ところが、従来のプリンタ装置においては、情報を表示するための表示部を備えていないものが多く、また、たとえ表示部を備えているとしても、簡単な情報を表示し得る程度のものを備えているものに過ぎず、プリンタ装置の利用者が必要に応じて予約ジョブの一覧リストを表示させることができるようにはなっていなかった。
その理由は、プリンタ装置の場合、プリンタエンジンはパーソナルコンピュータ(以下、パソコンと略記する)等の画像データの送信側に搭載されており、プリンタ装置自身においては、表示部を利用した入力操作等を特に必要としなかったためである。なお、複合機として設置される場合には、コピー動作において、表示部を利用した入力操作が必要となるが、その場合は、スキャナ装置に設けられた表示部を有する操作パネルが利用される。
そこで、本願出願人は、プリンタ装置においても、装置が受け付けているジョブの処理状況をユーザが把握でき、依頼したジョブがどのようなタイミングで処理されるかを知ることが可能になるように、プリンタ装置に、上記した特許文献1〜3に開示された予約ジョブを一覧表示させる機能を搭載させることを考えた。
しかしながら、プリンタ装置にそのまま搭載するには、以下のような問題があることがわかった。すなわち、特許文献1、2は、プリンタ機能以外にコピー機能やファクシミリ機能を搭載した複合機を前提としているため、限られた表示面積に表示される情報は繁雑であり、利用者にとって理解しにくい操作画面となっている。そのため、受け付けたジョブの処理状況を明確に表示するといった点においては十分ではない。
さらに、特許文献1、2に記載されている構成では、予約されているジョブを一覧表示させた状態で、各ジョブの詳細情報(内容)を確認しようとすると、表示画面が遷移して選択されたジョブの詳細情報が表示される。そのため、元に戻る場合に混乱を招く虞もある。
また、本願出願人が先に提案している特許文献3の構成では、基本画面の下層よりジョブステータス画面が顔を覗かせている部分に、ジョブの処理動作の内容が簡潔に一覧表示されるので、特許文献1,2に比しては、ジョブの処理状況を把握しやすくはなっている。しかしながら、あくまでも複合機を前提としているため、受け付けたジョブの処理状況を明確に表示するといった点においては十分ではない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、操作パネルの限られた表示面積を有効に利用して、装置が受け付けているジョブの処理状況を、ジョブの詳細情報を含めてユーザが容易に把握することのできる画像データ処理装置を提供することを目的としている。
本発明の画像データ処理装置は、上記課題を解決するために、ジョブ受付部が、装置外部と通信を行って画像データと該画像データをジョブ処理するための制御データとを受信することでジョブを受け付け、ジョブ処理部が受け付けたジョブを実行する画像データ処理装置において、画面に情報を表示すると共に該画面を操作することで指示を入力できる表示入力部と、上記表示入力部の画面に、受け付けたジョブの存在を示すアイコンを表示させると共に、上記アイコンを表示させている状態で上記画面が操作されると、表示させている上記アイコンのジョブに関する情報を開示する情報ウインドウを追加表示させるジョブ情報表示制御部とを備えたことを特徴としている。
ここで、上記表示入力部は、例えばタッチパネル等にて構成され、画面に情報を表示すると共に画面からの指示入力が可能なものである。
これによれば、ジョブ情報表示制御部が、表示入力部の画面に、受け付けたジョブの存在を示すアイコンを表示させる。このようなアイコンによる表示により、操作パネルの限られた表示面積であっても、ユーザは、装置のジョブの受け付け状態を容易に把握することができる。
しかも、ジョブ情報表示制御部は、アイコンを表示させている状態で画面が操作されると、表示させているアイコンのジョブに関する情報を開示する情報ウインドウを追加表示させる。このような情報ウインドウにより、ユーザは、ジョブの詳細な情報を、他画面への遷移を伴うことなくアイコンが表示されている画面のままで確認することができる。
これにより、操作パネルの限られた表示面積を有効に利用して、ユーザは装置が受け付けたジョブの処理状況を、ジョブの詳細情報を含めて容易に把握することができる。
本発明の画像データ処理装置においては、さらに、上記ジョブ情報表示制御部が、複数のアイコンを表示させる場合、アイコン同士が重なり合わないように表示させる構成であることが好ましい。
これにより、ユーザは、アイコンの表示画面を見るだけで、装置が受け付けたジョブを一目瞭然に把握することができる。また、アイコンを操作するような場合にも、確実に操作すべきアイコンを操作することができる。
本発明の画像データ処理装置においては、さらに、上記ジョブ情報表示制御部が、複数のアイコンを表示させる場合、ジョブを受け付けた順にて、画面の対角線上に並ぶように表示させる構成であることが好ましい。
これにより、ユーザは、アイコンの表示画面を見るだけで、アイコンの並びより受け付け順を一目瞭然に把握することができる。
本発明の画像データ処理装置においては、さらに、上記ジョブ情報表示制御部が、新たに受け付けたジョブのアイコンについては、受け付け済みのジョブのアイコンとは異なる表示形態にて表示させる構成であることが好ましい。
