JP2023063015A - 電動車両の制御方法及び制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動軸ねじり振動の抑制効果を向上した電動車両の制御方法を提供する。【解決手段】トルク目標値Tm*と、車両モデル21Aから出力される駆動軸ねじり角速度ωd^とを用いて第1のトルク指令値Tm1*を演算する工程と、モータの回転数Nmに基づき第2のトルク指令値Tm2*を演算する工程と、第1のトルク指令値Tm1*と第2のトルク指令値Tm2*とを加算して最終トルク指令値Tmf*を得る工程と、最終トルク指令値Tmf*に従ってモータトルクを制御する工程と、を含む電動車両10の制御方法が提供される。車両モデル21Aは、ギヤバックラッシュを模擬した不感帯区間を含む。当該制御方法は、トルク目標値Tm*に基づき不感帯区間Sを跨いでモータ4のトルクが上昇または減少するかを推定するトルク変化方向の推定を行い、第2のトルク指令値Tm2*とトルク変化方向に基づき、不感帯区間Sを補正する補正処理を実行する。【選択図】図9

Description

本発明は、電動車両の制御方法及び制御装置に関する。
特許文献1は、モータの駆動軸に接続される動力伝達機構の特性をモデル化した車両モデルを用いて、駆動軸ねじり振動を抑制する電動車両の制御装置が開示されている。この電動車両の制御装置では、モータトルクが駆動軸に伝達されないギヤバックラッシュ特性を模擬した不感帯区間を有する車両モデルを用いている。これにより、ギヤバックラッシュ発生時にも駆動軸ねじり振動を抑制できるようにしている。
WO2013/157315
特許文献1に記載の電動車両の制御装置では、生産時におけるギヤバックラッシュ特性のばらつきや、摩耗等によるギヤの経年劣化により、車両の実際のバックラッシュ特性(ギヤバックラッシュが生じている区間)と、車両モデルの不感帯区間との間に乖離が生じ、駆動軸ねじり振動の抑制効果が低下する虞がある。
本発明は上記課題に鑑みたものであり、駆動軸ねじり振動の抑制効果を向上した電動車両の制御方法及び制御装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、車両情報に基づいて設定されるトルク目標値に基づいてトルク指令値を算出し、トルク指令値に基づいて駆動輪につながるモータのトルクを制御する電動車両の制御方法が提供される。この電動車両の制御方法は、トルク目標値と、モータの駆動軸に接続される動力伝達機構の特性をモデル化した車両モデルから出力される駆動軸ねじり角速度とを用いたフィードフォワード演算により第1のトルク指令値を演算する工程と、モータの回転数を検出し、当該検出値に基づくフィードバック演算により第2のトルク指令値を演算する工程と、第1のトルク指令値と第2のトルク指令値とを加算して最終トルク指令値を得る工程と、最終トルク指令値に従ってモータトルクを制御する工程と、を含む。車両モデルは、モータトルクが駆動軸に伝達されないギヤバックラッシュを模擬した区間であって、トルク目標値に基づき推定される不感帯区間を含む。そして、電動車両の制御方法は、トルク目標値に基づき不感帯区間を跨いでモータのトルクが上昇または減少するかを推定するトルク変化方向の推定を行い、第2のトルク指令値とトルク変化方向に基づき、不感帯区間を補正する補正処理を実行する。
本発明によれば、車両モデルの不感帯区間は、第2のトルク指令値とトルク変化方向に基づき補正される。これにより、車両の実際のバックラッシュ特性と、車両モデルの不感帯区間との乖離を小さくすることができ、バックラッシュ発生時においても駆動軸ねじり振動による車両の振動や騒音を抑制することができる。即ち、駆動軸ねじり振動の抑制効果が向上する。
図1は、各実施形態に共通の電動車両の制御装置を備えた電動車の主要構成を示すブロック図である。 図2は、モータコントローラによって行われる処理を示すフローチャートである。 図3は、アクセル開度-トルクテーブルの一例を示す図である。 図4は、最終トルク指令値を設定する処理を行う制御ブロック図の一例である。 図5は、制振制御FF演算部及び制振制御FB演算部を示すブロック図である。 図6は、電動車両の駆動力伝達系をモデル化した図である。 図7は、不感帯区間と実際の電動車両のギヤバックラッシュ特性とが一致している場合の電動車両の運転状態を示す図である。 図8aは、不感帯区間が実際の電動車両のバックラッシュ特性より大きい場合における電動車両の運転状態を示す図である。 図8bは、不感帯区間が実際の電動車両のバックラッシュ特性より小さい場合における電動車両の運転状態を示す図である。 図9は、不感帯区間の補正処理を説明するフローチャートである。 図10は、第2実施形態の電動車両の制御方法による不感帯区間の補正処理を説明するフローチャートである。
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態による電動車両の制御装置2を備えた電動車両10のシステム構成を示すブロック図である。電動車両10とは、車両の駆動源の一部または全部としてモータ4を備え、モータ4の駆動力により走行可能な自動車のことであり、電気自動車や、ハイブリッド自動車が含まれる。
電動車両の制御装置2は、モータコントローラであり、モータコントローラ2には、車速V、アクセル開度θa、モータ4の回転子位相α、モータ4の三相交流電流iu、iv、iw等の車両状態を示す信号がデジタル信号として入力される。モータコントローラ2は、入力された信号に基づいてモータ4を制御するためのPWM信号tu、tv、twを生成する。また、生成したPWM信号tu、tv、twに応じてインバータ3の駆動信号を生成する。
インバータ3は、相毎に備えられた2個のスイッチング素子(例えば、IGBTやMOS-FET等のパワー半導体素子)をオン/オフすることにより、バッテリ1から供給される直流の電流を交流に変換し、モータ4に所望の電流を流す。
モータ(三相交流モータ)4は、インバータ3から供給される交流電流により駆動力を発生し、減速機5及び駆動軸8を介して、左右の駆動輪9a,9bに駆動力を伝達する。また、モータ4は、車両の走行時に駆動輪9a,9bに連れ回されて回転するときに、回生駆動力を発生させることで、車両の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。この場合、インバータ3は、モータ4の回生運転時に発生する交流電流を直流電流に変換して、バッテリ1に供給する。
電流センサ7は、モータ4に流れる三相交流電流iu、iv、iwを検出する。ただし、三相交流電流iu、iv、iwの和は0であるため、任意の2相の電流を検出して、残りの1相の電流は演算により求めてもよい。
回転センサ6は、例えばレゾルバやエンコーダであり、モータ4の回転子位相αを検出する。
図2は、モータコントローラ2によって行われる処理の流れを示すフローチャートである。ステップS101からステップS105に係る処理は、車両システムが起動している間、一定間隔で常時実行される。
