JP4432113B2 - 成形装置及び成形方法 - Google Patents

成形装置及び成形方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4432113B2
JP4432113B2 JP2004285046A JP2004285046A JP4432113B2 JP 4432113 B2 JP4432113 B2 JP 4432113B2 JP 2004285046 A JP2004285046 A JP 2004285046A JP 2004285046 A JP2004285046 A JP 2004285046A JP 4432113 B2 JP4432113 B2 JP 4432113B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
molding
raw material
material powder
molded body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004285046A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006097090A (ja
Inventor
賢 菊地
貞樹 佐藤
孝 佐藤
陽一 國吉
和生 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2004285046A priority Critical patent/JP4432113B2/ja
Publication of JP2006097090A publication Critical patent/JP2006097090A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4432113B2 publication Critical patent/JP4432113B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Powder Metallurgy (AREA)
  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)

Description

本発明は、磁界を印加しながら希土類磁石原料粉を加圧成形する成形装置及び成形方法に関するものである。
ネオジム鉄ボロン系やサマリウムコバルト系等の希土類焼結磁石の製造に際しては、希土類磁石原料粉を所定の形状に加圧成形した後、これを焼結することで所定形状の希土類焼結磁石を得るようにしている。この場合、前記加圧成形は、金型のダイとパンチを用い、一軸方向に圧粉成形するのが一般的である。また、高配向、高磁気特性を得ることを目的に、磁界を印加しながら前記圧粉成形を行う磁界中成形法が行われている。
ここで、前記磁界中成形法には、磁界印加方向と圧粉方向が直交する直交磁界成形法と、磁界印加方向と圧粉方向が同一方向である平行磁界成形法があるが、それぞれ一長一短を有しているのが実情である。例えば、磁極面積が広く、厚みが薄い偏平な希土類焼結磁石を製造しようとする場合には、希土類磁石原料粉を平板状の形状に成形する必要がある。このような形状を前記直交磁界成形法により成形しようとすると、金型ダイの開口部の幅を狭くせざるを得ず、また開口部の面積に比べ深さ方向に深くなることから、希土類磁石原料粉のダイへの均一な充填が難しくなる。均一に充填しようとすると充填時間が長くなり量産性が低下する。したがって、このような形状での成形には、充填時間を短くでき、かつ、均一な充填が容易になるようなダイの開口部を広くとれる平行磁界成形法を採用せざるを得ない。
ただし、平行磁界成形法で得られる成形体の配向度は、直交磁界成形法で得られるそれに比べて低い値となるという欠点がある。平行磁界成形法では、加圧方向と磁界印加方向とが平行であるため、磁界印加による原料粉の配向が加圧によって乱されてしまい、前記配向度の低下が引き起こされるものと考えられる。成形体の配向度が低いと、焼結後に得られる希土類焼結磁石の残留磁束密度が低下し、最大エネルギー積もそれに応じて低下してしまう。実際、成形に平行磁界成形法を用いた磁石では、直交磁界成形法で成形した磁石に比べて、残留磁束密度に3〜8%程度の低下が見られる。
このような状況から、磁界中成形法の改良が試みられており、特許文献1に記載される方法もその一つである。特許文献1に記載される方法では、先ず、上パンチを十分上昇させておき、左・右圧密ダイス及び下パンチにより形成される成形空間に所定の微粉末を供給する。このとき、微粉末の供給口は従来の直交磁界成形法に比べて広いので、均一な供給が行える。微粉末供給終了後、上パンチを所定位置まで下降したら、磁界発生用コイルにより磁界を印加するとともに、左・右圧密パンチで圧密、成形する。
