JP4426283B2 - ヒドロホルミル化方法におけるフルオロホスファイト−金属触媒系のエポキシド安定化 - Google Patents

ヒドロホルミル化方法におけるフルオロホスファイト−金属触媒系のエポキシド安定化 Download PDF

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Description

本発明はある種のフルオロホスファイト配位子を分解に対して安定化する方法に関する。更に詳しくは、本発明はある種のフルオロホスファイト配位子と第VIII族遷移金属触媒を含む均一反応混合物にエポキシドを添加することによって、フルオロホスファイト配位子の安定化を促進し且つそれらの分解を防止することに関する。更に詳しくは、このフルオロホスファイト配位子及びロジウム触媒はアルデヒドを製造する種々のα−オレフィンのヒドロホルミル化に使用される。
オキソ反応としても知られるヒドロホルミル化反応はオレフィン1モルと水素及び一酸化炭素各1モルとの反応によるアルデヒドの商業的製造方法に広く使用されている。多くのヒドロホルミル化方法において、燐含有化合物を、第VIII族金属、例えばコバルト及びロジウム(特に好ましい)と共に含む触媒が使用されている。
ヒドロホルミル化反応が最も多く使用されているのは、プロピレンからのノルマル−ブチルアルデヒド及びイソ−ブチルアルデヒドの製造である。ノルマル−アルデヒド生成物の量の、イソアルデヒド生成物の量に対する比は、典型的には、ノルマル対イソ(N:I)比又はノルマル対分岐鎖(N:B)比と称される。プロピレンの場合には、プロピレンから得られるノルマル−及びイソ−ブチルアルデヒドは、次に、多くの商業的に有用な化学製品、例えばn−ブタノール、2−エチルヘキサノール、n−酪酸、イソ−ブタノール、ネオ−ペンチルグリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール並びに2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールのモノイソ酪酸エステル及びジイソ酪酸エステルに転化される。より高級のα−オレフィン、例えば1−オクテン、1−ヘキセン及び1−デセンのヒドロホルミル化では、洗剤アルコール及び可塑剤アルコールの調製に有用な供給原料であるアルデヒド製品が得られる。アリルアルコールのような置換オレフィンのヒドロホルミル化は1,4−ブタンジオールのような他の商業的に有用な製品の製造に有用である。
特許文献1(Slaugh及びMullineaux;1966年3月8日発行)は、トリアルキルホスフィンとロジウム触媒との併用による、アルデヒド製造用の低圧ヒドロホルミル化法を開示している。トリアルキルホスフィンは、工業的ヒドロホルミル化法に多く使用されているが、典型的には製造される製品の範囲が限られ、更に非常に酸素感受性であることが多い。
特許文献2(Pruett及びSmith;1970年9月8日発行)は、トリアリールホスフィン又はトリアリールホスファイト配位子をロジウム触媒と併用する低圧ヒドロホルミル化法を開示している。Pruett及びSmithによって開示された配位子は、多くの商業的用途に使用されるが、酸化安定性及び加水分解安定性の問題のために制約がある。これらの初期の開示以来、触媒安定性、触媒活性及び直鎖アルデヒド製品の生成に大きな重点を置いた生成物比を増大させるために多くの改良がなされた。種々の単座ホスファイト及びホスフィン配位子、二座配位子、例えばビスホスファイト及びビスホスフィン並びに三座及び多座配位子が製造され、文献に開示されている。
特許文献3(Pucketteら;1998年11月24日発行)は、第VIII族金属から選ばれた1種若しくはそれ以上の遷移金属及び/又はレニウムと一般式:
Figure 0004426283
(式中、R1及びR2は総炭素数約40以下のヒドロカルビル基である)
を有する1種又はそれ以上のフルオロホスファイト化合物との触媒組合せを含むフルオロホスファイト含有触媒系(フルオロホスファイト配位子(グラムモル)対遷移金属(グラム原子)の比は少なくとも1:1である)を開示している。当業者にはわかるであろうが、構造(I)のこのようなフルオロホスファイト化合物は、また、化学文献中ではフルオロホスファイトエステルとしても知られ、これらの用語は本明細書中で同義で使用する。
α−オレフィンのヒドロホルミル化において最近認められる問題は、ホスファイト配位子が、ヒドロホルミル化反応混合物中の成分との反応によって枯渇する可能性があることである。例えば特許文献4はある種のホスファイトとアルデヒドとの付加物の形成を仮定している。特許文献4及び5はある種の環状ホスファイト配位子が、配位子をほとんど又は全く分解させずに、ヒドロホルミル化反応混合物中で長期間作用することができることを開示している。
配位子は反応混合物中の水の存在下で緩慢な加水分解を受けることが観察されている。次いで、分解生成物は反応混合物中のアルデヒド生成物及び追加の水と一連の工程で反応して、ヒドロキシアルキルホスホン酸を形成する。こうして形成された酸は、更に配位子の加水分解を触媒する。カスケード効果が、反応溶液中に残存するホスファイト配位子の非常に急速な加水分解を引き起こし、それがホスファイト配位子のかなりの減少につながる。
特許文献6(Maherら;1994年2月22日発行)は、触媒の失活の原因は主に又は少なくとも一部は、アルキル(1,1’−ビアリール−2,2’−ジイル)ホスファイト(ホスファイトのアルキル基は、ヒドロホルミル化プロセスによって生成された特定のn−アルデヒドに対応し、ホスファイトの(1,1’−ビアリール−2,2’−ジイル)部分は使用された有機ビスホスファイト配位子に由来する)の分解生成物として最もよく説明できるある種のジオルガノホスファイト副生成物の形成であると考えられることを開示している。Maherは、このような化合物の悪影響は、弱酸性化合物、添加水又は両者の混合物の存在下でヒドロホルミル化方法を実施することによって逆転させるか最小にすることができることを教示している。弱酸性化合物は、約1.0〜約12のpKaを有する。
特許文献7(Abatjoglouら;1998年5月26日発行)はある種の金属の添加によるホスファイト分解の安定化について開示している。Abatjoglouは、ヒドロホルミル化プロセスにおけるロジウム触媒によるホスファイト分解を減少させるのに充分な量で第VIII族金属(ロジウム以外)を添加することを開示している。
特許文献8(Babinら;1994年11月15日発行)は3つの酸素部分に燐部分が結合しているトリオルガノホスファイト、ジオルガノホスファイト及びビス−ホスファイト、ホスファイト配位子を安定化することを開示している。しかし、この特許は、エポキシドが、第2の酸、即ちフッ化水素酸が反応混合物中に存在する可能性のあるフルオロホスファイト配位子を安定化する効果があるとしても、その効果に関しては触れていない。
米国特許第3,239,566号 米国特許第3,527,809号 米国特許第5,840,647号 米国特許第4,496,768号 米国特許第4,482,749号 米国特許第5,288,918号 米国特許第5,756,855号 米国特許第5,364,950号
従って、ヒドロホルミル化反応において使用する場合にある種のフルオロホスファイト配位子を分解に対して安定化する方法が必要とされている。
要するに、本発明の方法は、オレフィン化合物、一酸化炭素、水素、第VIII族金属から選ばれた遷移金属と一般式:
Figure 0004426283
(式中、R1及びR2は総炭素数約40以下のヒドロカルビル基である)
を有する1種又はそれ以上のフルオロホスファイト化合物との組合せからなる触媒組成物を含むホルミル化反応混合物にエポキシドを添加することによって、前記反応混合物中のフルオロホスファイト配位子を安定化する方法である。
意外なことに、ヒドロホルミル化反応混合物へのエポキシドの添加は、アルデヒド生成物と有害な反応を起こすことなく、亜燐酸及びフッ化水素酸の生成を著しく低下させるのに有効であることが判明した。
本発明の目的は、オレフィンのヒドロホルミル化反応混合物中のフルオロホスファイト配位子を安定化させる方法を提供することである。本発明のこの目的及び他の目的並びに利点は、当業者には以下の説明を見てより明白になるであろう。当然のことながら、本発明の概念は本明細書中に開示された解説に限定されるのではなく、添付した「特許請求の範囲」の範囲によって限定されると考えるべきである。
本発明の方法が適用可能なフルオロホスファイト配位子含有遷移金属触媒は多数の反応の促進及び触媒に使用される。本発明の方法の詳細は、本明細書中ではある程度、アルデヒドを形成するためにオレフィンのヒドロホルミル化に使用される触媒に関連する
