JP4431262B2 - 制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主制御装置と副制御装置とを接続する第1の系と第2の系とのいずれか一方を稼働状態として当該系を介して主制御装置が副制御装置を制御する一方、他方を待機状態とする制御装置に関し、特に、稼働状態と待機状態との切替を正常に(誤動作なく)実行する制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、主制御装置と副制御装置とを遠隔に配置して、主制御装置が通信回線を介して副制御装置を制御する電子制御機器では、主制御装置と副制御装置とを2つの系を介して接続して、いずれか一方の系を稼働状態として(つまり、例えば現在使用することが可能な状態として)当該系を介して主制御装置が副制御装置を制御する一方、他方の系を待機状態とする(つまり、例えば前記一方の系の予備として待機させる)ことが行われている。
【0003】
ここで、後述する本発明の実施例の説明で用いる図1を参照して、上記のような二重化切替機能を有した電子制御機器の動作例を具体的に示す。
すなわち、同図に示される電子制御機器には、主制御装置1に備えられた第1の制御部12aと第1の通信回線3aと副制御装置2に備えられた第1の制御部22aとから成る第1の系と、主制御装置1に備えられた第2の制御部12bと第2の通信回線3bと副制御装置2に備えられた第2の制御部22bとから成る第2の系とが設けられている。
【0004】
そして、このような電子制御機器では、上記した第1の系と上記した第2の系とのいずれか一方の系を稼働状態とするとともに他方の系を待機状態として、主制御装置1の主制御回路11が当該稼働状態とした系を用いて副制御装置2の動作回路部21を制御することが行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の電子制御機器では、それぞれの系の状態(稼働状態と待機状態)が切り替えられる場合に、主制御回路部11や切替対象となる系(第1の系や第2の系)に備えられた2つの制御部(主制御装置1の制御部と副制御装置2の制御部)の状態が切り替えられるタイミングが互いに異なってしまうことが生じていたため、このようなタイミングのずれに起因して誤動作等が発生してしまうといった不具合があった。
【0006】
具体的に、上記した第1の系を例として説明すると、従来の電子制御機器では、当該第1の系の状態が切り替えられる場合に、主制御回路部11の状態(稼働状態と待機状態)と、主制御装置1の第1の制御部12aの状態(稼働状態と待機状態)と、副制御装置2の第1の制御部22aの状態(稼働状態と待機状態)との間に状態の不一致が生じてしまい、つまり、或る処理部は稼働状態であり他の処理部は待機状態であるといった状況が生じてしまう。そして、このような状態の不一致が生じている状況では、システム全体の動作が正常なものではなくなってしまい、誤動作等が発生してしまう。
【0007】
なお、上記した第1の系や上記した第2の系の状態切替の制御は、通常、第1の通信回線3aや第2の通信回線3bを介して主制御装置1と副制御装置2との間で(状態切替のための)信号を通信することで行われるため、このような通信回線3a、3bを介した信号伝送に要する遅延時間が上記のような状態の不一致を発生させてしまう大きな原因の一つとなっていると考えられる。
【0008】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたもので、主制御装置と副制御装置とを接続する第1の系と第2の系とのいずれか一方を稼働状態として当該系を介して主制御装置が副制御装置を制御する一方、他方を待機状態とする構成において、稼働状態と待機状態との切替を正常に(誤動作なく)実行することができる制御装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明の一実施態様では、例えば上記した主制御装置1に備えられた制御部12a、12bや上記した副制御装置2に備えられた制御部22a、22bが通信回線3a、3bの異常を検出した場合に、これらの制御部12a、12b、22a、22bが主導となって系(第1の系や第2の系)の状態を切り替えることも実現する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る制御装置では、主制御回路部と第1の主制御側制御部と第2の主制御側制御部を有した主制御装置と、第1の副制御側制御部と第2の副制御側制御部と動作回路部を有した副制御装置と、第1の主制御側制御部と第1の副制御側制御部とを接続する第1の通信回線と、第2の主制御側制御部と第2の副制御側制御部とを接続する第2の通信回線とを備え、第1の主制御側制御部及び第1の通信回線及び第1の副制御側制御部から成る第1の系と第2の主制御側制御部及び第2の通信回線及び第2の副制御側制御部から成る第2の系とのいずれか一方を稼働状態とするとともに他方を待機状態として、稼働状態の系を用いて主制御回路部が動作回路部を制御する構成において、次のようにして、第1の系や第2の系の状態(稼働状態と待機状態)を切り替える。