前記特許文献1記載の技術は、直交磁界成形法の1種であり、金型開口部が広く取れる方向を上に向けて原料粉の充填を容易にし、鉛直方向に磁界を印加するとともに、圧粉を行うパンチを水平方向に駆動することで、磁界印加方向と圧粉方向とを直交させている。すなわち、この特許文献1記載の発明は、平行磁界成形法における原料粉の充填し易さと、直交磁界成形法における高配向の双方を実現することを試みたものである。
特開平7−173505号公報
前述の特許文献1記載の発明の考え方は、高配向での成形を容易に行うという観点からは理にかなったものと言える。しかしながら、希土類焼結磁石の量産を考えた場合、特許文献1記載の発明には、未だ改良すべき点が多い。
例えば、特許文献1記載の発明のように、磁界発生用コイルにより磁界を印加するとともに、左・右圧密パンチで圧密、成形する構成を採用した場合、原料粉の充填の際に上パンチや磁界発生用コイルが邪魔になる。原料粉の充填は、充填空間の上方から行わざるを得ず、したがって特許文献1記載の装置では、上パンチや磁界発生用コイルを移動させてから行うことになる。しかしながら、大型で重量の大きな上パンチや磁界発生用コイルを移動させるには、相応の移動機構が必要になり、装置構成が大掛かりなものとなって、装置コストの上昇を招くことになる。
また、金型構造を考えた場合、特許文献1記載の成形装置では、上パンチ、下パンチ、及び左右の圧密パンチが必要であり、金型を構成する部材の数が多いという問題もある。金型を構成する部材の数が多いと、金型構造が複雑化し、また成形空間の寸法精度を確保することも難しい。
さらに、希土類焼結磁石を量産する場合、連続成形が前提になるが、この連続成形においては、クラックの無い良好な成形体を如何にして金型から取り出すかが大きな課題になる。圧粉成形された成形体は、その取り扱いが難しく、不用意に力を加えると、簡単に破損してしまう。したがって、成形体を破損することなく効率的に金型から取り出す技術が量産化の鍵となるが、特許文献1には成形体を金型から取り出す方法については全く開示されていない。
本発明は、これらの課題に鑑みて提案されたものであり、金型構造を簡略化するとともに、円滑な原料粉の充填及び成形を実現し得る成形装置、成形方法を提供することを目的とする。また、本発明は、実際の連続成形において、クラックの無い良好な成形体を効率的に金型から取り出し可能とし、希土類焼結磁石の量産を可能とする成形装置、成形方法を提供することを目的とする。さらに本発明は、平行磁界成形法における原料粉の充填し易さと、直交磁界成形法における高配向とを両立することができ、高性能な希土類焼結磁石を生産性良く作製することが可能な成形装置、成形方法を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するために、本発明の成形装置は、略水平方向に貫通する成形空間を有する金型と、前記成形空間に挿入され前記金型に対して略水平方向に移動し希土類磁石原料粉を略水平方向に加圧する一対のパンチと、前記成形空間内の希土類磁石原料粉に磁界を印加する磁界印加手段とを有するとともに、前記金型に隣接して希土類磁石原料粉の充填を行う充填用テーブル及び支持テーブルを有し、前記充填用テーブルの上面には前記パンチをガイドするガイド溝が形成され、当該ガイド溝の底面と前記金型の成形空間の底面が略同一平面とされており、前記支持テーブルの上面は前記金型の成形空間の底面と略同一平面を構成し、前記希土類磁石原料粉は、前記充填用テーブルのガイド溝において前記一対のパンチ間の空間に充填され、前記一対のパンチは、充填された希土類磁石原料粉を前記金型の成形空間内に導入する原料導入機構として機能するとともに、成形体を挟み込んだ状態で前記支持テーブル上に水平移動する成形体取り出し機構としても機能することを特徴とする。
また、本発明の成形方法は、金型に略水平方向に貫通形成された成形空間内に一対のパンチを挿入し、前記成形空間に磁界を印加しながら希土類磁石原料粉を前記一対のパンチで加圧して成形する成形方法であって、前記金型に隣接して設置された充填用テーブル上において、底面が前記金型の成形空間の底面と略同一平面とされたガイド溝内の前記一対のパンチ間の空間に希土類磁石原料粉を充填した後、前記パンチにより希土類磁石原料粉を金型の成形空間内に導入するとともに、前記パンチにより希土類磁石原料粉を略水平方向に加圧し成形し、これらパンチで挟み込んだ状態で成形体を金型に隣接して設置され上面が前記金型の成形空間の底面と略同一平面を構成する支持テーブル上に水平方向に取り出すことを特徴とする。
