JP4419410B2 - 高加工性ほうろう用冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高成形性を有し、複数回の焼成に際しても十分な密着性にすぐれると共に前処理として硫酸酸洗を行う(酸洗処理型)2回掛け1回焼成(2C1F: 2-Coat-1-Fire)に対しても黒点・泡等のほうろう性欠陥がない、高加工性ほうろう用冷延鋼板およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ほうろう製造プロセスには、2回掛け2回焼成(2C2F: 2-Coat-2-Fire)、直接1回掛け、および本発明が対象とする2回掛け1回焼成(2C1F)がある。それぞれの工程の概要は、次のようになる。
【0003】
ここで、G/Cはグランドコート、C/Cはカバーコートのことである。
【0004】
2C1Fは、2C2Fの1回目の乾燥・焼成の工程を半乾燥とすることにより、1回目の焼成を省略する。この半乾燥は、Water-mirrorとも表現され、グランドコート後の水分により照り輝いた状態から、乾燥していく際に一瞬にしてその輝きが消失し、全体が均一にあたかも古代鏡のような鈍い光沢を呈する状態である。以前は、ほうろう製造プロセスとして2C2Fが一般的であったが、その後、焼成を1回に減らして、日本では直接1回掛け、欧米では2C1Fが行われるようになってきている。
【0005】
いずれの製造プロセスにおいても、脱脂、硫酸酸洗、Ni付着処理等の前処理が必要である。この内、脱脂はいずれの製造プロセスにおいても行われるが、硫酸酸洗、Ni付着処理については必要に応じて行われる。2C2Fでは、脱脂のみか、脱脂後、硫酸酸洗、Ni付着処理のいずれか一方のみ又は双方が行われる。直接1回掛けでは、硫酸酸洗→Ni付着処理の双方を行うことが、ほうろう層形成のため必要である。これに対して、2C1Fについては、欧米では、脱脂以外の前処理を省略する。乾式粉体の釉薬を使う場合には、前処理自体も省略することもある。以上のプロセスをまとめて次に示す。
【0006】
脱脂→硫酸酸洗→Ni付着→2C2F
脱脂→硫酸酸洗 → 2C2F
脱脂 → Ni付着→2C2F
脱脂 → → 2C2F
脱脂→硫酸酸洗→Ni付着→直接1回掛け
脱脂 → → 2C1F
脱脂→硫酸酸洗→Ni付着→2C1F
脱脂→硫酸酸洗 → 2C1F
ほうろう用鋼板にはいくつか種類があるが、冷延鋼板系を例にとると、100ppm以上のカーボンを含有するものと、酸素を200〜700ppm含有する高酸素鋼と呼ばれるものと、Ti-IF鋼をベースに成分調整されたものがある。各々の鋼種において、加工性とほうろう性(ほうろう加工時に発生する欠陥がないこと)を両立させるよう、成分設計がなされている。
【0007】
ほうろう製造プロセスの内、2C2Fでは、あらゆるほうろう用鋼板を適用することができる。一方、直接1回掛けでは、高酸素鋼しか適用できない。ほうろう性の確保の観点では、高酸素鋼は最良の鋼種である。適切な硫酸酸洗条件・Ni付着条件を選択すれば、黒点や泡、つまとび、ヘアーライン等の欠陥発生を回避でき、複数回焼成しても十分すぎる密着性を保つことができる。
【0008】
これに対して2C1Fでは、非特許文献1に、無酸洗式の前処理(脱脂のみを実施)、または、前処理自体を省略することを前提にして、「脱炭鋼種が適している」と記載されている。この文献によれば、高酸素鋼とTi-IF鋼が適用できることになる。
【0009】
Ti-IF系のほうろう用冷延鋼板としては、いくつかの技術が知られている。例えば、特許文献1には、プレス成形性に優れ、かつ耐泡性、耐爪飛び性、密着性等のほうろう性に優れたほうろう用鋼板とその製造方法が提案されている。この技術は、C:0.0030%以下、Mn:0.10〜0.50%、Cu:0.020〜0.10%、P:0.005〜0.050 %、かつCu/P (重量比) :1.5〜4.0N:0.005〜0.015 %、Ti:0.6 ×(48/14)N〜(48/14)N (%) 、B:11 [N-(14/48)Ti]/14以上、0.0060%以下、Nb:(93/12)(C-0.0010)〜(93/12)C、sol.Al:0.10%以下、残部: 不可避的不純物から成る鋼組成とするものである。
【0010】
特許文献2には、プレス加工性および溶接性にすぐれ、かつ直接一回掛けほうろうばかりでなく、2回掛けほうろうにおけるヘアーライン欠陥の発生しにくい、ほうろう用冷延鋼板とその製造法が提案されている。この技術は、C: 0.003%以下、Mn:0.05〜0.50%、P:0.005〜0.05%、S: 0.005〜0.03%、Cu:0.02〜0.1%、酸可溶Al: 0.005〜0.1%、N: 0.002〜0.02%、B:0.005%以下、REM(稀土類元素): 0.1%以下、Tiは-0.004≦Ti%-{(48/14)×N%+(48/12)×C%}≦0.01を、Nbは- 0.008≦Nb%-(93/12)×C%≦0.01を満足し、かつ、Mn、Cu量等を、S、Ti、P量により規制し、残部Feおよび不可避的不純物からなるほうろう用冷延鋼板というものである。
【0011】
特許文献3には、プレス成形性、ほうろう特性(耐泡性、耐爪飛性、密着性)に優れたほうろう用鋼板が提案されている。この技術は、重量%で、S:0.020〜0.040 %、Mn:0.15〜0.50%、Ti:0.6 ×(48/14)N〜(48/14)N(%)、B:11 [N-(14/48)Ti]/14〜0.0060 %、さらに必要に応じて、Nb:(93/12) ( C-0.0010)〜(93/12)C (%)に鋼組成を規定するというものである。
【0012】
特許文献4には、プレス成形性に優れ、かつ耐泡性、耐爪飛び性、密着性等のほうろう性に優れたほうろう用鋼板が提案されている。この技術は、C:0.0030wt%以下、Mn:0.10〜0.30wt%、Cu:0.020〜0.100 wt%、P:0.005〜0.030wt%、かつCu/P(重量比):2.5〜5.0、N:0.007〜0.020 wt%、Ti:(48/14)×(N-0.003)(wt%)〜(48/14)×N(wt%)、sol.Al:0.03〜0.10wt%あるいは、Sを積極的に添加して、S:0.020〜0.040wt%、Mn:0.20〜0.50wt%、Mn/S(重量比)>10とするというものである。
【0013】
【特許文献1】
