JP4424786B2 - 光学素子の支持方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイヤモンドモノクロメータなどの光学装置において、光学素子であるダイヤモンド結晶を安定して支持するための光学素子の支持方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば位置調整機構(ゴニオメータ)を備えたダイヤモンドモノクロメータは、ESRFのトロイカと呼ばれるマルチステーションビームラインにおいて開発されたもので、ダイヤモンド結晶に高輝度X線を照射し、その格子面を利用して回折X線を得るものである。
【0003】
従来のダイヤモンドモノクロメータでは、コの字型の銅製冷却支持基台の凹部に、In−Ga低温はんだを介してダイヤモンド結晶板の両辺がマウントされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来構成では、In−Ga低温はんだの融点がおよそ50℃であり、ダイヤモンド結晶板に高輝度X線が照射された場合、ダイヤモンド結晶体が加熱されて低温はんだが溶け、その表面張力によりダイヤモンド結晶板が保持されるため、熱衝撃による変動によりダイヤモンド結晶の格子面の位置が不安定になるという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点を解決して、照射されるX線の熱衝撃により格子面が不安定になることなくダイヤモンド結晶板を安定して支持でき、熱変形を抑制できる光学素子の支持方法および装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の光学素子の支持方法は、X線による220℃未満の熱負荷で使用される光学素子の支持装置で、X線が照射されるダイヤモンド結晶板の端面を素子固定台を介して銅製の基台上に取り付けるに際し、前記素子固定台をダイヤモンドにより形成し、前記ダイヤモンド結晶板の端面と素子固定台との接合面にそれぞれ銀ろうをろう付けした後、これら銀ろうの表面にそれぞれNi薄膜をコーティングし、これらNi薄膜を、Sn−Ag系はんだによりはんだ付けし、これら銀ろうとNi薄膜とSn−Ag系はんだからなり前記X線による熱負荷で溶融しない第1の接合材料により前記ダイヤモンド結晶板と前記素子固定台とを接合し、前記素子固定台の前記基台への接合面に銀ろうをろう付けした後、その表面にNi薄膜をコーティングし、このNi薄膜と前記基台とをSn−Ag系のはんだによりはんだ付けし、これら銀ろうとNi薄膜とSn−Ag系はんだからなり前記X線による熱負荷で溶融しない第2の接合材料により素子固定台と基台とを接合するものである。
【0007】
また請求項3記載の光学素子の支持装置は、X線が照射されるダイヤモンド結晶板の端面が、ダイヤモンドにより形成された素子固定台を介して銅製の基台上に取り付けられ、X線による220℃未満の熱負荷で使用される光学素子の支持装置であって、ダイヤモンド結晶板と素子固定台とを接合する第1の接合材料は、ダイヤモンド結晶板の端面および素子固定台の接合面にそれぞれろう付けされた銀ろうと、これら銀ろうの表面にそれぞれコーティングされたNi薄膜と、これらNi薄膜を接合するSn−Ag系はんだからなり前記X線による熱負荷で溶融しない材料で構成され、素子固定台と基台とを接合する第2の接合材料は、素子固定台の基台への接合面にろう付けされた銀ろうと、この銀ろうの表面にコーティングされたNi薄膜と、これらNi薄膜と基台とを接合するSn−Ag系はんだからなり前記X線による熱負荷で溶融しない材料で構成されたものである。
【0008】