本発明の成形装置においては、成形空間を構成する金型は一体物として形成され、ここに成形空間が略水平方向に貫通形成されるとともに、成形空間内にパンチを挿入して希土類磁石原料粉を加圧成形する構造とされている。このように臼型に相当する金型を一体物とすることで、金型を構成する部材の部品点数が削減され、金型構造が簡略化される上、金型精度の確保も容易である。
ただし、前記のように成形空間を一体物の金型の略水平方向に貫通形成した場合、原料粉の充填が問題となる。そこで本発明では、金型の外部で充填した希土類磁石原料粉をパンチにより金型の成形空間内に導入するようにしている。金型の外部で原料粉の充填を行うことで、例えば上パンチや磁界発生用コイル等を移動する必要がなく、速やかに充填操作が行われる。また、外部で充填した原料粉は、加圧成形に用いるパンチを利用して金型の成形空間内に導入されるので、原料粉の充填のための特段の機構の追加はほとんど不要であり、装置構成も簡略化される。
なお、連続成形等を考えた場合、成形体の取り出しについても考慮する必要があり、これを規定したのが請求項4記載の発明、さらには請求項11記載の発明である。すなわち、これら請求項記載の発明は、前記構成に加えて、成形された成形体が前記パンチにより水平方向に取り出されることを特徴とする。
成形後に前記パンチを水平方向に移動することで、成形体が金型から押し出され、速やかに取り出される。取り出しに際しては、成形体において最も面積の広い底面が支持された形になるので、成形体に局部的に力が加わることがなく、破損等も防止される。また、原料粉の充填から、成形、取り出しまでがパンチの水平移動のみで行われ、簡易な構成でこれら一連の工程を円滑に行うことが可能である。
さらに、磁界印加手段によって成形空間に鉛直方向に磁界を印加するようにすれば、磁界印加方向と圧粉方向とが直交するようになる。この場合、先の特許文献1記載の発明と同様、原料粉(希土類磁石原料粉)の充填し易さと、直交磁界成形法における高配向が両立される。
本発明の成形装置、成形方法によれば、金型構造や装置構造を簡略化するとともに、金型精度を向上することができ、しかも円滑に原料粉の充填を行うことができる。また、充填や成形の一連の動作として、成形体をクラックの無い状態で効率的に金型から取り出すことが可能であり、希土類焼結磁石を量産することが可能である。この場合、成形体の取り出しのための特段の機構を付加する必要もなく、装置構成を簡略化することができる。さらに、印加する磁界の方向を加圧成形方向(水平方向)に対して直交方向(鉛直方向)とすることで、平行磁界成形法における原料粉の充填し易さと、直交磁界成形法における高配向とを両立することができ、高性能な希土類焼結磁石を生産性良く作製することができる。
以下、本発明を適用した成形装置及びその成形方法について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態の成形装置は、直交磁界成形法により成形を行う成形装置である。図1は、本実施形態の成形装置の概略構成を示すものであり、金型構造としては、水平方向に貫通する成形空間1aが形成された金型1と、この成形空間1a内で水平方向に可動とされた左パンチ2、右パンチ3とを組み合わせた構造を有している。
ここで、金型1は、臼型と称される金型であり、前記の通り、成形空間1aが水平方向に貫通形成されている。したがって、通常の直交磁界成形法で用いられる臼型を、いわば横置きにした状態に相当する。なお、図1においては、便宜上、金型1を上下に分割して描いているが、実際には図2に示すように一体物の金型として形成されている。
この金型1においては、例えば偏平な板状の成形体を成形する場合に、成形空間1aの底面1bや上面が面積の大きな主面の面出しを行う。したがって、前記金型1においては、この面積の大きな底面1bや上面が水平である。
一方、前記成形空間1aは、前記左パンチ2及び右パンチ3の移動(スライド)をガイドする機能も有しており、この成形空間1aの幅や高さは、前記左パンチ2、右パンチ3の幅や厚さとほぼ同じであり、これによって成形される成形体の幅や厚さが決まる。
左パンチ2及び右パンチ3は、加圧手段に相当するものであり、前記成形空間1a内において水平方向に移動し、前記成形空間1aに充填された希土類磁石原料粉を加圧成形する。したがって、成形の際には、加圧力は水平方向に加わることになる。なお、一方のパンチによって加圧しても良いが、両方のパンチで加圧する方が原料粉に均一に圧力が加わるのでより好ましい。
