JP4426197B2 - 着色組成物及び感光性着色組成物及びカラーフィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶用カラーフィルタ(LCD−CF)や、カラービデオカメラ、イメージスキャナ等に使用される固体撮像素子用カラーフィルタ(CCD−CF)に有用な着色組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラービデオカメラ、イメージスキャナ等の固体撮像素子(CCD)やカラー液晶ディスプレイ等にはカラーフィルタが使用されている。この種のカラーフィルタは一般に、透明基板とこの透明基板上にパターン化されて配列された複数色の着色透明被膜とで構成され、これら被膜に入射した白色光をその被膜の色彩に着色するものである。そして、液晶ディスプレイにおいては入射光としてディスプレイに内蔵された光源からの光やディスプレイの画面に入射する太陽光などが利用され、カラーフィルタを透過した着色光によりカラー画面の表示を可能としている。また、カラービデオカメラにおいては入射光として撮影対象からカメラに入射する光を利用し、カラーフィルタを透過した着色光によりカラー画面の撮影を可能としている。
【0003】
このようなカラーフィルタにあっては、一般に、可視領域に含まれる光の波長を複数の領域に区分し、これら複数領域のうちの特定の領域に含まれる光を完全に透過し、他方、その他の光を完全に遮断することが理想とされている。すなわち、特定波長領域の光を完全に透過することにより明るい画面表示又は画面撮影が可能となり、他方、その他の光を完全に遮断することにより色純度が向上して表示又は撮影できる色相の範囲が増大し、このため、より自然に近く美しい表示や撮影が可能となるからである。従来のカラーフィルタの製造法においては、色剤として、染料、および顔料を用いていた。色剤として染料および顔料を用いる代表的な製造法としては、それぞれ染色法、顔料分散法がある。
【0004】
染色法は基板上に透明なパターンを形成した後、基板を染料水溶液に浸漬して上記パターンを染色する方法である。この製造方法では色素として染料を用いているために、透明性が優れている(特許文献1参照)。
一方で、顔料分散法では、樹脂溶液中に顔料を含んでいる感光性着色液を用いる。この感光性着色液を基板上に塗布し、次にパターンを形成する方法が顔料分散法である。この製造方法では色剤として顔料を用いているために、耐熱性、耐光性が優れている(特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、上記の方法においても問題点がないわけではない。色剤として染料を用いると、耐光性、耐熱性が劣るという問題点がある。また、色剤として顔料を用いると、顔料は粒径が大きいため、光散乱を起こし、透明性、色純度の向上に問題がある。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−72889号公報
【特許文献2】
特開2001−133620号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述のような問題点を解決するためになされたもので、耐光性、耐熱性、および透明性の優れたカラーフィルタ用の着色組成物及び感光性着色組成物を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明において、上記課題を解決するために検討を重ねた結果、従来公知の合成法によって合成される特定の色素単量体または該単量体から得られる重合体よりなる着色重合体を用いた着色組成物及び感光性着色組成物を用いることで、上記目的を達成しうることを知見した。
【0009】
すなわち本発明は、下記の項目からなる。
[1] 着色材料と樹脂を主成分とし、前記着色材料が、ピラゾロン系色素アニオンと、下記一般式(1)で表される末端二重結合を有する4級アンモニウムカチオンとからなる色素単量体であり、前記色素単量体は、吸収極大が400nm以上450nm以下の範囲にあることを特徴とする着色組成物。
【化4】
(式中、X1は−CH2−又は−COO−を示し、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2、R3及びR4は各々独立に炭素原子数1〜10のアルキル基又はベンジル基を示し、kは0〜8の数を示す。)
[2] 着色材料とこれ以外の樹脂を主成分とし、前記着色材料が、ピラゾロン系色素アニオンと、[1]における一般式(1)で表される末端二重結合を有する4級アンモニウムカチオンとからなり、且つ、吸収極大が400nm以上450nm以下の範囲にある色素単量体を少なくとも重合してなる重合体であることを特徴とする着色組成物。
[3] 着色材料とこれ以外の樹脂を主成分とし、前記着色材料が、ピラゾロン系色素アニオンと、[1]における一般式(1)で表される末端二重結合を有する4級アンモニウムカチオンとからなり、且つ、吸収極大が400nm以上450nm以下の範囲にある色素単量体、及び前記色素単量体を少なくとも重合してなる重合体から選択される1種以上を含有することを特徴とする着色組成物。
[4] [1]における一般式(1)において、X1が−COO−であり、kが2である[1]、[2]又は[3]のいずれかに記載の着色組成物。
[5] 前記ピラゾロン系色素アニオンが、下記の化学式(2)又は(3)で表されるアニオンである[1]〜[4]のいずれかに記載の着色組成物。
【化5】
【化6】
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載の着色組成物が、感光性材料を含有することを特徴とする感光性着色組成物。
[7] 前記感光性材料が、露光又は露光とこれに続く後処理によりその現像液溶解性が低下するものであることを特徴とする[6]記載の感光性着色組成物。