これにより、ユーザは、アイコンの表示画面を見るだけで、新たなジョブを装置が受け付けことを、一目瞭然に把握することができる。
また、この場合、上記ジョブ情報表示制御部は、予め定める期間が経過すると、新たに受け付けたジョブのアイコンについても、受け付け済みのジョブのアイコンと同じ表示形態にて表示させる構成とすることがより好ましい。
これにより、例えば次のジョブを受け付けるまで、新規受け付けの表示形態を継続するような構成に比して、受け付けてからまだあまり時間がたっていない新しいジョブであることを、ユーザに正確に知らせることができる。
本発明の画像データ処理装置においては、さらに、上記ジョブ情報表示制御部が、ジョブ処理を実行中のジョブのアイコンについては、ジョブ処理待ちのジョブのアイコンとは異なる表示形態にて表示させる構成とすることが好ましい。
これにより、ユーザは、アイコンの表示画面を見るだけで、処理を実行中のジョブがどれであるのかを、一目瞭然に把握することができる。
本発明の画像データ処理装置においては、さらに、上記ジョブ受付部は、ジョブデータの受信経路を複数有しており、上記ジョブ情報表示制御部が、受信経路に応じたアイコンを表示させる構成とすることが好ましい。
ジョブの受信経路より、ジョブの機能を割り当てることができる。例えば、本装置が、プリンタ装置であるとすると、FAXモデムにて受信したジョブに対しては、画像データ処理装置は、FAX装置として機能するので、当該ジョブの機能をFAXとすることができる。その他、通信部にて受信したジョブに対しては、画像データ処理装置が、他のパソコン等からのジョブを処理するプリンタとして機能するので、当該ジョブの機能をプリンタとすることができる。
このように、受信経路に応じてアイコンの形状等を異ならせることで、ユーザは、アイコンの表示画面を見るだけで、受け付けているジョブの機能(種類)を一目瞭然に把握することができる。
本発明の画像データ処理装置においては、さらに、上記ジョブ情報表示制御部が、上記画面に表示させている上記アイコンが操作されると、操作されたアイコンのジョブに関する情報ウインドウを表示させる構成とすることが好ましい。
これにより、アイコンを直接操作して、そのアイコンが存在を示すジョブの情報ウインドウを表示させることができるので、情報ウインドウをより簡単に表示させることができる。
本発明の画像データ処理装置においては、さらに、上記ジョブ情報表示制御部が、操作された上記アイコンの近傍に上記情報ウインドウを表示させる構成とすることが好ましい。
これにより、操作されたアイコンより離れて情報ウインドウが表示される構成に比して、ユーザは、アイコンと情報ウインドウとの関係を容易に把握することができる。
アイコンの近くに情報ウインドウを表示させるにあたり、例えば、操作されたアイコンと同じアイコンを表示させると共に、これら2つのアイコン間の領域に上記情報ウインドウを表示させるようにすることもできる。このような情報ウインドウの表示のさせ方は、ユーザによるアイコンと情報ウインドウとの関係の把握をより一層容易にする。
さらに、このような表示のさせ方においては、例えば、上記画面に情報ウインドウを表示している状態で、当該情報ウインドウの両サイドに表示されている何れかの上記アイコンがタッチ操作されると、情報ウインドウを消去させるようにすることもできる。
また、アイコンの近くに情報ウインドウを表示させるにあたり、アイコンがスライド操作されると、スライド操作に追随して操作されたアイコンと同じアイコンを表示すると共に、これら2つのアイコン間に形成される広さの変わる領域に、広さに応じた情報ウインドウを表示させるようにすることもできる。
このような情報ウインドウの表示のさせ方は、ユーザによるアイコンと情報ウインドウとの関係の把握をより一層容易にすると共に、情報ウインドウのサイズをユーザ自身で変更することができる。例えば、複数の情報ウインドウを開いた場合など、各情報ウインドウの表示サイズを調整するといったことも可能になる。
本発明の画像データ処理装置においては、さらに、上記ジョブ情報表示制御部が、上記情報ウインドウを表示させてから予め定める期間が経過すると、情報ウインドウを消去させる構成とすることが好ましい。
これにより、ユーザが情報ウインドウを閉じる(消去する)操作を忘れても、時間が経過すると情報ウインドウは自動的に消去され、元のアイコンの表示画面に戻るので、不要な情報ウインドウの表示にて、アイコンの表示スペースが阻害されるようなことを防ぐことができる。
本発明の画像データ処理装置においては、さらに、上記ジョブ情報表示制御部が、上記ジョブ処理部によるジョブ処理が完了すると、ジョブ処理の完了したジョブのアイコンを消去させると共に、上記情報ウインドウを表示させている場合は、上記情報ウインドウも消去させる構成とすることが好ましい。
これにより、処理を終了したジョブに関するアイコンは画面より消去されるので、アイコンの表示画面は、常に、処理中か処理待ちのジョブに関するものだけとなり、ユーザは、現時点でのジョブの処理状況を、一目瞭然に把握することができる。
本発明の画像データ処理装置においては、さらに、記録シート上に画像データに基づく画像を作成する画像形成部を上記ジョブ処理部として備えることを特徴とすることもできる。
ところで、上記画像データ処理装置は、ハードウェアで実現してもよいし、プログラムをコンピュータに実行させることによって実現してもよい。具体的には、本発明に係るプログラムは、ジョブ情報表示制御部としてコンピュータを動作させるプログラムであり、本発明に係る記録媒体には、当該プログラムが記録されている。
これらのプログラムがコンピュータによって実行されると、当該コンピュータは、上記画像データ処理装置として動作する。したがって、上記画像データ処理装置と同様の作用効果を奏することがきる。
本発明の画像データ処理装置は、以上のように、画面に情報を表示すると共に該画面を操作することで指示を入力できる表示入力部と、上記表示入力部の画面に、受け付けたジョブの存在を示すアイコンを表示させると共に、上記アイコンを表示させている状態で上記画面が操作されると、表示させている上記アイコンのジョブに関する情報を開示する情報ウインドウを追加表示させるジョブ情報表示制御部とを備えた構成である。
これにより、操作パネルの限られた表示面積を有効に利用して、ユーザは装置が受け付けたジョブの処理状況を容易に把握することのできるという効果を奏する。
本発明の実施の一形態について、図1〜図16を参照して以下に説明する。
先ず、図2を用いて、本実施の施態であるプリンタ装置(画像データ処理装置、画像形成装置)1の全体構成を説明する。図2は、本プリンタ装置1の全体構成を示す機能ブロック図である。
図2に示すように、プリンタ装置1は、装置外部の機器と通信を可能に設けられている。そして、プリンタ装置1は、外部の機器よるジョブデータを受信することでジョブを受け付け、ジョブデータに含まれる画像データに対する印刷処理を実施する。ジョブデータには、画像データと、該画像データをジョブ処理(印刷処理)するための制御データとが含まれている。
プリンタ装置1は、ユーザの入力を受け付ける操作部(表示入力部)4と、画像データに対する印刷処理を行う画像形成部(ジョブ処理部)6と、画像データに対して画像処理を施す画像処理部9と、画像データを保存するハードディスク装置12と、装置外部の機器と通信を行うための通信手段を構成する通信部10,FAXモデム5,通信インターフェース7と、装置全体の制御情報や設定情報等を記憶している管理部14と、装置全体の制御を司る機器制御部8とを備えている。
操作部4は、入力部4aと表示部4bとを有し、装置全体の操作や各種設定の入力を可能にし、入力内容や装置全体の動作状況を表示する。入力部4aは、特に図示するものではないが、表示部4bの近傍に配置されたキー群と、表示部4b上に配置されたタッチスクリーンとを有している。このタッチスクリーンと表示部4bとで、画面にユーザが触れることで指示を入力できるタッチパネル4cが構成されている。表示部4bは、例えば液晶パネル等よりなり、本プリンタ装置1では、図3に示すように、操作部4に対峙するユーザの左右方向に細長い矩形形状をなしている。
画像形成部6は、画像データに基づく画像を記録シート上に印刷する。画像形成部6は、画像データを記憶するローカルメモリ6aと、レーザ走査ユニット等を備えた印字部6bとを有する。印字部6bは、ローカルメモリ6aに記憶された画像データに基づいて、図示しない給紙部から供給される記録シートに画像を印刷する。
画像処理部9は、ローカルメモリ6aに記憶された画像データに対して、圧縮や伸張、加工等の画像処理を施す。画像処理が施された画像データは、ローカルメモリ6aより、印字部6b或いはハードディスク装置12に出力される。ハードディスク装置12は、処理するための画像データを一時的に保存するものである。
通信部10は、ネットワーク内の情報処理装置54,55からの画像データ、及びインターネットを通じて外部の情報処理装置52やインターネットファクシミリ装置51からジョブデータを受信する。通信部10は、LANケーブルを介して図示しないルータやスイッチングハブ等に接続され、パソコン、サーバ等の情報処理装置54,55によって形成されたネットワークと接続される。そして、ネットワークは、電話回線網や光ファイバ等の通信回線を介してインターネットに接続される。
FAXモデム5は、電話線を介して電話回線網と接続され、外部のファクシミリ装置53とファクシミリ通信を行って、ファクシミリ装置53からジョブデータを受信する。
通信インターフェース7は、外部コネクタ45(図3参照)にUSBメモリ50が接続されることで、USBメモリ50と通信を行って、USBメモリ50内に格納されたジョブデータを受信する。詳細については後述するが、本プリンタ装置1は、パソコン等を介することなく、直接的にUSBメモリ50と通信を行ってジョブを受け付け、USBメモリ50内の画像データを印刷処理できるようになっている。
機器制御部8は、操作部4からの入力や、上記した通信部10、FAXモデム5、通信インターフェース7を介してジョブデータの入力があると、管理部14に記憶されている情報に基づいて、装置各部を制御して、入力された画像データを画像形成部6へと送出して、印刷処理を行わせる。
このようなプリンタ装置1において、画像形成部6には、通信部10にて受信された情報処理装置54,55,52やインターネットファクシミリ装置51からの画像データ、FAXモデム5にて受信されたファクシミリ装置53からの画像データ、及び通信インターフェース7にて受信されたUSBメモリからの画像データが入力される。
機器制御部8は、入力された画像データを画像形成部6のローカルメモリ6aに送り、画像処理部9による画像処理を施させる。画像処理が施された画像データは、出力される画像データとしてページ単位に展開され、一旦ハードディスク装置12に記憶された後、ハードディスク装置12から適切なタイミングで順次読み出されて再びローカルメモリ6aに送られる。ローカルメモリ6aの画像データは、印字部6bへの書き込みタイミングに合わせて印字部6bへ転送される。
画像データを複数枚印刷する場合も同様であり、画像データがページ単位でハードディスク装置12へ記憶され、出力するモードに合わせてハードディスク装置12からローカルメモリ6aに送られる。ローカルメモリ6aの画像データは、出力枚数の分だけ繰り返し、印字部6aへの書き込みタイミングに合わせて印字部6aへ転送される。
ところで、外部の機器からのジョブが集中した場合、1つの画像形成部にて並行して処理することはできないため、予約として受け付けて順に処理することとなる。従来のプリンタ装置の構成では、受け付けているジョブの数や処理順序等を簡単に確認できるようにはなっていない。そのため、ジョブを依頼した側は、依頼したジョブが処理されるタイミング等を容易に把握することができなかった。
これに対し、本実施形態のプリンタ装置1は、受け付けたジョブの処理順序等を確認することのできるジョブに関する情報(以下、ジョブ情報)をタッチパネル4cの限られた表示面積を有効に利用して表示するジョブ情報表示機能を備えている。
次に、本プリンタ装置1に搭載されたジョブ情報表示機能について詳細に説明する。本プリンタ装置1は、ジョブデータを受信してジョブを受け付けると、タッチパネル4cに受け付けたジョブの存在を示すジョブアイコンを表示する。そして、ジョブアイコンが表示されている状態でタッチパネル4cが操作されると、表示されているジョブアイコンのジョブに関する情報を開示する情報ウインドウを追加表示する。
このようなジョブ情報表示機能は、図1に示す、操作部4と、ジョブ情報表示制御部30とで実現される。図1は、本プリンタ装置におけるジョブ情報表示機能を実現する要部の機能ブロック図である。
図1において、ジョブ受付部31は、外部より送信されてくるジョブデータを受信してジョブを受け付けるものである。ジョブ受付部31は、図2に示す通信部10、FAXモデム5、及び通信インターフェース7にて構成されている。
ジョブデータには、前述したように、画像データと共に該画像データの印刷処理を実施するために必要な制御データが含まれ、制御データには、例えば、送信元の情報、記録シートのサイズの情報、枚数の情報、部数の情報等が含まれている。受け付けられたジョブデータは、受け付け日時や、受付経路を示す情報等を含めてジョブ情報表示制御部30に送られる。
ジョブ情報表示制御部30は、ジョブ受付部31が受け付けたジョブの存在を示すジョブアイコンをタッチパネル4cに表示させるものである。さらに、ジョブ情報表示制御部30は、タッチパネル4cにジョブアイコンを表示させている状態でタッチパネル4cが操作されると、表示させているジョブアイコンの印刷ジョブに関する情報ウインドウを追加表示させるものである。このようなジョブ情報表示制御部30は、図1に示す管理部14と機器制御部8にて構成される。
上記ジョブ情報表示制御部30は、ジョブ管理部32、ジョブ検出部34、タッチパネル制御部36、ジョブアイコン格納部35、及び操作検出部38を備えている。
ジョブ管理部32は、ジョブ受付部31が受け付けたジョブの処理状況を管理するものである。ジョブ受付部31からは、ジョブデータと共に、受け付け日時や、受付経路を示す情報等が入力される。ジョブ管理部32は、ジョブが受け付け順に処理されるように、処理状況を管理する。
ジョブ管理部32は、例えば図15に示すような管理テーブルを備えており、該管理テーブルにて、ジョブ毎に、受付日時、受信経路、画像データの送信元、記録シートのサイズ、枚数、部数等の情報が格納される。ジョブデータの送信元がパソコンやUSBメモリである場合は、ファイル名やユーザ名も格納される。
そして、本プリンタ装置1では、ジョブ管理部32は、ジョブを受信した経路に応じて、ジョブに機能情報を割り当てるようになっている。
例えば、FAXモデム5にて受信したジョブに対しては、プリンタ装置1がFAX装置として機能することを示す機能情報「FAX」が割り当てられる。
また、通信部10にて受信したジョブに対しては、プリンタ装置1がインターネットファクシミリ装置51として機能することを示す「iFAX」か、プリンタ装置1が他のパソコン等からのジョブを処理する本来のプリンタとして機能することを示す「プリンタ」が割り当てられる。なお、「iFAX」か「プリンタ」かの違いは、E−MAILと同様にメールアドレスが付与された受信したデータは「iFAX」、ページ記述言語(PDL:Page Description Language)形式で受信したデータは「プリンタ」として判別する。
さらに、上述したように、本プリンタ装置1は、通信インターフェース7にてUSBメモリと直接的に通信を行ってジョブを受け付ける機能を有しているので、通信インターフェース7にて受信したジョブの対しては、このような特殊プリンタとして機能することを示す機能情報「USB」が割り当てられる。
ジョブ検出部34は、ジョブ受付部31よりジョブデータを受信すると、ジョブが発生したこをと検出して、タッチパネル制御部36に送信する。
タッチパネル制御部36は、表示部4bを制御して、プリンタ装置1が受け付けたジョブの存在を示すジョブアイコンを表示させる。本実施の形態では、受け付けジョブのうちで、処理中或いは処理待ちのジョブのジョブアイコンのみを表示する。また、詳細については後述するが、本プリンタ装置1においては、上記ジョブアイコンは、機能情報毎に定められている。
ここで、タッチパネル制御部36は、ジョブ検出部34による検出にて、新たなジョブが発生したことを検知すると、ジョブ管理部32の管理内容を参照して、新たに受け付けたジョブの機能情報を取得する。そして、取得した機能情報に応じたジョブアイコンを、ジョブアイコン格納部35より抽出してタッチパネル4cに表示させる。ジョブアイコン格納部35には、タッチパネル4cに表示される種々のジョブアイコンの形状データが格納されている。
タッチパネル制御部36は、ジョブが完了するまで当該ジョブのジョブアイコン表示を継続させ、ジョブが完了したことを確認すると、表示を終了して画面より消去させる。このようなジョブの処理状況は、ジョブ管理部32の管理内容を参照して判断する。
また、タッチパネル制御部36は、画面に複数のジョブアイコンを表示させるにあたり、画面の対角線に沿って受付順に表示させたり、重なり合わないようにずらして表示させたり、或いは、ジョブの処理状況に応じて表示形態を異ならせたりといった、様々な工夫を施す。これについては後述する。
さらに、タッチパネル制御部36は、タッチパネル4cにジョブアイコンを表示させている状態で画面が操作されると、表示させているジョブアイコンのジョブに関する情報ウインドウを追加して表示させる。情報ウインドウにて表示される情報の内容は、機能情報毎に定められている。これについても後述する。
本プリンタ装置1では、タッチパネル制御部36は、ジョブアイコンが操作されることで、操作されたジョブアイコンの印刷ジョブに関する情報ウインドウを、操作されたジョブアイコンの近傍に表示させる。なお、以下においては、情報ウインドウを表示することを開く、表示した情報ウインドウを非表示とすることを閉じると表現することがある。
操作検出部38は、タッチパネル4cから入力される信号に基づいて、操作されたジョブアイコンを特定し、また、その操作方法を検出してタッチパネル制御部36に送るものである。本プリンタ装置1において、情報ウインドウを表示させるジョブアイコンの操作方法として、スライド操作とタッチ操作の2種類がある。
スライド操作とは、図5に示すジョブアイコン104に対する操作のように、ジョブアイコン104を押圧した状態で平行移動させる操作である。一方、タッチ操作とは、図8に示すジョブアイコン104に対する操作のように、ジョブアイコン104を押圧した後、直ぐに押圧を解除する操作である。スライド操作である場合は、操作の奇跡もタッチパネル制御部36に送られる。
以下、図3〜図14を用いて、ジョブ情報表示制御部30によるジョブ情報の表示の仕方について説明する。
先ず、ジョブアイコンの表示について説明する。図4の示すタッチパネル4cの画面は、プリンタ装置1が、機能情報「プリンタ」,「iFAX」,「FAX」,「USB」の4つのジョブを受け付けている状態を示している。
図4において、参照符号101にて示すジョブアイコンが、機能情報「プリンタ」のジョブの存在を示すジョブアイコンである。○に「プリンタ」と記された形状を有している。参照符号102にて示すジョブアイコンが、機能情報「iFAX」のジョブの存在を示すジョブアイコンである。○に「iFAX」と記された形状を有する。
参照符号103にて示すジョブアイコンが、機能情報「FAX」であるジョブの存在を示すジョブアイコンである。○に「FAX」と記された形状を有する。参照符号104にて示すジョブアイコンが、機能情報「USB」であるジョブの存在を示すジョブアイコンである。○に「USB」と記された形状を有する。
このように、ジョブアイコンの形状を機能情報に応じて異ならせることで、ユーザは、タッチパネル4cの画面を視認するだけで、どのような種類(機能情報)のジョブが現在受け付けられているのかを簡単に把握することができる。
なお、例示した機能情報に応じたジョブアイコン101〜104の形状は一例であり、形状としては種々のものが考えられる。但し、形状の特徴に基づいてジョブの機能情報を特定できるものが好ましい。
これら複数のジョブアイコン101〜104は、図4に示すように、タッチパネル4cの画面左上の隅から斜めに、ここでは略画面対角線に沿って、受付順に配置される。処理は受付順に実施されるので、4つのジョブアイコン101〜104のうち、タッチパネル4cの画面左上の隅にあるジョブアイコン101が存在を示すジョブが、最も先に処理されるジョブとなる。そして、ジョブアイコン102が存在を示すジョブが、ジョブアイコン101のジョブの次に処理されるジョブであり、ジョブアイコン103のジョブ、ジョブアイコン104のジョブの順に処理される。
