以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボール2が示された一部切り欠き断面図である。このゴルフボール2は、球状のコア4と、このコア4を覆う中間層6と、この中間層6を覆う補強層8と、この補強層8を覆うカバー10とを備えている。カバー10の表面には、多数のディンプル12が形成されている。カバー10の表面のうちディンプル12以外の部分は、ランド14である。このゴルフボール2は、カバー10の外側にペイント層及びマーク層を備えているが、これらの層の図示は省略されている。
このゴルフボール2の直径は、40mmから45mmである。米国ゴルフ協会(USGA)の規格が満たされるとの観点から、直径は42.67mm以上が好ましい。空気抵抗抑制の観点から、直径は44mm以下が好ましく、42.80mm以下がより好ましい。このゴルフボール2の質量は、40g以上50g以下である。大きな慣性が得られるとの観点から、質量は44g以上が好ましく、45.00g以上がより好ましい。USGAの規格が満たされるとの観点から、質量は45.93g以下が好ましい。
コア4は通常、ゴム組成物が架橋されることで得られる。好ましい基材ゴムとして、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体及び天然ゴムが挙げられる。反発性能の観点から、ポリブタジエンが好ましい。ポリブタジエンと他のゴムとが併用される場合は、ポリブタジエンが主成分とされるのが好ましい。具体的には、全基材ゴムに占めるポリブタジエンの比率が50質量%以上、特には80質量%以上とされるのが好ましい。シス−1,4結合の比率が40%以上、特には80%以上であるポリブタジエンが特に好ましい。
コア4の架橋には、通常は共架橋剤が用いられる。反発性能の観点から好ましい共架橋剤は、炭素数が2から8であるα,β−不飽和カルボン酸の、1価又は2価の金属塩である。好ましい共架橋剤の具体例としては、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、メタクリル酸亜鉛及びメタクリル酸マグネシウムが挙げられる。高い反発性能が得られるという理由から、アクリル酸亜鉛及びメタクリル酸亜鉛が特に好ましい。
共架橋剤として、炭素数が2から8であるα,β−不飽和カルボン酸と酸化金属とが配合されてもよい。両者はゴム組成物中で反応し、塩が得られる。この塩が、架橋反応に寄与する。好ましいα,β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸及びメタクリル酸が挙げられる。好ましい酸化金属としては、酸化亜鉛及び酸化マグネシウムが挙げられる。
ゴルフボール2の反発性能の観点から、共架橋剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して10質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましい。ソフトな打球感の観点から、共架橋剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対して50質量部以下が好ましく、45質量部以下がより好ましい。
コア4に用いられるゴム組成物には、共架橋剤と共に有機過酸化物が配合されるのが好ましい。有機過酸化物は、架橋開始剤として機能する。有機過酸化物の配合により、ゴルフボール2の反発性能が高まる。好適な有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン及びジ−t−ブチルパーオキサイドが挙げられる。特に汎用性の高い有機過酸化物は、ジクミルパーオキサイドである。
ゴルフボール2の反発性能の観点から、有機過酸化物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上が特に好ましい。ソフトな打球感の観点から、有機過酸化物の配合量は、基材ゴム100質量部に対して3.0質量部以下が好ましく、2.5質量部以下がより好ましい。
コア4に、比重調整等の目的で充填剤が配合されてもよい。好適な充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムが例示される。充填剤として、高比重金属からなる粉末が配合されてもよい。高比重金属の具体例としては、タングステン及びモリブデンが挙げられる。充填剤の配合量は、コア4の意図した比重が達成されるように適宜決定される。特に好ましい充填剤は、酸化亜鉛である。酸化亜鉛は、単なる比重調整のみならず架橋助剤としても機能する。コア4には、硫黄、硫黄化合物、老化防止剤、着色剤、可塑剤、分散剤等の各種添加剤が、必要に応じて適量配合される。コア4に、架橋ゴム粉末又は合成樹脂粉末が配合されてもよい。