この触媒系は、第VIII族遷移金属から選ばれた遷移金属と、前に簡単に記載した1種又はそれ以上のフルオロホスファイト化合物との組合せを含む。遷移金属は遷移金属のカルボン酸塩のような種々の金属化合物の形態で提供できる。ロジウムが好ましい第VIII族金属である。活性触媒のためのロジウム供給源には、カルボン酸のロジウムII又はロジウムIII塩が含まれ、その例としては、四酢酸二ロジウム二水和物、酢酸ロジウム(II)、イソ酪酸ロジウム(II)、2−エチルヘキサン酸ロジウム(II)、安息香酸ロジウム(II)及びオクタン酸ロジウム(II)が挙げられる。また、ロジウムカルボニル類、例えばRh4(CO)12、Rh6(CO)16及びロジウム(I)アセチルアセトネートジカルボニルも適当なロジウム供給源であることができる。更に、錯体供給材料のホスフィン部分が本発明のフルオロホスファイト配位子で容易に置換される場合には、ロジウムオルガノホスフィン錯体、例えばトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウムカルボニルハイドライドも使用できる。他のロジウム供給源としては、強鉱酸のロジウム塩、例えば塩化物、臭化物、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩などが挙げられる。2−エチルヘキサン酸ロジウムはロジウムハロゲン化物のような無機ロジウム塩から効率よく製造できるという理由から、都合の良い可溶性ロジウム供給源であるので、本発明の錯体触媒を製造するための特に好ましいロジウム供給源である。
本発明の方法において有用なフルオロホスファイト配位子は一般式:
Figure 0004426283
(式中、R1及びR2は総炭素数が約40以下のヒドロカルビル基である)
を有し、フルオロホスファイト配位子(グラムモル)対遷移金属(グラム原子)の比は少なくとも1:1である。
フルオロホスファイト化合物は、前記方法のための触媒系を形成するために遷移金属と併用する場合に有効な配位子として働く。R1及びR2によって表されるヒドロカルビル基は同一であっても異なってもよく、又、別々であっても結合していてもよく、総炭素数が約40以下の未置換及び置換アルキル、シクロアルキル並びにアリール基から選ばれる。置換基R1及びR2の総炭素数は、好ましくは約2〜35の範囲である。R1及び/又はR2が独立して選ぶことができるアルキル基の非限定的例としては、エチル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシル及びそれらの種々の異性体が挙げられる。アルキル基は、例えばアルコキシ、シクロアルコキシ、ホルミル、アルカノイル、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アロイル、カルボキシル、カルボン酸塩、アルコキシカルボニル、アルカノイルオキシ、シアノ、スルホン酸、スルホン酸塩などのような2個以下の置換基で置換されることができる。シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルは、R1及び/又はR2がそれぞれ表すことができるシクロアルキル基の例である。シクロアルキル基は、アルキル、又は可能な置換アルキル基に関して記載した置換基のいずれかによって置換されることができる。R1及び/又はR2がそれぞれ表すことができるアルキル及びシクロアルキル基は、好ましくは炭素数約8以下のアルキル、ベンジル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルである。
1及び/又はR2がそれぞれ表すことができるアリール基の例としては、炭素環式アリール、例えばフェニル、ナフチル、アントラセニル及びそれらの置換誘導体が挙げられる。R1及び/又はR2がそれぞれ表すことができる炭素環式アリール基の例は、式:
Figure 0004426283
Figure 0004426283
Figure 0004426283
(式中、R3及びR4はアルキル、アルコキシ、ハロゲン、シクロアルコキシ、ホルミル、アルカノイル、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アロイル、カルボキシル、カルボン酸塩、アルコキシカルボニル、アルカノイルオキシ、シアノ、スルホン酸、スルホン酸塩などから独立して選ばれた1種又はそれ以上の置換基を表すことができる)
を有する基である。前記アルキル、アルコキシ、アルカノイル、アルコキシカルボニル及びアルカノイルオキシ基のアルキル部分は一般には約8個以下の炭素原子を含む。mは0〜5を、nは0〜7を表すことができるが、m及びnの値はいずれも2以下とする。R3及びR4は、好ましくは低級アルキル基、即ち、炭素数約4以下の直鎖及び分岐鎖アルキルを表し、m及びnは、それぞれ、0、1又は2を表す。
あるいは、R1及びR2は結合して又は一緒になって、炭素数約40以下の、好ましくは炭素数約12〜36の二価ヒドロカルビレン基を表すことができる。このような二価の基の例としては、炭素数約2〜12のアルキレン、シクロヘキシレン及びアリーレンが挙げられる。アルキレン及びシクロアルキレン基の具体例としては、エチレン、トリメチレン、1,3−ブタンジイル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジイル、1,1,2−トリフェニルエタンジイル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジイル、1,2−シクロヘキシレンなどが挙げられる。R1及びR2が一緒に表すことができるアリーレン基の例は、式(V)、(VI)及び(VII)として本明細書中で後述するものである。
1及びR2が共同で表すことができる二価の基は、式:
Figure 0004426283
(式中、A1及びA2は、独立に、アリーレン基、例えば6〜10個の環炭素原子を含む二価の炭素環式芳香族基であることができ、フルオロホスファイト(I)の各エステル酸素原子は、A1及びA2の環炭素原子に結合し;
Xは、(i)A1及びA2の環炭素原子間の化学結合、又は(ii)酸素原子、式―(CH2y−(式中、yは2〜4である)の基、若しくは式:
Figure 0004426283
(式中、R5は水素、アルキル又はアリール、例えば式(II)、(III)及び(IV)で示されるアリール基であり、R6は水素又はアルキルである)
を有する基である)
を有する基を含む。基−C(R5)(R6)−の総炭素数は20以下とし、好ましくは1〜8の範囲である。通常、R1とR2が共同して二価ヒドロカルビレン基を表す場合には、ホスファイトエステルの酸素原子、即ち、式(I)中に示される酸素原子は少なくとも3個の炭素原子を含む原子の鎖によって隔てられる。
1及びA2のそれぞれによって表されるアリーレン基の例としては、式:
Figure 0004426283
Figure 0004426283
Figure 0004426283
(式中、R3及びR4はアルキル、アルコキシ、ハロゲン、シクロアルコキシ、ホルミル、アルカノイル、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アロイル、カルボキシ、カルボン酸塩、アルコキシカルボニル、アルカノイルオキシ、シアノ、スルホン酸、スルホン酸塩などから独立に選ばれた1種又はそれ以上の置換基を表すことができる)
を有する二価の基が挙げられる。このようなアルキル、アルコキシ、アルカノイル、アルコキシカルボニル及びアルカノイルオキシ基のアルキル部分は一般に、約8個以下の炭素原子を含む。pは0〜4,qは0〜6を表すことができるが、p及びqそれぞれの値は通常2以下とする。R3及びR4は、好ましくは低級アルキル基、すなわち、炭素数約4以下の直鎖及び分岐鎖アルキルを表し、p及びqはそれぞれ0,1又は2である。
最も好ましいフルオロホスファイト化合物、即ち最良の安定性を示すものは、フルオロホスファイトエステルの酸素原子が、炭素環式芳香族基、例えば式(II)〜(VII)のいずれかで表されるアリール又はアリーレン基の環炭素原子に直接結合しているものである。R1及びR2が、それぞれ別個に、アリール基、例えばフェニル基を表す場合には、フルオロホスファイトエステルの酸素原子に結合した環炭素原子に対してオルト位にある環炭素原子の1つ又は両方がアルキル基、特に分岐鎖アルキル基、例えばイソプロピル、tert−ブチル、tert−オクチルなどで置換されていることが更に好ましい。同様に、R1及びR2が共同して式:
Figure 0004426283
を有する基を表す場合には、フルオロホスファイトエステルの酸素原子に結合した環炭素原子に対してオルト位にあるアリーレン基A1及びA2の環炭素原子はアルキル基、好ましくは、分岐鎖アルキル基、例えばイソプオロピル、tert−ブチル、tert−オクチルなどで置換される。
最も好ましいフルオロホスファイトは一般式:
Figure 0004426283
(式中、R7は、独立に、炭素数3〜8のアルキル基から選ばれ;R8は、独立に、水素、炭素数1〜8のアルキル若しくは炭素数1〜8のアルコキシから選ばれ;Xは、(i)Xが結合する各フェニレン基の環炭素原子の間の化学結合、又は(ii)式:
Figure 0004426283
(式中、R5及びR6は水素又は炭素数1〜8のアルキルから独立して選ばれる)
を有する基である)
を有する。
式(I)のフルオロホスファイトは、文献に記載された方法又はそれに類似の方法によって製造できる。例えばRieselら,J.Z.Anorg.Allg.Chem.,603,145(1991)、Tullockら,J.Org.Chem.,25,2016(1960)、Whiteら,J.Am.Chem.Soc.,92,7125(1970)及びMeyerら,Z.Naturforsch,Bi.Chem.Sci.,48,659(1993)及び米国特許第4,912,155号に記載された方法を参照されたい。フルオロホスファイト化合物の有機部分、即ちR1及びR2で表される残基は、不斉又は光学活性化合物から得ることができる。不斉グリコール又はフェノールから得られるフルオロホスファイト配位子もまた不斉であり、不斉触媒錯体を生じるであろう。