ステップS101では、車両状態を示す信号(車両情報)がモータコントローラ2に入力される。ここでは、車速V(km/h)、アクセル開度(%)、モータ4の回転子位相α(rad)が入力される。また、モータ4の回転数Nm(rpm)、モータ4に流れる三相交流電流iu、iv、iw、及びバッテリ1の直流電圧値Vdc(V)が入力される。
車速V(km/h)は、図示しない車速センサや、他のコントローラより通信にて取得される。または、モータコントローラ2は、モータ角速度検出値ωmにタイヤ動半径rを乗算し、ファイナルギヤのギヤ比で除算することにより車速V(m/s)を求め、単位変換して、車速V(km/h)を求める。
アクセル開度θa(%)は、図示しないアクセル開度センサから取得されるか、図示しない車両コントローラ等の他のコントローラから通信にて取得される。
モータ4の回転子位相α(rad)は、回転センサ6から取得される。モータ4の機械的な角速度であるモータ角速度検出値ωmは、回転子角速度ω(電気角)をモータ4の極対数pで除算して求められる。モータ4の回転数Nm(rpm)は、求めたモータ角速度検出値ωmに60/(2π)を乗算することによって求められる。回転子角速度ωは、回転子位相αを微分することによって求められる。なお、本実施形態では、モータ回転数Nm(rpm)は回転センサ6を含むモータコントローラ2外部のモータ回転数検出部(不図示)により算出されるが、モータコントローラ2の内部で算出する構成であってもよい。
モータ4に流れる三相交流電流iu、iv、iw(A)は、電流センサ7から取得される。
直流電圧値Vdc(V)は、バッテリ1とインバータ3間の直流電源ラインに設けられた電圧センサ(不図示)により検出する。なお、直流電圧値Vdc(V)は、バッテリコントローラ(不図示)から送信される電源電圧値に係る信号から検出するようにしてもよい。
ステップS102において、モータコントローラ2は、基本目標トルクとしてのトルク目標値Tmを設定する。具体的には、モータコントローラ2は、ステップS101で入力されたアクセル開度θa及び車速Vに基づいて、図3に示すアクセル開度-トルクテーブルを参照することにより、トルク目標値Tmを設定する。ただし、アクセル開度-トルクテーブルは一例であり、図3に示すものに限定されるものではない。
ステップS103において、モータコントローラ2は、ステップS102で設定されたトルク目標値Tmとモータ角速度検出値ωmを入力し、駆動軸8のトルク応答を犠牲にすることなく、駆動力伝達系振動(駆動軸8のねじり振動など)を抑制する最終トルク指令値Tm を設定する。最終トルク指令値Tm を設定する方法の詳細については後述する。
ステップS104において、モータコントローラ2は、ステップS103で算出した最終トルク指令値Tm 、モータ角速度検出値ωm、及び、直流電圧値Vdcに基づいて、d軸電流指令値id、q軸電流指令値iqを求める。例えば、最終トルク指令値Tm*、モータ4の回転数Nm、及び直流電圧値Vdcと、d軸電流指令値及びq軸電流指令値との関係を定めたテーブルを予め用意しておく。そして、このテーブルを参照することにより、d軸電流指令値id、q軸電流指令値iqを求める。
ステップS105において、モータコントローラ2は、d軸電流id及びq軸電流iqをそれぞれ、ステップS104で求めたd軸電流指令値id及びq軸電流指令値iqと一致させるための電流制御を行う。このため、まず初めに、ステップS101で入力された三相交流電流iu、iv、iwと、モータ4の回転子位相αと、に基づいて、d軸電流id及びq軸電流iqを求める。続いて、d軸電流指令値idとd軸電流idの偏差からd軸電圧指令値vdを算出し、q軸電流指令値iqとq軸電流iqとの偏差からq軸電圧指令値vqを算出する。なお、算出したd軸電圧指令値vd、q軸電圧指令値vqに対して、d-q直交座標軸間の干渉電圧を相殺するために必要な非干渉電圧を加算するようにしてもよい。
次に、d軸電圧指令値vd、q軸電圧指令値vqと、モータ4の回転子位相αから、三相交流電圧指令値vu、vv、vwを求める。そして、求めた三相交流電圧指令値vu、vv、vwと直流電圧値Vdcから、PWM信号tu(%)、tv(%)、tw(%)を求める。このようにして求めたPWM信号tu、tv、twにより、インバータ3のスイッチング素子を開閉することによって、モータ4をトルク指令値(最終トルク指令値Tm )で指示された所望のトルクで駆動させることができる。
図4は、最終トルク指令値Tm を設定する処理を行う制御ブロック図の一例である。最終トルク指令値Tm を設定する制振制御演算部20は、制振制御フィードフォワード演算部(制振制御FF演算部)21、制振制御フィードバック演算部(制振制御FB演算部)22、加算器23により構成される。
制振制御FF演算部(フィードフォワード演算部)21には、トルク目標値Tmが入力され、制振制御FF演算部21は、第1のトルク指令値Tm 及び第1のトルク指令値Tm に対するモータ回転数推定値Nm^を算出し、出力する。制振制御FF演算部21の演算の詳細については後述する。
制振制御FB演算部(フィードバック演算部)22には、第1のトルク指令値Tm に対するモータ回転数推定値Nm^とモータ角速度検出値ωmから算出されるモータ回転数Nmが入力され、制振制御FB演算部22は第2のトルク指令値Tm を算出し、出力する。制振制御FB演算部22の演算の詳細については後述する。
加算器23は、第1のトルク指令値Tm と第2のトルク指令値Tm とを加算して最終トルク指令値Tm を出力する。
図5は、第1実施形態の電動車両の制御装置2を構成する制振制御演算部20における制振制御FF演算部21及び制振制御FB演算部22のブロック図である。まず、制振制御FF演算部21における演算について説明する。図5に示すように、制振制御FF演算部21は、車両パラメータとギヤのバックラッシュを模擬した不感帯モデルにより構成される車両モデル21Aを備える。また、制御系遅れ要素21Cと、駆動軸8のねじり角速度推定値(ωd^、擬似ねじり角速度、ねじり角速度)にゲインKFB1(フィードバックゲイン)を乗算した値をトルク目標値Tmから減算する駆動軸ねじり角速度FB演算部21Dとを備える。
駆動軸ねじり角速度FB演算部21Dの出力である駆動軸ねじり角速度FB指令値TFBに、制御系遅れ要素21Cである制御演算時間e-L1sとモータ応答遅れGa(s)を考慮した値が車両モデル21Aに入力されて、ねじり角速度推定値ωd^が求められる。求められたねじり角速度推定値ωd^に、制御系遅れ要素21Cであるセンサ信号処理時間e-L1sを考慮し、フィードバックゲインKFB1を乗算した値をトルク目標値Tmから減算し、減算により得られる値を駆動軸ねじり角速度FB指令値TFBとして、これを第1のトルク指令値Tm とする。不感帯補正部21Bには、トルク目標値Tm及び制振制御FB演算部22により算出される第2のトルク指令値Tm が入力され、これらに基づき、不感帯補正部21Bは車両モデル21Aにおいて推定される不感帯区間を補正する。
まず、車両モデル21Aについて説明する。図6は、電動車両10の駆動力伝達系(動力伝達機構)をモデル化した図である。図6に基づき、電動車両10の運動方程式は以下の(1)~(6)式となる。