このような表示により、ユーザは、現時点で受け付けているジョブ数と共に、各印刷ジョブの処理順をも、一目瞭然に確認することが可能となる。
また、複数のジョブアイコンを表示するあたり、ジョブアイコン同士は互いに重なり合わないように表示することも重要である。ジョブアイコンが重なり合うと、受け付けているジョブ数を一目瞭然に把握することができなくなるだけでなく、後述するように、情報ウインドウを表示させる操作にも支障を来たす。
ずらして表示する場合、上記したジョブアイコン101〜104のように丸型のものは、四角や三角等の角のある形状のジョブアイコンに比して、画面の左右方向(長手方向)及び上下方向(短手方向)における互いの距離を近接させることができるといった利点もある。ジョブアイコンの数がさらに多くなる場合には、隣り合うジョブアイコンの間隔を適宜詰めて表示させるようにしてもよい。
また、図4に示すように、ジョブアイコン101〜104には、ジョブアイコンと共に、各ジョブアイコンより画面の上下方向に延びるライン部Lが表示される。このようなライン部Lは、ジョブアイコン101〜104の並びが強調され、ユーザの視認を助ける効果がある。
さらに、ジョブアイコン101〜104のうち、機能情報「プリンタ」のジョブアイコン101は、処理待ちのジョブアイコン102,103よりも、○部分が太く表示されて強調されている。これは、このジョブアイコン101が存在を示すジョブが現在処理中であることを示している。
このように、現在処理中のジョブに関するジョブアイコンの表示形態を、処理待ちのジョブに関するジョブアイコンと異ならせることで、ユーザは処理中であることを容易に認識できるようになる。
同様に、図4における機能情報「USB」のジョブアイコン104は、処理待ちのジョブアイコン102,103が一重線であるのに対して、○部分が二重線にて表示され強調されている。これは、ジョブアイコン104が存在を示すジョブが新規受付のジョブであることを示している。
このような新規受付のジョブアイコン104は、図3に示すように、ジョブアイコン101,102,103を表示している状態で、通信インターフェース7の外部コネクタ45にUSBメモリ50が接続されることにより追加表示され、画面表示が図4のものへと切り替わる。
新規受付のジョブに関するジョブアイコンの表示形態を、処理待ちのジョブに関するジョブアイコンと異ならせることで、新規受付されたジョブであることを、ユーザは容易に認識できる。
新規受付ジョブであることを示す表示形態は、所定の期間が経過すると、処理待ちの通常の表示形態に戻る。これにより、最後に受け付けたジョブのジョブアイコンが、次のジョブを受け付けるまでいつまでも新規受付の表示形態で表示され続けるといった不都合を回避することができる。
また、USBメモリ50が接続されたことを示す機能情報「USB」のジョブアイコンに関しては、後述するように情報ウインドウを用いて処理すべきデータが選択され、情報ウインドウが閉じられた時点で、通常の処理待ちの表示形態に戻るようにもなっている。
なお、ここで示した表示形態の異ならせ方は一例であり、ジョブアイコンを点滅表示させたり、反転表示させたり、或いは、ジョブアイコンを回転させたりしてもいい。また、タッチパネル4cの表示部4bがカラー表示可能なものであれば、ジョブアイコンの色を異ならせたり、ジョブアイコンそのもの、或いはジョブアイコンの周囲、或いはライン部、或いはそれら全てを発光表示させたりしてもよい。
一方、画面に表示されたジョブアイコンは、処理が完了すると消去されることとなるが、例えば図4に示す画面が表示されている状態において、ジョブアイコン101に関するジョブが終了すると、タッチパネル4cの表示は、図14に示す表示例へと切り替わる。つまり、図14に示すように、ジョブアイコン101が画面より消去されると同時に、後続のジョブアイコン102…が左斜め上方にシフトし、ジョブアイコン102を先頭に再表示されることとなる。
このような表示とすることで、ジョブアイコンは、常に、画面の左上の隅より処理順に表示されるので、処理の終了したジョブに関するジョブアイコンを単に画面より消去する構成に比して、ユーザによる印刷ジョブの処理状況の把握が容易になる。
続いて、情報ウインドウの表示について説明する。上述したように、本プリンタ装置1においては、画面に表示されているジョブアイコンを操作することで、操作したジョブアイコンの情報ウインドウを表示させることができる。情報ウインドウ内に表示される情報は、印刷ジョブの機能情報に応じて予め定められており、詳細については後述する。
例えば図5に示すように、「USB」と記されたジョブアイコン104をスライド操作すると、図6、図7に示すように、スライド操作に追随するように情報ウインドウ201が表示される。この情報ウインドウ201は、機能情報「USB」の情報ウインドウである。
より詳細には、スライド操作に追随して、ジョブアイコン104と同じ形状を有するサテライトアイコン104’が、ジョブアイコン104と対を成すように並行に表示され、これら2つのアイコン104・104’の間に、情報ウインドウ201が表示される。
このとき、ジョブアイコン104のさらに右側に後続の印刷ジョブの存在を示すジョブアイコンがある場合は、これら後続のジョブアイコンは、画面右側位置へと水平に移動する。