本発明を実施するのに使用する触媒の製造には特別な条件は必要ないが、高触媒活性のためには、ロジウム及びフルオロホスファイト成分の取り扱いは全て不活性雰囲気下、例えばN2、Arなどの雰囲気下で実施するのが好ましい。望ましい量の適当なロジウム化合物及び配位子を、反応器の適当な溶媒中に装填する。種々の触媒成分又は反応体を反応器に装填する順序は重要ではない。
本発明の方法は、反応混合物中に存在する広範囲の量のロジウム及び配位子を用いて実施できる。例えば反応器ゾーン中のオレフィンのモル当たりわずか約1×10-6モルのロジウム(ロジウム金属に基づいて計算)を含む量の触媒を使用できる。オレフィンモル当たりロジウム約1×10-5〜約5×10-2モルの範囲の濃度が好ましい。ロジウム成分のコストが商業的に無理のない量に維持されながら、最も有効なロジウムの利用が達成されるので、約1×10-4〜1×10-3の範囲のロジウム濃度が最も好ましい。
配位子対ロジウムのモル比は、約1〜約100の範囲とする。配位子対ロジウムのモル比は、好ましくは、約10〜約70の範囲内とする。最も好ましい実施態様において、配位子対ロジウムのモル比は約15〜約50とする。
本発明の方法に使用するのに適当なエポキシドは一般式:
Figure 0004426283
を有する。前記式において、a及びbは、独立に、0又は1であり;R11〜R16は、独立に、水素;炭素数1〜約30の一価炭化水素基、例えばアルキル、アリール、アルアルキル及びアルカリール基;炭素数1〜約30の置換アルキル、アリール、アルアルキル及びアルカリール基;並びにR11〜R16の2つ又はそれ以上が結合して、ビシクロ−、トリシクロ−、テトラシクロ−及びn−シクロ基のような複数の環構造を含むことができる炭素数約30以下の環状構造を形成する基からなる群から選ばれ;Xは、約30個以下の炭素原子、−O−、−S−、−NR19−、−SiR2021及び−CO−を含む置換又は未置換アルキレン、アリーレン、アルアルキレン及びアルカリーレン基からなる群から選ばれる二価架橋基であり、各基R19、R20及びR21はそれぞれH及びアルキル基を表す。
この定義において、用語「置換」は、アルコキシ及びアリールオキシ基のような、エポキシドと反応しない基の存在を意味する。「置換」の定義から除かれるのは、ハロゲン類、カルボキシル部分、ニトリル基、及びエポキシドと反応する他の全ての部分である。炭化水素エポキシドが好ましい。
前記式(VIII)においてa及びbが0である場合には、本発明の方法において使用するのに適当なエポキシドは式:
Figure 0004426283
を有する。前記式において、R11〜R14は式(VIII)に関して前に記載した通りである。式(IX)の適当なエポキシドの例としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:1,2−シクロヘキセンオキシド;スチレンオキシド;プロピレンオキシド;1,2−エポキシオクタン;1,2−エポキシデカン;1,2−エポキシドデカン;1,2−エポキシヘキサデカン;1,2−エポキシオクタデカン;エチレンオキシド;1,2−シクロドデセンオキシド;スチルベンオキシド;イソブチレンオキシド;2,3−エポキシブタン;1,2−エポキシブタン;1,2−エポキシヘキサン;1,2−エポキシドデカン;シクロペンテンオキシド;シクロオクテンオキシド;シクロデセンオキシド;及び1,2−エポキシ−3−フェノキシ−プロパン。
11及びR12基の1つとR13及びR14基の1つとが結合して形成される環状構造中に少なくとも1個の環を有する前記式(IX)のエポキシ組成としては、これと関連した複数の環を含む環状構造、例えばビシクロ−及び他のn−シクロ−基が挙げられる。ビシクロ−基は、2個又はそれ以上の原子を共通に有する2個のみの環からなる環状炭化水素基である。トリシクロ−、テトラシクロ−及び他のn−シクロ−化合物もまた複数の環を有する環状構造の定義に含まれる。R11及びR12基の1つとR13及びR14基の1つとが結合して形成される環状構造の範囲内のこのような複数の環構造の例にはノルボルナン及びα−ピネンがある。ノルボルナン及びα−ピネンから形成される、本発明に使用するのに適当なエポキシ化合物は2,3−エポキシノルボルナン及びα−ピネンオキシドである。
本発明の方法において有用なエポキシ化合物には、前記式(IX)の組成を有するものであって、R11及びR12基が、一緒になって、もしくはR13及びR14が一緒になって、又は両者が、複数の環を含むことができる環状構造を形成できるものが含まれる。このような化合物の環状構造は、ビシクロ−、トリシクロ−及び他のn−シクロ化合物を含むことができる。ピネンは本発明において有用なエポキシ化合物を生成する環構造を有する組成物である。ピネンから得られるエポキシ化合物、β−ピネンオキシドは、R11及びR12が複数の環構造を有する環状構造を形成し、R13がメチル基であり、且つR14が水素である前記式(IX)の化合物である。
ジエポキシドもまた本発明の方法において有用である。式(VIII)の適当なジエポキシ化合物としては、1,3−ブタジエンジエポキシド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、ジエポキシシクロオクタン、ジシクロペンタジエンジオキシド及び3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジエポキシド及びヒドロキノンビスグリシジルエーテルが挙げられる。
本発明の方法に従って使用するエポキシドの量はホスファイト配位子含有触媒の分解を引き起こす強酸と相互作用するのに充分な量でなければならない。好ましくは、エポキシドの量は、強酸性副生成物の濃度を、配位子の急速な分解を引き起こす閾値レベル未満、好ましくは0.2ミリ当量/リットル未満に保持するのに充分な量である。望ましくは、エポキシドの添加量は強酸性副生成物の濃度を0.15ミリ当量/リットル未満に保持するのに充分な量である。
本発明に使用するヒドロホルミル化反応混合物中のエポキシドの適当な濃度は典型的には反応混合物の総重量の約0.001〜約1.0重量%、好ましくは約0.01〜約0.8重量%である。望ましくは、最大エポキシド濃度は、実用的考慮事項、例えばエポキシドのコスト、過剰のエポキシドによる不所望な副作用(例えばアセタール及びポリエーテル副生成物の形成、並びに過剰のエポキシドによる目的生成物の起こり得る汚染)の回避によって制限される。エポキシドの濃度は、好ましくはホスファイトの分解の間に形成される各強酸分子とエポキシドが相互作用するのに必要な化学量論的濃度に等しく、より好ましくはそれより若干高い。典型的には、亜燐酸及びフッ化水素酸分子それぞれと相互作用するにはエポキシド基が1つ必要である。過剰のエポキシドは典型的には有害ではなく、エポキシドの化学量論的欠乏は本発明の有効性を制限するだけである。
本明細書中で使用する「強酸」は、水中の解離定数、pKaが4.5未満である任意の酸である。オキソ反応混合物中の強酸性材料の濃度を測定するための適当な方法は以下の通りである:
この分析は、pHに基づく電位差滴定を、有機溶液中に存在する強酸性材料と選択的に反応する2−エチルヘキサン酸ナトリウム水溶液を用いた制御抽出と併用する。基本的な計算法は、所定のサンプル中に存在する強酸の量によって中和される2−エチルヘキサン酸ナトリウムの量を求めるものであり、その値を用いて、サンプル中に存在する酸の濃度を求める。
例えば水性2−エチルヘキサン酸ナトリウムの原液は、固体2−エチルヘキサン酸ナトリウム0.837gを脱イオン水0.500リットルに添加することによって製造した。この材料は、試薬用メタノール50ml中に、原液の2.0mlのサンプルを溶解させ、そして標定された0.005N塩酸水溶液で滴定することによって、標準電位差滴定法によって標定した。2−エチルヘキサン酸ナトリウムの濃度は0.0082ミリ当量/ミリリットルであった。この規定度がNinitである。
抽出及び分析は以下の方法で行った。触媒の取り扱い及び抽出は、窒素ボックスのような不活性雰囲気下で実施する。清浄な250mlガラス分液漏斗に触媒溶液の50.0mlのサンプルを装填した。これに、試薬用n−ヘプタン25ml及び前記の標定2−エチルヘキサン酸ナトリウム溶液10.0mlを添加した。この混合物を2分間激しく振盪し、2つの透明な相を分離させた。下層の水相を排出し、清浄なガラス瓶中に回収した。この水性抽出物2mlを試薬用メタノール50mlに添加した。これを、標定された0.005N塩酸水溶液で電位差滴定して、水相中の2−エチルヘキサン酸ナトリウムの最終濃度を求めた。0.0067meq/リットルの最終濃度がNfinalである。以下の計算を用いて、この反応器サンプル中の強酸の濃度をミリ当量(meq)/リットルで計算した。
((Ninit−Nfinal)×10ml(抽出物)×1000ml/リットル)/50ml(サンプル)=0.30meq H+/L