Figure 2023063015000002
Figure 2023063015000003
Figure 2023063015000004
Figure 2023063015000005
Figure 2023063015000006
Figure 2023063015000007
ここで、各パラメータは下記の通りである。
Jm:モータイナーシャ
Jw:駆動軸イナーシャ(1軸分)
M:車両の質量
Kd:ドライブシャフトのねじり剛性
Kt:タイヤと路面の摩擦に関する係数
N:オーバーオールギヤ比
r:タイヤ荷重半径
ωm:モータ角速度
ωw:駆動輪角速度
Tm:モータトルク
Td:駆動軸トルク
F:駆動力(2軸分)
V:車体速度
θ:駆動軸のねじり角度
(1)~(6)式をラプラス変換してモータトルクTm(トルク目標値Tm)からモータ角速度(モータ角速度推定値ωm^)までの伝達特性を求めると次式(7)、(8)となる。
Figure 2023063015000008
Figure 2023063015000009
ただし、各パラメータは次式の通りである。
Figure 2023063015000010
Figure 2023063015000011
Figure 2023063015000012
Figure 2023063015000013
Figure 2023063015000014
Figure 2023063015000015
Figure 2023063015000016
Figure 2023063015000017
また、モータトルクTmから駆動軸トルクTdまでの伝達特性は次式(17)となる。
Figure 2023063015000018
ただし、各パラメータは次式の通りである。
Figure 2023063015000019
Figure 2023063015000020
(2),(4),(5),(6)式よりモータ角速度(モータ角速度推定値ωm^)から駆動輪角速度ωwまでの伝達特性を求めると次式(20)となる。
Figure 2023063015000021
(7),(8),(20)式より、モータトルクTmから駆動輪角速度ωwまでの伝達特性は次式(21)となる。
Figure 2023063015000022
(17),(21)式より駆動軸トルクTdから駆動輪角速度ωwまでの伝達特性は次式(22)となる。
Figure 2023063015000023
(1)式を変形すると、
Figure 2023063015000024
と書けるので、(22),(23)式より駆動軸ねじり角速度(ωm/N)-ωwは次式(24)で表せる。
Figure 2023063015000025
ただし、式(24)中のHwは、以下の式(25)~(29)で表される。
Figure 2023063015000026
Figure 2023063015000027
Figure 2023063015000028
Figure 2023063015000029
Figure 2023063015000030
また、モータ4から駆動軸8までのバックラッシュ特性を不感帯でモデル化すると、駆動軸トルクTdは次式(30)で表される。
Figure 2023063015000031
ここで、θdは、モータ4から駆動軸8までトルクを伝達するギヤのオーバーオールのバックラッシュ量である。これにより、車両モデル21Aは、伝達特性Gp(s)を含み、かつモータ4のトルクが電動車両10の駆動軸8に伝達されない不感帯区間を備えたモデルとなる。
次に、不感帯補正部21Bについて説明する。
不感帯補正部21Bは、電動車両10の実際のギヤのバックラッシュ特性と、車両モデル21Aの不感帯区間との間の差を補正する。
不感帯補正部21Bには、トルク目標値Tmと、後述する制振制御FB演算部22により算出される第2のトルク指令値Tm とが入力される。
不感帯補正部21Bは、入力されたトルク目標値Tmから、不感帯区間を跨いでモータ4のトルクが上昇するか、減少するかを推定するトルク変化方向の推定を行う。そして、第2のトルク指令値Tm と推定したトルク変化方向とに基づき、車両モデル21Aの不感帯区間を所定の値だけ短く、または長くする。なお、不感帯補正部21Bにおける不感帯区間の補正方法の詳細は後述する。
次に、制御系遅れ要素21Cを説明する。
制御系遅れ要素21Cでは、制御演算時間遅れe-L1s、モータ応答遅れGa(s)、センサ信号処理時間遅れe-L2sを加味する。ここで、L1、L2は、それぞれ制御演算時間、センサ信号処理時間である。制御演算時間は、ねじり振動制御演算に要する時間、即ち、トルク目標値Tmが入力されてから最終トルク指令値Tm を算出するのに要する時間の時間遅れ分に相当し、センサ信号処理時間は、回転センサ6等の各種センサで信号を検知するのに要する時間や検出した信号値を処理するのに要する時間の時間遅れ分に相当する。
モータ応答遅れGa(s)は、次式(31)で表される。モータ応答遅れGa(s)とは、最終トルク指令値Tm に対して、実際にモータトルクTmが発生するまでの時間である。但し、τはモータ応答時定数である。
Figure 2023063015000032
次に、駆動軸ねじり角速度FB演算部21Dについて説明する。
駆動軸ねじり角速度FB指令値TFBは、車両モデル21Aより算出した駆動軸ねじれ角速度推定値(ωd^=(ωm/N)-ωw)を用いて、次式(32)で表される。
Figure 2023063015000033
さらに、上式は、(4),(6)式より次式(33)のように書き換えることができる。
Figure 2023063015000034
また、(17)式は、以下の(34)式のように変形できる。
Figure 2023063015000035
ここで、ζpは駆動トルク伝達系の減衰係数、ωpは駆動トルク伝達系の固有振動周波数である。
さらに、(34)式の極と零点を調べると、α≒c/cとなるため極零相殺すると次式(35)となる。
Figure 2023063015000036
(33),(35)式より、駆動軸ねじり角速度FB指令値TFBをモータトルクTm(トルク目標値Tm)から減算した場合、駆動軸トルクTdは次式(36)で表される。
Figure 2023063015000037
(36)式を変形すると駆動軸ねじり角速度FB系の伝達特性は次式(37)で表される。
Figure 2023063015000038
モータ4から駆動軸8へのトルク応答を理想化した規範応答は、TmからTdの応答が振動系とならない(アンダーシュートとなる)ものと考えると次式(38)で表される。
Figure 2023063015000039
駆動軸ねじり角速度FB系の伝達特性と、規範応答が一致する条件は次式(39)となる。
Figure 2023063015000040
(39)式よりフィードバックゲインKFB1は次式(40)で定められる。
Figure 2023063015000041
図5に示すように、車両モデル21Aは、減算器211a、ωd^を生成する積分要素211b、θを生成する積分要素211c、不感帯要素211d(I(θ))、比例要素211e(Kd)、フィルタ211f(Hw(s))、減算器211aからなる負帰還ループ211を備える。
