JP4422951B2 - 煮干コンベアの目詰まり防止装置 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
この発明は茹で上げられた煮干材料を移送したり選別したりするのに使用される煮干コンベアに関するもので、特に、煮干材料を移送するためのコンベアベルトを備えたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、煮干コンベアは茹でて柔らかくなったシラス魚を、コンベアベルトに載せて移送させつゝ風選したり、他の煮干コンベアへ載せ替えたりする工程がある。そこではシラス魚に付着した水を切り、あるいは乾燥させる空気を通り易くするため、合成樹脂のネットで作られたコンベアベルトが使用されている。そこで、煮干材料であるシラス魚の一部が、コンベアベルトの網目に挟まれたり、嵌まってしまい分離しなくなることがある。
【0003】
そこで、従来の煮干コンベアはコンベアベルトの終端近傍に送風機に連結された空気ノズルを開口させ、そこから吹き出す強い風力で吹き飛ばしたり、コンベアベルトの下面にブラシ車を接触させて分離しなかったシラス魚を掻き落としたりすることが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した空気ノズルで吹き飛ばす構成では、設備の構成が簡単で低コストで製作できる利点があるものの、吹き飛ばすのに強い風力を必要とするので、コンベアベルトから吹き飛ばされたシラス魚が煮干コンベアの周囲に飛散し、作業環境を劣化させることがあった。また、ブラシ車を接触させて剥離する構成では、コンベアベルトに付着したシラス魚が、ブラシ車によってコンベアベルトに擦り付けられてしまったり、網目を通して裏面へ押し出されてしまったり、清掃を一層難しくする不具合があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、略水平方向へ伸びるフレームと、前記フレームの端部に支持された駆動ローラ及び従動ローラと、前記駆動ローラ及び従動ローラとの間に巻回された合成樹脂製の網からなるコンベアベルトと、前記駆動ローラ下方に前記コンベアベルトの下方へ接触可能にブラシ車が設けられた煮干しコンベアであって、前記ブラシ車が支軸から放射方向へ伸びる比較的剛性の高い複数の板材からなる送風部と、前記送風部をなす板材の先端に剛性の低い刷毛部を設けることにより、前記コンベアベルトの目つまりを防止することによって解決される。
【0006】
【作用】
ブラシ車が回転すると、放射方向に配置された複数の板材からなる送風部によって、比較的速度の緩い多量の風がコンベアベルトに向けて送られる。これにより、コンベアベルトの網の目に軽く引っ掛かった程度のシラス魚が下方へ吹き落される。コンベアベルトの網の目に強く付着したシラス魚は送風部の先端によって下方へ掻き出され、送風部から送られる風によって吹き落される。
【0007】
【発明の実施の態様】
図1中、10は本願発明の実施である煮干コンベアである。煮干コンベア10は床上に置かれた支持台11上に、略水平方向を指向して取り付けられた鋼製のフレーム12を有する。フレーム12には一端に駆動ローラ13と、他端に従動ローラ14とが、それぞれ支軸15によって回転可能に支持されている。
【0008】
16は前記駆動ローラ13と従動ローラ14との間に巻回されたコンベアベルトである。コンベアベルト16は合成樹脂で作られた市販の帯状ネットを両端で連結して、無端帯状に形成したものである。コンベアベルト16をなす帯状ネットは太さ0.5ミリメートル程度の合成樹脂の素線を縦横に直交させて配置したもので、各素線の間はほぐれないよう溶着してある。なお、以上の構成は従来の煮干コンベアと大差はない。
【0009】
20は駆動ローラ13の下方に設けられたブラシ車である。ブラシ車20と前記駆動ローラ13とはコンベアベルト16の上方に配置された電動機21、21によって駆動される。図2で示すように、両電動機21、21の一方は駆動チェーン22を介して駆動ローラ13を比較的低速で駆動し、他方は駆動チェーン23を介してブラシ車20を比較的高速で駆動する。また、ブラシ車20は上部がコンベアベルト16の下面に軽く当接させているので、コンベアベルト16の移動方向と、これに当接するブラシ車20の回転方向は逆方向となる。
【0010】
ブラシ車20は図4で示すように、支軸24の周りに放射方向へ向けて取り付けられた複数の板材25,25によって構成された送風部26を有する。前記支軸24は図3で示すように、フレーム12の外面に取り付けられコンベアベルト16の下部側方を覆う案内板27によって支持されている。送風部26をなす前記複数の板材25、25は、支軸24の周りに取り付けられた角柱24aにボルト止めされた比較的硬質の合成樹脂で作られた4枚の網からなっている。
【0011】
この実施例では前記板材25の先端には刷毛部28が設けられている。刷毛部28は板材25をなす合成樹脂製の網の先端部の外周へ向けて突出している素線によって構成されている。前記板材25をなす網は縦糸と横糸との接点を互いに溶着して強固な網目が形成されているので、刷毛部28は板材25の外端部を最外端の横糸(軸方向の線)を外して周方向へ突出する素線とし、長さを網の2目(数ミリメートル)程度突出させたものである。なお、上記板材25を合成樹脂製の網で構成したが、板材25の材料はこれに限るものではなく、網目のない板材でもよい。また、材質も合成樹脂で作られたものに限定されず、ステンレスや銅合金のような錆び難い材質で作られたものも包含するものである。
【0012】
かくて、網状のコンベアベルト16が駆動ローラ13によって駆動され、シラス魚を載せたコンベアベルト16の上面が始端である従動ローラ14側から、終端である駆動ローラ13側へ移動し、さらに駆動ローラ13を半周して下方の戻り側に達する間に、シラス魚の大部分はコンベアベルト16から重力や強い空気流を利用して外部へ取り出される一方、コンベアベルト16の網目に詰まったシラス魚は駆動ローラ13を半周して下方まで移動する。
【0013】
網目に詰まったシラス魚fがコンベアベルト16の終端部下面に至ると、そこに設けられたブラシ車20の回転により、ブラシ車20をなす板材25の面に沿って外径方向へ移動する空気が、緩い速度の気流となって前記案内板27に案内されてコンベアベルト16の網目を通して裏面へ流動する。そこには駆動ローラ13があるので吹き上がって来た風は下方へ転流しコンベアベルト16の下面に付着したシラス魚fを吹き落とすことになる。
【0014】
この際、ブラシ車20によって送られる風は流量が多く、比較的低い圧力で間欠的に送られるので、コンベアベルト16の網の目に詰まったシラス魚fは、間欠的な風圧を受けて周囲へ飛散することなく静かに床上に吹き落とされる。よって、吹き落とされたシラス魚fが広く拡散する不具合がない。
【0015】
また、上記のような風力だけで分離できなかったシラス魚fは、図5で示すように、板材25の先端をなす刷毛部28がコンベアベルト16の下面に接触する際に外側へ掻き出すので、前記した送風によって確実に下方へ落下させられる。
【0016】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、網状をしたコンベアベルト16に引っ掛かったシラス魚fは、板材からなる送風部26から緩速で多量に送られる風によって剥離されることと、網の目に強く嵌ったシラス魚は刷毛部28によって外された後に前記風によって剥離されることとから、コンベアベルトに付着したシラス魚が魚体を崩壊させることなく容易に分離できる。
請求項2の発明によれば、ブラシ車を支持するために設けられた案内板がブラシ車の側面を覆って導風板として作用するから、格別の構造を設ける必要がなく、簡単な構造で多量の風を効率よくコンベアベルトへ送ることができる。
などの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施態様である煮干コンベアの側面図である。
【図2】図1中のII−II断面図である。
【図3】図2要部を示す拡大図である。
【図4】図3中のブラシ車を取り出して示す断面図である。
【図5】図4中の要部の拡大図である。
【符号の説明】
10・・・・煮干コンベア
11・・・・支持台
12・・・・フレーム
13・・・・駆動ローラ
14・・・・従動ローラ
15・・・・支軸
16・・・・コンベアベルト
20・・・・ブラシ車
21・・・・電動機
22、23・・・・駆動チェーン
24・・・・支軸
24a・・・角柱
25・・・・板材
26・・・・送風部(合成樹脂網)
27・・・・案内板
28・・・・刷毛部
Claims (2)
- 略水平方向へ伸びるフレームと、前記フレームの端部に支持された駆動ローラ及び従動ローラと、前記駆動ローラ及び従動ローラとの間に巻回された合成樹脂製の網からなるコンベアベルトと、前記駆動ローラ下方に前記コンベアベルトの下方へ接触可能にブラシ車が設けられた煮干コンベアであって、前記ブラシ車が支軸から放射方向へ伸びる比較的剛性の高い複数の板材からなる送風部と、前記送風部をなす板材の先端に剛性の低い刷毛部を設けることにより、前記コンベアベルトの目つまりを防止することを特徴とする煮干コンベアの目詰まり防止装置。
- 前記ブラシ車の側方に前記コンベアベルトの下部側方を覆う案内板を設置してなる請求項1記載の煮干コンベアの目詰まり防止装置。
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