【0011】
すなわち、主制御回路部及び第1の主制御側制御部及び第1の副制御側制御部が、又は、主制御回路部及び第2の主制御側制御部及び第2の副制御側制御部が、いずれかが発した切替指示に基づいて同じタイミングで稼働状態と待機状態との切替を実行する。
【0012】
つまり、第1の系については、主制御回路部と第1の主制御側制御部と第1の副制御側制御部との中のいずれかが切替指示を発した場合には、当該主制御回路部と当該第1の主制御側制御部と当該第1の副制御側制御部との全てが同じタイミングで稼働状態と待機状態との切替を実行する。
同様に、第2の系については、主制御回路部と第2の主制御側制御部と第2の副制御側制御部との中のいずれかが切替指示を発した場合には、当該主制御回路部と当該第2の主制御側制御部と当該第2の副制御側制御部との全てが同じタイミングで稼働状態と待機状態との切替を実行する。
【0013】
従って、主制御回路部や切替対象となる系(第1の系や第2の系)に備えられた2つの制御部(主制御側制御部と副制御側制御部)の状態が切り替えられるタイミングが一致させられるため、稼働状態と待機状態との切替を正常に(誤動作なく)実行することができる。
【0014】
ここで、本発明に言う同じタイミングで状態を切り替える態様としては、例えばタイミングのずれがゼロで(つまり、同時に)状態を切り替える態様が用いられるのが好ましいが、例えば実用上で有効に正常な状態切替を実行することができる程度であれば、多少の実施上の誤差があってもよい(つまり、実用上で有効な程度であれば、ほぼ同時に状態を切り替える態様が用いられてもよい)。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に係る一実施例を図面を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施例に係る電子制御機器(制御装置)のシステム構成の一例を示してある。
同図に示した本例の電子制御機器には、主制御装置1と副制御装置2とが互いに遠隔に配置されて備えられており、当該主制御装置1と当該副制御装置2とが2つの系を介して接続されている。
【0016】
具体的には、主制御装置1には主制御回路部11と第1の制御部12aと第2の制御部12bとが備えられており、副制御部2には動作回路部21と第1の制御部22aと第2の制御部22bとが備えられており、主制御装置1の第1の制御部12aと副制御装置2の第1の制御部22aとが第1の通信回線3aを介して接続されているとともに、主制御装置1の第2の制御部12bと副制御装置2の第2の制御部22bとが第2の通信回線3bを介して接続されている。
【0017】
そして、主制御装置1に備えられた第1の制御部12aと第1の通信回線3aと副制御装置2に備えられた第1の制御部22aとから第1の系が構成されており、主制御装置1に備えられた第2の制御部12bと第2の通信回線3bと副制御装置2に備えられた第2の制御部22bから第2の系が構成されている。ここで、本例の電子制御機器では、上記した第1の系を構成する回路及び上記した第2の系を構成する回路としては同一の回路が用いられており、これにより、二重系(二重化部分)が構成されている。
【0018】
そして、本例の電子制御機器では、例えば回路の状況や通信回線3a、3bの状況(例えば異常の発生など)等に応じて、上記した第1の系と上記した第2の系とのいずれか一方の系を稼働状態とするとともに他方の系を待機状態とする切替を行い、主制御装置1の主制御回路11が当該稼働状態とした系を用いて副制御装置2の動作回路部21を制御する。
【0019】
つまり、第1の系が稼働状態である場合には、主制御装置1の主制御回路部11は、第1の制御部12a及び第1の通信回線3a及び第1の制御部22aを介して、副制御装置2の動作回路部21により行われる動作を制御する。同様に、第2の系が稼働状態である場合には、主制御装置1の主制御回路部11は、第2の制御部12b及び第2の通信回線3b及び第2の制御部22bを介して、副制御装置2の動作回路部21により行われる動作を制御する。
【0020】
また、図2には、上記した主制御装置1に備えられた2つの制御部12a、12bや上記した副制御装置2に備えられた2つの制御部22a、22bの構成例を示してある。ここで、これら4つの制御部12a、12b、22a、22bの構成は例えばほぼ同様であるため、同図では、これらをまとめて制御部Cとして示してあり、当該制御部Cの概略的な構成例を示してある。
