の材料としては、AX124(商品名、テー・エス・ビー社製)を用意した。
これらの皮膜形成材料のうち、X3570とAX300はいずれもイソプロピルアルコールで溶解し、AX124は純水で溶解した。その場合、X3570、AX300、AX124の濃度を表1で示したように変化させた。なお、表1において、例えばX3570−10は、X3570の濃度が10%であるイソプロピルアルコール溶液であることを示している。
以上の材料を用い、下記のようにして鉄粉の表面に順次皮膜を形成し、表1で示したの皮膜を有する磁性粉を調製した。
なお、オルガノアルコキシシラン部分加水分解物とその前駆体の皮膜形成は次のようにして行った。
鉄粉1kgを上記皮膜形成用材料1リットル中に投入し、室温下で30分間混合・撹拌した。ついで、遠心分離機を用いて鉄粉を分離したのち、当該鉄粉を、温度80℃の熱風乾燥炉で1時間、更に温度180℃で1時間乾燥して皮膜(第1皮膜)を形成した。
また、アルカリ−けい酸系ガラスの皮膜形成は次のようにして行った。
上記皮膜形成用材料1リットルを撹拌しながら、ここに鉄粉1kgを投入して室温下で30分間混合・撹拌した。ついで、遠心分離機を用いて鉄粉を分離したのち、温度100℃の熱風乾燥炉で1時間乾燥して皮膜(第2皮膜)を形成した。
調製した各粉末につき、その流動性を調べた。流動性はJIS Z 2502に準拠して行い、落下時間が35秒以下である場合を○、35秒以上である場合を△、落下不可である場合を×として評価した。この結果を表1に示した。
2.圧粉磁心の製造
各鉄粉を金型に充填した。なお、脂肪酸系ワックスを潤滑剤として鉄粉100質量部に対し0.6質量部配合した。
そして、600MPaの圧力で圧縮成形した。このとき、成形体にクラックが発生したか否かを目視観察した。クラック発生なしの場合を○、クラック発生ありの場合を×と判定し、その結果も表1に示した。
ついで、各成形体に、N2雰囲気中において表1に示した温度で1時間の熱処理を行って圧粉磁心を製造した。
3.特性評価
得られた各圧粉磁心につき、下記の仕様で鉄損、圧環強度、比抵抗値を測定した。
鉄損:外径18mm、内径12mm、厚み8mmの円環コアにつき、周波数1KHz、磁束密度0.1Tの条件下で測定。
圧環強度:外径18mm、内径12mm、厚み8mmの円環コアにつき、森試験機製作所製の材料試験機を用いて測定。
比抵抗値:上記円環コアと同様にして製造した4mm□×40mmの角材を用い、4端子法で測定。
以上の結果を一括して表1に示した。
Figure 2005294428
表1から次のことが明らかである。
1)鉄粉に第1皮膜と第2皮膜が形成されている実施例1〜6は、いずれも、成形性が良好であり、鉄損が低く、しかも圧環強度は高い。これに反し、鉄粉そのものを用いた比較例8の場合は、圧環強度は高いものの鉄損も著しく高い。
このことから、鉄損の低減にとって本発明における皮膜形成の有用性が明らかである。
また、実施例1〜6の鉄損は、比較例9(電磁鋼板)の鉄損よりも低い。すなわち、実施例1〜6は電磁鋼板の代替品としての性能を充分に備えている。
2)第1皮膜にX3570やAX300を用いている実施例1〜6と、第1皮膜にAX124を用いている比較例1を対比して明らかなように、実施例1〜6はいずれも低鉄損であるが、比較例1の場合、圧環強度は高いが鉄損は著しく高い。
このようなことから、AX124(アルカリ−けい酸系ガラス)は圧粉磁心の高強度化にとって有用であり、X3570やAX300(オルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体)は圧粉磁心の低鉄損化にとって有用であることがわかる。
3)実施例1と比較例7を対比して明らかなように、両者はいずれも第1皮膜と第2皮膜が同じであるにもかかわらず、後者の鉄損は著しく高くなっている。これは、後者の熱処理温度が1000℃と著しく高温であるからである。
また、比較例4,6の場合、第1皮膜と第2皮膜を形成しているにもかかわらず、それらは低鉄損であるとはいえ圧環強度が著しく低い。これは熱処理温度が400℃と低温であるからである。
このようなことから、工程4における熱処理温度は、500〜900℃の範囲内にすべきであることがわかる。
本発明の圧粉磁心は、低鉄損であると同時に高強度である。したがって、この圧粉磁心は、従来のけい素鋼板を用いた積層型磁心の代替品として、トランスやインダクタなどの磁心、モータ用コア、その他の電磁部品に用いることができる。

Claims (8)

  1. 磁性粉の表面が、オルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体から成る少なくとも1層の第1皮膜で被覆され、更に前記第1皮膜がアルカリ−けい酸系ガラスから成る第2皮膜で被覆されていることを特徴とする圧粉磁心用粉末。
  2. 前記オルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体が、Pを含有している請求項1の圧粉磁心用粉末。
  3. 前記オルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体が、Al、Zr、およびTiの1種または2種以上を含有している請求項1の圧粉磁心用粉末。
  4. 前記第1皮膜が下層皮膜と上層皮膜の2層構造を有し、前記下層皮膜はPを含有するオルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体から成り、前記上層皮膜はAl、Zr、およびTiの1種または2種以上を含有するオルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体から成る請求項1の圧粉磁心用粉末。
  5. 前記磁性粉の粒径が20〜100μmである請求項1の圧粉磁心用粉末。
  6. 表面はオルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体が重縮合して成る絶縁皮膜で被覆されている磁性粉と、前記磁性粉を互いに結着するアルカリ−けい酸系ガラスの脱水・重縮合物とから成ることを特徴とする圧粉磁心。
  7. 磁性粉とオルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体とを混合して、前記磁性粉の表面を被覆する少なくとも1層の第1皮膜を形成する工程;
    前記第1皮膜が形成されている磁性粉とアルカリ−けい酸系ガラスを混合して、前記第1皮膜の上にアルカリ−けい酸系ガラスから成る第2皮膜を形成する工程;
    前記第2皮膜が形成されている磁性粉を圧縮成形する工程;および、
    得られた成形体に温度500〜900℃の熱処理を施して前記第1皮膜の重縮合と前記第2皮膜の脱水・重縮合を進める工程;
    を備えていることを特徴とする圧粉磁心の製造方法。
  8. 前記第1皮膜を形成する工程が、Pを含有するオルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体を用いて前記磁性粉の表面を被覆する下層皮膜を形成し、ついで、Al、Zr、およびTiの1種または2種以上を含有するオルガノアルコキシシラン部分加水分解物または/およびその前駆体を用いて前記下層皮膜の表面を被覆する上層皮膜を形成する工程である請求項7の圧粉磁心の製造方法。
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