JP4433474B2

JP4433474B2 - 車両用バンパビーム取付構造

Info

Publication number: JP4433474B2
Application number: JP2005044254A
Authority: JP
Inventors: 桂一本田; 敏彦鈴木; 和生大村
Original assignee: Honda Motor Co Ltd
Current assignee: Honda Motor Co Ltd
Priority date: 2005-02-21
Filing date: 2005-02-21
Publication date: 2010-03-17
Anticipated expiration: 2025-02-21
Also published as: JP2006224917A; US20060186680A1; US7210719B2

Description

本発明は、車体に小さな衝撃が加わったときにバンパビーム若しくはバンパビームの取付部分で衝撃吸収をさせることができる車両用バンパビーム取付構造に関するものである。

車両用バンパビーム取付構造として、軽衝突時（車体に小さな衝撃が加わったとき）にバンパビーム自体若しくはバンパビームの取付部分で衝撃を吸収させることのできる車両用バンパビーム取付構造が実用に供されている。
実用の車両用バンパビームは、バンパビーム若しくはバンパビームの取付部分の剛性を小さく設定すれば実用上十分であった。

このような車両用バンパビーム取付構造として、バンパビームに取付部材を取付け、取付部材を車体側に取付けるようにしたものが知られている（例えば、特許文献１参照。）。
特開平７−２６５９８８公報（第６−７頁、図１−４）

図１０は従来の基本原理を説明する車両用バンパビーム取付構造の分解斜視図であり、車両用バンパビーム取付構造３２０は、バンパビーム３２１と、バンパビーム３２１を車体側に支持するためにバンパビーム３２１に貫通させる押出し材で複数リブ３２４，３２４を渡した取付部材３２２，３２２（一方の３２２のみ図示）と、から構成するものである。

図１１は従来の基本原理を説明する車両用バンパビーム取付構造の斜視図であり、車両用バンパビーム取付構造３２０は、押出し材でバンパビーム（車両用バンパビーム）３２１形成し、このバンパビーム３２１に取付部材３２２，３２２を貫通させ、これらの取付部材３２２，３２２をバンパビーム３２１に固定し、これらの取付部材３２２，３２２を固定した部位を曲げて湾曲部３２３，３２３を形成し、これらの湾曲部３２３，３２３に沿わせて取付部材３２２，３２２につぶし加工を加え、これらの取付部材３２２，３２２を車体側に取付可能に形状を整えたものである。

ところで、車両の低速状態で前部若しくは後部に障害物が衝突する場合（一般的に、「軽衝突」と呼ぶ）にバンパビーム若しくは取付部材で軽衝突時の衝撃を吸収し、バンパビームの内方にあるフロントメンバやリヤメンバに影響を及ばさないように配慮することが好ましい。

しかし、車両用バンパビーム取付構造３２０では、取付部材３２２，３２２に複数のリブ３２４，３２４を渡すとともに、これらのリブ３２４，３２４につぶし加工を加えたものなので、剛性が高く軽衝突時において取付部材３２２，３２２で衝撃を吸収させることを望むことはできない。

また、車両用バンパビーム取付構造３２０では、バンパビーム３２１に襲撃吸収のために変形を促す部分を意図的に形成したものではないので、軽衝突時においてバンパビーム３２１で積極的に衝撃吸収を図ることも望むこともできない。

すなわち、車両の低速状態で前部若しくは後部に障害物が衝突する軽衝突時にバンパビーム若しくは取付部材にて衝撃を吸収させることができる車両用バンパビーム取付構造が望まれる。

本発明は、車両の低速状態で前部若しくは後部に障害物が衝突する軽衝突時にバンパビーム若しくは取付部材で衝撃を吸収できない点を解決し、軽衝突時にバンパビーム若しくは取付部材で積極的に衝撃を吸収させることができる車両用バンパビームを提供することを課題とする。

