JP4241923B2 - セラミックパッケージの製造方法 - Google Patents
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上記一対の電極は、平面視が長方形を呈する凹部における一短辺の側壁の両内隅部に設けた一対の段差部の上面に露出すると共に、凹部の底面の外周部において、かかる電極の外周部側が、当該凹部の中央部側よりも厚くなるように形成される。このため、かかる電極に導電性樹脂を介して圧電振動子を電気的に接続する際に、かかる圧電振動子と各電極との隙間に、導電性樹脂の溜まりを容易に形成できるので、両者間の接合を強固にできる、という利点を有する。
しかしながら、前記メタライズ層をノックアウト板で押さえた状態で、パンチによる打ち抜き加工をした場合、分割して形成された一対のパッドの上面が平坦になる。このため、かかる一対のパッド上に過度に広い面積を介して圧電振動子が接合されたり、接合時の姿勢が傾くなどにより、所要の振動動作を可能にして搭載できなくなる、という不具合を招くおそれがあった。
即ち、本発明による第1のセラミックパッケージの製造方法(請求項1)は、セラミックからなり且つキャビティを内設したパッケージ本体と、前記キャビティ内に凹溝を挟んで形成され、且つ上向きに凸形の曲面を有する一対のパッドと、を含むセラミックパッケージの製造方法であって、グリーンシートの表面に上向きに凸形の曲面を有する単一のメタライズ層を形成する工程と、かかるメタライズ層を含む上記グリーンシートの表面と裏面との間を貫通し、追って上記凹溝となる貫通孔を形成する工程と、を含み、上記貫通孔を形成する工程は、上記メタライズ層をその上方から収容する凹部と、かかる凹部を分割する受入孔とを有するノックアウト板を、上記メタライズ層が上記凹部に収容されるように上記グリーンシートの表面上に配置した後、上記貫通孔の断面と相似形の断面を含むパンチを、上記受入孔に貫通させ、且つ上記メタライズ層の中央部と、上記グリーンシートとを打ち抜くことで行う、ことを特徴とする。
また、前記一対のパッドにおける垂直面の上辺と曲面との間には、断面視でアール形のコーナ部が位置している形態も含ま得れる。これによる場合、搭載すべき圧電振動子などの電子部品を、各パッドの曲面に強固に接合することが可能となる。
更に、前記セラミックには、アルミナなどを主成分とするもののほか、低温焼成セラミックの一種であるガラス−セラミックも含まれる。
更に、前記メタライズ層は、WまたはMo粉末粒子を含む導電性ペーストを後述するグリーンシートの表面に1層または2層以上に印刷・形成したものである。
加えて、前記一対のパッドに接合される電子部品には、前記圧電振動子のほか、SAWフィルタなども含まれる。
また、前記一対のパッドは、上記矩形を呈するキャビティの何れかの側面と当該側面に隣接する別の側面との間の一対の内隅部に位置し、当該キャビティの底面よりも高い位置に形成された一対の段部の上面に個別に形成される。
加えて、前記パッケージ本体のキャビティの開口部は蓋板によって閉塞され、かかる蓋板には、Fe−42wt%Ni(いわゆる42アロイ)、Cu−2.3wt%Fe−0.03wt%P(いわゆる194合金)、あるいはFe−29wt%Ni−17wt%Co(いわゆるコバール)などの金属製のほか、前記セラミック製のものも含まれる。
これによる場合、セラミックからなる前記セラミックパッケージを確実に製造することが可能となる。
図1は、本発明により得られる一形態のセラミックパッケージ1を示す斜視図、図2は、その平面図、図3は、図2中のX−X線の矢視に沿った垂直断面図、図4は、図3中の一部拡大図である。
セラミックパッケージ1は、図1〜図4に示すように、上向きに開口する直方体のキャビティ6を有する箱形のパッケージ本体2と、かかるキャビティ6の内側において離間して形成された一対のパッド10a,10bと、を含んでいる。
パッケージ本体2は、アルミナを主成分とするセラミックからなり且つ全体が直方体を呈し、平面視が長方形の底板5、その四辺から立設する長辺と短辺との側壁3,4、およびこれに囲まれたキャビティ6を備えている。因みに、かかるパッケージ本体2の外形寸法は、例えば、約3.2×1.5×0.5mmである。