減算器211aのプラス側には、駆動軸ねじり角速度FB演算部21Dの出力である駆動軸ねじり角速度FB指令値TFBに、制御系遅れ要素21Cである制御演算時間e-L1sとモータ応答遅れGa(s)を考慮した値Tmであって、比例要素212(1/JmN)を通したもの(Tm/JmN)が入力される。減算器211aのマイナス側にはフィルタ211f(Hw(s))の出力(Hw(s)・Td)が入力される。また、積分要素211bの出力((24)式)に、センサ信号処理時間遅れe-L2sを加味した値が駆動軸ねじり角速度FB演算部21Dに出力される。
不感帯要素211d(I(θ))では、積分要素211cで算出されるθについて、(30)式に従い以下の式(41)のように変換する。
Figure 2023063015000042
また、車両モデル21Aは、駆動軸ねじり角速度FB指令値TFBに、制御系遅れ要素21Cである制御演算時間e-L1sとモータ応答遅れGa(s)を考慮した値Tmであって比例要素213(1/Jm)を通した出力(Td/Jm)と、比例要素211e(Kd)の出力(Td)であって比例要素214(1/JmN)を通した出力(Td/JmN)との差分を出力する減算器215を備える。さらに、減算器215の出力を積分したモータ角速度推定値ωm^((23)式)を出力する積分要素216を備える。よって、車両モデル21Aは、モータ角速度推定値ωm^の推定値算出工程を行い、第1のトルク指令値Tm に対するモータ回転数Nm^を推定することができる。
図5に示すように、駆動軸ねじり角速度FB演算部21Dは、積分要素211bの出力(ωd^)であって、センサ信号処理時間遅れe-L2sを加味した値にゲインKFB1を乗ずる比例要素217(KFB1)と、トルク目標値Tmと比例要素217の出力との差分を第1のトルク指令値Tm として出力する減算器218とを有する。よって、駆動軸ねじり角速度FB演算部21Dは、結果的にフィードフォワード工程を行うことができる。
次に、制振制御FB演算部22について説明する。
制振制御FB演算部22は、減算器221と、フィルタ222とを含む。減算器221は、制振制御FF演算部21の車両モデル21Aにより算出した第1のトルク指令値Tm に対するモータ回転数推定値Nm^とモータ角速度検出値ωmから求められるモータ4の回転数(モータ回転数検出値)Nmとの差分を出力する。制振制御FB演算部22は、減算器221の出力された差分を、伝達特性Gp(s)((8)式)の逆特性とバンドパスフィルタH(s)からなるフィルタ222(H(s)/Gp(s))を通して第2のトルク指令値Tm を算出する。このバンドパスフィルタH(s)は、中心周波数が車両の駆動系のねじり共振周波数と一致している。
上記のように構成された電動車両の制御装置2においては、ギヤのバックラッシュ特性を模擬した不感帯区間を有する車両モデル21Aを用いているため、ギヤバックラッシュ発生時にも駆動軸ねじり振動を抑制することができる。
ところで、不感帯区間を有する車両モデルを用いる場合においても、生産時におけるギヤバックラッシュ特性のばらつきや、摩耗等によるギヤの経年劣化により、車両の実際のバックラッシュ特性と、車両モデルの不感帯区間との間に乖離が生じ、駆動軸ねじり振動の抑制効果が低下する虞がある。
これに対し、本実施形態の電動車両の制御装置2は、トルク目標値Tmから、モータ4のトルクが不感帯区間を跨いで上昇または減少するか(トルク変化方向)を推定するとともに、第2のトルク指令値Tm と推定したトルク変化方向とに基づき、車両モデル21Aの不感帯区間を補正する不感帯補正部21Bを備える。従って、電動車両10の実際のバックラッシュ特性と、車両モデル21Aの不感帯区間との乖離を小さくすることができ、バックラッシュ発生時においても駆動軸ねじり振動による電動車両10の振動や騒音を抑制することができる。即ち、駆動軸ねじり振動の抑制効果が向上する。
以下、不感帯補正部21Bによる補正処理の詳細を説明する。
図7は、不感帯区間と電動車両10のギヤバックラッシュ特性(ギヤバックラッシュが生じている区間)とが一致している場合の電動車両10の運転状態を示す図であり、電動車両10が減速状態から加速に転じる場面における図である。図7における(a)はトルク目標値Tm及び最終トルク指令値Tm (即ち、モータ4に生じるトルク)の変化、(b)は第2のトルク指令値Tm の変化を示している。また、(c)は電動車両10の加速度の変化を示しており、電動車両10の駆動軸ねじり振動が抑制されていないと、加速度の振れ(グラフの縦方向の振れ)は大きくなる。
図7において、時刻t1からt2までの間が不感帯区間Sである。t1は、トルク目標値Tmが負から正に変わる時刻であり、t2は、t1から所定時間経過後の時刻である。不感帯区間Sにおいて、最終トルク指令値Tm は0となる。また、図7において、最終トルク指令値Tm (モータ4に生じるトルク)は不感帯区間Sを跨いで負から正へと上昇しており、電動車両10は、減速状態から加速状態へと遷移している。
図7に示すように、車両モデル21Aの不感帯区間と電動車両10の実際のバックラッシュ特性とが一致している場合、第2のトルク指令値Tm は、不感帯区間Sも含め、ほぼ一定の値0をとる。また、後述する不感帯区間Sと電動車両10のギヤバックラッシュ特性とが乖離している場合(図8a、図8b)に比べ、電動車両10の加速度の振れが小さい。即ち、電動車両10の駆動軸ねじり振動が抑制されている。なお、電動車両10の加速度は、Gセンサ等により検出することができる。
図8a及び図8bは、不感帯区間Sと電動車両10のギヤバックラッシュ特性とが乖離している場合の電動車両10の運転状態を示す図である。図8aは、不感帯区間Sが電動車両10の実際のバックラッシュ特性より大きい場合における電動車両10の運転状態を示す図であり、図8bは、不感帯区間Sが電動車両10の実際のバックラッシュ特性より小さい場合における電動車両10の運転状態を示す図である。図7と同様に、図8a、図8bも、電動車両10が減速状態から加速に転じる場面における図である。また、図7と同様に、図8a、図8bにおける(a)はトルク目標値Tm及び最終トルク指令値Tm の変化、(b)は第2のトルク指令値Tm の変化、(c)は電動車両10の加速度の変化を示している。なお、図8aにおいては時刻t11からt12まで、図8bにおいては時刻t21からt22までが不感帯区間Sである。
図8aに示すように、車両モデル21Aの不感帯区間Sが電動車両10の実際のバックラッシュ特性よりも大きい場合、時刻t12の直前から直後にかけて電動車両10の加速度に大きな振れが表れている。即ち、駆動軸ねじり振動が有効に抑制されていないことが分かる。これは、車両モデル21Aにおいて、ギヤバックラッシュ量を実際よりも大きく推定しているため、ガタを多く詰めすぎ、不感帯区間Sを通過する前にギヤ同士が衝突してしまうことによる。
ここで、車両モデル21Aの不感帯区間Sが電動車両10の実際のバックラッシュ特性よりも大きい場合、不感帯区間Sにおける実際にはギヤバックラッシュが生じていない区間では、車両モデル21Aにおいて、イナーシャやフリクションが実際よりも小さく推定される。このため、モータ4の回転数(モータ回転数検出値)Nmは、車両モデル21Aにより算出される第1のトルク指令値Tm に対するモータ回転数推定値Nm^まで上昇しない。従って、モータ回転数推定値Nm^とモータ回転数検出値Nmとの差分から算出される第2のトルク指令値Tm は、不感帯区間Sを通過した時刻t12から一定時間、正の値となる(図8aの(b))。
以上のように、電動車両10が減速状態から加速状態へと遷移する場合であって、車両モデル21Aの不感帯区間Sが電動車両10の実際のバックラッシュ特性よりも大きい場合には、不感帯区間Sを通過する時刻t12付近から一定時間、第2のトルク指令値Tm が正の値をとる。従って、このような場合、不感帯補正部21Bは、不感帯区間Sを所定の値だけ短くする。これにより、不感帯区間Sと実際のバックラッシュ特性との間の乖離が小さくなる。
一方、図8bに示すように、車両モデル21Aの不感帯区間Sが電動車両10の実際のバックラッシュ特性よりも小さい場合にも、不感帯区間S通過後に、電動車両10の加速度に大きな振れが表れる。即ち、駆動軸ねじり振動が有効に抑制されていない。これは、車両モデル21Aにおいて、ギヤバックラッシュ量を実際よりも小さく推定しているため、ギヤバックラッシュのガタ詰めが完了していない状態でモータ4のトルクを上昇させ始めてしまうことによる。
ここで、車両モデル21Aの不感帯区間Sが電動車両10の実際のバックラッシュ特性よりも小さい場合、不感帯区間Sの通過後にも実際にはギヤバックラッシュが生じているため、車両モデル21Aにおいて、不感帯区間Sの通過後のイナーシャやフリクションが実際よりも大きく推定される。このため、モータ4の回転数(モータ回転数検出値)Nmは、車両モデル21Aにより算出される第1のトルク指令値Tm に対するモータ回転数推定値Nm^を超えて上昇する。従って、図8bの(b)に示すように、モータ回転数推定値Nm^とモータ回転数検出値Nmとの差分から算出される第2のトルク指令値Tm は、不感帯区間Sを通過した後、一定時間、負の値をとる。
以上のように、電動車両10が減速状態から加速状態へと遷移する場合であって、車両モデル21Aの不感帯区間Sが電動車両10の実際のバックラッシュ特性よりも小さい場合には、不感帯区間Sを通過した時刻t22の後に、一定時間、第2のトルク指令値Tm が負の値をとる。従って、このような場合、不感帯補正部21Bは、不感帯区間Sを所定の値だけ長くする。これにより、不感帯区間Sと実際のバックラッシュ特性との間の乖離が小さくなる。
なお、図8a及び図8bでは、電動車両10が減速状態から加速状態へと遷移する場合を説明したが、モータ4のトルクが不感帯区間Sを跨いで加速状態から減速状態に遷移する場合においても、同様に不感帯区間Sを補正することができる。この場合、車両モデル21Aの不感帯区間Sが電動車両10の実際のバックラッシュ特性よりも大きい場合には、不感帯区間Sを通過した時刻から一定時間、第2のトルク指令値Tm が負の値をとる。反対に、車両モデル21Aの不感帯区間Sが電動車両10の実際のバックラッシュ特性よりも小さい場合には、不感帯区間Sを通過した後に、一定時間、第2のトルク指令値Tm が正の値をとる。従って、不感帯補正部21Bは、不感帯区間Sを跨いでモータ4のトルクが減少している場合、不感帯区間Sの通過後における第2のトルク指令値Tm が負の値である場合には、不感帯区間Sを所定の値だけ短くするように補正し、不感帯区間Sの通過後における第2のトルク指令値Tm が正の値である場合には、不感帯区間Sを所定の値だけ長くするように補正する。これにより、不感帯区間Sと実際のバックラッシュ特性との間の乖離が小さくなる。
また、不感帯区間Sを短く補正する場合(図8a)及び長く補正する場合(図8b)のいずれにおいても、補正量(所定の値)は任意に決定することができる。例えば、補正量が小さいまたは大きいために、補正後の不感帯区間Sが実際のバックラッシュ特性に一致しないような場合には、モータ4のトルクが再び不感帯区間Sを跨ぐ際に、第2のトルク指令値Tm が正または負の値となり、不感帯区間Sが再度補正される。即ち、1回の補正では不感帯区間Sが実際のバックラッシュ特性に一致しない場合でも、再度、補正がなされる度に不感帯区間Sが実際のバックラッシュ特性に近づいていく。
図9は、不感帯区間Sの補正処理を説明するフローチャートである。なお、以下の処理はいずれも不感帯補正部21B(モータコントローラ2)により所定時間ごとに繰り返し実行される。また、不感帯補正部21Bには、常にまたは所定時間ごとにトルク目標値Tm及び第2のトルク指令値Tm が入力される。
ステップS11及びS12は、不感帯区間Sを跨いでモータ4のトルクが上昇または減少するかを推定するトルク変化方向推定ステップである。
ステップS11において、不感帯補正部21Bは、トルク目標値Tmに基づき、ギヤバックラッシュの発生があるか否かを判断する。具体的には、モータコントローラ2が設定したトルク目標値Tmが、前回値と今回値との間で符号が負から正、または正から負に変化している(即ち、トルク目標値Tmが0を跨ぐ)場合には、ギヤバックラッシュの発生があると判断する。一方、トルク目標値Tmの前回値と今回値との間で符号が同一の場合は、ギヤバックラッシュの発生がないと判断する。
ステップS11において、ギヤバックラッシュの発生があると判断すると、不感帯補正部21Bは、ステップS12の処理を実行する。一方、ギヤバックラッシュの発生がないと判断した場合、不感帯区間Sの補正処理を終了する。
ステップS12において、不感帯補正部21Bは、トルク目標値Tmに基づき、不感帯区間Sを跨いで(即ち、トルク目標値Tmが0を跨ぐ)モータ4のトルクが上昇または減少するか(トルク変化方向)を推定する。トルク目標値Tmが前回値と今回値との間で符号が負から正に変化している場合、トルクが不感帯区間Sを跨いで上昇していると推定する。一方、トルク目標値Tmが前回値と今回値との間で符号が正から負に変化している場合、トルクが不感帯区間Sを跨いで減少していると推定する。推定されたトルク変化方向は、判定信号s1として記憶される。
なお、上記のギヤバックラッシュの発生の有無の判断方法、トルク変化方向の推定方法は一例であり、これらに限られるものではない。
ステップS13~S15は、不感帯区間Sを通過したか否かを判断するステップである。
ステップS13において、不感帯補正部21Bは、電動車両10のモータ4及び駆動輪9a,9b間の駆動力伝達系(駆動力伝達系とする)が、不感帯区間Sを通過したか否かを判断する。不感帯区間Sを通過したか否かは、モータコントローラ2内の演算により判断することができ、例えば、車両モデル21Aの不感帯区間Sと、トルク目標値Tmとの関係等から判断されるが、これに限られない。駆動力伝達系が不感帯区間Sを通過していない場合、駆動力伝達系は不感帯区間Sにある。この場合、不感帯補正部21Bは、ステップS14の処理を実行する。
一方、ステップS13において、駆動力伝達系が不感帯区間Sを通過したと判断した場合、駆動力伝達系は不感帯区間に無いため、不感帯補正部21Bは、不感帯区間Sの補正処理を終了する。
ステップS14において、不感帯補正部21Bは、トルク目標値Tmと車両モデル21Aに基づき、駆動力伝達系が不感帯区間にあるか否かを推定する。具体的には、不感帯補正部21Bは、式(30)で示した駆動軸ねじり角度θの定義域に基づき、駆動軸ねじり角度推定値θd^を算出する。そして、駆動軸ねじり角度推定値θd^が0である場合には不感帯区間Sにあると判断し、0でない場合には、不感帯区間Sにないと判断する。不感帯区間Sにあるか否かの判断は、判定信号s2として記憶される。
なお、ステップS14の前に、ステップS13において駆動力伝達系が不感帯区間Sを通過したか否かを判断するのは、電動車両10が停止している場合にも、駆動軸ねじり角度推定値θd^が0となるからである。即ち、ステップS13が無い場合、不感帯区間Sを通過後に電動車両10が停止している場合にもステップS14において駆動力伝達系が不感帯区間Sにあると誤判断されてしまう虞がある。このような場合を避けるために、ステップS13が設けられている。
ステップS15において、不感帯補正部21Bは、判定信号s2に基づき、不感帯区間Sの通過が完了したか否かを判断する。具体的には、前回のs2の判定信号が、駆動力伝達系が不感帯区間にあるという判断であり、今回のs2の判定信号が、駆動力伝達系が不感帯区間に無いという判断であった場合、不感帯区間Sの通過が完了したと判断する。一方、前回及び今回のs2の判定信号がいずれも駆動力伝達系が不感帯区間にあるという判断であった場合、不感帯区間Sの通過が完了していないと判断する。
ステップS15において、不感帯区間Sの通過が完了していると判断した場合、不感帯補正部21Bは、ステップS16の処理を実行する。一方、不感帯区間Sの通過が完了していないと判断した場合、不感帯補正部21Bは、再びステップS11からの処理を実行する。
ステップS16~S19は、不感帯区間Sとバックラッシュ特性の大小関係を推定するステップである。
ステップS16において、不感帯補正部21Bは、駆動軸伝達系が不感帯区間Sの通過を完了してから所定時間tcが経過したか否かを判断する。所定時間tcの経過は、例えばステップS15の判断時にタイマーを起動し、タイマーの値が所定時間tc以上の場合に不感帯区間Sの通過完了から所定時間tcが経過したと判断する。一方、タイマーの値が所定時間tcより小さい場合には、不感帯区間Sの通過完了から所定時間tcが経過していないと判断する。
ステップS16において、駆動力伝達系が不感帯区間Sの通過を完了してから所定時間tcが経過していないと判断した場合、不感帯補正部21Bは、ステップS17の処理を実行する。一方、不感帯区間Sの通過完了から所定時間tcが経過したと判断した場合、不感帯補正部21Bは、ステップS18の処理を実行する。
ステップS17において、不感帯補正部21Bは、制振制御FB演算部22において算出された第2のトルク指令値Tm を記憶する。第2のトルク指令値Tm は、例えば、所定時間tc分の第2のトルク指令値Tm を格納することができるリングバッファBtfbに格納することで記憶される。
ステップS17において、第2のトルク指令値Tm を記憶すると、不感帯補正部21Bは、再びステップS16の処理を実行する。これにより、駆動力伝達系が不感帯区間Sを通過した後、所定時間tcが経過するまでの間の第2のトルク指令値Tm がリングバッファBtfbに格納される。なお、所定時間tcは、不感帯区間Sと実際のバックラッシュ特性が一致していない場合において、不感帯区間Sの通過時刻から、第2のトルク指令値Tm が正または負に振れる時刻までの時間よりも大きい値に設定される。
駆動力伝達系が不感帯区間Sの通過を完了してから所定時間tcが経過すると、不感帯補正部21Bは、ステップS18において、記憶(リングバッファBtfbに格納)された不感帯区間Sを通過後所定時間tcが経過するまでの間の第2のトルク指令値Tm の平均値Tmaveを算出する。
ステップS19において、不感帯補正部21Bは、ステップS12において記憶された判定信号s1(トルク変化方向)と、第2のトルク指令値Tm の平均値Tmaveとに基づき、不感帯区間Sと、実際のギヤバックラッシュ特性との大小関係を推定する。具体的には、以下の通り判断する。第2のトルク指令値Tm の平均値Tmaveが0である場合、不感帯区間Sと実際のギヤバックラッシュ特性とが一致していると判断する。判定信号s1において、トルク変化方向が不感帯区間Sを跨いでモータ4のトルクが上昇しており、第2のトルク指令値Tm の平均値Tmaveが正の値である場合、不感帯区間Sは実際のギヤバックラッシュ特性よりも大きいと判断する。判定信号s1において、トルク変化方向が不感帯区間Sを跨いでモータ4のトルクが上昇しており、第2のトルク指令値Tm の平均値Tmaveが負の値である場合、不感帯区間Sは実際のギヤバックラッシュ特性よりも小さいと判断する。反対に、判定信号s1において、トルク変化方向が不感帯区間Sを跨いでモータ4のトルクが減少しており、第2のトルク指令値Tm の平均値Tmaveが正の値である場合、不感帯区間Sは実際のギヤバックラッシュ特性よりも小さいと判断する。また、判定信号s1において、トルク変化方向が不感帯区間Sを跨いでモータ4のトルクが減少しており、第2のトルク指令値Tm の平均値Tmaveが負の値である場合、不感帯区間Sは実際のギヤバックラッシュ特性よりも大きいと判断する。
ステップS20は、不感帯区間Sを補正する不感帯区間補正ステップである。
ステップS20において、不感帯補正部21Bは、ステップS19において、判断した不感帯区間Sと、実際のギヤバックラッシュ特性との大小関係に基づき、不感帯区間Sを補正する。即ち、ステップS19において、不感帯区間Sが実際のギヤバックラッシュ特性よりも大きいと判断した場合、不感帯区間Sを所定の値だけ短くするように補正する。一方、ステップS19において、不感帯区間Sが実際のギヤバックラッシュ特性よりも小さいと判断した場合、不感帯区間Sを所定の値だけ長くするように補正する。なお、不感帯区間Sと実際のギヤバックラッシュ特性が一致している場合、不感帯補正部21Bは、不感帯区間Sの補正を行わない。
ステップS20の処理を実行すると、不感帯補正部21Bは、不感帯区間Sの補正処理を終了する。
なお、本実施形態においては、トルク変化方向と所定時間tc分の第2のトルク指令値Tm に基づき、不感帯区間Sを補正しているが、ステップS19までの処理を所定回数実行してから不感帯区間Sを補正してもよい。この場合、ステップS19において、推定された不感帯区間Sと実際のギヤバックラッシュ特性との大小関係のデータをリングバッファBtfbとは別のリングバッファBに格納する。そして、ステップS19までの処理を所定回数実行した後、リングバッファBに格納されたデータにおいて、不感帯区間Sがすべて実際のギヤバックラッシュ特性よりも大きい場合には不感帯区間Sを短くするように補正し、不感帯区間Sがすべて実際のギヤバックラッシュ特性よりも小さい場合に不感帯区間Sを長くするように補正する。このように、不感帯区間Sと実際のギヤバックラッシュ特性との大小関係を複数回判断してから補正することで、補正方向(不感帯区間Sを小さくするか、大きくするか)をより正確に判断することができる。
また、本実施形態においては、所定時間tc分の第2のトルク指令値Tm の平均値Tmaveによって第2のトルク指令値Tm の符号(正負)を判断しているが必ずしもこれに限られない。例えば所定の基準値を設定し、基準値よりも大きいか否か、または、基準値よりも小さいか否かで第2のトルク指令値Tm の符号を判断してもよい。
上記した第1実施形態の電動車両10の制御方法及び制御装置2によれば、以下の効果を得ることができる。
電動車両10の制御方法は、トルク目標値Tmと、車両モデル21Aから出力される駆動軸ねじり角速度推定値(ねじり角速度)ωd^とを用いて第1のトルク指令値Tm を演算する工程と、モータ4の回転数Nmに基づき第2のトルク指令値Tm を演算する工程と、第1のトルク指令値Tm と第2のトルク指令値Tm とを加算して最終トルク指令値Tm を得る工程と、最終トルク指令値Tm に従ってモータトルクを制御する工程と、を含む。車両モデル21Aは、ギヤバックラッシュを模擬した区間であって、トルク目標値Tmに基づき推定される不感帯区間Sを含む。そして、トルク目標値Tmに基づき不感帯区間Sを跨いでモータ4のトルクが上昇または減少するかを推定するトルク変化方向の推定を行い、第2のトルク指令値Tm とトルク変化方向に基づき、不感帯区間Sを補正する補正処理を実行する。このように、車両モデル21Aの不感帯区間Sは、第2のトルク指令値Tm とトルク変化方向に基づき補正される。これにより、車両の実際のバックラッシュ特性と、車両モデル21Aの不感帯区間Sとの乖離を小さくすることができ、バックラッシュ発生時においても駆動軸ねじり振動による車両の振動や騒音を抑制することができる。即ち、駆動軸ねじり振動の抑制効果が向上する。
電動車両10の制御方法は、不感帯区間Sを跨いでモータ4のトルクが上昇しており(即ち、電動車両10が減速から加速に転じる場面において)、不感帯区間Sの通過後における第2のトルク指令値Tm が正の値である場合には、不感帯区間Sを所定の値だけ短くするように補正する。また、不感帯区間Sを跨いでモータ4のトルクが上昇しており、不感帯区間Sの通過後における第2のトルク指令値Tm が負の値である場合には、不感帯区間Sを所定の値だけ長くするように補正する。これにより、電動車両10が減速から加速に転じる場面において、簡易且つ正確に不感帯区間Sを補正することができる。
電動車両10の制御方法は、不感帯区間Sを跨いでモータ4のトルクが減少しており(即ち、電動車両10が加速から減速に転じる場面において)、不感帯区間Sの通過後における第2のトルク指令値Tm が正の値である場合には、不感帯区間Sを所定の値だけ長くするように補正する。また、不感帯区間Sを跨いでモータ4のトルクが減少しており、不感帯区間Sの通過後における第2のトルク指令値Tm が負の値である場合には、不感帯区間Sを所定の値だけ短くするように補正する。これにより、電動車両10が加速から減速に転じる場面において、簡易且つ正確に不感帯区間Sを補正することができる。
電動車両の制御装置2は、トルク目標値Tmと、車両モデル21Aから出力される駆動軸ねじり角速度推定値(ねじり角速度)ωd^とを用いて第1のトルク指令値Tm1を演算する制振制御フィードフォワード演算部(フィードフォワード演算部)21と、モータ4の回転数Nmに基づき第2のトルク指令値Tm を演算する制振制御フィードバック演算部(フィードバック演算部)22とを備える。電動車両の制御装置2は、車両モデル21Aがギヤバックラッシュを模擬した不感帯区間Sを含む。また、電動車両の制御装置2は、トルク目標値Tmに基づき不感帯区間Sを跨いでモータ4のトルクが上昇または減少するかを推定するトルク変化方向の推定を行い、第2のトルク指令値Tm とトルク変化方向に基づき、不感帯区間Sを補正する不感帯補正部21Bを備える。このように、第2のトルク指令値Tm とトルク変化方向に基づき車両モデル21Aの不感帯区間Sを補正する不感帯補正部21Bを備えるため、電動車両10の実際のバックラッシュ特性と、車両モデル21Aの不感帯区間Sとの乖離を小さくすることができる。従って、バックラッシュ発生時においても駆動軸ねじり振動による車両の振動や騒音を抑制することができる。即ち、駆動軸ねじり振動の抑制効果が向上する。
なお、本実施形態においては、車両モデル21Aとは別の構成である不感帯補正部21Bにより不感帯区間Sの補正処理を実行するものとしたが、不感帯補正部21Bを車両モデル21Aの内部に組み込み、車両モデル21A内で不感帯区間Sの補正処理を実行するものとしてもよい。
(第2実施形態)
図10を参照して、第2実施形態の電動車両10の制御方法及び電動車両の制御装置2を説明する。なお、第1実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図10は、第2実施形態の電動車両10の制御方法及び電動車両の制御装置2による補正処理を説明するフローチャートである。第2実施形態では、トルク変化方向推定ステップにおいて、トルク変化方向が上昇または減少のいずれか一方の場合にのみ、補正処理を継続(実行)する点が第1実施形態と異なる。なお、第1実施形態と同様に、以下の処理はいずれも不感帯補正部21B(モータコントローラ2)により所定時間ごとに繰り返し実行される。また、不感帯補正部21Bには、常にまたは所定時間ごとにトルク目標値Tm及び第2のトルク指令値Tm2が入力される。
ステップS11において、不感帯補正部21Bは、第1実施形態と同様に、ギヤバックラッシュの発生の有無を判断する。ギヤバックラッシュの発生がある場合、不感帯補正部21Bは、ステップS22の処理を実行する。ギヤバックラッシュの発生が無い場合、不感帯補正部21Bは、補正処理を終了する。
ステップS22において、不感帯補正部21Bは、トルク目標値Tmに基づきトルク変化方向の推定を行い、トルク変化方向が設定された所定の一方向(例えば上昇)であるか否かを判断する。トルク変化方向が所定の方向(上昇)である場合、補正処理を継続し、トルク変化方向が所定の方向でない場合(減少の場合)、補正処理をキャンセルする。トルク変化方向の推定は、第1実施形態と同様に、トルク目標値Tmが前回値と今回値との間で符号がどのように変化しているか(負から正、または正から負)により推定する。不感帯補正部21Bは、トルク変化方向の推定に基づき、トルク変化方向が所定の方向(上昇)であるか否かを判断し、所定の方向(上昇)である場合にのみ、補正処理を継続する。例えば、モータ4のトルクが不感帯区間Sを跨いで上昇する場合にのみ、補正処理を継続し、ステップS13以降の処理を実行する。一方、モータ4のトルクが不感帯区間Sを跨いで減少する場合には、補正処理をキャンセルし、ステップS13以降の処理を実行しない。
このように、ステップS22において、トルク変化方向が所定の一方向(上昇)である場合、不感帯補正部21Bは、ステップS13以降の処理を実行し、トルク変化方向が所定の一方向(上昇)ではない場合、補正処理をキャンセルする。
ステップS13~S18は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
ステップS18の処理(第2のトルク指令値Tm の平均値Tmaveの算出)を実行すると、不感帯補正部21Bは、ステップS29の処理を実行する。
ステップS29において、不感帯補正部21Bは、ステップS18で算出した第2のトルク指令値Tm2の平均値Tmaveに基づき、不感帯区間Sと、実際のギヤバックラッシュ特性との大小関係を推定する。第2のトルク指令値Tm の平均値Tmaveが0である場合、不感帯区間Sと実際のギヤバックラッシュ特性とが一致していると判断する。ステップS22における所定の(トルク変化)方向が上昇の場合、第2のトルク指令値Tm2の平均値Tmaveが正の値であれば、不感帯区間Sは実際のギヤバックラッシュ特性よりも大きいと判断し、負の値であれば、不感帯区間Sは実際のギヤバックラッシュ特性よりも小さいと判断する。
ステップS20の処理(不感帯区間補正ステップ)は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
ステップS20の処理を実行すると、不感帯補正部21Bは、不感帯区間Sの補正処理を終了する。
なお、本実施形態では、所定の(トルク変化)方向を上昇に設定した例を説明したが、所定の方向を減少に設定してもよい。この場合、ステップS29において、不感帯補正部21Bは、第2のトルク指令値Tm の平均値Tmaveが正の値であれば、不感帯区間Sは実際のギヤバックラッシュ特性よりも小さいと判断し、負の値であれば、不感帯区間Sは実際のギヤバックラッシュ特性よりも大きいと判断する。
また、第1実施形態と同様に、本実施形態においても、ステップS29までの処理を所定回数実行してから不感帯区間Sを補正してもよい。
以上のとおり、本実施形態においては、トルク変化方向が上昇または減少のいずれか一方の場合にのみ、補正処理を実行する。このように、トルク変化方向を一方向に限定して補正処理を実行することで、不感帯区間Sとバックラッシュ特性の大小関係の推定をより容易にすることができる。即ち、より容易に、電動車両10の実際のバックラッシュ特性と、車両モデル21Aの不感帯区間Sとの乖離を小さくすることができ、より容易に駆動軸ねじり振動の抑制効果を向上させることができる。
なお、いずれの実施形態においても、不感帯区間Sの補正を、不感帯区間Sを所定の値だけ長く、または短くすることにより行っているが、必ずしもこれに限られない。例えば、予め実験等により第2のトルク指令値Tm の振れ幅と、不感帯区間Sと実際のバックラッシュ特性の乖離の度合いの関係を取得しておき、第2のトルク指令値Tm の振れ幅に応じて不感帯区間Sの補正量を決定してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
上記した各実施形態は、それぞれ単独の実施形態として説明したが、適宜組み合わせてもよい。
2、モータコントローラ(電動車両の制御装置),10、電動車両,20、制振制御演算部,21、制振制御フィードフォワード演算部,21A、車両モデル,21B、不感帯補正部,22、制振制御フィードバック演算部

Claims (5)

  1. 車両情報に基づいて設定されるトルク目標値に基づいてトルク指令値を算出し、前記トルク指令値に基づいて駆動輪につながるモータのトルクを制御する電動車両の制御方法であって、
    前記トルク目標値と、前記モータの駆動軸に接続される動力伝達機構の特性をモデル化した車両モデルから出力される駆動軸ねじり角速度とを用いたフィードフォワード演算により第1のトルク指令値を演算する工程と、
    前記モータの回転数を検出し、当該検出値に基づくフィードバック演算により第2のトルク指令値を演算する工程と、
    前記第1のトルク指令値と前記第2のトルク指令値とを加算して最終トルク指令値を得る工程と、
    前記最終トルク指令値に従ってモータトルクを制御する工程と、を含み、
    前記車両モデルは、モータトルクが駆動軸に伝達されないギヤバックラッシュを模擬した区間であって、前記トルク目標値に基づき推定される不感帯区間を含み、
    前記電動車両の制御方法は、
    前記トルク目標値に基づき前記不感帯区間を跨いで前記モータのトルクが上昇または減少するかを推定するトルク変化方向の推定を行い、前記第2のトルク指令値と前記トルク変化方向に基づき、前記不感帯区間を補正する補正処理を実行する、
    電動車両の制御方法。
  2. 請求項1に記載の電動車両の制御方法であって、
    前記トルク変化方向が上昇または減少のいずれか一方の場合にのみ、前記補正処理を実行する、
    電動車両の制御方法。
  3. 請求項1または2に記載の電動車両の制御方法であって、
    前記補正処理は、
    前記トルク変化方向の推定において前記モータのトルクが上昇しており、前記不感帯区間通過後における第2のトルク指令値が正の値である場合には、前記不感帯区間を所定の値だけ短くするように補正し、前記不感帯区間通過後における第2のトルク指令値が負の値である場合には、前記不感帯区間を所定の値だけ長くするように補正する、
    電動車両の制御方法。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の電動車両の制御方法であって、
    前記補正処理は、
    前記トルク変化方向の推定において前記モータのトルクが減少しており、前記不感帯区間通過後における第2のトルク指令値が正の値である場合には、前記不感帯区間を所定の値だけ長くするように補正し、前記不感帯区間通過後における第2のトルク指令値が負の値である場合には、前記不感帯区間を所定の値だけ短くするように補正する、
    電動車両の制御方法。
  5. 車両情報に基づいて設定されるトルク目標値に基づいてトルク指令値を算出し、前記トルク指令値に基づいて、駆動輪につながるモータのトルクを制御する電動車両の制御装置であって、
    前記トルク目標値と、前記モータの駆動軸に接続される動力伝達機構の特性をモデル化した車両モデルから出力される駆動軸ねじり角速度とを用いたフィードフォワード演算により第1のトルク指令値を演算するフィードフォワード演算部と、
    前記モータの回転数を検出し、当該検出値に基づくフィードバック演算により第2のトルク指令値を演算するフィードバック演算部と、を備え、
    前記電動車両の制御装置は、
    前記第1のトルク指令値と前記第2のトルク指令値とを加算して得られる最終トルク指令値に従ってモータトルクを制御し、
    前記車両モデルは、モータトルクが駆動軸に伝達されないギヤバックラッシュを模擬した区間であって、前記トルク目標値に基づき推定される不感帯区間を含み、
    前記電動車両の制御装置は、前記トルク目標値に基づき前記不感帯区間を跨いで前記モータのトルクが上昇または減少するかを推定するトルク変化方向の推定を行い、前記第2のトルク指令値と、前記トルク変化方向に基づき、前記不感帯区間を補正する不感帯補正部をさらに備える、
    電動車両の制御装置。
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