JP2589532B2 - 不正開封表示蓋 - Google Patents

不正開封表示蓋

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JP2589532B2 JP6865688A JP6865688A JP2589532B2 JP 2589532 B2 JP2589532 B2 JP 2589532B2 JP 6865688 A JP6865688 A JP 6865688A JP 6865688 A JP6865688 A JP 6865688A JP 2589532 B2 JP2589532 B2 JP 2589532B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は合成樹脂製の嵌合式蓋体に関し、尚詳しくは
タンパープルーフキャップと称される不正開封を表示し
得る蓋体に関するものである。
[従来の技術] 今日、液体飲料、固形飲食物等種々の食料品用容器の
蓋体として、容器が開封されたものであるか否かを表示
し得る構造の蓋体としたものが多く使用される様になっ
てきた。
これらのタンパープルーフ型キャップは、第10図に示
す様に螺子込み式蓋体では、天板部51の裏面にライナー
54を設け、天板部51から容器口部11の外周に沿って垂下
する側壁部52の内側に雌螺子部53を設けた蓋体におい
て、側壁部52の下端とタンパープルーフバンド部55と
を、容易に破断し得るブリッジ部59をもって接続する様
にして側壁部52の下方に前記タンパープルーフバンド部
55を付設し、開封に際しては前記ブリッジ部59を破断す
るもの(例えば実開昭61−146.155号)があり、又、嵌
合式蓋体では、第11図及び第12図に示す様に、天板部51
の周縁から垂下する側壁部52の内側に容器口部11へ嵌合
する為の係止突起58を有する蓋体において、蓋体側壁部
52の下端近傍に引き上げ用のリング部56を形成し、該リ
ング部56は側壁部52に対してヒンジ部57によって接続さ
れると共に、複数個のブリッジ部59によっても側壁部52
に固定され、開封に際してはブリッジ部59を破断してリ
ング部59を押し上げ、然る後、リング部56に指を掛ける
様にしてリング部56を強く引き上げることにより、ヒン
ジ部57によって該リング部56と一体とされた側壁部52に
引き上げ力を伝達し、以て蓋体を引き上げる様にして開
封を行なうもの(例えば特公昭55−51.792号)等が有
る。
[発明が解決しようとする課題] 上述の様に、螺子式又は嵌合式のタンパープルーフ型
キャップは、最初の容器開封に当ってブリッジ部を破断
させるものであり、このブリッジ部が破断されているか
否かにより、容器が開封されたものであるか、又は未開
封のものであるかを使用者に識別させるものであるも、
このブリッジ部は開封に際して容易に破断し得る様に極
めて強度が低く設計される故、この蓋体を容器口部に被
蓋する迄の移送及び保管等の取扱い時にブリッジ部が破
断することが生じ、又、製造に際し、極めて細いブリッ
ジ部を介して接続される蓋体の側壁部とバンド部とを形
成する形状は、射出成形機から取り出す際の型抜きが極
めて困難であった。
[課題を解決するための手段] 天板部と該天板部周縁から垂下する側壁部とから成る
蓋体本体を有し、前記側壁部の内側には容器口部へ嵌合
する為の係止用突起を有する嵌合式蓋体において、側壁
部下端外周に外方突出部を形成し、側壁部の外径よりも
僅かに大きな内径を有するリング部をヒンジ部を介して
蓋体本体に接続し、リング部の上端内側に内方突出部を
形成して前記外方突出部よりも上方に該内方突出部を位
置させ、以てリング部が側壁部下端よりも下方に降下す
ることを防止し、リング部本体部においてヒンジ部の対
向位置外側に指掛膨出部を形成し、該指掛膨出部の両側
位置にしてリング部本体部の内側に、側壁部下端よりも
下方に位置する逆止フィンを設け、以て側壁部下端の外
方突出部がリング部よりも下方に移動することを許容し
つつ、側壁部下端が逆止フィンよりも下方に位置したと
きには外方突出部が逆止フィンに係合し、以てリング部
が側壁部下端よりも上方に係出される様にする。
尚、ヒンジ部の両側位置におけるリング部本体部の内
側に、側壁部下端に当接し得る係合用突出部を設ける場
合も有る。
[作用] 本発明に係る蓋体は、リング部と蓋体本体とがヒンジ
部のみによって接合されている故、蓋体の製造、保管、
移送時にはリング部と蓋体本体との位置関係に自由度を
与えることができ、蓋体本体を容器口部に被蓋したとき
は、蓋体側壁部下端に設けた外方突出部とリング部本体
部上端に設けた内方突出部とによってリング部を側壁部
の下方近傍所要位置に位置させることができ、又、一旦
