JP4419625B2 - 車両用制振制御装置および車両用制振制御方法 - Google Patents
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Description
(2)本発明による車両用制振制御装置は、車両情報に基づいて算出される第1のトルク目標値に対して、車両へのトルク入力とモータ回転速度の伝達特性のモデルGp(s)および車両へのトルク入力とモータ回転速度の伝達特性の理想モデルGm(s)で構成されるGm(s)/Gp(s)なる特性を有するフィルタ処理を施して、第1のトルク目標修正値を算出する。また、バンドパスフィルタの特性を有する伝達特性H(s)および伝達特性のモデルGp(s)で構成されるH(s)/Gp(s)なる特性を有するフィルタを用いて、モータ回転速度推定値およびモータ回転速度検出値の偏差に基づいて、第2のトルク目標値を算出する。この第2のトルク目標値と、第1のトルク目標修正値とを加算して得られるトルク指令値に対して、モータの出力トルクの立ち上がり特性に応じたフィルタ処理を施して、モータ回転速度推定手段に出力することを特徴とする。
(3)本発明による車両用制振制御装置は、車両情報に基づいて算出される第1のトルク目標値に対して、車両へのトルク入力とモータ回転速度の伝達特性のモデルGp(s)および車両へのトルク入力とモータ回転速度の伝達特性の理想モデルGm(s)で構成されるGm(s)/Gp(s)なる特性を有するフィルタ処理を施して、第1のトルク目標修正値を算出する。また、バンドパスフィルタの特性を有する伝達特性H(s)および伝達特性のモデルGp(s)で構成されるH(s)/Gp(s)なる特性を有するフィルタを用いて、モータ回転速度推定値およびモータ回転速度検出値の偏差に基づいて、第2のトルク目標値を算出する。この第2のトルク目標値の位相を補正し、位相補正後の第2のトルク目標値と、第1のトルク目標修正値とを加算してトルク指令値を算出することを特徴とする。
(4)本発明による車両用制振制御方法は、車両情報に基づいて基本トルク指令値を算出し、基本トルク指令値に対して、車両の振動を抑制するフィルタ処理を施して第1のトルク目標値を算出し、最終的なトルク指令値を所定時間遅らせてから、モータ回転速度を推定するモータ回転速度推定手段に出力し、モータ回転速度推定手段によって推定されるモータ回転速度と実モータ回転速度との偏差に基づいて、第2のトルク目標値を算出し、第1のトルク目標値および第2のトルク目標値を加算して得られる最終的なトルク指令値に基づいて、モータを駆動することを特徴とする。
(5)本発明による車両用制振制御方法は、車両情報に基づいて基本トルク指令値を算出し、基本トルク指令値に対して、車両の振動を抑制するフィルタ処理を施して第1のトルク目標値を算出し、最終的なトルク指令値に対して、モータの出力トルクの立ち上がり特性に応じたフィルタ処理を施し、フィルタ処理が施された最終的なトルク指令値から推定されるモータ回転速度と実モータ回転速度との偏差に基づいて、第2のトルク目標値を算出し、第1のトルク目標値および第2のトルク目標値を加算して得られる最終的なトルク指令値に基づいて、モータを駆動することを特徴とする。
(6)本発明による車両用制振制御方法は、車両情報に基づいて基本トルク指令値を算出し、基本トルク指令値に対して、車両の振動を抑制するフィルタ処理を施して第1のトルク目標値を算出し、最終的なトルク指令値から推定されるモータ回転速度と実モータ回転速度との偏差に基づいて、第2のトルク目標値を算出し、第2のトルク目標値の位相を補正し、第1のトルク目標値および位相が補正された第2のトルク目標値を加算して得られる最終的なトルク指令値に基づいて、モータを駆動することを特徴とする。
図1は、本発明の第1の実施の形態における車両用制振制御装置を備えた電気自動車の全体構成を示すブロック図である。この車両は、3相交流モータ5の回転力が車輪7a,7bに伝達されることにより駆動する。回転速度センサ6は、モータ5の回転速度を検出する。
図4は、第2の実施の形態における車両用制振制御装置において、モータトルク設定部2および制振制御部3aの具体的な構成を示すブロック図である。図2に示すブロック図との相違は、制振制御部3aに制御ブロック36が追加されていることである。すなわち、時間遅れ制御器35と、制御ブロック31の間に制御ブロック36が設けられている。制御ブロック36は、モータ5の出力トルクが指令トルクに収束するまでの応答時定数に相当する伝達特性を有するフィルタを備えている。