尚、一対のパッド10a,10bには、例えば側壁4を貫通して外部との導通を取るための導線(図示せず)が個別に接続されている。
予め、アルミナ粉末粒子、樹脂バインダ、可塑剤、および溶剤などからなる原料を混合して、セラミックスラリを製作した。かかるセラミックスラリにドクターブレード法を施して、4層のグリーンシートs1〜s4を形成した。尚、かかるグリーンシートs1〜s4は、多数個取り用である大版のものとしても良い。
次に、図5に示すように、グリーンシートs2の表面に、図示しないメタルマスクおよびスキージを用い、WまたはMo粉末粒子を含む導電性ペーストを印刷することで、メタライズ層10を形成した。かかるメタライズ層10は、平面視で各コーナにアールが付されたほぼ長方形を呈し、中央部ほど厚く周辺部ほど薄くなるように緩くカーブした曲面を有していた。
尚、上記メタライズ層10は、下層と上層との2層またはそれ以上のメタライズ層を積層することで形成しても良い。また、グリーンシートs2の表面には、メタライズ層10と接続する一対の導線部(図示せず)を印刷・形成しても良い。
図7に示すように、グリーンシートs2の表面にノックアウト板15を載置して両者を拘束すると共に、凹部17内にメタライズ層10を収容した。
上記パンチ18は、図7,図8に示すように、メタライズ層10およびグリーンシートs2の中央部を打ち抜いた。次いで、パンチ18を引き上げた後、ノックアウト板15をグリーンシートs2の表面から除去した。
尚、前記親パンチ19がパンチ18と一体の場合は、図8,図9中の破線で示すように、前記キャビティ6の各側面を形成する平面視で長方形の貫通孔6bが、グリーンシートs2を貫通して形成された。かかる貫通孔6bは、その短辺の中央付近で、上記貫通孔7aの一端と連通していた。また、上記貫通孔6bは、パンチ18とは別個の親パンチ19を用いる打ち抜き加工により形成しても良い。
更に、図11に示すように、グリーンシートs3,s4にも、前記親パンチ19と同様な断面のパンチを用いて、前記キャビティ6の各側面となる貫通孔6c,6dを打ち抜き加工により形成した。
そして、上記グリーンシート積層体を図示しない焼成炉に挿入し、所定の温度帯で加熱・焼成した。その結果、前記図1〜図4に示し且つ貫通孔7aが底面6aを含む前記凹溝7となったセラミックパッケージ1を製造することができた。
図12に示すように、前記同様にして作成したグリーンシートs5の表面に、図示しないメタルマスクおよびスキージを用い、WまたはMo粉末粒子を含む導電性ペースト印刷をして、一対のメタライズ層20を互いに離間させて形成した。かかる一対のメタライズ層20は、平面視で各コーナにアールが付されたほぼ正方形を呈し、中央部が厚く周辺部ほど薄くなるように緩くカーブする曲面を有していた。
尚、一対のメタライズ層20も、上下層2層以上のメタライズ層を積層することによって、それぞれ形成しても良い。また、上記グリーンシートs5も、多数個取り用である大版のものとしても良い。
次に、図13に示すように、グリーンシートs5の表面に前記同様のノックアウト板15を載置して、両者を拘束すると共に、凹部17内に一対のメタライズ層20を収容した。
上記パンチ18は、図13,図14に示すように、メタライズ層20,20の対向する側辺寄りの一部分、およびこれらに挟まれた表面fを含むグリーンシートs5を打ち抜いた。次いで、パンチ18を引き上げた後、ノックアウト板15をグリーンシートs5の表面から除去した。
尚、前記親パンチ19がパンチ18と一体の場合は、図14,図15中の破線で示すように、前記キャビティ6の各側面を形成する平面視で長方形の貫通孔6bがグリーンシートs5を貫通して形成された。かかる貫通孔6bは、その短辺の中央付近で、上記貫通孔27の一端と連通していた。また、上記貫通孔6bは、パンチ18と別個の親パンチ19を用いる打ち抜き加工により形成しても良い。
次いで、前記同様に、平坦な表面6aを有する前記グリーンシートs1の上に、パッド20a,20bや貫通孔6bなどが形成されたグリーンシートs5を積層し、更に、その上に前記キャビティ6の各側面となる貫通孔6c,6dを形成した前記グリーンシートs3,s4を積層して、グリーンシート積層体を形成した。
