JP4420240B2 - 内燃機関制御装置 - Google Patents
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Description
このとき、デリバリパイプに対しては、燃料タンク内に取り付けられた燃料ポンプから燃料が圧送される。
また、一般に、燃料ポンプは、内燃機関の要求燃料量によらず、常に最大能力で駆動されており、余分な燃料は、圧力レギュレータから燃料リターン経路を介して燃料タンクへ戻されている。
また、燃料ポンプを常に最大能力で駆動しているので、燃費悪化の原因となっていた。
しかしながら、燃圧の変化は、燃料配管に流入する燃料流量と燃料配管から排出される燃料流量との差(燃料噴射量と燃料ポンプ吐出量との差)によって生じるので、燃料リターン経路がない状態で、内燃機関の負荷変動により吸気圧が急減した場合には、空燃比A/Fを一定にしなければならない制約から、燃料噴射量をむやみに増量することができず、燃圧と吸気圧との圧力差を一定に保つことができなくなる可能性があった。
しかしながら、燃料配管は、もともと燃圧に対して積分器的な作用を有しているので、積分器のゲインを大きく設定すると、逆に制御系が不安定になって燃圧が安定せず、正確に燃料噴射量を制御することができず、排ガスやドライバビリティを損なう可能性があった。
また、燃料ポンプのばらつき補償用の積分器のゲインを大きくした場合には、制御系が不安定になって、燃圧および燃料噴射量を正確に制御することができなくなるので、排ガスやドライバビリティを損なうという課題があった。
また、この発明は、燃料ポンプへの供給電圧の変動に対しても吐出量の安定化を実現した内燃機関制御装置を得ることを目的とする。
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係る内燃機関制御装置を概略的に示すブロック構成図である。
図1において、内燃機関(以下、「エンジン」ともいう)1は、たとえば4気筒のうちの1気筒のみに関して代表的に示されている。
吸気管5には、吸気管圧力を検出する吸気圧センサ2と、エンジン1に供給する空気量を調整するスロットルバルブ3と、デリバリパイプ14から供給された燃料を噴射する燃料噴射弁13とが設けられている。
スロットルバルブ3には、スロットル開度を検出するスロットル開度センサが内蔵されている。
また、エンジン1には、燃焼室内の混合気を爆発させるための点火プラグ18が設けられるとともに、排気弁を介して排気ガスを排出するための排気管19が連通されている。
デリバリパイプ14および燃料流路12は、燃料を燃料噴射弁13に供給するための燃料配管を構成している。
これにより、燃料タンク9内の燃料は、ストレーナ11を介して燃料ポンプ10に送られ、燃料ポンプ10から吐出されて燃料流路12に圧送され、デリバリパイプ14を介して燃料噴射弁13に供給されるようになっている。
具体的には、燃料ポンプ10内には、ブラケット(図示せず)により燃料タンク9内の燃料を吐出するために、直流モータにより回転駆動される羽根車(図示せず)が設けられている。これにより、燃料ポンプ10に通電が開始されると、燃料ポンプ10内の直流モータが駆動して羽根車が回転し、燃料タンク9内に貯留された燃料は、ストレーナ11を介して燃料ポンプ10に導入されて、燃料流路12に圧送される。
燃料ポンプ駆動装置7は、バッテリ6(または、オルタネータ17)からの給電によって燃料ポンプ10に印加される供給電圧(以下、「バッテリ電圧」ともいう)VBrを、後述するように、ECU16からの駆動信号に基づいて調整する。
また、デリバリパイプ14内の燃圧Fpは、燃料ポンプ10から吐出される燃料量と、燃料噴射弁13から噴射される噴射燃料量Qfとの差分により決定される。
デリバリパイプ14内の燃圧Fpは、燃料ポンプ10からの燃料吐出流量が燃料噴射弁13からの燃料噴射量よりも多ければ増加し、逆に、燃料ポンプ10からの燃料吐出流量が燃料噴射弁13からの燃料噴射量よりも少なければ減少する。
以下、エンジン1の燃焼室に送られた空気と燃料との混合ガスは、点火プラグ18の放電火花により着火燃焼し、排気ガスとなって排気管19から排出される。
なお、図示しないセンサとしては、たとえば、吸気管5内の吸気量を検出するエアフローセンサやエンジン1の冷却水温を検出する水温センサなどがあげられる。
ECU16において、CPU20は、クランク角センサ4や吸気圧センサ2などからの検出信号に応じて、各種の演算を実行する。RAM21は、CPU20での演算結果を一時的に格納する。
入出力インタフェース23は、燃圧センサ15などの検出信号をCPU20に入力するとともに、CPU20で演算された燃料ポンプ駆動装置7に対する駆動信号などを出力する。
入出力インタフェース23から出力される駆動信号のうち、気筒ごとの燃料噴射弁13および点火プラグ18に対する駆動信号は、駆動回路24を介して出力される。
開弁時間の演算結果は、燃料噴射用の駆動信号として、駆動回路24を介して燃料噴射弁13に印加され、燃料噴射弁13の開弁駆動時間を決定する。
燃料ポンプ駆動装置7から燃料ポンプ10に供給されるバッテリ電圧VBrは、ECU16から燃料ポンプ駆動装置7に送られた制御デューティ信号に基づいて調整され、燃料ポンプ10を駆動する。
まず、クランク角センサ4、燃圧センサ15、スロットルバルブ3内のスロットル開度センサなどの各種センサからの検出信号は、入出力インタフェース23を介して、ECU16に取り込まれ、ECU16内のCPU20は、上述したように、燃料噴射弁13の開弁時間、つまり燃料噴射弁13からの噴射燃料流量Qfを演算する。
このとき、ECU16は、燃圧センサ15による燃圧Fpの検出値に基づいて、図2の処理ルーチンを実行する。
これにより、ECU16で演算される要求燃料量以上の燃料が燃料ポンプ10から吐出されるので、デリバリパイプ14内の燃圧Fpを素早く昇圧させることができる。
したがって、燃圧Fpが第2の燃圧基準値FpU以上を示す場合には、燃料ポンプ駆動装置7への制御デューティ値Duty_Rを0[%]に設定して(ステップS6)、図2の処理ルーチンを終了してリターンする。
図3はECU16内の燃料ポンプフィードバック制御手段(図2内のステップS5)を示す機能ブロック図である。
また、図4は図3内のデューティ値演算テーブル32を示す説明図であり、噴射燃料流量Qfと基本デューティ値Duty_Bとの関係を示している。
デューティ値演算テーブル32は、図4に示すようなテーブルからなり、あらかじめECU16内ROM22に格納されている。
また、加算器38は、比例補正係数FPKPと積分補正係数FPKIとを加算し、フィードバック補正係数として出力する。
また、デューティ値演算テーブル32は、図4に示す噴射燃料流量Qfと基本デューティ値Duty_Bとの関係から、噴射燃料流量Qfに応じた基本デューティ値Duty_Bを、テーブル参照により算出する。
このとき、燃料ポンプ10の吐出量にばらつきがあっても、フィードバック制御部35内の積分演算によってフィードバック補償されるので、正確に燃料吐出量を制御することができる。
このように、燃料ポンプ10からの燃料吐出量を最大(=100%)、または最小(=0%)に設定することにより、デリバリパイプ14内の燃圧Fpが目標燃圧Fpobjに対して圧力差が生じた時でも素早く目標燃圧Fpobjに戻すことができる。
図5において、最初の時刻t1までの期間では、デリバリパイプ14内の燃圧Fpが燃料ポンプ10のフィードバック制御領域内(FpL<Fp<FpU)にあるので、燃料ポンプ10のフィードバック制御が行われ、燃圧Fpは目標燃圧Fpobj(破線参照)に維持される。このとき、燃料ポンプ制御フラグは、「1」にセットされた状態である。
以下、時刻t1から時刻t2までの期間では、燃料ポンプ10から吐出される燃料が停止するので、燃料噴射弁13からの燃料噴射が繰り返されることによって、デリバリパイプ14内の燃圧Fpは速やかに低下する。
そして、時刻t3において、燃圧Fpが第1の燃圧基準値FpL(1点鎖線参照)以下まで低下すると、燃料ポンプ制御フラグは「0」にリセットされた状態となり、燃料ポンプ10の制御デューティ値Duty_Rは、最大値(=100[%])に設定される。
その後、時刻t4において、燃圧Fpが第1の燃圧基準値FpLを越えると、再び燃料ポンプ制御フラグが「1」にセットされ、燃料ポンプ10のフィードバック制御が行われる。
一方、燃圧Fpがフィードバック制御領域の逸脱(Fp≦FpL、Fp≧FpU)を示す場合には、燃料ポンプ10のフィードバック制御を停止して、燃料ポンプ駆動装置7の制御デューティ値Duty_Rを強制的に100[%]または0[%]に設定する。
また、図3に示したように、フィードバック制御部35内の積分器37によって、燃料ポンプ10のばらつきを補償することができるので、燃料ポンプ10の吐出量を正確に制御することができ、排ガスやドライバビリティの悪化を防止することができる。
さらに、燃料ポンプ10を最大能力で駆動しなくても、エンジン1の要求噴射量に合わせて燃料ポンプ10を駆動することができるので、燃料ポンプ10の消費電力を低減することができ、燃費を向上させることができる。
また、燃圧Fpがフィードバック制御領域を逸脱しても、素早くフィードバック制御領域に復帰させて目標燃圧Fpobjに戻すことができるので、要求燃料量通りの燃料量を噴射することができ、空燃比A/Fを過度にリーン化、またはリッチ化することがない。
また、燃料ポンプ10を最大能力で駆動せずに、エンジン1の要求噴射量に合わせて燃料ポンプ10を駆動することができるので、燃料ポンプ10の消費電力を低減して燃費を向上させることができる。
次に、供給電圧に応じて制御デューティ値を補正するように構成したこの発明の実施の形態1に係る内燃機関制御装置について説明する。
図6において、前述(図3参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して詳述を省略する。
この場合、ECU16Aは、前述(図1、図3参照)のECU16に対応しており、燃料ポンプフィードバック制御手段に供給電圧補償部40が追加された点を除けば、前述の図3の構成と同一である。
供給電圧補償部40内の供給電圧検出手段は、スイッチ41により選択的に有効化され、互いに回路定数の異なる複数のフィルタとして、エンジン1の始動時と始動時以外とに対応して個別に機能する始動用フィルタ42および通常用フィルタ43を含む。
なお、燃料ポンプ10のフィードバック制御動作については、前述と同様なので説明を省略し、供給電圧補償部40の動作に注目して説明する。
その後、エンジン1が自立回転を開始すれば、スイッチ41により通常用フィルタ43を選択して、ノイズ除去重視の比較的大きいフィルタゲインに切り換える。
その後、所定期間が経過してエンジン1が自立回転を開始すると、供給電圧検出手段は、スイッチ41を介して通常用フィルタ43にバッテリ電圧VBrを入力することにより、フィルタゲインKを通常値に戻す。
図7はバッテリ電圧VBrが急低下した場合の補償動作を示し、図8はバッテリ電圧VBrが急上昇した場合の補償動作を示している。
このとき、仮に供給電圧補償部40が設けられていない場合には、制御デューティ値(破線参照)が特に補償されないので、デリバリパイプ14内の燃圧Fp(破線参照)は低下してしまう。
したがって、燃料ポンプ10に実際に供給される電圧が増大補償されるので、バッテリ電圧VBrが低下しても、燃料ポンプ10への供給電圧(実線参照)は実質的に低下しない。
まず、図8内の時刻t21において、エンジン1の始動時にスタータなどの駆動が停止して、スタータ負荷抜けが発生すると、バッテリ電圧VBrが急激に増加する。
この結果、燃圧Fp(点線参照)は、目標燃圧Fpobj(1点鎖線参照)よりも大きくなるので、燃料噴射量に誤差が生じて、空燃比A/Fがリッチ化して排ガスが悪化してしまう。
したがって、供給電圧補償デューティ値Duty_M(実線参照)が速やかに減少し、デリバリパイプ14内の燃圧Fpは、ほぼ目標燃圧Fpobj(1点鎖線参照)に制御され、燃料ポンプ10への供給電圧が変動しても燃料吐出量を安定させることができる。
Claims (1)
- 燃料タンクから燃料配管を介して供給された燃料を内燃機関に噴射する燃料噴射弁と、
前記燃料タンク内の燃料を前記燃料配管に圧送する燃料ポンプと、
前記燃料配管内の燃圧を検出する燃圧センサと、
少なくとも積分器演算を行い、前記燃圧の検出値が目標燃圧と一致するように前記燃料ポンプの吐出量を制御する燃料ポンプフィードバック制御手段と、
前記燃料ポンプへの供給電圧を検出する供給電圧検出手段と
を備えた内燃機関制御装置において、
前記燃料ポンプフィードバック制御手段は、
前記燃圧の検出値が、前記燃料ポンプのフィードバック制御領域の下限値に対応した第1の燃圧基準値以下を示す場合には、前記燃料ポンプを最大能力で駆動し、
前記燃圧の検出値が、前記フィードバック制御領域の上限値に対応した第2の燃圧基準値以上を示す場合には、前記燃料ポンプを停止させ、
前記燃圧の検出値が、前記第1の燃圧基準値と前記第2の燃圧基準値との間の前記フィードバック制御領域内に存在することを示す場合には、前記燃圧の検出値に応じて前記燃料ポンプをフィードバック制御するとともに、
前記供給電圧に応じて前記燃料ポンプの操作量を調整し、
前記供給電圧検出手段は、
互いに回路定数の異なる複数のフィルタを含み、
前記内燃機関の始動時に、前記複数のフィルタのうちの、応答性を重視した小さいフィルタゲインのフィルタを選択することを特徴とする内燃機関制御装置。
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