成形に際しては、前記左パンチ2や右パンチ3の先端の形状によって成形される成形体の平面形状が決まり、図1に示す左パンチ2、右パンチ3の先端形状の場合、平面形状が矩形の成形体に成形されることになる。例えば、平面形状が円形の円板状の成形体を成形する場合には、左パンチ2、右パンチ3の先端面の形状を円弧状とすればよい。
本実施形態の成形装置には、図1においては図示を省略するが、鉛直方向に磁界を印加する磁界発生用コイルが設置されており、成形の際に成形体には鉛直方向に磁界が印加される。成形の際には、前記左パンチ2及び右パンチ3によって加圧力が水平方向に加わることから、磁界印加方向と圧粉方向が直交する直交磁界成形法により成形が行われることになる。
以上の金型構造においては、上方から金型1の成形空間1a内に原料粉を充填することができない。金型1は一体物として形成されており、例えば上半分を分離して移動することはできない。そこで、本実施形態の成形装置では、金型1に隣接して充填用テーブル4を設置し、この上で原料粉の充填を行うこととする。
ここで、前記充填用テーブル4は、前記金型1の成形空間1aに対応して、前記左パンチ2及び右パンチ3の移動(スライド)をガイドするガイド溝4aが形成されており、ここを左パンチ2及び右パンチ3がスライドする構成とされている。また、充填用テーブル4のガイド溝4aの底面4bは、前記金型1の成形空間1aの底面1bと同一平面とされている。したがって、前記左右パンチ2,3は、前記金型1の成形空間1aから充填用テーブル4のガイド溝4aまで連続してスライド可能である。
原料粉を充填する場合には、図2に示すように、左パンチ2及び右パンチ3の双方を充填用テーブル4のガイド溝4aに移動する。このとき、左パンチ2の先端と右パンチ3の先端、及びガイド溝4aによって構成される空間が原料粉が充填される空間となり、ここに例えばフィーダーボックス等を用いて原料粉を充填する。したがって、充填に際しては、前記左パンチ2の先端と右パンチ3の先端の間の距離を調整することによって、原料粉の充填量を調整する。充填に際して、前記左パンチ2の先端と右パンチ3の先端、及びガイド溝4aによって構成される空間の開口部の面積は、成形体の主面に対応して広く取ることができ、充填を容易に行うことができる。
前記充填用テーブル4上ので原料粉の充填の終了の後、左右パンチ2,3の相対位置関係を維持したまま水平方向に移動し、金型1の成形空間1a内まで移動する。これによって、充填された原料粉も金型1の成形空間1a内に導入される。すなわち、前記左右パンチ2,3は、原料粉を金型内に導入する原料粉導入機構として機能する。そして、そのまま左右パンチ2,3を互いに突き合わされる方向に加圧することで、充填された原料粉が加圧成形され、図3に示すように、金型1の成形空間1a内で成形体5が成形される。
成形後には、左パンチ2及び右パンチ3を前記成形空間1a内でスライドさせ、成形体5をこれらパンチ2,3で挟み込んだ状態で、前記充填用テーブル4が設置されている方向とは反対側の方向に水平移動し、例えば図4に示すように、成形空間1aから成形体5を取り出す。したがって、前記左右パンチ2,3は、成形体取り出し機構としても機能することになる。
この時、例えば金型1の成形空間1aの底面1bと同一平面を構成する支持テーブルを金型1と隣接して設け、支持テーブルの上面で成形体5の底面が支持された状態で前記パンチ2,3により水平移動すれば、取り出しに際して成形体5に局所的な力が加わることがなく、成形体5の不用意な破損を防止することができる。なお、言うまでも無く、前記支持テーブルは、前記金型1の前記充填用テーブル4が設置される側とは反対側に隣接して設置する。
前記成形体5の取り出しに際しては、急激に圧力が開放されることに起因して、成形体にラミネートクラックと称されるクラックが発生する場合がある。そこで、これを回避するために、前記のように2つのパンチ2,3で挟み込んだ状態で成形体5を水平方向に取り出すとともに、取り出しに際して2つのパンチ2,3により成形体5に所定の加圧力を加えるようにする。これにより、前記急激な圧力の開放が緩和され、クラックの発生が抑制される。なお、前記のように水平移動に際して2つのパンチ2,3により成形体5に所定の加圧力を加えるには、例えばこれらパンチ2,3にダンパやクッションを設けておき、これらダンパやクッションの弾性力により前記加圧力を加えるようにするのが簡便である。ここで、所定の加圧力とは、一定の圧力でも良いが、成形体の抜き出し量に応じて漸減していくことが好ましい。
