JP4425702B2 - 導電性および耐食性に優れたステンレス鋼およびそのステンレス鋼により形成された高分子電解質燃料電池セパレータ - Google Patents
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Description
本発明は、かかる問題に鑑みなされたもので、加工性を損なうことなく、優れた導電性と耐食性を兼備したステンレス鋼および高分子電解質燃料電池セパレータを提供することを目的とする。
Cはオーステナイト生成元素であり、かつ強度の向上に効果があるが、含有量が多すぎるとCr炭化物の形成に伴いCr欠乏領域を生じて耐食性を劣化させる。このため、C量の上限を0.05%、好ましくは0.03%とする。
Siは溶鋼の脱酸および鋳造性確保並びに耐食性に有効な元素である。このような作用を有効に発揮させるには、0.10%以上添加することが好ましいが、多量の含有は靭性を悪化させるので、その上限を2.0%、好ましくは1.5%とする。
Mnは脱酸、脱硫を目的として添加され、またオーステナイト相安定化元素として作用する。このような作用効果を有効に発揮させるには、0.10%以上添加することが好ましいが、2.0%を超えて添加すると耐食性が劣化するようになるので、Mn量の上限を2.0%、好ましくは1.5%とする。
Pは鋼中へ不可避的に混入する不純物元素であり、少ない程好ましい。0.040%を超えると靭性の劣化が著しくなるので、本発明では0.040%以下に止める。
Sも鋼中へ不可避的に混入する不純物元素であり、少ない程好ましい。0.003%を超えると熱間加工性の劣化が著しくなるので、本発明では0.003%以下に止める。
Niは耐食性を向上させると共に、組織を二相(フェライトおよびオーステナイト)に制御するために添加される。2.0%未満では耐食性が不足するようになり、またオーステナイトの生成が困難になる。一方、8.0%超ではフェライト相が生成し難く、オーステナイト単相組織になり易い。このため、Ni量の下限を2.0%、好ましくは3.0%とし、その上限を7.83%、好ましくは7.5%とする。
Crは耐食性を支配する重要な成分であり、Cr量が20%未満ではセパレータとして要求される耐食性の向上効果が緩慢である。耐食性向上効果は20%を境として高効果が維持されるようになる。一方、30%を超えて添加するとオーステナイト相を不安定にし、また靭性を低下させる。このため、Cr量の下限を20%、好ましくは21%とし、その上限を30%、好ましくは28%とする。
Moは少量の添加で耐食性の改善に極めて有効な元素であるが、その含有量が1.0%未満では所望の効果が得られない。Moの増加に伴い耐食性は改善されるが、8.0%を超すとその改善効果が飽和し、経済的でなく、また靭性が劣化するようになる。このため、Mo量の下限を1.0%、好ましくは1.5%とし、その上限を8.0%、好ましくは6.5%とする。
CuはNi、Cr、Mo添加の下、Tiと協働して酸化性酸の腐食環境において優れた耐食性改善効果を有し、また導電性を向上させる作用を有する。1.0%未満ではこれらの作用効果が過少である。耐食性改善効果は1.0%を臨界点として高い効果が維持されるようになるが、8.0%を超えて添加すると熱間加工性が劣化するようになる。このため、Cu量の下限を1.0%、好ましくは1.5%とし、その上限を8.0%、好ましくは7.0%とする。
TiはNi、Cr、Mo添加の下、Cuと協働して酸化性酸の腐食環境において優れた耐食性改善効果を有し、また導電性を向上させる作用を有する。0.50%未満ではこれらの作用効果が過少である。耐食性改善効果は0.50%を臨界点として非常に高い効果が維持されるようになるが、2.0%を超えて添加すると熱間加工性が劣化するようになる。このため、Ti量の下限を0.50%、好ましくは0.60%とし、その上限を2.0%、好ましくは1.8%とする。
Niは耐食性を向上させると共に、組織をオーステナイト単相に制御するために添加される。8.0%以下ではフェライトが生成するようになり、オーステナイト単相に形成することが困難になる。一方、30%を超えて添加しても耐食性向上効果は飽和し、材料コスト高を招来する。このため、Ni量を8.0%超、好ましくは10%以上とし、その上限を30%、好ましくは28%とする。