図7は、第3の実施の形態における車両用制振制御装置において、モータトルク設定部2および制振制御部3bの具体的な構成を示すブロック図である。図4に示すブロック図との相違は、制振制御部3b内に設けられている制御ブロック33aの伝達特性である。すなわち、第1および第2の実施の形態における車両用制振制御装置が備える制御ブロック33が有するフィルタの伝達特性がH(s)/Gp(s)であったのに対し、制御ブロック33aが有するフィルタの伝達特性は、H'(s)/Gp(s)である。
1/(1+τs) …(1)
式(1)に、s=j×ωpを代入すると、
1/(1+τs)=1/(1+τ×j×ωp)
=(1−τ×j×ωp)/(1−τ×j×ωp)(1+τ×j×ωp)
=[1/(1+(τ×ωp)2)]
+[(−τ×ωp)/(1+(τ×ωp)2)]j …(2)
α=tan-1(B/A)=tan-1(−τ×ωp) …(3)
となる。
β=ωp×t=ωp×(t1+t2) …(4)
γ=α+β …(5)
[ωc/(ωc+s)]×[s/(ωc+s)]
=(ωc×s)/(ωc+s)2 …(6)
式(6)に、s=j×ωpを代入すると、
=(ωc×j×ωp)/(ωc2+2×ωc×j×ωp−ωp2)
=(ωc×j×ωp)/[(ωc2−ωp2)+(2×ωc×ωp)×j]
=(ωc×j×ωp)×[(ωc2−ωp2)−(2×ωc×ωp)×j]
/[(ωc2−ωp2)2+(2×ωc×ωp)2]
=[((ωc2−ωp2)×ωc×ωp)×j+2×ωc2×ωp2]
/[(ωc2+ωp2)2]
=[(2×ωc2×ωp2)/(ωc2+ωp2)2]
+[((ωc2−ωp2)×ωc×ωp)/(ωc2+ωp2)2]×j …(7)
tanγ=D/C
=((ωc2−ωp2)×ωc×ωp)/(2×ωc2×ωp2)
=(ωc2−ωp2)/(2×ωc×ωp) …(8)
式(8)を変形すると、次式(9)が導かれる。
ωc2−(2×ωc×ωp×tanγ)−ωp2 =0 …(9)
ωc=[(2×tanγ×ωp)+√((−2×tanγ×ωp)2+4×ωp2)]/2 …(10)
従って、位相補償後の中心周波数fcは、次式(11)により表される。
fc=ωc/2π
=[(2×tanγ×ωp)+√((−2×tanγ×ωp)2+4×ωp2)]/(4π)
…(11)
図10は、第4の実施の形態における車両用制振制御装置において、モータトルク設定部2および制振制御部3bの具体的な構成を示すブロック図である。図7に示すブロック図との相違は、制振制御部3c内に設けられている制御ブロック33bの伝達特性である。すなわち、第3の実施の形態における車両用制振制御装置では、H(s)/Gp(s)なるフィルタのうち、バンドパスフィルタH(s)の中心周波数をシフトさせて、H'(s)/Gp(s)なるフィルタを用いたが、第4の実施の実施の形態における車両用制振制御装置では、このフィルタH'(s)/Gp(s)に対して、ゲインG'をかけたフィルタG'H'(s)/Gp(s)を用いる。
G1=√(A2+B2)=√[1/(1+(τ×ωp)2)] …(12)
G2=√(C2+D2)
=√[[(2×ωc2×ωp2)2+(ωc×ωp×(ωc2−ωp2))2]/(ωc2+ωp2)4]
…(13)
G'=1/(G1×G2) …(14)
2…モータトルク設定部
3…制振制御部
4…モータトルク制御部
5…モータ
6…回転角センサ
7a,7b…車輪
11…制御ブロック
21…トルクマップ
22…制御ブロック
31…制御ブロック
32…減算器
33,33a,33b…制御ブロック
34…加算器
35…時間遅れ制御器
36…制御ブロック
41…電流指令値算出部
42…電流制御部
43…dq/3相変換部
44…電力変換部
45…3相/dq変換部
46a,46b…電流センサ
61…回転位置センサ
62…位相速度演算部
Claims (8)
- モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、
トルク指令値に基づいて、前記モータを制御する電動モータ制御手段と、
車両情報に基づいて、第1のトルク目標値を算出する第1のトルク目標値算出手段と、
前記第1のトルク目標値算出手段により算出された第1のトルク目標値に対して、車両へのトルク入力とモータ回転速度の伝達特性のモデルGp(s)および車両へのトルク入力とモータ回転速度の伝達特性の理想モデルGm(s)で構成されるGm(s)/Gp(s)なる特性を有するフィルタ処理を施して、第1のトルク目標修正値を算出する第1のトルク目標修正値算出手段と、
前記伝達特性のモデルGp(s)に相当する特性を有するフィルタを備え、前記トルク指令値に基づいて、前記モータの回転速度推定値を求めるモータ回転速度推定手段と、
バンドパスフィルタの特性を有する伝達特性H(s)および前記伝達特性のモデルGp(s)で構成されるH(s)/Gp(s)なる特性を有するフィルタを備え、前記モータ回転速度推定手段にて推定されたモータ回転速度推定値と、前記回転速度検出手段により検出されたモータ回転速度との偏差に基づいて、第2のトルク目標値を算出する第2のトルク目標値算出手段と、
前記第2のトルク目標値算出手段により算出される第2のトルク目標値の位相を補正する位相補正手段と、
前記位相補正手段により位相が補正された第2のトルク目標値と、前記第1のトルク目標修正値算出手段により算出された第1のトルク目標修正値とを加算して、前記トルク指令値を算出する加算手段とを備え、
前記位相補正手段は、車両の駆動系のねじり共振周波数を基準として、前記バンドパスフィルタの中心周波数をシフトさせることにより、前記第2のトルク目標値の位相を補正し、
前記位相補正手段は、前記トルク指令値が出力されてから前記モータが指令トルクを発生するまでの時間遅れ、前記回転速度検出手段によるモータ回転速度の検出遅れ、および、前記モータの出力トルクの立ち上がり特性のうち、少なくともいずれか一つの要素に基づいて、前記バンドパスフィルタの中心周波数をシフトさせる量を決定することを特徴とする車両用制振制御装置。 - 請求項1に記載の車両用制振制御装置において、
前記位相補正手段により前記第2のトルク目標値の位相を補正した際に生ずるゲインの減少を補償するゲイン補償手段をさらに備えることを特徴とする車両用制振制御装置。 - 請求項2に記載の車両用制振制御装置において、
前記ゲイン補償手段は、車両の駆動系のねじり共振周波数におけるゲイン減少量を補償することを特徴とする車両用制振制御装置。 - 請求項1に記載の車両用制振制御装置において、
前記加算手段により算出されるトルク指令値を所定時間遅らせて前記モータ回転速度推定手段に出力する時間遅延手段をさらに備えることを特徴とする車両用制振制御装置。 - 請求項4に記載の車両用制振制御装置において、
前記時間遅延手段は、前記トルク指令値が出力されてから前記モータが指令トルクを発生するまでの時間遅れ、および、前記回転速度検出手段によるモータ回転速度の検出遅れ時間のうち、少なくともいずれか一方の時間に基づいて、前記所定時間を決定することを特徴とする車両用制振制御装置。 - 請求項4または5に記載の車両用制振制御装置において、
前記トルク指令値を前記モータ回転速度推定手段に入力する前に、前記モータの出力トルクの立ち上がり特性に応じたフィルタ処理を施す応答特性補正手段をさらに備えることを特徴とする車両用制振制御装置。 - 請求項4または6に記載の車両用制振制御装置において、
前記位相補正手段は、前記時間遅延手段における遅延時間、または、前記応答特性補正手段が有するフィルタの特性に基づいて、前記補正する位相量を決定することを特徴とする車両用制振制御装置。 - モータの回転速度を検出し、
トルク指令値に基づいて、前記モータを制御し、
車両情報に基づいて、第1のトルク目標値を算出し、
前記第1のトルク目標値算出手段により算出された第1のトルク目標値に対して、車両へのトルク入力とモータ回転速度の伝達特性のモデルGp(s)および車両へのトルク入力とモータ回転速度の伝達特性の理想モデルGm(s)で構成されるGm(s)/Gp(s)なる特性を有するフィルタ処理を施して、第1のトルク目標修正値を算出し、
前記トルク指令値に基づいて、前記伝達特性のモデルGp(s)に相当する特性を有するフィルタ処理を施して、前記モータの回転速度推定値を求め、
前記モータ回転速度推定手段にて推定されたモータ回転速度推定値と、前記回転速度検出手段により検出されたモータ回転速度との偏差に基づいて、バンドパスフィルタの特性を有する伝達特性H(s)および前記伝達特性のモデルGp(s)で構成されるH(s)/Gp(s)なる特性を有するフィルタ処理を施して、第2のトルク目標値を算出し、
前記第2のトルク目標値算出手段により算出される第2のトルク目標値の位相を補正し、
前記位相補正手段により位相が補正された第2のトルク目標値と、前記第1のトルク目標修正値算出手段により算出された第1のトルク目標修正値とを加算して、前記トルク指令値を算出し、
前記第2のトルク目標値の位相は、車両の駆動系のねじり共振周波数を基準として、前記バンドパスフィルタの中心周波数をシフトさせることにより、補正され、
前記バンドパスフィルタの中心周波数は、前記トルク指令値が出力されてから前記モータが指令トルクを発生するまでの時間遅れ、前記回転速度検出手段によるモータ回転速度の検出遅れ、および、前記モータの出力トルクの立ち上がり特性のうち、少なくともいずれか一つの要素に基づいて、決定されるシフト量でシフトされることを特徴とする車両用制振制御方法。
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