あるいは、金型1に抜きテーパを設けて、前記ラミネートクラックを抑制するようにしてもよい。前記構造の金型1の場合には、図5に金型1を一部破断して示すように、成形空間1aに幅方向にテーパを設ければよい。この場合、成形体5の取り出し方向を矢印方向とすると、当該成形体5の取り出し方向において、成形空間1aの幅が次第に広がるように抜きテーパを形成する。具体的には、成形空間1aにおいて、右パンチ3による押し込み側端部の幅Wよりも取り出し側端部の幅Wが大きくなるようにする。また、前記抜きテーパは、成形空間1aの幅方向ばかりでなく、高さ方向においても付与することが可能である。
なお、図5においては、テーパを誇張して描画してあるが、実際には目に見えるほどのテーパではなく、非常に僅かな寸法差のテーパを付加すればよい。具体的な数値としては、例えば前記成形空間1aのスライド長さ100mm当たり0.02mm〜0.5mm程度である。テーパの設計としては、これに限らず、金型の閉空間の寸法や成形する材料等に応じて適宜設定すればよい。
以上が本実施形態の成形装置の構成であるが、次に、この成形装置を用いた成形方法について説明する。
本実施形態の成形装置、成形方法は、希土類焼結磁石の製造において、原料粉の成形に適用される。製造対象となる希土類焼結磁石は、希土類元素R、遷移金属元素T及びホウ素Bを主成分とするものであり、磁気特性に非常に優れることから、各種デバイスに用いた場合、その小型化、高性能化を実現することができる。
製造する希土類焼結磁石の磁石組成は特に限定されず、用途等に応じて任意に選択すればよい。例えば、希土類元素Rとは、具体的にはY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb又はLuのことをいい、これらから1種又は2種以上を用いることができる。中でも、資源的に豊富で比較的安価であることから、希土類元素Rとしての主成分をNdとすることが好ましい。また、遷移金属元素Tは、従来から用いられている遷移金属元素をいずれも用いることができ、例えばFe、Co、Ni等から1種又は2種以上を用いることができる。これらの中では、焼結性の点からFe、Coが好ましく、特に磁気特性の点からFeを主体とすることが好ましい。また、前記希土類元素R、遷移金属元素T及びホウ素Bの他、保磁力等の特性改善を目的として、例えばAl等の元素を添加してもよい。これらの元素の他、不可避的不純物又は微量添加物として、例えば炭素や酸素等が含有されていてもよい。
前記のような希土類焼結磁石の製造には、粉末冶金法が用いられ、その製造プロセスは、例えば、合金化工程、粗粉砕工程、微粉砕工程、磁場中成形工程、焼結工程、時効工程、機械加工工程、被膜形成工程等により構成される。
本発明の成形装置や成形方法は、前記磁場中成形工程に適用され、希土類磁石原料粉を所定の方向に配向した状態で所定の形状に成形する。成形した成形体は、次の焼結工程に供され、焼結が行われる。
図6a〜図6eは、図1に示す成形装置を用いて希土類磁石原料粉を成形する手順を示すものである。図6a〜図6eにおいては、成形時に磁界を印加する上コイル6及び下コイル7が示されており、これらコイル6,7によって鉛直方向(図中上下方向)に磁界が印加される。また、金型1に隣接して支持テーブル8が設けられており、この支持テーブル8の上面は金型1の成形空間1aの底面1bと同一平面を構成している。
希土類磁石原料粉の成形に際しては、先ず、図6aに示すように、左右パンチ2,3を充填用テーブル4上に移動させておき、原料粉10が収容され底面が開放されたフィーダーボックス9を往復動させ、図6bに示すように、充填用テーブル4のガイド溝4aと左右両パンチ2,3の先端で囲まれた空間に、原料粉10をいわゆるスリきり状態となるように充填する。この時、金型1や上コイル6が充填の邪魔になることはなく、また充填用テーブル4のガイド溝4aと左右両パンチ2,3の先端で囲まれた空間の開口面積は、偏平な成形体の主面に対応して大きく取られており、例えば偏平な板状の成形体を縦方向に配置した場合の開口と比べて格段に広くすることができるとともに、深さ方向にも浅くでき、原料粉10を容易に充填することができる。
次に、図6cに示すように、左右パンチ2,3を相対位置関係を維持したまま金型1の成形空間1a内へスライドさせる。前記工程で充填された原料粉10は、この左右パンチ2,3の水平移動に伴って、金型1の成形空間1aに導入されることになる。
続いて、図6dに示すように、この状態(原料粉10が金型1の成形空間1aに導入された状態)で左パンチ2を図中右方向に、また右パンチ3を図中左方向に移動し、前記充填した原料粉10を左右から加圧して圧粉する。これにより、所定形状の成形体5が形成される。この時、前記上コイル6及び下コイル7により、原料粉10に対して鉛直方向に磁界を印加する。磁界印加方向は、前記左右のパンチ2,3による加圧方向とは直交する方向であり、したがって、直交磁界成形が行われる。
