JP4432048B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機、スロットマシン等で代表される遊技機に関する。
パチンコ遊技機、スロットマシン等の遊技機は、遊技場(以下、ホールという)においては常に遊技者によって遊技されている(つまり、遊技機が稼動しているという、以下統一して稼動という)状態であることが望まれている。この稼動している時間をいかにして増やすかまたは減らさないで抑えるかが従来から望まれている。
個々の遊技機について、その稼働時間を減らす原因の一つに、遊技者が、着席していないにもかかわらず傍らから見ると未だ遊技するつもりであるかのような状態で長時間にわたり、放置してしまうという(遊技機を占有したまま放置する状態)行為が挙げられる。
ここで遊技機の占有する状態というのは、少量の遊技媒体(コインやメダル、パチンコ球など)や、遊技者の所有物と思われるもの(タバコ、ライター)等が遊技機を確保する目的で置かれておる状態のことである。こうした占有状態にありながら稼動していない遊技機(放置された台、以下では統一して放置台という)がホールにおいて遊技機の稼動している時間を減らす原因として問題となっている。
そのためには、放置された遊技機を占有状態にしている遊技者に速やかに遊技をするよう呼び出し等により遊技再開を促すか、または希望する遊技者にいつでも遊技可能な遊技機(つまり、空き台という、以下空き台で統一する)として提供(開放ともいう、以下開放で統一する)することができれば、遊技機が稼動していない時間を減らすことが可能となる。
そこで従来から、長時間無人のまま占領状態で放置されている遊技機を減らすために、パチンコ遊技機に操作(遊技球の発射操作)がされていない時間をタイマーで計測し、その時間を遊技機に表示する技術が知られている。この従来技術によれば、遊技機が無人で放置された状態になるとカウンタの計測時間が遊技機に表示されるので、その表示を見たホールの従業員等は、どのくらいの時間遊技機が放置されているのかを知ることにより、占有していた遊技者に対してみだりに離席しないように注意を促したり、その遊技機を空き台として整理等をする際の目安に利用することができると考えられる。
特開平7−265538号公報(第3頁、図5)
しかしながら、従来の技術は、遊技機の操作がなされていない時間を単に計測しているだけであり、その経過時間をもって遊技機が放置されている時間であると一律に判断することしかできない。また従来の技術では、タイマーの計測開始後に元の遊技者(ここでは、遊技機を占有状態にしたまま放置していた遊技者のことをいう、以下統一して元の遊技者という)が一旦操作(遊技)を再開するか、または他の遊技者によって操作(遊技)がなされると、そこでタイマーの計測時間は直ちにリセットされてしまう。そのため、いくら元の遊技者が長時間にわたり不在にしていた場合でも、その間に従業員等が計測時間の表示に気づかないまま元の遊技者が遊技を再開してしまえば、計測時間の表示を根拠に離席時間が長いことに対する注意を促すこともできなくなってしまう。またこのような行為が繰り返し行われると、遊技者が不在のまま遊技されない時間が次々と積み重なり、結果として遊技機の稼動時間は減ることとなる。
さらに従来の技術では、放置された遊技機のタイマーがスタートした後、その遊技機で次に誰が遊技するかによって遊技者間のトラブルという問題が生じてくる。これは、自分が占有していた遊技機を離席中に他人にとられたであるとか、逆に、自分は空いている遊技機で遊技を始めたのに後から来た他人に以前からの占有を主張された、といった類のものである。このようなトラブルは、ある程度の長時間にわたって無人状態であるが、一見して誰かが占有していたように思える遊技機を別の遊技者がしようした場合に起こり得る。このことが遊技者間での遊技機の占有を巡る無用なトラブルを発生させてしまう問題を引き起こしている。
そこで、本発明は、遊技機の稼動状態に伴う無用なトラブルを減少させる技術の提供を課題とする。
本発明の技術は、上記課題を解決するために以下の手段を採った。
(解決手段1)
本発明の遊技機は、遊技媒体を用いて遊技をすることが可能な遊技機において、遊技を進行させる中で、遊技者による一連の操作を反映した作動を行う作動装置と、前記作動装置の作動状況を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて前記作動装置が作動を行っているか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により前記作動装置手段が作動を行っていないと判断された場合、遊技者による操作がなされていないことを教示する教示手段と、前記教示手段による教示が行われた後、遊技者による操作が行われたことで前記判断手段により前記作動装置が作動を行っていると判断された場合であっても、前記教示手段により行われている教示を堅持(または保持、固持、維持、留置)させておく教示堅持手段とを備えている。
本発明では、遊技者は遊技媒体を用いて遊技が、その際に遊技者は一連の操作を行う。遊技者が行う一連の操作は、例えばスロットマシン等では遊技媒体(メダル、コイン)を投入する操作や遊技媒体の掛け数を決定する操作、続いて図柄表示装置を始動させ、そして停止させるための操作等のように継続して行うために一続きに行われる操作が該当する。あるいは、パチンコ機においては、遊技媒体の貸出しを求める球貸し操作や遊技媒体(遊技球)を遊技領域に向けて打ち出すために発射ハンドルをひねる操作、発射強度を調整するために発射ハンドルのひねり角度を調整する操作等が該当する。そして遊技者による一連の操作を反映して遊技機は一定の動作(遊技媒体を受け付けたり、遊技媒体を発射したり、内部的な抽選を行ったり、内部的な遊技様態を変化させたり、図柄が揃って表示されたか否かを判断したり、遊技媒体を払出したりする動作)が行われ、それによって実際に遊技が進行していくことになる。
このような一連の操作が遊技機に対して行われている限り、その遊技機は一連の操作を反映した動作を行うため、実際に稼動している状態であるといえる。しかし、遊技者による一連の操作が全く行われていなかったり、あるいは途中で操作を止めたまま放って置かれたりすると、その遊技機はもはや稼動中とはいえない。
そこで本発明の遊技機では、検出手段により作動装置が作動を行っているか否かを判断するものとしている。このとき作動装置が作動を行っていなければ、教示手段により教示(または告知、開示、示唆、アピール、アナウンス等)される。このような教示が行われると、当該遊技機が放置された台であることを周囲の遊技者や従業員等が容易に知ることができる。また一度放置台として教示が行われた遊技機は、その後もそのままの状態が堅持(または保持、固持、維持、留置)されることとなり、放置されたことが誰の目にも明らかに分かる。そのため、従業員等による当該遊技機の状況把握が容易になるとともに、元の遊技者によって遊技が再開された場合には、離席等で不在となった時間が少なからず他の遊技者に比して長かったことを意識させることができる。またもし元の遊技者が当該遊技機に戻らないため、空き台として開放された結果、新たな遊技者により遊技が開始されていた場合も、この教示が継続して行われていることを見れば、どのような経過で、現在の遊技者(前記の新たな遊技者)が遊技を開始したのかが分かる。そのため、元の遊技者が当該遊技機に戻ってきてその占有について主張をされたといった類のトラブルや、悪意を持った遊技者に遊技機を横取りされるといったトラブルも減少させることができ、遊技者は誰に気兼ねすることなく遊技を存分に楽しむことができる。
(解決手段2)
解決手段2は、前記検出手段が前記作動装置が遊技者による一連の操作に従った作動を行っている状況と、遊技者による一連の操作が途切れたため、既に前記作動装置が遊技者からの次の操作がなされないままの状態で作動を行っている状況のいずれをも検出可能であることを特徴とする解決手段1に記載の遊技機である。
本発明では、遊技機の作動状況を、遊技者によって遊技されているのか(つまり、一連の遊技操作が行われているのか)それとも、遊技者が操作を中断もしくは放棄したために、一連の遊技操作の途中もしくは終了の状態であるのかを検出可能としている。そのため、遊技機の作動状況を把握できる。
(解決手段3)
解決手段3は、前記判断手段が前記検出手段により検出された同一の作動状況が所定時間にわたって持続している場合、前記作動装置が作動を行っていないと判断することを特徴とする解決手段1または2に記載の遊技機である。
本発明では、遊技者による操作がされない状態が所定時間にわたって継続している時、つまりスロットマシン等であれば、遊技媒体(メダル、コイン)が投入された後、操作がなされていない状況、また遊技媒体の掛け数を決定した後、操作がなされていない状況、また図柄表示装置が始動された後、停止操作がなされていない状況である。またパチンコ機においては、遊技媒体が貸し出された後、発射ハンドルが操作されていない状況が該当する。このような状況が、所定時間にわたり継続しているか否かを判断する。このような判断がされると、当該遊技機が、一連の操作を反映して一定の挙動を示していないものと判断する。つまり「放置台」であると、一定の基準において当該遊技機が判断することとなり、遊技機の稼動状態の把握が容易になる。
(解決手段4)
解決手段4は、前記判断手段が前記検出手段により検出された作動状況の内容が所定時間を経過する前に別の内容に変化した場合、前記作動装置が作動を行っていると判断することを特徴とする解決手段1乃至3のいずれかに記載の遊技機である。
本発明では、遊技者が遊技を継続する意思を持って席をはずした際に、所定時間内に遊技者により遊技が再開されれば、「放置台」と判断される対象とはならないため遊技者に無用の混乱を招くことを回避できる。
(解決手段5)
解決手段5は、遊技機外部に向けて光を発することで所定の発光を行う発光手段をさらに備え、前記教示手段は、前記発光手段による発光の制御を行うことで前記教示を行うことを特徴とする解決手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機である。
本発明の遊技機では、例えば、スロットマシン等では、メダルの投入、掛け数の決定、前記リールの始動および停止操作等を一連の操作とともに、照明の光を遊技機外部に向けて発する手段を有するものをいう。また前記判断手段によって、当該遊技機は、通常の操作における発光の制御とは異なる発光の制御(例えば、チカチカと点滅する、消えかかりそうな点滅をする等)を行うことなり、周囲の注意を惹くこととなる。これにより周囲の遊技者や従業員は「放置台」を容易に知ることができる。また不用意に当該遊技機で遊技を開始しようとしたときに周囲からの目を引くことになるため、悪意を持った遊技者が遊技しづらくなる。
