JP4435640B2 - ゴルフボール - Google Patents

ゴルフボール Download PDF

Info

Publication number
JP4435640B2
JP4435640B2 JP2004221097A JP2004221097A JP4435640B2 JP 4435640 B2 JP4435640 B2 JP 4435640B2 JP 2004221097 A JP2004221097 A JP 2004221097A JP 2004221097 A JP2004221097 A JP 2004221097A JP 4435640 B2 JP4435640 B2 JP 4435640B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cover
golf ball
less
reinforcing layer
hardness
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004221097A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006034745A (ja
Inventor
誠一郎 遠藤
政利 横田
Original Assignee
Sriスポーツ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sriスポーツ株式会社 filed Critical Sriスポーツ株式会社
Priority to JP2004221097A priority Critical patent/JP4435640B2/ja
Priority to US11/176,341 priority patent/US8419570B2/en
Publication of JP2006034745A publication Critical patent/JP2006034745A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4435640B2 publication Critical patent/JP4435640B2/ja
Priority to US13/804,867 priority patent/US20130203523A1/en
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/007Characteristics of the ball as a whole
    • A63B37/0072Characteristics of the ball as a whole with a specified number of layers
    • A63B37/0076Multi-piece balls, i.e. having two or more intermediate layers
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/0023Covers
    • A63B37/0029Physical properties
    • A63B37/0031Hardness
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A63SPORTS; GAMES; AMUSEMENTS
    • A63BAPPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
    • A63B37/00Solid balls; Rigid hollow balls; Marbles
    • A63B37/0003Golf balls
    • A63B37/0023Covers
    • A63B37/0029Physical properties
    • A63B37/0033Thickness