前記圧粉に際して、左右パンチ2,3による加圧圧力は、使用する原料粉10の種類、大きさ、形状等に応じて適宜設定すればよいが、通常は30MPa〜200MPa程度である。印加する磁界の強さも、同様に、使用する原料粉10に応じて適宜設定すればよく、例えば0.8T〜2.0T程度に設定すればよい。
成形体5の成形の後、図6eに示すように、左パンチ2及び右パンチ3で挟み込んだ状態で成形体5を図中左方向に水平移動させ、金型1の成形空間1aから取り出す。このとき、成形体5は、支持テーブル8の上面に接した状態(支持された状態)で水平移動され、取り出しの際に不用意な力が加わって成形体5を破損するというような事態が回避される。また、成形体5の水平移動の際に、左右パンチ2,3によって成形体5にある程度の加圧力を加えることで、あるいは金型1の成形空間1aに抜きテーパを付与しておくことで、取り出しの際のラミネートクラックの発生も抑制することができる。
以上のように、本実施形態の成形装置、成形方法によれば、原料粉10の充填から成形、取り出しまでの一連の工程を左右パンチ2,3の水平移動のみで効率的に行うことができる。原料粉10の充填も容易であり、装置構成の簡略化、金型1の高精度化も実現することができる。また、成形体5をクラックの無い状態で効率的に金型から取り出すことが可能であり、連続成形が可能となる。さらに、成形される成形体5は、直交磁界成形により成形されるので、配向度が高く、これを焼結した磁石は磁気特性に優れたものとなる。したがって、本実施形態によれば、これら効果が相俟って、簡単な装置構成で、高精度、高性能な希土類焼結磁石を量産することが可能可能である。
以下、本発明を適用した具体的な実施例について、実験結果に基づいて説明する。
組成がNd30重量%−Dy2重量%−B1重量%−Co0.5重量%−残部Feとなるように合金を溶解し、水素吸蔵・放出による粗粉砕及び窒素ガスを用いたジェットミルによる微粉砕を行って材料微粉末(原料粉)を得た。これを、先の実施形態の成形装置を用いて成形した。
成形に際しては、充填用テーブル上でフィーダー振幅及びすり切りによって原料粉を充填した。原料粉の充填は容易に行うことができた。原料粉の充填の後、左右パンチにより圧粉し、磁界を印加しながら直交磁界成形を行った。成形時の印加磁界強度は1.5Tとし、左右パンチの圧粉の圧力は150MPaとし、50mm×35mm×3mm(磁場配向方向)の成形体を得た。
成形後、左右パンチ2,3の相対的な位置関係を維持しながら、成形体5を左右パンチ2,3により水平方向に移動して、金型1の成形空間1aから取り出した。左右パンチ2,3を水平移動させることで、成形体5を容易に取り出すことが可能であった。また、前記取り出し方法とすることで、クラックの無い状態で成形体5を取り出すことができた。
成形した成形体の抗折強度を測定し、平行磁界成型法で成形して得た同様な寸法の成形体の抗折強度と比較したところ、ほぼ同等であった。次に、成形体を最高温度1100℃で2時間の真空焼結を行なった後、850℃、1時間、及び600℃、1時間の時効処理を行ない、希土類焼結磁石を得た。その磁気特性を測定したところ、平行磁界成形法で成形したものに比較して、残留磁束密度Brが4%上昇していた。
比較のため、上下に分割された臼型を用い、上部臼型を上昇させた状態で下部臼型に原料粉を充填し、上部臼型を下降させたところ、上部臼型の残磁により原料粉が上部臼型に吸引されて金型空間からはみ出して拡がり、上部臼型と下部臼型の間に原料粉が挟みこまれるという現象が発生した。その結果、バリの多い成形体が形成され、厚みにバラツキが大きく、クラックが生じているものも多かった。
本発明を適用した成形装置の概略構成を示す斜視図である。 原料粉充填時の左右パンチの状態を示す斜視図である。 成形状態を一部破断して示す斜視図である。 成形体の取り出し状態を示す斜視図である。 抜きテーパを付加した成形空間の形状例を示すものであり、金型を一部破断して示す斜視図である。 本発明を適用した成形装置による成形プロセスを示す図であり、原料粉充填工程を示す図である。 原料粉充填状態を示す図である。 原料粉の成形空間への導入状態を示す図である。 左右パンチによる磁界中圧粉工程を示す図である。 成形体取り出し工程を示す図である。
符号の説明
1 金型、1a 成形空間、2 左パンチ、3 右パンチ、4 充填用テーブル、5 成形体、6 上コイル、7 下コイル、8 支持テーブル、9 フィーダーボックス、10 原料粉

