JP4428149B2 - ポリイミド前駆体を含有するコーティング膜及びポリイミドコーティング膜の製造方法 - Google Patents
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Description
<1> ポリイミド前駆体を含有してなる樹脂組成物を基板上に塗布、加熱してなるコーティング膜に、フォトレジストを塗布、乾燥、露光、アルカリ現像してパターン形成した後、前記のコーティング膜中に残存するアルカリ溶液の溶質を、水洗浄、酸性水溶液による中和洗浄及び水洗浄の各工程を経ることによって除去し、次いでフォトレジストを除去することを特徴とするコーティング膜の製造方法。
<2> <1>に記載のコーティング膜の製造方法において、酸性水溶液での中和洗浄を35℃以上の温度条件で使用することを特徴とするコーティング膜の製造方法。
<3> <1>に記載のコーティング膜の製造方法において、アルカリ現像、水洗浄及び酸性水溶液での中和洗浄の順で行う各工程をすべて35℃以上の温度条件で使用することを特徴とするコーティング膜の製造方法。
<4> 前記のポリイミド前駆体が、少なくとも下記化学式(I),(II),(III)または(IV)で示されるジアミンを原料の少なくとも一部として用いて得られるものであることを特徴とする<1>、<2>または<3>に記載のコーティング膜の製造方法。
<5> <1>、<2>、<3>または<4>に記載の製造方法により得られるコーティング膜をファイナルキュアすることを特徴とするポリイミドコーティング膜の製造方法。
2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−(2−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(2−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、ビス〔{(トリフルオロメチル)アミノフェノキシ}フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−(2−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、1,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、1,4’−ビス(3−アミノフェノキシフェニル)ビフェニル、1,4’−ビス(2−アミノフェノキシフェニル)ビフェニル、などが挙げられ、2種類以上を混合して用いてもよい。
ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン389.24 g(0.9 mol)1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,1−テトラフェニルジシロキサン24.85 g(0.1 mol)、とN-メチルー2−ピドリドンに溶解させた後、を3,3’, 4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物294.22 g(1.0 mol)を樹脂分濃度が18%になるように加え、室温中5時間攪拌し、粘度が3 Pa.sとなるように粘度調整を行い、ポリイミド前駆体ワニス(A)を得た。
前記合成例1から得たポリアミド酸ワニス(A)をシリコン基板上にスピナー塗布し、ホットプレート上で115℃2分間プリベークを行った。プリベーク膜の膜厚は5μmであった。この後ポジ型フォトレジスト(東京応化工業(株)製“OFPR-5000”)をスピナー塗布し、ホットプレート上で90℃90秒間プリベークを行った。キャノン(株)製露光機PLA-601Fを用いてフォトマスクを介して露光した後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いて、ディップ法で23℃、5分間現像及びプリベーク膜のエッチングを行った後、イオン交換水で23℃、1分間洗浄した。その後プリベーク膜を2%酢酸水溶液を用いてディップ法で23℃、2分間中和洗浄、イオン交換水で23℃、4分間洗浄した。更にn-ブチルアセテートを用いてフォトレジストを剥離した。パターニングされたプリベーク膜にはクラックや膜はがれが入ることなく良好なパターニングが得られた。その後窒素雰囲気下で200℃30分間350℃60分間ファイナルキュアを行い、3μmのポリイミド膜を得た。フォトレジスト剥離後のプリベーク膜の表面状態及び得られたポリイミドファイナルキュア膜をプレッシャークッカーテストで121℃/2気圧下で1000時間密着性評価結果をまとめて表1に示す。