リング部が引き上げられると逆止フィンによってリング
部を側壁部下方位置に戻らない様にすることができる。
そして、ヒンジ部の両側に係合用突出部を設けた場合
は、該係合用突出部によってリング部に加えられた引き
上げ力を容易且つ確実に側壁部へ伝達することができ
る。
[実施例] 本発明の一実施例として金属製の天板部と合成樹脂製
の側壁部とで構成される複合式蓋体の実施例を以下説明
する。
この蓋体は、第1図に示す様に金属製天板部22の周縁
下面に環状の合成樹脂製ライナー24が付設されており、
この金属製天板部22の周縁上方に合成樹脂製の環状天板
部23が形成され、この環状天板部23の外周から前記金属
製天板部22の外縁位置で下方に垂下する円筒状の側壁部
25が形成され、側壁部25の内側に設けた膨出部29と環状
天板部23とにより金属製天板部22を側壁部25に固定する
複合蓋体20であって、側壁部25内側の下端近傍には環状
の係止用突起26が形成されており、第5図に示す様に、
該係止用突起26が容器口部11の外周に形成される環状の
膨出部15の下側に係合することにより、当該蓋体20が容
器口部11に嵌合固定され、前記ライナー24が容器口部11
の頂面に圧接されて容器を密封し得る蓋体20である。
上述の様に天板部22と側壁部25とで構成される蓋体本
体21に対し、更に板状のヒンジ部38をもってリング部31
を前記側壁部25の下端に連接し、該ヒンジ部38を折り曲
げることによりリング部31を前記側壁部25の下端に位置
させるものとし、側壁部25の下端外周には環状の外方突
出部27を形成し、リング部本体部32の内径は、第2図に
示す様に側壁部25の外径よりも僅かに大きな内径とす
る。そしてリング部本体部32は、第3図に示す様にヒン
ジ部38近傍よりも他の部分の高さを高くし、リング部本
体部32の上端(第3図におけるリング部本体部32の下
端)内側に内方突出部34を設け、該内方突出部34の内径
は前記側壁部25の下端外周に設けた環状の外方突出部27
の外径よりも僅かに小さな内径とする。更にリング部本
体部32の外周には前記ヒンジ部38と対向する位置に指掛
膨出部33を形成し、該指掛膨出部33の両側位置にしリン
グ部本体部32の内側には逆止フィン35を設けるものと
し、該逆止フィン35はリング部本体部32の略中央高さ位
置でリング部本体部32の内側に連接され、第6図に示す
様に下方に傾斜したフィン本体部36を有し、側壁部25の
下端外側に設けた外方突出部27の上面にリング部31の内
方突出部34が当接する様にリング部31が位置するとき
は、逆止フィン35が側壁部25下端よりも下方に位置して
おり、又、指掛膨出部33を押し上げてリング部31を上方
に移動させるときは、フィン本体部36が下方に傾斜して
いる故、側壁部25の下端が逆止フィン35を越える様にし
て逆止フィン35よりも下方に移動可能な構造とされてお
り、従ってリング部31を蓋体本体21よりも上方に引き上
げることは容易に行ない得るものである。
そして、本実施例は、リング部本体部32の内側にして
ヒンジ部38の両側位置に係合用突出部41を形成し、該係
合用突出部41は、第8図に示す様にリング部本体部32の
内側から側壁部25よりも内側に突出するものであり、該
係合用突出部41の上面には側壁部25の下端が挿入される
溝部43を設けるものである故、リング部31を引き上げる
に際し、係合用突出部41が側壁部25の下端へ確実に係合
し、以てリング部31に加えられた引き上げ力を係合用突
出部41により側壁部25に伝達することができ、リング部
31に指を掛けて蓋体本体21を引き上げることによって容
器の開封を容易に行なうことができる。このとき、第8
図に示す様に溝部43の側面に傾斜を付け、以て該係合用
突出部41により側壁部25の下端を多少外方に広げつつ押
し上げ得る様にすれば、開封を一層容易とすることがで
きる。
この様にして一旦開封された蓋体20は、再度容器口部
11に嵌合させても、リング部31が蓋体本体21よりも上方
に位置しており、リング部本体部32の内側には逆止フィ
ン35が設けてある故、第7図に示す様にフィン本体部36
の下端が側壁部25の下端外側に設けた外方突出部27に当
り、リング部本体部32を側壁部25下方の初期位置に戻す
ことを阻止することができ、第9図に示す様に、リング
部31における指掛膨出部33の近辺が蓋体本体21の側壁部
25の中間高さに位置し、開封済みの蓋体20であることを
示し得る。
尚、上記実施例は金属製天板部22と合成樹脂製側壁部
25等とで構成される複合蓋体20であるも、天板部を含め
た全体を合成樹脂製として一体形成することもでき、
又、リング部本体部32に設ける係合用突出部41を省略
し、ヒンジ部38を強靭に形成し、リング部31に加える引