上記各構成によれば、ダイヤモンド結晶板と素子固定台の接合部の第1の接合材料、および素子固定台と基台の接合部の第2の接合材料が、それぞれ220℃未満の熱負荷により溶融することがないので、熱衝撃によりダイヤモンド結晶板の結晶の固定が不安定になることがない。またダイヤモンド結晶板をその端面を介してダイヤモンド製の素子固定台に取り付けるので、熱膨張率および熱伝導率を極めて近似させて接合時の変形およびX線照射による熱負荷時の変形を最小限に抑制することができ、結晶表面において回折可能な使用範囲を拡大することができる。またX線により負荷されるダイヤモンド結晶板の熱を素子固定台から基台に良好に伝えることができるので、効果的に放熱することができる。さらにダイヤモンド結晶同士を、銀ろうによるろう付けとNiコーティングによりはんだ付けすることができて、ダイヤモンド結晶板と素子固定台、素子固定台と基台とを良好に接合することができる。
【0013】
また請求項5記載の光学素子の支持装置は、請求項3または4記載の構成において、素子固定台におけるダイヤモンド結晶板への接合面と、基台への接合面とが互いに平行に形成されたものである。
上記構成によれば、熱負荷による素子固定台の熱膨張により生じる変形量を均等化することができ、ダイヤモンド結晶板に与える影響を少なくすることができる。
【0014】
さらに請求項6記載の光学素子の支持装置は、請求項3乃至5のいずれかに記載の構成において、ダイヤモンド結晶板と素子固定台、素子固定台と基台の各接合部の接合面に微細な凹凸を形成したものである。
上記構成によれば、ろうおよびはんだによる結晶板と固定台、固定台と基台の接合強度を高めることができる。
【0015】
また請求項7記載の光学素子の支持装置は、請求項3乃至6のいずれかに記載の構成において、ダイヤモンド結晶板を挟んで基台と対向基台とが配置され、ダイヤモンド結晶板の前記対向基台側の端面が、X線による50℃以上の熱負荷で溶融して表面張力により接触状態を保ち熱伝導が可能な熱伝達物質を介して前記対向基台に接触されたものである。
【0016】
上記構成によれば、ダイヤモンド結晶板の他方の端面が熱伝達物質により対向基台に接触されるので、2つの基台にそれぞれ効率良く熱伝導して放熱することができる。またこの熱伝達物質が熱負荷時に溶融するように構成されるので、対向基台の接合部にダイヤモンド結晶板が拘束されることが無く、熱変形が吸収されるので、この接触部によりダイヤモンド結晶板に熱歪みが生じることもない。
【0017】
【発明の実施の形態】
ここで、本発明に係る光学素子の支持装置の実施の形態を図1および図2に基づいて説明する。
図1において、1はダイヤモンドモノクロメータに設けられて位置調整機構により傾斜回転姿勢および上下左右位置の調整可能な高熱伝導率の銅製基台で、この基台1には、冷却機構を構成する冷却水流送用の冷却チャンネル2がX線の照射方向に直交する方向に形成されている。この基台1上には素子固定台3が接合部5Bを介して接合されており、また熱膨張率が極めて低く熱伝導率が高いダイヤモンド単結晶からなるダイヤモンド結晶板4が接合部5Aを介して固定されている。このダイヤモンド結晶板4は、たとえば8mm角の正方形で、厚みが0.5mmに形成され、その下辺の端面が素子固定台3に接合されて熱ひずみを緩和するように構成されている。Aはダイヤモンド結晶板4の中心位置(X=0,Y=0)にX線が照射される照射範囲を示す。
【0018】
この素子固定台3には、ダイヤモンド結晶板4と同一のダイヤモンド単結晶か、それに近似するダイヤモンド多結晶製のものが使用される。なお、ダイヤモンド結晶でも含まれる不純物や結晶方向により、熱膨張率と熱伝導率が若干相違することがあるが、熱膨張係数を同一または近似させることで、ダイヤモンド結晶板4の結晶に歪みが生じるのを防止している。
【0019】
またこの素子固定台3は、ダイヤモンド結晶板4の断面積(平面断面積)に比較して十分に大きい断面積(平面断面積)、たとえば横幅8mm×奥行き3mm×高さ2mmの角柱に形成されて、X線の照射時のダイヤモンド結晶板4の熱勾配を低下させるとともに、基台1への接合面積を増大することにより、ダイヤモンド結晶板4から基台1への熱伝導を向上させることができる。またダイヤモンド結晶板4の接合面(上面)と基台1への接合面は互いに平行に形成され、熱膨張によるダイヤモンド結晶板4の歪みが均等化されている。
【0020】