Description

本発明は、ゴルフボールに関する。詳細には、本発明は、コア、中間層及びカバーを備えた、マルチピースゴルフボールに関する。
ゴルフボールに対するゴルファーの最大の関心事は、飛行性能である。ゴルファーは特に、ドライバーでのショットにおける飛距離を重視する。ゴルファーはまた、ロングアイアン及びミドルアイアンでのショットにおける飛距離も重視する。
ゴルファーは、ゴルフボールのスピン性能も重視する。バックスピンの速度が大きいと、ランが小さい。ゴルファーにとって、バックスピンのかかりやすいゴルフボールは、目標地点に静止させやすい。サイドスピンの速度が大きいと、ゴルフボールは曲がりやすい。ゴルファーにとって、サイドスピンのかかりやすいゴルフボールは、意図的に曲げやすい。スピン性能に優れたゴルフボールは、コントロール性能に優れている。上級ゴルファーは、特にショートアイアンでのショットにおけるコントロール性能を重視する。
ゴルファーにとって、ゴルフボールの耐久性も重要である。繰り返しの打撃によっても破損しないゴルフボールが、望まれている。さらに、クラブヘッドのリーディングエッジで打撃されたときに、カバーにカット傷やシワが生じにくいゴルフボールが、望まれている。
飛行性能、コントロール性能及び耐久性の観点から、種々の構造のゴルフボールが提案されている。例えば、特開平10−179795号公報には、コアと、アイオノマー樹脂からなる中間層と、ポリウレタンからなるカバーとを備えたゴルフボールが開示されている。
特開平10−179795号公報
飛行性能の面では、高弾性なカバーが有利である。しかし、高弾性なカバーは、コントロール性能を阻害しやすい。コントロール性能の面では、軟質なカバーが有利である。しかし、軟質なカバーは、飛行性能及び耐久性の面では不利である。ゴルファーのゴルフボールに対する要求は、近年ますますエスカレートしている。飛行性能、コントロール性能及び耐久性の高次元でのバランスが、切望されている。本発明の目的は、飛行性能、コントロール性能及び耐久性に優れたゴルフボールの提供にある。
本発明に係るゴルフボールは、球状のコアと、このコアの外側に位置する中間層と、この中間層の外側に位置する補強層と、この補強層の外側に位置するカバーとを備える。この中間層の基材ポリマーの主成分は、アイオノマー樹脂である。この中間層のショアD型硬度計で測定された硬度Hmは、55以上である。このカバーの基材ポリマーの主成分は、熱可塑性ポリウレタンエラストマーである。このカバーの厚みTcは、0.6mm以下である。このカバーのショアD型硬度計で測定された硬度Hcは、54以下である。このカバーの厚みTcに対する補強層の厚みTrの比(Tr/Tc)は、0.005以上3.0以下である。
好ましくは、補強層の基材ポリマーは、熱硬化性樹脂である。好ましくは、この補強層の引張強さは、150kgf/cm以上500kgf/cm以下である。好ましくは、この補強層の鉛筆硬度は、4B以上3H以下である。
ショートアイアンでのショットでは、ヘッドスピードが低いので、ゴルフボールの変形量は小さい。ショートアイアンでのショットでは、スピン速度は、主としてカバーの表面の材質に依存する。本発明に係るゴルフボールは、主成分が熱可塑性ポリウレタンエラストマーであって硬度Hcが54以下であるカバーを備えているので、インパクトにおけるゴルフボールとクラブフェースとのスリップが抑制される。このゴルフボールでは、ショートアイアンでのショットにおけるスピン速度が大きい。このゴルフボールは、ショートアイアンでのショットにおけるコントロール性能に優れる。
ドライバーでのショットでは、カバーと共に、中間層及びコアも大きく変形する。硬度Hcが低いカバーは反発性能の点では不利であるが、このカバーは極めて薄いので、反発性能への悪影響は小さい。このゴルフボールでは、中間層が反発性能に寄与する。このゴルフボールは、ドライバーでのショットにおける飛行性能に優れている。
ロングアイアン及びミドルアイアンでのショットでは、スピン速度は、主としてカバーの変形挙動に依存する。このカバーは極めて薄いので、硬度Hcが小さいにもかかわらず、その変形量は小さい。このゴルフボールがロングアイアン又はミドルアイアンで打撃されたときのスピン速度は、小さい。小さなスピン速度は、大きな飛距離を招来する。このゴルフボールは、ロングアイアン及びミドルアイアンでのショットにおける飛行性能に優れる。
クラブフェースのリーディングエッジでゴルフボールが打撃されると、カバーにシワが生じることがある。特に、薄いカバーでは、シワが生じやすい。本発明に係るゴルフボールでは、補強層がシワを抑制する。補強層はまた、繰り返し打撃によるカバーの破壊も抑制する。このゴルフボールは、カバーが薄いにもかかわらず、耐久性に優れる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボール2が示された一部切り欠き断面図である。このゴルフボール2は、球状のコア4と、このコア4を覆う中間層6と、この中間層6を覆う補強層8と、この補強層8を覆うカバー10とを備えている。カバー10の表面には、多数のディンプル12が形成されている。カバー10の表面のうちディンプル12以外の部分は、ランド14である。このゴルフボール2は、カバー10の外側にペイント層及びマーク層を備えているが、これらの層の図示は省略されている。
このゴルフボール2の直径は、40mmから45mmである。米国ゴルフ協会(USGA)の規格が満たされるとの観点から、直径は42.67mm以上が好ましい。空気抵抗抑制の観点から、直径は44mm以下が好ましく、42.80mm以下がより好ましい。このゴルフボール2の質量は、40g以上50g以下である。大きな慣性が得られるとの観点から、質量は44g以上が好ましく、45.00g以上がより好ましい。USGAの規格が満たされるとの観点から、質量は45.93g以下が好ましい。
コア4は通常、ゴム組成物が架橋されることで得られる。好ましい基材ゴムとして、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体及び天然ゴムが挙げられる。反発性能の観点から、ポリブタジエンが好ましい。ポリブタジエンと他のゴムとが併用される場合は、ポリブタジエンが主成分とされるのが好ましい。具体的には、全基材ゴムに占めるポリブタジエンの比率が50質量%以上、特には80質量%以上とされるのが好ましい。シス−1,4結合の比率が40%以上、特には80%以上であるポリブタジエンが特に好ましい。
コア4の架橋には、通常は共架橋剤が用いられる。反発性能の観点から好ましい共架橋剤は、炭素数が2から8であるα,β−不飽和カルボン酸の、1価又は2価の金属塩である。好ましい共架橋剤の具体例としては、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、メタクリル酸亜鉛及びメタクリル酸マグネシウムが挙げられる。高い反発性能が得られるという理由から、アクリル酸亜鉛及びメタクリル酸亜鉛が特に好ましい。
共架橋剤として、炭素数が2から8であるα,β−不飽和カルボン酸と酸化金属とが配合されてもよい。両者はゴム組成物中で反応し、塩が得られる。この塩が、架橋反応に寄与する。好ましいα,β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸及びメタクリル酸が挙げられる。好ましい酸化金属としては、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムが挙げられる。