本発明の方法において、エポキシドを反応器に添加し、任意の都合の良い方法を用いて反応混合物中に充分に混合させる。エポキシドは、反応体流もしくは溶媒補充流のいずれかと混合するか又はそれに溶解させることもできるし、あるいはエポキシドは定期的に別個に反応混合物中に添加することもできる。エポキシドは長時間の運転時間にわたって、少量で反応混合物に添加できる。このようにして、定常運転の間に配位子を安定化させるのに有効なエポキシド濃度が達成され、エポキシドは亜燐酸の形成時に亜燐酸と反応することによって消費される。エポキシドはまた、必要とされるよりも高濃度で開始し且つエポキシドを添加せずに一定期間により典型的な濃度まで濃度を低下させることによって長期間の安定効果を達成するという意図で、より高濃度で断続的に添加することもできる。
本発明には、ヒドロホルミル化プロセスに悪影響を与えず且つ触媒、オレフィン、水素及び一酸化炭素供給材料並びにヒドロホルミル化生成物に不活性な適当な溶媒を使用できる。この性質を有する不活性溶媒は、当業者にはよく知られており、その例としては、ベンゼン、キシレン、トルエン及びそれらの置換誘導体;ペンタン、ナフサ、ケロセン、鉱油、シクロヘキサン、シクロペンタン、エーテル、エステル、エーテルエステル、アルコール、アセタール、ケトン、水並びにそれらの種々の混合物のような溶媒が挙げられる。揮発性アルデヒドを形成するためのヒドロホルミル化反応に好ましい溶媒としては、ジオクチルフタレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート及びその異性体のような化合物、並びに次の蒸留カラムの底部に高沸点液体として貯留されるアルコール、エステル、アセタール及びヒドロキシアルデヒドのようなヒドロホルミル化反応の副生成物が挙げられる。揮発性の少ないアルデヒド生成物及び不揮発性アルデヒド生成物に好ましい溶媒又は溶媒の組合せとしては、1−メチル−2−ピロリジノン、ジメチルホルムアミド、過フッ素化溶媒、例えばペルフルオロケロセン、スルホラン、水及び高沸点炭化水素液体並びにこれらの溶媒の組合せが挙げられる。
使用反応条件はこの方法の操作には重要ではなく、通常は従来のヒドロホルミル化条件を使用する。この方法は前記触媒系及びエポキシドの存在下でオレフィンを水素及び一酸化炭素と接触させることを必要とする。
ヒドロホルミル化に使用できるオレフィンとしては、炭素数約40以下の脂肪族(エチレン性不飽和低分子量ポリマーを含む)、脂環式、芳香族及び複素環式モノ−、ジ−並びにトリ−オレフィンが挙げられる。本方法に使用できる脂肪族オレフィンの例としては、炭素数約20以下の直鎖及び分岐鎖、非置換及び置換脂肪族モノ−α−オレフィン並びに典型的には炭素数が5〜5,000の範囲の非共役ポリオレフィン、例えばポリブタジエンが挙げられ、これらはいずれも場合によっては、ヒドロホルミル化プロセスを妨げない基又は置換基を含む。このような置換基としては、エーテル、エステル、アミド、アセタール、ケタール、第三アミン、ケトン、アルデヒド、ニトリル、アルコール及びカルボン酸が挙げられる。
アリルアルコール、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、酢酸メチル、4−ヒドロキシブテン−1のような置換オレフィンを本発明に使用できる。他の供給原料には、分岐鎖オレフィン、例えばイソブテン、シス−2−ブテンがある。1,7−オクタジエンなどのようなジオレフィンも、2個の炭素−炭素二重結合が共役していなければ、ジアルデヒド生成物の調製に使用できる。ノルマル、即ち直鎖アルデヒド生成物は、内部オレフィンの混合物のヒドロホルミル化によって形成できる。例えばシス及びトランス2−オクテンの混合物のホルミル化はn−ノニルアルデヒドを含む生成物混合物を生成することが判明した。
オレフィンの混合物もまた本発明の実施に使用できる。混合物は、n−オクテンの混合物のような同じ炭素数のものでもよいし、あるいはある範囲の数種の炭素数のオレフィンの混合物を含むであろう精製蒸留留分であることもできる。
反応混合物中に存在するオレフィンの量は重要ではない。例えば比較的高沸点のオレフィン、例えば1−オクテンは、オレフィン反応体及びプロセス溶媒の両者の役割をすることができる。プロピレンのような気体オレフィン供給原料のヒドロホルミル化においては、反応器中の蒸気空間の分圧は、典型的には、約0.07〜35バール(絶対)の範囲である。実際には、反応の速度は、反応器中の高濃度のオレフィンによって促進される。プロピレンのヒドロホルミル化においては、プロピレンの分圧は、好ましくは1.4バールより大きく、例えば約1.4〜10バール(絶対)である。エチレンのヒドロホルミル化の場合には、反応器において好ましいエチレン分圧は0.14バール(絶対)より大きい。
本発明方法を約20〜200℃の範囲の温度において実施できる場合には、好ましいヒドロホルミル化反応温度は50〜135℃であり、最も好ましい反応温度は75〜125℃である。これより高い反応器温度は、触媒分解速度を増大するので好ましくなく、これより低い反応器温度は相対的に遅い反応速度を生じる。全反応圧は、約周囲圧力又は大気圧〜70バール(絶対)(約1000psig)であることができる。好ましくは、全反応圧は約8〜28バール(絶対)(約100〜400psig)である。
更に、反応器中の水素:一酸化炭素のモル比は、10:1から1:10まで、かなり変化することができ、水素及び一酸化炭素の絶対分圧の合計は0.3〜36バール(絶対)であることができる。供給材料中の水素対一酸化炭素の比の分圧は、望ましい直鎖:分岐鎖異性体比に従って選択する。一般に、反応器中の水素及び一酸化炭素の分圧は各気体に関して約1.4〜13.8バール(絶対)(約20〜200psia)の範囲内に保持する。反応器中の一酸化炭素の分圧は約1.4〜13.8バール(絶対)(約20〜200psia)の範囲内に保持し、水素分圧とは独立して変化させる。水素対一酸化炭素のモル比は水素及び一酸化炭素に関するこれらの分圧の範囲内で広範囲に変化させることができる。水素対一酸化炭素の比及び合成ガス(syngas:一酸化炭素及び水素)中のそれぞれの分圧は、合成ガス流に水素又は一酸化炭素を添加することによって容易に変化させることができる。本発明者らは、本明細書中に記載したフルオロホスファイト配位子を用いれば、反応器中の一酸化炭素の分圧を変えることによって、直鎖生成物対分岐鎖生成物の比を広範囲に変化できることを見い出した。
本発明の方法の実施に当たっては、公知ヒドロホルミル化反応器の設計又は構造のいずれかを使用できる。従って、気体散布式蒸気引き取り反応器(gas−sparged,vapor take−off reactor)の設計を使用できる。この運転方式では、加圧下で高沸点有機溶媒中に溶解された溶媒は反応ゾーンから出ず、アルデヒド生成物は未反応気体によって頭上に運ばれる。次に、頭上の気体は気液分離装置中で冷却されて、アルデヒド生成物が液化され、気体は反応器に再循還されることができる。液体生成物は、常法による分離及び精製のために大気圧まで下げられる。この方法は又、オートクレーブ中でオレフィン、水素及び一酸化炭素を本触媒と接触させることによって回分式で実施することもできる。
触媒及び供給原料が反応器中に注ぎ込まれ且つ生成物アルデヒドと共にオーバーフローさせられる反応器の設計、即ち、液体オーバーフロー反応器設計もまた適当である。例えば、ノニルアルデヒドのような高沸点アルデヒド生成物は連続的に製造され、アルデヒド製品は液体として触媒と共に反応ゾーンから除去されることができる。アルデヒド製品が、蒸留又は抽出のような常法によって触媒から分離されてから、触媒は反応器に再循還されることができる。アリルアルコールのヒドロホルミル化によって得られるヒドロキシブチルアルデヒド生成物のような水溶性アルデヒド生成物は、抽出法によって触媒から分離できる。トリクルベッド反応器設計もまた本方法に適当である。他の反応器方式を本発明に関して使用できることは当業者には明らかであろう。
本発明を、以下の具体的実施例によって更に詳細に説明する。この実施例は実例となる実施態様であり、本発明を限定することを目的とせず、むしろ、添付した「特許請求の範囲」の範囲及び内容の中で広義に解釈するべきであることを理解されたい。
アルデヒドを製造するためのα−オレフィンの連続ヒドロホルミル化法において、第VIII族金属から選ばれた遷移金属及び1種又はそれ以上のフルオロホスファイト化合物を有する触媒を製造した。触媒及びフルオロホスファイト化合物は、米国特許第5,840,647号の教示に従って製造した。
連続プロセスを開始し、強酸及びHF生成の存在がアルデヒドの製造に弊害をもたらすようになるまで、約29日間エポキシドは存在させずに実施した。1日当たりのHF生成量も前の10日間で0.46g/日から0.57g/日まで増加した。
30日目に、エポキシド(1,2−エポキシドデカン)を反応器に添加して、反応器中のエポキシドのレベルを約0.10重量%に上昇させ、然る後に反応器中のエポキシドレベルを総反応混合物の約0.05〜約0.2重量%未満に保持するためにエポキシドを連続的に添加した。エポキシド添加の結果を以下の表Iに示す。
Figure 0004426283
Figure 0004426283
前記データが示すように、HF生成量は次の40日間にわたってかなり減少し、HF日産量は約33%減少した。更に重要なことは、反応器中にエポキシドを0.10重量%の少量を用いて、反応器は安定して運転され続けたことである。
前記データは更に以下のことを示している:1)エポキシドの添加はHF及び強酸の両者の生成を減少させ;2)反応器中に低レベルのエポキシドを保持するためのエポキシドの連続添加は、フルオロホスファイト配位子の自触媒分解を起こすことなく、強酸及びHFを扱いやすい定常レベルに保ち;且つ3)全ての強酸の完全除去は定常運転には必要ない。
本発明を詳細に説明したが、当業者ならば、本明細書中に開示し且つ説明した本発明の範囲及び精神から逸脱しなければ本発明の種々の側面に修正が可能なことがわかるであろう。従って、本発明の範囲は、例示し且つ説明した具体的実施態様に限定されるのではなく、添付した「特許請求の範囲」及びその相当物によって決定されるものとする。更に、本明細書中に提示した全ての特許、特許出願、公報及び参考文献は参照することによって、本発明の実施に関する全ての開示について本明細書中にそっくりそのまま取り入れるものとする。
以下に、本発明の態様を列挙する。
態様1.第VIII族金属から選ばれた遷移金属化合物と一般式:
Figure 0004426283
(式中、R 1 及びR 2 は総炭素数が40以下のヒドロカルビル基である)
を有する1種又はそれ以上のフルオロホスファイト化合物との組合せを含んでなる触媒組成物を含む反応混合物を有するヒドロホルミル化方法であって、前記反応混合物にエポキシドを添加することによって前記フルオロホスファイト化合物を安定化させたことで改良されたヒドロホルミル化方法。
態様2.前記第VIII族金属化合物が四酢酸二ロジウム二水和物、酢酸ロジウム(II)、イソ酪酸ロジウム(II)、2−エチルヘキサン酸ロジウム(II)、安息香酸ロジウム(II)、オクタン酸ロジウム(II)、Rh 4 (CO) 12 、Rh 6 (CO) 16 及びロジウム(I)アセチルアセトネートジカルボニルからなる群から選ばれる態様1に記載の方法。
態様3.R 1 及びR 2 が、独立に、炭素数40以下のアルキル、シクロアルキル及びアリール基からなる群から選ばれる態様2に記載の方法。
態様4.R 1 及びR 2 が、独立に、エチル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、フェニル、ナフチル及びアントラセニルからなる群から選ばれる態様3に記載の方法。
態様5.前記アルキル及びシクロアルキル基がアルコキシ、シクロアルコキシ、ホルミル、アルカノイル、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アロイル、カルボキシル、カルボン酸塩、アルコキシカルボニル、アルカノイルオキシ、シアノ、スルホン酸及びスルホン酸塩からなる群から選ばれた2個以下の置換基で置換されている態様4に記載の方法。
態様6.R 1 及び/又はR 2 が、独立に、式:
Figure 0004426283
Figure 0004426283
Figure 0004426283
(式中、R 3 及びR 4 は、独立に、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、シクロアルコキシ、ホルミル、アルカノイル、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アロイル、カルボキシル、カルボン酸塩、アルコキシカルボニル、アルカノイルオキシ、シアノ、スルホン酸及びスルホン酸塩からなる群から選ばれ、アルキル、アルコキシ、アルカノイル、アルコキシカルボニル及びアルカノイルオキシ基のアルキル部分が8個以下の炭素原子を含み、m及びnは、独立に、0、1又は2である)
を有する基から選ばれ;R 1 及びR 2 によって表されるヒドロカルビル基の総炭素数が2〜35であり;フルオロホスファイト配位子(グラムモル)対ロジウム(グラム原子)の比が1:1〜70:1である態様1に記載の方法。
態様7.R 1 及びR 2 が一緒になって炭素数2〜12のアルキレン、シクロヘキシレン及びアリーレンからなる群から選ばれた炭素数40以下の二価ヒドロカルビレン基を表す態様1に記載の方法。
態様8.前記アルキレンがエチレン、トリメチレン、1,3−ブタンジイル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジイル、1,1,2−トリフェニルエタンジイル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジイル及び1,2−シクロヘキシレンからなる群から選ばれる態様7に記載の方法。
態様9.前記R 1 及びR 2 が一緒に式:
Figure 0004426283
Figure 0004426283
Figure 0004426283
(R 3 及びR 4 は、独立に、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、シクロアルコキシ、ホルミル、アルカノイル、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アロイル、カルボキシル、カルボン酸塩、アルコキシカルボニル、アルカノイルオキシ、シアノ、スルホン酸及びスルホン酸塩(前記アルキル、アルコキシ、アルカノイル、アルコキシカルボニル及びアルカノイルオキシ基のアルキル部分は炭素数が8以下である)からなる群から選ばれ;p及びqは、独立に、0、1又は2である)
又は式:
Figure 0004426283
(式中、A 1 及びA 2 は、独立に、前記式(V)、(VI)又は(VII)を有するアリーレン基であり、フルオロホスファイト(I)の各エステル酸素原子はA 1 及びA 2 の環炭素原子に結合し;Xは、(i)A 1 及びA 2 の環炭素原子の間の化学結合であるか、又は(ii)酸素原子、式−(CH 2 y −(式中、yは2である)を有する基若しくは式:
Figure 0004426283
(式中、R 5 は水素、アルキル並びに式(II)、(III)及び(IV)を有するアリールからなる群から選ばれ;R 6 は水素及びアルキルからなる群から選ばれ;−C(R 5 )(R 6 )−は1〜8個の炭素原子を有する)
を有する基である)
を有する基を表す態様7に記載の方法。
態様10.前記フルオロホスファイト配位子が式:
Figure 0004426283
(式中、R 7 は炭素数3〜8のアルキルであり;R 8 は水素、炭素数1〜8のアルキル及び炭素数1〜8のアルコキシからなる群から選ばれ;Xは(i)Xが結合した各フェニレン基の環炭素原子環の化学結合であるか、又は(ii)式:
Figure 0004426283
(式中、R 5 及びR 6 は、独立に、水素及び炭素数1〜8のアルキルからなる群から選ばれる)
を有する基である)
を有する態様1に記載の方法。
態様11.前記エポキシドが、式:
Figure 0004426283
(式中、aは0又は1であり;bは0又は1であり;R 11 〜R 16 は、独立に、水素;炭素数1〜30のアルキル、アリール、アルアルキル及びアルカリール基;炭素数1〜30の置換アルキル、アリール、アルアルキル及びアルカリール基;並びにR 11 〜R 16 基の2つ又はそれ以上が結合して炭素数30以下の環状構造を形成する基からなる群から選ばれ;Xは、30個以下の炭素原子、−O−、−S−、−NR 19 −、−SiR 20 21 及び−CO−を有する置換若しくは非置換アルキレン、アリーレン、アルアルキレン及びアルカリーレン基からなる群から選ばれる二価架橋基であり、各基R 19 、R 20 及びR 21 はそれぞれH及びアルキル基からなる群から選ばれる)
を有する態様1に記載の方法。
態様12.前記エポキシドが式:
Figure 0004426283
(式中、R 11 〜R 14 は、独立に、水素;炭素数1〜30のアルキル、アリール、アルアルキル及びアルカリール基;並びに炭素数1〜30の置換アルキル、アリール、アルアルキル及びアルカリール基からなる群から選ばれる)
を有する態様1に記載の方法。
態様13.環状構造の少なくとも1つの環がR 11 及びR 12 基の1つとR 13 及びR 14 基の1つとの結合によって形成される態様12に記載の方法。
態様14.前記エポキシドが1,2−シクロヘキセンオキシド;スチレンオキシド;プロピレンオキシド;1,2−エポキシオクタン;1,2−エポキシデカン;1,2−エポキシドデカン;1,2−エポキシヘキサデカンオキシド;1,2−エポキシオクタデカン;エチレンオキシド;1,2−シクロドデセンオキシド;スチルベンオキシド;イソブチレンオキシド;2,3−エポキシブタン;1,2−エポキシブタン;1,2−エポキシヘキサン;1,2−エポキシドデカン;シクロペンテンオキシド;シクロオクテンオキシド;シクロデセンオキシド;1,2−エポキシ−3−フェノキシ−プロパン;β−ピネンオキシド;1,3−ブタジエンジエポキシド;1,2,7,8−ジエポキシオクタン;ジエポキシシクロオクタン;ジシクロペンタジエンジオキシド;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート;ビニルシクロヘキセンジエポキシド;及びヒドロキノンビスグリシジルエーテルからなる群から選ばれる態様1に記載の方法。
態様15.α−オレフィン、水素、一酸化炭素及びロジウム含有化合物と一般式:
Figure 0004426283
(式中、R 1 及びR 2 は総炭素数40以下のヒドロカルビル基である)
を有する1種又はそれ以上のフルオロホスファイト化合物との組合せを含む触媒組成物を含むヒドロホルミル化反応混合物中においてフルオロホスファイト配位子を安定化させる方法であって、前記反応混合物に前記反応混合物の総重量に基づき0.001〜1.0重量%のエポキシドを添加することを含んでなる方法。
態様16.前記ロジウム含有化合物が四酢酸二ロジウム二水和物、酢酸ロジウム(II)、イソ酪酸ロジウム(II)、2−エチルヘキサン酸ロジウム(II)、安息香酸ロジウム(II)、オクタン酸ロジウム(II)、Rh 4 (CO) 12 、Rh 6 (CO) 16 及びロジウム(I)アセチルアセトネートジカルボニルからなる群から選ばれる態様15に記載の方法。
態様17.R 1 及びR 2 が、独立に、エチル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、フェニル、ナフチル、アントラセニル及び式:
Figure 0004426283
Figure 0004426283
Figure 0004426283
(式中、R 3 及びR 4 は、独立に、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、シクロアルコキシ、ホルミル、アルカノイル、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アロイル、カルボキシル、カルボン酸塩、アルコキシカルボニル、アルカノイルオキシ、シアノ、スルホン酸及びスルホン酸塩からなる群から選ばれ、アルキル、アルコキシ、アルカノイル、アルコキシカルボニル及びアルカノイルオキシ基のアルキル部分が8個以下の炭素原子を含み、m及びnは、独立に、0、1又は2である)
を有するアリール基からなる群から選ばれ;R 1 及びR 2 によって表されるヒドロカルビル基の総炭素数が2〜35であり;フルオロホスファイト配位子(グラムモル)対ロジウム(グラム原子)の比が1:1〜70:1である態様15に記載の方法。
態様18.R 1 及びR 2 が結合して、エチレン、トリメチレン、1,3−ブタンジイル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジイル、1,1,2−トリフェニルエタンジイル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジイル及び1,2−シクロヘキシレン、シクロヘキシレン、及び式:
Figure 0004426283
Figure 0004426283
Figure 0004426283
(式中、R 3 及びR 4 は、独立に、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、シクロアルコキシ、ホルミル、アルカノイル、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アロイル、カルボキシル、カルボン酸塩、アルコキシカルボニル、アルカノイルオキシ、シアノ、スルホン酸及びスルホン酸塩(前記アルキル、アルコキシ、アルカノイル、アルコキシカルボニル及びアルカノイルオキシ基のアルキル部分は8個以下の炭素原子を含む)からなる群から選ばれ;p及びqは、独立に、0、1又は2である)
を有するアリーレン基又は式:
Figure 0004426283
(式中、A 1 及びA 2 は、独立に、前記式(V)、(VI)又は(VII)を有するアリーレン基であり、フルオロホスファイト(I)の各エステル酸素原子がA 1 及びA 2 の環炭素原子に結合し;Xは、(i)A 1 及びA 2 の環炭素原子の間の化学結合であるか又は(ii)酸素原子、式−(CH 2 y −(式中、yは2である)を有する基若しくは式:
Figure 0004426283
(式中、R 5 は水素、アルキル並びに式(II)、(III)及び(IV)を有するアリールからなる群から選ばれ;R 6 は水素及びアルキルからなる群から選ばれ;−C(R 5 )(R 6 )−は1〜8個の炭素原子を有する)
を有する基である)
を有する基からなる群から選ばれる態様15に記載の方法。
態様19.前記エポキシドが、式:
Figure 0004426283
(式中、aは0又は1であり;bは0又は1であり;R 11 〜R 16 は、独立に、水素;炭素数1〜30のアルキル、アリール、アルアルキル及びアルカリール基;炭素数1〜30の置換アルキル、アリール、アルアルキル及びアルカリール基;並びにR 11 〜R 16 基の2つ又はそれ以上が結合して炭素数30以下の環状構造を形成する基からなる群から選ばれ;Xは、30個以下の炭素原子、−O−、−S−、−NR 19 −、−SiR 20 21 及び−CO−を有する置換若しくは未置換アルキレン、アリーレン、アルアルキレン及びアルカリーレン基からなる群から選ばれた二価架橋基であり、各基R 19 、R 20 及びR 21 は、それぞれ、H及びアルキル基からなる群から選ばれる)
を有する態様15に記載の方法。
態様20.前記エポキシドが式:
Figure 0004426283
(式中、R 11 〜R 14 は、独立に、水素;炭素数1〜30のアルキル、アリール、アルアルキル及びアルカリール基;並びに炭素数1〜30の置換アルキル、アリール、アルアルキル及びアルカリール基からなる群から選ばれる)
を有する態様15に記載の方法。
態様21.環状構造中の少なくとも1つの環がR 11 及び及びR 12 基の1つとR 13 及びR 14 基の1つとの結合によって形成される態様20に記載の方法。
態様22.前記エポキシドが1,2−シクロヘキセンオキシド;スチレンオキシド;プロピレンオキシド;1,2−エポキシオクタン;1,2−エポキシデカン;1,2−エポキシドデカン;1,2−エポキシヘキサデカンオキシド;1,2−エポキシオクタデカン;エチレンオキシド;1,2−シクロドデセンオキシド;スチルベンオキシド;イソブチレンオキシド;2,3−エポキシブタン;1,2−エポキシブタン;1,2−エポキシヘキサン;1,2−エポキシドデカン;シクロペンテンオキシド;シクロオクテンオキシド;シクロデセンオキシド;1,2−エポキシ−3−フェノキシ−プロパン;β−ピネンオキシド;1,3−ブタジエンジエポキシド;1,2,7,8−ジエポキシオクタン;ジエポキシシクロオクタン;ジシクロペンタジエンジオキシド;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3.4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート;ビニルシクロヘキセンジエポキシド;及びヒドロキノンビスグリシジルエーテルからなる群から選ばれる態様15に記載の方法。
態様23.前記反応混合物中のエポキシドの量が前記反応混合物の総重量に基づき0.01〜0.8重量%である態様15に記載の方法。
態様24.α−オレフィン、水素、一酸化炭素及びロジウム含有化合物と一般式:
Figure 0004426283
を有する1種又はそれ以上のフルオロホスファイト化合物との組合せを含む触媒組成物を含むヒドロホルミル化反応混合物中においてフルオロホスファイト配位子を安定化させる方法であって、
前記反応混合物に前記反応混合物の総重量に基づき0.001〜1.0重量%のエポキシドを添加することを含んでなり、且つ
a)R 1 及びR 2 は、独立に、エチル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、フェニル、ナフチル、アントラセニル及び式:
Figure 0004426283
Figure 0004426283
Figure 0004426283
(式中、R 3 及びR 4 は、独立に、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、シクロアルコキシ、ホルミル、アルカノイル、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アロイル、カルボキシル、カルボン酸塩、アルコキシカルボニル、アルカノイルオキシ、シアノ、スルホン酸及びスルホン酸塩からなる群から選ばれ、アルキル、アルコキシ、アルカノイル、アルコキシカルボニル及びアルカノイルオキシ基のアルキル部分が8個以下の炭素原子を含み、m及びnは、独立に、0、1又は2である)
を有するアリール基からなる群から選ばれ;R 1 及びR 2 によって表されるヒドロカルビル基の総炭素数が2〜35であり;フルオロホスファイト配位子(グラムモル)対ロジウム(グラム原子)の比が1:1〜70:1であるか;又は
b)R 1 及びR 2 が結合して、エチレン、トリメチレン、1,3−ブタンジイル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジイル、1,1,2−トリフェニルエタンジイル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジイル及び1,2−シクロヘキシレン、シクロヘキシレン、及び式:
Figure 0004426283
Figure 0004426283
Figure 0004426283
(式中、R 3 及びR 4 は、独立に、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、シクロアルコキシ、ホルミル、アルカノイル、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アロイル、カルボキシル、カルボン酸塩、アルコキシカルボニル、アルカノイルオキシ、シアノ、スルホン酸及びスルホン酸塩(このようなアルキル、アルコキシ、アルカノイル、アルコキシカルボニル及びアルカノイルオキシ基のアルキル部分は8個以下の炭素原子を含む)からなる群から選ばれ;p及びqは、独立に、0、1又は2である)
を有するアリーレン基又は式:
Figure 0004426283
(式中、A 1 及びA 2 は、独立に、前記式(V)、(VI)又は(VII)を有するアリーレン基であり、フルオロホスファイト(I)の各エステル酸素原子がA 1 及びA 2 の環炭素原子に結合し;Xは、(i)A 1 及びA 2 の環炭素原子の間の化学結合であるか、又は(ii)酸素原子、式−(CH 2 y −(式中、yは2である)を有する基若しくは式:
Figure 0004426283
(式中、R 5 は水素、アルキル並びに式(II)、(III)及び(IV)を有するアリールからなる群から選ばれ;R 6 は水素及びアルキルからなる群から選ばれ;−C(R 5 )(R 6 )−は1〜8個の炭素原子を有する)
を有する基である)
を有する基からなる群から選ばれる
方法。
態様25.前記エポキシドが式:
Figure 0004426283
(式中、aは0又は1であり;bは0又は1であり;R 11 〜R 16 は、独立に、水素;炭素数1〜30のアルキル、アリール、アルアルキル及びアルカリール基;炭素数1〜30の置換アルキル、アリール、アルアルキル及びアルカリール基;並びにR 11 〜R 16 基の2つ又はそれ以上が結合して炭素数30以下の環状構造を形成する基からなる群から選ばれ;Xは30個以下の炭素原子、−O−、−S−、−NR 19 −、−SiR 20 21 及び−CO−を有する置換若しくは非置換アルキレン、アリーレン、アルアルキレン及びアルカリーレン基からなる群から選ばれた二価架橋基であり、各基R 19 、R 20 及びR 21 は、それぞれ、H及びアルキル基からなる群から選ばれる)
を有する態様24に記載の方法。
態様26.前記エポキシドが式:
Figure 0004426283
(式中、R 11 〜R 14 は、独立に、水素;炭素数1〜30のアルキル、アリール、アルアルキル及びアルカリール基;並びに炭素数1〜30の置換アルキル、アリール、アルアルキル及びアルカリール基からなる群から選ばれる)
を有する態様24に記載の方法。

Claims (22)

  1. 第VIII族金属から選ばれた遷移金属化合物と一般式:
    Figure 0004426283
    (式中、R1及びR2は総炭素数が40以下のヒドロカルビル基である)
    を有する1種又はそれ以上のフルオロホスファイト化合物との組合せを含んでなる触媒組成物を含む反応混合物を有するヒドロホルミル化方法であって、前記反応混合物に式(IX)で表されるエポキシド
    Figure 0004426283
    (式中、R 11 〜R 14 は、独立に、水素及び炭素数1〜30のアルキルから選ばれる)
    を添加することによって前記フルオロホスファイト化合物を安定化させたことで改良されたオレフィンのヒドロホルミル化方法。
  2. 前記第VIII族金属化合物が四酢酸二ロジウム二水和物、酢酸ロジウム(II)、イソ酪酸ロジウム(II)、2−エチルヘキサン酸ロジウム(II)、安息香酸ロジウム(II)、オクタン酸ロジウム(II)、Rh4(CO)12、Rh6(CO)16及びロジウム(I)アセチルアセトネートジカルボニルからなる群から選ばれる請求項1に記載の方法。
  3. 1及びR2が、独立に、炭素数40以下のアルキル、シクロアルキル及びアリール基からなる群から選ばれる請求項2に記載の方法。
  4. 1及びR2が、独立に、エチル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、フェニル、ナフチル及びアントラセニルからなる群から選ばれる請求項3に記載の方法。
  5. 前記アルキル及びシクロアルキル基がアルコキシ、シクロアルコキシ、ホルミル、アルカノイル、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アロイル、カルボキシル、カルボン酸塩、アルコキシカルボニル、アルカノイルオキシ、シアノ、スルホン酸及びスルホン酸塩からなる群から選ばれた2個以下の置換基で置換されている請求項4に記載の方法。
  6. 1及び/又はR2が、独立に、式:
    Figure 0004426283
    Figure 0004426283
    Figure 0004426283
    (式中、R3及びR4は、独立に、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、シクロアルコキシ、ホルミル、アルカノイル、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アロイル、カルボキシル、カルボン酸塩、アルコキシカルボニル、アルカノイルオキシ、シアノ、スルホン酸及びスルホン酸塩からなる群から選ばれ、アルキル、アルコキシ、アルカノイル、アルコキシカルボニル及びアルカノイルオキシ基のアルキル部分が8個以下の炭素原子を含み、m及びnは、独立に、0、1又は2である)
    を有する基から選ばれ;R1及びR2によって表されるヒドロカルビル基の総炭素数が2〜35であり;フルオロホスファイト配位子(グラムモル)対ロジウム(グラム原子)の比が1:1〜70:1である請求項1に記載の方法。
  7. 1及びR2が一緒になって炭素数2〜12のアルキレン、シクロヘキシレン及びアリーレンからなる群から選ばれた炭素数40以下の二価ヒドロカルビレン基を表す請求項1に記載の方法。
  8. 前記アルキレンがエチレン、トリメチレン、1,3−ブタンジイル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジイル、1,1,2−トリフェニルエタンジイル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジイル及び1,2−シクロヘキシレンからなる群から選ばれる請求項7に記載の方法。
  9. 前記R1及びR2が一緒に式:
    Figure 0004426283
    Figure 0004426283
    Figure 0004426283
    (R3及びR4は、独立に、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、シクロアルコキシ、ホルミル、アルカノイル、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アロイル、カルボキシル、カルボン酸塩、アルコキシカルボニル、アルカノイルオキシ、シアノ、スルホン酸及びスルホン酸塩(前記アルキル、アルコキシ、アルカノイル、アルコキシカルボニル及びアルカノイルオキシ基のアルキル部分は炭素数が8以下である)からなる群から選ばれ;p及びqは、独立に、0、1又は2である)
    又は式:
    Figure 0004426283
    (式中、A1及びA2は、独立に、前記式(V)、(VI)又は(VII)を有するアリーレン基であり、フルオロホスファイト(I)の各エステル酸素原子はA1及びA2の環炭素原子に結合し;Xは、(i)A1及びA2の環炭素原子の間の化学結合であるか、又は(ii)酸素原子、式−(CH2y−(式中、yは2である)を有する基若しくは式:
    Figure 0004426283
    (式中、R5は水素、アルキル並びに式(II)、(III)及び(IV)を有するアリールからなる群から選ばれ;R6は水素及びアルキルからなる群から選ばれ;−C(R5)(R6)−は1〜8個の炭素原子を有する)
    を有する基である)
    を有する基を表す請求項7に記載の方法。
  10. 前記フルオロホスファイト配位子が式:
    Figure 0004426283
    (式中、R7は炭素数3〜8のアルキルであり;R8は水素、炭素数1〜8のアルキル及び炭素数1〜8のアルコキシからなる群から選ばれ;Xは(i)Xが結合した各フェニレン基の環炭素原子環の化学結合であるか、又は(ii)式:
    Figure 0004426283
    (式中、R5及びR6は、独立に、水素及び炭素数1〜8のアルキルからなる群から選ばれる)
    を有する基である)
    を有する請求項1に記載の方法。
  11. 前記エポキシドが1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシドデカン及び1,2−エポキシオクタデカンからなる群から選ばれる請求項1に記載の方法。
  12. 前記エポキシドが1,2−エポキシドデカンである請求項1に記載の方法
  13. α−オレフィン、水素、一酸化炭素及びロジウム含有化合物と一般式:
    Figure 0004426283
    (式中、R1及びR2は総炭素数40以下のヒドロカルビル基である)