【0021】
同図に示されるように、本例の制御部Cには、インタフェース部31や、送信部32や、受信部33や、障害検出部34や、切替制御部35が備えられている。
ここで、主制御装置1に備えられた第1の制御部12aや第2の制御部12bについてはインタフェース部31と主制御回路部11とが接続されており、また、副制御装置2に備えられた第1の制御部22bや第2の制御部22bについてはインタフェース部31と動作回路部21とが接続されている。
【0022】
また、主制御装置1に備えられた第1の制御部12aや副制御装置2に備えられた第1の制御部22aについては送信部32や受信部33と第1の通信回線3aとが接続されており、また、主制御装置1に備えられた第2の制御部12bや副制御装置2に備えられた第2の制御部22bについては送信部32や受信部33と第2の通信回線3bとが接続されている。
【0023】
インタフェース部31は、当該インタフェース部31と接続された処理部(主制御回路部11や動作回路部21)との間で信号を入出力し、また、送信部32へ送信対象となる信号を出力し、また、受信部33により受信された信号を当該受信部33から入力する。
【0024】
送信部32や受信部33は、通信回線(第1の通信回線3aや第2の通信回線3b)を制御して通信を行う機能を有しており、送信部32は送信対象となる信号を当該通信回線を介して送信出力し、受信部33は当該通信回線を介して送られてくる信号を受信入力する。
【0025】
障害検出部34は、例えば送信部32や受信部33による通信処理の状況等に基づいて、当該送信部32や当該受信部33やその他の回路部や通信回線(第1の通信回線3aや第2の通信回線3b)の状態を常に監視し、これらに発生する異常(障害)を検出する機能を有しており、異常を検出した場合には状態の切替(この場合には、稼働状態から待機状態への切替)を指示する信号(異常検出信号)を切替制御部35へ出力する。
【0026】
切替制御部35は、障害検出部34から異常検出信号が入力された場合には、これに基づいて、自己が含まれる系(第1の系或いは第2の系)の状態を稼働状態から待機状態へ切り替えるための切替信号をインタフェース部31及び送信部32及び通信回線(第1の通信回線3aや第2の通信回線3b)を介して自己の系に備えられた他方の制御部(主制御装置1の制御部12a、12b或いは副制御装置2の制御部22a、22b)へ送信する。また、主制御装置1に備えられた第1の制御部12aや第2の制御部12bについては、切替制御部35は、同様な切替信号をインタフェース部31を介して主制御回路部11へ送信する。
【0027】
次に、図3〜図5を参照して、本例の電子制御機器により稼働状態と待機状態とを切り替える処理の具体例を示す。なお、第1の系の状態を切り替える処理と第2の系の状態を切り替える処理とは同様なものであるため、本例では、第1の系の状態を切り替える場合を代表させてその処理の具体例を示す。また、本例では、稼働状態にある第1の系を(稼働状態から)待機状態へ切り替える場合を例としてその処理の具体例を示す。
【0028】
第1の例として、図3を参照して、主制御装置1の主制御回路部11の指示により系の状態を切り替える場合の処理の一例を示す。
まず、同図(a)に示されるように、主制御回路部11が状態の切替を指示する信号(切替指示信号)を第1の制御部12a(なお、第2の系の状態を切り替える場合には第2の制御部12bとなり、以下も同様である)に対して時刻T1に送信したとする。
【0029】
この場合、同図(b)に示されるように、主制御回路部11からの切替指示信号を受信した第1の制御部12aは、当該受信に応じて、切替を指示する信号(切替信号)を第1の通信回線3a(なお、第2の系の状態を切り替える場合には第2の通信回線3bとなり、以下も同様である)を介して副制御装置2の第1の制御部22a(なお、第2の系の状態を切り替える場合には第2の制御部22bとなり、以下も同様である)に対して時刻(T1+t1)に送信する。
【0030】
そして、副制御装置2の第1の制御部22aは主制御装置1の第1の制御部12aからの切替信号を受信するが、この受信時刻は、例えば送信部32や受信部33により行われる伝送処理に要する時間や、第1の通信回線3aにより行われる信号伝送に要する時間等によって、主制御装置1の第1の制御部12aから当該切替信号が送信された時刻(T1+t1)と比べて所定の時間t2遅延する。
【0031】
そこで、本例では、主制御回路部11がその状態を時刻(T1+t1+t2)に切り替えるように予め設定してあり、同様に、同図(c)や同図(d)に示されるように、主制御装置1の第1の制御部12aや副制御装置2の第1の制御部22aがその状態を時刻(T1+t1+t2)に切り替えるように予め設定してある。