ゴルフボール2の反発性能の観点から、共架橋剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して10質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましい。ソフトな打球感の観点から、共架橋剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して50質量部以下が好ましく、45質量部以下がより好ましい。
コア4に用いられるゴム組成物には、共架橋剤と共に有機過酸化物が配合されるのが好ましい。有機過酸化物は、架橋開始剤として機能する。有機過酸化物の配合により、ゴルフボール2の反発性能が高まる。好適な有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン及びジ−t−ブチルパーオキサイドが挙げられる。特に汎用性の高い有機過酸化物は、ジクミルパーオキサイドである。
ゴルフボール2の反発性能の観点から、有機過酸化物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上が特に好ましい。ソフトな打球感の観点から、有機過酸化物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して3.0質量部以下が好ましく、2.5質量部以下がより好ましい。
コア4に、比重調整等の目的で充填剤が配合されてもよい。好適な充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムが例示される。充填剤として、高比重金属からなる粉末が配合されてもよい。高比重金属の具体例としては、タングステン及びモリブデンが挙げられる。充填剤の配合量は、コア4の意図した比重が達成されるように適宜決定される。特に好ましい充填剤は、酸化亜鉛である。酸化亜鉛は、単なる比重調整のみならず架橋助剤としても機能する。コア4には、硫黄、硫黄化合物、老化防止剤、着色剤、可塑剤、分散剤等の各種添加剤が、必要に応じて適量配合される。コア4に、架橋ゴム粉末又は合成樹脂粉末が配合されてもよい。
コア4の圧縮変形量は、5.0mm以下が好ましく、4.5mm以下がより好ましく、4.0mm以下が特に好ましい。ゴルフボール2がドライバーで打撃されると、カバー10及び中間層6と共にコア4も大きく変形する。圧縮変形量が小さなコア4は、ドライバーでのショットにおける飛行性能に寄与する。圧縮変形量が過小なコア4は、ゴルフボール2の打球感を阻害する。打球感の観点から、圧縮変形量は1.5mm以上が好ましく、2.0mm以上が特に好ましい。
圧縮変形量の測定では、まずコア4が金属製の剛板の上に置かれる。次に、コア4に向かって金属製の円柱が徐々に降下する。この円柱の底面と剛板との間に挟まれたコア4は、変形する。コア4に98Nの初荷重がかかった状態から1274Nの終荷重がかかった状態までの円柱の移動距離が、圧縮変形量である。
コア4の直径は、25.0mm以上41.5mm以下が好ましい。コア4の質量は、25g以上42g以下が好ましい。コア4の架橋温度は、通常は140℃以上180℃以下である。コア4の架橋時間は、通常は10分以上60分以下である。コア4が2以上の層から形成されてもよい。コアと中間層との間に、樹脂組成物又はゴム組成物からなる他の層が設けられてもよい。
中間層6は、熱可塑性樹脂組成物からなる。この樹脂組成物の基材ポリマーは、アイオノマー樹脂である。アイオノマー樹脂は、高弾性である。後述されるように、このゴルフボール2のカバー10は極めて薄い。このゴルフボール2がドライバーで打撃されると、中間層6が大きく変形する。アイオノマー樹脂が用いられた中間層6は、ドライバーでのショットにおける飛行性能に寄与する。
好ましくは、α−オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸との共重合体におけるカルボン酸の一部が金属イオンで中和されたアイオノマー樹脂が用いられる。好ましいα−オレフィンは、エチレン及びプロピレンである。好ましいα,β−不飽和カルボン酸は、アクリル酸及びメタクリル酸である。中和のための金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、亜鉛イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン及びネオジムイオンが例示される。中和が、2種以上の金属イオンでなされてもよい。ゴルフボール2の反発性能及び耐久性の観点から特に好適な金属イオンは、ナトリウムイオン、亜鉛イオン、リチウムイオン及びマグネシウムイオンである。
アイオノマー樹脂の具体例としては、三井デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミラン1555」、「ハイミラン1557」、「ハイミラン1605」、「ハイミラン1706」、「ハイミラン1707」、「ハイミランAM7311」、「ハイミランAM7315」、「ハイミランAM7317」、「ハイミランAM7318」及び「ハイミランMK7320」;デュポン社の商品名「サーリン7930」、「サーリン7940」、「サーリン8140」、「サーリン8940」、「サーリン8945」、「サーリン9120」、「サーリン9910」及び「サーリン9945」;並びにエクソン社の商品名「IOTEK7010」、「IOTEK7030」、「IOTEK8000」及び「IOTEK8030」が挙げられる。
基材ポリマーとして、アイオノマー樹脂と他の樹脂とが併用されてもよい。他の樹脂としては、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー及び熱可塑性ポリスチレンエラストマーが例示される。アイオノマー樹脂と他の樹脂とが併用される場合は、飛行性能の観点から、アイオノマー樹脂が基材ポリマーの主成分とされる。全基材ポリマーに占めるアイオノマー樹脂の比率は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、85%以上が特に好ましい。
中間層6の樹脂組成物に、比重調整等の目的で充填剤が配合されてもよい。好適な充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムが例示される。充填剤として、高比重金属からなる粉末が配合されてもよい。高比重金属の具体例としては、タングステン及びモリブデンが挙げられる。充填剤の配合量は、中間層6の意図した比重が達成されるように適宜決定される。中間層6に、着色剤、架橋ゴム粉末又は合成樹脂粉末が配合されてもよい。
ドライバーでのショットにおける飛行性能の観点から、中間層6の硬度Hmは、55以上が好ましく、58以上がより好ましく、60以上が特に好ましい。硬度Hmが極端に大きいと、ゴルフボール2が打撃されたときに良好なフィーリングが得られにくい。この観点から、硬度Hmは72以下が好ましく、70以下がより好ましく、68以下が特に好ましい。
本発明では、「ASTM−D 2240−68」の規定に準拠して、中間層6の硬度Hm及びカバー10の硬度Hcが測定される。測定には、スプリング式硬度計ショアD型が取り付けられた自動ゴム硬度計(高分子計器社の商品名「LA1」)が用いられる。測定には、熱プレスで成形された、中間層6(又はカバー10)と同一の材料からなる、厚みが約2mmであるシートが用いられる。測定に先立ち、シートは23℃の温度下に2週間保管される。測定時には、3枚のシートが重ね合わされる。