(解決手段6)
解決手段6は、前記教示手段により前記発光の制御が行われた後に前記判断手段により前記作動装置が作動を行っていると判断された場合、前記教示手段による前記発光の制御を継続させる発光制御継続手段をさらに備えたことを特徴とする解決手段5に記載の遊技機である。
本発明では、一度放置された台であると判断されると、そのことを周囲に知らせる教示(発光ランプ等の動作を通常遊技とは異なる動作に制御する)が行われるが、この教示は
たとえ元の遊技者が当該遊技機での遊技を再開したとしても従業員等による解除操作がなされるまで継続される。このことにより元の遊技者に離席等の不在時間が長いことに対する注意喚起に加えて、新たな遊技者が遊技しづらい状態を作り出すことができる。
(解決手段7)
解決手段7は、前記発光制御継続手段による発光の制御が継続された場合、その発光の制御を抑制する発光制御抑制手段をさらに備えたことを特徴とする請求項5または6に記載の遊技機。
本発明では、前記発光の制御が継続された場合に、発光の制御を抑制、つまり目立たないようにしたり、消したりすることを可能とする。また発光の制御の態様を変える内容(例えば、ランプ等の発光制御を高速で点滅させる状態から低速で点滅させる状態に変化させる等)としてもよい。ただしあくまでも従業員等による解除操作が行なわれないと発光の制御は他の周囲の遊技機とは明らかに異なる態様で続けられる内容とすれば、当該遊技機を横取りしようとする遊技者にとっては遊技しづらい状態を作り出すことができる。
(解決手段8)
解決手段8は、遊技機外部に向けて表示を行うことで所定の演出表示を行う演出表示手段をさらに備え、前記教示手段は、前記演出表示手段による演出表示を行うことで前記教示を行うことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の遊技機である。
本発明の遊技機では、例えば、スロットマシン等では、メダルの投入、掛け数の決定、前記リールの始動および停止操作等を一連の操作とともに、液晶表示および表示を遊技機外部に向けて演出表示する手段を有するものをいう。また前記判断手段によって、当該遊技機は、通常の操作における演出表示とは異なる演出表示(例えば、メッセージを表示したり、遊技者の注目を引く演出を表示したり、視覚に訴える)を行うことなり、周囲の注意を惹くこととなる。これにより周囲の遊技者や従業員は「放置台」を容易に知ることができる。
(解決手段9)
解決手段9は、前記教示手段により前記演出表示が行われた後に前記判断手段により前記作動装置が作動を行っていると判断された場合、前記教示手段による前記演出表示を継続させる演出表示継続手段をさらに備えたことを特徴とする解決手段8に記載の遊技機である。
本発明では、一度放置された台であると判断されると、そのことを周囲に知らせる教示(液晶表示にメッセージを表示させる、離席時間を表示させる等、通常遊技とは異なる動作に制御する)が行われるが、この教示はたとえ元の遊技者が当該遊技機での遊技を再開したとしても継続される。これにより元の遊技者に離席等の不在時間が長いことに対する注意喚起に加え、不用意に当該遊技機を空き台だと判断し、他の遊技者に遊技を開始されてしまうことを防ぐことも可能となる。
(解決手段10)
解決手段10は、前記演出表示継続手段による演出表示が継続された場合、その演出表示を抑制する演出表示抑制手段をさらに備えたことを特徴とする請求項8または9に記載の遊技機である。
本発明では、遊技者による当該遊技機の遊技が開始されると、演出表示を抑制、つまり目立たないようにしたり、消したりすることを可能とする。これは当該遊技機において元の遊技者もしくは新たに遊技を開始したい遊技者が、従業員等に解除操作を依頼した後に当該遊技機の演出表示の抑制を可能とすることで、遊技者が完全に空き台となっている遊技機で遊技を開始したことと同じ状況を作り出すことができる。さらにこのときに表示を目立たないように表示させておくこととすれば、新たな遊技者と元の遊技者との間で当該遊技機の占有を巡る無用なトラブルを回避することも可能となる。
(解決手段11)
解決手段11は、遊技機外部に向けて音を発することで所定の発音を行う発音手段をさらに備え、前記教示手段は、前記発音手段による発音動作を行うことで前記教示を行うことを特徴とする解決手段1乃至10のいずれかに記載の遊技機である。
本発明の遊技機では、例えば、スロットマシン等では、メダルの投入、掛け数の決定、前記リールの始動および停止操作等を一連の操作とともに、スピーカー等から音を遊技機外部に向けて発する手段を有するものをいう。また前記判断手段により、当該遊技機は、通常の操作における発音とは異なる発音(例えば、大音量を出したり、メッセージを流したり、音声で訴える)を行うことなり、周囲の注意を惹くこととなる。これにより周囲の遊技者や従業員は「放置台」を容易に知ることができる。
(解決手段12)
解決手段12は、前記教示手段により前記発音動作が行われた後に前記判断手段により前記作動装置が作動を行っていると判断された場合、前記教示手段による前記発音動作を継続させる発音動作継続手段をさらに備えたことを特徴とする解決手段11に記載の遊技機である。
本発明では、一度占有されたまま放置された台であることを周囲に知らせる教示(スピーカ等から警報音を鳴らす、メッセージを音声として流すなど通常遊技とは異なるものにする)が行われるが、この教示はたとえ元の遊技者が当該遊技機での遊技を再開したとしても継続される。これにより元の遊技者に離席等の不在時間が長いことに対する注意喚起に加え、不用意に当該遊技機での遊技を他の遊技者が開始しづらい状況を作り出すことも可能となる。
(解決手段13)
解決手段13は、前記発音動作継続手段による発音動作が継続された場合その発音動作を抑制する発音動作抑制手段をさらに備えたことを特徴とする請求項11または12に記載の遊技機である。
本発明では、遊技者による当該遊技機の遊技が開始されると、発音動作を抑制、つまりボリュームを下げたり、消したりすることを可能とする。これは当該遊技機において元の遊技者もしくは新たに遊技を開始したい遊技者が、従業員等に解除操作を依頼した後に当該遊技機の発音動作の抑制を可能とすることで、遊技者が完全に空き台となっている遊技機で遊技を開始したことと同じ状況を作り出すことができる。従業員立会いのもとで解除操作が行なわれ遊技を開始することができるため、遊技者は当該遊技機での遊技を安心して行なうことが可能となる。
(解決手段14)
解決手段14は、前記検出手段が遊技媒体の出し入れを可能に載置する受け部とこの受け部に載置された載置物を検出する質量センサとを有し、前記判断手段は、前記質量センサにより検出された質量が規定値以下である場合に前記判断を実行することを特徴とする解決手段1乃至13のいずれかに記載の遊技機である。
本発明では、スロットマシン等における遊技機下部の受け皿上にある遊技媒体や、遊技者の所有物等の質量を検出する質量センサを設置する。このとき検出された質量が、あらかじめ決めてある規定値以下である時に、一連の操作を反映した一定の動作が示されているか否かの判断を始める。この判断により、一定の基準において遊技機の稼動・非稼動が判断できる。
(解決手段15)
解決手段15は、前記判断手段が前記質量センサにより検出された質量がない状態で、遊技価値のベットとクレジットの貯留数の合計が規定値以下となっている場合に前記判断を実行することを特徴とする解決手段1乃至14のいずれかに記載の遊技機である。
本発明では、スロットマシン等において、上記の質量センサにより検出された質量がない時には、全くどの遊技者にも占有されていない「空き台」と区別するために、遊技価値がベットされているか否かとクレジットに貯留がある遊技価値の数の合計があらかじめ決めてある規定値以下である時に、一連の操作を反映した一定の動作が示されているか否かの判断を始める。この判断により、一定の基準において遊技機の稼動・非稼動が判断できる。
(解決手段16)
解決手段16は、1回のゲームごとに所定数の遊技価値を掛けた状態で掛け数を決定する掛け数決定手段と、前記掛け数を決定した状態で遊技者の始動操作を受け付ける始動操作手段と、周方向に図柄が付された複数個の回転体を回転させて図柄の表示を変動させる一方、前記回転体の回転を停止させて複数の図柄を組み合わせて表示する図柄表示装置と、前記回転体を停止させるべく遊技者による停止操作を受け付ける停止操作手段と、前記始動操作手段にて前記始動操作が受け付けられると前記回転体の回転を開始し、この回転中に前記停止操作手段にて前記停止操作が受け付けられると、その受け付け順に前記回転体を停止させる回転体駆動手段と、前記回転体駆動手段により全ての前記回転体が停止されると、そのときの図柄の組み合わせ態様に基づき、必要に応じて規定数の遊技価値を遊技者に与えて1回のゲームを終了とする遊技機において、前記判断手段は、前記検出手段により前記回転体が回転を行っていることが検出された場合、前記回転体が回転中であって、前記停止操作がなされない状況が所定時間にわたって継続している場合、前記作動装置が作動を行っていないと判断することを特徴とする解決手段1乃至15のいずれかに記載の遊技機である。
本発明は、特にスロットマシン等の遊技機において、遊技者が1回のゲームを行うため規定数の遊技価値(メダル、コインなど)を掛けた状態で始動操作を行った後に、遊技者により停止操作がなされない限り、前記回転体は回転を続ける。なお1回のゲームで遊技価値を掛ける規定数は複数通りのものから選択できる態様であってもよいし、1通りのものしかない態様であってもよい。この回転体が回転している状態が所定時間にわたり継続しているかを判断する。このような判断がされると、遊技機は回転体を回転させた状態ではあるが、遊技者による停止操作が中断されたまたは放棄されたものと判断する。つまり「放置台」であると一定の基準において当該遊技機が判断することができ、実際、当該遊技機が稼動状態にはないことをを知ることができる。
(解決手段17)
解決手段17は、前記判断手段により前記作動装置が作動を行っていないと判断された場合、前記回転体の回転を維持する回転維持手段をさらに備えたことを特徴とする解決手段16に記載の遊技機である。
本発明では、「放置台」と判断された遊技機の回転体の回転を維持する回転維持手段により、そのまま維持させることで、通常の遊技においては生じない遊技機の状態(例えば、ランプなどが点滅したり、消えかかったりしている状態で、回転体だけが回転している)を作り出すことができ、当該遊技機が特異な状態であることを周囲にアピールできる。
(解決手段18)
解決手段18は、前記判断手段により前記作動装置が作動を行っていないと判断された場合、前記回転体の回転を低減させる回転低減手段をさらに備えたことを特徴とする解決手段16または17に記載の遊技機である。
本発明では、「放置台」と判断された遊技機の回転体の回転を低速回転させたり、途中で速度を変化させたり、もしくは回転を停止させることにより、通常の遊技においては生じない遊技機の状態(例えば、ランプなどが点滅したり、消えかかったりしている状態で、回転体だけが低速で回転している、または低速回転と高速回転を繰り返したり、回転をしばらくした後に停止したりする)を作り出すことができ、当該遊技機が周囲の他の遊技機と比して特異な状態にあることを周囲にアピールできる。
(解決手段19)
解決手段19は、前記検出手段が前記図柄表示装置がその回転が開始してから、前記作動装置による作動が行われていないと前記判断手段により判断された場合、前記リールの回転に伴いその回転数を検出するものであり、前記判断手段は、前記検出手段により検出された回転数が規定回数に達した場合、前記作動装置が作動を行っていないと判断することを特徴とする解決手段16乃至18のいずれかに記載の遊技機である。
本発明では、一連の操作、つまり前記リールの回転が始まり、その停止操作がなされるまでの間、この一連の操作が途中までしかなされない状況、言い換えれば、前記リールが回転した状態のままである時に、その回転数を検出する。この検出された回転数が規定回数に到達したか否かを判断する。このような判断がされると、当該遊技機は一連の操作の途中ではあるが、一定の動作を行っていないものと判断する。つまり「放置台」であると、一定の基準において当該遊技機が判断することなり、遊技機の稼動・非稼動の把握が容易になる。
(解決手段20)
解決手段20は、前記判断手段が前記検出手段により検出された回転数が規定回数に達する前に前記作動装置が作動を行っていると判断することを特徴とする解決手段16乃至19のいずれかに記載の遊技機である。
本発明では、遊技者が遊技を継続する意思を持って席をはずした際に、所定時間内に遊技者により遊技が再開されれば、「放置台」と判断される対象とはならないため、遊技者が無用の混乱を招くことを回避できる。
(解決手段21)
解決手段21は、遊技者による遊技の実行(ゲームの実行)に必要な電力を供給する電源装置と、前記電源装置から電力の供給を受けて作動し、周方向に図柄を表示した複数個の回転体を回転させて図柄を変動させる一方、前記回転体の回転を停止させて複数の図柄を組み合わせて表示することが可能な図柄表示装置と、停止状態にある前記回転体を回転させて前記図柄表示装置を始動させるための始動操作を受け付け可能な始動操作手段とを備えた遊技機において、遊技価値の掛け数を決定した状態で遊技者による前記始動操作が受け付けられると前記回転体を駆動してその回転を開始させ、この後、前記電源装置から前記図柄表示装置への給電中に遊技者による複数回の前記停止操作が受け付けられるまでの間は前記回転体を駆動し続ける駆動手段と、前記駆動手段による前記回転体の駆動状況を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記駆動手段が前記回転体の駆動を行っている状態が所定時間にわたって継続しているか否かを判断する判断手段と。前記判断手段により、前記駆動手段が前記回転体の駆動を行っている状態が所定時間にわたって継続していると判断された場合、遊技者による遊技の実行が途絶えていることを教示する教示手段と前記教示手段による前記教示が行われた後に、前記判断手段により前記駆動手段による前記回転体の駆動が停止されたと判断された場合、前記教示手段により行われた教示を維持する教示維持手段とを備えたことを特徴とする遊技機である。
本発明によれば、遊技者によりゲームが開始される(つまり始動操作がされる)と、回転体が回転を開始する。この回転は、遊技機に電源が供給されている間は、遊技者による停止操作がされるまで継続される。つまり周囲からみれば、回転体が回りっぱなしの状態ということとなる。この回転体が回りっぱなしとなっている時間が所定時間経過していると判断された場合、当該遊技機は「放置台」であると判断し、周囲に報知を行う。これにより、何らかの作動(回転体が回転している)をしてはいるが、実際には誰にも遊技されていない状況の遊技機を特定することができる。さらに一度教示が行われた後に遊技者により回転体の停止操作がされた場合も教示はそのまま維持される。この結果、元の遊技者が当該遊技機に戻ることがなかった場合は、速やかに空き台として開放することもできるため、新たな遊技者に遊技の機会を付与することができ、稼動が下がってしまうことを抑えることが可能となる。加えて、周囲の他の遊技機とは明らかに異なる挙動をしている当該遊技機は、悪意を持って横取りをする目的の遊技者が遊技しづらい状況を作り出すことができる。
本発明により、遊技機の放置に関するトラブルを減少させることができる。
(一実施形態の概要)
図1は、一実施形態の回胴式遊技機であるスロットマシン1を示している。図1のスロットマシン1は、遊技媒体として例えばメダル、コイン等を用いるタイプのものである。なお、その他にも回胴式遊技機には遊技球を用いるタイプ(いわゆる「パロット機」)のものもあり、こちらのタイプも実施形態として好適である。また本発明の実施にあたり、いずれのタイプを適用しても本質的な差違は生じない。
図1は内部に後述する回転装置などを備えた箱形の本体部分2と前面扉4からなるスロットマシン1の正面図である。このスロットマシン1が遊技場に複数台、図1と同様正面を見せた状態で横1列に並んで設置されている。遊技機と遊技機の間には台間サンドとしてメダル等の貸出機が設置されており、遊技者は台間サンドに現金やプリペイドカード等を投入してメダル等の貸出を受けることができる。
スロットマシン1は遊技者に相対する前面に前面扉4を有しており、この前面扉4は図1の左側端内に上下2つの蝶番(図示しない)を備えており、この蝶番を軸として片開き形式に手前に開閉することができる。前面扉4は、上半分に液晶表示機42と平坦な透明板(遊技パネル)6を有している、その配置は前面扉4の上半分をさらに2等分した上部に液晶表示機42、下部に遊技パネル6となっている。また前面扉4の下半分は始動レバーや停止ボタン、化粧版とランプ48、受け皿38等を有している。その配置は、前面扉4の下半分をさらに4等分して、上から1/4部、2/4部、3/4部、4/4部と呼ぶと、1/4部に始動レバー、停止ボタンがあり、2/4部と3/4部は化粧版となっている。この化粧版は透明板で、図1では特に何も描かれていないが、遊技機のタイトルのロゴやイラストなどが描かれている。4/4部は受け皿38となっている。遊技パネル6の中央には矩形の表示窓8が形成されている。本実施形態のスロットマシン1は、機械的な可変図柄表示装置(回転装置)の一例として回転する3つの筒(各筒は中心部を軸として各々縦方向に上から下に1周約0.8秒程で回転するものである。スロットマシンでは、この筒のことをリールと称しており、以下、リールとして統一する)、つまり図1の正面図で、左・中・右リール(以下、10aを左リール、10bを中リール、10cを右リールとそれぞれ呼ぶ)を装備しており、これら各リール10a,10b,10cは、箱型の本体部分2に設置されており、前面扉4を閉めることで直接触れることができないように保護されている。
各リール10a,10b,10cの外周にはそれぞれリール帯が張られており、その表面に種々の図柄(例えば、21個)が付されている。図1には一部の図柄だけが示されているが、図柄には例えば、数字や文字、ベル、スイカ、プラム、リンゴ、チェリー等をデザインとしたもの、あるいは、スロットマシン1の機種を特徴付けるキャラクターや図形、記号等をデザインとしたもの等が含まれている。
スロットマシン1はこれらリール10a,10b,10cを回転または停止させることで、図柄の表示態様を変動させたり停止させたりすることができる。なお、スロットマシン1の前面からは、表示窓8を透かしてリール10a,10b,10cの一部のみが視認可能であり、その停止時には各リール10a,10b,10cにつき、縦方向に3つの図柄が有効に表示されるものとなっている。
遊技パネル6のうち、表示窓8の両脇にはそれぞれ表示領域12,14が形成されており、これら表示領域12,14には各種文字情報や図柄情報が付されている。透明板6の背後には図示しないランプユニットが配置されており、表示領域12,14内の情報はランプの光を透過することで点灯表示される。例えば、最初に遊技者がメダル投入口15を通じてメダルを投入すると、その投入枚数に応じてメダルの掛け数、つまりベット数が加算され、これに合わせて左側の表示領域12ではベット数に対応した有効ラインランプ(例えば、1ベット、2ベット、3ベット)が点灯表示される。このとき、スロットマシン1においてメダル受入動作が後述するクレジットモードであれば、最大ベット数(例えば3ベット)を超えて投入されたメダルがクレジットとして貯留され、そのクレジット数は表示部16に数値表示される。
上記のクレジットは、例えば最大で50まで貯留することができる。これにより1回のゲームごとにメダルをベットしたい枚数だけ投入することなく、クレジットに貯留された枚数から、次回ゲームへのベット数を、ベットボタン18,20,22を操作することによって選択できるため、遊技をスムーズに進行することができる。その際、クレジットは、ベットされた数だけ貯留された枚数から減算されていく。なおベットボタン18,20,22はそれぞれシングルベット(1枚掛け)、2ベット(2枚掛け)、MAXベット(3枚掛け)に対応している。
なお有効ラインとは、1枚掛けのときは、表示窓8から視認できる各リールの3つの図柄のそれぞれ中段の図柄の横並びの1ライン(図1では、11aの破線1本)のみ有効である。2枚掛けのときは、前記の1ラインに、各リールの上段の図柄の横並び1ラインと、下段の図柄の横並び1ラインの2ライン(図1では、11bの破線2本)を加えた計3ラインが有効となる。3枚掛けのときは、前記3ラインに、リール10aの上段の図柄,10bの中段の図柄,10cの下段の図柄の図1の正面図にて右下がりの1ラインと、リール10aの下段の図柄,10bの中段の図柄,10cの上段の図柄の図1の正面図にて右上がりの1ラインの2ライン(図1では、11cの破線2本)を加えた計5ラインが有効ラインであることをいう。
いずれにしても、遊技者が1ゲームごとのベット数を決め、有効ラインランプが点灯表示された状態で始動レバー24を操作すると、リール10a,10b,10cが回転することで図柄の変動が行われる。そして、リール10a,10b,10cの回転中に遊技者が停止ボタン26,28,30を操作することにより、それぞれに対応するリール10a,10b,10cが回転を停止することで図柄の変動の停止が行われる。このとき図柄の表示態様から図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されたか否かが判断され、組み合わせが表示されたと判断された場合は組み合わせ図柄の種類(例えばボーナス図柄、小役図柄、リプレイ図柄等)に応じて特典が与えられて1回のゲームが終了となる。ここで図柄の組み合わせが表示された場合とは、当選図柄(例えば、ベル)が左・中・右の3つのリールで有効ライン上に並んで停止した場合のことをいう。なお、リール停止時の図柄の表示態様のことを「出目」と呼称する。ただし一部の当選図柄(例えば、チェリー)には、左リールの有効ラインのみに停止、もしくは左・中リールの有効ラインのみに停止しただけでも図柄の組み合わせが表示されたとするものもある。また、特典が与えられる組み合わせ表示には、当選図柄が同一の図柄の組み合わせのみではなく、複数の図柄の組み合わせからなるものもある(例えば、スイカ−ベル−ベル)
なお、ここでいう当選図柄とは、有効ラインに揃った場合に、特典が与えられる図柄のことである。
なお、メダルの払い出しを伴う図柄(例えば小役図柄)の組み合わせが表示された場合は払出枚数が表示部32に表示され、上記のクレジットモードであれば、払い出されたメダルは表示部16のクレジットに加算して貯留される。このとき払い出されたメダルのうち、最大クレジット数を超えた分のメダルは払出口36を通じて受け皿38に払い出される。あるいは、リプレイ図柄が揃った場合は直前の有効ラインが再度有効とされ、そのまま再遊技(リプレイ)が可能となる。また遊技者は、精算ボタン40を1回操作することでクレジットモードを解除し、メダルの貯留(クレジット)を精算することも可能である。さらに精算ボタンをもう1回操作すれば、再びクレジットモードにすることができる。上記の通り、図柄の組み合わせが表示されたと判断された場合であっても、メダルの払出しを伴うものと伴わないものとがある。
本実施形態のスロットマシン1は、表示窓8の上方に液晶表示器42を有しており、この液晶表示器42には、遊技の進行に伴う演出のための映像や各種ボーナスゲームでの獲得メダル枚数等が表示されるものとなっている。また、払出口36の左右には2個のスピーカ44が設けられており、これらスピーカ44からは遊技の進行に伴う効果音やBGM、音声等が出力される。その他、前面扉4には液晶表示器42の上部の中央とその左右の端、液晶表示部42の左右および始動レバー24の左下側端とメダル投入口15の右下側端にそれぞれランプ41,45,46,48が配置されており、これらランプ41,45,46,48は遊技状態に応じた発光装飾による演出を実施することができる。
(スロットマシンの内部構成)
図2は、スロットマシン1に装備されている各種の機構要素や電子機器類、操作部材等の構成を概略的に示している。スロットマシン1はその遊技の進行を統括的に制御するためのメイン制御基板50を有しており、このメイン制御基板50にはCPUをはじめROM、RAM、インタフェース等(全ては図示されていない)が実装されている。
上述したベットボタン18,20,22や始動レバー24、停止ボタン26,28,30、精算ボタン40等はいずれもメイン制御基板50に接続されており、これら操作ボタン類は図示しないセンサを用いて遊技者による操作を検出し、その操作信号をメイン制御基板50に出力することができる。
またスロットマシン1にはメイン制御基板50とともにその他の機器類が収容されており、これら機器類からメイン制御基板50に各種の信号が入力されている。機器類には、上記3つのリール10a〜10cを擁するリール装置10のほか、メダルセレクタ52やホッパ装置54等がある。
リール装置10は各リール10a,10b,10cの回転に関する基準位置を検出するための位置センサ(図示していない)を有しており、これら位置センサからの検出信号(インデックス信号)がメイン制御基板50に入力されている。またメダルセレクタ52はメダル投入口15から投入されたメダルを1枚ずつ検出し、その検出信号(投入メダル信号)をメイン制御基板50に出力する。ホッパ装置54は、払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ(図示していない)を有しており、この払出センサからメダル1枚ごとの払出メダル信号がメイン制御基板50に入力されている。
一方、メイン制御基板50からは、リール装置10やホッパ装置54に対して制御信号が出力される。すなわち、リール装置10は各リール10a,10b,10cを回転させるためのステッピングモータ(図示していない)を内蔵しており、これらステッピングモータの起動および停止を制御するための駆動パルス信号がメイン制御基板50から出力される。またホッパ装置54には、組み合わせが表示された図柄の種類に応じてメイン制御基板50から駆動信号が入力され、これを受けてホッパ装置54はメダルの払い出し動作を行う
(前述の通り、メダルの払出しを伴わない図柄の組み合わせが表示された場合には、メダルの払出し動作は行われない)。
スロットマシン1は、メイン制御基板50の他にサブ制御基板56を備えており、このサブ制御基板56にはCPUやROM、RAM、インタフェース、VDP、音源IC、計測タイマー、回転数カウンタ、オーディオアンプ等(全ては図示されていない)が実装されている。このうち、特に計測タイマーは規定時間を計測するためのものである。またここで用いられている回転数カウンタは、リール回転数を計数するためのものであり、抽選用の乱数を発生させるためのカウンタとは異なる。サブ制御基板56はメイン制御基板50から各種の指令信号を受け、教示手段(液晶表示器42や表示部16,32,34、スピーカ44の作動、ランプ41,45,46,48の点灯または点滅)を制御している。さらにサブ制御基盤56には、受け皿38の下部に設置された質量センサ70(検出手段)からの検出信号が入力されるものとなっている。
さらに、メイン制御基板50には外部端子基板58が接続されており、スロットマシン1はこの外部端子基板58を介して遊技場のホールコンピュータ60に接続されている。外部端子基板58はメイン制御基板50から送信される各種信号(投入メダル信号や払出メダル信号、遊技ステータス等)をホールコンピュータ60に中継する役割を担っている。
その他、スロットマシン1の内部には電源ユニット62が収容されており、この電源ユニット62は外部電源から電力を取り込んでスロットマシン1の作動に必要な電力を生成する。ここで生成された電力は、電源ユニット62から各ユニットに供給されている。
また電源ユニット62には、設定キースイッチ64やリセットスイッチ66、電源スイッチ68等が付属している。これらスイッチ類はいずれもスロットマシン1の外側に露出しておらず、その前面扉4を開くことで始めて操作可能となる。このうち電源スイッチ68は、スロットマシン1への電力供給をON−OFFするためのものであり、設定キースイッチ64はスロットマシン1の設定(例えば設定1〜6)を変更するためのものである。またリセットスイッチ66はスロットマシン1で発生したエラーを解除するためのものであり、さらには設定キースイッチ64とともに設定を変更する際にも操作される。
(ゲーム処理)
次に、スロットマシン1におけるゲーム処理の流れについて説明する。以下のゲーム処理は、メイン制御基板50のCPUにて実行される制御プログラム上の処理手順に沿って進行する。
(1.回胴遊技処理)
図3は、スロットマシン1における基本的な1ゲーム(回胴遊技)の処理手順を一通り示している。1回のゲームは、まず始動処理(ステップS10)から始まる。この始動処理はリール10a,10b,10cの回転を開始させるための処理であり、ここではメダルの投入またはベットボタン18,20,22の操作を受け付けたり、始動レバー24の操作を契機とした乱数抽選を行ったりする処理が行われる。なお、始動処理(ステップS10)の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて詳しく後述する。
1回のゲームでは始動処理(ステップS10)に続いて停止処理(ステップS20)が実行される。この停止処理は、各リール10a〜10cの回転を停止させるとともにその停止位置を制御するものである。これは、「リール制御」と称される処理に該当する。リール制御を用いた停止処理には、例えば当選役と停止ボタンが押された位置の2つを参照して最終停止位置を決定するテーブル方式と、最大限当選役を引込むコントロール方式の2つの方式があり、ここではどちらを用いる態様であってもよい。なお当選役については、後述する始動処理にて説明する。リール制御を用いた停止処理についても別のフローチャートを用いて後述する。
リール制御によって停止処理を終えると、次に判定処理(ステップS30)が実行される。この判定処理は全リール10a,10b,10cの停止時に表示された図柄の表示態様(出目)から図柄の組み合わせが有効ラインに表示されたか否かを判断し、組み合わせが表示された場合はそれに応じた遊技結果を提供するためのものである。遊技結果のうち主な特典はメダルの払い出しであるが、メダルの払出しがなくとも、表示された組み合わせ図柄(ビッグボーナス図柄、レギュラーボーナス図柄等)の種類に応じてボーナスゲームに移行する特典が与えられたり、あるいはメダルの払出しとは別に内部状態(各種モード)を変更させる契機となったりするものがある。なお判定処理の具体的な内容については停止処理の後で説明する。
(2.始動処理)
図4は、上記の始動処理の内容を具体的に示している。ここでは先ず、メダルの投入またはベットボタン18,20,22の操作が待ち受けられる(ステップS101)。遊技者がベット操作またはメダル投入をしないうちは(No)、始動レバー24が有効化されないため、ステップS104の判断が否定(No)されて待ち受け状態(ステップS101)がループされ続ける。ベット操作またはメダル投入があると、これを受けて受付処理(ステップS102)が行われ、ベット数に応じた有効ラインランプの点灯が行われる。また受付処理(ステップS102)では、メイン制御基板50からメダル投入コマンドまたはベットコマンドがサブ制御基板56に送信される。
受付処理(ステップS102)に続いて始動レバー有効処理(ステップS103)が行われ、ここで初めて始動レバー24の操作が実質的に有効化される。この状態で遊技者が始動レバー24を操作すると、ステップS104の判断が肯定(Yes)されて次に始動レバー無効処理(ステップS105)が行われる。
始動レバー24の操作があると、これを契機として乱数の抽出(乱数抽選)が行われる(ステップS106)。また、始動レバー24の操作を受け付けてから乱数を抽出するタイミングは特に規定されておらず、プログラミングの過程で適切な抽出タイミングを設定することができる。
次のフラグ処理(ステップS107)では、抽出された乱数値から当選・落選が判断され、当選の場合は当選役(小役、特別小役等)の種類に応じたフラグがONにされるとともに、メイン制御基板50から当選フラグコマンドがサブ制御基板48に送信される。
また、落選の場合は、いずれの当選役(小役、特別小役等)も揃えることのできないハズレフラグがONにされる。当選・落選したフラグ(いわゆる、成立フラグ)は、該当するフラグがONになっている時に該当図柄を揃えることではじめて特典が得られるものである。各々の特典については、判定処理にて別のフローチャートを用いて後述する。
上記のフラグ処理(ステップS107)が行われると、前回の始動処理でスタートされたウェイトタイマがタイムアップ(例えば4.1秒経過)したか否かが判断される(ステップS108)。タイムアップ(Yes)が確認されると、各リール10a,10b,10cが始動され(ステップS109)、ここから次回の始動までのウェイトタイマがスタートされる(ステップS110)。
(3.リール停止処理)
図5は、一例としてテーブル方式によるリール停止処理の内容を示している。リール制御については公知の技術を適用できるため、ここでは処理の流れを概略的に説明する。
リール停止処理では先ず、そのときの当落結果を表す成立フラグにしたがってリール制御テーブルが選択される(ステップS201)。なお、リール制御テーブルは予め全ての当落結果について複数のパターンのものが用意されており、これらは読み出し専用のテーブルデータとしてメイン制御基板50のROMに格納されている。
適切なパターンのリール制御テーブルが選択された状態で、停止ボタン26,28,30が押されるまで待ち受け状態となる(ステップS202,S210,S217,S219)。これらの待ち受け状態で、左・中の各リール10a,10bが既に停止しているか否か、あるいは第1リール停止フラグが立っていない状態(=0)であるか否かが判断されるとともに、あわせて左・中・右のいずれかの停止ボタン26,28,30が押されたか否かが判断される。いずれの停止ボタン26,28,30も押されていなければ、ステップS219およびステップS209の判断がともに否定(No)されてステップS202以降が繰り返される。
例えば、いわゆる「順押し」または「順はさみ押し」の手順に沿って最初に左の停止ボタン26が押されたとすると(ステップS202=Yes)、この時点では第1リール停止フラグが立っていない(ステップS203=Yes)ため、左リール10aについて第1リール停止処理(ステップS204)が実行される。なお、ここでいう「第1リール停止処理」とは、1番目にリールを停止させる処理という意味である。
あるいは、いわゆる「中押し」の手順に沿って最初に中央の停止ボタン28が押されると(ステップS210=Yes,ステップS211=Yes)、中リール10bについて第1リール停止処理(ステップS212)が実行される。これ以外に、いわゆる「逆押し」または「逆はさみ押し」の手順に沿って最初に右の停止ボタン30が押された場合は(ステップS217=Yes、ステップS218=Yes)、右リール10cについて第1リール停止処理(ステップS219)が実行される。
左・中・右のいずれかのリール10a,10b,10cについて第1リール停止処理(ステップS204,S212,S219)が行われると、そのときの成立フラグに対応した複数パターンのリール制御テーブルのなかから、乱数値に基づいて1つのテーブルパターンが選択される。これは、例えば1つの当選役「ベル」について、リール10a〜10c上にある図柄「ベル」を有効ライン上に停止させるために予め複数パターンのリール制御テーブルが用意されているが、その中から1つのパターンが選択されることを意味する。そして、1つのパターンが選択されると、そのリール制御テーブルに基づいてリール10aから10cの停止位置が制御される。これにより、例えば図柄「ベル」が有効ライン上のどこかで停止されることとなる。
例えば、順押し手順に沿って左リール10aが第1番目に停止されるパターンを例にとると、ステップS204で左リール10aについて第1リール停止処理が行われる。また、このときメイン制御基板50は、左リール10aの停止目を表す停止情報コマンド(第1停止情報コマンド)をサブ制御基板56に送信する。
次のステップS206では残りの中・右リール10b,10cについてそれぞれリール制御テーブル(停止テーブル)が乱数抽選によって決定される。具体的には、図1において左リール10aの停止時に図柄「ベル」が下段位置に停止されたとすると、その時点で図柄の組み合わせが表示されるラインとして下段ラインまたは右上がりラインの2通り(MAXベットの場合)が選択可能となるが、ここでは乱数抽選によっていずれか一方(例えば右上がりライン)が選択される。なお、乱数抽選の振り分け率は半々程度でよい。
以上の処理(ステップS206)が行われると、続いて第1リール停止フラグがON(=1)にされるとともに(ステップS207)、左リール停止フラグがON(=1)にされる(ステップS208)。この段階では全てのリール10a〜10cが停止していないので、ステップS209の判断が否定(No)されてステップS202以降が実行される。
すると、このとき既に左リール10aが停止しているので(ステップS202=No)、順押し手順に沿って2番目に中央位置の停止ボタン28が押されると(ステップS210=Yes)、第1リール停止フラグの判定(ステップS211=No)を経て中リール停止処理(ステップS213)が実行される。中リール停止処理では、先に中リール10bについて選択されているリール制御テーブル(停止テーブル)に基づいて停止位置が制御される。これにより、上記の右上がりに図柄が組み合わせとして表示されるラインの例でいうと、中リール10b上の図柄「ベル」が中段位置に停止することとなる。また停止目上は、右上がりライン上で左・中リール10a,10bに図柄「ベル」が2つ揃った状態(いわゆる「右上がりテンパイ」)となる。このときメイン制御基板50は、中リール10bの停止目を表す停止情報コマンド(第2停止情報コマンド)をサブ制御基板56に送信する。またこの場合、中リール10bは第2停止であるためステップS212,S214,S215は全て迂回され、ステップS216にて中リール停止フラグがON(=1)にされるだけとなる。
同様にして、最後に右の停止ボタン30が押されると(ステップS217=Yes)、第1リール停止フラグの判定(ステップS218=No)を経て、先に右リール10cについて選択されているリール制御テーブル(停止テーブル)に基づいて停止位置が制御される(ステップS220)。これにより、3番目の右リール10c上の図柄「ベル」が上段位置に停止するので、全リール停止時の出目は、右上がりライン上に図柄「ベル」が3つ揃った状態となる。このときメイン制御基板50は、右リール10cの停止目を表す停止情報コマンド(第3停止情報コマンド)をサブ制御基板56に送信する。またこの場合、右リール10cは第3停止であるためステップS219,S221,S222は全て迂回され、ステップS223にて右リール停止フラグがON(=1)にされる。
ここまでの処理を経て全リール停止フラグがONになると、ステップS209の判断が肯定(Yes)されるため、メイン制御基板50による処理は本ルーチンを抜ける。
以上がテーブル方式によるリール停止処理の一例である。これとは別にコントロール方式によるリール停止処理があるが、これについても公知の処理を適用可能であるため、ここでは具体的な説明を省略する。また、本実施形態においてコントロール方式またはテーブル方式のいずれのリール停止処理を実行してもよく、どの方式を採用するかは制御プログラムを構築するにあたって適宜決定すればよい。
(4.判定処理)
図6は、判定処理の内容を具体的に示している。上記のリール停止処理によって全てのリール10a,10b,10cが停止されると、メイン制御基板50はそのとき表示されている出目を確認する処理を行う(ステップS301)
次に、全リール停止時の出目から組み合わせとして表示された図柄がビッグボーナス図柄であるか(ステップS302)、レギュラーボーナス図柄であるか(ステップS303)、小役図柄であるか(ステップS304)、リプレイ図柄であるか(ステップS305)、それともハズレ図柄であるかがそれぞれ判断される。そして、そのとき組み合わせとして表示された図柄がビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)のいずれかに該当すると判断されると(Yes)、それぞれの図柄の組み合わせが表示されたことを知らせる効果音コマンドがサブ制御基板に送信される(ステップS306、S307)。また、表示された組み合わせの図柄が小役に該当すると判断されると(ステップS304=Yes)、各小役図柄に対応した枚数のメダル払出動作がホッパ装置54に指示されるとともに、払出し音コマンドがサブ制御基板56に送信される(ステップS308)。あるいは、リプレイ図柄の組み合わせが表示されたと判断される(ステップS305=Yes)と、リプレイ処理(ステップS311)が実行される。ここでリプレイ処理とは、あらためてメダルを投入もしくはベット操作をすることなく、次回のゲーム時を再遊技として実行できることをいう。その場合の有効ライン数は、リプレイ図柄が揃ったゲームの有効ラインと同じラインとなる(例えば、3ベットしてゲームを開始した結果、リプレイが揃った場合、次ゲーム時に再遊技を開始するときも3ベット時のライン数が有効となる)。
ビッグボーナス図柄またはレギュラーボーナス図柄の組み合わせを表示することを許容された場合、つまり、図4のフラグ処理において、ビッグボーナス(BB)またはレギュラーボーナス(RB)の当選フラグがONとなった場合は、そのときに表示された組み合わせの図柄に応じてビッグボーナス遊技処理(ステップS309)またはレギュラーボーナス/JACゲーム遊技処理(ステップS310)が実行されて判定処理は終了となる。