【0032】
つまり、本例では、主制御回路部11による状態切替の実行が、当該主制御回路部11により切替指示信号が送信されてから所定の時間(t1+t2)が経過(遅延)したときに行われるように設定されており、また、主制御装置1の第1の制御部12aによる状態切替の実行が、当該第1の制御部12aにより切替信号が送信されてから所定の時間t2が経過(遅延)したときに行われるように設定されている。
【0033】
このように、本例では、主制御回路部11や切替対象となる系(第1の系や第2の系)を構成する2つの制御部(主制御装置1の制御部12a、12bと副制御装置2の制御部22a、22b)による状態切替が同時に実行されることが実現されており、これにより、システムに異常状態が発生してしまうようなことが防止される。
【0034】
第2の例として、図4を参照して、主制御装置1の第1の制御部12a(なお、第2の系の状態を切り替える場合には第2の制御部12bとなり、以下も同様である)が回路や第1の通信回線3a(なお、第2の系の状態を切り替える場合には第2の通信回線3bとなり、以下も同様である)に発生した異常を検出したことに応じて、当該第1の制御部12aの指示により系の状態を切り替える場合の処理の一例を示す。
【0035】
まず、同図(a)に示されるように、主制御装置1の第1の制御部12aが状態の切替を指示する信号(切替信号)を主制御回路部11及び副制御装置2の第1の制御部22a(なお、第2の系の状態を切り替える場合には第2の制御部22bとなり、以下も同様である)に対して時刻T2に送信したとする。
【0036】
この場合、同図(b)や同図(c)に示されるように、主制御装置1の第1の制御部12aからの切替信号は時刻(T2+t3−t4)に主制御回路部11により受信され、また、時刻(T2+t3)に副制御装置2の第1の制御部22aにより受信される。なお、このような時間の遅延は、上述のように、例えば送信部32や受信部33により行われる伝送処理に要する時間や、第1の通信回線3aにより行われる信号伝送に要する時間等に起因して生じる。
【0037】
そこで、本例では、主制御回路部11がその状態を時刻(T2+t3)に切り替えるように予め設定してあり、同様に、同図(c)や同図(d)に示されるように、主制御装置1の第1の制御部12aや副制御装置2の第1の制御部22aがその状態を時刻(T2+t3)に切り替えるように予め設定してある。
【0038】
つまり、本例では、主制御回路部11による状態切替の実行が、当該主制御回路部11が切替信号を受信してから所定の時間t4が経過(遅延)したときに行われるように設定されており、また、主制御装置1の第1の制御部12aによる状態切替の実行が、当該第1の制御部12aにより切替信号が送信されてから所定の時間t3が経過(遅延)したときに行われるように設定されている。
【0039】
このように、本例では、主制御回路部11や切替対象となる系(第1の系や第2の系)を構成する2つの制御部(主制御装置1の制御部12a、12bと副制御装置2の制御部22a、22b)による状態切替が同時に実行されることが実現されており、これにより、システムに異常状態が発生してしまうことが防止される。
【0040】
第3の例として、図5を参照して、副制御装置2の第1の制御部22a(なお、第2の系の状態を切り替える場合には第2の制御部22bとなり、以下も同様である)が回路や第1の通信回線3a(なお、第2の系の状態を切り替える場合には第2の通信回線3bとなり、以下も同様である)に発生した異常を検出したことに応じて、当該第1の制御部22aの指示により系の状態を切り替える場合の処理の一例を示す。
【0041】
まず、同図(a)に示されるように、副制御装置2の第1の制御部22aが状態の切替を指示する信号(切替信号)を主制御装置1の第1の制御部12a(なお、第2の系の状態を切り替える場合には第2の制御部12bとなり、以下も同様である)に対して時刻T3に送信したとする。
【0042】
この場合、同図(b)や同図(c)に示されるように、副制御装置2の第1の制御部22aからの切替信号を受信した主制御装置1の第1の制御部12aは、当該受信に応じて、切替を指示する信号(切替信号)を主制御回路部11に対して時刻(T3+t5−t6)に送信する。そして、同図(b)に示されるように、主制御装置1の第1の制御部12aからの切替信号は時刻(T3+t5)に主制御回路部11により受信される。なお、上述のように、例えば送信部32や受信部33により行われる伝送処理に要する時間や、第1の通信回線3aにより行われる信号伝送に要する時間等に起因して、切替信号の送受信の間に遅延時間が生じている。
