JP4419226B2 - 制振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、事業用の免震ビル、免震集合住宅、免震戸建住宅等の免震構造物に用いられて好適な制振装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
事業用のビル等の構造物と地盤との間に免震装置を介在させて当該構造物を免震構造にすることが種々提案されている。この場合、構造物を免震構造にするためには、構造物の荷重を支持して且つ地盤の水平方向の振動をビルに伝達しないようにし、更に、伝達されたビルの振動を可及的に速やかに減衰させる上に、振動減衰後に構造物を元に復帰させる原点復帰特性等の機能が要求される。
【0003】
ビルの荷重を支持して且つ地盤の水平方向の振動をビルに伝達しないようにするものとして、滑り支承又はゴム層と鋼板とが積層された積層ゴム支承等が用いられるが、滑り支承を用いる場合には、原点復帰機能特性を補うためにゴム等の弾性手段が併用され、そして、その振動減衰特性を補うために、そのゴムに高減衰ゴムなどが使用されたり、鋼棒等が別に設置されたりし、一方、積層ゴムが原点復帰機能を効果的に補うようになっている積層ゴム支承を用いる場合には、その振動減衰特性を補うために、滑り支承と同様に、そのゴム層に高減衰ゴムなどが使用されたり、鋼棒等が別に設置されたりする。
【0004】
上記要求される機能の全てを好ましく満足するものとして、円柱状鉛を具備した積層ゴム支承が知られており、この積層ゴム支承においては、円柱状鉛が振動減衰特性を効果的に補うようになっている。したがって、円柱状鉛を具備した積層ゴム支承は、鋼棒等のその他の振動減衰手段を特に必要としない点で、設置空間及び設置工数を削減できて、特に好ましいのである。
【0005】
ところで、構造物の荷重を支持するために、上記のような滑り支承、積層ゴム支承又は円柱状鉛を具備した積層ゴム支承を用いる一方、滑り支承に対しては振動減衰機能と原点復帰機能とを得るために、積層ゴム支承又は円柱状鉛を具備した積層ゴム支承に対しては更なる振動減衰機能と原点復帰機能とを得るために、一端面が事業用のビル等の構造物に固定され、中間部位が構造物を支持する地盤等の支持体に連結されたゴム体又は積層ゴムからなる制振装置を上記支承と併用する場合には、ゴム体又は積層ゴムの他端面が一端面に対して傾かないようにしないと、所望の振動減衰機能と原点復帰機能とが得られ難くなる。
【0006】
また、円柱状鉛を具備した積層ゴム支承では、適度に円柱状鉛が加圧されていないと、換言すれば、円柱状鉛が積層ゴム内に密に埋設されて、ゴム体により適度に加圧されていないと、所望の振動減衰機能を得ることができないのであり、このために、円柱状鉛を具備した積層ゴム支承は、通常、円柱状鉛への加圧をビルの荷重に基づく鉛直圧力を考慮して設計されるが、このような円柱状鉛を具備したゴム体からなる制振装置で行わせようとする場合には、円柱状鉛を具備した積層ゴム支承と同様に、円柱状鉛がゴム体内に密に埋設されて、ゴム体により適度に加圧されていないと、所望の振動減衰機能を得ることができないのである。
【0007】
更に、円柱状鉛を具備した積層ゴム支承を主に制振の目的でゴム体又は積層ゴムに代えて上記と同様にして制振装置に用いる場合もあるが、この場合においては、当該積層ゴム支承にはビルの荷重が加わらない結果、所望の振動減衰機能を得ることができない虞がある。
【0008】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、一端面側が構造物及びこの構造物を支持する支持体のいずれか一方に固定されると共に、中間部位が構造物及びこの構造物を支持する支持体のいずれか他方に連結される弾性手段を具備した制振装置において、所望の振動減衰機能と原点復帰機能とを得ることができるようにすることにある。
【0009】
本発明の他の目的とするところは、弾性手段内に配された鉛手段を更に具備した制振装置において、鉛手段の減衰特性を効果的に発揮させることができるようにすることにある。
【0010】
本発明の更に他の目的とするところは、円柱状鉛を具備した従来の積層ゴム支承の構成をそのまま用いても、減衰特性を効果的に発揮させることができる制振装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様の制振装置は、一方の取付手段と、この一方の取付手段に一端面側が固着されていると共に、他端面側が一方の取付手段に、当該他端面側と前記一端面側とを結ぶ方向である軸方向に関して可動に配されている弾性手段と、弾性手段の中間部位に連結されている他方の取付手段と、軸方向に関しての圧縮力を弾性手段に当該弾性手段の他端面側から付与する付与手段とを具備している。