コア4の圧縮変形量は、5.0mm以下が好ましく、4.5mm以下がより好ましく、4.0mm以下が特に好ましい。ゴルフボール2がドライバーで打撃されると、カバー10及び中間層6と共にコア4も大きく変形する。圧縮変形量が小さなコア4は、ドライバーでのショットにおける飛行性能に寄与する。圧縮変形量が過小なコア4は、ゴルフボール2の打球感を阻害する。打球感の観点から、圧縮変形量は1.5mm以上が好ましく、2.0mm以上が特に好ましい。
圧縮変形量の測定では、まずコア4が金属製の剛板の上に置かれる。次に、コア4に向かって金属製の円柱が徐々に降下する。この円柱の底面と剛板との間に挟まれたコア4は、変形する。コア4に98Nの初荷重がかかった状態から1274Nの終荷重がかかった状態までの円柱の移動距離が、圧縮変形量である。
コア4の直径は、25.0mm以上41.5mm以下が好ましい。コア4の質量は、25g以上42g以下が好ましい。コア4の架橋温度は、通常は140℃以上180℃以下である。コア4の架橋時間は、通常は10分以上60分以下である。コア4が2以上の層から形成されてもよい。コアと中間層との間に、樹脂組成物又はゴム組成物からなる他の層が設けられてもよい。
中間層6は、熱可塑性樹脂組成物からなる。この樹脂組成物の基材ポリマーは、アイオノマー樹脂である。アイオノマー樹脂は、高弾性である。後述されるように、このゴルフボール2のカバー10は極めて薄い。このゴルフボール2がドライバーで打撃されると、中間層6が大きく変形する。アイオノマー樹脂が用いられた中間層6は、ドライバーでのショットにおける飛行性能に寄与する。
好ましくは、α−オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸との共重合体におけるカルボン酸の一部が金属イオンで中和されたアイオノマー樹脂が用いられる。好ましいα−オレフィンは、エチレン及びプロピレンである。好ましいα,β−不飽和カルボン酸は、アクリル酸及びメタクリル酸である。中和のための金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、亜鉛イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン及びネオジムイオンが例示される。中和が、2種以上の金属イオンでなされてもよい。ゴルフボール2の反発性能及び耐久性の観点から特に好適な金属イオンは、ナトリウムイオン、亜鉛イオン、リチウムイオン及びマグネシウムイオンである。
アイオノマー樹脂の具体例としては、三井デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミラン1555」、「ハイミラン1557」、「ハイミラン1605」、「ハイミラン1706」、「ハイミラン1707」、「ハイミランAM7311」、「ハイミランAM7315」、「ハイミランAM7317」、「ハイミランAM7318」及び「ハイミランMK7320」;デュポン社の商品名「サーリン7930」、「サーリン7940」、「サーリン8140」、「サーリン8940」、「サーリン8945」、「サーリン9120」、「サーリン9910」及び「サーリン9945」;並びにエクソン社の商品名「IOTEK7010」、「IOTEK7030」、「IOTEK8000」及び「IOTEK8030」が挙げられる。
基材ポリマーとして、アイオノマー樹脂と他の樹脂とが併用されてもよい。他の樹脂としては、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー及び熱可塑性ポリスチレンエラストマーが例示される。アイオノマー樹脂と他の樹脂とが併用される場合は、飛行性能の観点から、アイオノマー樹脂が基材ポリマーの主成分とされる。全基材ポリマーに占めるアイオノマー樹脂の比率は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、85%以上が特に好ましい。
中間層6の樹脂組成物に、比重調整等の目的で充填剤が配合されてもよい。好適な充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムが例示される。充填剤として、高比重金属からなる粉末が配合されてもよい。高比重金属の具体例としては、タングステン及びモリブデンが挙げられる。充填剤の配合量は、中間層6の意図した比重が達成されるように適宜決定される。中間層6に、着色剤、架橋ゴム粉末又は合成樹脂粉末が配合されてもよい。
ドライバーでのショットにおける飛行性能の観点から、中間層6の硬度Hmは、55以上が好ましく、58以上がより好ましく、60以上が特に好ましい。硬度Hmが極端に大きいと、ゴルフボール2が打撃されたときに良好なフィーリングが得られにくい。この観点から、硬度Hmは72以下が好ましく、70以下がより好ましく、68以下が特に好ましい。