ドライバーでのショットにおける飛行性能の観点から、中間層6の厚みTmは、0.3mm以上が好ましく、0.5mm以上がより好ましく、0.7mm以上が特に好ましい。厚みTmが過大であると、ゴルフボール2が打撃されたときに良好なフィーリングが得られにくい。この観点から、厚みTmは2.5mm以下が好ましく、2.0mm以下がより好ましい。
中間層6と、補強層8又はカバー10との密着の観点から、中間層6の表面に処理が施され、その粗度が高められることが好ましい。処理の具体例としては、ブラッシング、研磨等が挙げられる。
補強層8は、中間層6とカバー10との間に介在している。後述されるように、このゴルフボール2のカバー10は極めて薄い。薄いカバー10がクラブフェースのエッジで打撃されると、シワが生じやすい。シワは、カバー10が中間層6に対してずれることで生じる。補強層8は、中間層6に対するカバー10のズレを防止する。補強層8の存在により、シワが抑制される。補強層8は、中間層6と堅固に密着し、カバー10とも堅固に密着する。この補強層8により、カバー10の破壊が抑制される。補強層8を備えたゴルフボール2は、耐久性に優れる。
補強層8の基材ポリマーには、二液硬化型熱硬化性樹脂が好適に用いられる。二液硬化型熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル系樹脂及びセルロース系樹脂が挙げられる。補強層8の機械特性(例えば破断強度)及び耐久性の観点から、二液硬化型エポキシ樹脂及び二液硬化型ウレタン樹脂が好ましい。
二液硬化型エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂がポリアミド系硬化剤で硬化されることで得られる。二液硬化型エポキシ樹脂に用いられるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びビスフェノールAD型エポキシ樹脂が例示される。ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、ビスフェノールAとエピクロルヒドリン等のエポキシ基含有化合物との反応によって得られる。ビスフェノールF型エポキシ樹脂は、ビスフェノールFとエポキシ基含有化合物との反応によって得られる。ビスフェノールAD型エポキシ樹脂は、ビスフェノールADとエポキシ基含有化合物との反応によって得られる。柔軟性、耐薬品性、耐熱性及び強靭性のバランスの観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
ポリアミド系硬化剤は、複数のアミノ基と、1個以上のアミド基を有する。このアミノ基が、エポキシ基と反応し得る。ポリアミド系硬化剤の具体例としては、ポリアミドアミン硬化剤及びその変性物が挙げられる。ポリアミドアミン硬化剤は、重合脂肪酸とポリアミンとの縮合反応によって得られる。典型的な重合脂肪酸は、リノール酸、リノレイン酸等の不飽和脂肪酸を多く含む天然脂肪酸類が触媒存在下で加熱されて合成されることで得られる。不飽和脂肪酸の具体例としては、トール油、大豆油、亜麻仁油及び魚油が挙げられる。ダイマー分が90質量%以上であり、トリマー分が10質量%以下であり、且つ水素添加された重合脂肪酸が好ましい。好ましいポリアミンとしては、ポリエチレンジアミン、ポリオキシアルキレンジアミン及びそれらの誘導体が例示される。
エポキシ樹脂とポリアミド系硬化剤との混合において、エポキシ樹脂のエポキシ等量とポリアミド系硬化剤のアミン活性水素等量との比は、1.0/1.4以上1.0/1.0以下が好ましい。
二液硬化型ウレタン樹脂は、主剤と硬化剤との反応によって得られる。ポリオール成分を含有する主剤とポリイソシアネート又はその誘導体を含有する硬化剤との反応によって得られる二液硬化型ウレタン樹脂や、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを含有する主剤と活性水素を有する硬化剤との反応によって得られる二液硬化型ウレタン樹脂が用いられうる。特に、ポリオール成分を含有する主剤とポリイソシアネート又はその誘導体を含有する硬化剤との反応によって得られる二液硬化型ウレタン樹脂が好ましい。
主剤のポリオール成分としてウレタンポリオールが用いられることが、好ましい。ウレタンポリオールは、ウレタン結合と、少なくとも2以上のヒドロキシル基を有する。好ましくは、ウレタンポリオールは、その末端にヒドロキシル基を有する。ウレタンポリオールは、ポリオール成分のヒドロキシル基がポリイソシアネートのイソシアネート基に対してモル比で過剰になるような割合で、ポリオールとポリイソシアネートとが反応させられることによって得られうる。
ウレタンポリオールの製造に使用されるポリオールは、複数のヒドロキシル基を有する。重量平均分子量が50以上2000以下、特には100以上1000以下のポリオールが好ましい。低分子量のポリオールとして、ジオール及びトリオールが挙げられる。ジオールの具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,6−ヘキサンジオールが挙げられる。トリオールの具体例としては、トリメチロールプロパン及びヘキサントリオールが挙げられる。高分子量のポリオールとして、ポリオキシエチレングリコール(PEG)、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)及びポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)のようなポリエーテルポリオール;ポリエチレンアジぺート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)及びポリヘキサメチレンアジペート(PHMA)のような縮合系ポリエステルポリオール;ポリ−ε−カプロラクトン(PCL)のようなラクトン系ポリエステルポリオール;ポリヘキサメチレンカーボネートのようなポリカーボネートポリオール;並びにアクリルポリオールが挙げられる。2種以上のポリオールが併用されてもよい。
ウレタンポリオールの製造に使用されるポリイソシアネートは、複数のイソシアネート基を有する。ポリイソシアネートの具体例としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、3,3’−ビトリレン−4,4’−ジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)及びパラフェニレンジイソシアネート(PPDI)のような芳香族ポリイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)のような脂環式ポリイソシアネート;並びに脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。2以上のポリイソシアネートが併用されてもよい。耐候性の観点から、TMXDI、XDI、HDI、H6XDI、IPDI及びH12MDIが好ましい。
ウレタンポリオール生成のためのポリオールとポリイソシアネートとの反応では、既知の触媒が用いられうる。典型的な触媒は、ジブチル錫ジラウリレートである。
補強層8の強度の観点から、ウレタンポリオールに含まれるウレタン結合の比率は0.1mmol/g以上が好ましい。補強層8のカバーへの追従性の観点から、ウレタンポリオールに含まれるウレタン結合の比率は5mmol/g以下が好ましい。ウレタン結合の比率は、原料となるポリオールの分子量の調整及びポリオールとポリイソシアネートとの配合比率の調整により調整されうる。