[8] 前記感光性材料が、露光又は露光とこれに続く後処理によりその現像液溶解性が増大するものであることを特徴とする[6]記載の感光性着色組成物。
[9] 基板上に、パターン化されて配列され、入射光を着色して出射する複数色の透明着色被膜を備えて成り、これら複数の透明着色被膜のうち、少なくとも一つの被膜が[1]〜[5]のいずれかに記載の着色組成物より製造されたことを特徴とするカラーフィルタ。
[10] 基板上に、パターン化されて配列され、入射光を着色して出射する複数色の透明着色被膜を備えて成り、これら複数の透明着色被膜のうち、少なくとも一つの被膜が[6]〜[8]のいずれかに記載の感光性着色組成物より製造されたことを特徴とするカラーフィルタ。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において、カラーフィルタの着色性能が優れているのは、着色組成物として、一般式(1)で表される末端二重結合を有する4級アンモニウムカチオンと、ピラゾロン系色素アニオンとからなる色素単量体、及び少なくとも当該色素単量体を重合してなる重合体から選択された1種以上を含有する着色材料と、これ以外の樹脂を主成分とする着色組成物を用いていることによる。
【0011】
この着色材料は、通常の染料に比べて、優れた耐熱・耐光性を有するため、液晶ディスプレイやカラービデオカメラの長期的使用(長時間光に曝される)又はその製造工程中の加熱工程の有無にかかわらず、所期の着色性能を維持することが出来る。
【0012】
また、前記着色材料は、着色組成物中又は感光性着色組成物中あるいはこれを基板に塗布して得られた被膜中に均一に分散しており、従って、その組成物又は被膜中に部分的に屈折率の異なる部位を生じさせないため、この被膜に入射した光を散乱させることもない。
【0013】
この着色材料は、当該単量体のみを重合して重合することができる他、当該単量体と従来周知の単量体との共重合体とすることができる。また、色相を調整するため当該色素単量体を2種以上組み合わせた共重合体とすることもできる。本発明の重合物の製造は、水中、有機溶剤中または無溶媒で、付加重合に用いられるものとして従来周知の重合触媒を用いて容易に行うことができる。
【0014】
本発明の色素単量体としては、上記一般式(1)で表されるカチオン単量体の代表例としては、下記の化学式(4)〜(10)で表される化合物が挙げられる。
【0015】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【0016】
また、本発明の吸収極大が400nm以上450nm以下にある色素アニオンの具体例は、以下の化学式(11)〜(29)で表される化合物が挙げられる。
【0017】
【化14】
【0018】
【化15】
【0019】
【化16】
【0020】
【化17】
【0021】
【化18】
【0022】
【化19】
【0023】
【化20】
【0024】
【化21】
【0025】
【化22】
【0026】
【化23】
【0027】
【化24】
【0028】
【化25】
【0029】
【化26】
【0030】
【化27】
【0031】
【化28】
【0032】
【化29】
【0033】
【化30】
【0034】
【化31】
【0035】
【化32】
【0036】
本発明において、上記一般式(1)で表されるカチオン成分との組み合わせとして、上記色素アニオンの中でも特に化学式(28)で表される化合物、化学式(29)で表される化合物等で例示されるピラゾロン系色素アニオンが好ましく使用される。
【0037】
本発明の着色材料は、上述した重合可能な色素単量体又は当該色素単量体を重合して得られる重合体である。本発明の重合体は、該単量体のみを重合して着色重合体とすることができる他、該単量体と従来周知の低分子及び/又は高分子の単量体との共重合体として着色重合体にすることができる。また、着色重合体は、必要に応じて二重結合を有する基を導入することにより色素構造を有する高分子単量体にすることが出来る。さらに、前記着色重合体又は色素構造を有する高分子単量体は、他の低分子又は高分子の単量体に加えて、重合させて着色重合体とすることが出来る。
【0038】
本発明の重合体は、水中、有機溶剤中または無溶媒で、従来周知の重合触媒を用いて容易に製造することができる。
【0039】
本発明の着色材料である上記共重合体を合成するために用いる周知の低分子の単量体としては、スチレン系化合物並びにα,β−不飽和モノ〜ポリカルボン酸およびそのエステル、アミド、イミド、または無水物であり、例えば、前者では、スチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレンなどが挙げられ、後者では、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、1−ブチン−2,3,4−トリカルボン酸などが挙げられ、上記エステルとしては、上記α,β−不飽和カルボン酸のメチル、エチル、2−ヒドロキシエチル、プロピル、ブチル、オクチル、ドデシル、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル、2−〔3−(2−ベンゾトリアゾリル)−4−ヒドロキシフェニル〕エチルなどのエステルが挙げられ、上記アミドとしては、上記α,β−不飽和カルボン酸のメチルアミド、ジメチルアミド、エチルアミド、ジエチルアミド、プロピルアミド、ジプロピルアミド、ブチルアミド、ジブチルアミド、ヘキシルアミド、オクチルアミド、フェニルアミドなどが挙げられ、上記イミドとしては、マレイミド、イタコンイミド、N−ブチルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどが挙げられる。
【0040】