Claims (6)

  1. 略水平方向に貫通する成形空間を有する金型と、前記成形空間に挿入され前記金型に対して略水平方向に移動し希土類磁石原料粉を略水平方向に加圧する一対のパンチと、前記成形空間内の希土類磁石原料粉に磁界を印加する磁界印加手段とを有するとともに、前記金型に隣接して希土類磁石原料粉の充填を行う充填用テーブル及び支持テーブルを有し、
    前記充填用テーブルの上面には前記パンチをガイドするガイド溝が形成され、当該ガイド溝の底面と前記金型の成形空間の底面が略同一平面とされており、
    前記支持テーブルの上面は前記金型の成形空間の底面と略同一平面を構成し、
    前記希土類磁石原料粉は、前記充填用テーブルのガイド溝において前記一対のパンチ間の空間に充填され、
    前記一対のパンチは、充填された希土類磁石原料粉を前記金型の成形空間内に導入する原料導入機構として機能するとともに、成形体を挟み込んだ状態で前記支持テーブル上に水平移動する成形体取り出し機構としても機能することを特徴とする成形装置。
  2. 前記一対のパンチは、前記成形体を水平移動して取り出す際に、成形体に所定の加圧力を加える加圧機構を有することを特徴とする請求項1記載の成形装置。
  3. 前記金型に設けられた成形空間は、前記成形体の取り出し方向に向かって次第に広がるように形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の成形装置。
  4. 前記磁界印加手段は、前記パンチによる加圧成形方向と略直交する方向に磁界を印加することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の成形装置。
  5. 金型に略水平方向に貫通形成された成形空間内に一対のパンチを挿入し、前記成形空間に磁界を印加しながら希土類磁石原料粉を前記一対のパンチで加圧して成形する成形方法であって、
    前記金型に隣接して設置された充填用テーブル上において、底面が前記金型の成形空間の底面と略同一平面とされたガイド溝内の前記一対のパンチ間の空間に希土類磁石原料粉を充填した後、
    前記パンチにより希土類磁石原料粉を金型の成形空間内に導入するとともに、前記パンチにより希土類磁石原料粉を略水平方向に加圧し成形し、
    これらパンチで挟み込んだ状態で成形体を金型に隣接して設置され上面が前記金型の成形空間の底面と略同一平面を構成する支持テーブル上に水平方向に取り出すことを特徴とする成形方法。
  6. 前記成形体を水平移動して取り出す際に、前記一対のパンチにより成形体に所定の加圧力を加えながら取り出すことを特徴とする請求項5記載の成形方法。
JP2004285046A 2004-09-29 2004-09-29 成形装置及び成形方法 Expired - Fee Related JP4432113B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004285046A JP4432113B2 (ja) 2004-09-29 2004-09-29 成形装置及び成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004285046A JP4432113B2 (ja) 2004-09-29 2004-09-29 成形装置及び成形方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006097090A JP2006097090A (ja) 2006-04-13
JP4432113B2 true JP4432113B2 (ja) 2010-03-17