Crは耐食性を支配する重要な成分であり、Cr量が20%未満ではセパレータとして要求される耐食性の向上効果が緩慢である。耐食性向上効果は20%を境として高効果が維持されるようになる。一方、35%を超えて添加すると、前記Ni含有範囲においてもオーステナイト相が不安定になり、オーステナイト単相組織を得ることが困難になる。このため、Cr量の下限を20%、好ましくは21%とし、その上限を35%、好ましくは30%とする。
AlはNi、Cr、Mo添加の下、Cu、Tiと協働して酸化性酸に対する耐食性を向上させる。このような作用効果を有効に発揮させるには、0.1%以上、好ましくは0.2%以上添加することが望ましいが、1.0%を超えると耐食性向上効果は飽和し、かつ熱間加工性が劣化するようになる。このため、Al量の上限を1.0%、好ましくは0.8%とする。
Nも酸化性酸に対する耐食性を向上させる作用を有する。このような作用効果を有効に発揮させるには、0.04%以上添加することが望ましいが、0.40%を超えると熱間加工性が著しく劣化するようになる。このためN量の上限を0.40%、好ましくは0.30%とする。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定的に解釈されるものではない。
また、上述の腐食試験後の試験片21を用いて、図2に示すように、両面から同じ大きさのカーボンペーパー22、23で挟み、さらに電極24,25を接触させて15kgf/cm2の圧力をかけ、4端子法により抵抗を測定し、接触抵抗を算出した。接触抵抗は加圧力により変化するが、10kgf/cm2以上では加圧力によらずほぼ一定値が得られることを確認している。高分子電解質燃料電池セパレータの場合、接触抵抗が低いほど望ましいが、実用上、10mΩ・cm2以下であれば問題はない。
図3は試料No. 1〜6(比較例)を用いてCr量と質量減耗率との関係を示したグラフであるが、質量減耗率は20%のCr量を境としてそれ以上で著しく低減している。また、図4は試料No. 7〜11(比較例)を用いてCu量と質量減耗率との関係を示したグラフであるが、Cu量が1.0%を境として、優れた耐食性向上効果が維持されている。一方、Cr量が同等の試料No. 7,8と比較して、Cuを1.0%以上添加することにより導電性が大きく改善されている。また、図5はCu添加を前提とし、Tiを複合添加した試料No. 12,13(比較例)およびNo. 14〜16(発明例)を用いてTi量と質量減耗率との関係を示したグラフであるが、Ti量が0.5%を境として、質量減耗率が0.1%以下に維持され、非常に優れた耐食性向上効果が維持されていることが分かる。また、導電性についても、発明例のNo. 14〜16から0.5%以上の添加により10mΩ・cm2以下となっており、優れた導電性が得られている。他の発明例(試料No. 17〜36)についても、優れた耐食性と導電性が得られている。特に、Al、Nを添加したものは、耐食性がより改善されている。
Claims (5)
- 質量%で、
C:0.05%以下、
Si:2.0%以下、
Mn:2.0%以下、
P:0.040%以下、
S:0.003%以下、
Ni:2.0〜7.83%、
Cr:20〜30%、
Mo:1.0〜8.0%、
Cu:1.0〜8.0%、
Ti:0.50〜2.0%
を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなり、フェライト及びオーステナイトの二相組織を有する、導電性および耐食性に優れたステンレス鋼。 - 質量%で、
C:0.05%以下、
Si:2.0%以下、
Mn:2.0%以下、
P:0.040%以下、
S:0.003%以下、
Ni:8.0超〜30%、
Cr:20〜35%、
Mo:1.0〜8.0%、
Cu:1.0〜8.0%、
Ti:1.06〜2.0%
を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなり、オーステナイト単相組織を有する、導電性および耐食性に優れたステンレス鋼。 - さらに、Al:1.0%以下を含む請求項1または2に記載したステンレス鋼。
- さらに、N:0.40%以下を含む請求項1から3のいずれか1項に記載したステンレス鋼。
- 請求項1から4のいずれか1項に記載したステンレス鋼によって形成された高分子電解質燃料電池セパレータ。
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