特開平8-291368号公報
【0014】
【特許文献2】
特開平9-67647号公報
【0015】
【特許文献3】
特開平9-78190号公報
【0016】
【特許文献4】
特開平10-17992号公報
【0017】
【非特許文献1】
ほうろう技術ハンドブック(日本琺瑯工業会編),1996年10月出版
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明で主題の1つとする複数回焼成については、高酸素系鋼種は複数回焼成後にも十分な密着性を保つが、Ti-IF系鋼種では焼成回数が増えるにつれて密着性が劣化していくという問題がある。
【0019】
表1に示す成分系の高酸素鋼種とTi-IF系鋼種から100mm角サンプルを用意して、表2に示す実験条件にて複数回焼成して、それぞれの焼成回数時のPEI密着性を測定した。実験結果を図1に示す。高酸素鋼系鋼種は、4回焼成しても、ほぼ100%の密着性を保持するのに対して、Ti-IF鋼種は、焼成回数が増加するにつれて徐々に劣化していく。よって、第1の課題は、Ti-IF鋼系ほうろう鋼板の複数回焼成時の密着性確保である。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
第2の課題は、ほうろう製品のコーナー部、フランジ部分等、密着性の弱くなりがちな部分に関しても、複数回焼成時の密着性の確保を図ることである。コーナー部やフランジ部の密着性は、前述の平らな部分に比べて更に悪化傾向にあり、ほうろう層剥離が起こることが度々ある。この場合、剥離面は金属光沢を示し、鋼板とほうろう層の反応が起こっていないことを示している。
【0023】
このほうろう層剥離の原因は、コーナー部やフランジ部が過酸洗・過Ni処理の傾向にあるためと思われる。実際のほうろう製品の製造工程を考えた場合、特に、製品が大きい場合には、ベルトコンベヤーで吊られた際、製品の天井側部分より床側部分の方が、密着性劣化が顕著である。これは、前処理(酸洗処理・Ni処理)をタクトタイム(出し入れ時間)管理していても、製品内の位置及び前処理槽での入出のタイミングの違いにより、図2に示すように、床側部分では、酸洗処理時間、Ni処理時間が長くなるためである。
【0024】
更に、図3に示すように、槽から取り上げる際に、処理液は液垂れしつつ除去されるが、スマット等を含む液が濃縮されて残りやすいために、密着性の劣化が起こる。そのため、ユーザー側では、Ti-IF系ほうろう用鋼板を使用する時のみ、酸洗層、Ni槽の条件を再設定して対応せざるをえない。例えば、Ni槽の濃度を下げる、温度を下げる、搬送速度上昇による前処理時間の短時間化を図る等、マイルドな環境に設定し直す必要がある。
【0025】
高酸素鋼とTi-IF系を、製品の部位や成形度によって混合して利用している場合、Ti-IF系のほうろう用鋼板を利用する時に、前処理液の条件の変更や、ライン速度の変更等の作業は、現に生産効率を劣化させたり、劣化させる可能性が大きい。そのため、Ti-IF系のほうろう用鋼板においても、現状の前処理条件のまま、複数回焼成時の密着性を、製品の密着性の弱くなりがちな部分も含めて改善することが待たれていた。これが第2の課題である。
【0026】
第3の課題は、Ti-IF系ほうろう用鋼板の成形性向上に関するものである。Ti-IF鋼種は、このように密着性の問題があるにもかかわらず、洗面ボール、バスタブ、流し台の部材、底深い鍋等の成形性を要求される部分に使われ続けているが、複雑な形状の製品が増えるに伴い、更なる成形性向上も、密着性確保と共に、求められている。
【0027】
過去、Ti-IF系ほうろう用鋼板で密着性に言及したほとんど全てのものが、1回焼成(直接1回掛け)、もしくは、2回掛け2回焼成のグランドコートの模擬であり、多くとも2回焼成までの密着性保持(2回掛け2回焼成の模擬)を意図しているにすぎない。かつ、フランジ部・コーナー部を有した製品をイメージしたものではなくて、板状サンプルによる評価をしているにすぎない。従来はこのように、3回以上の複数回焼成後の密着性や、フランジ部・コーナー部までを含めた密着性の確保を目指した例は皆無である。
【0028】
前述の、特許文献1〜4記載の技術などについても、3回以上の複数回焼成を意図しておらず、Cu量、Ni量や、Cu/P比で規定して泡・黒点を含めたほうろう性欠陥発生を抑制しつつ、良好な密着性を保持させようとするものである。すなわち、SをTiSではなく、MnSで固定させて、ほうろう性を向上させている。
【0029】
例えば、特許文献1記載の技術は、TiをNの当量以内添加し、残りのNをBで固定し、またNbをCの当量以内添加している。特許文献2記載の技術は、TiをNとCの当量前後(-0.004〜+0.01%)添加し、NbをCの当量前後(-0.008〜+0.01%)添加している。特許文献3記載の技術は、TiをNの当量以内添加し、残りのNをBで固定し、Nbは必要に応じてCの当量以内添加している。特許文献4記載の技術は、TiをNの当量以内添加するか、あるいは高SでMn/S>10としている。
【0030】
しかし、析出物の組成をMnS主体にしても、後述のように複数回焼成時の密着性を保持できないという問題がある。さらに、これらの技術は、製品をイメージしたものではなくて、板状サンプルによる評価に基づいたものにすぎない。
【0031】
以上のことから、Ti-IF系ほうろう用鋼板においても、それ以外の鋼板に対して適用されている前処理条件が適用可能とし、かつ、グランドコート(以下、G/Cと略す)焼成、カバーコート(以下、C/Cと略す)焼成、手直し等のための行われる複数回の焼成後の密着性も含めて、十分な密着性を保持できるようにする必要がある。更に、十分な加工性を併せて確保できるようにする必要がある。
【0032】
また、2C1Fを適用する場合、Ti-IF系ほうろう用鋼板では硫酸酸洗処理を省略することは可能であるが、密着性を確保するためには、密着性を向上させるCoやNiを多く含んだ特殊なG/Cが必要となるためコストが上昇する。一方で、硫酸酸洗を省略するための前提として、鋼板の管理を厳格にする必要があるが、現実問題として、ほうろう工場で行われている生産体制からして、硫酸処理を省略することは無理に等しい。硫酸酸洗処理は、ほうろう用鋼板にミクロレベルの凹凸を付けて、密着性を向上させるために有効に働くと共に、鋼板保管時に生じる点錆をはじめとした錆等を除去でき、また、脱脂作業時に落としきれない鋼板表面の防錆油も除去するなど、ほうろう用鋼板を清浄化させることができる。
【0033】
硫酸酸洗工程を省略するためには、鋼板の厳格管理や脱脂工程の最適化を行い、また、防錆油の種類・塗布量と鋼板保管期間(含:季節変動、工場の立地条件)との関係等を明らかにする等、面倒な点が多く、現実的な品質管理として、脱脂⇒硫酸酸洗処理を前提とした、いわゆる、前処理前提の2C1Fを考えた方が現実的である。しかし、硫酸酸洗するが為に、Ti-IF系ほうろう用鋼板では、密着性の劣化を引き起こすTi系析出物を中心とした酸洗残渣(スマット)が鋼板表面に付着してしまうために、密着性の劣化を引き起こす可能性が大きく、かつ、泡・黒点等のほうろう性欠陥が発生することがある。
【0034】
この発明は、以上のような問題を解決し、実際の製品において、製品のどの部分においても、複数回焼成後又は酸洗処理型2C1F後の密着性に優れた高加工性ほうろう用冷延鋼板およびその製造方法を提供すると共に、更なる成形性向上をも図ることにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】
前述の課題は次の発明により解決される。その発明は、化学成分が質量%で、C:0.004%以下、Si:0.03%以下、Mn:0.01〜0.5%、P:0.001〜0.011%、S:0.015〜0.04%、sol.Al:0.01〜0.06%、N:0.003〜0.0093%、Ti:0.06〜0.15%、Cu:0.04%超〜0.08%、を含有し、かつCuとPは下記の式をみたし、残部が鉄および不可避的不純物からなる硫酸酸洗処理を前処理とする複数回焼成向け高加工性ほうろう用冷延鋼板である。
【0036】
[Cu%]≧0.02×ln[P%]+0.133
製造方法の発明は、上記の化学成分を有する鋼を、仕上温度:Ar3変態点以上Ar3変態点+50℃以下で熱間圧延し、580〜680℃で巻取り、酸洗、冷間圧延の後、800〜850℃で連続焼鈍することを特徴とする硫酸酸洗処理を前処理とする複数回焼成向け高加工性ほうろう用冷延鋼板の製造方法である。
【0037】
またこの発明においてさらに、熱間圧延から巻取りまでは、最終圧下の終了後1秒以内に冷却速度250〜2000℃/秒の急速冷却を開始し、この急速冷却は温度降下量を50〜250℃かつ冷却停止温度を650〜850℃に制御して行い、その後冷却速度100℃/秒以下の徐冷却ないしは空冷を行い、巻取ることを特徴とする硫酸酸洗処理を前処理とする複数回焼成向け高加工性ほうろう用冷延鋼板の製造方法とすることもできる。
【0038】
まず、この発明の成分規定の理由について説明する。
【0039】
(1) 成分規定の理由
P含有量とCu添加量は、酸洗減量値を大きく左右し、ほうろう層の密着性に影響を与えるため、本発明では最も重要である。ここで、酸洗減量値とは、酸洗前後の重量差を表面積(表裏合わせて)で割った値である。酸洗減量値については、図6に示すように最適な範囲がある。
【0040】
図6より、酸洗減量値を50mg/dm2以上300mg/dm2以下に調整することによって、複数回焼成後又は酸洗処理型2C1F後でも、ほうろう製品全体として密着性が保持できる。また、図7に示すように、酸洗減量値を300mg/dm2以下に調整することによって、酸洗処理型の2C1Fの場合も、ほうろう性欠陥の発生を抑止できる。
【0041】
複数回焼成あるいは2C1Fの場合に対して、より一層の密着性を期待するならば、酸洗減量値を50mg/dm2以上200mg/dm2以下とすることが望ましい。ここで、酸洗条件は「18%H2SO4、80℃、4分(但し、硫酸中のFe2+濃度を5g/L以上〜10g/L以下)」とした。
【0042】
P:0.001%以上0.016%以下
P量の上限値0.016%は、上記の適正な酸洗減量値を300mg/dm2以下に収めるために決定されている。一方、P量は、下げれば下げただけの効果はあるが、工業生産の観点から、即ち製鋼での除去限界0.001%を下限値とした。なお、好ましくは、[P%]≦0.011とすることにより、酸洗減量値の上限値を200mg/dm2とすることができる。
【0043】
Cu:0.04%超0.08%以下
Cu量の下限値0.04%超は、酸洗減量値を上記の適正な範囲内に収めるために決定されている。Cu量は多いほど、酸洗減量値を適正範囲内に制御しやすいが、熱延工程で見られるCu疵の抑制や、ほうろう製品での黒点、泡などの発生を抑止し、表面性状を良好に保つ観点で、Cu量の上限値を0.08%とした。原板の表面性状をより一層高レベルなものとするためには、0.07%以下にした方がよい。
【0044】
P量とCu量の関係:[Cu%]≧0.02×ln[P%]+0.133
P量、Cu量は、図7の試験結果、および、図8に示した結果から、酸洗減量値を300mg/dm2以下とするため、前述の各々の範囲に限定するとともに、上記の関係式を満たす成分範囲に限定した。なお、より一層優れた密着性を実現するため、及び、酸洗処理型の2C1Fの場合にも、ほうろう性欠陥の発生を抑止できる。更に、酸洗減量値を200mg/dm2以下とし、以下のようなCu量、P量範囲とすることが望ましい。
【0045】
[Cu%]≧0.02×exp(115×[P%])
C,S,Nについては、Ti等と結びついて、析出物を作る。本発明鋼は、IF鋼組成であるため、これらの元素の含有量すべてが析出物として固定されるよう規定する必要がある。
【0046】
C:0.004%以下
Cは含有量が多いと、黒点状の欠陥が発生しやすくなるため、上限値は、0.004%とした。なお、成形性を考慮するなら、0.0025%以下が望ましい。下限値は特別に設定しないが、製鋼技術の限界から決定され、工業生産を期待できるおおよその技術的な限界値として、0.0005%を下限値とする。
【0047】
N:0.003%以上0.01以下
Nは、Tiと結びついて粗大なTiNとなり、つまとび欠陥を抑制する。TiNを積極的に粗大な形態にするため、下限値を0.003%とした。また、N含有量が多いほど、つまとび抑制効果が大きい。鋼板製造時の温度低下に伴い析出するTiS、Ti4C2S2は、TiNを析出核として析出することが多くなるため、つまとび抑制には一層効果を発する。しかし、N含有量が多すぎた場合には、ほうろう焼成後、表面に黒点が発生する原因になったり、TiNに起因したヘゲが多発するため、上限を0.01%とする。
【0048】
S:0.015%以上0.04%以下
Sは、粗大析出物を形成し、窒素と同様につまとび欠陥を抑制する。このような効果を発揮させるため、下限を0.015%とした。主要な硫化物はTiSやTi4C2S2であり、その殆どを占める。これらは、単独の硫化物として存在することもあるが、複合析出物を形成している場合が多い。例えば、TiNを析出核に粗大な複合析出物が形成される場合もある。S量によっては、硫化物としてMnSが形成される場合もある。なお、主要な全硫化物のうち、MnSは常に45%以下に留まり、殆どの場合20%以下となっている。
【0049】
一方、S含有量が多い場合、P量やCu量の最適化によって酸洗減量値を抑制しても、酸洗後の鋼板にTi系硫化物のスマットが必要以上に付着する。そのため、そのスマットとほうろう層との反応によって、黒点の発生や、複数回焼成時の密着性の確保が難しくなる。及び、酸洗処理型の2C1Fの場合にも、ほうろう性欠陥の発生を抑止でき、かつ、密着性の確保ができる。よって、S含有量の上限を0.04%とした。
【0050】
Ti:0.06%以上0.15%以下
Tiは、IF鋼組成として加工性の確保を図り、かつTiN、TiS、Ti4C2S2等のTi系析出物を積極的に活用してつまとび抑制を図る目的で、0.06%以上添加する。このTiの下限値0.06%は、Nを0.01%以下とするので、(48/14)Nを超えており、TiNを析出させるのに十分な添加量である。逆に、Ti添加量が多すぎると、黒点状の欠陥が発生する危険度が増し、かつ、複数回焼成時又は酸洗処理型2C1F後の密着性の劣化もはげしくなるので、上限値を0.15%とした。
【0051】
Mn:0.01%以上0.5%以下
Mnは熱間脆性を防止する効果があり、この効果を活用するため、下限を0.01%とした。一方、Mnは、鋼の靭性を改善し、鋼を固溶強化する元素でもあるが、量が多すぎた場合、加工性を劣化させる。そのため、加工性の確保の意味から、上限値を0.5%とした。
【0052】
Si: 0.03%以下
Siは、ほうろう性への影響度は比較的少ないが、含有量が多い場合には、表面欠陥を引き起こし、かつ、鋼を硬くして成形性を悪くするので、0.03%以下とする。下限は特に設定しないが、不純物として入り込んでいる量を考えると、0.01%程度の混入は避けられない。
【0053】
Sol.Al:0.01%以下0.06%以下
Alは、ほうろう性への影響度は少ない。溶鋼の脱酸元素として有効であるため、鋼中の酸素量の調整のために必要に応じて添加される。Sol.Alが少ない場合には脱酸がしにくくなるばかりか、TiやSiが脱酸に消費され、これらの元素が鋼に残留しにくくなるので、0.01%以上とする。一方、Alを大量に入れても脱酸効果は飽和気味になるので、0.06%以下とする。従って、Alは、Sol.Al(酸可溶性アルミニウム)として0.01%以下0.06%以下の範囲内とする。
【0054】
その他の元素については、以下のようにすることが望ましい。
【0055】
O(酸素):0.01%以下
本発明のTi-IF系ほうろう用冷延鋼板では、酸素は、アルミキルドや、シリコンキルドや、チタンキルド等の精錬過程で、スラグとして浮上・除去されるため、通常は0.01%以下、多くの場合0.003%以下になる。
【0056】
Niについては、複数回焼成の場合あるいは2C1Fの場合の密着挙動を阻害しない。本発明では、Cuを意図的に添加しているため、Cuキズが起こる可能性もあり、その防止のためNiをCuと同じ程度ないしは更に0.02%増し程度まで添加してもよい。なお、Niは、製鉄材料の選択、および、スクラップからの混入に起因して、不純物レベル程度は常に含有しており、0.015%以上の含有もありうる。
【0057】
その他、Nb、V、Sn、Znや、希土類元素が、不純物レベル混入した場合でも、または、意図的に添加した場合でも、本発明の効果を損なうことはない。ただし、これらの元素を添加しても複数回焼成後又は酸洗処理型2C1F後のほうろう性を向上できず、これらの添加量の合計が0.05%を超えると黒点の原因になる場合があるので、上限を0.05%とすることが望ましい。
【0058】
(2) プロセスの規定理由
本発明鋼は、化学成分を適正範囲に調整することによって、常法に従って製造しても所望の特性が得られるが、熱間圧延の仕上温度:Ar3変態点以上Ar3変態点+50℃以下にて、最終圧下を終了し、580℃以上680℃以下にて巻取り、酸洗、冷圧を経て、連続焼鈍炉にて800℃以上850℃以下焼鈍することが好ましい。これにより、成形性を、より一層向上させることができる。
【0059】
具体的には、最終圧下を終了後1秒以内に、冷却速度250℃以上2000℃以下、仕上温度からの温度降下量を50℃以上250℃以下、冷却停止温度を600℃以上850℃以下に制御する急速冷却を行い、引き続いて、100℃/秒以下の徐冷却、もしくは、空冷を経て巻き取り、酸洗、冷圧、焼鈍することが好ましい。
【0060】
以下に、本発明鋼の製造方法の規定理由について、その詳細を述べる。
【0061】
▲1▼ 製鋼〜スラブ作成
上述した本発明の範囲内の化学成分組成を有する鋼のスラブを調製する。このようなスラブの調製にあたり、鋼塊法で行うと、リム層とコア部に粗大な介在物が存在しやすくなるため、連続鋳造法が好ましい。
【0062】
▲2▼ スラブ加熱方法
連続鋳造されたスラブを、室温近くまで冷却後に加熱して熱間圧延するか、または加熱することなく直接熱間圧延して、熱延鋼帯を製造する。なお、スラブが室温まで冷却されるのを待たずに、加熱して熱間圧延を行ってもよい。または、薄スラブを製造する連続鋳造機と熱間圧延機が連続した一連の製造装置で製造してもよい。熱間圧延での材質の制御の観点からは、スラブは200mm以上の厚さであることが好ましい。
【0063】
▲3▼ 熱延仕上温度
熱間圧延に際して、仕上温度を、Ar3変態点以上Ar3変態点+50℃以下として、γ域で最終圧下を終了することが好ましい。これにより、熱延鋼帯で組織が微細化し、冷延焼鈍後の機械特性が向上する。熱延仕上温度が、Ar3変態点+50℃を超えた場合には、γ粒の成長、ひいては、変態後の熱延鋼帯でのフェライト粒の粗大化により、逆に加工性が劣化する。逆に、熱延仕上温度がAr3変態点未満では、α域圧延のため、粒の粗大化が顕著になり、材質の劣化が激しくなる。
【0064】
▲4▼ 熱延最終圧延後〜巻取まで
最終パス完了後の冷却については、従来の製造方法と同様、ラミナー冷却で巻取温度までの冷却を行って、巻き取ればよい。巻取温度は、加工性および熱間圧延後の酸洗性の観点から、580〜680℃が好ましい。巻取温度が、580℃未満の場合、材質が硬めとなり、680℃を越えると、原板のスケールが厚くなることにより黒皮除去のための酸洗負荷が増し、かつ、欠陥発生の危険度が増大する。
【0065】
さらに、成形性とりわけ深絞り性の向上、および、異方性の低減を図るためには、制御冷却を行うことが好ましい。その場合、最終パス完了後1秒以内に、冷却速度200℃以上2000℃以下の冷却装置を使って、仕上温度からの温度降下量を50℃以上250℃以下に制御して冷却を行うと同時に、冷却停止温度を650℃以上850℃以下に制御し、引き続いて、100℃/秒以下の徐冷却、もしくは、空冷をへて巻き取る。
【0066】
上述の一連の冷却方法は、即冷却(最終パス後、直ちに冷却すること)・急速冷却(200℃/秒以上で冷却すること)による制御冷却によって、熱延鋼帯でのフェライト粒の微細化を目指すものである。ひいては、冷延焼鈍後の成形性の向上、つまり、伸び、深絞り性(r値)、異方性(Δr)の向上を意図している。
【0067】
最終パス圧下後1秒以内に急速冷却を始めることにより、最終パスまでに導入されたオーステナイト粒中の歪(未再結晶γ)を、フェライトの核発生サイトとして利用すること、かつ、最終パス通過後にオーステナイト粒自体の成長を防止することができる。その結果、未再結晶γ粒中の歪および微細なオーステナイト粒界からのフェライト生成により、結果として、熱延鋼帯での細粒化を達成できる。
【0068】
冷却速度を200℃以上2000℃以下とすることは、上述のように、オーステナイト粒を加工歪の入った状態で、フェライト変態させることにより、熱延鋼帯でのフェライト粒径を微細化するためである。なお、この冷却速度域は、冷却能が最大となる核沸騰モード(蒸気膜を破壊しながら冷却を行うモード)の冷却を行うことにより容易に達成できる。
【0069】
冷却速度が下限200℃未満の場合には、オーステナイト粒段階で回復や再結晶および粒成長が進行し、変態後にフェライト粒の成長も起きて、熱延鋼帯での細粒化が実現できない。上限を2000℃としたのは、急速冷却を核沸騰モードで行った場合の理論限界による。
【0070】
更に、仕上温度からの急速冷却による温度降下量を50℃以上250℃以下に制御して冷却を行うと同時に、冷却停止温度を650℃以上850℃以下に制御する即冷却・急速冷却によって、熱延鋼帯での細粒化を図る。冷延焼鈍後の材質の軟質高延性化を目指すためには、熱延鋼帯の組織に焼入れ状組織や、圧延方向に伸びた組織が生成することを排除しなければならない。そのため、急速冷却による温度降下量の上限を250℃に、かつ、冷却停止温度の下限を650℃とした。これらが同時に満たされないときには、熱延板にてポリゴナルな微細粒が得られない。
【0071】
また、急速冷却による温度降下量の下限を50℃に、かつ、冷却停止温度の上限を850℃とした。これらが同時に満たされないときには、急速冷却による細粒化が図れないためである。
【0072】
急速冷却を完了した後、引き続いて、100℃/秒以下の徐冷却、もしくは、空冷をへて巻き取る。しかし、巻取り温度を急速冷却によってのみ、制御することは困難である。そのため、急速冷却による温度降下量および冷却停止温度の規定に加えて、100℃/秒以下の徐冷却、もしくは空冷を行うことが必要である。100℃/秒を超えた冷却速度で冷却した場合には、フェライト組織がポリゴナルな微細粒にはならないことが多く、冷延焼鈍後の材質の向上が見られないためである。
【0073】
冷却後の熱延鋼帯は、常法に従って巻取る。この時の巻取温度は、加工性および熱間圧延後の酸洗性の観点から、580〜680℃が好ましい。
【0074】
▲5▼ 酸洗〜冷間圧延
熱延鋼帯は、酸洗した後、常法に従って冷間圧延する。その時の冷間圧延時の圧下率は、加工性の観点から60%以上にすることが望ましい。
【0075】
▲6▼ 焼鈍〜スキンパス
次いで、冷間圧延された冷延鋼帯を焼鈍する。焼鈍方法は特に規定するものではなく、公知の箱焼鈍法(タイトコイル焼鈍法)、オープンコイル焼鈍法、連続焼鈍法の何れの方法で行ってもよい。ただし、特に、優れた深絞り性が要求される用途に関しては、5℃/秒以上の加熱速度によって、800℃以上の温度で連続焼鈍することが望ましい。これは、5℃/秒以上にした時に、理由は定かではないが材質が向上するためである。
【0076】
また、焼鈍温度が高い方がフェライト粒の成長が促進され、加工性が良好になる。850℃程度までは温度を上げるに伴い、軟質化する。しかしながら、焼鈍温度が高すぎると、連続焼鈍炉内でのネッキング(板幅収縮)等の問題や、エネルギーコスト的に不利になるので、850℃がおおよその上限と考えられる。焼鈍後の鋼帯は、そのまま製品としてもよく、必要に応じて2.0%以下の伸長率で調質圧延をしてもよい。
【0077】
【発明の実施の形態】
本発明者は、▲1▼ベルトコンベヤーで懸垂した製品下部のコーナー部等(前処理槽で入出する際に、最初に入り最後に出てくる部分で、液垂れが最後まで残る部分)の過酸洗あるいは過Ni処理、および、過剰なスマット(酸洗残渣)が付着している部分においても、▲2▼前処理条件を特別にマイルドにする(濃度を下げる、処理時間を短くする等)ことなく、通常条件とされる製造範囲内で前処理を行っても、▲3▼複数回焼成条件下にて十分な密着性を確保するべく、鋼特性を改善する観点から研究を行った。
【0078】
まず、表1に示したサンプル Aのほうろう用鋼板を、表3に示すフローで密着性試験を行った。具体的には、図4に示す洗面ボール状にプレスし、アルカリ脱脂を行い、図2に示すように、酸洗槽、Ni処理層に入出させて前処理したものに、G/Cを施釉・焼成、C/Cを施釉・焼成、手直し焼成2回の4度熱処理をしたものを用意して、最終的な密着性を評価した。
【0079】
なお、酸洗は硫酸17%、75〜85℃℃、Niフラッシュ処理は、NiSO4・H2Oを13g/L、75〜85℃、pH2.6(室温で調整)、浸漬時間(タクトタイム)を4分で行った。但し、それぞれの前処理液中のFe濃度管理は特にせず、硫酸酸洗液中のFe濃度が処理枚数が多くなるに伴い濃くなっている条件で実験を行った。
【0080】
【表3】
【0081】
実験は酸洗時間を変化させて行い、同じ酸洗時間の条件にて、複数回の実験を実施した。また、洗面ボール状プレス品では表面積を正確に測定することが困難であるため、酸洗減量値をモニターするために、洗面ボール状プレス試験材と、同タイミングで、100mm角の鋼板を前処理した。一般に、成形品は板状サンプルよりも酸洗減量値が多めになるため、板状サンプルは安全サイドの評価を意図している。
【0082】
洗面ボールの底面部ではPEI密着性を測定し、前処理槽に最初に触れる部分のコーナー部分の密着性を、DIN 51155衝撃試験(20N)で調べた。PEI密着性は75%以上を「合格」とし、DIN衝撃試験は、衝撃部にほうろう層の付着、または、鋼板/ほうろう層の反応を示す“黒い表面”が見えれば「合格」とし、鋼板/ほうろう層の剥離を意味する“金属光沢面”が見えれば「剥離」として評価した。
【0083】
結果を図5に示すように、全体的な傾向として、密着性はおおよそ酸洗時間に伴い劣化する。しかし個々について見ると、洗面ボール底面部(図5a)では、5分程度の酸洗時間ならば十分な密着性を保つことができるが、フランジ部分(図5b)では5分程度の酸洗時間でも密着性が劣化しており、酸洗時間が3分程度でないとフランジまで含めた密着性を維持できない。酸洗時間4分を超えた条件の時では、衝撃試験により、コーナー部のほうろう層が帯状に金属光沢を示して剥離することがわかった。
【0084】
なお、図5の酸洗時間4分、5分の箇所に一部NG部分があるが、酸洗液中のFe濃度の影響で酸洗減量値自体が変化しているためであると推定される。実際のほうろう工場での酸洗条件を考えた場合でも、メーカーや工場毎に、硫酸濃度や硫酸中のFe濃度等の影響で、同じ酸洗時間でも、酸洗減量値が異なる場合がある。
【0085】
また、図6に結果を示すように、洗面ボール形状の製品と同時に酸洗した板状サンプルの酸洗減量値が、50 mg/dm2以上300mg/dm2以下の場合に製品のどの部分でも十分な密着性が保持できることが明らかになった。
【0086】
同様に、硫酸酸洗を行う2C1Fについても酸洗減量値の影響を調べた。表1のサンプルAを用いて、表4に示す条件で実験を行った。釉薬としては、密着性の確保と泡・黒点の発生具合の評価のため、G/Cに2条件、C/Cに1条件を用いた。なお、通常のC/Cでは乳白系ないしカラー系の釉薬を用いることが多いが、この実験では泡・黒点が出やすい透明系釉薬を採用した。
【0087】
【表4】
【0088】
結果を図7に示す。前述と同様、酸洗減量値が300mg/dm2以下の場合に良好な表面性状が保持できることが明らかとなった。なお、250 mg/dm2付近にごく軽度の泡が発生したが、これは余程厳しい検査でない限り通常は合格範囲である。酸洗減量値を200mg/dm2以下とすれば、より一層厳格な検査基準を満たすことが可能で、表面性状を更に良好とすることができる。
【0089】
次に、Cu量とP量の条件を系統的に変化させた鋼板を用いて、酸洗減量値を、100mm角の板状サンプルを使って評価した。表5に示す化学成分の鋼を、実験室にて、熱間圧延、冷間圧延、N2雰囲気での焼鈍を行い、サンプルを作成した。条件は、実験用スラブ厚:27mm、加熱温度:1200℃1時間以上、熱間圧延では7回の圧延で最終厚を3.1〜2.8mmで仕上げた。
【0090】
【表5】
【0091】
熱延後、酸洗もしくは機械研削によって、2.8mmに加工し、冷間圧延によって0.8mmに仕上げた。十分に脱脂してから、N2雰囲気焼成炉で、板温700℃にて6時間保持してから、炉冷した。その後、1.0%の調圧を施してから、100mm角サンプルを切り出した。ここでの焼鈍は、単に再結晶させることを意図しており、材験値を目的レベルに達成することを意図しない。ソルトバスでの焼鈍では、表面にソルトが付着したり、スケールが付いたりして、酸洗減量値の測定を行うことができない点を考慮して、焼成炉で焼鈍を実施した。
【0092】
酸洗減量値は、18%H2SO4、80℃、4分の処理条件で測定した。この酸洗条件は通常の硫酸酸洗の条件とされる「15〜20%H2SO4、70〜80℃、3〜5分」の範囲内である。なお、単なる錆取りであれば、酸洗条件はこれより低濃度短時間でもよいが、安全側(この場合、より過酷な酸洗条件)を採用した。なお、酸洗減量値の硫酸中のFe濃度によるバラツキ防止のため硫酸酸洗液中のFe2+濃度を5g/L〜10g/Lの範囲に保ち、測定を行った。
【0093】
Cu量とP量の酸洗減量値に及ぼす影響を図8に示す。これより、300mg/dm2を実現できるCu添加量、P含有量の範囲をまとめると、図9に示すようになる。点の分布を曲線で結んで境界線を書くと、
▲1▼[P%]=0.001
▲2▼[Cu%]=0.011
▲3▼[Cu%]=0.02×ln[P%]+0.133
▲4▼ [P%]=0.016
図9において、▲1▼〜▲4▼の式を境界にして、矢印方向の部分が適正範囲である。
【0094】
複数回焼成に対する密着性の確保に対しては、酸洗減量値が低い方が有利であるため、図9には酸洗減量値200mg/dm2を実現できる範囲も併せて示した。この場合の境界線は以下のようになり、これらで囲まれた部分が適正範囲であり、複数回焼成時の密着性確保に有利になる。
【0095】
▲1▼ [P%]=0.001
▲5▼ [Cu%]=0.02×exp(115×[P%])
▲6▼ [P%]=0.011
以上のようなCu量、P量の成分規定によって、製品形状・部位にかかわらず、製品全体の複数回焼成時の密着性を保持できる。更に、成形性については、熱延工程での、最終圧延終了後の冷却条件の最適化によって実現を図ることができる。
【0096】
同様の実験により、硫酸酸洗の前処理を前提とする2C1Fについても、酸洗減量値を50 mg/dm2以上300mg/dm2以下の時に、ほうろう性欠陥がなく、かつ、密着性が良好なものを得ることができる。更に、200mg/dm2以下にすることによって、更に良好な密着性が確保できることが確認された。酸洗時に鋼板表面に付着してしまう酸洗残渣(スマット)が少なくなるためだと推定される。
【0097】
【実施例】
[実施例1]
表5に示すように、本発明の範囲内の化学成分組成を有する本発明鋼、および、Cu量、P量が発明の範囲外になっている比較鋼を、実機溶解して連続鋳造法によってスラブを調製した。スラブ厚さは、220mm〜250mmの範囲内である。本発明鋼および比較鋼を、1250℃に加熱後に、仕上温度を890℃にして熱間圧延し、640℃でコイルに巻き取り、厚さ3.8mmの熱延鋼帯を製造した。なお、表6に示す鋼板は、常法に従った方法で作られたもので、最終パス後に、ラミナー冷却によって、巻取温度の制御を行ったものであり、即冷却・急速冷却は行っていない。
【0098】
【表6】
【0099】
次いで、得られた熱延鋼帯を酸洗した後、冷間圧延して、1.2mmの冷延鋼帯にした。この冷延鋼帯を、7℃/秒の加熱温度により、850℃にて連続焼鈍した後、0.8%の調質圧延を施した。
【0100】
同一コイルから洗面ボール状サンプル(右・左・手前・奥の4方向に幅30〜50mmの土手を有するフランジを持ち、シンクの深さが最大で150〜250mm)向け鋼板と、板状サンプル向けの鋼板を切り出し、前者はプレス成形し、後者は100mm角に切り出してサンプルとした。実験のフローは、表7に従って行い、板状サンプルは、酸洗まで作業を終えて、酸洗減量値を測定するのに用いた。
【0101】
【表7】
【0102】
具体的には、アルカリ脱脂を行い、湯洗、流水洗を施し、硫酸酸洗を18%H2SO4、80℃、4分(タクトタイム)、Fe2+ 濃度を5〜10g/Lの条件で行い、その後、流水洗した。Ni付着処理として、13g/LのNiSO4・7H2O、80℃、pH2.6(室温で調整)、4分(タクトタイム)を行った。流水洗、中和、湯洗、乾燥のあと、グランドコート(日本フエロ−製H釉薬)を両面100μm相当施釉し、850℃5分(露点30℃条件)焼成後、室温に冷えるまで放置した。
【0103】
次に、カバーコート(日本フエロ−製1553B釉薬)を製品側に100μm相当施釉し、780℃5分(露点30℃条件)焼成し、室温に冷却されるまで空冷した。そのあと、手直しに相当する焼成として、780℃5分(露点30℃条件)にて再度焼成した。
【0104】
複数回焼成の密着性の評価として、平板部ではPEI密着性を使い、フランジ部ではDIN 51155衝撃試験(20N)を使って評価した。合格の基準は、前者が75%以上、後者が衝撃部に金属光沢がないこととした。試験結果を表6に併せて示す。
【0105】
表6に示すように、本発明鋼1〜3は、酸洗減量値が50〜300mg/dm2の範囲であり、かつ、複数回焼成後の密着性を確保できる。一方、比較材は、酸洗減量値が300mg/dm2を越えており、複数回焼成後の密着性を確保できなかった。底面部の密着性の劣化もあり、特に、フランジ部に金属光沢を示す剥離が見られ、密着性不良と判断された。
【0106】
[実施例2]
2C1Fの場合についても実施例1と同様に試験を行った。
【0107】
実施例1と同じ冷延鋼板より、100mm角のサンプルを切り出して2C1Fのほうろう試験を行った。実験のフローを表8に示す。
【0108】
【表8】
【0109】
具体的には、アルカリ脱脂、湯洗、流水洗を施し、硫酸酸洗を18%H2SO4、80℃、4分(タクトタイム)、Fe2+濃度を5〜10g/Lの条件で行い、その後、流水洗まで、実施例1と同一の条件で行った。その後Ni付着処理を省略し、グランドコート(日本フエロ−製:HMX-1582-A釉薬)を両面30〜40μm相当施釉し、大気環境で半乾燥(Water-Mirror状)して、次に、透明系のカバーコート(日本フエロ−製:04-1409釉薬)を両面に90〜110μm施釉し、820℃5分(露点30℃条件)焼成し、室温に冷却されるまで空冷した。得られたサンプルについて、黒点・泡の発生を目視で評価した。試験結果を表9に前述の酸洗減量値(実施例1、表6)と併せて示す。
【0110】
【表9】
【0111】
表9に示すように、酸洗減量値が50〜300mg/dm2の範囲の本発明鋼1〜3は、酸洗処理型の2C1Fにおいて良好な表面性状を確保できる。一方、比較材は、酸洗減量値が300mg/dm2を越えているため、泡・欠陥が観察された。
【0112】
[実施例3]
表6の鋼1を用いて、実機および実験室で製造した鋼板の機械特性値を表10に示す。サンプルA〜Bは実機製造したもので、サンプルC〜Jは実験室製造したものである。まず、実験室検討の実施例について述べる。サンプルC、E、G、H、Jは本発明例であり、実験室で製造条件を検討したものであるが、製造条件が適正範囲に入っているため、高成形性の材質を確保できている。
【0113】
【表10】
【0114】
なお、実験室では、幅100mm×長手110mm×厚み27mmに加工した鋼塊を使い、熱間圧延した。巻取温度の熱履歴を模擬するため、実験室で熱間圧延を完了したものをCT(巻取温度)まで空冷して炉に投入し、CT×1時間保持の後、炉冷した。焼鈍は、ソルトバスに90秒浸積し、その後は、空冷を行った。
【0115】
サンプルDは、FTの下限値はずれでα域圧延になっている。それゆえ、r値が悪くなった。なお、サンプルDの熱間圧延条件は無潤滑とした。サンプルFは、CTが下限値より低いために、材質が硬めになっている。また、サンプルIは、焼鈍温度が下限より低いために、材質が硬めになっている。
【0116】
なお、CTが680℃を越える場合は、酸洗時の負荷が増し、かつ、原板のスケールが厚くなることによる欠陥発生の危険度が増大する。一方、焼鈍温度が850℃を越える場合も、材験値、焼鈍温度が上がりすぎることによる、連続焼鈍炉内でのネッキング等の問題や、エネルギーコスト的に不利になる等の問題がある。
【0117】
以上のことにより、高成形性を目指すためには、「熱間圧延の仕上温度:Ar3変態点以上Ar3変態点+50℃以下にて、γ域で最終圧下を終了し、580℃以上680℃以下にて巻取り、酸洗、冷圧を経て、連続焼鈍炉にて800℃以上850℃以下で焼鈍すること」が好ましいことがわかる。
【0118】
一方、実機での製造結果(サンプルA、B)によれば、本発明の条件範囲内で、軟質高成形性の鋼板が得られることがわかる。なお、スラブ厚は220mmであり、焼鈍は連続焼鈍である。
【0119】
[実施例4]
表6の鋼2を、通常製造条件と即急冷条件にて、実機および実験室で製造した。サンプルKとLは実機製造したもので、前者が通常製造材、後者が即急冷材である。サンプルM〜Zは実験室の即急冷実験装置で製造したものである。実機製造条件と実験室実験条件を併せて表11に示す。
【0120】
【表11】
【0121】
実機製造のスラブ厚は220〜250mmである。実験室では実施例2と同一の条件で冷延鋼板を製造した。
【0122】
なお、実験室での即急冷作業は、実験室圧延機の出側にレール上を滑車で移動する形式の即急冷ユニットを設置し、冷却が必要な時にすばやく移動させることにより実施した。実機の即急冷は、仕上圧延の最終パスの後ろに設置された即急冷ユニットを使って行い、冷却開始時間は、圧延速度によって変化させた。
【0123】
仕上温度からの温度降下量は、実験室の装置では、板の搬送速度を変化させて制御した。一方、実機では、圧延速度によって決定される。また、実験室装置で、急速冷却時の冷却速度を50〜250℃/秒の範囲内で変化させたが、これは水圧や流量を変えることによって実現させた。急速冷却完了〜巻取までの冷速とは、実機では、ランナウトテーブルでいかに冷やすかに相当し、実験室では、空冷、または、冷却装置で冷やすことによって模擬した。以上の試料の機械特性を表12に示す。
【0124】
【表12】
【0125】
サンプルKは実機の通常製造方法で製造したものである。この材質でも十分成形性が高いと言えるが、サンプルLに示すように、規定範囲で即急冷をしたものは、r値やΔrが一層向上している。サンプルMは、実験室実験装置で、通常条件で製造したものである。この材質レベルでも、十分に高成形性レベルと言える。
【0126】
サンプルN〜Qは、急冷の冷却開始時間の効果を示す例である。冷却開始時間が0.3〜1秒のもの(サンプルN〜P)が、より一層、r値とΔrが向上しているが、サンプルQに示すように、1秒を越えたものは顕著なr値とΔrの向上が見られない。
【0127】
サンプルR〜Vは、急冷の温度降下量、および、急冷での温度降下量の効果に関する例である。温度降下量が小さすぎる場合(サンプルR)は、即急冷の効果が見られない。温度効果量が大きい場合(サンプルU,V)、または、冷却停止温度が低すぎた場合(サンプルV)には、r値の向上は見られるものの、YPが硬くなっている。
【0128】
サンプルW〜Xは、急冷の冷速を変えた例である。冷速が低いと、熱延板の粒径が小さくならないため、r値やΔrの向上効果が少ないか見られなくなる。但し、サンプルW、X共に、「膜沸騰モード」の冷却であり、冷却時にかけた水が蒸気膜を形成して鋼板を包み込む形になって冷却速度が低くなったものである。本発明で意図しているのは、「核沸騰モード」の冷却であり、冷速は50℃や100℃より高くなる。 また、急速冷却から巻取までの冷速の影響を示したものが、サンプルY〜Zである。ここの冷速が100℃を越えると材質が硬めに変化する。
【0129】
よって、より一層高い成形性を得るためには、「熱間圧延の仕上温度:Ar3変態点以上Ar3変態点+50℃以下にて、γ域で最終圧下を終了し、1秒以内に、冷却速度250℃以上2000℃以下の冷却装置を使って、仕上温度からの温度降下量を50℃以上250℃以下に制御して冷却を行うと同時に、冷却停止温度を650℃以上850℃以下に制御することによって急速冷却を完了し、引き続いてそのあと、100℃/秒以下の徐冷却、もしくは、空冷をへて巻き取り、酸洗、冷圧、焼鈍すること」が望ましい。
【0130】
[実施例5]
表6に示す鋼1〜4について、形態別定量方法によって硫化物中のMnSの濃度を評価した。供試材を、MS(アセチルアセトン)電解液を使って電解抽出して、析出物を抽出したあと、#100フィルター上に捕集する。なお、MS系電解液の組成は、サリチル酸メチル4%(体積)、サリチル酸10g/L、テトラメチルアンモニウムクロライド(TMAC:10g/L)、残りはメタノールである。
【0131】
この方法により、「材料とプロセス,vol.10, (1997), 703」に、少なくとも、硫化物では98%以上の析出物が捕集、分析対象になっていることが示されている。
【0132】
表13に示すように、本発明鋼および比較例の成分系では共に、MnSを形成するS量が、全硫化物に対して45%以下であった。よって、硫化物は、MnSが主流ではなくて、半分以上具体的には、55%以上は、TiS、Ti4C2S2、Cu硫化物等が占めていることがわかる。よって、硫化物組成の違いによらず、本発明のようにP、Cu量の適正範囲への規定を行えば、複数回焼成時の密着性を確保することができる。
【0133】
【表13】
【0134】
【発明の効果】
本発明は、化学成分を従来とは異なる範囲に限定し、とりわけTi量の範囲、PとCuの関係を規定することによって、複数回焼成時において密着性に優れ、かつ、高加工性のほうろう用冷延鋼板が製造可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】焼成回数と密着性の関係を示す図。
【図2】前処理の方法を示す図。
【図3】製品を槽から取り上げる際の概略図。
【図4】洗面ボール状のプレス製品の例を示す図。
【図5】酸洗時間と密着性の関係を示す図。 (a) 洗面ボール底面部 (b) フランジ部
【図6】酸洗減量値と複数回焼成時の密着性の関係を示す図。
【図7】酸洗減量値と酸洗処理型2C1Fによる表面性状の関係を示す図。
【図8】酸洗減量値に及ぼすP量の影響を示す図。
【図9】 P量およびCu量と酸洗減量値の関係を示す図。
Claims (3)
- 化学成分が質量%で、C:0.004%以下、Si:0.03%以下、Mn:0.01〜0.5%、P:0.001〜0.011%、S:0.015〜0.04%、sol.Al:0.01〜0.06%、N:0.003〜0.0093%、Ti:0.06〜0.15%、Cu:0.04%超〜0.08%、を含有し、かつCuとPは下記の式をみたし、残部が鉄および不可避的不純物からなる硫酸酸洗処理を前処理とする複数回焼成向け高加工性ほうろう用冷延鋼板。
[Cu%]≧0.02×ln[P%]+0.133 - 請求項1記載の化学成分を有する鋼を、仕上温度:Ar3変態点以上Ar3変態点+50℃以下で熱間圧延し、580〜680℃で巻取り、酸洗、冷間圧延の後、800〜850℃で連続焼鈍することを特徴とする硫酸酸洗処理を前処理とする複数回焼成向け高加工性ほうろう用冷延鋼板の製造方法。
- 熱間圧延から巻取りまでは、最終圧下の終了後1秒以内に冷却速度250〜2000℃/秒の急速冷却を開始し、この急速冷却は温度降下量を50〜250℃かつ冷却停止温度を650〜850℃に制御して行い、その後冷却速度100℃/秒以下の徐冷却ないしは空冷を行い、巻取ることを特徴とする請求項2記載の硫酸酸洗処理を前処理とする複数回焼成向け高加工性ほうろう用冷延鋼板の製造方法。
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