また、周知の高分子の単量体としては、エチレン不飽和二重結合を少なくとも1個有する質量平均5000〜10万の樹脂が好適に用いられる。具体的には、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性官能基を有する線状高分子に、前記反応性官能基と反応可能なイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等を介して、(メタ)アクリル化合物、ケイヒ酸等を反応させてエチレン不飽和二重結合を導入した樹脂等が用いられる。
【0041】
本発明において使用される色素単量体と周知の低分子又は高分子の単量体とを用いて共重合体とする場合、該周知の単量体の使用量は用途に応じて適宣選択されるが、通常、本発明の色素単量体100質量部に対して、5〜100000質量部の範囲内である。
【0042】
次に、この着色材料は、これを基板に塗布して被膜とすることが出来るが、必要に応じてバインダ(アルカリ可溶樹脂)を混合して基板に塗布し、被膜形成して着色重合物を基板に固定することが出来る。このようなバインダとしては、任意の樹脂が使用出来るが、塗布工程により基板上に被膜形成出来ること、こうして形成された被膜を精度良くパターン化出来ることが必要である。
このようなバインダとしては、ポリイミド樹脂が好適に使用出来る。すなわち、ポリイミド樹脂の前駆体を前記着色重合体と混合して塗料とし、スピンコート法などの方法により基板上に塗布し、乾燥することにより、基板上に被膜を形成することが可能である。そして、この被膜上に感光性樹脂を塗布し、さらに所望の開口部又は透明部を有するマスクを重ね、このマスクを通して露光し、現像して、上記被膜を部分的に露出させ、この露出部位の被膜をエッチングして除去することにより、上記被膜を所望のパターンに精度良く加工することが出来る。なお、このパターン化の後加熱処理を施すことにより上記前駆体を重合させ、基板と被膜とを強固に接着させることが可能である。このようなポリイミド前駆体は酸二無水物とジアミノ化合物とを反応させて製造することが可能である。
【0043】
ポリイミド前駆体を合成するための酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3',4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4’−ジフェニルテトラスルホン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などがある。これら酸無水物は二種類以上組み合わせて用いることも出来る。
【0044】
ポリイミド前駆体を合成するためのジアミノ化合物としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス−(4−アミノフェニル)テトラメチルジシロキサンなどがある。これらのジアミノ化合物は二種類以上組み合わせて用いることも出来る。
【0045】
溶剤としては、メタノール、エタノール、トルエン、キシレン、エチルセロソルブ、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、ジグライム、シクロヘキサノン、エチルベンゼン、酢酸イソアミル、酢酸n−アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(アセテート)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(アセテート)、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、液体ポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸エチル、エチルエトキシプロピオネート等が用いられるが、これらの溶剤は2種類以上組み合わせて用いることもできる。
【0046】
ポリイミド前駆体は、着色材料の0〜60質量%混合し、固形分が10〜50質量%になるように溶剤で希釈して、着色組成物とし、これを基板上に塗布してその被膜を形成すればよい。
【0047】
また、前記バインダとして感光性材料を利用する場合、前記着色重合体と感光性材料の混合物から成る感光性着色組成物を基板に塗布して被膜を形成した後、この被膜上に所望の開口部または透明部を有するマスクを重ね、このマスクを通して露光する。あるいは露光に続き、加熱処理などの後処理を行なう。この露光又は露光とその後処理により、露光部位の現像液溶解性能が変化し、その溶解性能の高い部位を選択的に溶解除去することにより、所望のパターンに加工することが可能となる。
このような感光性材料としては、露光又は露光とこれに続く後処理によりその現像液溶解性能が低下するものと現像液溶解性能が増大するものが例示出来る。
【0048】
露光によりその現像液溶解性能が低下するものとしては、例えば、光重合性モノマーと、光照射によりこれらモノマーを重合させる感光剤との組み合わせが例示できる。
【0049】
光重合性モノマーとしては、2官能、3官能、多官能モノマーがあり、2官能モノマーとしては、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート等があり、3官能モノマーとして、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等があり、多官能モノマーとして、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールへキサアクリレート等がある。光重合性モノマーの添加量は、特に限定されるものではないが、バインダ樹脂の20〜150質量%が望ましい。
【0050】