【0012】
第一の態様の制振装置によれば、付与手段により弾性手段に軸方向に関しての圧縮力を付与するために、弾性手段の他端面側を、傾かないようにしっかりと保持でき、而して、所望の振動減衰機能と原点復帰機能とを発揮させるようにできる。
【0013】
本発明の第二の態様の制振装置では、第一の態様の制振装置において、弾性手段の他端面側を軸方向に対して直交する方向に関して固定すると共に、弾性手段の他端面側の軸方向に関する移動を案内する案内手段が一方の取付手段に形成されている。
【0014】
第二の態様の制振装置によれば、弾性手段の他端面側の可動方向が案内手段により案内、確保されるために、弾性手段の他端面側を傾かないように更にしっかりと保持でき、しかも、弾性手段が軸方向に対して直交する方向に関して歪んで伸縮されるような不都合な事態を避けることができる。
【0015】
本発明の第三の態様の制振装置では、第一又は第二の態様の制振装置において、弾性手段は、他方の取付手段を間にして積み重ねられた一対の弾性体を具備しており、一方の弾性体は、その一端面側で一方の取付手段に固着され、その他端面側で他方の取付手段に固着されており、他方の弾性体は、その一端面側で他方の取付手段に固着されており、その他端面側で一方の取付手段に軸方向に関して可動に配されており、付与手段は、一方の弾性体の一端面側に向かって他方の弾性体の他端面側を押圧するようになっている。
【0016】
第三の態様の制振装置によれば、弾性手段が一対の弾性体からなるために、他方の取付手段をこれら一対のものの間に介在させることができ、而して、弾性手段への連結を容易に行うことができる上に連結を強固になし得る。
【0017】
本発明の第四の態様の制振装置では、第三の態様の制振装置において、各弾性体は、単一の弾性ブロック又は弾性層と剛性層とが交互に積層された積層体を具備している。
【0018】
好ましい例では、弾性ブロック又は弾性層は、天然ゴム、合成ゴムなどのゴム材を用いて形成され、また、特に減衰性能を増大させる場合には、本発明の第五の態様の制振装置のように、高減衰ゴムを用いて形成される。弾性ブロック又は積層体は、三角、四角等の角柱状でも円柱状でもよく、更には、楕円柱でもよい。
【0019】
本発明の第六の態様の制振装置では、第一又は第二の態様の制振装置において、軸方向に伸びて弾性手段内に配された鉛手段を更に具備しており、付与手段は、軸方向に関しての圧縮力を鉛手段にも付与するようになっている。
【0020】
第六の態様の制振装置によれば、付与手段が弾性手段内に配された鉛手段に対しても軸方向に関しての圧縮力を付与するようになっているために、鉛手段にその振動減衰機能を効果的に発揮させるようにすることができ、而して、地震等による構造物の振動を可及的に速やかに減衰させることができる。
【0021】
弾性手段又は鉛手段に付加する圧力としては、10kg/cm以上、好ましくは20kg/cmから50kg/cmの範囲が好ましいが、これに必ずしも限定されない。
【0022】
本発明の第七の態様の制振装置では、第六の態様の制振装置において、弾性手段は、他方の取付手段を間にして積み重ねられた一対の弾性体を具備しており、一方の弾性体は、その一端面側で一方の取付手段に固着され、その他端面側で他方の取付手段に固着されており、他方の弾性体は、その一端面側で他方の取付手段に固着されており、その他端面側で一方の取付手段に軸方向に関して可動に配されており、鉛手段は、各弾性体内に配された円柱状鉛を具備しており、付与手段は、一方の弾性体の一端面側に向かって他方の弾性体の他端面側を押圧するようになっている。
【0023】
第七の態様の制振装置によれば、第三の態様の制振装置と同様に、弾性手段及び鉛手段が夫々一対の弾性体及び一対の円柱状鉛からなるために、他方の取付手段をこれら一対のものの間に介在させることができ、而して、弾性手段への連結を容易に行うことができる上に連結を強固になし得る。
【0024】
本発明の第八の態様の制振装置では、第七の態様の制振装置において、各弾性体は、弾性層と剛性層とが交互に積層された積層体を具備しており、各円柱状鉛は、対応の積層体の弾性層と剛性層とを貫通して配されている。
【0025】