本発明では、「ASTM−D 2240−68」の規定に準拠して、中間層6の硬度Hm及びカバー10の硬度Hcが測定される。測定には、スプリング式硬度計ショアD型が取り付けられた自動ゴム硬度計(高分子計器社の商品名「LA1」)が用いられる。測定には、熱プレスで成形された、中間層6(又はカバー10)と同一の材料からなる、厚みが約2mmであるシートが用いられる。測定に先立ち、シートは23℃の温度下に2週間保管される。測定時には、3枚のシートが重ね合わされる。
ドライバーでのショットにおける飛行性能の観点から、中間層6の厚みTmは、0.3mm以上が好ましく、0.5mm以上がより好ましく、0.7mm以上が特に好ましい。厚みTmが過大であると、ゴルフボール2が打撃されたときに良好なフィーリングが得られにくい。この観点から、厚みTmは2.5mm以下が好ましく、2.0mm以下がより好ましい。厚みTmは、ディンプル12の直下を避けて測定される。
中間層6と、補強層8又はカバー10との密着の観点から、中間層6の表面に処理が施され、その粗度が高められることが好ましい。処理の具体例としては、ブラッシング、研磨等が挙げられる。
補強層8は、中間層6とカバー10との間に介在している。後述されるように、このゴルフボール2のカバー10は極めて薄い。薄いカバー10がショートアイアンで打撃されると、シワが生じやすい。シワは、カバー10が中間層6に対してずれることで生じる。補強層8は、中間層6に対するカバー10のズレを防止し、かつディンプル12の直下のカバー10のカットを防ぐ。補強層8の存在により、シワが抑制される。さらに補強層8は、中間層6と堅固に密着し、カバー10とも堅固に密着する。この補強層8により、カバー10の破壊が抑制される。補強層8を備えたゴルフボール2は、耐久性に優れる。
補強層8の基材ポリマーには、二液硬化型熱硬化性樹脂が好適に用いられる。二液硬化型熱硬化性樹脂の具体例としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル系樹脂及びセルロース系樹脂が挙げられる。補強層8の機械特性(例えば破断強度)及び耐久性の観点から、二液硬化型エポキシ樹脂及び二液硬化型ウレタン樹脂が好ましい。
二液硬化型エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂がポリアミド系硬化剤で硬化されることで得られる。二液硬化型エポキシ樹脂に用いられるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びビスフェノールAD型エポキシ樹脂が例示される。ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、ビスフェノールAとエピクロルヒドリン等のエポキシ基含有化合物との反応によって得られる。ビスフェノールF型エポキシ樹脂は、ビスフェノールFとエポキシ基含有化合物との反応によって得られる。ビスフェノールAD型エポキシ樹脂は、ビスフェノールADとエポキシ基含有化合物との反応によって得られる。柔軟性、耐薬品性、耐熱性及び強靭性のバランスの観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。
ポリアミド系硬化剤は、複数のアミノ基と、1個以上のアミド基を有する。このアミノ基が、エポキシ基と反応し得る。ポリアミド系硬化剤の具体例としては、ポリアミドアミン硬化剤及びその変性物が挙げられる。ポリアミドアミン硬化剤は、重合脂肪酸とポリアミンとの縮合反応によって得られる。典型的な重合脂肪酸は、リノール酸、リノレイン酸等の不飽和脂肪酸を多く含む天然脂肪酸類が触媒存在下で加熱されて合成されることで得られる。不飽和脂肪酸の具体例としては、トール油、大豆油、亜麻仁油及び魚油が挙げられる。ダイマー分が90質量%以上であり、トリマー分が10質量%以下であり、且つ水素添加された重合脂肪酸が好ましい。好ましいポリアミンとしては、ポリエチレンジアミン、ポリオキシアルキレンジアミン及びそれらの誘導体が例示される。
エポキシ樹脂とポリアミド系硬化剤との混合において、エポキシ樹脂のエポキシ等量とポリアミド系硬化剤のアミン活性水素等量との比は、1.0/1.4以上1.0/1.0以下が好ましい。
二液硬化型ウレタン樹脂は、主剤と硬化剤との反応によって得られる。ポリオール成分を含有する主剤とポリイソシアネート又はその誘導体を含有する硬化剤との反応によって得られる二液硬化型ウレタン樹脂や、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを含有する主剤と活性水素を有する硬化剤との反応によって得られる二液硬化型ウレタン樹脂が用いられうる。特に、ポリオール成分を含有する主剤とポリイソシアネート又はその誘導体を含有する硬化剤との反応によって得られる二液硬化型ウレタン樹脂が好ましい。
