JP2006144692A - 内燃機関用燃料供給システムの異常検出装置 - Google Patents

内燃機関用燃料供給システムの異常検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】異常検出精度を向上させた内燃機関用燃料供給システムの異常検出装置を得る。
【解決手段】内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射弁106a〜106dと、燃料噴射弁106a〜106dに加圧燃料を供給するデリバリパイプ162と、内燃機関により駆動されるポンプ駆動カム146と、ポンプ駆動カム146により駆動され、デリバリパイプ162に加圧燃料を吐出する高圧ポンプ140と、高圧ポンプ140から吐出される燃料の圧力を調整する高圧レギュレータ141と、デリバリパイプ162内の燃料圧力Fpを検出する燃料圧力検出手段163と、内燃機関101の回転速度から算出される高圧ポンプ140の吐出推定燃料量と運転状態から算出される要求噴射燃料量との燃料量偏差に基づいて高圧レギュレータ推定流量を求める高圧レギュレータ流量推定手段150と、高圧レギュレータ推定流量と燃料圧力とに基づく異常検出手段150とを備えている。
【選択図】図2

Description

この発明は、たとえば車両用の筒内噴射式ガソリンエンジンに使用される燃料供給システムの異常検出装置に関し、特に高圧の加圧燃料を噴射するための燃料噴射弁に燃料を供給する内燃機関用燃料供給システムの異常検出装置に関するものである。
自動車用の内燃機関に使用される燃料供給システムは、内燃機関の各気筒に燃料を噴射する複数の燃料噴射弁と、これらの燃料噴射弁に燃料を供給するデリバリパイプと、デリバリパイプ内の圧力を調整する高圧レギュレータと、デリバリパイプに加圧燃料を供給する高圧ポンプと、燃料タンク内の燃料を高圧ポンプに供給する低圧ポンプと、燃料噴射弁への燃料噴射時期や噴射量などを制御する電子式コントロールユニットとにより構成されている。
高圧ポンプは、シリンダおよびポンプピストンなどにより構成されている。
ポンプピストンは、内燃機関の回転軸(たとえば、カム軸)に設けられたポンプ駆動用カムにより駆動され、シリンダ内を往復動して、吸入行程では加圧室内に燃料を吸入し、吐出行程では加圧室内の燃料をデリバリパイプに圧送する。
高圧レギュレータは、シリンダの一端に設けられたバルブの開閉により、高圧ポンプの吐出燃料のうちの余分な燃料を燃料タンク内に戻す流量を調整し、デリバリパイプ内の燃料圧力を所定の設定圧力に保持するようになっている。
しかしながら、上記のような高圧レギュレータの作動原理に起因して、高圧レギュレータが正常状態であっても、高圧レギュレータの流量が微量となる状態においては、バルブからの微小な漏れなどによって、燃料圧力を所定の設定圧力に保持することができなくなる場合がある。また、バルブの開閉をスプリングにより調節する機械式の高圧レギュレータにおいては、高圧レギュレータの流量に対して設定圧力に幾らかの勾配が生ずる。
一方、デリバリパイプ内の燃料圧力は、燃料供給システムの異常などに起因して、設定圧力から外れる場合もある。
このような異常の検出方法として、燃料圧力に加え、高圧ポンプ吐出量および噴射量指令値に基づいて、燃料供給システムの異常を検出する装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
この場合、高圧ポンプの吐出量積算値と燃料噴射弁からの噴射量積算値との比較値(大小関係)は、正常時の実燃圧の挙動を推定するパラメータとなるので、このパラメータ(比較値)と実際に検出された燃料圧力とを異常診断パラメータとして用いることにより、燃料供給システムの異常を判定することができる。
特開2002−47983号公報
しかし、上記特許文献1に記載された従来の内燃機関用燃料供給システムの異常検出装置では、高圧ポンプの燃料吐出量を制御する方式の燃料供給システムを異常検出対象としており、高圧レギュレータから低圧側の燃料タンクに戻る燃料流量を考慮していないので、異常検出精度の悪化や異常状態の誤検出を生じる可能性があるという課題があった。
たとえば、高圧ポンプの吐出量と燃料噴射弁の噴射量との各積算値を比較した結果、吐出量積算値が噴射量積算値を上回っているにもかかわらず燃料圧力が低下した場合には異常状態と判定されるが、積算の間に高圧ポンプ吐出量よりも燃料噴射弁の噴射量が多くなる状態があれば、高圧ポンプ下流側の高圧レギュレータ特性によって、実際には正常であるにも関わらず燃料圧力が低下する場合があり、異常状態を誤判定する可能性があるという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解消するためになされたもので、異常検出用のパラメータとして、高圧ポンプの吐出燃料量と、噴射量から推定される高圧レギュレータの流量とを用いることにより、異常検出精度を向上させた内燃機関用燃料供給システムの異常検出装置を得ることを目的とする。
この発明による内燃機関用燃料供給システムの異常検出装置は、内燃機関の各気筒に個別に燃料を噴射する燃料噴射弁と、燃料噴射弁に加圧燃料を供給するデリバリパイプと、内燃機関により駆動されるポンプ駆動カムと、ポンプ駆動カムにより駆動され、デリバリパイプに加圧燃料を吐出する高圧ポンプと、高圧ポンプの下流側に設けられ、高圧ポンプから吐出される燃料の圧力を調整する高圧レギュレータと、デリバリパイプ内の燃料圧力を検出する燃料圧力検出手段とを備えた内燃機関の燃料供給システムにおいて、内燃機関の回転速度に基づいて算出される高圧ポンプの吐出推定燃料量と、内燃機関の運転状態に基づいて算出される要求噴射燃料量との燃料量偏差に基づいて高圧レギュレータ推定流量を求める高圧レギュレータ流量推定手段と、高圧レギュレータ推定流量と燃料圧力とに基づいて燃料供給システムの異常を検出する異常検出手段とを備えたものである。
この発明によれば、高圧ポンプの吐出燃料量と、燃料噴射弁の噴射量から推定される高圧レギュレータの流量とを用いて、燃料供給システムの異常を高精度に検出することができる。
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1に係る内燃機関用燃料供給システムの異常検出装置について説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係る内燃機関用燃料供給システムの異常検出装置を示すブロック構成図であり、4気筒の筒内噴射式内燃機関に適用した例を示している。
また、図2は燃料供給システムのライン構成を図1内の各ブロックとともに図式的に示す系統図であり、特に高圧ポンプに関連した構成を具体的に示している。
図1において、車両用の内燃機関(エンジン)101には、吸気系および排気系とともに、燃料供給システム、点火系および制御系が設けられている。
内燃機関101の吸気系は、内燃機関101の吸入空気を浄化するエアクリーナ102と、内燃機関101への吸入空気量を計測するエアフローセンサ103と、吸入空気を内燃機関101へ送る吸気管104と、吸入空気量を調節するスロットルバルブ105とにより構成される。
燃料供給システムは、燃料噴射弁106と、カム軸110に関連した高圧ポンプ140と、インジェクタドライバ151とにより構成される。
燃料噴射弁106は、内燃機関101の各気筒の燃焼室に個別に設けられており、ECU(電子式コントロールユニット)150の制御下で、インジェクタドライバ151を介して駆動されることにより、内燃機関101の運転状態に見合った噴射量の燃料を燃焼室内に供給する。
点火系を構成する点火プラグ130は、ECU150の制御下で、点火コイル131により駆動され、点火コイル131から供給される高電圧により火花を発生して、燃焼室内の混合気を燃焼させる。
内燃機関101の排気系は、燃焼室内で燃焼した排気ガスを排出する排気管107と、排気ガス内の酸素濃度を検出するO2センサ108と、排気ガスを浄化する三元触媒109とにより構成される。
内燃機関101により回転駆動されるクランク軸120には、信号板121が取り付けられており、信号板121には、電磁ピックアップからなるセンサ122が対向配置されている。
信号板121およびセンサ122は、クランク角センサを構成しており、センサ122は、信号板121の外周突起を検出することによりクランク角信号を発生する。
クランク角信号は、ECU150に入力されて、点火時期、燃料噴射時期および噴射量などの演算タイミングの基準となる。また、クランク角信号の周期からエンジン回転速度Neが得られる。
カム軸110は、タイミングベルトなどの機械的伝達手段(図示せず)を介してクランク軸120と連結されており、クランク軸120が2回転する間に1回転する。
カム軸110には、信号板111が取り付けられており、信号板111には、電磁ピックアップからなるセンサ112が対向配置されている。
信号板111およびセンサ112は、カム角センサを構成しており、センサ112は、信号板111の外周突起を検出することによりカム信号を発生する。
カム信号は、ECU150に入力されて、気筒位置の基準となる。
制御手段を構成するECU150は、CPUおよびメモリなど(図示せず)を含み、センサ112、122などの各種センサからの検出情報に基づいて内燃機関101の運転状態を判別し、燃料噴射弁106、点火コイル131、高圧ポンプ140内の電磁バルブ(図示せず)およびインジェクタドライバ151などの各種アクチュエータを駆動する。
図2において、燃料噴射弁106a〜106dは、内燃機関101の4気筒のそれぞれに個別に設けられ、各気筒の燃焼室にそれぞれ燃料を噴射するようになっている。
燃料噴射弁106a〜106dには、加圧燃料を燃料噴射弁106a〜106dに吐出するためのデリバリパイプ162が接続されている。
デリバリパイプ162は、高圧ポンプ140で加圧された燃料の圧力を目標圧力に保持して、燃料噴射弁106a〜106dに高圧燃料を供給する。
高圧ポンプ140は、ポンプ駆動カム146により駆動され、ポンプ駆動カム146は、内燃機関101によりカム軸110を介して駆動される。
デリバリパイプ162の一端には、燃料圧力センサ163が設けられており、燃料圧力センサ163は、デリバリパイプ162内の燃料圧力Fpを検出してECU150に入力する。
高圧ポンプ140の下流側には、高圧レギュレータ141が設けられており、高圧レギュレータ141は、高圧ポンプ140から吐出される燃料の圧力を所定の設定圧力に調整する。高圧ポンプ140による調整圧力は、実質的にデリバリパイプ162内の燃料圧力Fpに相当する。
高圧ポンプ140内において、加圧用のシリンダは、加圧室142と、加圧室142の開口部を開閉するチェックバルブ143と、スプリング144を有するポンプピストン145とにより構成されている。
ポンプピストン145は、スプリング144により、シリンダから突出する方向に付勢されるとともに、カム軸110と一体のポンプ駆動カム146により、内燃機関101の回転に同期して先端部が押圧されて、シリンダ内を往復運動し、加圧室142内の燃料を加圧しながらデリバリパイプ162に向けて吐出させる。
高圧ポンプ140内の高圧レギュレータ141の燃料出口(後述する)は、燃料タンク160に連通されている。
また、高圧ポンプ140内のシリンダの燃料吸入口は、低圧ポンプ161を介して燃料タンク160に連通されている。
図2に示すように、高圧ポンプ140は、内燃機関101のカム軸110に設けられたポンプ駆動カム146により駆動されて、デリバリパイプ162に加圧燃料を供給する。
高圧ポンプ140において、ポンプピストン145は、ポンプ駆動カム146により駆動されてシリンダ内を往復運動し、加圧室142内に燃料を吸入して加圧し、スプリング144は、加圧室142が拡大する方向にポンプピストン145を常時付勢する。
すなわち、ポンプピストン145は、内燃機関101の回転にともなってポンプ駆動カム146のリフト部が上昇することにより、加圧室142内の燃料を加圧してデリバリパイプ162に吐出する。
このとき、低圧ポンプ161は、燃料タンク160から高圧ポンプ140内のシリンダに燃料を供給する。
また、チェックバルブ143は、シリンダの燃料吸入口および燃料吐出口に配設されて、シリンダ内への燃料吸入およびシリンダからの燃料吐出を行う。
図3は高圧ポンプ140内の高圧レギュレータ141を具体的に示す断面図であり、目標燃料圧力が所定圧力に固定設定された形式の構成例を示している。
図3において、高圧レギュレータ141は、シリンダの燃料吐出口に連通されたバルブシート201および燃料入口202と、パイプ203と、パイプ203を開閉するバルブ204と、パイプ203内に設けられたスプリング205と、パイプ203の側面に設けられて燃料タンク160に連通された燃料出口206とを備えている。
高圧レギュレータ141において、高圧(シリンダ吐出口)側からバルブシート201、燃料入口202およびバルブ204により形成される通路を介して導入されてきた燃料は、燃料圧力によるバルブ204への作用力とスプリング205の付勢力とのバランスによって流量が調整され、燃料出口206を介して低圧側の燃料タンク160に戻される。
この結果、高圧側の燃料圧力は、あらかじめ設定された所定圧力に調整される。
図4は高圧レギュレータ141の特性を示す説明図であり、高圧レギュレータ流量(横軸)に対する燃料圧力(縦軸)の関係を示している。
図4において、実線は設定燃料圧力(7[MPa])を調整目標とした燃料圧力を示し、1点鎖線は異常判定値Fp_failを示している。
高圧レギュレータ141の流量は、50[L/h]となるように設定され、高圧レギュレータ141の高圧側の燃料圧力は、7[MPa]となるように設定されている。
図4に示すように、高圧レギュレータ141の流量が約1[L/h]よりも少ない領域では、高圧側の燃料圧力を設定燃料圧力(=7[MPa])に保持することができなくなる。
また、燃料圧力(実線参照)は、高圧レギュレータ141の流量に対して、使用流量範囲内で1[MPa]程度の勾配が生ずる。
したがって、燃料圧力Fpに対する異常判定値Fp_failは、1[MPa]程度のばらつき分などの余裕代を考慮して設定される。
図5は高圧ポンプ140の特性を示す説明図であり、エンジン回転速度Ne(横軸)に対する燃料吐出量(縦軸)の関係を示している。
図5において、高圧ポンプ140の燃料吐出量は、内燃機関101の低回転側で若干効率が落ちるものの、ほぼエンジン回転速度Neに比例した値となり、使用範囲で最大90[L/h]程度に達する。
ECU150は、高圧レギュレータ推定流量Qregを求める高圧レギュレータ流量推定手段と、燃料供給システムの異常を検出する異常検出手段とを備えている。
ECU150内の高圧レギュレータ流量推定手段は、エンジン回転速度Neに基づいて算出される高圧ポンプ140の吐出推定燃料量Qpと、内燃機関101の運転状態に基づいて算出される要求噴射燃料量との燃料量偏差に基づいて、高圧レギュレータ推定流量Qregを求める。
また、ECU150内の異常検出手段は、高圧レギュレータ流量推定手段により求められた高圧レギュレータ推定流量Qregと、燃料圧力センサ163により検出された燃料圧力Fpとに基づいて、燃料供給システムの異常を検出する。
具体的には、異常検出手段は、高圧レギュレータ推定流量Qregに応じて算出された異常判定値よりも燃料圧力Fpが低い場合に、燃料供給システムが異常であると判定する。
図6はこの発明の実施の形態1による各パラメータの挙動例を示すタイミングチャートであり、4気筒の筒内噴射式内燃機関における加減速運転状態での各パラメータの時間変化を示している。
図6において、エンジン回転速度Neの変化と関連して、高圧ポンプ140の吐出推定燃料量Qp、1行程当りの噴射量Qcyl、要求噴射燃料量Qinj、高圧レギュレータ推定流量Qregおよび燃料圧力Fpは、それぞれ実線のように変化する。
燃料圧力Fpは、異常時においては点線のように挙動し、異常判定値Fp_fail(1点鎖線参照)を下回る。
異常検出フラグf_failは、燃料圧力Fpが異常判定値Fp_fail以上であれば、「0(正常)」にクリアされているが、燃料圧力Fpが異常判定値Fp_failを下回ると、「1(異常)」にセットされる。
ここで、図6内の各パラメータについて、上から順に説明する。