主剤と硬化剤との反応に要する時間が短いとの観点から、ウレタンポリオールの重量平均分子量は4000以上が好ましく、4500以上がより好ましい。補強層8の密着性の観点から、ウレタンポリオールの重量平均分子量は10000以下が好ましく、9000以下がより好ましい。
補強層8の密着性の観点から、ウレタンポリオールの水酸基価(mgKOH/g)は15以上が好ましく、73以上がより好ましい。主剤と硬化剤との反応に要する時間が短いとの観点から、ウレタンポリオールの水酸基価は130以下が好ましく、120以下がより好ましい。
主剤が、ウレタンポリオールとともに、ウレタン結合を有さないポリオールを含有してもよい。ウレタンポリオールの原料である前述のポリオールが、主剤に用いられうる。ウレタンポリオールと相溶可能なポリオールが好ましい。主剤と硬化剤との反応に要する時間が短いとの観点から、主剤におけるウレタンポリオールの比率は、固形分換算で、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。理想的には、この比率は100質量%である。
硬化剤は、ポリイソシアネート又はその誘導体を含有する。ウレタンポリオールの原料である前述のポリイソシアネートが、硬化剤に用いられうる。
補強層8が、着色剤(典型的には二酸化チタン)、リン酸系安定剤、酸化防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤等の添加剤を含んでもよい。添加剤は、二液硬化型熱硬化性樹脂の主剤に添加されてもよく、硬化剤に添加されてもよい。
補強層8は、主剤及び硬化剤が溶剤に溶解又は分散した液が、中間層6の表面に塗布されることで得られる。作業性の観点から、スプレーガンによる塗布が好ましい。塗布後に溶剤が揮発し、主剤と硬化剤とが反応して、補強層8が形成される。好ましい溶剤としては、トルエン、イソプロピルアルコール、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルベンゼン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、イソブチルアルコール及び酢酸エチルが例示される。
ゴルフボール2の耐久性の観点から、補強層8の厚みTrのカバー10の厚みTcに対する比(Tr/Tc)は0.005以上が好ましく、0.010以上がより好ましく、0.020以上が特に好ましい。比(Tr/Tc)が過大であると、ドライバー、ロングアイアン及びミドルアイアンでのショットにおける反発係数が不十分となる。この観点から、比(Tr/Tc)は3.0以下が好ましく、2.0以下がより好ましい。
ゴルフボール2の耐久性の観点から、補強層8の厚みは0.003mm以上が好ましく、0.005mm以上がより好ましい。補強層8が容易に形成されるとの観点から、厚みは0.30mm以下、さらには0.10mm以下、さらには0.05mm以下、さらには0.02mm以下が好ましい。厚みは、ゴルフボール2の断面がマイクロスコープで観察されることで測定される。粗面処理により中間層6の表面が凹凸を備える場合は、凸部の直上で厚みが測定される。
ゴルフボール2の耐久性の観点から、補強層8の引張強さは150kgf/cm以上が好ましく、200kgf/cm以上がより好ましい。打球感の観点から、引張強さは500kgf/cm以下が好ましい。引張強さは、「JIS K5400」の規定に準拠して測定される。測定に供される試料は、塗料組成物が試験板にスプレーガンで塗布されることで得られる。塗料組成物は、40℃の雰囲気化で24時間保持される。測定時の引張速度は、50mm/minである。
補強層8の鉛筆硬度は、4B以上が好ましい。この補強層8は、クラブフェースのエッジで打撃されたときのカバー10のズレを防止し、シワを抑制する。この観点から、鉛筆硬度は3B以上がより好ましく、B以上がより好ましい。鉛筆硬度が高すぎると、クラブフェースのエッジで打撃されたときに補強層8がカバー10に追従しにくい。追従が不十分な場合は、補強層8が切断され、シワが発生する。シワ抑制の観点から、鉛筆硬度は3H以下が好ましく、2H以下がより好ましい。鉛筆硬度は、「JIS K5400」の規格に準拠して測定される。
カバー10は、熱可塑性樹脂組成物からなる。この樹脂組成物の基材ポリマーは、熱可塑性ポリウレタンエラストマーである。熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、軟質である。熱可塑性ポリウレタンエラストマーからなるカバー10を備えたゴルフボール2がショートアイアンで打撃されたときのスピン速度は、大きい。熱可塑性ポリウレタンエラストマーからなるカバー10は、ショートアイアンでのショットにおけるコントロール性能に寄与する。熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、カバー10の耐擦傷性能にも寄与する。
熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、ハードセグメントとしてのポリウレタン成分と、ソフトセグメントとしてのポリエステル成分又はポリエーテル成分とを含む。ポリウレタン成分の硬化剤としては、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート及び脂肪族ジイソシアネートが例示される。特に、脂環式ジイソシアネートが好ましい。脂環式ジイソシアネートは主鎖に二重結合を有さないので、カバー10の黄変が抑制される。しかも、脂環式ジイソシアネートは強度に優れるので、カバー10の傷つきが抑制される。2種以上のジイソシアネートが併用されてもよい。
脂環式ジイソシアネートとしては、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びトランス−1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)が例示される。汎用性及び加工性の観点から、H12MDIが好ましい。
芳香族ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及びトルエンジイソシアネート(TDI)が例示される。脂肪族ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が例示される。
熱可塑性ポリウレタンエラストマーの具体例としては、BASFジャパン社の商品名「エラストランXNY90A」、商品名「エラストランXNY97A」、商品名「エラストランXNY585」及び商品名「エラストランXKP016N」;並びに大日精化工業社の商品名「レザミンP4585LS」及び商品名「レザミンPS62490」が挙げられる。
カバー10において、熱可塑性ポリウレタンエラストマーと他の樹脂とが併用されてもよい。他の樹脂としては、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー、熱可塑性ポリスチレンエラストマー及びアイオノマー樹脂が挙げられる。
熱可塑性ポリウレタンエラストマーと他の樹脂とが併用される場合は、コントロール性能の観点から、熱可塑性ポリウレタンエラストマーが基材ポリマーの主成分とされる。全基材ポリマーに占める熱可塑性ポリウレタンエラストマーの比率は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、85質量%以上が特に好ましい。