以上のような第2のセラミックパッケージの製造方法によれば、グリーンシートs5の表面に形成した一対のメタライズ層20をノックアウト板15の凹部17に収容した状態で、上記一対のメタライズ層20の一部分およびグリーンシートs5を打ち抜くことで、当該グリーンシートs5に貫通孔27が形成できた。このため、上記メタライズ層20は、所定幅の貫通孔27を介して一対のパッド20a,20bとなり、かかるパッド20a,20bは、比較的小さな垂直面21を互いに対向させ、且つ当初の印刷・形成時の曲面22が各垂直面21の上辺に位置するコーナ部rから離れる方向に延びる形状となっていた。従って、例えば圧電振動子を、一対のパッド20a,20bの各曲面22上に、比較的小面積で強固に接合可能とするセラミックパッケージを確実に提供できた。
図17に示すように、前記と同様に作成したグリーンシートs6の表面に、図示しないメタルマスクおよびスキージを用い、WまたはMo粉末粒子を含む導電性ペーストを印刷して、一対のメタライズ層30を互いに離間させて形成した。かかる一対のメタライズ層30は、平面視で各コーナにアールが付されたほぼ正方形を呈し、中央部ほど厚く周辺部ほど薄くなる緩くカーブした曲面32を有していた。
尚、上記メタライズ層30,30も、上下層2層以上のメタライズ層を積層することによって、それぞれ形成しても良い。また、上記グリーンシートs6も、多数個取り用である大版のものとしても良い。
次に、図18に示すように、グリーンシートs6の表面に前記同様のノックアウト板15を載置して、両者を拘束すると共に、凹部17内にメタライズ層30,30を収容した。
上記パンチ18は、図18,図19に示すように、メタライズ層30,30間に挟まれた表面fからグリーンシートs6を打ち抜いた。次いで、パンチ18を引き上げた後、ノックアウト板15をグリーンシートs6の表面から除去した。
尚、前記親パンチ19がパンチ18と一体の場合は、図19,図20中の破線で示すように、前記キャビティ6の各側面を形成する平面視で長方形の貫通孔6bがグリーンシートs6を貫通して形成された。かかる貫通孔6bは、その短辺の中央付近で、上記貫通孔37の一端と連通していた。また、上記貫通孔6bは、パンチ18と別個の親パンチ19を用いる打ち抜き加工により形成しても良い。
次いで、前記同様に、平坦な表面6aを有する前記グリーンシートs1の上に、パッド30a,30bや貫通孔37などが形成されたグリーンシートs6を積層し、更に、その上に前記キャビティ6の各側面となる貫通孔6c,6dを形成した前記グリーンシートs3,s4を積層して、グリーンシート積層体を形成した。
以上のような第3のセラミックパッケージの製造方法によれば、グリーンシートs6の表面に形成した一対のメタライズ層30をノックアウト板15の凹部17に収容した状態で、一対のメタライズ層30に挟まれた表面fからグリーンシートs6を打ち抜くことで、貫通孔37が形成された。このため、一対のメタライズ層30である一対のパッド30a,30bは、当初の印刷・形成時の曲面32を有していた。従って、例えば圧電振動子を、一対のパッド30a,30bの各曲面32上に、比較的少面積で強固に接合可能とするセラミックパッケージを確実に提供できた。
前記セラミックパッケージのパッケージ本体、またはそのキャビティの開口部を閉塞する蓋板を形成するセラミックは、低温焼成セラミックの一種であるガラス−セラミックとしても良い。
また、前記一対のパッドは、平面視が長方形のキャビティ内の長手方向における中間位置に設けた一対の段部の各上面に個別に形成することも可能である。
更に、前記一対のパッドは、キャビティの底面付近に形成しても良い。
また、前記第1の製造方法は、グリーンシートの表面に下層メタライズ層を形成する工程と、かかる下層メタライズ層を分割し且つ上記グリーンシートの表面と裏面との間を貫通する貫通孔を形成する工程と、分割により得られた一対の下層メタライズ層ごとの上に、上層メタライズ層を形成する工程と、を含む、ものとしても良い。
加えて、前記第1〜第3の製造方法は、キャビティ内に位置する一対のパッドに圧電振動子などを搭載した後、当該キャビティの開口部を蓋板で閉塞する工程を更に有する、ものとすることもできる。
2………………………………………………………パッケージ本体
6………………………………………………………キャビティ
6a……………………………………………………底面
7………………………………………………………凹溝
7a,27,37……………………………………貫通孔
10,20,30……………………………………メタライズ層
10a,10b,20a,20b,30a,30b…パッド
11,21……………………………………………垂直面
12a,12b,22,32………………………曲面
15……………………………………………………ノックアウト板
16……………………………………………………受入孔
17……………………………………………………凹部
18……………………………………………………パンチ
19……………………………………………………親パンチ
s2,s5,s6……………………………………グリーンシート
f………………………………………………………表面
Claims (4)
- セラミックからなり且つキャビティを内設したパッケージ本体と、前記キャビティ内に凹溝を挟んで形成され、且つ上向きに凸形の曲面を有する一対のパッドと、を含むセラミックパッケージの製造方法であって、
グリーンシートの表面に上向きに凸形の曲面を有する単一のメタライズ層を形成する工程と、
上記メタライズ層を含む上記グリーンシートの表面と裏面との間を貫通し、追って上記凹溝となる貫通孔を形成する工程と、を含み、
上記貫通孔を形成する工程は、上記メタライズ層をその上方から収容する凹部と、かかる凹部を分割する受入孔とを有するノックアウト板を、上記メタライズ層が上記凹部に収容されるように上記グリーンシートの表面上に配置した後、上記貫通孔の断面と相似形の断面を含むパンチを、上記受入孔に貫通させ、且つ上記メタライズ層の中央部と、上記グリーンシートとを打ち抜くことで行う、
ことを特徴とするセラミックパッケージの製造方法。 - セラミックからなり且つキャビティを内設したパッケージ本体と、前記キャビティ内に凹溝を挟んで形成され、且つ上向きに凸形の曲面を有する一対のパッドと、を含むセラミックパッケージの製造方法であって、
グリーンシートの表面に上向きに凸形の曲面を有する一対のメタライズ層を形成する工程と、
上記一対のメタライズ層に挟まれた上記グリーンシートの表面および当該一対のメタライズ層の一部分と、上記グリーンシートの裏面との間を貫通し、追って上記凹溝となる貫通孔を形成する工程と、を含み、
上記貫通孔を形成する工程は、上記一対のメタライズ層をそれらの上方から収容する凹部と、かかる凹部を分割する受入孔とを有するノックアウト板を、上記一対のメタライズ層が上記凹部に収容されるように上記グリーンシートの表面上に配置した後、上記貫通孔の断面と相似形の断面を含むパンチを、上記受入孔に貫通させ、且つ上記一対のメタライズ層の対向する側辺寄りの一部分と、上記グリーンシートとを打ち抜くことで行う、
ことを特徴とするセラミックパッケージの製造方法。 - セラミックからなり且つキャビティを内設したパッケージ本体と、前記キャビティ内に凹溝を挟んで形成され、且つ上向きに凸形の曲面を有する一対のパッドと、を含むセラミックパッケージの製造方法であって、
グリーンシートの表面に上向きに凸形の曲面を有する一対のメタライズ層を形成する工程と、
上記一対のメタライズ層に挟まれた上記グリーンシートの表面と裏面との間を貫通し、追って上記凹溝となる貫通孔を形成する工程と、を含み、
上記貫通孔を形成する工程は、上記一対のメタライズ層をそれらの上方から収容する凹部と、かかる凹部を分割する受入孔とを有するノックアウト板を、上記一対のメタライズ層が上記凹部に収容されるように上記グリーンシートの表面上に配置した後、上記貫通孔の断面と相似形の断面を含むパンチを、上記受入孔に貫通させ、且つ上記一対のメタライズ層間のグリーンシートを打ち抜くことで行う、
ことを特徴とするセラミックパッケージの製造方法。 - 前記パンチは、前記キャビティの断面と相似形の親パンチを一体に有し、該パンチおよび親パンチが前記グリーンシートを貫通して形成される前記貫通孔は、上記キャビティの側面となる部分を併有している、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のセラミックパッケージの製造方法。
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