主剤のポリオール成分としてウレタンポリオールが用いられることが、好ましい。ウレタンポリオールは、ウレタン結合と、少なくとも2以上のヒドロキシル基を有する。好ましくは、ウレタンポリオールは、その末端にヒドロキシル基を有する。ウレタンポリオールは、ポリオール成分のヒドロキシル基がポリイソシアネートのイソシアネート基に対してモル比で過剰になるような割合で、ポリオールとポリイソシアネートとが反応させられることによって得られうる。
ウレタンポリオールの製造に使用されるポリオールは、複数のヒドロキシル基を有する。重量平均分子量が50以上2000以下、特には100以上1000以下のポリオールが好ましい。低分子量のポリオールとして、ジオール及びトリオールが挙げられる。ジオールの具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,6−ヘキサンジオールが挙げられる。トリオールの具体例としては、トリメチロールプロパン及びヘキサントリオールが挙げられる。高分子量のポリオールとして、ポリオキシエチレングリコール(PEG)、ポリオキシプロピレングリコール(PPG)及びポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG)のようなポリエーテルポリオール;ポリエチレンアジぺート(PEA)、ポリブチレンアジペート(PBA)及びポリヘキサメチレンアジペート(PHMA)のような縮合系ポリエステルポリオール;ポリ−ε−カプロラクトン(PCL)のようなラクトン系ポリエステルポリオール;ポリヘキサメチレンカーボネートのようなポリカーボネートポリオール;並びにアクリルポリオールが挙げられる。2種以上のポリオールが併用されてもよい。
ウレタンポリオールの製造に使用されるポリイソシアネートは、複数のイソシアネート基を有する。ポリイソシアネートの具体例としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−トルエンジイソシアネートの混合物(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(NDI)、3,3’−ビトリレン−4,4’−ジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)及びパラフェニレンジイソシアネート(PPDI)のような芳香族ポリイソシアネート;4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、水素添加キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)のような脂環式ポリイソシアネート;並びに脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。2以上のポリイソシアネートが併用されてもよい。耐候性の観点から、TMXDI、XDI、HDI、H6XDI、IPDI及びH12MDIが好ましい。
ウレタンポリオール生成のためのポリオールとポリイソシアネートとの反応では、既知の触媒が用いられうる。典型的な触媒は、ジブチル錫ジラウリレートである。
補強層8の強度の観点から、ウレタンポリオールに含まれるウレタン結合の比率は0.1mmol/g以上が好ましい。補強層8のカバーへの追従性の観点から、ウレタンポリオールに含まれるウレタン結合の比率は5mmol/g以下が好ましい。ウレタン結合の比率は、原料となるポリオールの分子量の調整及びポリオールとポリイソシアネートとの配合比率の調整により調整されうる。
主剤と硬化剤との反応に要する時間が短いとの観点から、ウレタンポリオールの重量平均分子量は4000以上が好ましく、4500以上がより好ましい。補強層8の密着性の観点から、ウレタンポリオールの重量平均分子量は10000以下が好ましく、9000以下がより好ましい。
補強層8の密着性の観点から、ウレタンポリオールの水酸基価(mgKOH/g)は15以上が好ましく、73以上がより好ましい。主剤と硬化剤との反応に要する時間が短いとの観点から、ウレタンポリオールの水酸基価は130以下が好ましく、120以下がより好ましい。
主剤が、ウレタンポリオールとともに、ウレタン結合を有さないポリオールを含有してもよい。ウレタンポリオールの原料である前述のポリオールが、主剤に用いられうる。ウレタンポリオールと相溶可能なポリオールが好ましい。主剤と硬化剤との反応に要する時間が短いとの観点から、主剤におけるウレタンポリオールの比率は、固形分換算で、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。理想的には、この比率は100質量%である。