カバー10には、必要に応じ、二酸化チタンのような着色剤、硫酸バリウムのような充填剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光剤、蛍光増白剤等が、適量配合される。比重調整の目的で、カバー10にタングステン、モリブデン等の高比重金属の粉末が配合されてもよい。
カバー10の硬度Hcは、54以下である。軟質なカバー10が採用されることにより、ショートアイアンでのショットにおける良好なコントロール性能が達成されうる。コントロール性能の観点から、硬度Hcは50以下、さらには47以下が好ましい。ドライバー、ロングアイアン及びミドルアイアンでのショットにおける飛行性能の観点から、硬度は20以上、さらには28以上、さらには33以上が好ましい。
カバー10の厚みTcは、0.6mm以下である。前述のように、カバー10は低硬度である。低硬度なカバー10は、ゴルフボール2の反発係数の面では不利である。ドライバーでのショットでは、ゴルフボール2の中間層6及びコア4も大きく変形する。厚みTcが0.6mm以下に設定されることにより、カバー10が低硬度であっても、ドライバーでのショットにおける反発係数にカバー10が大幅な悪影響を与えることがない。中間層6にアイオノマー樹脂が用いられることで、ドライバーでのショットにおける優れた飛行性能が達成されうる。
飛行性能の観点から、厚みTcは0.5mm以下がより好ましく、0.4mm以下が特に好ましい。カバー10の成形容易の観点から、厚みTcは0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
100質量部のポリブタジエン(JSR社の商品名「BR−730」)、37質量部のアクリル酸亜鉛、適量の酸化亜鉛、0.7質量部のビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィド及び0.9質量部のジクミルパーオキサイドを混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物を共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなる金型に投入し、170℃の温度下で15分間加熱して、直径が38.5mmであるコアを得た。このコアの質量は、34.9gであった。
二軸押出機で、下記表1に示されるタイプzの樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を射出成形法にてコアの周りに被覆し、中間層を得た。この中間層の厚みTmは1.6mmであり、硬度Hmは63であった。
二液硬化型エポキシ樹脂を基材ポリマーとする塗料組成物(神東塗料社の商品名「ポリン750LE)を調製した。この塗料組成物の主剤液は、30質量部のビスフェノールA型固形エポキシ樹脂と、70質量部の溶剤とからなる。この塗料組成物の硬化剤液は、40質量部の変性ポリアミドアミンと、55質量部の溶剤と、5質量部の酸化チタンとからなる。主剤液と硬化剤液との質量比は、1/1である。この塗料組成物を中間層の表面にスプレーガンで塗布し、40℃雰囲気下で24時間保持して、補強層を得た。この補強層の厚みTrは、0.003mmであった。
二軸押出機で、下記表2に示されるタイプcの樹脂組成物を得た。この樹脂組成物から、圧縮成形法にて、ハーフシェルを得た。このハーフシェル2枚で、コア、中間層及び補強層からなる球体を被覆し、共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなる金型に投入して、圧縮成形法にてカバーを得た。カバーの厚みTcは、0.6mmであった。このカバーの周りにペイント層を形成して、実施例1のゴルフボールを得た。このゴルフボールの直径は、42.7mmであった。
[実施例2から4及び比較例1から5]
実施例1と同様の製造方法で、下記の表1から3に示される仕様を備えたゴルフボールを得た。実施例2並びに比較例1、3及び5の補強層には、二液硬化型ウレタン樹脂を基材ポリマーとする塗料組成物が用いられた。この塗料組成物の生成では、まず、116質量部のPTMG及び16質量部の1,2,6−ヘキサントリオールを120質量部の溶剤(トルエンとメチルエチルケトンとの混合液)に溶解した。この液に、その濃度が0.1質量%となるように、ジブチル錫ジラウリレートを添加した。この液を80℃に保持しながら、48質量部のイソホロンジイソシアネートを滴下して、ウレタンポリオールを含有する主剤液を得た。このウレタンポリオールの固形分は60質量%であり、水酸基価は87mgKOH/gであり、重量平均分子量は7850であった。この主剤液と、イソホロンジイソシアネート(住友バイエルウレタン社製)を含有する硬化剤液とを、NCO/OHがモル比で1.2となるように混合した。この液に、光安定剤(三共社の商品名「サノールLS770」)、紫外線吸収剤(チバガイギー社の商品名「チヌビン900」)及び蛍光増白剤(チバガイギー社の商品名「ユビテックスOB」)を添加して、塗料組成物を調製した。ウレタン樹脂成分100質量部に対する添加量は、光安定剤が2質量部であり、紫外線吸収剤が2質量部であり、蛍光増白剤が0.2質量部である。
[ドライバーでのショット]
ゴルフラボラトリー社のスイングマシンに、メタルヘッドを備えたドライバーを装着した。ヘッド速度が50m/secとなるようにマシン条件を設定し、ゴルフボールを打撃して、打撃直後のボール速度と、飛距離(発射地点から静止地点までの距離)とを測定した。10回の測定の平均値が、下記の表3に示されている。
[ミドルアイアンでのショット]
上記スイングマシンに、5番アイアンを装着した。ヘッド速度が41m/secとなるようにマシン条件を設定し、ゴルフボールを打撃して、打撃直後のスピン速度と飛距離とを測定した。10回の測定の平均値が、下記の表3に示されている。
[ショートアイアンでのショット]
上記スイングマシンに、アプローチウエッジを装着した。ヘッド速度が21m/secとなるようにマシン条件を設定し、ゴルフボールを打撃して、打撃直後のスピン速度を測定した。10回の測定の平均値が、下記の表3に示されている。
[シワ発生の程度の評価]
上記スイングマシンに、ピッチングウエッジを装着した。クラブヘッドのリーディングエッジでゴルフボールが打撃されるようにマシンの高さを調整した。ヘッド速度が37m/secとなるようにマシン条件を設定し、ゴルフボールを打撃した。ゴルフボールの表面を目視観察し、シワ及びカット傷がない場合を「良」とし、シワ又はカット傷がある場合を「不良」とした。この結果が、下記の表3に示されている。
[破壊テスト耐久性の評価]
ゴルフボールを45m/sの速度で、繰り返し金属板に衝突させ、ゴルフボールが破壊されるまでの回数をカウントした。6個のゴルフボールについての測定の平均値が、下記の表3に示されている。
Figure 0004435640
Figure 0004435640
Figure 0004435640
表3から明らかなように、実施例のゴルフボールは、ドライバー及びミドルアイアンでのショットにおける飛行性能、ショートアイアンでのショットにおけるスピン性能並びに耐久性に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係るゴルフボールは、ゴルフ競技での使用に特に適している。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボールが示された一部切り欠き断面図である。
符号の説明
2・・・ゴルフボール
4・・・コア
6・・・中間層
8・・・補強層
10・・・カバー
12・・・ディンプル
14・・・ランド