請求項１に係る発明は、押出し材でバンパビームを形成し、このバンパビームの両端を車体方向に湾曲させて左右の湾曲部を形成し、これらの湾曲部にそれぞれ左右の取付部材を取付け、これらの取付部材を車体メンバに取付ける車両用バンパビーム取付構造において、取付部材が、平面視で略直角三角形を呈し、取付部材に、略直角三角形の斜辺に直角三角形の内方に向かわす凹部を形成するとともに、斜辺を湾曲部に当接させ、略直角三角形の残る２辺の内の長辺及び短辺と呼ぶときに、長辺を車体メンバ側に指向させ、短辺を車体中心に向かわせたことを特徴とする。

取付部材を、平面視で略直角三角形に形成し、略直角三角形の斜辺に直角三角形の内方に向かわす凹部を形成するとともに、斜辺を湾曲部に当接させ、略直角三角形の残る２辺の内の長辺及び短辺と呼ぶときに、長辺を車体メンバ側に指向させ、短辺を車体中心に向かわせることで、車両の低速状態で前部若しくは後部に障害物が衝突したときに、取付部材で衝撃を吸収させる。

請求項２に係る発明は、バンパビームの湾曲部に、バンパビームの変形を許容する脆弱部を設けたことを特徴とする。
バンパビームの湾曲部に、バンパビームの変形を許容する脆弱部を設けることで、車両の低速状態で前部若しくは後部に障害物が衝突したときに、湾曲部で衝撃を吸収させる。

請求項１に係る発明では、取付部材を、平面視で略直角三角形に形成し、略直角三角形の斜辺に直角三角形の内方に向かわす凹部を形成するとともに、斜辺を湾曲部に当接させ、略直角三角形の残る２辺の内の長辺及び短辺と呼ぶときに、長辺を車体メンバ側に指向させ、短辺を車体中心に向かわせたので、車両の低速状態で前部若しくは後部に障害物が衝突したときに、取付部材で衝撃を吸収させることができる。この結果、車体内部の変形を防止することができるという利点がある。

請求項１に係る発明では、バンパビームの湾曲部に、バンパビームの変形を許容する脆弱部を設けたので、車両の低速状態で前部若しくは後部に障害物が衝突したときに、湾曲部で衝撃を吸収させることができる。この結果、車体内部の変形を防止することができるという利点がある。

本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図１は本発明に係る車両用バンパビーム取付構造を採用した車両の斜視図であり、図中、１０は車両、１２は前輪、１４はボンネット、１５はルーフ、１６はフロントウインドウ、１８は前ドア、２１は前照灯、２２はフロントグリル、２４はフロントピラー、２６はドアミラー、２８はフロントフェンダ、３１は車体メンバとしてのフロントサイドフレーム、３６はバンパフェース（フロントバンパフェース）、４０はバンパビーム、４１は衝撃吸収部材である。

車両用バンパビーム取付構造３０は、例えば、アルミニウムの押出し材でバンパビーム（車両用バンパビーム若しくはフロントバンパビーム）４０を形成し、このバンパビーム４０の両端を車体方向に湾曲させて左右の湾曲部４３，４３を形成し、これらの湾曲部４３，４３にそれぞれ左右の取付部材３３，３３を取付け、これらの取付部材３３，３３をフロントサイドフレーム（車体メンバ）３１，３１に取付けることで、バンパビーム４０から車体側に加わる衝撃を取付部材３３，３３及びバンパビーム４０の湾曲部４３，４３で十分に吸収させるようにしたバンパビーム４０の取付構造である。

図２は本発明に係る車両用バンパビーム取付構造の分解斜視図であり、車両用バンパビーム取付構造３０は、左右のフロントサイドフレーム３１，３１にそれぞれ取付ける取付部材３３，３３と、これらの取付部材３３，３３で支持するバンパビーム４０と、このバンパビーム４０の前面に取付ける衝撃吸収部材４１と、これらの衝撃吸収部材４１及びバンパビーム４０を覆うバンパフェース３６と、取付部材３３，３３を左右の左右のフロントサイドフレーム３１，３１に固定するボルト４４・・・（下方の４４は不図示）と、取付部材３３，３３にバンパビーム４０を取付けるボルト４５・・・と、からなる。

図３は本発明に係る車両用バンパビーム取付構造の斜視図である。
バンパビーム４０は、矩形断面形状に水平リブ４６を備えるとともに、アルミニウムの押出し材にて形成した部材であり、車体の中央部前面を覆うバンパビーム直線部４７と、バンパビーム直線部４７から左右を湾曲させた湾曲部４３，４３と、これらの湾曲部４３，４３の上面及び下面に形成した脆弱部（孔）４８・・・と、湾曲部４３，４３に形成することで取付部材３３，３３にボルト４４・・・を差込むボルト差込み孔５１・・・と、湾曲部４３，４３に形成することで取付部材３３，３３にボルト４４・・・を貫通させるボルト貫通孔５２・・・と、を備える。

図４は本発明に係る車両用バンパビーム取付構造の取付部材の斜視図であり、左の取付部材３３を示す。
取付部材３３は、フロントサイドフレーム３１（図２参照）側に取付けるホルダ基部５４と、バンパビーム４０を支持するとともに衝撃緩衝を図る緩衝部５５と、からなり、ホルダ基部５４に緩衝部（緩衝フレーム）５５を一体的に取付けたものである。

ホルダ基部５４は、緩衝部５５を取付ける長辺としての取付面５６と、この取付面５６の上下をフロントサイドフレーム３１（図２参照）側に曲げた上下のフランジ部５７，５７（下の５７は不図示）と、からなり、上下のフランジ部５７，５７は、フロントサイドフレーム３１，３１に取付ける取付孔５８・・・を備える。

緩衝部（緩衝フレーム）５５は、板金を折曲げ成形したものであり、車体中心側に形成することでホルダ基部５４の取付面５６に取付ける内取付部６１と、車体側面側に形成することでホルダ基部５４の取付面５６に取付ける外取付部６２と、内取付部６１から略直角に立ち上げた短辺としての垂直部６３と、この垂直部６３の先端から外取付部６２まで延ばした斜辺としての傾斜部６４と、この傾斜部６４の外方に形成するとともにホルダ基部５４に向けて凹状に形成した凹部６５と、からなる。

垂直部６３は、剛性を高める複数の波形面６６・・・を備え、凹部６５は、変形を許容する肉逃げ部６７，６７を備え、傾斜部６４はボルト４５，４５（図２参照）を挿入する挿入孔（取付部）７１，７１を備える。

すなわち、取付部材３３は、平面視で略直角三角形を呈し、略直角三角形の斜辺を傾斜部６４で構成し、この傾斜部６４の外方に直角三角形の内方に向かわす凹部６５を形成し、傾斜部６４を湾曲部４３に当接させ、略直角三角形の残る２辺の内の長辺及び短辺と呼ぶときに、長辺をホルダ基部５４の取付面５６で構成するとともに取付面５６をフロントサイドフレーム（図２参照）３１側に指向させ、短辺を垂直部６３で構成するとともに垂直部６３を車体中心に向かわせたものと言える。
なお、右の取付部材３３（図２参照）は、左の取付部材３３に車体中心に対して対称形状であり、詳細な説明は省略する。

図５は図３の５−５線断面図であり、フロントサイドフレーム３１に取付部材３３のホルダ基部５４をボルト４４・・・で固定し、取付部材３３の緩衝部（緩衝フレーム）５５にバンパビーム４０をボルト４５で固定したことを示す。
図中、６８，６８はフロントサイドフレーム３１に溶接することでボルト４４，４４をねじ込むナット、６９，６９は取付部材３３の緩衝部５５に溶接することでボルト４５，４５をねじ込むナット、７２，７２はフロントサイドフレーム３１に開けたボルト４４，４４を挿入する挿入孔である。

図６は本発明に係る車両用バンパビーム取付構造の平面図であり、車両用バンパビーム取付構造３０は、押出し材でバンパビーム４０を形成し、このバンパビーム４０の両端を車体方向に湾曲させて左右の湾曲部４３，４３（一方の４３不図示）を形成し、これらの湾曲部４３，４３にそれぞれ左右の取付部材３３，３３（一方の３３不図示）を取付け、これらの取付部材３３，３３をフロントサイドフレーム（車体メンバ）３１に取付ける車両用バンパビーム取付構造において、取付部材が、平面視で略直角三角形を呈し、取付部材３３に、略直角三角形の斜辺（傾斜部）６４に直角三角形の内方に向かわす（向かう）凹部６５を形成するとともに、斜辺（傾斜部）６４を湾曲部４３に当接させ、略直角三角形の残る２辺の内の長辺及び短辺と呼ぶときに、長辺（取付面）５６をフロントサイドフレーム（車体メンバ）３１側に指向させ、短辺（垂直部）６３を車体中心に向かわせたものと言える。

例えば、車両の低速状態で前部若しくは後部に障害物が衝突する軽衝突時にバンパビーム若しくは取付部材で衝撃を吸収させることは、例えば、車体内部まで衝突の影響を及ぼさないようにできるので好ましいことである。

そこで、取付部材を、平面視で略直角三角形に形成し、略直角三角形の斜辺（傾斜部）６４に直角三角形の内方に向かわす凹部６５を形成するとともに、斜辺（傾斜部）６４を湾曲部４３に当接させ、略直角三角形の残る２辺の内の長辺及び短辺と呼ぶときに、長辺（取付面）５６をフロントサイドフレーム（車体メンバ）３１側に指向させ、短辺（垂直部）６３を車体中心に向かわせることで、車両１０（図１参照）の低速状態で前部若しくは後部に障害物が衝突したときに、取付部材３３で衝撃を吸収させることができる。この結果、フロントサイドフレーム３１などの車体内部の変形を防止することができる。

図７は本発明に係る車両用バンパビーム取付構造の正面図であり、車両用バンパビーム取付構造３０は、バンパビーム４０の湾曲部４３に且つ取付部材３３の近傍に、バンパビーム４０の変形を許容する脆弱部（孔）４８を設けたものと言える。
すなわち、バンパビーム４０の湾曲部４３に且つ取付部材３３の近傍に、バンパビーム４０の変形を許容する脆弱部（孔）４８を設けることで、車両の低速状態で前部若しくは後部に障害物が衝突したときに、湾曲部で衝撃を吸収させることができる。この結果、車体内部の変形を防止することができる。

図８（ａ），（ｂ）は本発明に係る車両用バンパビーム取付構造の衝撃吸収状況の初期段階を示す作用説明図である。
（ａ）において、車両用バンパビーム取付構造３０のバンパビーム４０及び取付部材３の初期形状を示す。
（ｂ）において、バンパビーム４０に矢印ａ１の如く衝撃がかかると、先ず、取付部材３３の緩衝部（緩衝フレーム）５５の凹部６５が矢印ａ２の如く変形する。

図９（ａ），（ｂ）は本発明に係る車両用バンパビーム取付構造の衝撃吸収状況の最終段階を示す作用説明図である。
（ａ）において、緩衝部（緩衝フレーム）５５の凹部６５が、さらに、矢印ａ３の如く変形するとともに、バンパビーム４０に形成した脆弱部４８の近傍が矢印ａ４の如く変形を開始する。
（ｂ）において、バンパビーム４０に形成した脆弱部４８の近傍が、さらに、矢印ａ５の如く変形させて衝撃の吸収を図る。この結果、フロントサイドフレーム３１などの車体メンバまで到る損傷を未然に防ぐことができる。

図３に示したように、バンパビーム４０に湾曲部４３を形成するとともに、バンパビーム４０に（且つ取付部材３３の近傍に）バンパビーム４０の変形を許容する脆弱部４８を形成し、図４に示したように、取付部材３３に垂直部６３に剛性を高める複数の波形面６６・・・を形成するとともに、取付部材３３に（且つ傾斜部６４の車幅外方に）変形を許容する肉逃げ部６７，６７設けたので、車両用バンパビーム取付構造３０は、図８及び図９に示すように、バンパビーム４０及び取付部材３３に円滑な変形を促すことができる。

従って、車両に低速状態で障害物が衝突する軽衝突が発生したときに、車両用バンパビーム取付構造３０内（特に、バンパビーム４０及び取付部材３３）での衝撃の吸収の促進を図ることができる。この結果、上記のように、フロントサイドフレーム３１などの車体メンバまで到る損傷を未然に防ぐことができる。

尚、本発明に係る車両用バンパビーム取付構造は、図４に示すように、取付部材をホルダ基部及び緩衝部の２部品で構成したが、これに限るものではなく、１部品で構成した部材であってもよい。

本発明に係る車両用バンパビーム取付構造では、図７に示すように、バンパビーム４０の上面及び下面に脆弱部（孔）４８・・・を設けたが、これに限るものではなく、バンパビームの上面若しくは下面の一方に脆弱部（孔）を設けたものであってもよい。さらに、脆弱部は孔に限るものではなく、スリットや切り欠きであってもよい。

本発明に係る車両用バンパビーム取付構造は、図２に示すように、バンパビーム４０ををアルミニウムの押出し材で形成したが、これに限るものではなく、アルミニウム合金若しくはマグネシウム合金であってもよい。

本発明に係る車両用バンパビーム取付構造は、図２に示すように、車両１０（図１参照）の前部に取付けるフロントバンパビームの構造であったが、これに限るものではなく、車両用バンパビーム取付構造は、車両の後部に取付けるリヤバンパビームの構造であってもよい。

本発明に係る車両用バンパビーム取付構造は、セダンやワゴン車等の乗用車に採用するのに好適である。

本発明に係る車両用バンパビーム取付構造を採用した車両の斜視図である。本発明に係る車両用バンパビーム取付構造の分解斜視図である。本発明に係る車両用バンパビーム取付構造の斜視図である。本発明に係る車両用バンパビーム取付構造の取付部材の斜視図である。図３の５−５線断面図である。本発明に係る車両用バンパビーム取付構造の平面図である。本発明に係る車両用バンパビーム取付構造の正面図である。本発明に係る車両用バンパビーム取付構造の衝撃吸収状況の初期段階を示す作用説明図である。本発明に係る車両用バンパビーム取付構造の衝撃吸収状況の最終段階を示す作用説明図である。従来の基本原理を説明する車両用バンパビーム取付構造の分解斜視図である。従来の基本原理を説明する車両用バンパビーム取付構造の斜視図である。

符号の説明

１０…車両、３０…車両用バンパビーム取付構造、３１…フロントサイドフレーム（車体メンバ）、３３…左右の取付部材、４０…バンパビーム、４３…左右の湾曲部、４８…脆弱部（孔）、５６…長辺（取付面）、６３…短辺（垂直部）、６４…斜辺（傾斜部）、６５…凹部。

Claims

押出し材でバンパビームを形成し、このバンパビームの両端を車体方向に湾曲させて左右の湾曲部を形成し、これらの湾曲部にそれぞれ左右の取付部材を取付け、これらの取付部材を車体メンバに取付ける車両用バンパビーム取付構造において、
前記取付部材は、平面視で略直角三角形を呈し、前記略直角三角形の斜辺に直角三角形の内方に向かわす凹部を形成するとともに、前記斜辺を前記湾曲部に当接させ、前記略直角三角形の残る２辺の内の長辺及び短辺と呼ぶときに、前記長辺を前記車体メンバ側に指向させ、前記短辺を車体中心に向かわせたことを特徴とする車両用バンパビーム取付構造。
前記湾曲部に、前記バンパビームの変形を許容する脆弱部を設けたことを特徴とする請求項１記載の車両用バンパビーム取付構造。