硬化剤は、ポリイソシアネート又はその誘導体を含有する。ウレタンポリオールの原料である前述のポリイソシアネートが、硬化剤に用いられうる。
補強層8が、着色剤(典型的には二酸化チタン)、リン酸系安定剤、酸化防止剤、光安定剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤等の添加剤を含んでもよい。添加剤は、二液硬化型熱硬化性樹脂の主剤に添加されてもよく、硬化剤に添加されてもよい。
補強層8は、主剤及び硬化剤が溶剤に溶解又は分散した液が、中間層6の表面に塗布されることで得られる。作業性の観点から、スプレーガンによる塗布が好ましい。塗布後に溶剤が揮発し、主剤と硬化剤とが反応して、補強層8が形成される。好ましい溶剤としては、トルエン、イソプロピルアルコール、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチルベンゼン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、イソブチルアルコール及び酢酸エチルが例示される。
ゴルフボール2の耐久性の観点から、補強層8の厚みTrのカバー10の公称厚みTcに対する比(Tr/Tc)は0.005以上が好ましく、0.010以上がより好ましく、0.020以上が特に好ましい。比(Tr/Tc)が過大であると、ドライバー、ロングアイアン及びミドルアイアンでのショットにおける反発係数が不十分となる。この観点から、比(Tr/Tc)は3.0以下が好ましく、2.0以下がより好ましい。
ゴルフボール2の耐久性の観点から、補強層8の厚みは0.003mm以上が好ましく、0.005mm以上がより好ましい。補強層8が容易に形成されるとの観点から、厚みは0.30mm以下、さらには0.10mm以下、さらには0.05mm以下、さらには0.02mm以下が好ましい。厚みは、ゴルフボール2の断面がマイクロスコープで観察されることで測定される。粗面処理により中間層6の表面が凹凸を備える場合は、凸部の直上で厚みが測定される。測定は、ディンプル12の直下を避けて行われる。
ゴルフボール2の耐久性の観点から、補強層8の引張強さは150kgf/cm2以上が好ましく、200kgf/cm2以上がより好ましい。打球感の観点から、引張強さは500kgf/cm2以下が好ましい。引張強さは、「JIS K5400」の規定に準拠して測定される。測定に供される試料は、塗料組成物が試験板にスプレーガンで塗布されることで得られる。塗料組成物は、40℃の雰囲気化で24時間保持される。測定時の引張速度は、50mm/minである。
補強層8の鉛筆硬度は、4B以上が好ましい。この補強層8は、ショートアイアンで打撃されたときのカバー10のズレを防止し、シワを抑制する。この観点から、鉛筆硬度は3B以上がより好ましく、B以上がより好ましい。鉛筆硬度が高すぎると、ショートアイアンで打撃されたときに補強層8がカバー10に追従しにくい。追従が不十分な場合は、補強層8が切断され、シワが発生する。シワ抑制の観点から、鉛筆硬度は3H以下が好ましく、2H以下がより好ましい。鉛筆硬度は、「JIS K5400」の規格に準拠して測定される。
カバー10は、熱可塑性樹脂組成物からなる。この樹脂組成物の基材ポリマーは、熱可塑性ポリウレタンエラストマーである。熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、軟質である。熱可塑性ポリウレタンエラストマーからなるカバー10を備えたゴルフボール2がショートアイアンで打撃されたときのスピン速度は、大きい。熱可塑性ポリウレタンエラストマーからなるカバー10は、ショートアイアンでのショットにおけるコントロール性能に寄与する。熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、カバー10の耐擦傷性能にも寄与する。
熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、ハードセグメントとしてのポリウレタン成分と、ソフトセグメントとしてのポリエステル成分又はポリエーテル成分とを含む。ポリウレタン成分の硬化剤としては、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート及び脂肪族ジイソシアネートが例示される。特に、脂環式ジイソシアネートが好ましい。脂環式ジイソシアネートは主鎖に二重結合を有さないので、カバー10の黄変が抑制される。しかも、脂環式ジイソシアネートは強度に優れるので、カバー10の傷つきが抑制される。2種以上のジイソシアネートが併用されてもよい。
脂環式ジイソシアネートとしては、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びトランス−1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)が例示される。汎用性及び加工性の観点から、H12MDIが好ましい。
芳香族ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及びトルエンジイソシアネート(TDI)が例示される。脂肪族ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が例示される。
熱可塑性ポリウレタンエラストマーの具体例としては、BASFジャパン社の商品名「エラストランXNY90A」、商品名「エラストランXNY97A」、商品名「エラストランXNY585」及び商品名「エラストランXKP016N」;並びに大日精化工業社の商品名「レザミンP4585LS」及び商品名「レザミンPS62490」が挙げられる。
カバー10において、熱可塑性ポリウレタンエラストマーと他の樹脂とが併用されてもよい。他の樹脂としては、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー、熱可塑性ポリスチレンエラストマー及びアイオノマー樹脂が挙げられる。
熱可塑性ポリウレタンエラストマーと他の樹脂とが併用される場合は、コントロール性能の観点から、熱可塑性ポリウレタンエラストマーが基材ポリマーの主成分とされる。全基材ポリマーに占める熱可塑性ポリウレタンエラストマーの比率は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、85質量%以上が特に好ましい。
カバー10には、必要に応じ、二酸化チタンのような着色剤、硫酸バリウムのような充填剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光剤、蛍光増白剤等が、適量配合される。比重調整の目的で、カバー10にタングステン、モリブデン等の高比重金属の粉末が配合されてもよい。
カバー10の硬度Hcは、54以下である。軟質なカバー10が採用されることにより、ショートアイアンでのショットにおける良好なコントロール性能が達成されうる。コントロール性能の観点から、硬度Hcは50以下、さらには47以下が好ましい。ドライバー、ロングアイアン及びミドルアイアンでのショットにおける飛行性能の観点から、硬度Hcは20以上、さらには28以上、さらには33以上が好ましい。
カバー10の公称厚みTcは、0.6mm以下である。前述のように、カバー10は低硬度である。低硬度なカバー10は、ゴルフボール2の反発係数の面では不利である。ドライバーでのショットでは、ゴルフボール2の中間層6及びコア4も大きく変形する。公称厚みTcが0.6mm以下に設定されることにより、カバー10が低硬度であっても、ドライバーでのショットにおける反発係数にカバー10が大幅な悪影響を与えることがない。中間層6にアイオノマー樹脂が用いられることで、ドライバーでのショットにおける優れた飛行性能が達成されうる。公称厚みTcは、ランド14の直下におけるカバーの厚みを意味する。ゴルフボールが地球儀と仮定されたとき、緯度θと経度φとからなる極座標は、(θ,φ)で表される。極座標が(10,0)、(25,0)、(40,0)、(55,0)、(70,0)、(85,0)、(10,90)、(25,90)、(40,90)、(55,90)、(70,90)及び(85,90)である12の基準点が選ばれ、この基準点に最も近いランド14の直下でカバー10の厚みが測定される。得られた12個のデータの平均値が、公称厚みTcである。
飛行性能の観点から、公称厚みTcは0.5mm以下がより好ましく、0.4mm以下が特に好ましい。カバー10の成形容易の観点から、公称厚みTcは0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましい。
図2は図1のゴルフボール2が示された拡大平面図であり、図3は図2のゴルフボール2が示された正面図である。図2及び図3から明らかなように、全てのディンプル12の平面形状は円形である。図2では、符号AからHによってディンプル12の種類が示されている。このゴルフボール2は、直径が4.70mmであるディンプルAと、直径が4.60mmであるディンプルBと、直径が4.50mmであるディンプルCと、直径が4.40mmであるディンプルDと、直径が4.20mmであるディンプルEと、直径が4.00mmであるディンプルFと、直径が3.90mmであるディンプルGと、直径が2.60mmであるディンプルHとを備えている。ディンプルAの個数は24個であり、ディンプルBの個数は18個であり、ディンプルCの個数は30個であり、ディンプルDの個数は42個であり、ディンプルEの個数は66個であり、ディンプルFの個数は126個であり、ディンプルGの個数は12個であり、ディンプルHの個数は12個である。このゴルフボール2のディンプル12の総数は、330個である。
図4は、図1のゴルフボール2の一部が示された拡大断面図である。この図には、ディンプル12の最深箇所P及びゴルフボール2の中心を通過する面に沿った断面が示されている。図4における上下方向は、ディンプル12の深さ方向である。深さ方向は、ディンプル12の面積重心からゴルフボール2の中心へ向かう方向である。図4において二点鎖線16で示されているのは、仮想球である。仮想球16の表面は、ディンプル12が存在しないと仮定されたときのゴルフボール2の表面である。ディンプル12は、仮想球16から凹陥している。ランド14は、仮想球16と一致している。
図4において両矢印Dpで示されているのは、ディンプル12の深さである。深さDpは、仮想球16と最深部Pとの距離である。図4において両矢印Tdで示されているのは、最深部Pの直下におけるカバー10の厚みである。前述のようにディンプル12は、仮想球16から凹陥しているので、厚みTdは公称厚みTcよりも小さい。最深部Pの直下のカバー10は、薄い。一般的に、ゴルフボールがショートアイアンで打撃されたとき、カバーのうち薄い部分は、カットされやすい。図4に示されたゴルフボール2では、中間層6及び補強層8が、最深部Pの直下において凹陥している。換言すれば、厚みTdが(Tc−Dp)より大きい。前述のように、このゴルフボール2の公称厚みTcは極めて小さいが、厚みTdが(Tc−Dp)より大きく設定されているので、最深部Pの直下のカバー10のカットが抑制される。このゴルフボール2は、カバー10の公称厚みTcが極めて小さくかつカバー10が軟質であるいにもかかわらず、耐久性に優れる。
耐久性の観点から、その最深部Pの直下におけるカバー10の厚みTdが(Tc−Dp)より大きいディンプル12の数がディンプル12の総数に占める比率P1は、30%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、80%以上が特に好ましい。この比率P1は、理想的には100%である。
耐久性の観点から、その深さDpが0.20mm以上であるすべてのディンプル12において、その最深部Pの直下におけるカバー10の厚みTdが(Tc−Dp)より大きいことが好ましい。
耐久性の観点から、厚みTdが(Tc−Dp+0.03)以上であることが好ましい。耐久性の観点から、その最深部Pの直下におけるカバー10の厚みTdが(Tc−Dp+0.03)以上であるディンプル12の数がディンプル12の総数に占める比率P2は、30%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、80%以上が特に好ましい。この比率P2は、理想的には100%である。
耐久性の観点から、その深さDpが0.20mm以上であるすべてのディンプル12において、その最深部Pの直下におけるカバー10の厚みTdが(Tc−Dp+0.03)以上であることが好ましい。
このゴルフボール2の製造には、圧縮成形法が好適である。圧縮成形法によってこのゴルフボール2が得られるには、まず、熱可塑性ポリウレタンエラストマーを基材ポリマーとする樹脂組成物から、ハーフシェルが得られる。次に、コア4、中間層6及び補強層8からなる球体が、2枚のハーフシェルで覆われる。次に、この球体及びハーフシェルが球状のキャビティ面を備えた成形型に投入され、加圧及び加熱される。キャビティ面は、多数のピンプルを備えてる。加圧及び加熱により、樹脂組成物が成形型の内部で流動し、カバー10が形成される。カバー10の表面には、ピンプルの形状が反転した形状のディンプル12が形成される。ピンプルはまた、補強層8及び中間層6も押圧する。この押圧により、補強層8及び中間層6が凹陥する。この凹陥により、カットされにくいカバー10が得られる。補強層8及び中間層6の凹陥は、加圧及び加熱のときの樹脂組成物の流動を促進する。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
100質量部のポリブタジエン(JSR社の商品名「BR−730」)、37質量部のアクリル酸亜鉛、適量の酸化亜鉛、0.7質量部のビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィド及び0.9質量部のジクミルパーオキサイドを混練し、ゴム組成物を得た。このゴム組成物を共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなる金型に投入し、170℃の温度下で15分間加熱して、直径が38.5mmであるコアを得た。このコアの質量は、34.9gであった。
二軸押出機で、下記表1に示されるタイプzの樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を射出成形法にてコアの周りに被覆し、中間層を得た。この中間層の厚みTmは1.5mmであり、硬度Hmは63であった。