上記記載の感光性着色組成物の感光剤としてはトリアジン系化合物、アセトフェノン系化合物、α−アミノアルキルフェノン系(後ろの例示部分ではα−アルキルフェノン)、チオキサントン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ジアゾ系化合物、アジド系化合物がある。トリアジン系化合物としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4’−メトキシ−1’−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(N−イソアミロキシカルボニルメチル−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(N−(2”−メトキシ−1”−メチルエトキシカルボニルメチル)−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(N−シクロヘキシロキシカルボニルメチル−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−クロロフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジンなどがある。
【0051】
アセトフェノン系化合物としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−ドデシルフェニル)プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オンなどがある。α−アルキルフェノン系化合物としては、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オンなどがある。チオキサンソン系化合物としては、2−メチルチオキサンソン、2−イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等がある。ベンゾイン系化合物としては、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタールなどがある。ベンゾフェノン系化合物としては、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなどがある。ジアゾ系化合物としては、p−ジアゾジフェニルアミンのホルムアルデヒド縮合物とヘキサフルオロリン酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、過塩素酸塩、パラトルエンスルホン酸、もしくは、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸との反応により生成されたジアゾニウム塩がある。アジド系化合物としては、4,4’−ジアジドスチルベン、4,4’−ジアジドベンゾフェノン、4,4’−ジアジドカルコン,4,4’−ジアジドジフェニルメタン,4−フェニレン−ビス−アジドがある。
【0052】
上記のような光開始剤は増感剤とともに用いることができる。このような増感剤としてチオキサントン類、キサントン類などが挙げられる。
【0053】
この感光性材料を利用するときには、前記着色材料と感光性材料に加えて、さらに樹脂及び溶剤を混合して感光性着色組成物とすることができる。そして、この感光性着色組成物は、例えば、スピンコート法により基材に塗布して被膜を形成することが出来る。また、塗布形成された被膜は、これを露光する事により、その溶剤溶解性が低下する。このため、前記被膜に所望の開口部又は透明部を有するマスクを重ね、このマスクを通して露光した後、現像液で現像することにより、その露光部位の被膜を選択的に基板上に残存させてパターン化することが可能である。
【0054】
このような樹脂としては、下記の一般式(30)及び/又は一般式(31)で表される単位構造を主成分とする感光性樹脂、ラジカルにより架橋する樹脂として、エチレン不飽和二重結合を少なくとも1個有する質量平均5000〜10万の樹脂が好適に用いられる。感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性官能基を有する線状高分子に、前記反応性官能基と反応可能なイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等を介して、(メタ)アクリル化合物、ケイヒ酸等を反応させてエチレン不飽和二重結合を導入した樹脂が用いられる。スチレン無水マレイン酸共重合体等の酸無水物を含む線状高分子のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によるハーフエステルも用いられる。アルカリ水溶液に溶解しラジカルにより架橋しない樹脂として、例えば、カルボキシル基、スルホン基などの酸性官能基を有する質量平均分子量1000〜50万、好ましくは5000から10万の樹脂が挙げられる。具体的には、アクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重体、スチレン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、イソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体である。また、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、pーヒドロキシスチレンのようなフェノール性化合物の単独重合体又はその共重合体なども挙げられる。
【0055】
【化33】
【0056】
【化34】
(式中、R5、R6,R8,及びR9は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基またはハロゲン原子であり、R7及びR10は水素原子またはメチル基であり、X2及びX3は−CO−、−SO2−、−C(CF3)2−、−Si(CH3)2−、−CH2−、−C(CH3)2−、−O−、下記の一般式(32)または不存在を示す。Yは酸無水物の残基を示し、Zは酸二無水物の残基を示す。mおよびnは1以上の整数である。)