第八の態様の制振装置によれば、円柱状鉛を具備した従来の積層ゴム支承をそのまま用いることができ、而して、コスト低減を図り得る。尚、本態様における弾性層もまた、天然ゴム、合成ゴムなどのゴム材を用いて形成され、また、特に減衰性能を増大させる場合には、高減衰ゴムを用いて形成され、加えて、積層体は、前記と同様に、三角、四角等の角柱状でも円柱状でもよく、更には、楕円柱でもよい。円柱状鉛は、各積層体に一個でもよいが、複数個を積層体の弾性層と剛性層とを貫通して配してもよい。
【0026】
本発明の第九の態様の制振装置では、第一から第八のいずれかの態様の制振装置において、付与手段は、軸方向に伸びるロッドと、このロッドの一端部を一方の取付手段に係合させる一方の係合手段と、ロッドの他端部を弾性手段の他端面側に係合させる他方の係合手段とを具備している。
【0027】
本発明の第十の態様の制振装置では、第九の態様の制振装置において、一方及び他方の係合手段のうちの少なくとも一方は、付与する圧縮力の大きさを調整できるようになっている。
【0028】
第十の態様の制振装置によれば、製造された各制振装置に最適な圧縮力を鉛手段に付与することができる上に、設置後も適宜最適な圧縮力に設定できる。
【0029】
本発明の第十一の態様の制振装置では、第一から第十のいずれかの態様の制振装置において、付与手段は、弾性手段の他端面側を弾性手段の一端面側に向かって押圧する押圧板と、この押圧板に弾性手段の一端面側に向かう弾性力を付与する弾性力付与手段とを具備している。
【0030】
第十一の態様の制振装置によれば、付与手段が弾性力付与手段を介して圧縮力を鉛手段に付与するために、第二の態様の制振装置と相俟って、軸方向に関しての弾性手段等の温度伸縮を吸収できる上に、弾性手段又は鉛手段の損壊を防止できる。
【0031】
本発明の第十二の態様の制振装置では、第一から第十一のいずれかの態様の制振装置において、一方の取付手段は、U字状の本体部と、この本体部の両端に、軸方向に対して直交する方向に伸びて一体的に形成された取付部とを具備しており、他方の取付手段は、一方の取付手段のU字状の本体部で規定される空間を貫通して且つ軸方向に対して直交する方向に伸びて配された板状体と、この板状体の両端に軸方向に関して可動に連結された取付部材とを具備している。
【0032】
本発明の構築物は、一の構造物と、他の一の構造物と、少なくとも一個の前記いずれかの態様の制振装置とを具備しており、制振装置は、両取付手段のうちの一方を介して一の構造物に取り付けられ、両取付手段のうちの他方を介して他の一の構造物に取り付けられて、一の構造物と他の一の構造物との間に介在されている。
【0033】
本発明の構築物において、一の構造物としては、事業用のビル、集合住宅、戸建住宅等であってよく、他の一の構造物としては、地盤又は地盤上に形成された基礎上に一の構造物に併置されて構築され、地震において地盤と共に一体的に振動する構造物であってよい。
【0034】
尚、本発明の制振装置は、事業用のビル、集合住宅、戸建住宅等の構造物と地盤との間に介在されてもよい。
【0035】
【発明の実施の形態】
次に本発明及びその実施の形態を、図に示す実施の形態の好ましい一例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
【0036】
図1から図4において、本例の制振装置1は、取付手段2と、取付手段2に一端面3側が固着されていると共に、他端面4側が取付手段2に、当該他端面4側と一端面3側とを結ぶ方向である軸方向、すなわち鉛直方向Vに関して可動に配された弾性手段5と、弾性手段5の中間部位に連結されている取付手段6と、鉛直方向Vに伸びて弾性手段5内に配された鉛手段7と、鉛直方向Vに関しての圧縮力を弾性手段5及び鉛手段7に付与する付与手段8とを具備している。
【0037】
取付手段2は、逆転U字状の本体部11と、本体部11の両端に鉛直方向Vに対して直交する方向である水平方向Hに伸びて一体的に形成された取付部12及び13とを具備しており、本体部11の対向する脚部14及び15の内面16及び17には、弾性手段5の他端面側4を水平方向Hに関して固定すると共に、弾性手段5の他端面4側の鉛直方向Vに関する移動を案内する案内手段18が形成されている。
【0038】
案内手段18は、脚部14の下部に一体的に形成された突起21及び22と、同じく脚部15の下部に一体的に形成された突起23及び24とからなる。
【0039】
取付手段6は、取付手段2の本体部11で規定される空間を貫通して且つ水平方向Hに伸びて配された板状体31と、板状体31の両端に鉛直方向Vに対して可動に連結された取付部材32及び33とを具備しており、取付部材32及び33には、板状体31の鉛直方向Vに関する移動を案内する案内手段34が形成されている。
【0040】
案内手段34は、取付部材32の下部対向面35に一体的に形成された突起36及び37と、下部対向面35に対向する取付部材33の下部対向面38に一体的に形成された突起39及び40とからなる。
【0041】
板状体31の一方の端面45には、取付部材32の下部対向面35並びに突起36及び37の内側面に夫々当接する滑り板46及び47が、同じく板状体31の他方の端面45には、取付部材33の下部対向面38並びに突起39及び40の内側面に当接する滑り板48及び49が夫々固着されており、滑り板46から49によって取付部材32及び33に対する板状体31の相対的な鉛直方向Vに関する移動が低摩擦状態で案内されるようになっている。
【0042】
弾性手段5は、取付手段6の板状体31を間にして積み重ねられた一対の弾性体55及び56を具備しており、弾性体55及び56の夫々は、同様に構成されており、弾性体55は、弾性層61と剛性層62とが交互に積層された円柱状の積層体63と、積層体63の上下面に固着されたフランジプレート64及び65とを具備しており、弾性体56は、弾性層66と剛性層67とが交互に積層された円柱状の積層体68と、積層体68の上下面に固着されたフランジプレート69及び70とを具備している。
【0043】
弾性体55は、その一端面側であるフランジプレート64の上面(弾性手段5の一端面3に相当)でボルト71により本体部11の上部50の下面に固着され、その他端面側であるフランジプレート65でボルト72により板状体31の上面に固着されており、弾性体56は、その一端面側であるフランジプレート69でボルト73により板状体31の下面に固着されており、その他端面側であるフランジプレート70の下面(弾性手段5の他端面4に相当)で付与手段8及び案内手段18を介して取付手段2に水平方向Hに関して固定されていると共に、鉛直方向Vに関して可動になるように配されている。
【0044】
本体部11の上部50の下面とフランジプレート64の上面との間には、剪断キー51が、フランジプレート65の下面と板状体31の上面との間には、剪断キー52が、板状体31の下面とフランジプレート69の上面との間には、剪断キー53が夫々に食い込むようして配されており、剪断キー51から53によって夫々が水平方向Hに互いに相対的に滑り移動しないようにされている。
【0045】
鉛手段7は、弾性体55及び56の夫々内に配された一対の円柱状の円柱状鉛75及び76を具備している。円柱状鉛75及び76の夫々は、積層体63及び68の弾性層61及び剛性層62並びに弾性層66及び剛性層67の夫々の中央部を貫通して鉛直方向Vに伸びて配されている。
【0046】
付与手段8は、両端部81及び82に螺子が切られて、軸方向に伸びる複数本のロッド83と、各ロッド83の一端部81を本体部11の上部50の上面に係合させる係合手段84と、各ロッド83の他端部82を弾性手段5の他端面4側に係合させる係合手段85とを具備している。
【0047】
各ロッド83の一端部81は、本体部11の上部50を隙間をもって貫通しており、各ロッド83の他端部82は、係合手段85の後述の押圧板86を隙間をもって貫通している。
【0048】
係合手段84は、各ロッド83の一端部81に挿着されたばね受け87と、各ばね受け87と本体部11の上部50の上面との間に配された複数枚の皿ばね88と、各ロッド83の一端部82に螺合されたナット89とを具備している。
【0049】
係合手段85は、弾性手段5の他端面4側を弾性手段5の一端面3側に向かって押圧する押圧板86と、各ロッド83の他端部82に螺合されたナット90とを具備している。
【0050】
押圧板86は、その上面でフランジプレート70の下面(弾性手段5の他端面4に相当)にボルト91により固着されており、押圧板86の一方の端面92には、取付部材14及び15の下部対向面16及び17並びに突起21乃至24の内側面に夫々当接する滑り板93が固着されており、滑り板93によって取付部材14及び15に対する押圧板86の相対的な鉛直方向Vに関する移動が低摩擦状態で案内されるようになっている。
【0051】
押圧板86の上面とフランジプレート70の下面との間には、剪断キー100が夫々に食い込むようして配されており、剪断キー100によって押圧板86とフランジプレート70とが水平方向Hに互いに相対的に滑り移動しないようにされている。
【0052】
複数枚の皿ばね88を具備する係合手段84は、本例では、皿ばね88の弾性変形により押圧板86に弾性手段5の一端面3側に向かう弾性力を付与する弾性力付与手段として構成されており、而して、押圧板86は、弾性体55の一端面側に向かって弾性体56の他端面側を押圧するようになっている。
【0053】
係合手段84において、ナット89のロッド83の一端部81への螺合状態を変えることにより、皿ばね88の弾性変形量を変えることができ、これにより係合手段84は、鉛手段7に付与する圧縮力の大きさを調整できるようになっており、また同様に、ナット90のロッド83の他端部82への螺合状態を変えることにより、皿ばね88の弾性変形量を変えることができ、これにより係合手段85も、鉛手段7に付与する圧縮力の大きさを調整できるようになっている。
【0054】
突起21乃至24を具備する案内手段18は、滑り板93を介して押圧板86を水平方向Hに関して固定すると共に、押圧板86の鉛直方向Vに関する移動を案内する結果、弾性手段5の他端面4側をもまた、滑り板93及び押圧板86を介して水平方向Hに関して固定すると共に、鉛直方向Vに関する移動を案内するようになっている。
【0055】
以上の制振装置1は、一方では、複数のアンカーボルト101及びナット102並びにベースプレート103を介して取付手段2の取付部12及び13で、構造物及びこの構造物を支持する支持体のいずれか一方、本例では図5に示すように、構造物である事務所のビル105の屋上106に固着して取り付けられ、他方では、複数のアンカーボルト111及びナット112並びにシム113を介して取付手段6の取付部材32及び33で、構造物及びこの構造物を支持する支持体のいずれか他方、本例では構築体107に固着して取り付けられて、ビル105及び構築体107の荷重を受けることなしに、ビル105と構築体107との間に介在される。尚、図5に示すように複数個の制振装置1をビル105と構築体107との間に介在してもよい。
【0056】
ビル105は、弾性体55又は56と同様の複数の免震装置121により基礎122上に免震支持されており、基礎122は、地盤123に形成されており、構築体107は、地盤123上に形成されて地盤123の振動と共に振動するようになっている。
【0057】
地震が生じて地盤123が水平方向Hに振動すると、免震装置121を介して基礎122上に免震支持されたビル105には多少の水平方向Hの振動が生じるが、ビル105のこの振動は、制振装置1の弾性体55及び56並びに鉛手段7を水平方向Hに剪断変形させる。これらの剪断変形、特に、鉛手段7の剪断変形によりビル105の振動エネルギは吸収され、したがって、地震によるビル105の水平方向Hの振動は可及的に速やかに減衰される。尚、振動減衰においては、弾性体55及び56並びに円柱状鉛75及び76は、水平方向Hにおいて互いに逆方向に剪断変形される。
【0058】
制振装置1では、弾性手段5及び弾性手段5内に配された鉛手段7に対して、垂直方向Vに関しての圧縮力を付与する付与手段8が設けられているために、弾性手段5の他端面4側を、傾かないようにしっかりと保持でき、而して、所望の振動減衰機能と原点復帰機能とを発揮させることができ、しかも、鉛手段7の振動減衰機能をも効果的に発揮させることができ、而して、地震等によるビル105の振動を可及的に速やかに減衰させることもでき、また、弾性手段5は、その他端面4側で、垂直方向Vに関して可動に配されているために、垂直方向Vに関しての弾性手段5等の温度伸縮を吸収するようにできる上に、付与手段8による鉛手段7に対しての垂直方向Vに関しての圧縮力の大きさを加減できるようになる。
【0059】
制振装置1では、更に、弾性手段5の他端面4側の可動方向が案内手段18により案内、確保されるために、弾性手段5の他端面4側を傾かないように更にしっかりと保持でき、しかも、弾性手段5等が水平方向Hに関して歪んで伸縮されるような事態を避けることができ、また、弾性手段5及び鉛手段7が夫々、弾性体55及び56並びに円柱状鉛75及び76からなるために、取付手段6をこれら一対のものの間に介在させることができ、而して、弾性手段5への連結を容易に行うことができる上に連結を強固になし得る。
【0060】
加えて制振装置1では、円柱状鉛を具備した従来の積層ゴム支承をそのまま用いることができ、而して、コスト低減を図り得、最適な圧縮力を鉛手段7に付与することができる上に、設置後も適宜最適な圧縮力に設定でき、また、付与手段8が弾性力付与手段を介して圧縮力を鉛手段7に付与するために、垂直方向Vに関しての弾性手段5等の温度伸縮を吸収できる上に、弾性手段5及び鉛手段7の損壊を防止できる。
【0061】
尚、制振装置1は、ビル105の下面と基礎122の上面との間に介在させても、ビル105の下面と地盤123の上面との間に直接介在させてもよい。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、鉛手段の減衰特性を効果的に発揮させることができ、円柱状鉛を具備した従来の積層ゴム支承の構成をそのまま用いても、減衰特性を効果的に発揮させることができる制振装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい一例の正面一部破断図である。
【図2】図1に示す例の側面一部断面図である。
【図3】図1に示す例の一部平面図である。
【図4】図1に示す例の他の一部平面図である。
【図5】図1に示す例をビルに用いた例の説明図である。
【符号の説明】
1 制振装置
2、6 取付手段
3 一端面
4 他端面
5 弾性手段
7 鉛手段
8 付与手段

Claims (9)

  1. 一方の取付手段と、この一方の取付手段に一端面側が固着されていると共に、他端面側が一方の取付手段に、当該他端面側と前記一端面側とを結ぶ方向である軸方向に関して可動に配されている弾性手段と、弾性手段の中間部位に連結されている他方の取付手段と、軸方向に関しての圧縮力を弾性手段に当該弾性手段の他端面側から付与する付与手段と、軸方向に伸びて弾性手段内に配された鉛手段とを具備しており、付与手段は、軸方向に関しての圧縮力を鉛手段にも付与するようになっており、弾性手段は、他方の取付手段を間にして積み重ねられた一対の弾性体を具備しており、一方の弾性体は、その一端面側で一方の取付手段に固着され、その他端面側で他方の取付手段に固着されており、他方の弾性体は、その一端面側で他方の取付手段に固着されており、その他端面側で一方の取付手段に軸方向に関して可動に配されており、付与手段は、一方の弾性体の一端面側に向かって他方の弾性体の他端面側を押圧するようになっており、各弾性体は、単一の弾性ブロック又は弾性層と剛性層とが交互に積層された積層体を具備しており、一方の取付手段は、U字状の本体部と、この本体部の両端に、軸方向に対して直交する方向に伸びて一体的に形成された取付部とを具備しており、他方の取付手段は、一方の取付手段のU字状の本体部で規定される空間を貫通して且つ軸方向に対して直交する方向に伸びて配された板状体と、この板状体の両端に軸方向に関して可動に連結された取付部材とを具備している制振装置。
  2. 弾性手段の他端面側を軸方向に対して直交する方向に関して固定すると共に、弾性手段の他端面側の軸方向に関する移動を案内する案内手段が一方の取付手段に形成されている請求項1に記載の制振装置。
  3. 弾性ブロック又は弾性層は、高減衰ゴムからなる請求項1又は2に記載の制振装置。
  4. 鉛手段は、各弾性体内に配された円柱状鉛を具備しており、付与手段は、一方の弾性体の一端面側に向かって他方の弾性体の他端面側を押圧するようになっている請求項1又は2に記載の制振装置。
  5. 各弾性体は、弾性層と剛性層とが交互に積層された積層体を具備しており、各円柱状鉛は、対応の積層体の弾性層と剛性層とを貫通して配されている請求項4に記載の制振装置。
  6. 付与手段は、軸方向に伸びるロッドと、このロッドの一端部を一方の取付手段に係合させる一方の係合手段と、ロッドの他端部を弾性手段の他端面側に係合させる他方の係合手段とを具備している請求項1から5のいずれか一項に記載の制振装置。
  7. 一方及び他方の係合手段のうちの少なくとも一方は、付与する圧縮力の大きさを調整できるようになっている請求項6に記載の制振装置。
  8. 付与手段は、弾性手段の他端面側を弾性手段の一端面側に向かって押圧する押圧板と、この押圧板に弾性手段の一端面側に向かう弾性力を付与する弾性力付与手段とを具備している請求項1から7のいずれか一項に記載の制振装置。
  9. 一の構造物と、他の一の構造物と、少なくとも一個の請求項1から8のいずれか一項に記載の制振装置とを具備しており、制振装置は、両取付手段のうちの一方を介して一の構造物に取り付けられ、両取付手段のうちの他方を介して他の一の構造物に取り付けられて、一の構造物と他の一の構造物との間に介在されている構築物。
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