JP4424866B2 - ゴルフボール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、良好な打球感を有するとともに飛距離が大きく、さらにラフからのショットや雨天時のショットにもスピンが大きく、止まりやすいゴルフボールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液体センターに糸巻き層を形成し、これにバラタカバーを被覆したゴルフボールは打球感、コントロール性に優れていることから上級ゴルファーおよびプロゴルファーに広く使用されていた。しかし係るゴルフボールの構造は製造工程が複雑であることや、耐カット性に劣ることから、最近ではバラタカバーに代わる種々の軟質カバー材が提案されている。
【0003】
たとえば、特開平1−308577号公報で見られるごとくカバーの基材樹脂に軟質のアイオノマー樹脂を用いる技術がある。しかし、かかる技術では、ウエット時のスピン量はドライ時のスピン量に対し劣るため、スピン保持率の面で、不十分であった。
【0004】
また、特開平10−179802号公報ではカバーの基材樹脂が、アイオノマー樹脂と、エポキシ基を含有するポリブタジエンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、またはエポキシ基を含有するポリイソプレンブロックを有するスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体との2成分の加熱混合物を主成分として構成され、カバーを構成する組成物の曲げ剛性率が50〜300MPaで、かつショアD硬度は40〜60であることを特徴とするゴルフボールが提案されている。かかる技術で打球感およびコントロール性が良好で飛行性能および耐カット性が満足できるが、しかしスピン保持率の向上を意図するものではない。
【0005】
さらに特開平9−173504号公報では油状物質を含有する固形ゴムセンターと軟質カバー材を用いることにより、打球感を改善するとともにショートアイアンでのスピン量を大きくさせることが提案されている。
【0006】
しかしながら固形ゴムセンターの外側に耐油性ゴムや高い硬度のアイオノマー樹脂を用いているため、反撥性および打球感になお改善の余地がある。
【0007】
発明者は、既にコアと、該コアを被覆するカバーからなるゴルフボールにおいて、カバーをアイオノマー樹脂と熱可塑性エラストマーと、粘着付与剤の混合物でかつショアD硬度を40〜65に構成することにより、ウエット時のスピン性能を向上させることを提案した(特願平11−276745)。しかしながら、この発明では低温における反撥弾性は必ずしも満足できるものではなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来のゴルフボールの問題点を解決し、軟らかく低温でも反撥弾性に優れ、さらにラフからのショットや雨天時のショットにもスピン量が大きく、止まりやすいゴルフボールを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明はコアと、該コアを被覆するカバーからなるゴルフボールにおいて、前記カバーがアイオノマー樹脂とゴム成分を有する熱可塑性エラストマーと軟化点が100℃以下の粘着付与剤の混合物から構成され、損失正接のピーク温度が5℃以下であり、ショアD硬度が35以上で60以下であることを特徴とするゴルフボールである。
【0010】
本発明のゴルフボールはカバーを構成するアイオノマー樹脂とゴム成分を有する熱可塑性エラストマーの合計の100重量部に対して、粘着付与剤が5〜30重量部配合されていることが好ましい。
【0011】
そして前記ゴム成分を有する熱可塑性エラストマーがスチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SIBS構造)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS構造)、そのブタジエンの二重結合部分を水素添加したスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS構造)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS構造)、そのイソプレン二重結合部分を水素添加したスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS構造)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS構造)およびそれらの変性物であることが望ましい。