このダイヤモンド結晶板4と素子固定台3との接合部5A、および素子固定台3と基台1の接合部5Bでは、図2に示すように、たとえばこの実施の形態におけるX線の熱負荷が220℃に達しないため、この熱負荷で溶融しないSn−Ag系はんだ(融点220℃)6が第1,第2の接合材料の主材料として選択される。
【0021】
ところで、これら接合部5A,5BにおいてSn−Ag系はんだ6では、ダイヤモンド材料の直接接合は不可能なため、ダイヤモンド結晶板4と素子固定台3の各接合面には、銀ろう(Ag−Cu−Ti)7がろう付けされ、さらにその表面にNi薄膜8がコーティングされ、このNi薄膜8を介してSn−Ag系はんだ6によりはんだ付けされる。したがって、これら銀ろう7とNi薄膜8とSn−Ag系はんだ6により、熱負荷で溶融しない第1の接合材料および第2の接合材料が構成される。もちろんダイヤモンド結晶板4と素子固定台3と基台1の材質やX線の熱負荷により、第1の接合材料および第2の接合材料が変更される。もちろん、これら接合材料として高熱伝導率で低熱膨張率である方が好ましいのはいうまでもない。
【0022】
なお、これら接合部5A,5B一方の接合面に、図6(a)(b)に示すように、数μmまたは数10μmオーダーで整然とした凹凸部9を形成することにより、銀ろう7およびSn−Ag系はんだ6の濡れ性を向上させて凹凸部9に入り込ませ、凹凸部9の先端部とダイヤモンド結晶板4とを当接させた状態で接合して、接合強度を向上させることができる。なお、この微細な凹凸部9は、図6(a)(b)に示すような山形状や、図7に示すような凹凸形であってもよい。また2つの接合面の両方に凹凸部9を形成することもできる。
【0023】
つぎに基台1に素子固定台3を介してはんだ接合されたダイヤモンド結晶板4に、X線の照射による熱負荷を与えた場合の熱変形をモデル化したものを図3に示す。これにより、接合部5A側の熱変形が大きいが、大部分の歪みでも数10nm以下であり、X線が照射されるY座標(高さ方向)=0の中心部では、熱歪みが極めて小さい。また図4(a)はダイヤモンド結晶板4の変形前、(b)は熱変形後のX(幅方向)−Y(高さ方向)の変形を定性的に表わしたものである。さらに図5はダイヤモンド結晶板4の表面の変形を2nmの等高線で表わしたものである。このように熱変形を解析したものによれば、接合部5A側では変形程度が幾分大きくなるが、X線照射範囲AのY=0付近では変形量が極めて少ない。なお、詳述しないが、Y=0で格子面でラウエ反射を想定した場合のスロープ誤差も、8keVで回折強度曲線のFWHMの約1/10であり、問題はない。
【0024】
上記実施の形態によれば、X線の熱負荷により溶融しない接合材料によりダイヤモンド結晶板4と素子固定台3と基台1とが接合されているので、結晶が不安定になることなく安定して支持することができる。またダイヤモンド結晶板4を下辺の端面を介してダイヤモンド単結晶性の素子固定台3に取り付けることで熱変形と歪みを最小限に抑制できるとともに、ダイヤモンド結晶板4の回折に適した有効面積を向上させることができる。さらに断面積の大きい素子固定台3から基台1に熱伝導できるので、良好に放熱することができる。また素子固定台4を結晶板と同一材質のダイヤモンド単結晶により構成したので、熱膨張率および熱伝導率を等しくして接合時の変形および熱負荷時の変形を効果的に抑制することができる。またSn−Ag系はんだにより接合する接合部5A,5Bにおいて、ダイヤモンド単結晶からなるの接合面を、銀ろう7によるろう付けとNi薄膜8のコーティングしたので、はんだ付けにより良好に接合することができる。
【0025】
またダイヤモンド結晶板4の断面積に対して、前記素子固定台3の断面積を十分に大きく形成したので、X線照射時の熱勾配を低下させることができ、またこのダイヤモンド結晶板4の下辺の端面の面積に対して、素子固定台3の基台1への接合面積が十分に大きく設定されているので、熱伝達を向上させることができる。さらに、素子固定台3のダイヤモンド結晶板4への接合面と、基台1への接合面とが互いに平行に形成したので、素子固定台3の熱膨張により生じる変形量を均一化することができ、ダイヤモンド結晶板4に与える影響を少なくすることができる。
【0026】
