JP4429399B2 - 合成樹脂製キャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂製キャップ、特にパッキン室を有する合成樹脂製ネジキャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、パッキン装着のためのパッキン室を有する合成樹脂製キャップ(以下、単にキャップという)は、スカート壁上側内周面にパッキン係止用突起が形成され、該パッキン係止用突起から上方が天壁内面との間でパッキン室を形成し、パッキンが装着されている。このようなキャップを成形する金型装置のコア金型(以下、単に金型という)は、図4(b)に示すように、パッキン係止用突起を形成するアンダーカット部21から、パッキン形状に則して、垂直なパッキン室側壁型面22を有し、コーナ面取部23を経て水平な天壁型面24に至る形状となっている。このような金型20を用いて成形された従来のキャップ25は、図4(a)に示すように、パッキン室の側壁26が頂部に向けて径小となるテーパー状になって上部が狭い形状となり、そのためパッキン室に装着されたパッキン27はその上部角部が圧迫された状態になり、押し出される方向に力を受け脱落し易い状態になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
垂直なパッキン室側壁面を有する金型で成形するにもかかわらず、成形されたキャップのパッキン室側壁がテーパー状に傾斜するのは、キャップ天面側の成形収縮が側壁部の成形収縮に比べて大きいことに起因している。そのため、上記のような金型でキャップを成形した場合、パッキン室側壁が垂直とはならず上部が狭い形状になることは避け難い現象であり、パッキンの脱落を防ぐには、最も簡単にはアンダーカット量を大きくして、パッキン係止用突起を大きくすれば良いが、アンダーカット量を大きくすると成形後の型抜きが困難となるので、アンダーカット量を大きくするのにも制限を受ける。特に、回し抜きによる成形方法においては、離型されるアンダーカット量はほぼ0.15程度と少ないため、側壁がテーパー状になることは即パッキン脱落というキャップにとって致命的な欠陥となる。また、パッキン室の上下方向の寸法は、ボトルのネジ始まり等の関係よりパッキン厚に比較して、余裕のある寸法設定は現実的でないことが多い。このため、図4のように、角部形状においては、パッキン角部が収縮した側壁角部に当ってパッキン25がうまく装着されず、このこともパッキン脱落の一要因となっていた。
【0004】
本発明は、上記従来の合成樹脂キャップにおけるパッキンの脱落を解消しようとするものであって、パッキンの脱落を効果的に防ぐことができ、且つ成形及び成形後の型抜きが容易なパッキン室形状を有するキャップ及びその成形金型を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願発明の合成樹脂製キャップは、スカート壁上側内周面にパッキン係止凸条が形成され、該パッキン係止凸条から上方が天壁内面との間でパッキン室を形成し、該パッキン室に該パッキン室の上下方向の寸法とほぼ同等の厚さを有するパッキンを装着してなり、パッキンの下面全面が前記パッキン係止凸条より上方に位置して該パッキン係止凸条により保持される合成樹脂製キャップにおいて、前記パッキン室の上部角部に該上部角部によりパッキン角部が圧迫されるのを防止する溝部が設けられていることを特徴とする構成を採用することによって上記問題点を解決した。さらに、前記パッキン室の側壁面をほぼ垂直面に形成することが望ましい。
【0006】
また、上記合成樹脂を成形する本発明の金型は、キャップ内面頂部にパッキン室を有する合成樹脂キャップの成形用金型において、前記パッキン室の側壁型面と天壁型面の連接角部に溝部形成凸型面を有し、且つ前記パッキン室の側壁面を成形するパッキン室側壁型面が、パッキン係止凸条を形成するアンダーカット部から天壁型面に向けて径大となる逆テーパー形状になっていることを特徴とすることによって、パッキン室の上下方向の寸法の制約に伴う問題点及び成形収縮に伴う上記問題点を効果的に解決した。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は本発明の合成樹脂キャップの実施形態を示し、(a)はその断面図であり、(b)はパッキンを装着した状態での断面図であり、また図2はその要部拡大図である。本実施形態におけるキャップ1は、例えば、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂で成形されてなり、図において、2がスカート壁、3が天壁であり、スカート壁内面にネジ山4が形成されている。そして、ネジ山より上方のスカート壁内面には、図2に拡大して示すように、パッキン係止凸条5が形成され、該凸条より上部がパッキン室6を構成している。該パッキン室の側壁面7は略垂直面となっており、且つ垂直な側壁面と天壁内面との角部に溝部8が設けられている。
【0008】
この実施形態のキャップ1は以上のように構成され、パッキン室6にパッキン9を装着すると、図2に拡大して示すように、パッキン室の側壁面が垂直となっているので、パッキンの外周壁面と均一に接触し、且つ上方角部に溝部8が設けられているため、従来のように角部でパッキンが当って押出し方向の力を受けることがない。そのため、パッキンを良好に正確に装着でき、パッキン係止凸条5が低くてもパッキンの脱落事故を良好に防ぐことができる。