前記合成例1から得たポリアミド酸ワニス(A)をシリコン基板上にスピナー塗布し、ホットプレート上で115℃2分間プリベークを行った。プリベーク膜の膜厚は5μmであった。この後ポジ型フォトレジスト(東京応化工業(株)製“OFPR-5000”)をスピナー塗布し、ホットプレート上で90℃90秒間プリベークを行った。キャノン(株)製露光機PLA-601Fを用いてフォトマスクを介して露光した後、10%水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いて、ディップ法で23℃、5分間現像及びプリベーク膜のエッチングを行った後、イオン交換水で1分間洗浄した。その後プリベーク膜を23℃、2%酢酸水溶液を用いてディップ法で2分間中和洗浄、23℃、イオン交換水で4分間洗浄した。更にn-ブチルアセテートを用いてフォトレジストを剥離した。パターニングされたプリベーク膜にはクラックや膜はがれが入ることなく良好なパターニングが得られた。その後窒素雰囲気下で200℃30分間350℃60分間ファイナルキュアを行い、3μmのポリイミド膜を得た。フォトレジスト剥離後のプリベーク膜の表面状態及び得られたポリイミドファイナルキュア膜をプレッシャークッカーテストで121℃/2気圧下で1000時間密着性評価結果をまとめて表1に示す。
2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン462.98 g(0.9 mol)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,1−テトラフェニルジシロキサン24.52 g(0.1 mol)をN-メチルー2−ピドリドンに溶解させた後、ピロメリット酸二無水物109.06 g(0.5 mol)、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物161.11 g(0.5mol)を樹脂分濃度が18%になるように加え、室温中5時間攪拌し、粘度が3 Pa.sとなるように粘度調整を行い、ポリイミド前駆体ワニス(B)を得た。
前記合成例2から得たポリアミド酸ワニス(B)をシリコン基板上にスピナー塗布し、ホットプレート上で115℃2分間プリベークを行った。プリベーク膜の膜厚は5μmであった。この後ポジ型フォトレジスト(東京応化工業(株)製“OFPR-5000”)をスピナー塗布し、ホットプレート上で90℃90秒間プリベークを行った。キャノン(株)製露光機PLA-601Fを用いてフォトマスクを介して露光した後、2.38%TMAH水溶液を用いて、ディップ法で30℃、3分間現像及びプリベーク膜のエッチングを行った後、30℃、イオン交換水で1分間洗浄した。その後プリベーク膜を2%酢酸水溶液を用いてディップ法で30℃、1.5分間中和洗浄、イオン交換水で23℃、3分間洗浄した。更にn-ブチルアセテートを用いてフォトレジストを剥離した。パターニングされたプリベーク膜にはクラックや膜はがれが入ることなく良好なパターニングが得られた。その後窒素雰囲気下で200℃30分間350℃60分間ファイナルキュアを行い、3μmのポリイミド膜を得た。フォトレジスト剥離後のプリベーク膜の表面状態及び得られたポリイミドファイナルキュア膜をプレッシャークッカーテストで121℃/2気圧下で1000時間密着性評価結果をまとめて表1に示す。