Claims (3)

  1. 球状のコアと、このコアの外側に位置する中間層と、この中間層の外側に位置する補強層と、この補強層の外側に位置するカバーとを備えており、
    この中間層の基材ポリマーの主成分がアイオノマー樹脂であり、
    この中間層の、ショアD型硬度計で測定された硬度Hmが55以上であり、
    このカバーの基材ポリマーの主成分が熱可塑性ポリウレタンエラストマーであり、
    このカバーの厚みTcが0.6mm以下であり、
    このカバーの、ショアD型硬度計で測定された硬度Hcが54以下であり、
    このカバーの厚みTcに対する補強層の厚みTrの比(Tr/Tc)が0.005以上3.0以下であり、
    上記補強層の基材ポリマーが熱硬化性樹脂であり、
    この熱硬化性樹脂が、ポリアミドアミン若しくはその変性物である硬化剤によってビスフェノールA型エポキシ樹脂が硬化されて得られる二液硬化型エポキシ樹脂であり、
    上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエポキシ等量と上記硬化剤のアミン活性水素等量との比が、1.0/1.4以上1.0/1.0以下であるゴルフボール。
  2. 上記補強層の引張強さが150kgf/cm以上500kgf/cm以下である請求項1に記載のゴルフボール。
  3. 上記補強層の鉛筆硬度が4B以上3H以下である請求項1又は2に記載のゴルフボール。
JP2004221097A 2004-07-29 2004-07-29 ゴルフボール Expired - Fee Related JP4435640B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004221097A JP4435640B2 (ja) 2004-07-29 2004-07-29 ゴルフボール
US11/176,341 US8419570B2 (en) 2004-07-29 2005-07-08 Golf ball
US13/804,867 US20130203523A1 (en) 2004-07-29 2013-03-14 Golf ball