【0043】
そこで、本例では、主制御回路部11がその状態を時刻(T3+t5)に切り替えるように予め設定してあり、同様に、同図(c)や同図(d)に示されるように、主制御装置1の第1の制御部12aや副制御装置2の第1の制御部22aがその状態を時刻(T3+t5)に切り替えるように予め設定してある。
【0044】
つまり、本例では、副制御装置2の第1の制御部22aによる状態切替の実行が、当該第1の制御部22aにより切替信号が送信されてから所定の時間t5が経過(遅延)したときに行われるように設定されており、また、主制御装置1の第1の制御部12aによる状態切替の実行が、当該第1の制御部12aにより切替信号が送信されてから所定の時間t6が経過(遅延)したときに行われるように設定されている。
【0045】
このように、本例では、主制御回路部11や切替対象となる系(第1の系や第2の系)を構成する2つの制御部(主制御装置1の制御部12a、12bと副制御装置2の制御部22a、22b)による状態切替が同時に実行されることが実現されており、これにより、システムに異常状態が発生してしまうことが防止される。
【0046】
以上のように、本例の電子制御機器では、第1の系や第2の系の稼働状態と待機状態との切替を、例えば必要に応じて各処理部が切替指示を発した時点や受けた時点から遅延した時刻に自己(当該各処理部)の状態を切り替えることにより、同じタイミングで実行することが実現されており、これにより、2つの系(二重化回路)の切替をスムーズに行うことができ、状態(稼働状態と待機状態)の不一致による誤動作等の発生を防止して正常な状態切替を行うことができる。
【0047】
具体的には、本例の電子制御機器では、上記のように必要に応じて各処理部が切替指示を発した時点や受けた時点と切替を実行する時点との間に時間差を設けることが行われるため、主制御回路部11や主制御装置1の制御部(第1の制御部12aや第2の制御部12b)や副制御装置2の制御部(第1の制御部22aや第2の制御部22b)の中のいずれの処理部が切替の指示を発しても、全ての処理部が同じタイミングで切替を実行することができる。
【0048】
また、本例の電子制御機器では、主制御装置1の制御部(第1の制御部12aや第2の制御部12b)や副制御装置2の制御部(第1の制御部22aや第2の制御部22b)の中のいずれかの制御部が回路や通信回線(第1の通信回線3aや第2の通信回線3b)の異常を検出した場合に系(第1の系や第2の系)の状態切替(自動二重化切替)を指示することが実現されており、このような指示に基づいて系の状態を正常に(誤動作なく)切り替えることができる。
【0049】
また、本例の電子制御機器では、例えば系(第1の系や第2の系)の状態を切り替える指示が発生してから当該切替の処理を実行するまでに要する時間が短くなるような設定を行うことで当該電子制御機器の運用不可能な時間を最小限にすることが可能であり、これにより、例えばシステムの回路や通信回線等に異常が発生した場合においても、システムの運用停止時間を最小限にすることができる。
【0050】
一例として、通信信号により通話を行うシステムに本例の電子制御機器を適用した場合には、例えば当該システムに異常が発生してしまったような状況においても、通話が途絶えてしまうことや雑音が発生してしまうようなことを防止することができ、正常な運用を継続して補償することが可能となる。
【0051】
同様に、他の例として、通信信号によりデータ通信を行うシステムに本例の電子制御機器を適用した場合には、例えば当該システムに異常が発生してしまったような状況においても、通信エラーを発生させることなく系(第1の系や第2の系)の状態を切り替えることが可能となり、これにより、システムの稼働率を向上させることやシステムの信頼性を向上させることができる。
【0052】
ここで、本例では、主制御装置1が本発明に言う主制御装置に相当し、副制御装置2が本発明に言う副制御装置に相当し、第1の通信回線3aが本発明に言う第1の通信回線に相当し、第2の通信回線3bが本発明に言う第2の通信回線に相当する。
【0053】
また、本例では、主制御回路部11が本発明に言う主制御回路部に相当し、主制御装置1の第1の制御部12aが本発明に言う第1の主制御側制御部に相当し、主制御装置1の第2の制御部12bが本発明に言う第2の主制御側制御部に相当する。
また、本例では、副制御装置2の第1の制御部22aが本発明に言う第1の副制御側制御部に相当し、副制御装置2の第2の制御部22bが本発明に言う第2の副制御側制御部に相当し、動作回路部21が本発明に言う動作回路部に相当する。
【0054】
また、本例では、主制御装置1の第1の制御部12aと、第1の通信回線3aと、副制御装置2の第1の制御部22aとから成る第1の系が本発明に言う第1の系に相当する。