また小役図柄、リプレイ図柄の組み合わせを表示させることを許容された場合は、そのときに表示された組み合わせの図柄に応じて払出しまたはリプレイ処理が実行されて、小役またはリプレイの当選フラグがOFFにされ(ステップS312、S313)この処理は終了される。また、ハズレフラグONの時や成立フラグに対応する図柄が有効ラインに揃っていない(ハズレフラグON時以外で、この出目となることを取りこぼしという、以下取りこぼしで統一する)場合(ステップS305=No)は、BBまたはRB当選フラグ以外の成立フラグがOFFにされて(ステップS314)同じく判定処理は終了となる。ここでBBまたはRB当選フラグ以外の成立フラグがOFFにされる。つまりBBまたはRBの当選フラグは維持されるということである。なぜなら、BBまたはRBは、小役やリプレイが組み合わせとして表示された場合の特典よりも遊技者にとっての特典が有利なためである。このBBまたはRBの特典が有利なことについては後述する。さらにBBまたはRBはその図柄が各リールごとに少ない(例えば、1〜3個)ため、BBまたはRB当選フラグがONになった場合でも、その図柄を狙って停止(いわゆる、目押し)させる必要がある。すなわち、ONになったフラグがBBまたはRBの当選フラグ以外のときは、そのONになったゲームにおいて成立フラグに対応する図柄を揃えられた場合も取りこぼした場合も、その成立フラグは消滅する。しかしBBまたはRBの当選フラグは当該図柄を揃えるまで維持される。このBBまたはRB当選フラグの維持は、遊技者の目押しの技量の差によって、BBまたはRBの特典に著しい差を生じさせないために図られた便宜であるともいえる。
なお、ビッグボーナス遊技処理(ステップS309)またはレギュラーボーナス/JACゲーム遊技処理(ステップS310)に進んだ場合は、これら各処理中においてBBまたはRB当選フラグがOFFにされる。
(特別遊技状態)
本実施形態のスロットマシン1において、ビッグボーナス図柄(例えば「7−7−7」)またはレギュラーボーナス図柄(例えば「BAR−BAR−BAR」)で図柄の組み合わせが表示された場合、次回のゲームからそれぞれ「ビッグボーナスゲーム」、「レギュラーボーナスゲーム」と称する特別遊技状態に移行する。これらビッグボーナスゲームやレギュラーボーナスゲームには複数回のゲーム機会が含まれており、この間に集中してメダル等の払出しの可能性があるため、遊技者にとっては通常よりも有利な状態であるといえる。
また、ビッグボーナスゲームとレギュラーボーナスゲームとでは、前者の方がより多くのゲーム機会を含むものであり、本実施形態のスロットマシン1では、1回のビッグボーナスゲーム中に最大で所定回数(例えば30回)の小役ゲームを行う機会と、最大で規定回数(例えば3回)のJACゲーム(レギュラーボーナスゲーム)を行う機会とが含まれる仕様となっている。
(1.ビッグボーナス遊技処理)
図7は、ビッグボーナス遊技処理の内容を具体的に示している。ここでは先ず、初期化処理が行われるとともに、小役ゲーム用に乱数抽選の当り値テーブルが変更される(ステップS401)。ここで変更された当り値テーブルは通常よりも小役の当り値を多く保有しており、それだけビッグボーナスゲーム中は小役の当選確率が高い状態にあるといえる。
次にビッグボーナスの当選フラグがOFFにされ(ステップS402)、続いてリール装置10の始動処理(ステップS403)および停止処理(ステップS404)が実行される。これら始動処理および停止処理の内容は既に説明したものと同じである。
停止処理によって全リール10a,10b,10cが停止すると、そのときの出目がサブ制御基板56に送信され(ステップS405)、そして、内部の小役ゲームカウンタが1つだけカウントアップされる(ステップS406)。
次に、全リール10a,10b,10c停止時の出目が判断され、JAC図柄が揃ったか否か(ステップS407)、あるいは、小役図柄の組み合わせが表示されたか否か(ステップS412)が判断される。ここでのJAC図柄には、例えば通常時にリプレイ図柄として用いられているものを兼用することができるが、別に専用のJAC図柄が設けられている態様であってもよい。
判断の結果、JAC図柄の組み合わせ、小役図柄の組み合わせのいずれも表示されなかった場合(No)はステップS415に進んで成立フラグがOFFにされる。この場合は、抽選でハズレフラグがONになっていたか、あるいは当選フラグがONになっていても遊技者が図柄の組み合わせを表示させるよう各リールを停止させることができなかったか、あるいは遊技者が積極的に成立フラグに対応する図柄の組み合わせが表示されないように各リールを停止させたかのいずれかであると考えられる。
これに対し、ステップS407またはステップS412の判断において、それぞれJAC図柄または小役図柄の組み合わせが表示された場合(Yes)、メイン制御基板50は当該図柄に対応した枚数のメダル払い出しをホッパ装置54に指示するとともに、払出し音コマンドをサブ制御基板56に送信する(ステップS409,S413)。また、メイン制御基板50が払い出しを指示すると、その枚数分だけ払出カウンタがカウントアップされる(ステップS409,S414)。
なお、ビッグボーナスゲーム中にJAC図柄の組み合わせが表示されると(ステップS407=Yes)、いわゆる「JACゲーム」と称されるゲーム機会が遊技者に与えられる。JACゲームの内容はレギュラーボーナスゲームと同じであるため、この場合、ステップS409に続いてRB/JACゲーム遊技処理が実行される(ステップS410)。
RB/JACゲーム遊技処理の内容についてはさらに別のフローチャートを参照して後述するが、RB/JACゲーム遊技処理が1回終わると、そこでJACゲームカウンタがカウントアップされる(ステップS411)。
JAC図柄または小役図柄の組み合わせが表示された場合も同様に、それぞれステップS411またはステップS414に続いてステップS415が実行され、そこで成立フラグ(この場合は、JAC図柄または小役図柄の当選フラグ)がOFFになる。そして、毎回のゲーム終了後にビッグボーナスゲームそのものを終了すべきか否かの終了判定が行われ(ステップS416)、終了条件が満たされていない間(No)はステップS403に戻って次の始動処理が行われる。
一般的にビッグボーナスゲームは、以下のいずれかの条件が満たされると終了する。
(1)ステップS406で、小役ゲームカウンタのカウント数が30回に達したこと。
(2)ステップS411で、JACゲームカウンタのカウント数が3回に達したこと。
上記いずれかの条件が満たされると、ステップS416の終了判定が肯定(Yes)され、次にビッグボーナスゲームの終了処理が行われるとともに当り値テーブルが元に戻される(ステップS417)。
(2.RB/JACゲーム遊技処理)
図8は、RB/JACゲーム遊技処理の内容を具体的に示している。ここでは先ず、初期化処理としてRB当選フラグがOFFにされるとともに、RB/JACゲーム用に乱数抽選の当り値テーブルが変更される(ステップS501)。ここで変更された当り値テーブルは通常よりもJAC図柄の当り値を多く保有しており、それだけJAC図柄の組み合わせが表示される確率が高い状態にあるといえる。
次にリール装置10の始動処理(ステップS502)および停止処理(ステップS503)が実行される。停止処理によって全リール10a,10b,10cが停止すると、そのときの出目がメイン制御基板50からサブ制御基板56に送信され(ステップS504)、そしてRB/JACゲームカウンタが1つカウントアップされる(ステップS505)。
次に、全リール10a,10b,10c停止時の出目が規定の図柄の組み合わせであるか否かが判断される(ステップS506)。なお、ここでの規定の図柄は通常、JAC図柄(専用の「JAC−JAC−JAC」または兼用の「リプレイ−リプレイ−リプレイ」)と同じであることが多いが、これとは別の図柄の組み合わせが表示された場合(例えば「BAR−リプレイ−リプレイ」、「7−リプレイ−リプレイ」等)が設けられている態様であってもよい。停止時の出目がJAC図柄の組み合わせでなければ(ステップS506=No)、ステップS510に進んで成立フラグがOFFにされる。この場合は、抽選でハズレフラグがONになっていたか、あるいは当選フラグがONになっていても遊技者が図柄を組み合わせとして表示させるよう各リールを停止させることができなかったかのいずれかであると考えられる。逆に、停止時の出目がJAC図柄の組み合わせであると判断(Yes)されると、メイン制御基板50はホッパ装置54を駆動して規定枚数(例えば15枚)のメダル払い出しを実行するとともに、払出し音コマンドをサブ制御基板56に送信する(ステップS508)。また払い出しが行われると、その枚数分だけ払出カウンタがカウントアップされ(ステップS509)、これに続いて成立フラグがOFFにされる(ステップS510)。
RB/JACゲーム遊技処理においても、1回分のJACゲーム(レギュラーボーナスゲーム)の終了判定(ステップS511)が行われる。JACゲーム(レギュラーボーナスゲーム)中にJAC図柄の組み合わせが表示された回数が一定回数(例えば8回)に達していない間は、終了判定が否定(No)されてステップS502に戻り、JACゲーム(レギュラーボーナスゲーム)が続行される。この後、JACゲーム(レギュラーボーナスゲーム)中にJAC図柄の組み合わせが表示された回数が一定回数(例えば8回)に達すると、そこで1回のJACゲーム(レギュラーボーナスゲーム)を終了すべきものと判定(Yes)される。この場合、ステップS512に進んでJACゲーム(レギュラーボーナスゲーム)の終了処理が行われ、当り値テーブルが変更前の状態に戻される。
(放置台判別)
ここで本発明の構成要素を成す遊技機の稼動状態を判別する手段、つまり遊技機が本来であれば稼動しているべき時間に無用に占有されたまま放置されているか(放置台であるか)を判別する手段について説明する。
(判別処理)
図9は、遊技機を放置台と判別する処理(判別処理)について具体的に示している。この判別処理は、前述したメイン制御基板で行われる処理とは別に、サブ制御基盤56において実行される処理であり、サブ制御基板56は、メイン制御基板から送信されるコマンドに基づいて判別処理を実行することができる。具体的には、まずメイン制御基板が判定処理を終了すると、その旨を表すコマンド(判定処理終了コマンド)をサブ制御基板56に送信する。このコマンドを受け取ると、サブ制御基板56内のCPUは図9の判別処理を開始する。
まず、ステップS601において、点滅演出中フラグがONになっているか(=1)が判断される。ここで点滅演出中フラグとは、後述の点滅処理が行われている場合にON(=1)となり、行なわれていない場合OFF(=0)となっているものである。点滅演出中フラグ=0の場合(No)は、計測タイマが作動中であるか判断される(ステップS602)。作動中でない(No)場合はステップS603の条件判別処理が行われ、処理は終了となる。この条件判別処理については後述する。計測タイマ作動中(Yes)の場合は、経過時間が予め決められている規定時間M3に到達しているかが判断され(ステップS604)、規定時間M3に到達している(No)場合は、点滅演出中フラグがON(=1)にされ、続いてステップS606の点滅処理が行われ、処理は終了となる。また規定時間M3に到達していない(Yes)場合は、処理は終了となる。またこの処理を終了とする前に遊技者による操作がされた場合の情報コマンドの入力があった場合には計測タイマをリセットし計測を停止する内容としてもよい。このことにより、規定時間M3到達するより早く元の遊技者によって遊技が開始された場合、再び条件判別処理が行なわれるまで処理は停止される。そのため、遊技しているにもかかわらず、放置台として判別されてしまうことを防いで、遊技者に無用の混乱を招かせてしまうことを回避することも可能である。なお規定時間M3について詳しくは後述する。
また、ステップS601で点滅演出中フラグがON(=1)(Yes)であると判断された場合も、ステップS607に進み、有効操作フラグがON(=1)であるか否かが判断される。点滅演出中フラグがONの状態では、すでに放置台と判別されて点滅処理によって教示が行われているため、その状態で遊技者による操作が開始されているのかを判断し次の処理が行われることとなる。
ステップS607において、有効操作フラグがON(=1)(Yes)になっている(つまり遊技者による遊技が開始された)と判断されると表示抑制処理が行われ(ステップS609)処理は終了となる。また有効操作フラグがOFF(=0)(No)である(つまり引き続き遊技者による遊技が開始されていない)と判断されると表示様態維持処理が行われ(ステップS608)処理は終了となる。ここで有効操作フラグとは、メイン制御基板よりサブ制御基板56に送信されたコマンド(始動コマンド)があるか否かということである。この場合の始動コマンドとは、例えば、メダルが投入された、ベットボタンの操作がなされた、始動レバーが操作された等の、その時点で有効となっている操作がなされた場合にメイン制御基板よりサブ制御基板56に送信される情報コマンドのことである。なお上記では、有効な操作以外によって判断する内容としても良い。ただし、遊技者が当該遊技機で遊技を開始しようとしていることが分かる判断内容としないと、例えば、他の遊技者等が当該遊技機に単に触れただけなどの場合も有効操作フラグがON(=1)となってしまい正確に判断できなくなってしまう。
(表示態様維持処理)
ステップS608の表示態様維持処理では、それまでに行われている処理を維持させる。具体的には、点滅処理により行われているランプ部や表示部の点滅制御および液晶表示部42に表示される離席時間やメッセージの表示を引き続き継続させるとともに、離席時間を更新して表示させる処理を行なう。これにより当該遊技機は、ランプ等の制御により周囲にアピールできることに加え、遊技者が離席等で不在となっている時間を随時更新しながら表示させることが可能となり、従業員等がその放置時間を容易に把握することができる。そのため経過した時間を表示から判断し、空き台として新たな遊技者に開放することも可能となる。また元の遊技者にとっても、当該遊技機が他の周囲の遊技機とは明らかに異なる挙動をしていることに気づきやすくなり、急いで戻ってくることも期待できる。
(表示抑制処理)
ステップS609の表示態様抑制処理では、それまでに行われている処理を抑制させる。具体的には、点滅処理により行われているランプ部や表示部の制御および液晶表示部42の表示を抑制する。この時点で遊技者による遊技もしくは遊技意思が確認できる(遊技者による何らかの操作があったと検出されたため、遊技者が当該遊技機で遊技開始可能状態にあると判断されるため)状態となっているので、前記点滅制御を停止もしくは目立たなくし、計測タイマをリセットし、それまでの経過時間を表示させ、その後は離席時間の更新を行なわない(つまり、計測タイマを停止させる)内容とすればそれまで離席していた時間は表示として残るが、点滅制御が抑えられるので、遊技者が遊技を再開もしくは開始しやすい状況を作り出すことが可能となる。しかし、本発明の最重要課題である遊技機の占有を巡るトラブル回避に鑑みれば、点滅制御はそのままもしくは周囲には明らかに違いが分かる態様程度として継続し、計測タイマをリセットし(この後、計測タイマを停止させる)、それまでの経過時間の表示として残す内容とすれば、遊技者が遊技を再開もしくは開始しようとした際に、従業員等に解除操作をしてもらわないと周囲からひと際目立ってしまい、落ち着いて遊技できなくなり、当該遊技機を横取りしようとしている遊技者にとっては遊技しづらい状態を作り出すことが可能となる。
(1.条件判別処理)
図10は条件判別処理を具体的に示している。条件判別処理においては、受け皿38の下部(メダルの載置、取り出し等に支障のない位置)に設置された質量センサ70からの信号により、受け皿38上にある質量が、0グラムであるかが判断される(ステップS701)。0グラム以外(No)の場合は、ステップS702で予め決めておいた規定値M1以下であるか判断され、規定値を超える(No)場合は処理は終了となる。ステップS702で受け皿上の質量が規定値M1以下である(Yes)と判断されるとステップS704へ進み、計測タイマがスタートされ、処理は終了となる。
ここでいう質量とは、メダルを含む遊技媒体その他質量のあるもの全てを含む。またグラム(g)に限定する必要はないが以下、グラムで統一して説明する。この規定値M1については、前遊技者が遊技続行する意思が判別困難なほどのメダル数(例えば、50枚未満程度)、または前遊技者の所有物かどうか判別が困難な残留物(タバコ、ライター、ポケットティッシュ等)程度の質量(例えば10〜50グラム程度)とすることができる。ここで、50枚未満としたのは遊技者が遊技する際、1回にホールから貸し出されるメダルの枚数が50枚単位であるため、それ未満の枚数を遊技機に置いたまま、相当に長時間遊技者が不在の状態が続くことは、遊技を継続して行う意思が前遊技者にあるかが判断できないためである。
ステップS701で受け皿上の質量が0グラム、つまり何もないと判断(Yes)されると、ステップS703において、ベットされたメダル数とクレジットに貯留されたメダル数の合計枚数が、0以上でかつ、規定値M2以下の範囲であるかが判断される。その結果が否定(No)であれば、処理は終了となる。規定値M2以下であると判断(Yes)されると、ステップS704に進み、計測タイマをスタートさせて処理は終了となる。
この規定値M2についても前遊技者が遊技続行する意思が判別困難なほどのメダル数(例えば50枚未満程度)とすることができる。前記M1、M2の値を変えることで、ホールごと独自の放置台を判別する基準を設けることができる。そのため、50枚に限定されることはない。また単に遊技機の稼動時間を少しでも上げようとする場合は、M1、M2の上限を設けないこととしておくと、誰にも占有されておらず完全に空き台となっている遊技機以外の遊技機の稼動を上げることも可能となる。
(2.点滅処理)
図11は点滅処理について具体的に示している。点滅処理においては、サブ制御基板56内のCPUにより教示手段たる、表示部16,32,34およびランプ部41,45,46,48の各部を点滅させる制御が行なわれる。ステップS802では、各部の点滅制御が開始されるとともに、ステップS802において表示処理が行われる。この表示処理は、液晶表示部42に計測タイマが計測している時間を表示させるものである。つまりこのときに表示される時間は規定時間M3が離席時間として表示される(例えば規定時間M3を10分と決めていた場合は、離席時間10分と表示される)。なお、ここではじめて計測タイマで計測していた時間(規定時間M3到達後)が表示される内容としているが、これを条件判別処理が開始された時点から表示させる内容(例えば、規定時間M3を減算させていく、10分から徐々に減っていく、カウントダウンさせる等)とすれば、当該遊技機で遊技を希望する元の遊技者以外の遊技者は、カウントダウンされる時間を目安にタイムアップしてから遊技することができるので、当該遊技機を横取りするような行為を回避することもできる。またこの表示に加えて、メッセージ等を表示させてもよい(例えば、「現在離席中です」等)。これによりランプ等の教示手段により周囲にアピールすることに加えて、元の遊技者に離席等で不在となっている時間が相対的に他の遊技者に比して長いことを意識させることもできる。また新たな遊技者が当該遊技機で遊技を開始しようとした場合、従業員等による解除操作等を依頼して遊技を開始しないとランプ等が点滅したままの状態で明らかに周囲の他の遊技機と挙動が異なるため、目立ってしまい落ち着いて遊技できないといった状況を作ることにもなる。そのため当該遊技機を横取りしようと考えている悪意を持った遊技者による遊技を回避させることもできる。
なお、上記点滅処理で制御されるランプの点滅制御については、一斉に点滅させることや、順々(ランプ41を点滅させ、次にランプ45を点滅させ、つぎにランプ46を点滅)という内容としてもよいし、ランプの光の度合いを弱くしたりまたは強くしたりする内容としても良い。またスピーカ等の音を発生させる内容とすると周囲に視覚のみでなく聴覚にもアピールすることが可能となり、ひと際目立つようになる。そのためますます当該遊技機を横取りしようとする遊技者にとっては遊技しづらい状況を作り出すことができる。
(3.規定時間)
前記の計測タイマーの規定時間M3については、通常のゲーム遊技の間隔よりも長く設定する(例えば、10分程度)ことができる。ここで、10分としたのは、遊技者が遊技機から離れる時間として適度な時間だからである。適度とした理由としては、基本的に遊技者がそれまで遊技していた遊技機から離席することは、その間(離席してから、遊技を再開するまで)の遊技機の稼動を下げる原因となるため望ましいことではないが、トイレや気分転換などで一時的に離席することはホールおよび遊技者間においては暗黙の了解となっているためである。その所要時間として概ね10分程度が標準的だからである。これより短い時間にすると、単に離席しただけ(例えば、飲食物を購入のために離席にした)のときにも放置台として判別されてしまうこともあり、ホールや遊技者に混乱をもたらす虞がある。またこれ以上長い時間遊技者が遊技機から離席する時であって、まだ遊技をする意思がある場合は、食事休憩等をする旨をホールの従業員に申告し許可を得た上で「食事休憩中」等と書かれた表示板を遊技機にセットしてもらう必要がある(いわゆる、食事休憩、例えば30分〜40分程度)。その手続きを経て遊技者は遊技機を占有したまま離席することができる。つまり「食事休憩中」の表示板等の表示が遊技機にセットされることにより「今は離席中であるが、自分がこのあとも遊技します」という意思表示を明確に周囲に示すことができるのである。よって、もしこの手続き(すなわち、「食事休憩」等の手続き)を経ることなく、遊技機に何らかの物を置いたまま遊技者が不在となる場合(つまり、遊技者が従業員に無断で食事休憩のため離席する)を想定して規定時間M3を先ほどの30〜40分とすれば、その間遊技機の稼動は止まる。その結果、規定期間M3経過後、放置台と判別されたとしても、その判別に至るまでの時間が長ければ長いほど稼動を下げてしまうことは否めないことである。なお本発明では、元の遊技者が不在になる時間の上限として10分としたが、これに限定されることはなく、ホールごとに放置台と判断するに相当な時間の基準を独自に設けることもできる。
(4.液晶演出表示)
図12は、液晶表示部42に表示される内容を示している。(a)は表示処理が行われた後の液晶表示部の表示である。この表示は絶えず更新されていくため、遊技者が当該遊技機を放置している時間が周囲からも容易に確認できる。(b)は、表示抑制処理が行われた後の液晶表示部の表示である。この処理が行われるのは遊技者により当該遊技機の遊技が開始された場合となるため、それまでの放置が続いた時間を離席だった時間として図のようにあまり目立たないところに表示させた状態としておくと、遊技者にも目障りなものにならず、遊技に支障をきたすこともなく、また表示を継続させておくことも可能となる。また従業員等により前記点滅処理の解除がなされた場合も離席時間の表示は引き続き行なわれる。これは上記解除操作により点滅演出中フラグがOFF(=0)にされるため、再度放置台と判別することが可能となるため、再度放置台として判別された場合に、前回の履歴として離席だった時間を今回の表示とあわせて表示させることを可能としている(例えば、1回目離席だった時間12分、2回目離席時間10分等)。以上の表示は、ゲーム進行には支障ないように液晶表示部の下端に表示されることとしているが、これに限定されることはない。
(放置台判別のまとめ)
ホールにとって、遊技機の稼働している時間を減らすことを防止するうえで、放置台を判別して遊技者に遊技機を放置することは好ましいことではないという意識を持たせ、放置時間を減少させるよう促すこと、または放置が相当時間続いた結果、空き台として開放し新たな遊技者を誘導することは最重要課題である。ただ、いくら稼動時間を減らすためとはいえ、新たな遊技者を誘導することばかりになってしまうと、悪意を持った遊技者に遊技機を横取りされるようなことが横行してしまい、元の遊技者や周囲の遊技者、またホールにとって望ましくないこととなる。本発明によれば、遊技機の放置状況がランプや液晶表示等の教示手段により周囲に報知された状態が引き続き確認できる形態となっているため、上記のような遊技機の占有を巡る遊技者間の無用なトラブルを回避させることを可能としている。
以上は一実施形態についての説明であるが、本発明の実施の形態がこれに限定されることはない。本実施形態では、遊技機が判定処理を終えた後の状態で放置されているかを判別したが、例えばそれ以外の状態においても放置されているかを判別することもできるため、その例を本実施形態の変形例として以下に述べる。
(変形例)
この変形例は、前記実施形態と判別処理の内容等については同じものであるため特に図示はしない。相違点は二つあり、一つ目の相違点はメイン制御基板からサブ制御基板56に始動が終了したとのコマンド(始動処理終了コマンド)が送信されたのを受けて、サブ制御基板56内のCPUが判別処理を開始するところである。始動処理終了コマンドを受け取った後の処理については、前記実施形態と同じであるため、説明は省略する。
二つ目の相違点は、前記有効操作コマンドに該当する内容についてである。変形例においては、メイン制御基板から送信される情報コマンドでサブ制御基板56が受け取る有効操作コマンドとして、停止コマンドが該当する。この停止コマンドとは、例えば、左・中・右リールのいずれかの停止ボタンの内1つ以上押下された場合からその時点で有効となっている操作がなされた情報コマンドのことである。この停止コマンドに基づいてサブ制御基板56内のCPUが前記判別処理を行う。
なお、計測タイマーの規定時間M3については、通常のゲーム遊技の間隔よりも長く設定することができる(例えば、1分程度)。この規定時間M3については、本実施形態で述べたのと同様、ホールごとに独自の時間の基準を設けることもできる。
また、計測カウンタの代わりに、回転数カウンタを使用してリール回転数が上限値(例えば、50〜75回転程度、つまり時間にして40〜60秒程度)に達した時に、前記同様の判断をするものとしてもよい。この変形例においては、計測タイマーを用いる場合も、回転数カウンタを用いる場合も、規定時間の上限が本実施例では10分程度としたのに比べて短くなっている。これは、リールが回転し続けることで、リールを回転させるリールモータが発熱し、負荷が長時間かかり故障を生じやすくなることを防ぐためである。
(変形例のまとめ)
この変形例は、始動処理後、すなわちリールが回転中という状態においても放置された遊技機を判別することを可能としている。リールが回転したままの状態の遊技機は、前記実施形態の放置台として判別されるリールが回転していない遊技機に比べ、あたかも前遊技者が遊技する意思を持って占有したまま離席していると、周囲に判断されがちである。そのため、ホール従業員や周囲の遊技者もその遊技機については、放置された遊技機として空き台として開放してもよいか否か、つまり、この場合は占有している様に見えるだけで実は元の遊技者が遊技する意思もなく放棄していった遊技機なのか否かを確認すること自体がされていない。その結果、元の遊技者の呼び出し確認を行うなどの行為が何もなされないままで置かれる時間が長くなり、結果として稼働を下げてしまう原因となっていた。それ故、従業員や周囲の遊技者にも遊技機が点滅等していて他の遊技機とは明らかに異なっている状態を見れば、リールが回転中であっても、放置された台であると判断でき、遊技を希望する者は、そのままの状態で遊技することは非常に周囲に目立つこととなるため、従業員に解除操作等をしてもらったうえで遊技を開始することとなる。そのため当該遊技機をあわよくば横取りして遊技しようとしている悪意を持った遊技者が遊技しずらくなり、遊技機の占有を巡る遊技者間の無用なトラブルを回避することが可能となる。
(その他の変形例についての言及)
前記の実施形態および変形例では、一度放置台と判別された遊技機は遊技者による遊技が再開されても点滅処理はそのまま継続される。これは従業員等により解除操作が行われるまでこの教示を継続して行なうことで、当該遊技機を他の放置台と判別されていない遊技機と明らかに異なることを周囲に知らせることが可能となっている。一度行なわれて継続中の点滅処理によるランプ等の点滅制御を時間経過ごとに変化させる内容としてもよい。例えば、1回目に点滅処理が開始された後、10分経過するごとにランプ等の点滅の間隔を短くしていく、または点滅する光の度合いを弱くしていく等、液晶表示部に経過時間を表示させるのみでなく、遊技機の外観からも周囲に当該遊技機の状態がわかるようにすると従業員等が当該遊技機の監視をしやすくなる。そのため不正に当該遊技機の遊技を開始しようとする悪意を持った遊技者の行為を回避させることが可能となる。
以上は別実施形態についての説明であるが、本発明の実施の形態がこれに制約されることはない。スロットマシンを実施例をして説明したが、パチンコ遊技機、パロット遊技機にも本発明は利用できるものである。
スロットマシンの正面図である。 スロットマシンの構成を概略的に示したブロック図である。 スロットマシンにおける1ゲーム(回胴遊技)の処理手順を示したフローチャートである。 始動処理のフローチャートである。 リール停止処理のフローチャートである。 判定処理のフローチャートである。 ビッグボーナス遊技処理のフローチャートである。 レギュラーボーナス/JACゲーム遊技処理のフローチャートである。 放置台の判別処理のフローチャートである。 条件判別処理のフローチャートである。 点滅処理のフローチャートである。 液晶表示部に表示されるメッセージ例である。
符号の説明
1 スロットマシン
10 リール装置
24 始動レバー
26,28,30 停止ボタン
34 表示部
42 液晶表示器
41,45,46,48 ランプ部
50 メイン制御基板
56 サブ制御基板
70 質量センサ

Claims (3)

  1. 遊技媒体を用いて遊技をすることが可能な遊技機において、
    遊技を進行させる中で、遊技者による一連の操作を反映した作動を行う作動装置と、
    前記作動装置の作動状況を検出する作動状況検出手段と、
    前記遊技媒体を滞留可能な受け皿と、
    前記受け皿に載置された載置物の質量を検出可能な質量センサと、
    前記質量センサによって、前記載置物の質量が検出され、前記載置物の質量が第1閾値以下の場合に、前記載置物が前記受け皿に載置されてからの載置期間を検出可能な期間検出手段と、
    前記期間検出手段によって検出された前記載置期間が第2閾値より長い第1の条件を満たす場合に、前記遊技機が放置台であることを教示する教示手段と、
    前記教示手段による教示が行われた後、前記遊技者による操作が行われたことで前記作動状況検出手段により前記作動装置の作動が検出された場合であっても、前記教示手段により行われている教示を堅持させておく教示堅持手段と、
    を備えた、遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機であって、
    音を発する音発生手段と、
    光を発する光発生手段と、
    前記遊技機外部に向けて表示を行うことで、演出表示を行うことが可能な演出表示手段と、
    を備え、
    前記教示手段は、
    前記第1の条件を満たす場合に、前記音発生手段による前記音、若しくは、前記光発生手段による前記光のどちらか一方を少なくとも用いて、前記遊技機が放置台であることを教示し、
    前記遊技機は、さらに、
    前記教示堅持手段によって堅持されている前記教示を、解除可能な解除手段と、
    前記解除手段によって前記教示が解除された場合に、前記演出表示手段に、前記載置期間を教示し、その教示をその後も継続させる教示継続手段と、
    を備える、遊技機。
  3. 請求項1または請求項2に記載の遊技機であって、
    前記遊技機は、
    1回のゲームごとに所定数の前記遊技媒体をベット可能なベット手段と、
    前記遊技媒体をクレジット可能なクレジット手段と、
    を備えるスロットマシーンであり、
    前記期間検出手段は、
    前記質量センサによって、前記載置物が検出されなかった場合であって、前記ベット手段によるベット数と前記クレジット手段によるクレジット数の合計数が第3閾値以下となってからの経過期間を検出可能であり、
    前記教示手段は、
    前記期間検出手段によって検出された前記経過期間が第4閾値より長い第2の条件を満たす場合に、前記遊技機が放置台であることを教示する、
    遊技機。
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