JP4421096B2 - Tダイを使用したビニルアルコール系重合体フィルムの製造法 - Google Patents
Tダイを使用したビニルアルコール系重合体フィルムの製造法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏光フィルムの製造原料として有用で、厚み均一性に優れたビニルアルコール系重合体フィルムを製造するためのTダイと、これにより得られるビニルアルコール系重合体フィルムを用いて作製した偏光フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光の透過および遮蔽機能を有する偏光板は、光のスイッチング機能を有する液晶とともに、液晶ディスプレイ(LCD)の基本的な構成要素である。このLCDの適用分野も、開発初期の頃の電卓および腕時計等の小型機器から、近年ではラップトップパソコン、ワープロ、液晶カラープロジェクター、車載用ナビゲーションシステム、液晶テレビ等の広範囲に広がり、従来以上に光学斑が少ない偏光板が求められている。
【0003】
一般に偏光板は、ビニルアルコール系重合体フィルム(以下、これを「PVAフィルム」と略記し、また、これの原料であるビニルアルコール系重合体を「PVA」と略記することがある)を一軸延伸し、染色することにより製造した偏光フィルムの両面に、三酢酸セルロース(TAC)膜などの保護膜を貼り合わせた構成をしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
偏光板の光学斑を少なくするためには、PVAフィルムを均一に延伸すること、ムラなく貼り合わせることなど多くの注意点があるが、最も重要な点は偏光フィルムの素材となるPVAフィルムの厚みを均一にすることである。PVAフィルムの厚みが不均一な場合には、得られる偏光板の光学斑を少なくすることが困難である。
【0005】
そこで本発明の目的は、特に偏光フィルム用として好適な均一厚みのPVAフィルムを長期にわたって安定して得ることができるPVAフィルムの製造法を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明にかかるPVAフィルムの製造法は、PVAを含有する製膜原料を、ダイ本体とサイドプレートとその間に配置されて該製膜原料を封止するパッキンとを有するTダイから吐出することによりPVAフィルムを製造するものであって、前記パッキンの接液部の表面は、融点が170℃以上で臨界表面張力が30μN/cm以下のプラスチックにより形成されている。
【0007】
以上のTダイを用いることにより、厚みが均一なPVAフィルムが長期にわたって安定して得られる。
【0008】
前記パッキンとしては、厚み0.5mm乃至5mmのフッ素樹脂製のものが用いられ、このパッキンの先端はリップ先端よりも0μm乃至500μm突出させることが好ましい。これによれば、より均一厚みのPVAフィルムが得られる。
【0009】
以上のTダイは、偏光フィルム用PVAフィルムを作製するときに好適に用いられる。また、このPVAフィルムを用いることにより、光学斑の少ない良好な偏光フィルムが得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明にかかるPVAフィルムの製造用Tダイを用いたPVAフィルムの製造装置の一例として、含水PVA(有機溶剤を含んでいても良い。以下同じ)を溶融して押し出す溶融押出製膜機の要部を示している。この製膜機で用いられるTダイ1は、ダイ本体1aが、投入された溶融PVAを一旦貯めるマニホールド(空洞部)2と細い間隙をもつリップ3とを有する。各部はそれぞれ幅方向Wに貫通している。そして、ダイ本体1aの両側部にそれぞれパッキン8を介してサイドプレート9が組み付けられており、各部の両側部で溶融PVAを封止している。リップ3の先端のダイ吐出部5から溶融PVAを吐出する。
パッキン8の接液部とは、パッキン8が溶融PVAと直接接触するマニホールド2、リップ3内面のリップ面10、およびダイ吐出部5の各両端部の各部をいう。
【0011】
このロール製膜機は、図示しない押出機から押し出されてきた溶融PVA(製膜原料)をTダイ1内部のリップ3全長にわたって均一に分配するため、まず、マニホールド2に一旦満たして足並みをそろえ、リップ3内面のリップ面10を介してダイ吐出部5から定量の溶融PVA(製膜原料)を定速で回転する金属ロール6上に押し出し、この金属ロール6の円周面の一部を通過させて、PVAフィルムを乾燥させる。前記リップ3は例えばフレキシブルリップであり、リップ開度調整ボルト7でリップ開度の微調整を行う。この後、このPVAフィルムは、図示しないフローティングドライヤーや乾燥用金属ロールや検査機などを通過してワインダーに巻き取られる。