【0057】
【化35】
【0058】
上記のように調整された樹脂の分子量は、好ましくは3000〜150000であり、さらに好ましくは10000〜80000である。分子量が3000以下では、感度が不足し、150000以上では現像性が低下する。また、溶剤としては、上記ポリイミド前駆体を溶解させる溶剤と同一のものを使用することが出来る。
【0059】
この感光性材料を利用するときには、前記着色材料25〜60質量%、光重合性モノマー10〜50質量%、感光剤5〜20質量%、樹脂2〜30質量%の割合で混合した固形分10〜50質量%に溶剤50〜90質量%を加え、感光性着色組成物とすればよい。また、露光とこれによりその現像液溶解性能が低下する感光性材料としては、樹脂、光照射により酸を発生する光酸発生剤、及び上記酸の存在下の加熱により上記樹脂を架橋させる架橋剤の組み合わせが例示できる。
【0060】
樹脂としては、アルコール系水酸基を有する単量体、フェノール系水酸基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体、アルコール系水酸基およびカルボキシル基を有する単量体の共重合体を用いる。
【0061】
アルコール系水酸基を有する単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの ε−カプロラクトン付加物、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの2塩基酸無水物およびエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸のフェニルグリシジルエーテル付加物、グリシジル(メタ)アクリレートのモノカルボン酸付加物、アリルアルコール、アリロキシエタノール等が挙げられる。フェノール系水酸基を有する単量体としては、フェノールノボラック、p−ヒドロキシスチレン、に代表されるフェノール類モノマーが挙げられる。この単量体は共重合体において5〜50質量%の範囲で用いることが望ましく、5質量%未満であると感度が低下し、50質量%を越えると膨潤、現像性のバランスが取れなくなる。
【0062】
カルボン酸基を有する単量体としては、アクリル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、ビニル安息香酸または(メタ)アクリル酸のカプロラクトン付加物、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに無水フタル酸等の酸無水物を付加させたもの等が挙げられる。この単量体は共重合体において5〜50質量%の範囲で用いることが好ましく、5質量%未満であると感度が低下し、50質量%を越えると現像性のバランスが取れなくなる。
【0063】
アルコール系水酸基およびカルボン酸基を有する単量体、またはアルコール系水酸基またはカルボン酸基を有する単量体と共重合可能な他の単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族含有(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート等の官能性(メタ)アクリレート、スチレンおよびスチレン誘導体、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等のN置換マレイミド等が挙げられる。この単量体は1種類でも、それ以上でも構わない。上記のように調整された樹脂の分子量は、好ましくは3000〜150000であり、さらに好ましくは15000〜80000である。分子量が3000以下では、感度が不足し、150000以上では現像性が低下する。
【0064】
光酸発生剤としてはトリアジン系化合物、オニウム塩系化合物がある。トリアジン系化合物としては、上記記載のトリアジン系感光剤がある。
【0065】
オニウム塩系化合物としては、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネートなどが挙げられる。
【0066】
架橋剤としては、N−メチロール構造を有するものが用いられ、たとえばメチロール化尿素、尿素樹脂、メチロール化メラミン、ブチロール化メラミン、メチロール化グアナミンあるいはこれらの化合物のアルキルエーテルを用いることができ、熱安定性が高いという点からアルキルエーテル化物がより好ましい。このアルキルエーテルのアルキル基としては炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。特に、このアルキルエーテル化物としては、感度の点からヘキサメチロールメラミンのアルキルエーテル化物がより好ましい。
【0067】
この感光性材料を利用するときには、前記着色材料と感光性材料に加えて、さらに溶剤を混合して感光性着色組成物とすることができる。そして、この感光性着色組成物は、例えば、スピンコート法により基材に塗布して被膜を形成することができる。また、塗布形成された被膜は、これを露光する事により酸発生剤から酸が発生し、この露光に引き続いて加熱することにより上記樹脂と架橋剤とが架橋して、その溶剤溶解性が低下する。このため、前記被膜に所望の開口部又は透明部を有するマスクを重ね、このマスクを通して露光・加熱した後、現像液で現像することにより、その露光部位の被膜を選択的に基板上に残存させてパターン化することが可能である。
【0068】
この感光性材料を利用するときには、前記着色材料25〜60質量%、光酸発生剤5〜20質量%、架橋剤2〜30質量%、樹脂2〜50質量%の割合で混合した固形分10〜50質量%に溶剤50〜90質量%を加え、感光性着色組成物とすればよい。