Family

ID=36237178

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004285046A Expired - Fee Related JP4432113B2 (ja) 2004-09-29 2004-09-29 成形装置及び成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4432113B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105659342B (zh) 2014-09-28 2018-12-11 钕铁硼株式会社 稀土类烧结磁铁的制造方法以及该制造方法中使用的制造装置
JP6477143B2 (ja) * 2015-03-30 2019-03-06 日立金属株式会社 プレス装置および磁石の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006097090A (ja) 2006-04-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6280137B2 (ja) 希土類焼結磁石の製造方法及び当該製法にて使用される製造装置
US10020098B2 (en) Production method for permanent magnet, and production device for permanent magnet
JP6330438B2 (ja) 希土類焼結磁石の製造方法
JP2014145129A (ja) R−t−b−m−c系焼結磁石の製造方法、当該方法で製造された磁石、及びその製造装置
CN103949642B (zh) 环形磁体的连续式压制模具及其压制方法
JP2011210879A (ja) 希土類磁石の製造方法
JP4432113B2 (ja) 成形装置及び成形方法
JP4392606B2 (ja) 成形装置及び成形方法
JP4392605B2 (ja) 成形装置及び成形方法
JP4470112B2 (ja) 成形装置
JP6079643B2 (ja) 焼結磁石の製造方法および製造装置
JP2010251740A (ja) 希土類磁石の製造方法
JP6618836B2 (ja) 希土類焼結磁石の製造方法
JP2006278989A (ja) 成形装置、成形方法、及び永久磁石
JP2006095567A (ja) 成形装置及び成形方法
JP2001192705A (ja) 希土類合金粉末の成形体製造方法、成形装置および希土類磁石
JP5704186B2 (ja) 希土類磁石の製造方法
JP4662030B2 (ja) 成形方法及び成形装置
JP6488967B2 (ja) 粉末充填装置およびそれを用いた希土類焼結磁石の製造方法
JP2001191199A (ja) 成形装置、磁粉供給方法および希土類磁石
JP4715077B2 (ja) 磁石用粉末のプレス成形装置および磁石用粉末成形体の製造方法
KR100225497B1 (ko) RE-TM-B 합금을 기초로 하는 영구자석 제조방법(METHOD FOR MANUFACTURING PERMANENT MAGNET BASED ON Re-TM-B ALLOY)
JP2007160348A (ja) 粉末成形装置及び粉末成形方法、並びに成形装置及び成形方法、希土類焼結磁石の製造方法
JP2005259977A (ja) 希土類磁石の製造方法
JP6354684B2 (ja) 塑性加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070516

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090406

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090408

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090916

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091028

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091130

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091213

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4432113

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140108

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees