JP5923880B2 - 制振制御装置及び制振制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、制振制御装置及び制振制御方法に関するものである。
電動モータを動力源とする車両において、前記電動モータの回転速度データを検出するモータ回転速度検出手段と、当該車両の各種車両情報に基づいて、第1のトルク目標値を設定する第1のトルク目標値設定手段と、車両へのトルク入力とモータ回転速度の伝達特性のモデルGp(s)に相当する特性を具備したフィルタを有し、設定されるモータトルク指令値を入力して、前記電動モータの回転速度推定値を得るモータ回転速度推定手段と、前記モータ回転速度推定手段にて推定された回転速度推定値と、前記モータ回転速度検出手段にて検出された回転速度データとの偏差を演算する減算手段と、伝達特性H(s)を用いたモデルH(s)/Gp(s)を具備したフィルタを有し、前記減算手段で算出された偏差が入力されて、第2のトルク目標値を算出する第2のトルク目標値設定手段と、前記第1のトルク目標値と、前記第2のトルク目標値とを加算し、この加算値をモータトルク指令値として、前記モータ回転速度推定手段に出力するモータトルク指令値演算手段と、前記モータトルク指令値に前記電動モータの出力トルクが一致、或いは追従するように制御するモータトルク制御手段と、を具備した車両の制振制御装置が知られている(特許文献1)。
特開2003−9566号公報
しかしながら、各フィルタの制御定数が、車両の駆動系のねじり周波数に基づいて設定されていたため、制御ループの安定性が十分ではない、という問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、制御ループの高い安定性を確保することができる制振制御装置を提供することである。
本発明は、モータ回転速度に基づいて第2トルク目標値を設定する第2トルク目標値設定手段に用いられる第2フィルタの制御定数を、車両の駆動系の固有振動周波数より低い周波数に基づいて設定することによって上記課題を解決する。
本発明によれば、モータの制振性能を保ちながら、ゲイン余裕が高くなるため、制御ループの安定性を高めることができる。
本発明の実施形態に係る制振制御装置を含む車両の概要を示すブロック図である。 図1のモータトルク設定部、制振制御部及びモータの制御ブロックを示すブロック図である。 図2の制御ブロックにおいて、(a)は車両の最終出力トルクの時間特性を、(b)はドライブシャフトトルクの時間特性を、(c)はモータ回転数の時間特性を示すグラフである。 図2の制御ブロックにおいて、(a)はゲイン特性を、(b)は位相特性を示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係る制振制御装置に含まれる、モータトルク設定部、制振制御部及びモータの制御ブロックを示すブロック図である。 図5の制御ブロックでフィードバック制御を行った場合において、(a)は車両の最終出力トルクの時間特性を、(b)はドライブシャフトトルクの時間特性を、(c)はモータ回転数の時間特性を示すグラフである。 図5の制御ブロックでフィードバック制御を行った場合において、(a)はゲイン特性を、(b)は位相特性を示すグラフである。 図5の制御ブロックでフィードフォワード制御を行った場合において、(a)は車両の最終出力トルクの時間特性を、(b)はドライブシャフトトルクの時間特性を、(c)はモータ回転数の時間特性を示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係る制振制御装置に含まれる制御ブロックにおいて、(a)は車両の最終出力トルクの時間特性を、(b)はドライブシャフトトルクの時間特性を、(c)はモータ回転数の時間特性を示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係る制振制御装置に含まれる、モータトルク設定部、制振制御部及びモータの制御ブロックを示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
図1は、発明の実施形態に係る制振制御装置を含む車両の概要を示すブロック図である。以下、本例のモータ制御装置を電気自動車に適用した例を挙げて説明するが、本例のモータ制御装置は、例えばハイブリッド自動車(HEV)等の電気自動車以外の車両にも適用可能である。