次に、露光によりその現像液溶解性能が増大するものとしては、例えば、樹脂と、光照射によりこの樹脂を分解又は変性させて、その現像液溶解性を増大させる感光剤との組み合わせが例示できる。
【0069】
このような樹脂としては、ノボラック樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルキルエーテル、スチレンとアクリル酸との共重合体、メタクリル酸とアルキルエステルとの共重合体、ヒドロキシスチレンの重合体、ポリビニルヒドロキシベンゾエート、ポリビニルヒドロキシベンザルなどがある。
【0070】
また感光剤としては1,2−ナフトキノン系化合物がある。たとえば、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸のエステル、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノジアジド−5−スルホン酸のエステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸のエステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸のエステル、2,2’,3,4,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸のエステル、2,2’,3,4,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸のエステルなどがある。
【0071】
この感光性材料を利用するときには、前記着色材料と感光性材料に加えて、さらに溶剤を混合して感光性着色組成物とすることが出来る。そして、この感光性着色組成物は、例えば、スピンコート法により基材に塗布して被膜を形成することが出来る。又、塗布形成された被膜は、これを露光する事により、樹脂が分解又は変性され、その溶剤溶解性が低下する。このため、前記被膜に所望の開口部又は透明部を有するマスクを重ね、このマスクを通して露光・加熱した後、現像液で現像することにより、その非露光部位の被膜を選択的に基板上に残存させてパターン化する事が可能である。なお、この感光性材料に適用する溶剤としては、前記に記載したものが利用できる。
【0072】
この感光性材料を利用するときには、前記着色材料25〜60質量%、感光剤5〜20質量%、樹脂2〜50質量%の割合で混合した固形分10〜50質量%に溶剤50〜90質量%を加え、感光性着色組成物とすればよい。
【0073】
【実施例】
<実施例1>
(着色重合体の製造方法)
本発明の着色重合体としては、カチオン成分として化学式(7)で表される化合物及びアニオン成分として化学式(28)で表される化合物の組み合わせで得られた色素単量体の30質量部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸13質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート46質量部、メタクリル酸11質量部、及び28質量%アンモニア水4質量部、更に重合触媒としてアゾビスイソブチロニトリル5質量部を加え、メチルソロソルブを溶媒として、95℃で5時間反応させた。溶媒を留去して共重合体(以下重合体Aと呼ぶ)が得られた。
【0074】
ポリイミド前駆体は以下のように作製した。 シクロヘキサノン77.5gを3つ口フラスコにとる。これに4,4’−ジアミノジフェニルエーテル9.1gとビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン0.5gを50℃で攪拌しながら加え、溶解する。次に、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物12.9gを少しずつ添加し、50℃で3時間反応させてポリイミド前駆体とした。
【0075】
(着色組成物の調合)
本発明の着色重合体としては、重合体Aを用い、重合体A13.0gをシクロヘキサノン61.0gに溶解した。これにポリイミド前駆体2.6gを混合し、着色組成物Aとした。
【0076】
得られた着色組成物をスピンコート(膜厚1.2μm)し乾燥させた。その後、120℃で20分間加熱したその上にポジ型レジストであるマイクロポジットS14000(シプレイ製)をスピンコートで塗布し、100℃で10分間加熱した。次に、画素サイズ30μm×100μmのマスクを用いて超高圧水銀灯で露光した。(3kW、200mJ/cm2)。その後、現像液(水酸化ナトリウム0.4質量%、炭酸ナトリウム0.5質量%の水溶液)でエッチングし、30℃のエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート中でレジストを剥離し、さらに200℃で1時間過熱し、パターンを定着させた。耐熱性試験として分光透過率を測定(OSP−SP200:OLYMPUS)し、ポストベーク前後の色差を表1に示す。また、耐光性試験として、キセノンフェードメーター24時間照射前後の色差も表1に示す。
【0077】
<実施例2>
重合体Aのシクロヘキサノン溶液(固形分濃度20質量%)20.6gに対して、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン1.3g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2.7g、アクリル系樹脂((a)メタクリル酸5.0g、(b)ヒドロキシエチルメタクリレート3.7g、(c)メチルメタクリレート2.5g、(d)ブチルメタクリレート13.7gをエチルセロソルブ74.8gに溶解し、窒素雰囲気下でアゾイソブチロニトリル0.3gを加えて70℃、5時間反応より得られたバインダ樹脂)3.2g、シクロヘキサノン72.2gを加えてよく撹拌し、感光性着色組成物Bとした。
【0078】