前記合成例2から得たポリアミド酸ワニス(B)をシリコン基板上にスピナー塗布し、ホットプレート上で115℃2分間プリベークを行った。プリベーク膜の膜厚は5μmであった。この後ポジ型フォトレジスト(東京応化工業(株)製“OFPR-5000”)をスピナー塗布し、ホットプレート上で90℃90秒間プリベークを行った。キャノン(株)製露光機PLA-601Fを用いてフォトマスクを介して露光した後、10%KOH水溶液を用いて、30℃でディップ法で2分間現像及びプリベーク膜のエッチングを行った後、イオン交換水で30℃、2分間洗浄した。その後プリベーク膜を1%硫酸水溶液を用いてディップ法で30℃、1.5分間中和洗浄、イオン交換水で23℃、3分間洗浄した。更にn-ブチルアセテートを用いてフォトレジストを剥離した。パターニングされたプリベーク膜にはクラックや膜はがれが入ることなく良好なパターニングが得られた。その後窒素雰囲気下で200℃30分間350℃60分間ファイナルキュアを行い、3μmのポリイミド膜を得た。フォトレジスト剥離後のプリベーク膜の表面状態及び得られたポリイミドファイナルキュア膜をプレッシャークッカーテストで121℃/2気圧下で1000時間密着性評価結果をまとめて表1に示す。
2,2−ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン369.47 g(0.9 mol)、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,1−テトラフェニルジシロキサン24.85 g(0.1 mol)、N-メチルー2−ピドリドンに溶解させた後、ピロメリット酸二無水物 152.68 g(0.7 mol)、ジメチレンビストリメリテート酸二無水物123.09 g(0.3mol)を樹脂分濃度が18%になるように加え、室温中5時間攪拌し、粘度が3 Pa.sとなるように粘度調整を行い、ポリイミド前駆体ワニス(C)を得た。
前記合成例3から得たポリアミド酸ワニス(C)をシリコン基板上にスピナー塗布し、ホットプレート上で120℃2分間プリベークを行った。プリベーク膜の膜厚は5μmであった。この後ポジ型フォトレジスト(東京応化工業(株)製“OFPR-5000”)をスピナー塗布し、ホットプレート上で90℃90秒間プリベークを行った。キャノン(株)製露光機PLA-601Fを用いてフォトマスクを介して露光した後、2.38%TMAH水溶液を用いて、ディップ法で35℃1.5分間現像及びプリベーク膜のエッチングを行った後、35℃のイオン交換水で1.5分間洗浄した。その後プリベーク膜を35℃の2%酢酸水溶液を用いてディップ法で1分間中和洗浄、イオン交換水で23℃、2分間洗浄した。更にn-ブチルアセテートを用いてフォトレジストを剥離した。パターニングされたプリベーク膜にはクラックや膜はがれが入ることなく良好なパターニングが得られた。その後窒素雰囲気下で200℃30分間350℃60分間ファイナルキュアを行い、3μmのポリイミド膜を得た。フォトレジスト剥離後のプリベーク膜の表面状態及び得られたポリイミドファイナルキュア膜をプレッシャークッカーテストで121℃/2気圧下で1000時間密着性評価結果をまとめて表1に示す。
前記合成例3から得たポリアミド酸ワニス(C)をシリコン基板上にスピナー塗布し、ホットプレート上で120℃2分間プリベークを行った。プリベーク膜の膜厚は5μmであった。この後ポジ型フォトレジスト(東京応化工業(株)製“OFPR-5000”)をスピナー塗布し、ホットプレート上で90℃90秒間プリベークを行った。キャノン(株)製露光機PLA-601Fを用いてフォトマスクを介して露光した後、10%KOH水溶液を用いて、ディップ法で35℃1.5分間現像及びプリベーク膜のエッチングを行った後、イオン交換水で35℃1.5分間洗浄した。その後プリベーク膜を1%硫酸水溶液を用いてディップ法で35℃、1分間中和洗浄、イオン交換水で23℃、2分間洗浄した。更にn-ブチルアセテートを用いてフォトレジストを剥離した。パターニングされたプリベーク膜にはクラックや膜はがれが入ることなく良好なパターニングが得られた。その後窒素雰囲気下で200℃30分間350℃60分間ファイナルキュアを行い、3μmのポリイミド膜を得た。フォトレジスト剥離後のプリベーク膜の表面状態及び得られたポリイミドファイナルキュア膜をプレッシャークッカーテストで121℃/2気圧下で1000時間密着性評価結果をまとめて表1に示す。
前記合成例1から得たポリアミド酸ワニス(A)をシリコン基板上にスピナー塗布し、ホットプレート上で115℃2分間プリベークを行った。プリベーク膜の膜厚は5μmであった。この後ポジ型フォトレジスト(東京応化工業(株)製“OFPR-5000”)をスピナー塗布し、ホットプレート上で90℃90秒間プリベークを行った。キャノン(株)製露光機PLA-601Fを用いてフォトマスクを介して露光した後、2.38%TMAH水溶液を用いて、ディップ法で23℃5分間現像及びプリベーク膜のエッチングを行った後、イオン交換水で23℃4分間洗浄した。n-ブチルアセテートを用いてフォトレジストを剥離した。パターニングされたプリベーク膜では、パターニングされたプリベーク膜の開口部に残渣は無かったがパターニングの角部にクラックの発生が認められた。その後窒素雰囲気下で200℃30分間350℃60分間ファイナルキュアを行い、3μmのポリイミド膜を得た。フォトレジスト剥離後のプリベーク膜の表面状態及び得られたポリイミドファイナルキュア膜をプレッシャークッカーテストで121℃/2気圧下で1000時間密着性評価結果をまとめて表1に示す。
前記合成例2から得たポリアミド酸ワニス(B)をシリコン基板上にスピナー塗布し、ホットプレート上で115℃2分間プリベークを行った。プリベーク膜の膜厚は5μmであった。この後ポジ型フォトレジスト(東京応化工業(株)製“OFPR-5000”)をスピナー塗布し、ホットプレート上で90℃90秒間プリベークを行った。キャノン(株)製露光機PLA-601Fを用いてフォトマスクを介して露光した後、10%KOH水溶液を用いて、ディップ法で23℃3分間現像及びプリベーク膜のエッチングを行った後、イオン交換水で23℃、3分間洗浄した。n-ブチルアセテートを用いてフォトレジストを剥離した。パターニングされたプリベーク膜上にはフォトレジストの残渣が残り、パターニングの角部にクラックの発生が認められた。その後窒素雰囲気下で200℃30分間350℃60分間ファイナルキュアを行い、3μmのポリイミド膜を得た。フォトレジスト剥離後のプリベーク膜の表面状態及び得られたポリイミドファイナルキュア膜をプレッシャークッカーテストで121℃/2気圧下で1000時間密着性評価結果をまとめて表1に示す。
前記合成例2から得たポリアミド酸ワニス(B)をシリコン基板上にスピナー塗布し、ホットプレート上で120℃2分間プリベークを行った。プリベーク膜の膜厚は5μmであった。この後ポジ型フォトレジスト(東京応化工業(株)製“OFPR-5000”)をスピナー塗布し、ホットプレート上で90℃90秒間プリベークを行った。キャノン(株)製露光機PLA-601Fを用いてフォトマスクを介して露光した後、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いて、ディップ法で23℃1.5分間現像及びプリベーク膜のエッチングを行った後、イオン交換水で23℃、2分間洗浄した。n-ブチルアセテートを用いてフォトレジストを剥離した。パターニングされたプリベーク膜上にはフォトレジストの残渣が残り、パターニングの角部にクラックの発生が認められた。その後窒素雰囲気下で200℃30分間350℃60分間ファイナルキュアを行い、3μmのポリイミド膜を得た。フォトレジスト剥離後のプリベーク膜の表面状態及び得られたポリイミドファイナルキュア膜をプレッシャークッカーテストで121℃/2気圧下で1000時間密着性評価結果をまとめて表1に示す。
接着性試験方法;碁盤目試験
(100/100;1mm2の100個の碁盤目が、テープで剥離試験後全て剥離せず、100個残存していることを示す)
Claims (5)
- ポリイミド前駆体を含有してなる樹脂組成物を基板上に塗布、加熱してなるコーティング膜に、フォトレジストを塗布、乾燥、露光、アルカリ現像してパターン形成した後、前記のコーティング膜中に残存するアルカリ溶液の溶質を、水洗浄、酸性水溶液による中和洗浄及び水洗浄の各工程を経ることによって除去し、次いでフォトレジストを除去することを特徴とするコーティング膜の製造方法。
- 請求項1に記載のコーティング膜の製造方法において、酸性水溶液での中和洗浄を35℃以上の温度条件で使用することを特徴とするコーティング膜の製造方法。
- 請求項1に記載のコーティング膜の製造方法において、アルカリ現像、水洗浄及び酸性水溶液での中和洗浄の順で行う各工程をすべて35℃以上の温度条件で使用することを特徴とするコーティング膜の製造方法。
- 請求項1、2、3または4に記載の製造方法により得られるコーティング膜をファイナルキュアすることを特徴とするポリイミドコーティング膜の製造方法。
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