図1に示すように、本例のモータ制御装置を含む車両は、アクセル開度センサ1、モータトルク設定部2、制振制御部3、モータトルク制御部4、モータ5、モータ回転角センサ6、駆動軸7及び車輪8、9を備える。
アクセル開度センサ1は、ドライバーによるアクセル操作量を検出センサである。モータトルク設定部2は、車両情報としてアクセル開度センサ1で検出されるアクセル開度とモータ回転角センサ6により検出されるモータ回転速度とに基づいて、モータトルクの目標値(第1トルク目標値(Tm1 ))を算出し、設定する。モータトルク設定部2には、アクセル開度とモータ回転速度とを指標として、モータ5の出力トルクの目標値と対応させるマップが予め記憶されている。そして、モータトルク設定部2は、アクセル開度とモータ回転速度とから当該マップを参照して目標値を算出し、さらに当該目標値を、Gm(s)/Gp(s)からなる伝達特性を有するフィルタに通して、第1トルク目標値を演算する。なお、モータトルク設定部2は、アクセル開度及びモータ回転速度の代わりに、外部から入力されるトルク指令値を用いて、第1トルク目標値を演算してもよい。ここで、Gm(s)は車両へのトルク入力とモータ回転速度の応答目標を示すモデル(理想伝達特性のモデル)であり、Gp(s)は車両へのトルク入力とモータ回転速度の実伝達特性を示すモデルである。
制振制御部3は第1トルク目標値(Tm1 )とモータ回転速度とを入力とし、トルク指令値(T)を算出し、モータトルク制御部4に出力する。なお、制振制御部3によるトルク指令値(T)の算出方法は後述する。
モータトルク制御部4は、モータ5の出力トルクを、制振制御部3から出力されるトルク指令値(T)に一致させる、又は、追随させるように制御する。モータトルク制御部4は、トルク指令値(T)に基づきPWM信号を生成し、当該スイッチング信号を、モータ5を駆動させるインバータの駆動回路に出力することで、モータ5を制御する。
モータ5は、三相交流電力の永久磁石モータであり、走行駆動源として駆動し、電気自動車の駆動軸7に結合されており、駆動軸7を介して車輪8、9を回転させる。
次に、図2を用いて、制振制御部3の具体的な構成を説明する。図2は、モータトルク設定部2、制振制御部3及びモータ5の制御ブロックを示すブロック図である。
第1トルク設定部21は、モータトルク設定部2に相当し、Gm(s)/Gp(s)からなる伝達特性を含むフィルタを用いて、第1トルク目標値(Tm1 )を算出し、加算器24に出力する。
制振制御部3は、加算器24、回転速度推定部27、減算器28及び第2トルク設定部22による制御ブロックで表される。加算器24は、第1トルク設定部21から出力される第1トルク目標値(Tm1)と、第2トルク設定部22から出力される第2トルク目標値(Tm2 )とを加算し、その加算値をトルク指令値(T)とし、加算器25に出力する。
回転速度推定部27は、加算器24から出力されるトルク指令値(T)にGp(s)からなる伝達関数を有するフィルタを通して、モータ4の回転速度を推定し、減算器28に出力する。減算器28は、回転速度推定部27により推定された推定回転速度と、モータ制御部26から出力され、回転角センサにより検出されるモータ4の検出回転速度との減算値を算出し、第2トルク設定部22に出力する。第2トルク設定部22は、バンドパスフィルタの伝達特性を示すモデルH(s)とGp(s)とを用いたモデルH(s)/Gp(s)からなる伝達特性を有するフィルタを含んでいる。第2トルク設定部22は、減算器28から出力される減算値を入力とし、当該フィルタを通して、第2トルク目標値(Tm2 )を演算する。
加算器25は、加算器24から出力されるトルク指令値(T)と、外部から実プラントに入力される外乱トルク(Td)とを加算し、モータ制御部26に出力する。モータ26は、モータ5に相当し、伝達特性をGp’(s)を有し、加算器25からの出力値に基づいて、回転速度(ωm)で駆動する。そして、当該回転速度(ωm)が回転角センサ6で検出され、検出回転速度が減算器28に出力される。なお、図1に示すモータトルク制御部4は、伝達特性に影響しないため、図2には表示していないが、加算器25とモータ26との間に設けられる。
ここで、車両へのトルク入力とモータ回転速度の伝達特性のモデルGp(s)について、説明する。駆動ねじり振動系の運動方程式に含まれる各符号は、以下に示すとおりである。
Figure 0005923880
そして、以下の運動方程式を導くことができる。
Figure 0005923880
そして、運動方程式(1)〜(5)に基づいて、モータトルクからモータ回転数までの伝達特性Gp(s)を求めると、以下に示す式(6)〜(14)で表される。
Figure 0005923880
上記(6)式に示す伝達関数の極と零点を調べると、1つの極と1つの零点は極めて近い値を示す。これは、次の(15)式のαとβが極めて近い値を示すことに相当する。
Figure 0005923880
従って、式(15)における極零相殺(α=βと近似する)を行うことにより、次の式(16)に示す如く、(2次)/(3次)の伝達特性Gp(s)を構成する。
Figure 0005923880
さらに、上記の運動方程式に基づき、駆動系の固有振動周波数(ねじり共振周波数)をfp、共振角速度をωpとし、ωmをωpに近似させ、式(16)で表される伝達特性のモデルGp(s)を、2次振動系モデルで近似すると、伝達特性Gp(s)は式(17)で表される。
Figure 0005923880
ただし、
Figure 0005923880
次に、伝達特性H(s)について説明する。H(s)は、バンドパスフィルタであり、振動を低減するフィードバック要素となる。当該バンドパスフィルタの特性は、ローパス側及びハイパス側の減衰特性が一致し、少なくとも後述する周波数(fp−x)を通過帯域にもつ。
ところで、上記のようなフィルタ特性をもつ、図2に示す制御ブロックにおいて、各フィルタの共振周波数を固有振動周波数(fp)と一致させるように、各フィルタの制御定数(フィルタ定数)を設定した場合には、制御対象となる固有振動周波数が高くなり、制御ループの安定性に問題が生じることがある。かかる場合には、当該固有振動周波数において、制御ゲインを落とさなければならないため、制御ゲインの低下により、制振性能の劣化が懸念される。
本例では、固有振動周波数(fp)に、制御ループの安定の確保に必要な低減量(x)を減じた周波数(fp−x)に基づいて、第2トルク設定部22及び回転速度推定部27のフィルタの制御定数を設定することで、第2トルク設定部22及び回転速度推定部27の共振周波数が、固有振動周波数(fp)より低い周波数(fp−x)になるように、第2トルク設定部22及び回転速度推定部27のフィルタの制御定数を設定する。当該低減量(x)は、上記の制御ブロックを設計する際に予め設定されている値であって、制御ループにおけるゲイン余裕及び位相余裕に応じて設定される。すなわち、例えばサーボ機構において、安定性を確保するための、ゲイン余裕及び位相余裕は予め決まっている。また、固有振動周波数(fp)も、車両の駆動系により予め決まっている。そのため、下記のように、トルク特性をシミュレーションで算出した上で、各フィルタの共振周波数を、固有振動周波数(fp)から下げて、望ましいとされるゲイン余裕及び位相余裕を確保する低減量(x)を設定すればよい。また、低減量(x)の上限値は、当該望ましいとされるゲイン余裕及び位相余裕を確保する範囲から決まる。
次に、本例の制御ブロックにおける制振性能と、ゲイン特性及び位相特性を、シミュレーション結果である図及び図を用いて説明する。シミュレーションの前提条件として、駆動系の固有振動周波数(fp)を18kHz、上記の低減量(x)を4kHzとし、本例(実施例1)は、Gm(s)/Gp(s)のフィルタを有する第1トルク設定部21の制御定数を18kHz(fp)に基づいて設定し、Gp(s)のフィルタを有する回転速度推定部27及びH(s)/Gp(s)のフィルタを有する第2トルク設定部22の制御定数を14kHz(fp−x)に基づいて設定する。また、比較例1は、図2の制御ブロックと同様であるが、第1トルク設定部21、第2トルク設定部22及び回転数速度推定部27の各フィルタの制御定数を、18kHz(fp)に基づいて設定する。また、比較例2は、図2に示すようなフィードバック制御を行わないとする。そして、入力トルク及び外乱によるトルクがゼロの状態からシミュレーションを開始し、開始時から0.75秒の時点で所定の大きさのトルクステップ指令があり、2.5秒の時点で外乱トルクが入力された、とする。図において、(a)は車両の最終出力トルクの時間特性を、(b)はドライブシャフトトルクの時間特性を、(c)はモータ回転数の時間特性を示すグラフである。また図は、図2の制御ブロックのボード線図であり、(a)はゲイン特性を(b)は位相特性を示すグラフである。図及び図において、グラフaは本例を、グラフbは比較例1を、グラフcは比較例2の特性を示す。
に示すように、比較例2では、0.75秒及び2.5秒の時点で、固有振動周波数(fp)に基づく振動が表れているが、本例及び比較例1では、当該振動がなく、制振効果が得られていることが確認できる。そして、−180°の位相交点の周波数(f)及び周波数(f)にそれぞれ対応する、本例及び比較例1のゲイン余裕をg及びgとすると、図に示すように、本例のゲイン余裕(g)は比較例1のゲイン余裕(g)より高くなっている。これにより、本例は、制振効果
を発揮しつつ、比較例1より制御ループの安定性が高くなっていることが確認できる。
上記のように、本例は、第2トルク設定部22に用いられるフィルタ(Hm(s)/Gp(s))の制御定数を、固有振動周波数(fp)より低い周波数(fp−x)に基づいて設定する。これにより、本例は、所定の安定性を満たすように固有振動周波数より低い周波数に基づいて制御定数を設定するため、制振性能を保ちながら、ゲイン余裕を高め、制御ループの安定性を高めることができる。また、本例は制御ループの安定性を考慮した周波数(fp−x)に基づいて制御定数を設定するため、フィードバックゲインの低下に対する調整を必ずしも行う必要がなく、制振性能を向上させることができる。
また本例は、回転速度推定部27に用いられるフィルタ(Gp(s))の制御定数を、固有振動周波数(fp)より低い周波数(fp−x)に基づいて設定する。これにより、本例は、所定の安定性を満たすように固有振動周波数より低い周波数に基づいて制御定数を設定するため、制振性能を保ちながら、ゲイン余裕を高め、制御ループの安定性を高めることができる。
また本例において、第2トルク設定部22のフィルタの制御定数及び回転速度推定部27のフィルタの制御定数は、当該フィルタの共振周波数が固有振動周波数(fp)より低い周波数になるように、設定されている。これにより、本例は、所定の安定性を満たすように固有振動周波数より低い周波数に基づいて制御定数を設定するため、制振性能を保ちながら、ゲイン余裕を高め、制御ループの安定性を高めることができる。
なお、本例において、第2トルク設定部22及び回転速度推定部27の各フィルタの制御定数は、固有振動周波数(18kHz)より低い周波数(14kHz)に基づいて設定したが、当該周波数(14kHz)は、例示した周波数であり、少なくとも固有振動周波数(fp)より低い周波数(fp−x)に基づいて設定すればよい。
また、本例は、第2トルク設定部22のフィルタの制御定数又は回転速度推定部27の制御定数のうち、少なくとも一方の制御定数が、固有振動周波数(fp)より低い周波数(fp−x)に基づいて設定されればよい。
上記の第1トルク設定部21が本発明の「第1トルク目標値設定手段」に相当し、第2トルク設定部22が「第2トルク目標値設定手段」に、回転角センサ6が「モータ回転速度検出手段」に、加算器24が「加算手段」に、モータトルク制御部4が「モータ制御手段」に、回転速度推定部27が「モータ回転速度検出手段」に、減算器28が「減算手段」に相当する。
《第2実施形態》
は、発明の他の実施形態に係る制振制御装置に含まれる、モータトルク設定部2、制振制御部3及びモータ5の制御ブロックを示すブロック図である。本例では上述した第1実施形態に対して、第3トルク設定部23及び加算器29を設ける点が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであるため、その記載を適宜、援用する。
に示すように、第3トルク設定部23は、車両情報を入力として、車両情報に含まれるアクセル開度等の指標と、予め格納されているマップを参照して、トルクの目標値を算出し、さらに当該目標値を、Gm(s)/Gp(s)からなる伝達特性を有するフィルタに通して、第3トルク目標値(Tm3 )を演算し、加算器29に出力する。加算器29は、第2トルク設定部22から出力される第2トルク目標値(Tm2 )と、第3トルク設定部23から出力される第3トルク目標値(Tm3 )とを加算し、加算値を回転速度推定部27に出力する。
回転速度推定部27は、加算器29から出力される加算値にフィルタ(Gp(s))を通して、モータ4の回転速度を推定する。第2トルク設定部22は、算出した第2トルク目標値(Tm2 )を加算器24及び加算器29に出力する。
本例では、固有振動周波数(fp)に、制御ループの安定の確保に必要な低減量(x)を減じた周波数(fp−x)に基づいて、第2トルク設定部22、第3トルク設定部23及び回転速度推定部27のフィルタの制御定数を設定することで、第2トルク設定部22、第3トルク設定部23及び回転速度推定部27の共振周波数が、固有振動周波数(fp)より低い周波数(fp−x)になるように、第2トルク設定部22、第3トルク設定部23及び回転速度推定部27のフィルタの制御定数を設定する。
次に、本例の制御ブロックにおける制振性能と、ゲイン特性及び位相特性を、シミュレーション結果である図6〜図9を用いて説明する。シミュレーションの条件は、第1実施形態に係るシミュレーションの条件と同様である。本例(実施例2)は、Gm(s)/Gp(s)のフィルタを有する第1トルク設定部21の制御定数を18kHz(fp)に基づいて設定し、Gp(s)のフィルタを有する回転速度推定部27、H(s)/Gp(s)のフィルタを有する第2トルク設定部22及びGm(s)/Gp(s)のフィルタを有する第3トルク設定部23の制御定数を14kHz(fp−x)に基づいて設定する。
また、シミュレーションでは、フィードバック制御時の応答特性及びフィードフォワード制御時の応答特性を評価する。フィードバック制御では、第1トルク設定部21、第2トルク設定部22、第3トルク設定部23及び回転速度推定部27の全てのフィルタを用いて、図2又は図に示す制御ブロックにより、制御を行う。フィードフォワード制御時について、実施例1では、第1トルク設定部21のみを用いて、フィードフォワードの制御ブロックで制御を行い、実施例2では、第1トルク設定部21及び第3トルク設定部23を用いて、フィードフォワードの制御ブロックで制御を行う。
及び図はフィードバック制御における応答特性を、図はフィードフォワード制御における応答特性を示す。図及び図において、(a)は車両の最終出力トルクの時間特性を、(b)はドライブシャフトトルクの時間特性を、(c)はモータ回転数の時間特性を示すグラフである。図はフィードバック制御の制御ブロックのボード線図であり、(a)はゲイン特性を(b)は位相特性を示すグラフである。図〜図において、グラフaは実施例1を、グラフdは実施例2の特性を示す。
に示すように、実施例2の各特性は、実施例1のそれぞれの特性と同じになり、実施例1と同様に、実施例2でも、制振効果が得られていることが確認できる。実施例2のゲイン特性及び位相特性は、図のような特性となり、実施例1とほぼ同様な特性を示す。また、−180°の位相交点の周波数(f)に対応する、実施例2のゲイン余裕をgとすると、実施例2のゲイン余裕(g)は、実施例1のゲイン余裕(g)と、ほぼ同じ大きさとなる。これにより、実施例2でも、制御ループの安定性が高くなっていることが確認できる。
また、図に示すように、フィードフォワード制御における、実施例1及び実施例2の特性を比較すると、実施例1では、ドライブシャフトトルク及びモータ回転数において、0.75秒から振動が発生しているが、実施例2では、振動は発生していない。これにより、実施例2では、フィードフォワード制御においても、制振効果を発揮しつつ、制御ループの安定性が高くすることができる。
上記のように、本例は、第3トルク設定部23に用いられるフィルタ(Gm(s)/Gp(s))の制御定数を、固有振動周波数(fp)より低い周波数(fp−x)に基づいて設定する。これにより、本例は、所定の安定性を満たすように固有振動周波数より低い周波数に基づいて制御定数を設定するため、制振性能を保ちながら、ゲイン余裕を高め、制御ループの安定性を高めることができる。また、本例の車両においてフィードバック制御を中止して、第3トルク設定部23に用いられるフィルタを用いてフィードフォワード制御にて振動を制振させる場合にも、フィードバック制御時と同様に、制振抑制効果を奏することができる。
なお、第1トルク設定部21及び第3トルク設定部23に格納されるマップが同じである場合には、マップを、それぞれの設定部から外に出して、当該マップに基づくトルクの目標値を、第1トルク設定部21及び第3トルク設定部23にそれぞれ入力してもよい。
上記の第3トルク設定部23が本発明の「第3トルク目標値設定手段」に相当する。
《第3実施形態》
は、発明の他の実施形態に係る制振制御装置に含まれる、モータトルク設定部2、制振制御部3及びモータ5の制御ブロックのトルク特性及びモータ回転数の特性を示すグラフである。本例では上述した第2実施形態に対して、第1トルク設定部に含まれるフィルタ(Gm(s)/Gp(s))の制御定数が異なる。これ以外の構成は上述した第2実施形態と同じであるため、その記載を適宜、援用する。なお、本例の制御ブロックは、図に示す制御ブロックと同様である。