エンジン回転速度Neは、前述した通り、センサ122からのクランク角信号から求められる。
図6において、エンジン回転速度Neは、初期回転速度から加速により上昇して高回転状態となり、高回転状態を一定時間にわたって維持した後に、減速されて最初の回転速度に戻っている。
高圧ポンプ140の吐出推定燃料量Qpは、図5の特性データおよびエンジン回転速度Neに応じて算出される。
なお、ECU150内のメモリには、図5に示した高圧ポンプ140の吐出量特性があらかじめデータとして記憶されている。
内燃機関101の運転状態に見合った1行程当りの噴射量Qcylは、加速中においては、負荷が高くなることから増加し、一方、減速中においては、燃料カットが実行されることから「0」に設定される。
単位時間当りの要求噴射燃料量Qinjは、高圧ポンプ140の吐出推定燃料量Qpと比較するために、1行程当りの噴射量Qcylから求められる。
要求噴射燃料量Qinjは、たとえば加速中においては、エンジン回転速度Neが上昇して噴射回数が増加するので、1行程当りの噴射量Qcylが一定であっても、図示されたように増加する。
高圧レギュレータ推定流量Qregは、高圧ポンプ140の吐出推定燃料量Qpから要求噴射燃料量Qinjを減算して求められる。
高圧レギュレータ推定流量Qregは、各パラメータ特性に応じて、低回転且つ高負荷の運転状態時には減少し、逆に、高回転且つ低負荷の運転状態になるほど増加する傾向にある。
燃料圧力センサ163により計測されるデリバリパイプ162内の燃料圧力Fpは、正常時においては、高圧レギュレータ141の特性(図4参照)にしたがって、高圧レギュレータ推定流量Qregの増加にともなって上昇し、高圧レギュレータ推定流量Qregの減少にともなって下降する。
また、燃料圧力Fpと比較される異常判定値Fp_fail(1点鎖線参照)は、図4に示すように、高圧レギュレータ推定流量Qregに応じて求められる。
このように、高圧レギュレータ141の特性による燃料圧力Fpの変化に応じて、異常検出燃料圧力Fp_failを設定し、Fp<Fp_failとなった場合に異常状態であると判定することにより、燃料圧力Fpの変化によらず高精度の異常検出を実現することができる。
異常状態を示す異常検出フラグf_failは、正常時には「0」が設定されており、異常(Fp<Fp_fail)を示す場合には「1」が設定される。
次に、図7〜図10を参照しながら、この発明の実施の形態1によるECU150の処理動作について説明する。
図7はクランク角信号を基準として180°[CA:クランク角]周期で実行されるECU150の処理手順を示すフローチャートである。
図8は図7内の高圧レギュレータ推定流量演算処理(ステップS106)を示すフローチャート、図9は図7内の異常検出処理(ステップS107)を示すフローチャートである。
また、図10は1[msec]周期で実行される燃料圧力演算処理を示すフローチャートである。
まず、図7を参照しながら、ECU150の処理について説明する。
図7において、ECU150は、クランク角信号の周期からエンジン回転速度Neを算出するとともに(ステップS101)、燃料圧力サンプル用の変数FPsumおよびC_FPsumを用いて、以下の式により燃料圧力Fpを算出する(ステップS102)。
Fp=FPsum/C_FPsum
続いて、各変数FPsumおよびC_FPsumを0クリアして初期化し(ステップS103、S104)、噴射量演算処理(ステップS105)を実行する。
ステップS105においては、内燃機関101の運転状態に基づいて、1行程当りの噴射量Qcylが演算される。
最後に、異常検出処理で用いられる高圧レギュレータ推定流量Qregの演算処理(ステップS106)および異常検出処理(ステップS107)を実行する。
次に、図8を参照しながら、図7内の高圧レギュレータ推定流量Qregの演算処理(ステップS106)について説明する。
図8において、まず、ECU150は、エンジン回転速度Neをパラメータとしたマップデータmap1(Ne)を用いて、高圧ポンプ140の吐出推定燃料量Qpを算出する(ステップS201)。
このとき、マップデータmap1(Ne)は、高圧ポンプ140の吐出量特性(図4参照)に基づいて、ばらつき分を減量して設定することが望ましい。
続いて、図7内のステップS105で演算された1行程当りの噴射量Qcylと、エンジン回転速度Neとを用いて、以下の式により要求噴射燃料量Qinjを求める(ステップS202)。
Qinj=Qcyl×Ne×k
ここで、係数kの値は、要求噴射燃料量Qinj[L/h]、1行程当りの噴射量Qcyl[mm]、エンジン回転速度Ne[r/min]に対して、k=1.2×10−4に設定される。
最後に、高圧ポンプ140の吐出推定燃料量Qpおよび要求噴射燃料量Qinjを用いて、以下の式のように高圧レギュレータ推定流量Qregを算出し(ステップS203)、図8の処理フローを終了する。
Qreg=Qp−Qinj
次に、図9を参照しながら、図7内の異常検出処理(ステップS107)について説明する。
まず、ECU150内の異常検出手段は、異常検出フラグf_failを「0」に初期化する(ステップS301)。
続いて、エンジン停止時および燃料圧力Fpの安定しない低回転時においては、異常検出処理を禁止するために、エンジン回転速度Neが500[r/min]を超えているか否かを判定する(ステップS302)。
ステップS302において条件不成立であって、Ne≦500[r/min](すなわち、NO)と判定されれば、異常検出処理を実行せずに図9の処理フローを終了する。
一方、ステップS302において、Ne>500[r/min](すなわち、YES)と判定されれば、高圧レギュレータ推定流量Qregをパラメータとしたマップデータmap2(Qreg)を用いて、異常判定値Fp_failを算出する(ステップS303)。
このとき、マップデータmap2(Qreg)は、図4に示すように、高圧レギュレータ141の特性に基づいて、高圧レギュレータ141および燃料圧力センサ163のばらつき分などの余裕代を確保して設定することが望ましい。
次に、燃料圧力Fpが異常判定値Fp_failよりも小さいか否かを判定し(ステップS304)、条件不成立であって、Fp≧Fp_fail(すなわち、NO)と判定されれば、正常状態と見なして図9の処理フローを終了する。
一方、ステップS304において条件が成立し、Fp<Fp_fail(すなわち、YES)と判定されれば、異常状態が検出されたので、異常検出フラグf_failに「1」を設定して(ステップS305)、図9の処理フローを終了する。
次に、図10を参照しながら、1[msec]ごとの処理について説明する。
図10において、まず、燃料圧力センサ163により繰り返し検出される燃料圧力Fpの検出値FP_rを燃料圧力積算値FPsumとして蓄積する(ステップS301)。
ここで、燃料圧力積算値FPsumは、前回までの燃料圧力積算値FPsum(i−1)と今回の燃料圧力検出値FP_rとを用いて、以下の式のように表される。
FPsum=FPsum(i−1)+FP_r
続いて、燃料圧力検出値FP_rの積算回数C_FPsumを「1」だけインクリメントして(ステップS302)、図10の処理フローを終了する。
上記実施の形態1においては、圧力固定式の高圧レギュレータ141の特性に基づいて異常判定値Fp_failを設定する場合を示したが、電磁バルブにより流量を調整する圧力可変式の高圧レギュレータに適用してもよい。
また、たとえば、高圧レギュレータ141のバルブ204(図3参照)の部分に異物を噛み込んだ場合、バルブ204の漏れ量が増加して高圧レギュレータ141の低流量域で燃料圧力の低下を生じ易くなるので、低流量域での異常判定値Fp_failを低めに設定することが望ましい。これにより、一時的な異物噛み込みによる異常検出を防止することができる。
以上の通り、この発明の実施の形態1に係る燃料供給システムの異常検出装置は、内燃機関101の各気筒に燃料を噴射する燃料噴射弁106a〜106dと、燃料噴射弁106a〜106dに加圧燃料を供給するデリバリパイプ162と、内燃機関101により駆動されるポンプ駆動カム146と、ポンプ駆動カム146により駆動されてデリバリパイプ162に加圧燃料を吐出する高圧ポンプ140と、高圧ポンプ140の下流側に設けられて高圧ポンプ140から吐出される燃料の圧力を調整する高圧レギュレータ141と、デリバリパイプ162内の燃料圧力Fpを検出する燃料圧力センサ163とを備えている。
また、ECU150は、高圧レギュレータ推定流量Qregを求める高圧レギュレータ流量推定手段と、燃料供給システムの異常を検出する異常検出手段を備えている。
ECU150内の高圧レギュレータ流量推定手段は、エンジン回転速度Neに基づいて算出される高圧ポンプ140の吐出推定燃料量Qpと、内燃機関101の運転状態に基づいて算出される要求噴射燃料量Qinjとの燃料量偏差(=Qp−Qinj)に基づいて高圧レギュレータ推定流量Qregを求める。
また、ECU150内の異常検出手段は、高圧レギュレータ推定流量Qregと燃料圧力Fpとに基づいて燃料供給システムの異常を検出する。
すなわち、異常検出手段は、高圧レギュレータ推定流量Qregに応じて算出された異常判定値Fp_failよりも燃料圧力Fpが低い場合に燃料供給システムが異常であると判定する。
これにより、燃料圧力Fpのみに基づく異常検出に比べて、高圧レギュレータ141の流量に応じた特性変化を考慮することができり、精度よく異常を検出することができる。
また、高圧レギュレータ141の特性から決定される設定燃料圧力に合わせて異常判定値Fp_failを決めることができ、異常判定値Fp_failを適切に設定することができる。
さらに、異常判定値Fp_failは、高圧レギュレータ推定流量Qregが減少するにつれて減少するように設定されることにより、燃料圧力Fpが低くなる高圧レギュレータ141の低流量域では異常判定値Fp_failが低く設定されるので、正常状態での誤検出を防止することができる。
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、高圧レギュレータ推定流量Qregとして、高圧ポンプ140の吐出推定燃料量Qpから要求噴射燃料量Qinjを減算した値をそのまま用いたが、燃料圧力Fpの応答時間を考慮して、高圧レギュレータ流量推定手段内にフィルタ処理手段を追加してもよい。
この場合、ECU150内の高圧レギュレータ流量推定手段は、フィルタ処理手段を含み、フィルタ処理手段は、高圧レギュレータ推定流量Qregに対する異常判定値Fp_failの変化を抑制するように、高圧レギュレータ推定流量Qregに対してフィルタ処理による補正を行う。
また、フィルタ処理手段は、異常判定値Fp_failの減少側への変化に比べて、異常判定値Fp_failの増加側への変化の方が遅くなるように、高圧レギュレータ推定流量Qregに対してフィルタ処理による補正を行う。
図11はフィルタ処理手段を追加したこの発明の実施の形態2による各パラメータの挙動を示すタイミングチャートであり、フィルタ無の場合(細線参照)と対比させて示している。
図11においては、高圧ポンプ140の吐出推定燃料量Qpが一定の状態で、高負荷状態から減速運転状態(燃料カット状態)に急変した場合の、各パラメータの時間変化が示されている。
前述のように、異常判定値Fp_failは、高圧レギュレータ推定流量Qregを用いて算出される。
ここで、図11に示すように、1行程当りの噴射量Qcylが高負荷状態での噴射量から燃料カット状態へと急変した場合に、フィルタ処理手段を有していなければ、高圧レギュレータ推定流量Qregは、細線で示すように急変する。
一方、デリバリパイプ162内の燃料圧力Fpは、高負荷状態から燃料カットへの移行時に増加するが、燃料圧力センサ163の検出遅れなどによって、図11に示すように、増加タイミングに応答遅れが発生する。
すなわち、フィルタ無の場合には、高圧レギュレータ推定流量Qregの急峻な変化に対し、燃料圧力Fpの増加タイミングに遅れが生じて、燃料圧力Fpの変化タイミングよりも先に異常判定値Fp_failが変化する。
この結果、高圧レギュレータ推定流量Qregが増加する場合に、高圧レギュレータ推定流量Qregに対するフィルタ処理が実行されなければ、燃料圧力Fpと高圧レギュレータ推定流量Qregに追従する異常判定値Fp_fail(図11内の細線参照)との間の余裕代(破線の両方向矢印参照)が不足することになり、異常状態を誤検出する可能性がある。
しかし、高圧レギュレータ推定流量Qregに対してフィルタ処理による補正を行うことにより、図11内の太線のように、燃料圧力Fpと異常判定値Fp_failとの間の余裕代を確保することができる。
ただし、高圧レギュレータ推定流量Qregが減少する場合には、逆に、異常判定値Fp_failの余裕代が増加して、フィルタ処理で補正を掛けすぎることにより余裕代が減少する。
したがって、フィルタ処理は、高圧レギュレータ推定流量Qregおよび異常判定値Fp_failの減少側への変化に比べて、高圧レギュレータ推定流量Qregおよび異常判定値Fp_failの増加側への変化が遅くなるように補正することが望ましい。
図12はこの発明の実施の形態2による高圧レギュレータ推定流量Qregの演算処理手順を示すフローチャートであり、ステップS501〜S503は前述(図8参照)の各ステップS201〜S203と同様の処理である。なお、その他の処理フローについては、前述と同様なので、ここでは説明を省略する。
図12において、まず、前述と同様の演算処理(ステップS501〜S503)により、フィルタ補正前の高圧レギュレータ推定流量Qreg_rを算出する。
すなわち、高圧ポンプ140の吐出推定燃料量Qpから要求噴射燃料量Qinjを減算した値を高圧レギュレータ推定流量Qreg_rとして算出する。
次に、フィルタ係数k_fの値を「0.5」に初期設定して(ステップS504)、前回の高圧レギュレータ推定流量Qreg(i−1)と、ステップS503で算出したフィルタ補正前の高圧レギュレータ推定流量Qreg_rとを比較し、Qreg_r>Qreg(i−1)(流量増加側)であるか否かを判定する(ステップS505)。
ステップS505において、Qreg_r≦Qreg(すなわち、NO)と判定されれば、流量が減少している状態なので、フィルタ係数k_fを変更することなく、ステップS507(後述する)に進む。
一方、ステップS505において、Qreg_r>Qreg(すなわち、YES)と判定されれば、流量が増加している状態なので、流量変化が遅くなるように、フィルタ係数k_fの値を「0.9」に増大設定する(ステップS506)。
最後に、フィルタ係数k_fと、前回の高圧レギュレータ推定流量Qreg(i−1)と、フィルタ補正前の高圧レギュレータ推定流量Qreg_rとを用いて、以下の式のように、フィルタ補正を施した今回の高圧レギュレータ推定流量Qregを求め(ステップS507)、図12の処理フローを終了する。
Qreg=k_f×Qreg(i−1)+(1−k_f)×Qreg_r
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、ECU150内の高圧レギュレータ流量推定手段は、フィルタ処理手段を含み、高圧レギュレータ推定流量Qregに対して、変化が小さくなるようにフィルタ処理による補正を行うので、燃料圧力Fpの増加遅れ(図11参照)に起因した誤検出を抑制することができる。
また、フィルタ処理手段は、異常判定値Fp_failの減少側への変化に比べて、異常判定値Fp_failの増加側への変化の方が遅くなるように、高圧レギュレータ推定流量Qregに対してフィルタ処理による補正を行うので、高圧レギュレータ推定流量Qregから求められる異常判定値Fp_failの余裕代を適切に確保することができる。
なお、上記説明では、高圧レギュレータ推定流量Qregに対してそのままフィルタ処理による補正を施したが、高圧レギュレータ推定流量Qregを、低流量域、中流量域、高流量域などにレベル分けを行い、流量レベルの変化時にフィルタ処理手段によるディレイ処理を実行してもよい。
この場合、高流量側への変化時においては、低流量側への変化時よりも長いディレイ時間に設定すれば、前述と同等の作用効果を奏することができる。また、異常判定値Fp_failを流量レベルに応じて設定してもよい。
実施の形態3.
なお、上記実施の形態1、2では、特に言及しなかったが、高圧レギュレータ推定流量Qregが所定流量未満となった場合には、異常検出手段による燃料供給システムの異常検出処理を禁止してもよい。
以下、所定条件下で異常検出処理を禁止するようにしたこの発明の実施の形態3について説明する。
前述のように、高圧レギュレータ141の特性(図4参照)から、高圧レギュレータ141の流量が所定流量(たとえば、1[L/h])よりも少ない領域では、設定燃料圧力を保持することができなくなる。
したがって、高圧レギュレータ141の特性に基づいて所定流量を設定しておき、高圧レギュレータ推定流量Qregが所定流量未満となった場合には、燃料供給システムの異常検出を禁止することが望ましい。
したがって、この場合、ECU150内の異常検出手段は、高圧レギュレータ推定流量Qregが所定流量よりも少ない場合には、燃料供給システムの異常検出処理の実行を禁止するようになっている。
なお、所定流量は、あらかじめ設定された所定燃料圧力(たとえば、7[MPa])を高圧レギュレータ141が正常状態で保持できなくなる流量に基づいて決定される。
また、異常検出手段は、所定流量に補正量を加算する所定流量補正手段を含み、所定流量補正手段は、高圧ポンプ140の吐出推定燃料量Qpが増加するにつれて補正量を増加させるようになっている。
一般に、高圧レギュレータ推定流量Qregが所定流量未満となる場合の条件としては、基本的に、要求噴射燃料量Qinjの増加(低温、高負荷)時が考えられる。
また、要求噴射燃料量Qinjの増加時におけるパラメータとして、高圧ポンプ140の吐出推定燃料量Qpに注目すると、吐出推定燃料量Qpの増加(高回転)時と、減少(低回転)時とがあげられる。
なお、高圧ポンプ140の吐出推定燃料量Qpはエンジン回転速度Neにほぼ比例し、要求噴射燃料量Qinjは負荷に比例する。
また、高圧レギュレータ推定流量Qreg(=Qp−Qinj)は、高負荷になるほど減少する。
一方、吐出推定燃料量Qpおよび要求噴射燃料量Qinjには、ばらつきが含まれるので、算出された高圧レギュレータ推定流量Qregにも、ばらつきによる誤差が含まれる。また、吐出推定燃料量Qpおよび要求噴射燃料量Qinjの値が大きければ大きいほど、ばらつきの影響も大きくなる。
たとえば、高圧レギュレータ推定流量Qreg(=Qp−Qinj)が1[L/h]となる場合の、吐出推定燃料量Qpおよび要求噴射燃料量Qinjの組み合わせとして、以下の2通りの条件(1)、(2)を考える。
(1)Qp=50[L/h]、且つ、Qinj=49[L/h]
(2)Qp=5[L/h]、且つ、Qinj=4[L/h]
ここで、吐出推定燃料量Qpおよび要求噴射燃料量Qinjの各ばらつき幅を「±10%」とすると、条件(1)の場合、吐出推定燃料量Qpおよび要求噴射燃料量Qinjの各ばらつき幅が5[L/h]程度となるので、高圧レギュレータ推定流量Qregのばらつき幅は、最大で10[L/h]程度となる。
一方、条件(2)の場合、吐出推定燃料量Qpおよび要求噴射燃料量Qinjの各ばらつき幅が0.5[L/h]程度となるので、高圧レギュレータ推定流量Qregのばらつき幅は、最大で1[L/h]程度となる。
このように、高圧ポンプ140の吐出推定燃料量Qpが増加するにつれて、高圧レギュレータ推定流量Qregのばらつきによる誤差が多くなるので、所定流量に対して、高圧ポンプ140の吐出推定燃料量Qpが増加するにつれて増加する補正量を加算することが望ましい。
図13はこの発明の実施の形態3による異常検出処理手順を示すフローチャートであり、ステップS601、S602、S605〜S607は前述(図9参照)の各ステップS301〜S305と同様の処理である。なお、その他の処理フローについては、前述と同様なので、ここでは説明を省略する。
図13において、まず、異常検出フラグf_failを「0」に初期設定し(ステップS601)、エンジン回転速度Neが500[r/min]を超えているか否かを判定する(ステップS602)。
ステップS602において、Ne≦500[r/min](すなわち、NO)と判定されれば、異常検出処理を実行せずに図13の処理フローを終了する。
一方、ステップS602において、Ne>500[r/min](すなわち、YES)と判定されれば、高圧ポンプ140の吐出推定燃料量Qpをパラメータとしたマップデータmap3(Qp)を用いて、異常検出禁止を判定するための所定流量Qreg_lowを算出する(ステップS603)。
続いて、高圧レギュレータ推定流量Qregと、ステップS603で算出した所定流量Qreg_lowとを比較して、Qreg≧Qreg_lowであるか否かにより、高圧レギュレータ推定流量Qregが、異常検出処理を実行するのに十分な流量であるか否かを判定する(ステップS604)。
もし、高圧レギュレータ推定流量Qregが少なく、ステップS604において、Qreg<Qreg_low(すなわち、NO)と判定されれば、異常検出処理の禁止条件を満たすので、異常検出処理を実行せずに図13の処理フローを終了する。
一方、ステップS604において、Qreg≧Qreg_low(すなわち、YES)と判定されれば、前述のステップS303〜S305と同様の異常検出処理(ステップS605〜S607)を実行して、図13の処理フローを終了する。
以上のように、この発明の実施の形態3によれば、ECU150内の異常検出手段は、高圧レギュレータ推定流量Qregが所定流量Qreg_lowよりも少ない場合には燃料供給システムの異常検出処理を禁止するので、正常状態での異常状態の誤検出を防止することができる。
また、所定流量Qreg_lowは、高圧レギュレータ141があらかじめ設定された燃料圧力を正常状態で保持できなくなる流量に基づいて決定されるので、高圧レギュレータ141の特性に見合った最適値に設定することができる。
さらに、所定流量Qreg_lowに補正量を加算するとともに、高圧ポンプ140の吐出推定燃料量Qpが多くなるにつれて、補正量を増加設定することにより、所定流量Qreg_lowに対する高圧ポンプ140および燃料噴射量のばらつきの影響を抑制することができる。
なお、上記実施の形態3では、高圧レギュレータ推定流量Qregが所定流量Qreg_low以上の場合に異常検出処理を実行する際に、燃料圧力Fpの遅れ(図11参照)を考慮しなかったが、前述の実施の形態2と同様に、燃料圧力Fpの遅れに起因した誤検出を防止するために、高圧レギュレータ推定流量Qregに対してフィルタ処理を行い、ディレイ機能を付加してもよい。
さらに、この場合、高圧レギュレータ推定流量Qregが所定流量Qreg_low以上となってから所定時間が経過した後に異常検出処理を実行することが望ましい。
また、上記実施の形態1〜3では、4気筒の筒内噴射式内燃機関について説明したが、6気筒などの任意気筒数の内燃機関にも適用可能である。
さらに、高圧レギュレータ141として、燃料圧力の設定をスプリング205(図3参照)の付勢力による流量調整で行う固定式を例にとって説明したが、この形式に限定されるものではなく、燃料圧力の設定を電磁バルブによる流量調整で行う可変式高圧レギュレータを用いてもよい。
この発明の実施の形態1に係る内燃機関用燃料供給システムの異常検出装置を概略的に示すブロック構成図である。 この発明の実施の形態1に適用される燃料供給システムを示す系統図である。 この発明の実施の形態1に適用される高圧レギュレータの内部構成を示す断面図である。 この発明の実施の形態1に適用される高圧レギュレータの特性を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に適用される高圧ポンプの特性を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に適用される4気筒の筒内噴射式内燃機関において加減速を行う運転状態での各パラメータの時間変化を示すタイミングチャートである。 この発明の実施の形態1に係る所定周期ごとの処理動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る高圧レギュレータ推定流量の演算処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る異常検出処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係る1[msec]ごとの演算処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係る高圧レギュレータ推定流量の変化時での燃料圧力挙動を示すタイミングチャートである。 この発明の実施の形態2に係る高圧レギュレータ推定流量の演算処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係る異常検出処理を示すフローチャートである。
符号の説明
101 内燃機関(エンジン)、106、106a〜106d 燃料噴射弁、110 カム軸、112、122 センサ、120 クランク軸、140 高圧ポンプ、141 高圧レギュレータ、146 ポンプ駆動カム、150 ECU(電子式コントロールユニット)、160 燃料タンク、161 低圧ポンプ、162 デリバリパイプ、163 燃料圧力センサ。

Claims (8)

  1. 内燃機関の各気筒に個別に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記燃料噴射弁に加圧燃料を供給するデリバリパイプと、
    前記内燃機関により駆動されるポンプ駆動カムと、
    前記ポンプ駆動カムにより駆動され、前記デリバリパイプに加圧燃料を吐出する高圧ポンプと、
    前記高圧ポンプの下流側に設けられ、前記高圧ポンプから吐出される燃料の圧力を調整する高圧レギュレータと、
    前記デリバリパイプ内の燃料圧力を検出する燃料圧力検出手段と
    を備えた前記内燃機関の燃料供給システムにおいて、
    前記高圧レギュレータの流量に対応した高圧レギュレータ推定流量を求める高圧レギュレータ流量推定手段と、
    前記燃料供給システムの異常を検出する異常検出手段と、をさらに備え、
    前記高圧レギュレータ流量推定手段は、前記内燃機関の回転速度に基づいて算出される前記高圧ポンプの吐出推定燃料量と、前記内燃機関の運転状態に基づいて算出される要求噴射燃料量との燃料量偏差を用いて、前記高圧レギュレータ推定流量を求め、
    前記異常検出手段は、前記高圧レギュレータ推定流量と前記燃料圧力とに基づいて前記燃料供給システムの異常を検出することを特徴とする内燃機関用燃料供給システムの異常検出装置。
  2. 前記異常検出手段は、前記高圧レギュレータ推定流量に応じて算出された異常判定値よりも前記燃料圧力が低い場合に、前記燃料供給システムが異常であると判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用燃料供給システムの異常検出装置。
  3. 前記異常検出手段は、前記高圧レギュレータ推定流量が減少するにつれて減少するように前記異常判定値を設定することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関用燃料供給システムの異常検出装置。
  4. 前記高圧レギュレータ流量推定手段は、フィルタ処理手段を含み、
    前記フィルタ処理手段は、前記高圧レギュレータ推定流量に対する前記異常判定値の変化を抑制するように、前記高圧レギュレータ推定流量に対してフィルタ処理による補正を行うことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の内燃機関用燃料供給システムの異常検出装置。
  5. 前記フィルタ処理手段は、前記異常判定値の減少側への変化に比べて、前記異常判定値の増加側への変化の方が遅くなるように、前記高圧レギュレータ推定流量に対してフィルタ処理による補正を行うことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関用燃料供給システムの異常検出装置。
  6. 前記異常検出手段は、前記高圧レギュレータ推定流量が所定流量よりも少ない場合には前記燃料供給システムの異常検出を禁止することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の内燃機関用燃料供給システムの異常検出装置。
  7. 前記異常検出手段は、あらかじめ設定された所定燃料圧力を前記高圧レギュレータが正常状態で保持できなくなる流量に基づいて前記所定流量を決定することを特徴とする請求項6に記載の内燃機関用燃料供給システムの異常検出装置。
  8. 前記異常検出手段は、前記所定流量に補正量を加算する所定流量補正手段を含み、
    前記所定流量補正手段は、前記高圧ポンプの吐出推定燃料量が増加するにつれて前記補正量を増加させることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の内燃機関用燃料供給システムの異常検出装置。
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