き上げ力をヒンジ部38を介して蓋体本体21に伝達するこ
ともできる。
又、上記蓋体20の成形は、第3図に示す様に蓋体本体
21の側方位置にリング部31を位置させる形状として射出
成形等により成形し、金型から取り出した後、ヒンジ部
38を下方に曲げ、以てリング部31を側壁部25の下方から
側壁部25へ嵌合させる様にして内方突出部34を側壁部25
の下端に形成した外方突出部27の上面に係合させ、以て
リング部31を側壁部25下端の所要位置に係止させること
により容易に製造し得るものである。
[発明の効果] 本発明に係る蓋体は、リング部を引き上げることによ
り容易に開封し得る嵌合式の蓋体であり、リング部本体
部の内側に逆止フィンを設けている故、一度リング部を
引き上げて開封すると、リング部が初期位置に戻ること
が逆止フィンにより阻止されて開封済みであることを明
確に表示し得る蓋体である。
そして、この蓋体はリング部と蓋体本体とはヒンジ部
のみで連接されており、開封済みの表示を従来のブリッ
ジの破断の様に一部を破壊することにより表示するので
はなく、逆止フィンによってリング部の位置を未開封を
初期位置に戻さない様にして表示するものであって、リ
ング部と蓋体本体とがヒンジ部のみによって連接される
ものである故、蓋体を容器口部に被蓋する迄の移送保管
に際してリング部を蓋体本体に対して自由な角度で取り
扱うことが可能となり、該蓋体の取扱いを容易とする。
更に、製造に際しては蓋体本体の側方にリング部を位
置させた形状として成形することができ、金型からの型
抜きを容易として生産性を向上させることができる。
又、リング部本体部の内側に側壁部下端へ当接し得る
係合用突出部を形成した場合は、リング部に加える引き
上げ力を該係合用突出部により側壁部下端に伝達し、容
器の開封を一層容易とし得るものであり、又、引き上げ
力がヒンジ部に加わらない故、変形が要求されるヒンジ
部の強度を高める必要が無く、ヒンジ部の形状設計を容
易とすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す蓋体の垂直断面図にし
て、第2図は裏面図、第3図は成形時の一部断面側面図
であり、第4図は上面図、第5図は本発明に係る蓋体を
容器口部に嵌合させた状態を示す断面図であり、第6図
及び第7図は逆止フィンを示す要部断面端面図、第8図
は係合用突出部を示す要部断面端面図であり、第9図は
本考案に係る蓋体を1度開封した状態を示す側面図、第
10は従来の螺子式蓋体を示す半断面図にして、第11図及
び第12図は従来の嵌合式蓋体を示す垂直断面図及び上面
図である。 11……容器口部、15……容器口部膨出部、20……蓋体、
21……蓋体本体、22……金属製天板部、23……環状天板
部、24……ライナー、25……側壁部、26……係止用突
起、27……外方突出部、29……膨出部、31……リング
部、32……リング部本体部、34……内方突出部、35……
逆止フィン、36……フィン本体部、38……ヒンジ部、41
……係合用突出部、43……溝部、51……天板部、52……
側壁部、53……雌螺子部、54……ライナー、55……タン
パープルーフバンド部、56……リング部、57……ヒンジ
部、59……ブリッジ部。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蓋体本体が天板部と該天板部の周縁から垂
    下する円筒状の側壁部とで構成され、該側壁部の内側に
    は容器口部へ蓋体を嵌合固定させる係止用突起を有する
    嵌合式蓋体において、側壁部の下端外周に外方突出部を
    形成し、側壁部の外径よりも僅かに大きな内径を有する
    リング部がヒンジ部を介して蓋体本体に連接され、該リ
    ング部本体部の上方内側には内方突出部を形成し、該内
    方突出部が前記外方突出部の上面に当接されてリング部
    が側壁部下端よりも下方に降下することを防止し、リン
    グ部本体部においてヒンジ部と対向する位置の外側には
    指掛膨出部を形成し、該指掛膨出部の両側位置にしてリ
    ング部本体部内側に逆止フィンを設け、以て側壁部下端
    外周の外方突出部が一旦逆止フィンよりも下方に位置す
    ると逆止フィンは側壁部下端よりも下方に移動しない構
    造としたことを特徴とする不正開封表示蓋。
  2. 【請求項2】請求の範囲第1項記載の蓋体において、ヒ
    ンジ部の両側位置にしてリング部本体部の内側に、側壁
    部下端に当接し得る係合用突出部を設けたことを特徴と
    する不正開封表示蓋。
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