この感光性着色組成物Bをスピンコート(膜厚1.2μm)し乾燥させた。70℃で20分間プリベーク後、画素サイズ30μm×100μmのマスクを用いて露光した(露光量は200mJ/cm2)。その後、1質量%炭酸ナトリウム溶液で現像後よく水洗しその後、ポストベーク230℃で1時間行い、パターンを定着させた。評価は実施例1と同様に行った。
【0079】
<実施例3>
重合体Aのシクロヘキサノン溶液(固形分濃度20質量%)30gに対して、樹脂溶液(ヒドロキシエチルメタクリレート18.8g、メチルメタクリレート12.5g、ブチルメタクリレート68.8gをエチルセロソルブ300gに溶解し、窒素雰囲気下でアゾイソブチロニトリル0.75gを加えて70℃、5時間反応より得られたバインダ樹脂の20%溶液)24.205g、アルキル化メラミン樹脂MW−30M(三和ケミカル(株))0.392g、2−(4’−メトキシ−1’−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン0.67g、シクロヘキサノン22.172gを加えて良く撹拌し感光性着色組成物Cとした。
以下、実施例2と同様にサンプル作成、評価を行った。
【0080】
<実施例4>
2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸のエステル化物3.0gをエチルセロソルブアセテート39.5gに溶解させる。また、クレゾールノボラック樹脂(質量平均分子量9000)12.0gをエチルセロソルブアセテート44.8gに溶解させる。上記二つの溶液とp−トルエンスルホン酸0.7gを60℃10分で完全に溶解させた。この溶液100gに重合物A20gを攪拌溶解し、感光性着色組成物Dした。
【0081】
感光性着色組成物Dをスピンコート(膜厚1.2μm)し乾燥させた。70℃で20分間プリベーク後、画素サイズ30μm×100μmのマスクを用いて露光した(露光量は200mJ/cm2)。その後、現像液(水酸化ナトリウム0.4質量%、炭酸ナトリウム0.5質量%の水溶液)で現像後よく水洗しその後、ポストベーク230℃で1時間行い、パターンを定着させた。評価は実施例1と同様に行った。
【0082】
<実施例5>
上記例示化合物のうちカチオン成分として化学式(7)で表される化合物及びアニオン成分として化学式(28)で表される化合物の組み合わせで得られた色素単量体4.0gをシクロヘキサノン61.0gに溶解した。これにポリイミド前駆体(シクロヘキサノン77.5gに4,4’−ジアミノジフェニルエーテル9.1gとビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン0.5gを50℃で攪拌しながら加えて溶解し、次に、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物12.9gを少しずつ添加し、50℃で3時間反応させたもの)2.6gを混合し、着色組成物Eとした。
【0083】
得られた着色組成物Eをスピンコート(膜厚1.2μm)し乾燥させた。その後、120℃で20分間加熱したその上にポジ型レジストであるマイクロポジットS14000(シプレイ製)をスピンコートで塗布し、100℃で10分間加熱した。次に、画素サイズ30μm×100μmのマスクを用いて超高圧水銀灯で露光した。(3kW、200mJ/cm2)。その後、現像液(水酸化ナトリウム0.4質量%、炭酸ナトリウム0.5質量%の水溶液)でエッチングし、30℃のエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート中でレジストを剥離し、さらに200℃で1時間過熱し、パターンを定着させた。評価は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
【0084】
<実施例6>
カチオン成分として化学式(7)で表される化合物及びアニオン成分として化学式(28)で表される化合物の組み合わせで得られた色素単量体1.2g、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン1.8g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3.8g、アクリル系樹脂((a)メタクリル酸5.0g、(b)ヒドロキシエチルメタクリレート3.7g、(c)メチルメタクリレート2.5g、(d)ブチルメタクリレート13.7gをエチルセロソルブ74.8gに溶解し、窒素雰囲気下でアゾイソブチロニトリル0.3gを加えて70℃、5時間反応より得られたバインダ樹脂)4.5gにシクロヘキサノン88.7gを加えてよく撹拌し、感光性着色組成物Fとした。
【0085】
この感光性着色組成物Fをスピンコート(膜厚1.2μm)し乾燥させた。70℃で20分間プリベーク後、画素サイズ30μm×100μmのマスクを用いて露光した(露光量は200mJ/cm2)。その後、1質量%炭酸ナトリウム溶液で現像後よく水洗しその後、ポストベーク230℃で1時間行い、パターンを定着させた。評価は実施例1と同様に行なった。その結果を表1に示す。
【0086】
<実施例7>
カチオン成分として化学式(7)で表される化合物及びアニオン成分として化学式(28)で表される化合物の組み合わせで得られた色素単量体1.8g、樹脂溶液(ヒドロキシエチルメタクリレート18.8g、メチルメタクリレート12.5g、ブチルメタクリレート68.8gをエチルセロソルブ300gに溶解し、窒素雰囲気下でアゾイソブチロニトリル0.75gを加えて70℃、5時間反応より得られたバインダ樹脂の20%溶液)28.23g、アルキル化メラミン樹脂MW−30M(三和ケミカル(株))0.46g、2−(4’−メトキシ−1’−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン0.7gにシクロヘキサノン46.17gを加えて良く撹拌し、感光性着色組成物Gとした。