さらにまた、ダイヤモンド結晶板4と素子固定台3、素子固定台3と基台1の各接合部の一方または両方の接合面に微細な凹凸部9を形成することにより、銀ろうおよびはんだの濡れ性を向上させて接合強度を高めることができる。
図8は光学素子の支持装置の他の実施の形態を示し、先の実施の形態ではダイヤモンド結晶板4の一辺(下辺)側にのみ基台1が配置されて熱伝導が可能であったのに対して、この実施の形態では対称位置の二辺(上辺および下辺)側に熱伝達(放熱)できる基台1および対向基台11を配置したものである。すなわち、基台1のダイヤモンド結晶板4の対称位置には冷却チャンネル12が形成された対向基台11が配置されている。そして、基台1側の接合部5A,5Bは先の実施の形態と同様であるが、ダイヤモンド結晶板4の上辺側の端面と対向基台11との接触部5Cは、X線照射による熱負荷により、約50℃前後以上となると溶融してその表面張力によりダイヤモンド結晶板4と対向基台11とを接触状態に保ち熱伝導が可能な熱伝達物質、たとえばIn−Gaなどの低温はんだや銀ペースト(Ag)、液状Gaなどが使用される。
【0027】
この実施の形態によれば、ダイヤモンド結晶板4の基台1側と対称の端面が接合部5Cを介して対向基台11に接合されるので、2つの基台1,11に効率良く放熱することができる。またこの接合部5Cの接合材料が熱負荷時に溶融するように構成されるので、対向基台11の接触部5Cにダイヤモンド結晶板4が拘束されることが無く熱変形が吸収され、ダイヤモンド結晶板4に熱歪みが生じることもない。
【0028】
【発明の効果】
以上に述べたごとく請求項1および3記載の発明によれば、接合部の両接合材料が熱負荷により溶融することがないので、熱衝撃によりダイヤモンド結晶板の結晶の固定が不安定になることがない。またダイヤモンド結晶板をその端面を介して近似する熱膨張率の素子固定台に取り付けるので、熱による変形、歪みを最小限に抑制することができ、結晶表面において回折可能な使用範囲を拡大することができる。またX線により負荷されるダイヤモンド結晶板の熱を素子固定台から基台に良好に伝えることができるので、効果的に放熱することができる。
【0029】
また請求項2および4記載の発明によれば、素子固定台をダイヤモンド結晶製とすることにより、熱膨張率および熱伝導率を極めて近似させて接合時の変形およびX線照射による熱負荷時の変形を効果的に抑制することができる。またダイヤモンド結晶同士を、銀ろうによるろう付けとNiコーティングによりはんだ付けすることができて、ダイヤモンド結晶板と素子固定台、素子固定台と基台とを良好に接合することができる。
【0030】
また請求項5記載の発明によれば、素子固定台の断面積が大きく形成されることで、X線照射時の熱勾配を低下させることができ、また素子固定台の基台への接合面積が大きいために熱伝達を向上させることができ、ダイヤモンド結晶板を効果的に冷却することができる。
【0031】
さらに請求項6記載の発明によれば、熱負荷による素子固定台の熱膨張により生じる変形量を均等化することができ、ダイヤモンド結晶板に与える影響を少なくすることができる。
【0032】
さらに請求項7記載の発明によれば、ろうおよびはんだによる結晶板と固定台、固定台と基台の接合強度を高めることができる。
【0033】
また請求項8記載の発明によれば、ダイヤモンド結晶板の他方の端面が熱伝達物質により対向基台に接触されるので、2つの基台にそれぞれ効率良く熱伝導して放熱することができる。またこの熱伝達物質が熱負荷時に溶融するように構成されるので、対向基台の接合部にダイヤモンド結晶板が拘束されることが無く、熱変形が吸収されるので、この接触部によりダイヤモンド結晶板に熱歪みが生じることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光学素子の支持装置の実施の形態を示す全体斜視図である。
【図2】同支持装置の接合部を説明する分解斜視図である。
【図3】同支持装置のダイヤモンド結晶板をモデル化したもので、接合後に熱負荷をかけた場合の表面の変形を示す解析図である。
【図4】(a)(b)はそれぞれダイヤモンド結晶板をモデル化して結晶表面のX−Y方向の変形を表わす解析図で、(a)は変形前、(b)は接合後に熱負荷をかけた場合である。
【図5】同ダイヤモンド結晶板をモデル化して接合後に熱負荷をかけた場合の結晶表面の変形を等高線で表わした解析図である。
【図6】(a)(b)はそれぞれ同支持装置の接合部の変形例を示し、(a)は分解図、(b)は部分拡大断面図である。
【図7】同支持装置の接合部の他の変形例を示す部分拡大断面図である。
【図8】本発明に係る光学素子の支持装置の他の実施の形態を示す正面断面図である。
【符号の説明】
A X線照射範囲
1 基台
2 冷却チャンネル(冷却手段)
3 素子固定台
4 ダイヤモンド結晶板
5A,5B 接合部
5C 接触部
6 はんだ
7 銀ろう
8 Ni膜
9 凹凸部
11 対向基台
12 冷却チャンネル
Claims (7)
- X線による220℃未満の熱負荷で使用される光学素子の支持装置で、X線が照射されるダイヤモンド結晶板の端面を素子固定台を介して銅製の基台上に取り付けるに際し、
前記素子固定台をダイヤモンドにより形成し、
前記ダイヤモンド結晶板の端面と素子固定台との接合面にそれぞれ銀ろうをろう付けした後、これら銀ろうの表面にそれぞれNi薄膜をコーティングし、これらNi薄膜を、Sn−Ag系はんだによりはんだ付けし、これら銀ろうとNi薄膜とSn−Ag系はんだからなり前記X線による熱負荷で溶融しない第1の接合材料により前記ダイヤモンド結晶板と前記素子固定台とを接合し、
前記素子固定台の前記基台への接合面に銀ろうをろう付けした後、その表面にNi薄膜をコーティングし、このNi薄膜と前記基台とをSn−Ag系のはんだによりはんだ付けし、これら銀ろうとNi薄膜とSn−Ag系はんだからなり前記X線による熱負荷で溶融しない第2の接合材料により素子固定台と基台とを接合する
ことを特徴とする光学素子の支持方法。 - 第1の接合材料および第2の接合材料のSn−Ag系はんだの融点が220℃である
ことを特徴とする請求項1記載の光学素子の支持方法。 - X線が照射されるダイヤモンド結晶板の端面が、ダイヤモンドにより形成された素子固定台を介して銅製の基台上に取り付けられ、X線による220℃未満の熱負荷で使用される光学素子の支持装置であって、
ダイヤモンド結晶板と素子固定台とを接合する第1の接合材料は、ダイヤモンド結晶板の端面および素子固定台の接合面にそれぞれろう付けされた銀ろうと、これら銀ろうの表面にそれぞれコーティングされたNi薄膜と、これらNi薄膜を接合するSn−Ag系はんだからなり前記X線による熱負荷で溶融しない材料で構成され、
素子固定台と基台とを接合する第2の接合材料は、素子固定台の基台への接合面にろう付けされた銀ろうと、この銀ろうの表面にコーティングされたNi薄膜と、これらNi薄膜と基台とを接合するSn−Ag系はんだからなり前記X線による熱負荷で溶融しない材料で構成された
ことを特徴とする光学素子の支持装置。 - 第1の接合材料および第2の接合材料のSn−Ag系はんだの融点が220℃である
ことを特徴とする請求項3記載の光学素子の支持装置。 - 素子固定台におけるダイヤモンド結晶板への接合面と、基台への接合面とが互いに平行に形成された
ことを特徴とする請求項3または4記載の光学素子の支持装置。 - ダイヤモンド結晶板と素子固定台の接合部の一方の接合面と、素子固定台と基台の接合部の一方の接合面に、微細な凹凸を形成した
ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の光学素子の支持装置。 - ダイヤモンド結晶板を挟んで基台と対向基台とが配置され、
ダイヤモンド結晶板の前記対向基台側の端面が、X線による50℃以上の熱負荷で溶融して表面張力により接触状態を保ち熱伝導が可能な熱伝達物質を介して前記対向基台に接触された
ことを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の光学素子の支持装置。
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