【0012】
また前記粘着付与剤はテルペン樹脂および/またはロジンエステル樹脂が望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、コアと、該コアを被覆するカバーよりなるゴルフボールである。本発明において、カバーの基材樹脂として用いられるアイオノマー樹脂としては、たとえばα−オレフィンと炭素数3〜8のα,β−不飽和カルボン酸との共重合体であってそのカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和して得られる二元共重合体がある。またα−オレフィンと炭素数3〜8のα,β−不飽和カルボン酸と炭素数2〜22のα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体で、そのカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和して得られるものが挙げられる。
【0014】
そしてそれらの組成比としては、アイオノマー樹脂のベースポリマーがα−オレフィンと炭素数3〜8のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体の場合、α−オレフィンが80〜90重量%で、α,β−不飽和カルボン酸が10〜20重量%であることが好ましい。ベースポリマーがα−オレフィンと炭素数3〜8のα,β−不飽和カルボン酸と炭素数2〜22のα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体の場合、α−オレフィンが70〜85重量%で、α,β−不飽和カルボン酸が5〜20重量%で、α,β−不飽和カルボン酸エステルが10〜25重量%であることが好ましい。またこれらのアイオノマー樹脂はメルトインデックス(MI)が0.1〜20、特に0.5〜15であることが好ましい。
【0015】
上記α−オレフィンとしては、たとえばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテンなどが用いられ、特にエチレンが好ましい。炭素数3〜8のα,β−不飽和カルボン酸としては、たとえばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸などか用いられ、特にアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。また、不飽和カルボン酸エステルとしては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などのメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソブチルエステルなどが用いられ、特にアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが好ましい。上記α−オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体またはα−オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を中和する金属イオンとしては、たとえば、ナトリウムイオン、リチウムイオン、亜鉛イオン、マグネシウムイオン、カリウムイオンなどがある。そして、アイオノマー樹脂が、エチレンとアクリル酸またはメタクリル酸との共重合体中のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和したものである場合は、そのメルトインデックスが3〜7で、曲げ剛性率が200〜400MPaのいわゆる高剛性でかつハイフロータイプのものであることが好ましい。
【0016】
上記アイオノマー樹脂の具体例を商品名で例示すると、三井デュポンケミカル(株)から市販されている、ハイミラン1555(Na)、ハイミラン1557(Zn)、ハイミラン1605(Na)、ハイミラン1706(Zn)、ハイミラン1707(Na)、ハイミランAM7318(Na)、ハイミランAM7315(Zn)、ハイミランAM7317(Zn)、ハイミランAM7311(Mg)、ハイミランMK7320(K)があり、また三元共重合体アイオノマー樹脂として、ハイミラン1856(Na)、ハイミラン1855(Zn)、ハイミランAM7316(Zn)などがある。さらにデュポン(株)から市販されているアイオノマー樹脂としては、サーリン8940(Na)、サーリン8945(Na)、サーリン9910(Zn)、サーリン9945(Zn)、サーリン7930(Li)、サーリン7940(Li)7、三元共重合体系アイオノマー樹脂として、サーリンAD8265(Na)、サーリンAD8269(Na)などがある。
【0017】
エクソン(株)から市販されているアイオノマー樹脂としては、アイオテック7010(Zn)、アイオテック8000(Na)などがある。なお、上記アイオノマー樹脂の商品名の後の括弧内に記載したNa、Zn、K、Li、Mgなどは、これらの中和金属イオンの金属種を示している。また、本発明において、カバーの基材樹脂に用いられるアイオノマー樹脂は、上記例示のものを2種以上混合してもよいし、上記例示の1価の金属イオンで中和したアイオノマー樹脂と2価の金属イオンで中和したアイオノマー樹脂を2種以上混合して用いてもよい。
【0018】
次に本発明のカバー材にソフトセグメントとハードセグメントを有するいわゆるゴム成分を有する熱可塑性エラストマーを1種以上混合して使用する。ここでゴム成分を有する熱可塑性エラストマーは、ゴム成分としてブタジエンブロックあるいはイソプレンブロック等の共役ジエン化合物によるブロック単位を有するブロック共重合体が使用される。共役ジエン化合物としては、たとえばブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の中から1種または2種以上が選択でき、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組合せが好ましい。他のブロック共重合体を構成する成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレン等の中から1種または2種以上が選択でき、スチレンが好ましい。
【0019】
具体的なブロック共重合体としては、たとえばスチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SIBS構造)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS構造)、そのブタジエンの二重結合部分を水素添加したスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS構造)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS構造)、そのイソプレン二重結合部分を水素添加したスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS構造)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS構造)およびそれらを変性したもの等が挙げられる。
【0020】
なお上記SIBS構造、SBS構造、SEBS構造、SIS構造、SEPS構造、SEEPS構造におけるスチレン(またはこれに代わる単量体)の含量は共重合体中10〜50重量%、特に15〜45重量%の範囲である。10重量%より少ない場合、カバーは軟らかくなりすぎて、耐カット性は低下する傾向にあり、一方50重量%より多い場合はアイオノマー樹脂の軟質化が十分に達成できず打球感、コントロール性が悪くなる。
【0021】
本発明では、上記SIBS構造、SBS構造、SEBS構造、SIS構造、SEPS構造、SEEPS構造の共重合体の一部にエポキシ基を含有してもよい。
【0022】
たとえばエポキシ基を含有するポリブタジエンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS構造)とは、両末端にポリスチレンを持つブロック共重合体で、その中間相がエポキシ基を含有するポリブタジエンであり、そのポリブタジエン部分の二重結合の一部または全部に水素添加したものであってもよく、また、エポキシ基を含有するポリイソプレンブロックを有するスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS構造)とは、両末端にポリスチレンを持つブロック共重合体で、その中間相がエポキシ基を含有するポリイソプレンであり、そのポリイソプレン部分の二重結合の一部または全部に水素添加したものであってもよい。
【0023】
エポキシ化SBS構造またはSIS構造のブロック共重合体のエポキシ基含量は0.05〜10重量%、特に0.2〜5重量%であることが好ましい。上記エポキシ基含量が0.05重量%より少ない場合は、エポキシ基とアイオノマー樹脂中の遊離のカルボキシル基との反応量が少なくなり、アイオノマー樹脂中へのエポキシ化SBS構造またはSIS構造のブロック共重合体の分散性が低下して、耐久性が悪くなるおそれがあり、また、エポキシ基含量が10重量%より多い場合は、エポキシ基とアイオノマー樹脂中の遊離のカルボキシル基との反応量が多くなりすぎ、流動性が悪くなって、ボールの成形が困難になるおそれがある。
【0024】
このエポキシ化SBS構造またはSIS構造のブロック共重合体の市販品としては、たとえば、ダイセル化学工業(株)からエポフレンドA1010、ESBSなどの商品名で市販されているエポキシ基を含有するポリブタジエンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS構造)や、ESBS AT018、ESBS AT019などの商品名で市販されているエポキシ基を含有するポリブタジエンブロックの一部に水素添加したスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体などがあり、いずれも本発明において好適に使用される。
【0025】
また上記末端に水酸基が付加したSEBS構造、SEPS構造またはSEEPS構造を持つブロック共重合体の市販品としては、たとえば(株)クラレからHG−252の商品名で市販されている。
【0026】
本発明においては、上記アイオノマー樹脂とSBS構造またはSIS構造等の熱可塑性エラストマーとを加熱混合することによって、所望のカバー特性が得られるようになる。加熱混合は、通常混練型二軸押出機、バンバリー、ニーダーなどのインターナルミキサーを用い、たとえば、150〜260℃で加熱混合することによって行なわれる。
【0027】
次に本発明のカバーに使用される粘着付与剤は軟化点100℃以下のもので、クマロン・インデン系樹脂、テルペン系樹脂、ロジン誘導体、フェノール・ホルムアルデヒト系樹脂、アルキルフェノール系樹脂、石油系樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド系樹脂、ポリブテン等のオリゴマー、液状ポリイソプレンなどの液状ゴム等が使用できるが、特に軟化点が30〜100℃の範囲のテルペン樹脂およびロジンエステル系が好適である。
【0028】
軟化点はJIS−K2207(リング&ボール法)に準拠して測定される。軟化点が100℃を超えるとカバーの組成物の損失正接(tanδ)のピーク温度が5℃以下に調整することが困難となり、低温での反撥係数が低下する。
【0029】
前記テルペン樹脂とはテルペン単量体の重合体およびこれに第2成分をポリマー鎖に含む重合体であり、一般式(1)で基本構造が示されるテルペン樹脂の他一般式(2)で基本構造が示されるスチレン系テルペン樹脂、さらに一般式(3)で基本構造が示されるフェノール変性テルペン樹脂、さらにこれらの樹脂を水素化した水添テルペン樹脂を包含する。
【0030】
【化1】
Figure 0004424866
【0031】
【化2】
Figure 0004424866
【0032】
【化3】
Figure 0004424866
【0033】
なお一般式(1)〜(3)におけるm,nは整数を示す。
このような粘着付与剤を商品名で例示すると、クマロン樹脂として神戸油化学工業(株)のプロセスレジンA81、プロセスレジンAC5、プロセスレジンTX、大内新興化学工業(株)のクマロンCL、日鉄化学(株)のクマロン樹脂NG4がある。またテルペン・フェノール樹脂として住友化学工業(株)のタッキロール101、タッキロール160、タッキロールEP20、タッキロールEP30、住友デュレズ(株)のスミライトレジンPR19900がある。
【0034】
また石油系樹脂としてヤスハラケミカル(株)の水添テルペン樹脂であるクリアロンP85(軟化点:85℃、Tg:28℃)、クリアロンP105(軟化点:105℃、Tg:48℃)がある。さらに荒川林産(株)のアルコンP90、エステルガムH、三井石油化学(株)のペトロジン♯80、ハイレッツG100Xがある。
【0035】
さらにロジン誘導体として、三菱瓦斯化学(株)のニカノールA70、リブナイトのリグノールR70、さらに荒川化学(株)のロジンエステル樹脂がある。
【0036】
これらの軟化点100℃以下の粘着付与剤はカバーの基材樹脂に分散混合され、カバーに適度の粘着性を付与し、しかも損失正接のピーク温度を5℃以下の低温にシフトすることができ、その結果ゴルフボールの打撃時にクラブフェース面への粘着性を高めスピン保持率と低温での反撥係数を改善する。
【0037】
そして本発明ではアイオノマー樹脂と、ゴム成分を有する熱可塑性エラストマーの合計を100重量部としたときに、アイオノマー樹脂混合割合は30〜90重量%、ゴム成分を有する熱可塑性エラストマーを10〜70重量%、さらに粘着付与剤をアイオノマー樹脂およびゴム成分を有する熱可塑性エラストマーの合計100重量部に対して5〜30重量%配合されることが好ましい。アイオノマー樹脂が少なすぎると、硬度が軟らかく反撥係数が低くなる。逆に多くなりすぎるとスピン保持率が小さくなる。またゴム成分を有する熱可塑性エラストマーが少なすぎると、粘着付与剤の効果が出にくくなり、その結果スピンの保持率が小さくなる。逆に多くなりすぎると、硬度が軟らかくなりすぎる。
【0038】
次に本発明のカバーは損失正接(tanδ)のピーク温度が5℃以下が好ましい。ここで損失正接は昇温速度4℃/分、周波数10Hz、変位振幅2.5μm、測定温度範囲−100〜100℃、試料の厚みAと剪断変形量Bとの比B/A×100で定義される歪み量が0.125%の条件で測定される剪断モードでの動的粘弾性の温度分散曲線から求める。なお試料片には厚さ2mm、幅5mm四方の正方形のものを作製し、(株)島津製作所の粘弾性スペクトロメータDVE−200改造型を用いた。
【0039】
損失正接のピーク温度が5℃を超えると低温での反撥係数が低下する。損失正接のピーク温度はより好ましくは0℃以下である。カバーは低温から高温に亘って耐久性、スピン性能および反撥性能が要求される。したがって、損失正接のピーク温度は−80℃以上、好ましくは−50℃以上、特に−30℃以上と規定することが好ましい。ピーク温度はかかる下限値と前記ピーク温度の上限値のいずれかとの組合せにより、範囲が決定され、たとえばピーク温度は−80℃〜5℃、好ましくは−50℃〜0℃、特に好ましくは−30℃〜0℃である。
【0040】
さらに本発明のカバーは、コアに被覆した状態での硬度、すなわちボールカバー硬度で、ショアD硬度35〜60、好ましくは38〜58、より好ましくは40〜55を有する。ショアD硬度が35未満では軟らかくなりすぎ、ドライ状態でのバックスピンが増加しボール初速は低く、60を超えると逆に、ショートアイアン等による打撃時のスピン保持率は小さくなる。ここでショアD硬度はASTMD−2240に準じて測定する。
【0041】
また、本発明において、上記カバー用組成物には、主成分としての上記樹脂の他に必要に応じて、硫酸バリウム等の充填剤や二酸化チタン等の着色剤や、その他の添加剤、たとえば分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤ならびに蛍光材料または蛍光増白剤等を、ゴルフボールカバーによる所望の特性が損なわれない範囲で含有してもよいが、通常着色剤の配合量は1.0〜6.0重量部が好ましい。
【0042】
本発明はソリッドコア、糸巻きコアのいずれのコアのゴルフボールにも適用することができる。
【0043】
ソリッドコアとしては、1層構造または2層以上の多層構造のものであってもよい。たとえばツーピースボール用ソリッドコアは、ポリブタジエン100重量部に対してアクリル酸、メタクリル酸などのα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸またはその金属塩や、トリメチロールプロパントリメタクリレート官能性モノマーなどからなる架橋剤を単独または2種以上を合計で10〜50重量部、酸化亜鉛、硫酸バリウムなどの充填剤を10〜30重量部、ジクミルパーオキサイドなどの過酸化物を0.5〜5重量部配合し、必要により老化防止剤を0.1〜1重量部配合したゴム組成物をプレス架橋によりたとえば、140〜170℃の温度で10〜40分間加熱圧縮して、球状架橋物に成形する。
【0044】
本発明ではソリッドコアの直径は好ましくは36.5〜40.7mm、より好ましくは38.0〜40mmの範囲であり、該コアに初期荷重10kgをかけた状態から終荷重130kgをかけたときの変形量が0.6〜7mm、好ましくは0.8〜3.0mmである。
【0045】
糸巻きコアは、センターと該センターの周囲に糸ゴムを延伸状態で巻き付けることによって形成された糸ゴム層とで構成される。上記センターは、ゴム組成物の加硫成形物からなるソリッドセンターであってもよいし、また水、ペーストなどのリキッドを加硫ゴム製のセンターカバー内に封入したリキッドセンターであってもよい。そして、ソリッドセンターの場合は、その直径が28〜38mmであり、該センターに初期荷重10kgをかけた状態から終荷重130kgをかけたときまでの変形量が0.5〜6.0mmさらに0.5〜5mm、特に0.5〜2.5mmであることが好ましい。ソリッドセンターの直径が28mmより小さい場合は、打出角が小さく、スピン量が増えるため、飛距離が出しにくくなる。ソリッドセンターの直径が38mmより大きい場合は、糸ゴムを巻き付ける際に、糸ゴムにテンションがかからないうちに糸ゴムを巻き終わってしまい、そのため糸ゴム層の反発力が十分に生かされずにボールの反発性能が低下して、飛距離が出しにくくなるおそれがある。またソリッドセンターの変形量が0.5mmより小さい場合は、ソリッドセンターが硬すぎるためボールとしたときの打球感が悪くなり、ソリッドセンターの変形量が6.0mmより大きい場合はセンターが柔らかくなりすぎるため、適正なボール硬度が得られにくくなり、ボール初速も小さくなるおそれがある。リキッドセンターの場合には、その直径が26〜34mmであることが好ましい。リキッドセンターの直径が26mmよりも小さい場合は、打出角が小さく、スピン量が増えるため、飛距離が出しにくくなり、リキッドセンターの直径が34mmより大きい場合は、所定のボール硬度が得られにくくなるだけでなく糸ゴム層が薄くなるため、ボールの反発性能が低下して飛距離が出にくくなる。
【0046】
上記糸ゴムは、たとえば天然ゴムまたは天然ゴムと合成ポリイソプレンとのブレンドゴムに老化防止剤、加硫促進剤、イオウなどを配合したゴム組成物を加硫することによって得られる。
【0047】
本発明のカバーの成形は公知の方法を用いて行なうことができる。カバー用組成物を予め半球殻状のハーフシェルに形成し、それを2枚用いてコアを包み、130〜170℃で1〜5分間加圧成形するか、または上記カバー用組成物を直接コア上に射出成形してコアを包み込む方法を用いてもよい。カバーの厚さは1.0〜3.0mm、好ましくは1.3〜2.6mmである。1.0mmより小さいと繰返し打撃した場合にカバー割れが起こりやすくなる欠点を有し、3.0mmより大きいと打球感が悪くなる。さらに、カバー成形時、必要に応じてディンプルを多数表面に形成する。本発明のゴルフボールは美観を高め、商品価値を上げるために、通常ペイント仕上げ、マーキングスタンプ等を施して市場に投入される。
【0048】
なお、本発明ではカバーは1層とすることもできるが複数層のカバーとして構成することもできる。
【0049】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
【0050】
実施例1〜4および比較例1〜4
次の(1)〜(3)に示す工程を経て実施例および比較例のゴルフボールを作製した。
【0051】
(1) ソリッドコアの作製
表1に示す組成のゴム組成物を調製し、それを金型に充填して加硫成形することにより、直径39.0mmの球形のソリッドコアを得た。加硫条件は表1に示すように165℃で20分間加硫した。上記ソリッドコアの10〜130kg荷重時の変形量(上記ソリッドコアに初期荷重10kgをかけた状態から終荷重130kgをかけたときまでの変形量)は0.9mmであった。表1中の各成分の配合量は重量部によるものである。
【0052】
【表1】
Figure 0004424866
【0053】
(2) カバー用組成物の調製
表2に示す組成の配合材料を二軸混練型押出機によりミキシングして、ペレット状のカバー用組成物を調製した。表2の配合量は重量部によるものである。押出条件はスクリュー径45mm、スクリュー回転数200rpm、スクリューL/D=35であり、配合物は押出機のダイの位置で220〜260℃に加熱された。
【0054】
(3) ゴルフボールの作製
上記(2)のカバー用組成物から半球殻状のハーフシェルを形成し、それを2枚用いて前記(1)のコアを包み、ボール用金型内で150℃で2分間プレス成形して、コアをカバーで被覆し、その表面にペイントを塗装して外径42.8mm(カバー厚さ1.9mm)の実施例1〜4および比較例1〜4のゴルフボールを作製した。
【0055】
得られたゴルフボールのカバー硬度(ショアD硬度)、低温での反撥係数、スピン量およびスピン保持率を評価しその結果を表2に示す。
【0056】
なおボールの物性評価は次の方法によって行なった。
(1) スピン保持率
ツルーテンパー社製スイングロボットにウッドSWクラブを取付け、ゴルフボールをヘッドスピード20m/秒で打撃し、打撃されたゴルフボールを連続写真撮影することによってスピン量を求めた。
【0057】
そして測定は通常のドライ条件とボールおよびクラブフェーズを水で濡らしたウエット条件とで測定した。
【0058】
スピン保持率は(ウエット時のスピン量/ドライ時のスピン量)×100の値として定義される。
【0059】
(2) 低温での反撥係数
ゴルフボールを0℃のオーブンで24時間冷却した後に測定した。ボールに重量200gのアルミニウム製の円筒状物を55m/sの速度で衝突させ、衝突後の円筒状物およびゴルフボールの速度を測定し、それぞれの速度および重量から各ゴルフボールの反撥係数を算出した。実施例1の値を100.0としたときの指数で表示した。これらの指数が大きいほど、反撥係数に優れることを示す。
【0060】
表2に実施例1〜4、および比較例1〜4のゴルフボールの測定結果を示す。実施例のゴルフボールは、比較例のゴルフボールに比べていずれも反撥係数、スピン保持率が優れていることがわかる。
【0061】
比較例1,2は、カバーの損失正接(tanδ)のピーク温度が5℃よりも高く、低温での反撥係数(指数)は低い。但しスピンの保持率は実施例とほぼ同レベルである。
【0062】
比較例3は、軟化点100℃以下の粘着付与剤を配合したにも関わらず、カバーの硬度が低く本発明の範囲外でありスピン保持率は高いものの反撥係数(指数)は低い。
【0063】
比較例4は、カバーの損失正接(tanδ)のピーク温度が30℃と高いため、スピン保持率が極端に低い。
【0064】
【表2】
Figure 0004424866
【0065】
※1:デュポン(株)製のナトリウムイオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂、MI=4.8、曲げ剛性率=約280MPa
※2:デュポン(株)製の亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂、MI=5.2、曲げ剛性率=約220MPa
※3:エクソン(株)製の亜鉛イオン中和エチレン−アクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂
※4:エクソン(株)製のナトリウムイオン中和エチレン−アクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂
※5:三井・デュポン(株)製の亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸−イソブチルアクリレート三元共重合体系アイオノマー樹脂
※6:(株)クラレ製の末端に水酸基が付加した水添SIBS(SEEPS−OH)、スチレン含量28wt%、イソプレン/ブタジエン重量比55/45
※7:ダイセル化学工業(株)製エポキシ化SBS、エポキシ当量950〜1050、ブタジエン/スチレン重量比60/40
※8:ヤスハラケミカル(株)製の水添テルペン樹脂、軟化点:85℃
※9:ヤスハラケミカル(株)製の水添ロジンエステル樹脂、軟化点:105℃
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0066】
【発明の効果】
本発明のゴルフボールは、ソリッドコアおよび糸巻きコアのゴルフボールにおいて、カバー材にアイオノマー樹脂とゴム成分を有する熱可塑性エラストマーおよび軟化点が100℃以下の粘着付与剤を配合し損失正接のピーク温度を低く調整したため、ソリッドコアのゴルフボールでも従来の糸巻きゴルフボールのように軟らかく、しかも低温での反撥係数が高く、ショートアイアン等による打球時にスピン量が大きく、止まりやすく、しかもウエット時のスピン量とドライ時のスピン量に対する比率、すなわちスピン保持率が改善される。

Claims (2)

  1. コアと、該コアを被覆するカバーからなるゴルフボールにおいて、前記カバーがアイオノマー樹脂とゴム成分を有する熱可塑性エラストマーと水添テルペン樹脂の混合物から構成され、損失正接のピーク温度が5℃以下であり、ショアD硬度が35以上で60以下であり、
    前記カバーを構成するアイオノマー樹脂とゴム成分を有する熱可塑性エラストマーの合計の100重量部に対して、水添テルペン樹脂が5〜30重量部配合されていることを特徴とするゴルフボール。
  2. ゴム成分を有する熱可塑性エラストマーがスチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SIBS構造)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS構造)、そのブタジエンの二重結合部分を水素添加したスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS構造)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS構造)、そのイソプレン二重結合部分を水素添加したスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS構造)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEEPS構造)およびそれらの変性物である請求項1記載のゴルフボール。
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