    を有する1種又はそれ以上のフルオロホスファイト化合物との組合せを含む触媒組成物を含むヒドロホルミル化反応混合物中においてフルオロホスファイト配位子を安定化させる方法であって、前記反応混合物に前記反応混合物の総重量に基づき0.001〜1.0重量%の式(IX)で表されるエポキシド
    Figure 0004426283
    (式中、R 11 〜R 14 は、独立に、水素及び炭素数1〜30のアルキルから選ばれる)
    を添加することを含んでなる方法。
  14. 前記ロジウム含有化合物が四酢酸二ロジウム二水和物、酢酸ロジウム(II)、イソ酪酸ロジウム(II)、2−エチルヘキサン酸ロジウム(II)、安息香酸ロジウム(II)、オクタン酸ロジウム(II)、Rh4(CO)12、Rh6(CO)16及びロジウム(I)アセチルアセトネートジカルボニルからなる群から選ばれる請求項13に記載の方法。
  15. 1及びR2が、独立に、エチル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、フェニル、ナフチル、アントラセニル及び式:
    Figure 0004426283
    Figure 0004426283
    Figure 0004426283
    (式中、R3及びR4は、独立に、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、シクロアルコキシ、ホルミル、アルカノイル、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アロイル、カルボキシル、カルボン酸塩、アルコキシカルボニル、アルカノイルオキシ、シアノ、スルホン酸及びスルホン酸塩からなる群から選ばれ、アルキル、アルコキシ、アルカノイル、アルコキシカルボニル及びアルカノイルオキシ基のアルキル部分が8個以下の炭素原子を含み、m及びnは、独立に、0、1又は2である)
    を有するアリール基からなる群から選ばれ;R1及びR2によって表されるヒドロカルビル基の総炭素数が2〜35であり;フルオロホスファイト配位子(グラムモル)対ロジウム(グラム原子)の比が1:1〜70:1である請求項13に記載の方法。
  16. 1及びR2が結合して、エチレン、トリメチレン、1,3−ブタンジイル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジイル、1,1,2−トリフェニルエタンジイル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジイル及び1,2−シクロヘキシレン、シクロヘキシレン、及び式:
    Figure 0004426283
    Figure 0004426283
    Figure 0004426283
    (式中、R3及びR4は、独立に、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、シクロアルコキシ、ホルミル、アルカノイル、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アロイル、カルボキシル、カルボン酸塩、アルコキシカルボニル、アルカノイルオキシ、シアノ、スルホン酸及びスルホン酸塩(前記アルキル、アルコキシ、アルカノイル、アルコキシカルボニル及びアルカノイルオキシ基のアルキル部分は8個以下の炭素原子を含む)からなる群から選ばれ;p及びqは、独立に、0、1又は2である)
    を有するアリーレン基又は式:
    Figure 0004426283
    (式中、A1及びA2は、独立に、前記式(V)、(VI)又は(VII)を有するアリーレン基であり、フルオロホスファイト(I)の各エステル酸素原子がA1及びA2の環炭素原子に結合し;Xは、(i)A1及びA2の環炭素原子の間の化学結合であるか又は(ii)酸素原子、式−(CH2y−(式中、yは2である)を有する基若しくは式:
    Figure 0004426283
    (式中、R5は水素、アルキル並びに式(II)、(III)及び(IV)を有するアリールからなる群から選ばれ;R6は水素及びアルキルからなる群から選ばれ;−C(R5)(R6)−は1〜8個の炭素原子を有する)
    を有する基である)
    を有する基からなる群から選ばれる請求項13に記載の方法。
  17. 前記エポキシドが1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシドデカン及び1,2−エポキシオクタデカンからなる群から選ばれる請求項13に記載の方法。
  18. 前記エポキシドが1,2−エポキシドデカンである請求項13に記載の方法
  19. 前記反応混合物中のエポキシドの量が前記反応混合物の総重量に基づき0.01〜0.8重量%である請求項13に記載の方法。
  20. α−オレフィン、水素、一酸化炭素及びロジウム含有化合物と一般式:
    Figure 0004426283
    を有する1種又はそれ以上のフルオロホスファイト化合物との組合せを含む触媒組成物を含むヒドロホルミル化反応混合物中においてフルオロホスファイト配位子を安定化させる方法であって、
    前記反応混合物に前記反応混合物の総重量に基づき0.001〜1.0重量%の式(IX)で表されるエポキシド
    Figure 0004426283
    (式中、R 11 〜R 14 は、独立に、水素及び炭素数1〜30のアルキルから選ばれる)
    を添加することを含んでなり、且つ
    a)R1及びR2は、独立に、エチル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、フェニル、ナフチル、アントラセニル及び式:
    Figure 0004426283
    Figure 0004426283
    Figure 0004426283
    (式中、R3及びR4は、独立に、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、シクロアルコキシ、ホルミル、アルカノイル、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アロイル、カルボキシル、カルボン酸塩、アルコキシカルボニル、アルカノイルオキシ、シアノ、スルホン酸及びスルホン酸塩からなる群から選ばれ、アルキル、アルコキシ、アルカノイル、アルコキシカルボニル及びアルカノイルオキシ基のアルキル部分が8個以下の炭素原子を含み、m及びnは、独立に、0、1又は2である)
    を有するアリール基からなる群から選ばれ;R1及びR2によって表されるヒドロカルビル基の総炭素数が2〜35であり;フルオロホスファイト配位子(グラムモル)対ロジウム(グラム原子)の比が1:1〜70:1であるか;又は
    b)R1及びR2が結合して、エチレン、トリメチレン、1,3−ブタンジイル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジイル、1,1,2−トリフェニルエタンジイル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジイル及び1,2−シクロヘキシレン、シクロヘキシレン、及び式:
    Figure 0004426283
    Figure 0004426283
    Figure 0004426283
    (式中、R3及びR4は、独立に、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、シクロアルコキシ、ホルミル、アルカノイル、シクロアルキル、アリール、アリールオキシ、アロイル、カルボキシル、カルボン酸塩、アルコキシカルボニル、アルカノイルオキシ、シアノ、スルホン酸及びスルホン酸塩(このようなアルキル、アルコキシ、アルカノイル、アルコキシカルボニル及びアルカノイルオキシ基のアルキル部分は8個以下の炭素原子を含む)からなる群から選ばれ;p及びqは、独立に、0、1又は2である)
    を有するアリーレン基又は式:
    Figure 0004426283
    (式中、A1及びA2は、独立に、前記式(V)、(VI)又は(VII)を有するアリーレン基であり、フルオロホスファイト(I)の各エステル酸素原子がA1及びA2の環炭素原子に結合し;Xは、(i)A1及びA2の環炭素原子の間の化学結合であるか、又は(ii)酸素原子、式−(CH2y−(式中、yは2である)を有する基若しくは式:
    Figure 0004426283
    (式中、R5は水素、アルキル並びに式(II)、(III)及び(IV)を有するアリールからなる群から選ばれ;R6は水素及びアルキルからなる群から選ばれ;−C(R5)(R6)−は1〜8個の炭素原子を有する)
    を有する基である)
    を有する基からなる群から選ばれる
    方法。
  21. 前記エポキシドが1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシドデカン及び1,2−エポキシオクタデカンからなる群から選ばれる請求項20に記載の方法
  22. 前記エポキシドが1,2−エポキシドデカンである請求項20に記載の方法
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