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004221097A JP4435640B2 (ja) 2004-07-29 2004-07-29 ゴルフボール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006034745A JP2006034745A (ja) 2006-02-09
JP4435640B2 true JP4435640B2 (ja) 2010-03-24

Family

ID=35733064

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004221097A Expired - Fee Related JP4435640B2 (ja) 2004-07-29 2004-07-29 ゴルフボール

Country Status (2)

Country Link
US (2) US8419570B2 (ja)
JP (1) JP4435640B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7945238B2 (en) 2007-06-28 2011-05-17 Kajeet, Inc. System and methods for managing the utilization of a communications device
CN102481470A (zh) * 2009-08-27 2012-05-30 美津浓株式会社 高尔夫球
JP4927930B2 (ja) * 2009-12-16 2012-05-09 Sriスポーツ株式会社 ゴルフボール用材料およびこれを用いたゴルフボール
JP5762140B2 (ja) * 2010-07-23 2015-08-12 ダンロップスポーツ株式会社 ゴルフボール
JP6418880B2 (ja) 2014-10-06 2018-11-07 神東塗料株式会社 ゴルフボール
EP3669955A1 (en) * 2018-12-19 2020-06-24 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. Golf ball

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6210293B1 (en) * 1993-06-01 2001-04-03 Spalding Sports Worldwide, Inc. Multi-layer golf ball
JPH08322961A (ja) 1995-05-31 1996-12-10 Sumitomo Rubber Ind Ltd 塗装ゴルフボール
US6547677B2 (en) 1995-06-07 2003-04-15 Acushnet Company Multi-layered core golf ball
JP2001000585A (ja) 1996-10-28 2001-01-09 Bridgestone Sports Co Ltd 多層構造ソリッドゴルフボール
JP3125722B2 (ja) * 1996-10-28 2001-01-22 ブリヂストンスポーツ株式会社 多層構造ソリッドゴルフボール
JPH11118705A (ja) 1997-10-09 1999-04-30 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 溶射皮膜の密着強さ試験法と装置
JP2001301084A (ja) 2000-04-18 2001-10-30 Dainippon Ink & Chem Inc 無機質化粧板
US6739986B2 (en) * 2000-09-11 2004-05-25 Bridgestone Sports Co., Ltd. Multi-piece solid golf ball
JP3861972B2 (ja) 2000-09-11 2006-12-27 ブリヂストンスポーツ株式会社 マルチピースソリッドゴルフボール
JP2002186687A (ja) 2000-12-22 2002-07-02 Bridgestone Sports Co Ltd マルチピースソリッドゴルフボール
JP2002200196A (ja) * 2000-12-28 2002-07-16 Sumitomo Rubber Ind Ltd ソリッドゴルフボール
JP3762670B2 (ja) * 2001-08-20 2006-04-05 Sriスポーツ株式会社 ゴルフボール
JP2003169863A (ja) 2001-11-28 2003-06-17 Acushnet Co 多層コアゴルフボール
JP4051374B2 (ja) 2002-07-25 2008-02-20 キャラウェイ・ゴルフ・カンパニ ゴルフボール
JP2004073291A (ja) * 2002-08-12 2004-03-11 Sumitomo Rubber Ind Ltd ゴルフボール
JP4091831B2 (ja) 2002-12-10 2008-05-28 Sriスポーツ株式会社 ゴルフボール及びゴルフボール用塗料
JP2004000649A (ja) 2003-06-13 2004-01-08 Bridgestone Sports Co Ltd マルチピースソリッドゴルフボール
JP4489531B2 (ja) * 2004-07-29 2010-06-23 Sriスポーツ株式会社 ゴルフボール

Also Published As

Publication number Publication date
US8419570B2 (en) 2013-04-16
JP2006034745A (ja) 2006-02-09
US20130203523A1 (en) 2013-08-08
US20060025241A1 (en) 2006-02-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4435638B2 (ja) ゴルフボール
JP4489530B2 (ja) ゴルフボール
JP5240755B2 (ja) ゴルフボール
US7614966B2 (en) Golf ball
US7270615B2 (en) Golf ball
JP4246750B2 (ja) ゴルフボール
JP5912248B2 (ja) ゴルフボール
US20130203523A1 (en) Golf ball
US6835793B2 (en) Golf ball having a polyurethane cover
JP4249760B2 (ja) ゴルフボール
JP4275676B2 (ja) ゴルフボール
JP4637762B2 (ja) ゴルフボール
JP5620261B2 (ja) ゴルフボール
JP4685152B2 (ja) ゴルフボール
JP4435639B2 (ja) ゴルフボール
JP5373927B2 (ja) ゴルフボール
JP4913223B2 (ja) ゴルフボール
JP2006289060A (ja) ゴルフボール
JP2011011088A (ja) ゴルフボール
JP2006289059A (ja) ゴルフボール

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090303

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090430

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090707

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090812

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091201

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091224

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4435640

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140108

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees