JP4433905B2 - 積層セラミック電子部品の製造方法及びプレス治具 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品の製造方法及び該製造方法に用いられるプレス治具に関し、より詳細には、静水圧プレスによりマザーのセラミック積層体を圧縮成形する工程を備えた積層セラミック電子部品の製造方法及び上記圧縮成形に際して用いられるプレス治具に関する。
従来、積層セラミック電子部品の製造に際しては、マザーのセラミック積層体を圧縮成形した後、個々の積層セラミック電子部品単位の積層体に切断し、しかる後セラミック積層体を焼成する方法が広く用いられている。すなわち、焼成に先立ち、積層セラミック積層体においてセラミックグリーンシート同士を強固に密着させるために上記圧縮成形工程が実施されている。
ところで、上記マザーのセラミック積層体の圧縮成形に際して全体を均一に加圧し得るため、静水圧プレス法が広く用いられている。下記の特許文献1には、静水圧プレスによりマザーのセラミック積層体を加圧する工程を備えた積層セラミック電子部品の製造方法の一例が開示されている。
図7に示すように、特許文献1に記載の製造方法では、剛性のベース101上に、両面粘着テープ102が貼付されている。両面粘着テープ102は、両面に粘着層を有する合成樹脂フィルムである。両面粘着テープ102の上面に、マザーのセラミック積層体103が粘着・固定されている。そして、柔軟性を有する袋内に、図7に示した構造を封入した後、静水圧プレスにより圧縮成形が行われる。
この方法では、ベース101上に両面粘着テープ102が貼付された構造に、作業者がマザーのセラミック積層体103を所定の位置に載置し、貼り合わせる作業が必要であった。従って、セラミック積層体103の載置に際して位置ずれが生じ、マザーのセラミック積層体103を所望通りに加圧することが困難となることがあった。
他方、下記の特許文献2には、図8に示すプレス治具111を用いたマザーのセラミック積層体の加圧成形工程が開示されている。ここでは、プレス治具111は、剛性のベース112と、剛性のベース112上に固定された枠体113とを有する。枠体113は、挿入されるマザーのセラミック積層体114の外径よりも若干大きくされている。加圧に際しては、プレス治具111内に、マザーのセラミック積層体114を載置し、しかる後、蓋材115を被せる。そして、図8に示されてる構造全体を柔軟性を有する袋に挿入し、密閉する。そして、静水圧を加え、加圧成形を行う。
特許文献2に記載の加圧成形工程では、上記枠体113により、マザーのセラミック積層体114の位置ずれを抑制することができ、マザーのセラミック積層体114を確実に加圧成形することができるとされている。
特開平11−40457号公報 特開平2−161713号公報
しかしながら、特許文献2に記載のプレス治具111を用いた製造方法では、加圧が開始されると、セラミック積層体114が外側面側に向かって伸びようとする。そのため、外側面が枠体113の内側面に密着するまでは、セラミック積層体114には、外側面側からの圧力が加わらず、上下方向、すなわち厚み方向にのみ加圧されることになる。従って、マザーのセラミック積層体114の外側面が枠体113の内側面に密着するまでの間、外側面近傍における平面方向の変形量は、マザーのセラミック積層体114の中央部分における平面方向の変形量よりも大きくなりがちであった。そのため、外側面近傍において、内蔵されている内部電極の位置ずれが生じがちであった。
従って、取り出されたマザーのセラミック積層体を個々の積層セラミック電子部品単位に切断して得られた積層体のうち、マザーのセラミック積層体の中央部分から取り出された積層体のみしか製品に用いることができなかった。よって、歩留りが低下しがちであった。
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、取り扱いに際しての位置決め等の煩雑な作業を簡略化することができるだけでなく、マザーのセラミック積層体を全領域に渡り均一に加圧することができ、従って生産性を効果的に高め得る積層セラミック電子部品の製造方法を提供することにある。
本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法は、複数のセラミックグリーンシートが積層されている構造を有するセラミック積層体を用意する工程と、前記セラミック積層体が載置される上面を有し、該上面のセラミック積層体が載置されている部分の側方に配置された少なくとも1つの凹部を有するベースプレートと、前記凹部内に配置されている付勢部材と、前記付勢部材の付勢力により、初期状態では、前記凹部から上方に突出されており、前記付勢部材の付勢力に逆らった外力が加わった際に、前記凹部内に収納されるように構成されているガイドとを備えるプレス治具を用意する工程と、前記プレス治具のベースプレートの上面に前記セラミック積層体を、該セラミック積層体の側面が前記ガイドにより位置決めされるように載置する工程と、前記セラミック積層体をベースプレート上に載置した後に、前記プレス治具及びセラミック積層体を柔軟性を有する材料からなる包装体に真空吸引して封入する工程と、前記包装体内に前記プレス治具及びセラミック積層体を封入した状態で静水圧を付与し、セラミック積層体を圧縮成形する工程と、前記包装体内に真空吸引により封入する工程において加わる大気圧、及び/または前記圧縮成形工程において加えられる静水圧により、前記ガイドを前記凹部内に収納する工程と、前記圧縮成形後にセラミック積層体を個々の積層セラミック電子部品単位のセラミック積層体に切り出す工程と、個々の積層セラミック電子部品単位のセラミック積層体を焼成し、セラミック焼結体を得る工程と、前記個々の電子部品単位のセラミック積層体または前記セラミック焼結体に外部電極を形成する工程とを備えることを特徴とする。
上記のように、ガイドを凹部内に圧力により収納する工程は、上記プレス治具及びセラミック積層体を包装体内に真空吸引により封入する際に加わる大気圧により、あるいは静水圧を付与してセラミック積層体を圧縮成形する際のいずれにおいて行われてもよい。
本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法のある特定の局面では、前記凹部として、複数の穴が形成されており、各穴にそれぞれ付勢部材が配置されており、各付勢部材に応じて前記ガイドがそれぞれ配置されている。
本発明に係る積層セラミック電子部品のさらに別の特定の局面では、前記凹部として、セラミック積層体の外側面に平行な方向に延びる少なくとも1つの溝が形成されており、各溝内に少なくとも1つの前記付勢部材が配置されており、かつ溝に応じた平面形状のガイドが付勢部材により付勢されるように構成されている。
本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法のさらに限定的な特定の局面では、前記少なくとも1つの溝として、前記セラミック積層体を取り囲む1つの枠状の溝が形成されている。
本発明に係るプレス治具は、複数枚のセラミックグリーンシートが積層されている構造を有するセラミック積層体を圧縮成形するためのプレス治具であって、セラミック積層体が載置される上面を有し、該上面に少なくとも1つの凹部が前記セラミック積層体の外側面の外側の位置に配置されているベースプレートと、前記ベースプレートの前記凹部内に配置された付勢部材と、前記付勢部材の付勢力により前記凹部内から凹部の上方に突出されており、セラミック積層体を加圧するための静水圧が加えられた際に、前記付勢部材の付勢力に逆らって、前記穴内に収納されるガイドとを備えることを特徴とする。
本発明に係るプレス治具のある特定の局面では、前記凹部として、複数の穴が形成されており、各穴にそれぞれ付勢部材が配置されており、各付勢部材に応じて前記ガイドがそれぞれ配置されている。
本発明に係るプレス治具の他の特定の局面では、前記凹部として、セラミック積層体の外側面に平行な方向に延びる少なくとも1つの溝が形成されており、各溝内に少なくとも1つの前記付勢部材が配置されており、かつ溝に応じた平面形状のガイドが付勢部材により付勢されるように構成されている。
本発明に係るプレス治具のさらに別の特定の局面では、前記少なくとも1つの溝として、前記セラミック積層体を取り囲む1つの枠状の溝が形成されている。
本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法では、上面のセラミック積層体が載置される部分の側方に少なくとも1つの凹部が設けられたベースプレートと、付勢部材により初期状態では凹部から上方に突出するように配置されており、付勢部材の付勢力に逆らう方向に外力が加わった際に、凹部内に収納されるように構成されているガイドとを備えるプレス治具を用いて圧縮成形が行われる。従って、上記プレス治具のベースプレート上にセラミック積層体を載置するに際しては、上記ガイドがベースプレートの上面から上方に突出されているため、ガイドを用いてセラミック積層体を容易に位置決めすることができる。そして、プレス治具及びセラミック積層体を包装体内にいれ、真空吸引により封入し、しかる後静水圧により圧縮成形が行われる。この場合、真空吸引に際して加わる大気圧に及び/または圧縮成形に際しての静水圧により、ガイドが付勢部材の付勢力に逆らって前記凹部内に収納されることになる。従って、セラミック積層体が全方向から均一に圧縮成形される。
よって、圧縮成形後に上記セラミック積層体を個々の積層セラミック電子部品単位の積層体に切り出した場合、セラミック積層体の周辺部分から切り出された積層体において歪みが生じ難い。従って、各積層体を焼成し、セラミック焼結体を得、上記セラミック積層体段階、あるいはセラミック焼結体段階で外部電極を形成することにより、ばらつきの少ない積層セラミック電子部品を得ることができる。
よって、マザーのセラミック積層体から個々の積層セラミック電子部品を得るに際しての歩留りを高めることができ、積層セラミック電子部品のコストを低減することが可能となる。
また、本発明に係るプレス治具では、上記少なくとも1つの凹部が上面に設けられたベースプレートと、凹部内に配置された付勢部材と、上記ガイドとを備えるため、初期状態では、付勢部材の付勢力によりガイドが上方に突出されているため、ガイドを利用してセラミック積層体を容易に位置決めし、ベースプレートの上面に載置することができる。そして、上記包装体内に真空吸引により封入する際に加わる大気圧及び/または圧縮成形に際しての静水圧が加えられた際には、ガイドが付勢部材の付勢力に逆らって凹部内に収納される。従って、セラミック積層体の外側面からも十分に加圧され、圧縮成形が行われる。よって、本発明の積層セラミック電子部品の製造方法に従って、部分的な歪みや密度のばらつきの少ない、セラミック積層体を得ることができるため、積層セラミック電子部品の生産性を高めることができる。
本発明の製造方法及びプレス治具において、凹部として、複数の穴が形成されており、各穴にそれぞれ付勢部材が配置されており、各付勢部材に応じてガイドがそれぞれ配置されている場合には、複数のガイドによりセラミック積層体の位置決めを確実に行うことができるとともに、セラミック積層体の位置ずれをより確実に防止することができる。
凹部として、セラミック積層体の外側面に平行な方向に延びる少なくとも1つの溝が形成されており、各溝内に、付勢部材が配置されており、溝に応じた平面形状のガイドが付勢部材により付勢されるように構成されている場合には、上記ガイドの平面形状を工夫することにより、セラミック積層体の位置決めをより確実とすることができ、かつセラミック積層体の位置ずれをより確実に防止することができる。
少なくとも1つの溝として、セラミック積層体を取り囲む1つの枠状の溝が形成されている場合には、該枠状の溝に応じた平面形状のガイドにより、セラミック積層体の位置ずれを確実に防止することができるとともに、該枠状の内側面にセラミック積層体を当接させることにより、セラミック積層体の位置決めを容易に行うことができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係る積層セラミック電子部品の製造方法で用いられるプレス治具を示す平面図及び(a)中のA−A線に沿う断面図である。
プレス治具1は、ベースプレート2を有する。ベースプレート2は、金属、セラミックスまたは硬質合成樹脂などの剛性材料により構成されている。ベースプレート2の寸法は、載置されるマザーのセラミック積層体の外側面より外側に50mm以下程度の余白部分を有するような大きさとすることが望ましく、それによってプレス治具1の小型化を図ることができる。もっとも、ベースプレート1の大きさは、マザーのセラミック積層体11に比べて十分大きくともよい。ベースプレート2の上面2aには、複数の穴3a〜3hが形成されている。各穴3a〜3hは、本実施形態では、円筒状とされている。
穴3a〜3h内には、付勢部材としてのコイルばね4がそれぞれ配置されている。
また、円筒状のガイド5が各穴3a〜3hに配置されている。図1(b)に示すように、各ガイド5は、コイルばね4により上方に付勢されており、初期状態では、ガイド5はベースプレート2の上面2aから上方に突出している。この突出量は、後述するマザーのセラミック積層体の厚みよりも大きくされる。
上記コイルばね4は、金属などの適宜の材料からなる。
また、上記ガイド5は、金属、セラミックスまたは硬質合成樹脂などの剛性材料により構成されている。
上記ガイド5の下端は、コイルばね4の上端に当接されているだけでもよいが、コイルばね5の脱落を防止するためには、コイルばね4の上端にガイド5が連結されていることが望ましい。
また、本実施形態では、上記穴3a〜3hは、後述するマザーのセラミック積層体11のコーナー部分に配置されている。より具体的には、マザーのセラミック積層体11のコーナー部分11Aの両側に、穴3a,3bが配置されている。同様に、他のコーナー部分11B〜11Dにおいても、コーナーを挟んだ両側において、穴3c〜3hが配置されている。
また、上記穴3a〜3hは、ガイド5がマザーのセラミック積層体11を載置した際に、マザーのセラミック積層体11の外側面に当接、あるいは外側面近傍に配置されるように位置決めされている。
上記プレス治具1を用いた積層セラミック電子部品の製造方法として、積層セラミックコンデンサの製造方法を説明する。
まず、図4に略図的正面断面図で示すマザーのセラミック積層体11を用意する。マザーのセラミック積層体11においては、複数の内部電極パターン12を介して、複数のマザーのセラミックグリーンシートが積層されている。マザーのセラミック積層体11を得るに際しては、公知の積層セラミック電子部品の製造方法に従って、複数枚のセラミックグリーンシートを積層すればよい。例えば、マザーのセラミックグリーンシート上に、導電ペーストを印刷することにより、内部電極パターン12を印刷する。内部電極パターン12が印刷されたマザーのセラミックグリーンシートを複数枚積層し、上下に適宜の枚数の無地のマザーのセラミックグリーンシートを積層する。このようにして、マザーのセラミック積層体11を得ることができる。
あるいは、積層ステージ上において、セラミックペーストを印刷し、しかる後セラミックペーストを乾燥した後に、内部電極ペーストを印刷する工程を繰り返すことにより、マザーのセラミック積層体11を得てもよい。
上記のようにして得られたマザーのセラミック積層体11を、図1(a)及び(b)に示したプレス治具1のベースプレート1a上に載置する。この場合、初期状態では、ガイド5がベースプレート2の上面2aから上方に突出している。そして、穴3a〜3h及びガイド5が上記のように配置されていたため、複数本のガイド5で囲まれた空間にマザーのセラミック積層体11を挿入するだけで、マザーのセラミック積層体11を容易にベースプレート2上の所定の位置に配置することができる。
なお、マザーのセラミック積層体11は、ベースプレート2上において形成され、ベースプレート2上に載置されてもよい。すなわち、ベースプレート2の上面を積層ステージとして用い、該ベースプレート2の上面上において、マザーのセラミック積層体11を作製し、それによってマザーのセラミック積層体11をベースプレート2上に載置してもよい。
しかる後、図1(b)に示すように、合成樹脂フィルム13をマザーのセラミック積層体11上に載置する。合成樹脂フィルム13は、必ずしも必須ではないが、マザーのセラミック積層体11を保護するとともに、内部電極積層部分と、非積層部分との間に生じる段差を解消するために用いられている。さらに合成樹脂フィルム13上に金属板を追加して載置してもよい。
しかる後、図1(b)に示した構造を、包装体としての柔軟性を有する袋Bに挿入し、真空吸引により、封入する。図1(b)では、柔軟性を有する袋Bは、略図的に一点鎖線で示されている。上記真空吸引により封入する際に、大気圧により、上記ガイド5が付勢部材としてのコイルばね4を圧縮し、下方に移動されてもよい。もっとも、ガイド5のコイルばね4の付勢力に逆らった下方への移動は、次に述べるように、静水圧プレスに際しての静水圧により果たされてもよい。また、上記真空吸引に際して加えられる大気圧と、次に述べる静水圧の双方が作用して、ガイド5が下方に移動されてもよい。
そして、上記プレス治具1及びマザーのセラミック積層体11を袋Bに密閉した状態で、静水圧プレス機により静水圧を加える。静水圧は全方向から均一に加圧力を与える。この加圧力により、ガイド5が、付勢部材としてのコイルばね4を圧縮し、図1(c)に示すように、付勢部材としてのコイルばね4の付勢力に逆らって下方に移動する。ガイド5の上端がベースプレート2の上面2aと面一になる移動量となるように、上記コイルばね4の付勢力及びガイド5の長さ方向寸法並びに穴3a〜3hの深さが選ばれている。
従って、加圧力が作用すると、ガイド5がベースプレート2の上面2a以下の部分に移動されるため、マザーのセラミック積層体11の外側面が全ての部分で露出することになる。よって、静水圧プレスによる加圧力が、マザーのセラミック積層体11の上面だけでなく、外側面の全領域において均一に作用する。よって、マザーのセラミック積層体11は、均一に圧縮成形される。
その結果、マザーのセラミック積層体11におけるセラミックグリーンシート同士の密着力が、マザーのセラミック積層体11の平面方向の全領域において均一に高められる。
上記のようにして、圧縮成形した後に、マザーのセラミック積層体11を、プレス治具1から取り出す。取り出しに際しては、静水圧プレスによる加圧力が除去された段階で、ガイド5が再度初期状態に復帰する。すなわち、コイルばね4の弾発力により、ガイド5が上方に移動する。この場合、静水圧プレスにより、圧縮成形されたマザーのセラミック積層体11は、当初の状態よりも若干小さくなっている。従って、ガイド5と圧縮成形後のマザーのセラミック積層体11の外側面との間には若干の隙間が生じる。よって、容易にマザーのセラミック積層体11を、複数本のガイド5間の領域から容易に取り出すことができる。
取り出されたマザーのセラミック積層体11は均一に圧縮成形されている。このマザーのセラミック積層体を厚み方向に切断し、個々の積層セラミックコンデンサ単位の積層体を得る。マザーのセラミック積層体11が均一に圧縮成形されているため、マザーのセラミック積層体11の中央部分から切り出されたセラミック積層体だけでなく、周辺部分から切り出されたセラミック積層体においても内部電極同士の位置ずれは生じ難い。すなわち、マザーのセラミック積層体11から切り出される複数のセラミック積層体におけるばらつきを低減することができる。
上記のようにして切り出されたセラミック積層体を焼成することにより、図5に示すセラミック焼結体14が得られる。セラミック焼結体14では、複数の内部電極15a〜15dがセラミック層を介して重なり合うように配置されている。そして、セラミック焼結体14の両端面14a,14bに外部電極16,17を形成することにより、積層セラミックコンデンサ18を得ることができる。なお、上記外部電極16,17の形成は、セラミック焼結体14を得る前に、焼成前に外部電極形成用導電ペーストをセラミック積層体に塗布し、セラミック積層体の焼成工程において同時に導電ペーストを焼き付けることにより行われてもよい。
上記実施形態では、付勢部材として、図2に示したコイルばね4が用いられたが、図3に略図的部分切欠断面図で示すように、コイルばね4に代えて、マグネット4Aを用いてもよい。マグネット4Aを用いた場合、マグネット4Aに対して磁気的に反発する強磁性材料によりガイド5Aを形成すればよい。従って、磁気的反発力により、初期状態では、ガイド5がベースプレート2の上面2aから上方に突出されている。そして、静水圧プレスに際しては、加圧力により、磁気的反発力に逆らってガイド5Aがマグネット4A側に移動する。従って、前述した第1の実施形態の場合と同様に、静水圧プレスに際し、マザーのセラミック積層体11の外側面の全ての部分から均一にマザーのセラミック積層体11を加圧することができる。
なお、上記のように、本発明における付勢部材は、コイルばね4に限定されず、マグネット4Aや、様々な付勢部材により構成され得る。
また、上記実施形態では、1つのマザーのセラミック積層体11を、ベースプレート2の上面2a上に載置し、静水圧プレスを行ったが、プレス治具1において、ベースプレート2の上面2a上に、複数のマザーのセラミック積層体11を積層し、圧縮成形してもよい。この場合、必要に応じて、積層される複数のマザーのセラミック積層体間に、合成樹脂フィルム12等の適宜の部材を配置し、それによって圧縮成形後の分離を容易としてもよい。
なお、ベースプレート2の上面2aは、好ましくは、シリコーン樹脂などの離型剤により離型処理されていることが望ましい。離型処理されている場合には、圧縮成形後に、マザーのセラミック積層体11を上面2aから容易に分離することができる。
図6(a)及び(b)は、本発明の第2の実施形態に係る積層セラミック電子部品の製造方法に用いられるプレス治具を示す平面図及び正面断面図である。
第2の実施形態で用いられるプレス治具31では、ベースプレート2に1つの枠状の凹部3Aが設けられていること、並びに凹部3Aに応じて、矩形枠状のガイド5Aが用いられることを除いては、第1の実施形態で用いられているプレス治具1と同様に構成されている。
すなわち、図4(a)及び(b)に示すように、矩形枠状の凹部3Aが形成されている。そして、凹部3A内に、付勢部材4Bが配置されている。付勢部材4Bは、本実施形態では、複数のコイルばねを凹部3A内に所定の間隔で配置することにより構成されている。もっとも、付勢部材としては、複数のコイルばねに代えて、図3に示したマグネットを所定間隔を隔てて複数配置してもよい。あるいは矩形枠状の凹部3Aに応じた平面形状の付勢部材を凹部3A内に配置してもよい。
他方、ガイド5Bは、凹部3Aの平面形状に一致した平面形状の角環状の部材である。そして、ガイド5Aは、初期状態では、ベースプレート2の上面2aから上方に突出されており、マザーのセラミック積層体11よりも上方に延ばされている。そして、静水圧プレス2の加圧力により、図6(c)に示すように、付勢部材4Bの付勢力に逆らって、ガイド5Aが下方に移動し、従って、マザーのセラミック積層体11の外側面に均一に加圧力が加わる。
よって、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、マザーのセラミック積層体11を全方向から均一に加圧することができる。
第2の実施形態の説明から明らかなように、本発明で用いられるプレス治具における凹部は、第1の実施形態のような円筒状の複数の穴に限らず、1つの角環状の凹部であってもよい。また、複数の穴を形成する場合、穴の平面形状は第1の実施形態の場合の円形に限らず、矩形、菱形、三角形等の様々な形状とされ得る。また、第2の実施形態では、角環状の凹部3Aが設けられたが、凹部は、楕円形状等の他の形状であってもよい。さらに、凹部は、例えば図6の凹部3Aを複数の部分に分割した複数の凹部により構成されていてもよい。
もっとも、好ましくは、マザーのセラミック積層体11の位置決め及び位置ずれを防止するには、凹部は、マザーのセラミック積層体11の少なくとも1つのコーナーを挟んだ両側の辺に位置されていることが好ましく、より好ましくは、マザーのセラミック積層体11の対向する一対の外側面の外側及び対向する他の一対の外側面の外側に、それぞれ凹部及びガイドが配置されていることが望ましい。
なお、上記実施形態では、積層セラミック電子部品の製造方法として積層セラミックコンデンサの製造方法を説明したが、積層セラミックコンデンサ以外のセラミック多層基板、積層型サーミスタ、または積層型圧電共振部品などの様々な積層セラミック電子部品の製造方法に本発明を適用することができる。
(a)は本発明の一実施形態で用いられるプレス治具の平面図、(b)は(a)中のA−A線に沿う断面図、(c)は静水圧プレスにより加圧されてガイドが移動した状態を示す正面断面図。 第1の実施形態において用いられる付勢部材としてのコイルばねを説明するための部分切欠拡大断面図。 第1の実施形態で用いられるプレス治具の変形例として、付勢部材としてマグネットを用いた構造の部分切欠拡大断面図。 第1の実施形態で用意されるマザーのセラミック積層体を示す模式的正面断面図。 第1の実施形態で得られる積層セラミック電子部品としての積層セラミックコンデンサを示す正面断面図。 (a)は第2の実施形態で用いられるプレス治具の平面図、(b)は(a)に示したプレス治具の正面断面図、(c)は(a)に示したプレス治具を用いて圧縮成形した際にガイドが移動した後の状態を示す正面断面図。 従来の積層セラミック電子部品の製造方法において、マザーのセラミック積層体を加圧成形する工程を説明するための一例を示す正面断面図。 従来の積層セラミック電子部品の製造方法において、マザーのセラミック積層体を加圧成形する工程を説明するための他の例を示す正面断面図。
符号の説明
1…プレス治具
2…ベースプレート
2a…上面
3a〜3h…穴
3A…凹部
4…コイルばね
4A…付勢部材
5…ガイド
5A…ガイド
5B…ガイド
11…マザーのセラミック積層体
12…内部電極パターン
13…合成樹脂フィルム
14…セラミック焼結体
15a〜15d…内部電極
16,17…外部電極
18…積層セラミックコンデンサ

Claims (8)

  1. 複数のセラミックグリーンシートが積層されている構造を有するセラミック積層体を用意する工程と、
    前記セラミック積層体が載置される上面を有し、該上面のセラミック積層体が載置されている部分の側方に配置された少なくとも1つの凹部を有するベースプレートと、前記凹部内に配置されている付勢部材と、前記付勢部材の付勢力により、初期状態では、前記凹部から上方に突出されており、前記付勢部材の付勢力に逆らった外力が加わった際に、前記凹部内に収納されるように構成されているガイドとを備えるプレス治具を用意する工程と、
    前記プレス治具のベースプレートの上面に前記セラミック積層体を、該セラミック積層体の側面が前記ガイドにより位置決めされるように載置する工程と、
    前記セラミック積層体をベースプレート上に載置した後に、前記プレス治具及びセラミック積層体を柔軟性を有する材料からなる包装体に真空吸引して封入する工程と、
    前記包装体内に前記プレス治具及びセラミック積層体を封入した状態で静水圧を付与し、セラミック積層体を圧縮成形する工程と、
    前記包装体内に真空吸引により封入する工程において加わる大気圧、及び/または前記圧縮成形工程において加えられる静水圧により、前記ガイドを前記凹部内に収納する工程と、
    前記圧縮成形後にセラミック積層体を個々の積層セラミック電子部品単位のセラミック積層体に切り出す工程と、
    個々の積層セラミック電子部品単位のセラミック積層体を焼成し、セラミック焼結体を得る工程と、
    前記個々の電子部品単位のセラミック積層体または前記セラミック焼結体に外部電極を形成する工程とを備えることを特徴とする、積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 前記凹部として、複数の穴が形成されており、各穴にそれぞれ付勢部材が配置されており、各付勢部材に応じて前記ガイドがそれぞれ配置されている、請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 前記凹部として、セラミック積層体の外側面に平行な方向に延びる少なくとも1つの溝が形成されており、各溝内に少なくとも1つの前記付勢部材が配置されており、かつ溝に応じた平面形状のガイドが付勢部材により付勢されるように構成されている、請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  4. 前記少なくとも1つの溝として、前記セラミック積層体を取り囲む1つの枠状の溝が形成されている、請求項3に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  5. 複数枚のセラミックグリーンシートが積層されている構造を有するセラミック積層体を圧縮成形するためのプレス治具であって、
    セラミック積層体が載置される上面を有し、該上面に少なくとも1つの凹部が前記セラミック積層体の外側面の外側の位置に配置されているベースプレートと、
    前記ベースプレートの前記凹部内に配置された付勢部材と、
    前記付勢部材の付勢力により前記凹部内から凹部の上方に突出されており、セラミック積層体を加圧するための静水圧が加えられた際に、前記付勢部材の付勢力に逆らって、前記穴内に収納されるガイドとを備えることを特徴とする、プレス治具。
  6. 前記凹部として、複数の穴が形成されており、各穴にそれぞれ付勢部材が配置されており、各付勢部材に応じて前記ガイドがそれぞれ配置されている、請求項5に記載のプレス治具。
  7. 前記凹部として、セラミック積層体の外側面に平行な方向に延びる少なくとも1つの溝が形成されており、各溝内に少なくとも1つの前記付勢部材が配置されており、かつ溝に応じた平面形状のガイドが付勢部材により付勢されるように構成されている、請求項5または6に記載のプレス治具。
  8. 前記少なくとも1つの溝として、前記セラミック積層体を取り囲む1つの枠状の溝が形成されている、請求項7に記載のプレス治具。
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