二液硬化型エポキシ樹脂を基材ポリマーとする塗料組成物(神東塗料社の商品名「ポリン750LE)を調製した。この塗料組成物の主剤液は、30質量部のビスフェノールA型固形エポキシ樹脂と、70質量部の溶剤とからなる。この塗料組成物の硬化剤液は、40質量部の変性ポリアミドアミンと、55質量部の溶剤と、5質量部の酸化チタンとからなる。主剤液と硬化剤液との質量比は、1/1である。この塗料組成物を中間層の表面にスプレーガンで塗布し、40℃雰囲気下で24時間保持して、補強層を得た。この補強層の厚みTrは、0.003mmであった。
二軸押出機で、下記表2に示されるタイプcの樹脂組成物を得た。この樹脂組成物から、圧縮成形法にて、ハーフシェルを得た。このハーフシェル2枚で、コア、中間層及び補強層からなる球体を被覆し、共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなる金型に投入して、圧縮成形法にてカバーを得た。カバーの公称厚みTcは、0.6mmであった。このカバーの周りにペイント層を形成して、実施例1のゴルフボールを得た。このゴルフボールの直径は、42.7mmであった。
[実施例2から4及び比較例1から5]
実施例1と同様の製造方法で、下記の表1から7に示される仕様を備えたゴルフボールを得た。実施例2並びに比較例1、3及び5の補強層には、二液硬化型ウレタン樹脂を基材ポリマーとする塗料組成物が用いられた。この塗料組成物の生成では、まず、116質量部のPTMG及び16質量部の1,2,6−ヘキサントリオールを120質量部の溶剤(トルエンとメチルエチルケトンとの混合液)に溶解した。この液に、その濃度が0.1質量%となるように、ジブチル錫ジラウリレートを添加した。この液を80℃に保持しながら、48質量部のイソホロンジイソシアネートを滴下して、ウレタンポリオールを含有する主剤液を得た。このウレタンポリオールの固形分は60質量%であり、水酸基価は87mgKOH/gであり、重量平均分子量は7850であった。この主剤液と、イソホロンジイソシアネート(住友バイエルウレタン社製)を含有する硬化剤液とを、NCO/OHがモル比で1.2となるように混合した。この液に、光安定剤(三共社の商品名「サノールLS770」)、紫外線吸収剤(チバガイギー社の商品名「チヌビン900」)及び蛍光増白剤(チバガイギー社の商品名「ユビテックスOB」)を添加して、塗料組成物を調製した。ウレタン樹脂成分100質量部に対する添加量は、光安定剤が2質量部であり、紫外線吸収剤が2質量部であり、蛍光増白剤が0.2質量部である。
[比較例6]
カバーを射出成形法で成形した他は実施例1と同様の製造方法で、下記の表1から7に示される仕様を備えたゴルフボールを得た。
[比較例7]
カバーを射出成形法で成形したこと、及び補強層を実施例2と同様の方法で得たこと以外は実施例1と同様の製造方法で、下記の表1から7に示される仕様を備えたゴルフボールを得た。
[ドライバーでのショット]
ゴルフラボラトリー社のスイングマシンに、メタルヘッドを備えたドライバーを装着した。ヘッド速度が50m/secとなるようにマシン条件を設定し、ゴルフボールを打撃して、打撃直後のボール速度と、飛距離(発射地点から静止地点までの距離)とを測定した。10回の測定の平均値が、下記の表6及び表7に示されている。
[ミドルアイアンでのショット]
上記スイングマシンに、5番アイアンを装着した。ヘッド速度が41m/secとなるようにマシン条件を設定し、ゴルフボールを打撃して、打撃直後のスピン速度と飛距離とを測定した。10回の測定の平均値が、下記の表6及び表7に示されている。
[ショートアイアンでのショット]
上記スイングマシンに、アプローチウエッジを装着した。ヘッド速度が21m/secとなるようにマシン条件を設定し、ゴルフボールを打撃して、打撃直後のスピン速度を測定した。10回の測定の平均値が、下記の表6及び表7に示されている。
[シワ発生の程度の評価]
上記スイングマシンに、ピッチングウエッジを装着した。ヘッド速度が37m/secとなるようにマシン条件を設定し、ゴルフボールを打撃した。ゴルフボールの表面を目視観察し、シワがない場合を「良好」とし、シワがある場合を「不良」とした。この結果が、下記の表6及び表7に示されている。
[破壊テスト耐久性の評価]
ゴルフボールを45m/sの速度で、繰り返し金属板に衝突させ、ゴルフボールが破壊されるまでの回数をカウントした。6個のゴルフボールについての測定の平均値が、下記の表6及び表7に示されている。
表6及び表73から明らかなように、実施例のゴルフボールは、ドライバー及びミドルアイアンでのショットにおける飛行性能、ショートアイアンでのショットにおけるスピン性能並びに耐久性に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。