【0009】
次に、上記キャップを成形する金型の実施形態を図3に基づいて説明する。図3は、キャップ成形金型のキャップ上部内面を成形する型面を有する内型(以下、単に金型という)の断面を示している。該金型13はアンダーカット部14から上方のパッキン室の側壁面を形成するパッキン装着側壁型面15が逆テーパー状になって天部方向が径大となるように拡開状のテーパー形状になっている。該テーパーの角度αは、離型に際して障害とならない範囲で且つ、成形するキャップのパッキン室側壁面の天壁側と下側の熱収縮量の差を吸収し、成形されたキャップの側壁面が略垂直面となるような角度に設定する。その要求を満たすテーパー角度αとして、2°〜5°の範囲が適している。なお、離型上で問題がなければ、成形されたキャップのパッキン室側壁も逆テーパー状となるように、テーパー角度を大きく形成してもよい。
【0010】
パッキン室側壁型面15と天壁型面16との連結コーナ部は、図示のように上方に突出して、溝部を形成するように凸型面17となっている。なお、18はスカート壁内壁型面である。凸型面17の大きさ及び形状は、成形されるキャップの大きさ及び天壁の厚さによって影響されるが、本実施形態では、図3に示すように、パッキン室側壁型面15の延長部から高さhが略0.2〜0.5に円弧状湾曲して下り勾配15°〜30°で天壁型面16に至るようにして、凸型面17を形成した。それによってキャップの角部にも図2に示すような同様な形状の溝部が形成され、パッキン角部がキャップの角部に圧迫されることなくパッキンが良好に保持された。
【0011】
以上のような形状からなる金型でキャップを成形することによって、天壁側の成形収縮が側壁部の収縮に比べて大きくても、その差を吸収できるように金型の側壁成形型面は逆テーパー状に形成されているから、金型から離型したキャップのパッキン室側壁面はちょうど垂直となる。また、パッキン室側壁と天壁面との角部には、溝部形成用の凸型面17によって、肉抜きされた溝部8が形成される。従って、パッキンはパッキン角部がコーナ部で邪魔されることなく、また側壁面が垂直状態となっているので、良好に密着挿入され、パッキン係止凸条が低くても確実にパッキンを保持することができる。
【0012】
【発明の効果】
以上のように、本発明の合成樹脂製キャップによれば、ネジキャップ等成形後の離型が回し抜きされる関係でアンダーカット量を大きくとることができなくても、パッキン室の頂部角部に溝部が形成されているので、パッキン角部が押圧されることなく安定して確実に装着でき、パッキン脱落等の致命的な欠陥を確実に防止することができる。また、パッキン室の側壁を垂直又は逆テーパー状に形成することによって、パッキン室側壁からパッキンが押出し方向の力を受けることがなく、より確実にパッキンの脱落を防ぐことができる。そして、本発明のキャップは、パッキンが安定して装着されることにより、容器に対する閉栓トルク及び開栓トルクが安定するという効果も生じる。
また、本発明の金型によれば、複雑な形状を伴うことなく単純な構造でパッキンの脱落を防止した合成樹脂キャップを成形でき、且つ成形後の離型も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る合成樹脂キャップの断面図であり、(a)はパッキンが装着されてない状態、(b)はパッキンが装着されている状態を示す。
【図2】図1(b)の要部拡大図である。
【図3】本発明の実施形態に係る金型の要部拡大断面図である。
【図4】(a)は従来の金型により成形された従来の合成樹脂キャップの図2に相当する図である。(b)は図3に相当する従来の金型要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 合成樹脂製キャップ 2 スカート壁
3 天壁 5 パッキン係止凸条
6 パッキン室 7 パッキン室側壁
8 溝部 9 パッキン
13 金型 14 アンダーカット部
15 パッキン室側壁型面 16 天壁型面
17 溝部形成型面
Claims (2)
- スカート壁上側内周面にパッキン係止凸条が形成され、該パッキン係止凸条から上方が天壁内面との間でパッキン室を形成し、該パッキン室に該パッキン室の上下方向の寸法とほぼ同等の厚さを有するパッキンを装着してなり、パッキンの下面全面が前記パッキン係止凸条より上方に位置して該パッキン係止凸条により保持される合成樹脂製キャップにおいて、前記パッキン室の上部角部に該上部角部によりパッキン角部が圧迫されるのを防止する溝部が設けられていることを特徴とする合成樹脂製キャップ。
- キャップ内面頂部にパッキン室を有する合成樹脂キャップの成形用金型において、前記パッキン室の側壁型面と天壁型面の連接角部に溝部形成凸型面を有し、且つ前記パッキン室の側壁面を成形するパッキン室側壁型面が、パッキン係止凸条を形成するアンダーカット部から天壁型面に向けて径大となる逆テーパー形状になっていることを特徴とする合成樹脂キャップの成形用金型。
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- 1997-12-04 JP JP34871397A patent/JP4429399B2/ja not_active Expired - Fee Related
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