以下、実施例2と同様にサンプル作成、評価を行った。その結果を表1に示す。
【0087】
<実施例8(ただし、参考例である。)>
2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸のエステル化物3.42gをエチルセロソルブアセテート45.03gに溶解させる。また、クレゾールノボラック樹脂(質量平均分子量9000)13.68gをエチルセロソルブアセテート51.07gに溶解させる。上記二つの溶液とp−トルエンスルホン酸0.8gを60℃10分で完全に溶解させた。この溶液114gに、カチオン成分として化合物No.4およびアニオン成分として化合物No.23の組み合わせで得られた色素単量体6.0gを攪拌溶解し、感光性着色組成物Hとした。
【0088】
感光性着色組成物Hをスピンコート(膜厚1.2μm)し乾燥させた。70℃で20分間プリベーク後、画素サイズ30μm×100μmのマスクを用いて露光した(露光量は200mJ/cm2)。その後、現像液(水酸化ナトリウム0.4質量%、炭酸ナトリウム0.5質量%の水溶液)で現像後よく水洗しその後、ポストベーク230℃で1時間行い、パターンを定着させた。評価は実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
【0089】
<比較例1>
(着色重合体の製造方法)
着色重合体としては、アニオン成分として化学式(28)で表され、カチオン成分が化学式(33)の比較化合物に表される色素単量体30g、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸13g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート46g、メタクリル酸11g、および28質量%アンモニア水4g、更に重合触媒としてアゾビスイソブチロニトリル5gを加え、メチルセロソルブを溶媒として、95℃で5時間反応させた。溶媒を留去して共重合体(以下重合体Iと呼ぶ)が得られた。
【0090】
【化36】
【0091】
(着色組成物の調合)
重合体I13.0gをシクロヘキサノン61.0gに溶解した。これにポリイミド前駆体2.6gを混合し、比較着色組成物aとした。得られた比較着色組成物aについて実施例1と同様の操作、評価を行った。その評価結果を表1に示す。
【0092】
<比較例2>
カチオン成分として化学式(33)の比較化合物に表されるテトラブチルアンモニウムイオン、アニオン成分として化学式(28)で表される化合物の組み合わせの色素単量体4.0gをシクロヘキサノン61.0gに溶解した。これにポリイミド前駆体2.6gを混合し、比較着色組成物bとした。
得られた比較着色組成物bについて実施例1と同様の操作、評価を行った。その結果を表1に示す。
【0093】
表1に耐熱性評価および耐光性評価として、ポストベーク前後の色差、及び耐光性としてキセノンフェードメーター24時間照射前後の色差をそれぞれ示す。
【0094】
【表1】
【0095】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるから、下記に示すごとき効果がある。すなわち、色剤として、染料、顔料ではなく、色素単量体及び/又は色素単量体を少なくとも重合してなる重合体を用いているがために、耐熱性、耐光性、透明性の優れたカラーフィルタ用感光性着色組成物を提供することができる。本発明は以上の構成であるから、下記に示すごとき効果がある。即ち、色材として、染料が有する色特性部分と、顔料が有する耐性部分とを兼ね備え、耐熱性、耐光性、透明性の優れたカラーフィルタ用感光性着色組成物を提供することができる。
Claims (10)
- 着色材料とこれ以外の樹脂を主成分とし、前記着色材料が、
ピラゾロン系色素アニオンと、請求項1における一般式(1)で表される末端二重結合を有する4級アンモニウムカチオンとからなり、且つ、吸収極大が400nm以上450nm以下の範囲にある色素単量体を少なくとも重合してなる重合体であることを特徴とする着色組成物。 - 着色材料とこれ以外の樹脂を主成分とし、前記着色材料が、
ピラゾロン系色素アニオンと、請求項1における一般式(1)で表される末端二重結合を有する4級アンモニウムカチオンとからなり、且つ、吸収極大が400nm以上450nm以下の範囲にある色素単量体、及び前記色素単量体を少なくとも重合してなる重合体から選択される1種以上を含有することを特徴とする着色組成物。 - 請求項1における一般式(1)において、X1が−COO−であり、kが2である請求項1、請求項2又は請求項3のいずれか1項記載の着色組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載の着色組成物が、感光性材料を含有することを特徴とする感光性着色組成物。
- 前記感光性材料が、露光又は露光とこれに続く後処理によりその現像液溶解性が低下するものであることを特徴とする請求項6記載の感光性着色組成物。
- 前記感光性材料が、露光又は露光とこれに続く後処理によりその現像液溶解性が増大するものであることを特徴とする請求項6記載の感光性着色組成物。
- 基板上に、パターン化されて配列され、入射光を着色して出射する複数色の透明着色被膜を備えて成り、これら複数の透明着色被膜のうち、少なくとも一つの被膜が請求項1〜5のいずれか1項記載の着色組成物より製造されたことを特徴とするカラーフィルタ。
- 基板上に、パターン化されて配列され、入射光を着色して出射する複数色の透明着色被膜を備えて成り、これら複数の透明着色被膜のうち、少なくとも一つの被膜が請求項6〜8のいずれか1項に記載の感光性着色組成物より製造されたことを特徴とするカラーフィルタ。
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