このようなスライド操作では、情報ウインドウ201の表示領域となる対をなす2つのアイコン104・104’間の大きさは、その操作量に応じて変化する。したがって、情報ウインドウ201の表示サイズも、該領域の広さに見合うように調整され、横方向に拡縮表示される。
ここで、サテライトアイコン104’の移動には、例えば、情報ウインドウ201の最大の表示サイズを設定しておき、最大表示サイズによる表示が可能となった位置にて規制するようにすることが好ましい。
このような情報ウインドウ201の最大サイズは、固定であってもよいが、ジョブアイコンの表示数が多い場合などは、最大サイズで開くと、全てのジョブアイコンを表示しきれなくなる。したがって、そのような場合は、最大サイズを小さくするような構成としてもよい。また、逆に、最大サイズは固定とし、ジョブアイコン間隔を狭くするようにしてもよい。
また、図8に示すように、ジョブアイコン104をタッチ操作することでも、情報ウインドウ201は表示される。タッチ操作の場合は、操作と同時に、図9に示すように、内容の確認が容易な所定のサイズの情報ウインドウが表示される。この場合も、操作されたジョブアイコン104と同じ形状のサテライトアイコン104’の間に、情報ウインドウ201が表示される。
表示された情報ウインドウ201は、両サイドにあるアイコン104・アイコン104’のうちの何れかがタッチ操作することで消去される。情報ウインドウの消去と共に、第2ジョブアイコン104’も消去される。
また、サテライトアイコン104’を、元のジョブアイコン104に重ね合わせるようにスライド操作することでも、消去される。この場合は、スライド操作の量に応じて、情報ウインドウ201は徐々に小さくっていき、やがて消えることとなる。
さらに、情報ウインドウ201を消去させる操作を行わなくても、情報ウインドウ201は、表示されてから予め定める時間が経過すると消去されるようになっている。また、表示している情報ウインドウに関するジョブの処理が完了した場合も自動的に消去されるようになっている。
情報ウインドウの消去と同時、或いは追随するように、情報ウインドウ201の表示領域を確保するために、画面右側位置に表示されていた他のジョブアイコンは、画面左に移動し、元の位置に表示される。
複数のジョブアイコンが操作された場合は、操作された各ジョブアイコンに関する情報ウインドウが、並行して表示される。例えば図10に示すように、情報ウインドウ202が表示されている状態で、「FAX」と記されたジョブアイコン103を操作すると、図11に示すように、新たな情報ウインドウ204が追加表示されることとなる。
ここで、参照符号202にて示す情報ウインドウは、「プリンタ」と記されたジョブアイコン101が操作されることで表示される機能情報「プリンタ」の情報ウインドウである。また、参照符号204にて示す情報ウインドウは、「FAX」と記されたジョブアイコン103が操作されることで表示される機能情報「FAX」の情報ウインドウである。
このように複数の情報ウインドウが表示されている状態で、何れかの情報ウインドウに関するジョブアイコンがスライド操作されて表示サイズが変化すると、これに連動して他の情報ウインドウの表示サイズも変化する。
その様子を図12、図13に示す。図12は、複数の情報ウインドウ203・201が並んで表示されている状態を示す。ここで、参照符号203にて示す情報ウインドウは、「iFAX」と記されたジョブアイコン102が操作されることで表示される機能情報「iFAX」の情報ウインドウである。
この図12に示す表示の状態で、「USB」と記されたジョブアイコン104がスライド操作されると、図13に示すように、このジョブアイコン104に関する情報ウインドウ201の表示領域が広がり、情報ウインドウ201の表示サイズが大きくなる一方、もう一方の情報ウインドウ203の表示領域が狭くなり、表示サイズも小さくなる。
情報ウインドウ203は、予め定められている所定の最小サイズまで小さくなり、ジョブアイコン104も、情報ウインドウ203が最小サイズとなるまでは、左方向にスライド移動させることが可能である。
次に、印刷ジョブの機能情報に応じて定められている情報ウインドウについて説明する。
図9(図7)に示すように、機能情報「USB」のジョブに関する情報ウインドウ201には、接続されているUSBメモリ50内にある全ファイルのファイル名の情報「W1,W2…,X1,X2…」が表示される。さらに、方向キー210、プリントキー211、及びOKキー215等が表示される。
方向キー210は、ファイルを選択する際に使用されるもので、該キー210を操作することで、「W1,W2…,X1,X2…」のうちの1つが選択される。プリントキー211は、印刷処理を指定するためのもので、あるファイルが選択されている状態でこのプリントキー211が操作されると、プリント指示が入力される。OKキー215は、選択が完了したことを入力するためのキーであり、プリントキー211の操作に続けてOKキー215を操作することで、プリント指示が有効となる。
複数のファイルの印刷処理を指定する場合は、方向キー210を使用してのファイルの選択と、続くプリントキー211、OKキー215の操作を、選択したファイルの数だけ繰り返して行う。