【0012】
この実施形態では、PVAフィルムを製造するのに、ロール製膜機を用いているが、ベルト製膜機を用いても良い。
【0013】
本発明においては、ロール製膜機またはベルト製膜機を用いてPVAフィルムを製造する際に、ダイ本体1aとサイドプレート9の間に配置され、PVAを含有する製膜原料を封止するパッキン8として、その接液部の表面が融点が170℃以上、より好ましくは200℃以上、特に好ましくは230℃以上で、臨界表面張力が30μN/cm以下、より好ましくは25μN/cm以下、特に好ましくは20μN/cm以下のプラスチックが用いられる。
【0014】
前記接液部の表面におけるプラスチックの融点(以下、Tmと略記することがある)が170℃未満の場合には、製膜中にプラスチックが軟化してパッキンの役目を果たさなくなり、PVAを構成成分とする製膜原料がTダイのサイドプレートの接合部より漏れ出して、長期間にわたっての安定した製膜ができなくなる。また、接液部の表面におけるプラスチックの臨界表面張力が30μN/cmを超える場合には、パッキンとPVAを構成成分とする製膜原料とのなじみが良くなって、Tダイより吐出されるウェブの両端部の形成が安定しないので、両端部の末端近くまで厚みが均一なPVAフィルムは得られず、幅収率が悪化する。なお、プラスチックの融点は、示差走査熱量計(DSC)(SSC/5200H、セイコー電子工業株式会社製)を用いて、窒素気流中、昇温速度10℃/分で350℃まで昇温させ、室温まで急冷後、再度窒素気流中、昇温速度10℃/分で350℃まで昇温させて測定した吸熱ピークトップ温度とした。また、プラスチックの臨界表面張力(以下、γcと略記することがある)は、W.A.Zismanの方法により測定した。
【0015】
以上のような特性を有するプラスチックとしては、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体(Tm=270℃、γc=18μN/cm)、ポリテトラフロロエチレン(Tm=320℃、γc=19μN/cm)、テトラフロロエチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(Tm=310℃、γc=19μN/cm)、ポリメチルペンテン(Tm=235℃、γc=24μN/cm)、ポリフッ化ビニリデン(Tm=170℃、γc=25μN/cm)、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体(Tm=260℃、γc=26μN/cm)、ポリフッ化ビニリル(Tm≧300℃、γc=28μN/cm)などが例示される。このうちフッ素樹脂、特にポリテトラフロロエチレンとテトラフロロエチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体が好ましい。
【0016】
本発明において、Tダイを用いることが重要である。Iダイや丸ダイでは、厚み均一性に劣るPVAフィルムしか得られない。Tダイは、ストレートタイプよりもコートハンガータイプが好ましい。
【0017】
本発明においては、Tダイを組み立てる時に、パッキンの先端をリップ先端よりも0μm乃至500μm、より好ましくは0μm乃至300μm突出させて組み立てることが好ましい。パッキンの先端をリップ先端よりも500μmを超えて突出させた場合や、パッキンの先端よりもリップ先端の方を突出させた場合には、ダイより吐出されるウェブの両端部の末端近くまで厚みが均一なPVAフィルムが得られず、幅収率が悪化する傾向にある。
【0018】
また、前記パッキンはプラスチック単層であることが特に好ましいが、アルミニウムや銅や真鍮などの金属板に、PVAを構成成分とする製膜原料と接触するすべての面に、粉体塗装、焼き付け塗装、溶液コーティング、押し出しラミネート、フィルムの接着剤によるラミネートなどの方法により、前記プラスチックをラミネートしたものも使用できる。このとき、ラミネートしたプラスチック層の厚みは、10μm乃至250μmが好ましい。
【0019】
さらにまた、パッキンの厚み(ラミネートしてある場合はパッキン全体の厚み)は、0.5mm乃至5mmが好ましく、0.8mm乃至3mmがより好ましい。パッキンの厚みが0.5mm未満でも5mmを超えても、PVAを構成成分とする製膜原料が、Tダイのサイドプレートの接合部より漏れ出し、長期間安定した製膜ができなくなる傾向がある。
【0020】
本発明で用いられるTダイの接液部の材質は、ステンレス鋼にクロムなどのメッキを施し、メッキ表面の表面粗さが0.3S以下に研磨されていることが、PVAフィルムの厚み均一性が得られやすいことから好ましい。
【0021】
ここで、表面粗さの単位「S」とは、表面の凹凸の程度を示すもので、その表面粗さを最大高さで表示したものである。最大高さ(Rmax )とは、JIS B0601に準じ、対象物の断面曲線から基準長さだけ抜き取った部分の平均線に平行な最も高い山と最も深い谷に接する2直線間の間隔をマイクロメーター(μm)単位で表したものをいう。前記表面粗さ0.3Sとは、最大高さが0.3μmである。
【0022】
また、リップのメッキ表面の真直度は、全幅で50μm以下とし、かつ、200mm離れた二点間で10μm以下の精度に仕上げることがPVAフィルムの厚み均一性が得られやすいことから好ましい。
【0023】
本発明に用いられるPVAは、ビニルエステル系モノマーを重合して得られたポリビニルエステルをけん化することにより製造される。例えば、PVAを不飽和カルボン酸またはその誘導体、不飽和スルホン酸またはその誘導体、炭素数2乃至30のα−オレフィンなどをグラフト共重合した変性PVAや、ビニルエステルと不飽和カルボン酸またはその誘導体、不飽和スルホン酸またはその誘導体、炭素数2乃至30のα−オレフィンなどを共重合した変性ポリビニルエステルをけん化することにより製造される変性PVAや、未変性または変性PVAをホルマリン、ブチルアルデヒド、ベンツアルデヒドなどのアルデヒド類で水酸基の一部を架橋したいわゆるポリビニルアセタール樹脂などが用いられる。
【0024】
前記ビニルエステル系モノマーとしては、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニルなどが例示され、これらの1種または2種以上を使用することができる。
【0025】
変性PVAに使用されるコモノマーは、主として変性を目的に共重合させるもので、本発明の趣旨を損なわない範囲で使用される。このようなコモノマーとして、例えば、オレフィン類、アクリル酸、その塩、そのエステル、およびその誘導体、メタクリル酸、その塩、そのエステル、およびその誘導体、マレイン酸、その塩、そのエステル、およびその誘導体、イタコン酸、その塩、そのエステル、およびその誘導体、アクリルアミド誘導体、メタクリルアミド誘導体、N−ビニルアミド類、ビニルエーテル類、ニトリル類、ハロゲン化ビニル類、アリル化合物、ビニルシリル化合物、酢酸イソプロペニルなどが挙げられ、これらの1種または2種以上を使用することができる。
【0026】
変性PVAを用いる場合は、変性量は15モル%以下が好ましく、5モル%以下がより好ましい。またコモノマーとしては、α−オレフィンが好ましく、特にエチレンが好ましい。
【0027】
PVAのけん化度は、得られる偏光フィルムの偏光性能と耐久性の点から95モル%以上が好ましく、99.5モル%以上がより好ましく、特に99.9モル%以上が最も好ましい。
【0028】
前記けん化度とは、けん化によりビニルアルコール単位に変換され得る単位の中で、実際にビニルアルコール単位にけん化されている単位の割合を示したものである。なお、PVAのけん化度は、JIS記載の方法により測定を行った。
【0029】
PVAの重合度は、得られる偏光フィルムの偏光性能と耐久性の点から1000以上が好ましく、2500以上がより好ましく、特に3500以上が最も好ましい。PVA重合度の上限は8000以下が好ましく、6000以下がより好ましい。
【0030】
前記PVAの重合度(Po )は、JIS K 6726に準じて測定される。すなわちPVAを再けん化し、精製した後、30℃の水中で測定した極限粘度[η](単位:デシリットル/g)から次式により求められる。
Po =([η]×103 /8.29)(1/0.62)
【0031】
以上のPVAを使用してPVAフィルムを製造する方法としては、上述した含水PVAを押出機で溶融混練して押出す溶融押出製膜法のほか、例えば、PVAを溶剤に溶解したPVA溶液を使用して流延させる流延製膜法、湿式製膜法(貧溶媒中への吐出)、ゲル製膜法(PVA水溶液を一旦冷却ゲル化した後、溶媒を抽出除去し、PVAフィルムを得る方法)、およびこれらの組み合わせによる方法などを採用することができる。これらのなかでも流延製膜法および溶融押出製膜法が、透明性の高い良好なフィルムが得られることから好ましい。
【0032】
PVAフィルムを製造する際に使用されるPVAを溶解する溶剤としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジグリセリン、水などが挙げられ、これらのうち1種または2種以上を使用することができる。これらのなかでも、ジメチルスルホキシド、水、またはグリセリンと水の混合溶媒が好適に使用される。
【0033】
PVA溶液または含水PVAには、必要に応じて可塑剤、界面活性剤、二色性染料などを含有させても良い。
【0034】
PVAフィルムを製造する際に可塑剤として、多価アルコールを添加することが好ましい。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジグリセリン、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパンなどを挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を使用することができる。これらのなかでも延伸性向上効果から、ジグリセリンやエチレングリコールやグリセリンが好適に使用される。
【0035】
多価アルコールの添加量としては、PVA100重量部に対し1重量部乃至30重量部が好ましく、特に5重量部乃至20重量部が最も好ましい。1重量部未満では、染色性や延伸性が低下する場合があり、一方、30重量部を超えると、PVAフィルムが柔軟になりすぎて、取り扱い性が低下する場合がある。
【0036】
また、PVAフィルムを製造する際には、界面活性剤を添加することが好ましい。界面活性剤の種類としては特に限定はないが、アニオン性またはノニオン性の界面活性剤が好ましい。アニオン性界面活性剤としては、カルボン酸型、硫酸エステル型、スルホン酸型が好適である。ノニオン性界面活性剤としては、アルキルエーテル型、アルキルエステル型、アルキルアミド型、ポリプロピレングリコールエーテル型、アルカノールアミド型、アリルフェニルエーテル型が好適である。これらの界面活性剤の1種または2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0037】
界面活性剤の添加量としては、PVA100重量部に対して0.01重量部乃至1重量部が好ましく、0.05重量部乃至0.3重量部が最も好ましい。0.01重量部未満では延伸性向上や染色性向上の効果が現れにくく、1重量部を超えると、PVAフィルムの表面に溶出してブロッキングの発生原因になり、取り扱い性が低下する場合がある。
【0038】
PVA溶液または溶融PVA(製膜原料)を乾燥させるためのロール製膜機の金属ロールやベルト製膜機のベルトは、スチーム・熱媒・温水・電気ヒーターなどにより加熱する。また、温風や冷風などをPVAフィルムに吹き付けたり、PVAフィルム周囲の空気や蒸気などを吸引するなどの手段を用いても良い。
【0039】
製膜原料が吐出される金属ロールまたはベルトの温度は、50乃至110℃であることが好ましく、60乃至105℃がより好ましく、70乃至100℃がさらに好ましい。金属ロールまたはベルトの温度が50℃より低いと、吐出された製膜原料の乾燥が不均一になる場合があり、110℃より高いと製膜原料が発泡する場合があるため、厚み均一性に優れたPVAフィルムを得ることが困難となる場合がある。
【0040】
前記金属ロールは、ニッケル・クロム・酸化クロム・亜鉛・錫などをメッキしてあることが好ましい。また、金属ロールの金属表面またはメッキ表面の表面粗さは、3S以下が好ましく、特に0.5S以下が最も好ましい。平滑性が3Sを超える場合には、厚み均一性に優れたPVAフィルムを得ることが困難になる場合がある。
【0041】
前記製膜原料が金属ロールまたはベルトに吐出された後には、複数の金属ロールで乾燥させ、もしくはテンター式やフリー方式のフローティングドライヤーなどの乾燥装置で乾燥させ、または乾燥炉中に設置された複数のロールを通過させて乾燥させるようにしても良い。これらの装置に付随するロールは、変減速機やインバータ制御などにより独立して速度調節できるものが好ましい。また、PVAフィルムを巻き取る前の工程には、調湿機や検査機などを設置しても良い。
【0042】
本発明のPVAフィルムから偏光フィルムを製造するには、例えばPVAフィルムを染色、一軸延伸、固定処理、および乾燥処理、さらに必要に応じて熱処理を行えば良い。各工程の順序は特に限定はなく、また染色と一軸延伸など二つの工程を同時に実施しても構わない。また、各工程を複数回繰り返しても良い。
【0043】
染色は、一軸延伸前、一軸延伸時、一軸延伸後のいずれでも可能である。染色に用いる染料としては、ヨウ素−ヨウ化カリウム;ダイレクトブラック 17、19、154;ダイレクトブラウン 44、106、195、210、223;ダイレクトレッド 2、23、28、31、37、39、79、81、240、242、247;ダイレクトブルー 1、15、22、78、90、98、151、168、202、236、249、270;ダイレクトバイオレット 9、12、51、98;ダイレクトグリーン 1、85;ダイレクトイエロー 8、12、44、86、87;ダイレクトオレンジ 26、39、106、107などの二色性染料などが、1種または2種以上の混合物で使用できる。通常、染色は、PVAフィルムを上記染料を含有する溶液中に浸漬させることにより行うことが一般的であるが、PVAフィルムに塗工したり、PVAフィルムに混ぜて製膜するなど、その処理条件や処理方法は特に制限されるものではない。
【0044】
前記一軸延伸は、湿式延伸法または乾熱延伸法が使用でき、温水中(前記染料を含有する溶液中や後記固定処理浴中でも良い)または吸水後のPVAフィルムを用いて空気中で行うことができる。延伸温度は特に限定されないが、PVAフィルムを温水中で延伸(湿式延伸)する場合は30℃乃至90℃が、また乾熱延伸する場合は50℃乃至180℃が好適である。また一軸延伸の延伸倍率(多段の一軸延伸の場合には合計の延伸倍率)は、得られる偏光フィルムの偏光性能の点から4倍以上が好ましく、特に5倍以上が最も好ましい。延伸倍率の上限は特に制限はないが、8倍以下であると均一な延伸が得られやすいので好ましい。延伸後のフィルムの厚みは、3μm乃至75μmが好ましく、5μm乃至50μmがより好ましい。
【0045】
延伸フィルムへの上記染料の吸着を強固にすることを目的に、固定処理を行うことが多い。固定処理に使用する処理浴には、通常、ホウ酸および/またはホウ素化合物が添加される。また、必要に応じて処理浴中にヨウ素化合物を添加しても良い。
【0046】
前記延伸フィルムの乾燥処理(熱処理)は、30℃乃至150℃で行うのが好ましく、50℃乃至150℃で行うのがより好ましい。
【0047】
以上のようにして得られた偏光フィルムは、通常、その両面または片面に、光学的に透明で、かつ機械的強度を有した保護膜を貼り合わせて偏光板として使用される。保護膜としては、三酢酸セルロース(TAC)フィルム、酢酸・酪酸セルロース(CAB)フィルム、アクリル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリオレフィン系フィルム、ポリエステル系フィルムなどが使用される。また、貼り合わせのための接着剤としては、PVA系の接着剤やウレタン系の接着剤などを挙げることができるが、PVA系の接着剤が好適である。
【0048】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
実施例1
厚みが1mmのテトラフロロエチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(Tm=310℃、γc=19μN/cm)をパッキンとして用いた。そして、このパッキンをTダイの本体とサイドプレートの間に、パッキンの先端がリップ先端よりも100μm突出するように挟み込んでTダイを組み立て、ロール製膜機に組み付けた。このとき、Tダイとしてはフレキシブルリップダイを用いた。このダイのリップには表面粗さ0.1Sのハードクロムメッキが施されており、そのリップ面の真直度は全幅で40μm、200mm離れた二点間で8μmとされている。また、前記製膜機のロールとして、表面粗さが0.3Sの金属ロールを用い、これを90℃に加熱した。
【0049】
そして、けん化度99.9モル%で重合度1750のPVA100重量部に対し、グリセリン10重量部を含有するPVA濃度が15重量%の水溶液を、前記製膜機を用いて流延製膜し、90℃の熱風で乾燥させ、その後15本の加熱金属ロールでPVAフィルムの表裏を交互に乾燥させて、厚さ75μmの偏光フィルム用PVAフィルムを得た。このPVAフィルムは、連続10日間運転しても表面が平滑で厚み斑は見られなかった。
【0050】
前記PVAフィルムを予備膨潤、染色、一軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順に処理して偏光フィルムを作製した。すなわち、前記PVAフィルムを30℃の水中に5分間浸漬させて予備膨潤し、ヨウ素濃度0.4g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リットルの35℃の水溶液中に3分間浸漬させた。続いて、ホウ酸濃度4%の40℃の水溶液中で5.5倍に一軸延伸を行い、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル、ホウ酸濃度40g/リットル、塩化亜鉛濃度10g/リットルの30℃の水溶液中に5分間浸漬させて固定処理を行った。この後延伸フィルムを取り出し、定長下、40℃で熱風乾燥し、さらに100℃で5分間熱処理を行った。
【0051】
得られた偏光フィルムの厚みは22μmであり、色斑は無かった。また、得られた偏光フィルムの50cm四方を、クロスニコル状態の2枚の偏光板の間に45°の角度で挟んで透過光を観察した結果、異常は見られなかった。
【0052】
実施例2
厚みが2mmのポリテトラフロロエチレン(Tm=320℃、γc=19μN/cm)をパッキンとして用いた。そして、このパッキンをTダイの本体とサイドプレートの間に、パッキンの先端がリップ先端よりも300μm突出するように挟み込んでTダイを組み立て、ロール製膜機に組み付けた。このとき、Tダイとしてはフレキシブルリップダイを用いた。このダイのリップには表面粗さ0.1Sのハードクロムメッキが施されており、そのリップ面の真直度は全幅で40μm、200mm離れた二点間で8μmとされている。また、前記製膜機のロールとして、表面粗さが0.3Sの金属ロールを用い、これを90℃に加熱した。
【0053】
そして、けん化度99.9モル%で重合度4000のPVA100重量部と、グリセリン10重量部および水110重量部を押出機で溶融混練させて溶融押出製膜し、90℃の熱風で乾燥させ、その後15本の加熱金属ロールでPVAフィルムの表裏を交互に乾燥させて、厚さ75μmの偏光フィルム用PVAフィルムを得た。このPVAフィルムは、連続10日間運転しても表面が平滑で、厚み斑は見られなかった。
【0054】
前記PVAフィルムを予備膨潤、染色、一軸延伸、固定処理、乾燥、熱処理の順に処理して偏光フィルムを作製した。すなわち、前記PVAフィルムを30℃の水中に5分間浸漬させて予備膨潤し、ヨウ素濃度0.4g/リットル、ヨウ化カリウム濃度40g/リットルの35℃の水溶液中に3分間浸漬させた。続いて、ホウ酸濃度4%の40℃の水溶液中で5.6倍に一軸延伸を行い、ヨウ化カリウム濃度40g/リットル、ホウ酸濃度40g/リットル、塩化亜鉛濃度10g/リットルの30℃の水溶液中に5分間浸漬させて固定処理を行った。この後延伸フィルムを取り出し、定長下、40℃で熱風乾燥し、さらに100℃で5分間熱処理を行った。
【0055】
得られた偏光フィルムの厚みは22μmであり、色斑は無かった。また、得られた偏光フィルムの50cm四方を、クロスニコル状態の2枚の偏光板の間に45°の角度で挟んで透過光を観察した結果、異常は見られなかった。
【0056】
実施例3
実施例2において、前記パッキンをポリメチルペンテン(Tm=235℃、γc=24μN/cm)とした以外は、実施例2と同様にして、偏光フィルム用PVAフィルムを得た。このPVAフィルムには、連続10日間運転後にフィルム幅方向の両端部付近にわずかな厚み斑が見られた。
【0057】
実施例2と同様にして偏光フィルムを作製した。この偏光フィルムの50cm四方をクロスニコル状態の2枚の偏光板の間に45°の角度で挟んで透過光を観察すると、薄い不定形の斑がわずかに観察されたが、LCD用途には使用可能なレベルであった。
【0058】
実施例4
実施例2において、前記パッキンの厚みを0.05mmとした以外は、実施例2と同様にして、偏光フィルム用PVAフィルムを得た。この場合は、運転に伴いサイドプレートの接合部より樹脂が少し漏れ出し、連続10日間運転後のPVAフィルムにはフィルム幅方向の両端部付近にわずかな厚み斑が見られた。
【0059】
実施例2と同様にして偏光フィルムを作製した。この偏光フィルムの50cm四方をクロスニコル状態の2枚の偏光板の間に45°の角度で挟んで透過光を観察すると、薄い不定形の斑がわずかに観察されたが、LCD用途には使用可能なレベルであった。
【0060】
実施例5
実施例1において、前記リップの先端をパッキンより2mm突出させた以外は、実施例1と同様にして、偏光フィルム用PVAフィルムを得た。このPVAフィルムには、連続10日間運転後にフィルム幅方向の両端部付近に厚み斑が見られたので、これを除去した結果、幅収率が若干悪化した。
【0061】
実施例1と同様にして偏光フィルムを作製した。この偏光フィルムの50cm四方をクロスニコル状態の2枚の偏光板の間に45°の角度で挟んで透過光を観察すると、薄い不定形の斑がわずかに観察されたが、LCD用途には使用可能なレベルであった。
【0062】
比較例1
実施例1において、前記パッキンをポリエチレンテレフタレート(Tm=260℃、γc=43μN/cm)とした以外は、実施例1と同様にして、偏光フィルム用PVAフィルムを得た。このPVAフィルムには、連続10日間運転後にフィルム幅方向の両端部付近に大きな厚み斑が見られた。
【0063】
そして、前記フィルム幅方向の両端部付近の厚み斑の大きい部分を除去してから、実施例1と同様にして偏光フィルムを作製した。この偏光フィルムの50cm四方をクロスニコル状態の2枚の偏光板の間に45°の角度で挟んで透過光を観察すると、不定形の大きな斑が観察されて、LCD用途には使用できなかった。
【0064】
比較例2
実施例2において、前記パッキンをポリプロピレン(Tm=160℃、γc=23μN/cm)とした以外は、実施例2と同様にして、偏光フィルム用PVAフィルムを得た。この場合、運転初期は良好なPVAフィルムが得られたが、すぐにサイドプレートとの間から製膜原料が漏れ出し、運転を停止せざるを得なかった。
【0065】
比較例3
実施例1において、前記パッキンをアルミニウム板としたIダイに変更した以外は、実施例1と同様にして、偏光フィルム用PVAフィルムを得た。このPVAフィルムには、連続10日間運転後にフィルム幅方向の両端部付近に大きな厚み斑が見られた。
【0066】
そして、前記フィルム幅方向の両端部付近の厚み斑の大きい部分を除去してから、実施例1と同様にして偏光フィルムを作製した。この偏光フィルムの50cm四方をクロスニコル状態の2枚の偏光板の間に45°の角度で挟んで透過光を観察すると、不定形の大きな斑が観察されて、LCD用途には使用できなかった。
【0067】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、偏光フィルム用として好適な均一厚みのPVAフィルムを長期にわたって安定して得ることができる。また、このPVAフィルムを用いて光学斑が少ない偏光フィルムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるPVAフィルムの製造用Tダイを用いたロール製膜機の要部を示す構成図である。
【符号の説明】
1…Tダイ、1a…ダイ本体、2…マニホールド、3…リップ、4…溶融PVA(製膜原料)、5…ダイ吐出部、6…金属ロール、7…リップ開度調整ボルト、8…パッキン、9…サイドプレート、10…リップ面、W…ダイの幅。
Claims (4)
- ビニルアルコール系重合体を含有する製膜原料を、ダイ本体とサイドプレートとその間に配置されて該製膜原料を封止するパッキンとを有するTダイから吐出することによりビニルアルコール系重合体フィルムを製造するビニルアルコール系重合体フィルムの製造法であって、
前記パッキンの接液部の表面が、融点が170℃以上で臨界表面張力が30μN/cm以下のプラスチックにより形成されていることを特徴とするビニルアルコール系重合体フィルムの製造法。 - 請求項1において、前記パッキンとして、厚み0.5mm乃至5mmのフッ素樹脂製のものが用いられ、このパッキンの先端をリップ先端よりも100μm乃至500μm突出させているビニルアルコール系重合体フィルムの製造法。
- 請求項1または2において、前記Tダイの接液部がメッキされ、このTダイのリップにおける該メッキ表面の真直度が、全幅で50μm以下で、かつ200mm離れた二点間で10μm以下であるビニルアルコール系重合体フィルムの製造法。
- 請求項1から3のいずれか1項において、ビニルアルコール系重合体フィルムが偏光フィルム用であるビニルアルコール系重合体フィルムの製造法。
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