また、本例では、主制御装置1の第2の制御部12bと、第2の通信回線3bと、副制御装置2の第2の制御部22bとから成る第2の系が本発明に言う第2の系に相当する。
【0055】
ここで、本発明に係る制御装置の構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。
また、本発明に係る制御装置の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。一例として、副制御装置の動作回路部により行われる動作としては種々なものであってもよく、主制御装置の主制御回路部は当該動作に応じて当該動作を制御する。
【0056】
また、本発明に係る制御装置により行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROMに格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピーディスクやCD−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体として把握することもでき、当該制御プログラムを記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る制御装置によると、主制御回路部と第1の主制御側制御部と第2の主制御側制御部を有した主制御装置と、第1の副制御側制御部と第2の副制御側制御部と動作回路部を有した副制御装置と、第1の主制御側制御部と第1の副制御側制御部とを接続する第1の通信回線と、第2の主制御側制御部と第2の副制御側制御部とを接続する第2の通信回線とを備え、第1の主制御側制御部及び第1の通信回線及び第1の副制御側制御部から成る第1の系と第2の主制御側制御部及び第2の通信回線及び第2の副制御側制御部から成る第2の系とのいずれか一方を稼働状態とするとともに他方を待機状態として、稼働状態の系を用いて主制御回路部が動作回路部を制御する構成において、主制御回路部及び第1の主制御側制御部及び第1の副制御側制御部が、又は、主制御回路部及び第2の主制御側制御部及び第2の副制御側制御部が、いずれかが発した切替指示に基づいて同じタイミングで稼働状態と待機状態との切替を実行するようにしたため、稼働状態と待機状態との切替を正常に(誤動作なく)実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る電子制御機器のシステム構成の一例を示す図である。
【図2】 制御部の構成例を示す図である。
【図3】 稼働状態と待機状態とを切り替えるタイミングの一例を示す図である。
【図4】 稼働状態と待機状態とを切り替えるタイミングの一例を示す図である。
【図5】 稼働状態と待機状態とを切り替えるタイミングの一例を示す図である。
【符号の説明】
1・・主制御装置、 2・・副制御装置、 3a、3b・・通信回線、
11・・主制御回路部、 12a、12b、22a、22b、C・・制御部、
21・・動作制御部、 31・・インタフェース部、 32・・送信部、
33・・受信部、 34・・障害検出部、 35・・切替制御部、
Claims (1)
- 主制御回路部と第1の主制御側制御部と第2の主制御側制御部を有した主制御装置と、第1の副制御側制御部と第2の副制御側制御部と動作回路部を有した副制御装置と、第1の主制御側制御部と第1の副制御側制御部とを接続する第1の通信回線と、第2の主制御側制御部と第2の副制御側制御部とを接続する第2の通信回線とを備え、第1の主制御側制御部及び第1の通信回線及び第1の副制御側制御部から成る第1の系と第2の主制御側制御部及び第2の通信回線及び第2の副制御側制御部から成る第2の系とのいずれか一方を稼働状態とするとともに他方を待機状態として、稼働状態の系を用いて主制御回路部が動作回路部を制御する制御装置であって、
主制御回路部及び第1の主制御側制御部及び第1の副制御側制御部により、又は、主制御回路部及び第2の主制御側制御部及び第2の副制御側制御部により、いずれかが発した切替指示に基づいて同じタイミングで稼働状態と待機状態との切替が実行されるように、予め、前記切替指示が発信元の部から他の部へ伝えられるのに要する遅延時間に基づいて、各部により前記切替を実行する実行タイミングが設定されており、
主制御回路部及び第1の主制御側制御部及び第1の副制御側制御部が、又は、主制御回路部及び第2の主制御側制御部及び第2の副制御側制御部が、いずれかが発した切替指示に基づいて、前記予め設定された実行タイミングに従って同じタイミングで、稼働状態と待機状態との切替を実行することを特徴とする制御装置。
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