また、図10に示すように、機能情報「プリンタ」のジョブに関する情報ウインドウ202には、当該印刷ジョブにおいて指定されている、記録シートのサイズの情報「A4」、部数の情報「3部」、画像データの送信元の情報「PC 7号機」、画像データのファイル名の情報「06J056XX」、ユーザ名の情報「060ZMO」等が表示される。
さらに、情報ウインドウ202には、キャンセルキー214及びOKキー215も表示される。キャンセルキー214は、このジョブに対する画像形成部6における印刷処理をキャンセルするためのキーである。また、OKキー216は、情報ウインドウ202からの指示の入力を終了するときに操作するためのキーである。情報ウインドウ202の場合であれば、キャンセルキー214を操作した後、OKキー216を操作することで、キャンセル指示が有効となる。
また、図11に示すように、機能情報「FAX」のジョブに関する情報ウインドウ204には、この印刷ジョブにおいて指定されている、記録シートのサイズの情報「A4」、枚数の情報「3枚」、送信元の電話番号の情報等が、上記したキャンセルキー214及びOKキー216と共に表示される。
また、図12に示すように、機能情報「iFAX」のジョブに関する情報ウインドウ203には、この印刷ジョブにおいて指定されている、記録シートのサイズの情報「A4」、枚数の情報「7枚」、送信元のメールアドレスの情報等が、上記したキャンセルキー214及びOKキー216と共に表示される。
図16のフローチャートを用いて、ジョブを新たに受け付け場合に、一定の期間のみ新規受付の表示形態でジョブアイコンを表示する処理手順を説明する。
ジョブ受付部31が、ジョブデータを受信してジョブを受け付け、ジョブ検出部34が新たなジョブの受付を検出すると、タッチパネル制御部36にこれを伝える。一方、ジョブ管理部32は、新たに受け付けたジョブのジョブ受信経路を確認し(S1)、機能情報を割り当てる。
タッチパネル制御部36は、新たに受け付けたジョブに割り当てら得た機能情報を、ジョブ管理部32を参照して取得し、機能情報に基づいた形状(種類)のジョブアイコンを決定する(S2)。
次に、タッチパネル制御部36は、ジョブ管理部32を参照してジョブ受信状況を確認し(S3)、新たに受け付けたジョブに関するジョブアイコンの表示位置を決定する(S4)。
このようにして、表示すべきジョブアイコンの種類が決まると、タッチパネル制御部36は、ジョブアイコンを新規受付の表示形態にて表示し(S5)、続けてタイマーをセットする(S7)。その後、予め定める時間t1が経過すると、ジョブアイコンの表示形態を、通常の処理待ちの表示形態に変更する(S8)。
図17のフローチャートを用いて、情報ウインドウを表示する処理手順を説明する。操作検出部38は、タッチパネル4cにジョブアイコンを表示している状態で、ジョブアイコンが押圧されたことを検出すると、押圧されたジョブアイコンを特定し、タッチパネル制御部36に伝える(S11)。
タッチパネル制御部36は、ジョブ管理部32を参照して押圧されたジョブアイコンの詳細情報を確認する(S12)。操作検出部38は、続けて、その操作方法、つまり、スライド操作であるのかタッチ操作であるのかを検出して、タッチパネル制御部36に送る(S13)。タッチパネル制御部36は、その操作方法に応じて、操作されたジョブアイコンの情報ウインドウを表示して詳細情報を提示する。
以上のように、本実施形態のプリンタ装置は、タッチパネル4cの画面に、装置が受け付けたジョブの存在を示すジョブアイコンが表示されると共に、ジョブアイコンが表示されている状態で、画面を操作することで、表示しているジョブアイコンのジョブに関する情報ウインドウが追加表示されるようになっている。
したがって、タッチパネル4cの限られた表示面積であっても、ユーザは、プリンタ装置1のジョブの受け付け状態を容易に把握することがで、かつ、受け付けたジョブの詳細な情報を、他画面への遷移を伴うことなく、ジョブアイコンが表示されている画面のままで確認することができる。
これにより、ユーザは、プリンタ装置1が受け付けたジョブの処理状況を、ジョブの詳細情報を含め、タッチパネル4cの限られた表示面積を有効に利用して容易に把握することができる。
なお、情報ウインドウに開示される情報や、情報ウインドウを表示してから自動的に消去させるまでの時間、新規受付の表示形態から通常の処理待ちの表示形態へと戻すまでの時間などは、ユーザに要望に応じて変更できる構成とすることもできる。
最後に、画像データ処理装置であるプリンタ装置1の各ブロック、特にジョブ情報表示制御部30は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、プリンタ装置1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるプリンタ装置1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記プリンタ装置1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、プリンタ装置1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。