本例では、第1トルク設定部21のフィルタの制御定数を、Gm(s)とGp(s)とに分離し、Gp(s)に係る制御定数を、固有振動周波数(fp)に基づき設定し、Gm(s)に係る制御定数を、固有振動周波数(fp)より低い周波数(fp−x)に基づいて設定し、当該Gp(s)の共振周波数を固有振動周波数とし、当該Gm(s)に係る共振周波数を、固有振動周波数(fp)より低い周波数(fp−x)にする。例えば、固有振動周波数(fp)を18kHz、上記の低減量(x)を4kHzとし、本例(実施例3)は、第1トルク設定部21の制御定数について、Gp(s)の制御定数を18kHzに基づいて設定し、Gm(s)の制御定数を14kHzに基づいて設定し、Gp(s)のフィルタを有する回転速度推定部27及びH(s)/Gp(s)のフィルタを有する第2トルク設定部22の制御定数を14kHzに基づいて設定する。
そして、実施の形態2と同様にシミュレーションを行い、その結果を図に示す。図において、(a)は車両の最終出力トルクの時間特性を、(b)はドライブシャフトトルクの時間特性を、(c)はモータ回転数の時間特性を示すグラフである。グラフdは実施例2を、グラフeは実施例3の特性を示す。
に示すように、実施例3では、0.75秒の付近におけるドライブシャフトトルクのオーバシュートが、実施例2と比較して抑制されており、実施例3の特性の方が、より理想的な特性になっていることが確認できる。
上記のように、本例は、第1トルク設定部21において、Gm(s)に係る制御定数を、固有振動周波数(fp)より低い周波数(fp−x)に基づいて設定し、Gp(s)に係る制御定数を、固有振動周波数(fp)に基づいて設定する。これにより、本例は、所定の安定性を満たすように固有振動周波数より低い周波数に基づいて制御定数を設定するため、制振性能を保ちながら、ゲイン余裕を高め、制御ループの安定性を高めることができる。
《第4実施形態》
10は、発明の他の実施形態に係る制振制御装置に含まれる、モータトルク設定部2、制振制御部3及びモータ5の制御ブロックを示すブロック図である。本例では上述した第2実施形態に対して、第3トルク設定部23に、車両のエンジンの出力相当のトルク(Te’)を入力する点が異なる。これ以外の構成は上述した第2実施形態と同じであるため、その記載を適宜、援用する。なお、図10において、第1トルク設定部21及び第3トルク設定部23に格納されるマップは、図10に示す制御ブロックの外に出され、当該マップからの出力トルク(Tm)が第1トルク設定部21及び加算器30に入力される。
10に示すように、加算器30は、出力トルク(Tm)と、車両のエンジンの出力相当のトルク(Te’)とを加算して、加算値を第3トルク設定部23に出力する。第3トルク設定部23は、当該加算値に基づいて、第3トルク目標値(Tm3 )を設定する。
上記のように、本例において、第3トルク設定部23は、車両に設けられたエンジンのトルクに基づいて、第3トルク目標値(Tm3 )を設定する。これにより、本例をハイブリット車などのエンジンを含む車両にも適用させることができる。
1…アクセル開度センサ
2…モータトルク設定部
3…制振制御部
4…モータトルク制御部
5…モータ
6…回転角センサ
7…駆動軸
8、9…タイヤ
21…第1トルク設定部
22…第2トルク設定部
23…第3トルク設定部
24、25、29、30…加算器
26…モータ
27…回転速度推定部
28…減算器

Claims (7)

  1. 車両に設けられたモータを制振させる制振制御装置において、
    モデルGm(s)/Gp(s)を含む第1フィルタを用いて、前記車両の車両情報に基づいて、第1トルク目標値を設定する第1トルク目標値設定手段と、
    前記モータの回転速度を検出するモータ回転速度検出手段と、
    モデルH(s)/Gp(s)を含む第2フィルタを用いて、前記モータ回転速度検出手段により検出された検出回転速度に基づいて、第2トルク目標値を設定する第2トルク目標値設定手段と、
    前記第1トルク目標値設定手段により設定された第1トルク目標値と、前記第2トルク目標値設定手段により設定された第2トルク目標値とを加算して、トルク指令値を算出する第1加算手段と、
    前記第1加算手段により算出されたトルク指令値に基づき、前記モータを制御するモータ制御手段とを備え、
    前記第2フィルタの制御定数は、
    前記車両の駆動系の固有振動周波数より低い周波数に基づいて設定されている
    ことを特徴とする制振制御装置。
    ただし、
    Gm(s)は前記車両へのトルク入力と前記モータの回転速度の理想伝達特性のモデルを示し、
    Gp(s)は前記車両へのトルク入力と前記モータの回転速度の実伝達特性のモデルを示し、
    H(s)は前記固有振動周波数より低い周波数を通過帯域に含めたバンドパスフィルタの伝達特性のモデルを示す。
  2. 前記第2フィルタの制御定数は、
    前記第2フィルタの共振周波数が、前記車両の駆動系の固有振動周波数より低くなるように、設定されている
    ことを特徴とする請求項に記載の制振制御装置。
  3. モデルGp(s)を含む第3フィルタを有し、前記トルク指令値に基づいて、前記モータの回転速度を推定するモータ回転速度推定手段と、
    前記モータ回転速度推定手段により推定された推定回転速度と前記モータ回転速度検出手段により検出された検出回転速度との減算値を算出する減算手段とをさらに備え、
    前記第2トルク目標値設定手段は、
    前記減算手段により算出された減算値に基づいて、前記第2トルク目標値を設定し、
    前記第3フィルタの制御定数は、
    前記車両の駆動系の固有振動周波数より低い周波数に基づいて設定されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の制振制御装置。
  4. デルGm(s)/Gp(s)を含む第4フィルタを用いて、前記車両情報に基づいて、第3トルク目標値を設定する第3トルク目標値設定手段と、
    前記第2トルク目標値と前記第3トルク目標値設定手段により設定された第3トルク目標値との加算値を算出する第2加算手段と、
    前記第2加算手段により加算された加算値に基づいて、前記モータの回転速度を推定するモータ回転速度推定手段と、
    前記モータ回転速度推定手段により推定された推定回転速度と前記モータ回転速度検出手段により検出された検出回転速度との減算値を算出する減算手段とをさらに備え、
    前記第2トルク目標値設定手段は、
    前記減算手段により算出された減算値に基づいて、前記第2トルク目標値を設定し、
    前記第4フィルタの制御定数は
    前記車両の駆動系の固有振動周波数より低い周波数に基づいて設定されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の制振制御装置。
  5. 前記第1フィルタは、
    前記車両へのトルク入力と前記モータの回転速度の理想伝達特性のモデルGm(s)と、前記車両へのトルク入力と前記モータの回転速度の実伝達特性のモデルGp(s)とを用いたモデルGm(s)/Gp(s)を含むフィルタであり、
    前記第1フィルタにおける、前記理想伝達特性の制御定数は、前記車両の駆動系の固有振動周波数より低い周波数に基づいて設定され、
    前記第1フィルタにおける、前記実伝達特性の制御定数は、前記車両の駆動系の固有振動周波数に基づいて設定されている
    ことを特徴とする請求項記載の制振制御装置。
  6. 前記第3トルク目標値設定手段は、
    前記車両に設けられたエンジンのトルクに基づいて、前記第3トルク目標値を設定する
    ことを特徴とする請求項4又は5記載の制振制御装置。
  7. 車両に設けられたモータを制振させる制振制御方法において、
    モデルGm(s)/Gp(s)を含む第1フィルタを用いて、前記車両の車両情報に基づいて、第1トルク目標値を設定するステップと、
    前記モータの回転速度を検出するステップと、
    モデルH(s)/Gp(s)を含む第2フィルタを用いて、前記回転速度に基づいて、第2トルク目標値を設定するステップと、
    前記第1トルク目標値と、前記第2トルク目標値とを加算して、トルク指令値を算出するステップと、
    前記トルク指令値に基づき、前記モータを制御するステップとを含み、
    前記第2フィルタの制御定数は、
    前記車両の駆動系の固有振動周波数より低い周波数に基づいて設定されている
    ことを特徴とする制振制御方法。
    ただし、
    Gm(s)は前記車両へのトルク入力と前記モータの回転速度の理想伝達特性のモデルを示し、
    Gp(s)は前記車両へのトルク入力と前記モータの回転速度の実伝達特性のモデルを示し、
    H(s)は前記固有振動周波数より低い周波数を通過帯域に含めたバンドパスフィルタの伝達特性のモデルを示す。
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